JP4871649B2 - 金属ロープの樹脂粉体塗装方法 - Google Patents

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Description

本発明は金属ロープ塗装方法とりわけ耐食性が良好で景観性に優れた粉体樹脂焼付け方式の塗装ロープの製造方法に関する。
金属ロープとしてスチールワイヤロープが汎用されているが、海水や潮風にさらされる場所や、塩水流入河川や火山地帯の酸性雰囲気の厳しい腐食環境で使用される場合においては、耐食性が損なわれて強度、柔軟性が低下し、耐用年数が短くなるとともに、錆により景観を損ねる問題があった。
この対策としては、樹脂で被覆ないし塗装を施すことが効果的であり、従来、素線の1本1本に樹脂塗装した後、撚り合わせてストランドやロープを得る方法が採用されているが、素線を1本1本樹脂塗装するには時間と手間がかかり、また、撚り合せる際に塗装が剥離あるいは損傷されて品質が落ちやすい問題がある。
この対策としては、ロープそのものに樹脂塗装を施すことが有利であるが、従来では実用性のある適切な焼付け塗装方法が見られなかった。すなわち、ロープに直接樹脂塗装するには、(1)予め、ロープを樹脂粉体の溶融点以上の温度に加熱しておき、これを流動させた樹脂粉体中に浸漬するか、(2)静電塗装装置で樹脂粉体を付着溶融させて焼付ける方法が考えられる。
しかし、(1)の流動粉体中に浸漬する方法は、素線と違って多数の素線が撚り合わされているロープは表面の凹凸が大であるため、均一な厚さに粉体を付着させることに難があり、隣り合う素線間や隣り合うストランド間にも粉体が詰まって全体として丸棒に近い形態となり、その結果、柔軟性が大きく低下する欠点がある。
(2)の静電塗装方法は、ロープが予め樹脂の溶融温度以上の高温に加熱されている関係から、吹付けられた粉体が隣り合う素線間やストランド間において表面から次々と溶融する。このため、樹脂粉体が狭い隙間に侵入し難くなってピンホールが生じてしまう。更にこのピンホールを埋めようとすると、樹脂粉体吹き付け時間が長くなり、結果として図6のように300μm程度以上の非常に厚い塗膜にならざるを得ない。図6においてCは埋められたピンホールである。
また、上記いずれの方法は、被塗装物を予め樹脂粉体の溶融点以上の温度に加熱しておき、これに樹脂粉体を付着溶融させるものであり、樹脂粉体は被塗装物に接触すると同時に加熱が始まるので、次々にこの粉体が溶融し、結局、厚く塗装されてしまい、ロープ本来の柔軟性も損なわれてしまう問題がある。
すなわち、多数本の素線を撚りあわせたロープは丸棒と異なり曲げると隣り合う素線間やストランド間ですべりが生ずるため、曲げやすく柔軟性を有するものであるが、これに塗装すると素線間やストランド間に密着している塗膜によりそれぞれの間でのすべりが抑えられるのでロープの柔軟性が低下してしまう。そして、塗膜が厚くなるほど柔軟性は低下し、曲げることにより塗膜にクラックが発生しやすくなるのである。
また、ワイヤロープのように1条の長さが1000m以上の非常に長いものでは、連続急速加熱焼き付けを施さなければその処理時間が著しく長くなり、実用生産ができない。熱風炉などの雰囲気加熱方法で高速処理しようとすると、雰囲気温度を樹脂粉体の溶融点より著しく高くしておく必要があるが、この場合にはロープ表面に付着している樹脂粉体表面から先に加熱され、高い雰囲気温度に直接さらされ、樹脂粉体の溶融点を大きく越えてしまうので、塗料樹脂が劣化しあるいは燃えてしまい、安定した品質の焼付けができない。従って雰囲気加熱で焼付けする場合には、樹脂粉体が劣化しない程度でしかも粉体の溶融点以上の比較的低温度で焼き付をしなければならず、これでは熱の伝導が悪く、長時間処理が必要になってしまう。
以上のような点から、急速焼付けを行うには付着している樹脂粉体の下のロープ表面からの急速加熱が必要になってくる。そのため、高周波加熱装置を用いることが考えられ、これによれば、付着した樹脂粉体層の下のロープ表面から急昇温するのでこの表面温度を樹脂粉体の劣化を起さない適温まで昇温させれば適度な焼付けが可能である。
しかし、多数の素線を撚り合わせた金属ロープにおいては、その断面の形状が丸線に比べて著しく複雑で、円形形状からかけ離れている。これを高周波加熱装置のコイル中で加熱すると、ロープの山の部分に比べて谷の部分は昇温が遅れるため温度差が生じて加熱ムラが発生する。この加熱ムラはロープの直径が大きくなるほど顕著である。したがって、ロープの山部では、温度が高くなりすぎて樹脂粉体の劣化又は燃焼が生じやすく、一方、谷部では加熱不足を生じて安定した均一塗装ができないという不具合が生じる。
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、防錆効果と耐候性に優れ、曲げたときにも塗膜表面に亀裂が発生しない耐久性のよい樹脂塗装ロープを能率よく製造することができる方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の塗装方法は、3本以上の素線を撚り合わせたストランドを複数本撚り合せてなる直径6mm以上の金属ロープを、樹脂粉体の溶融点以下の温度に予熱し、その予熱後に静電塗装装置で連続的に樹脂粉体を付着させ、その付着後に高周波加熱装置により樹脂粉体の溶融点以上に加熱して焼付け、冷却することを特徴としている。
本発明は、樹脂粉体の溶融点以上の温度にロープを加熱した状態で樹脂粉体を付着させるのではなく、樹脂粉体溶融点以下の温度のロープ表面全周に静電塗装装置で粉体を付着させ、その後、高周波加熱装置で樹脂粉体を溶融点以上に急速加熱して粉体を焼付けるので、ロープ表面の凹凸も外観上確認できかつピンホールのない均一な薄膜塗装を連続的に施すことができ、これにより、たとえば、最表面の隣り合う素線間における塗膜厚の凹み長さをLとし、素線径をdとすると、(L/d)×100(%)が6%以上の均一な薄膜塗装を施すことができ、曲げたときにも塗膜表面に亀裂が発生しない耐久性のよいロープを安価に量産することができる。
この予熱工程は高周波加熱処理装置又は熱風炉等の雰囲気加熱装置のいずれかを用いて行ってもよく、その後、静電塗装装置で粉体を付着させ、その後に高周波過熱装置での本加熱という2段階加熱を行うものである。
常温から焼付け温度まで一挙に昇温するとロープの山部と谷部の温度差が著しく大になるが、前記のように本加熱前に予備加熱を付加する2段階加熱を行うことでこの温度差を少なくすることができる。すなわち、この予備加熱で所定温度まで予熱しておくことにより、本加熱を行う前までにロープの山部と谷部の温度差を小さくしておくものであり、その後、この予備加熱温度から本加熱温度まで昇温させるので、予備加熱なしの場合より本加熱での昇温幅は小さくなり、その結果、加熱ムラも抑制できるものである。この態様は、塗装対象が太径たとえば6mm以上のロープである場合に効果的である。
また、本発明の好適な他の態様は、静電塗装装置で樹脂粉体を付着させる以前に金属ロープを予め予熱することなく、静電塗装装置で樹脂粉体を付着させた後、直列状に離して配置した2台以上の高周波加熱装置により樹脂粉体の溶融点以上に加熱して焼付ける。
樹脂粉体付着前の予備加熱を行わず、静電塗装装置での粉体付着後、互いに離して配置した高周波加熱装置の上流のもので所定温度まで予熱することにより、前記の方法と同様に次の加熱装置に入る前までにロープの山部と谷部の温度差を小さくしておくことができ、その下流の加熱装置で本加熱を行うことにより、昇温幅を小さくし、加熱ムラも抑制できるものである。なお、高周波加熱装置は2台以上用いて、順次加熱温度を上げるようにしてもよい。
好適には、樹脂粉体として、飽和ポリエステル系合成樹脂でイソフタル酸8〜20モル%を含み、固有粘度が0.7〜1.0のイソフタル酸共重合ポリエステルを用いる。
これによれば、樹脂が溶融温度に達したときに粘性が水に近いものとなるので、撚り合わされた素線間の微細な凹凸や隙間をよく濡らして固化される。しかも塗膜が強靭で例えば引張試験での破断時の強い衝撃でもロープの地肌から塗装が剥離することがなく、更に伸びが30%以上で密着性が抜群にすぐれ、密着強度がエポキシ樹脂の3〜5倍にも達するので、ロープを曲げたときにも塗装表面に亀裂が発生せず耐久性にも優れている。また、得られた塗膜は屋外耐久性、絶縁耐力、耐衝撃性、耐寒性、接着力、耐酸性、耐水性、ガスバリア性にすぐれ、他の樹脂と比べてロープ表面との密着性が著しく高く、傷が付いてもその箇所からの腐食の広がりを小さく抑えることができるので最適であり、長期の屋外使用での劣化が少ない。
以下添付図面を参照して本発明を説明すると、図1と図2は本発明により得られた樹脂塗装金属ロープの一例を示しており、1はロープ本体であり、複数本の素線1aを撚りあわせたストランド1bの複数本を撚り合せて構成され、この例では、3×7構造となっており、各ストランド間には谷部3が形成されている。ロープの直径は通常8mm以上である。
素線1aの材質としては、耐食性が要求されるものであり、通常、鉄または鋼からなっている。好適には、素線1aは表面に亜鉛、亜鉛アルミ合金、黄銅などによるめっきが施されている。
2は前記ロープ本体1の表面に施された樹脂粉体焼付け塗装膜である。この樹脂は、熱可塑性、熱硬化性のいずれでもよいが、屋外耐久性、絶縁耐力、耐衝撃性、耐寒性、接着力、耐酸性、耐水性、ガスバリア性のすぐれたものであることが必須であり、種々の樹脂のうち、ポリエステル系樹脂は特に耐侯性にすぐれ、長期の屋外使用での劣化が少なく、また、めっき層との密着性が高く、傷がついてもその箇所からの腐食の拡がりが小さいため、すぐれた耐食性を持っているので推奨される。
前記ポリエステル系樹脂で代表的なものは、変性飽和ポリエステル樹脂であり、特に、イソフタレル酸成分が8〜20モル%を含み、固有粘度:0.7〜1.0の結晶性のイソレフタル酸共重合飽和ポリエステル(ポリエチレンイソテレフタレート共重合体よりなるポリエステル重合体)が好適である。
ここで、イソフタレル酸成分を限定したのは、8%未満では密着性が損なわれ、20%を越えると結晶性が低下すると共に伸度が低下するからであり、粘度を限定したのは、結晶化の進行を抑制しつつ良好な流動性によってめっき層の表面を被覆するには高い分子量の重合体であることが必要だからである。
前記変性飽和ポリエステル樹脂樹脂は、一定温度に達すると粘性が著しく低下して水のようないわゆるしゃぶしゃぶの状態になる。このため微細な隙間にも入り、そこにある固体を濡らし固化して被膜を形成する。しかも、密着性が非常にすぐれ、密着強度が150kg/cmにも達する特性がある。
前記樹脂粉体焼付け塗装膜2は、ロープ表面の凹凸を目視して確認できる薄いものであり、図1で点は塗膜を表現したもので、粉末が点在しているわけではない。図1と図2からわかるように、樹脂粉体焼付け塗装膜2は、隣接する素線1a、1aの山谷がはっきり視認されるように施されている。すなわち、図2(a)(b)のように、隣接する素線1a、1aの谷間にその輪郭どおりのV状の膜20となっており、また、ストランド1bの谷間においても、これを塊状に埋めるのでなく、隣接するストランドの外輪郭に沿って膜を形成している。膜は断面の輪郭に沿って途切れなく連続しており、ピンホールのない均一な薄膜となっている。
具体的には、塗装膜の厚さは40〜170μmである。厚さの下限を40μmとしたのは、樹脂の粒径の関係から40μm以下に薄くするとロープ表面から塗膜表面に抜けるオープンポア状のピンホールが発生してしまうからであり、上限を170μmとしたのは、これ以上の厚さではロープがこわくなり、曲げにくくなって取扱い性が悪くなるとともに、小さな曲げ半径で曲げたときに部分的に亀裂が入る危険があるからである。
そして、図2(b)に示すごとく、最表面の隣り合う素線1a、1a間における塗膜厚の凹み長さをLとし、素線径をdとすると、(L/d)×100(%)を6%以上にする。これはロープ断面のどの箇所においても塗膜厚さが薄く均一であるための本発明者が創案した指標であり、この条件を満たすことで均一な耐食性やロープの曲がり易さが保たれる。L/dが6%未満では、素線の凹凸が視認できない程度になり、隣り合う素線1a、1a間の溝が樹脂膜でほぼ埋まる状態すなわち棒状になり、ロープが曲がりにくくなるので適切でない。前記素線間塗膜の凹み条件を満足させた場合、塗膜が薄く均一かつシャープな輪郭であるので、ロープの使用時たとえばにロープ同士を交差させてクランプ金具で挟持したときにロープの滑りによるずれが防止され、確実に直交状に固定することが可能になる。
図3は本発明により得られた他のロープの例を示している。(a)は7×19構造のロープ本体1に樹脂粉体焼付け塗装膜2を施したもの、(b)は7×7構造のロープ本体1に樹脂粉体焼付け塗装膜2を施したものをおのおの示しており、谷部3が埋めつくされることなく素線の輪郭がはっきり出るように均一に塗装されている。他の構成は記述したところと同じであるから説明は援用する。
本発明の製造方法の第1態様を説明すると、通常の方法によりロープ本体1を製造した後、図4のような設備を配置した工程で連続処理を行う。ロープの製造においては潤滑などのための油類は基本的に使用しない。それは、油類がロープ表面に残留していると塗装樹脂とロープ表面の密着性を損なうからであり、油類を使用した場合は本工程前又は本工程の初期に脱脂処理を行う。
図4において、4はロープ本体1を巻収したサプライ装置、5は定速巻取り装置であり、それらサプライ装置4と巻取り装置5の間に、ブレーキ装置6、予熱用の加熱装置7A、ショットブラスト装置8、静電塗装装置9、本加熱用の高周波加熱装置7B、冷却装置10および乾燥装置11を上流から下流に向かってこの順序で配置している。なお、予熱用の加熱装置7Aはショットブラスト装置8の下流に配置してもよい。
サプライ装置4から引き出されたロープ本体1は、まず、予熱用の加熱装置7Aで予熱される。予熱用の加熱装置7Aとしては加熱時間の短縮の点から高周波加熱装置が用いられるが、雰囲気加熱装置であってもよい。前者である場合、ロープを走行させながらロープに高周波コイルにより高周波を印加するのもので、ロープ表面から内部に熱拡散して均一な加熱状態となる。後者は、熱風炉等が用いられ、ロープが通過するトンネル内に熱風を吹き込むことで行われる。いずれの場合も、加熱温度は、静電塗装装置9の直前位置で測定したロープ表面温度が樹脂粉体の溶融点以上にならぬようコントロールする。
こうして予熱されたロープ本体1はショットブラスト装置8に導入され、これを通過する間にショット材がロープ表面全周に噴射されることにより、表面を細かい凹凸からなる梨地状に処理される。
かかる処理は、ロープ表面(めっき層)と後述する樹脂との強固な密着性を得るためであり、アルミナなど硬質のショット材を圧縮エアを媒体として噴射し衝突させることにより行われる。すなわち、ロープ本体1を閉鎖断面の通路中を移動させながら、閉鎖断面の通路壁に円周を3等分ないし5等分した位置に装着したノズルから研削材をエアブラストする。
こうして予熱されかつ表面に細かい凹凸が付けられたロープ本体1はこの状態で静電塗装装置9に導かれ、ここで樹脂粉体をロープ表面に吹き付け電着させる。
この工程において、隣り合う素線間の隙間やストランド間の隙間に侵入しやすくするために、樹脂粉体の粒度はたとえば80メッシュパス以下好適には120メッシュパス以下の細かいふるいを通過したものが好適である。
かかる静電塗装工程は、静電流動法たとえば静電吹付けが用いられ、樹脂粉末を荷電させ、エアガンによりロープ表面に吹付けることによって行われる。これにより、樹脂粉末はエアショットブラストを施されて無数の凹凸が散在しているロープ表面に電気的に付着させられる。
このようにして静電塗装装置9を通過する間にロープ本体1の表面全周は樹脂粉体粒子で覆われ、この状態で高周波加熱装置7Bを通過しながら、ロープ表面から樹脂粉体の溶融温度より高い所定温度まで急速加熱される。たとえば、ロープ表面温度が樹脂溶融点+(20〜60℃)となるように高周波を印加する。しかし、それ以上の温度では樹脂が熱分解を起して劣化するため適当でない。
樹脂粉末はロープ表面に接している下層から溶融し、ショットブラストによる無数の凹凸に流入してくさびのように食いこんで密着され、素線の表面、ストランドの表面に均一な膜を形成する。この樹脂粉体の溶融に際して、前記のように本加熱前に予備加熱を付加する2段階加熱を行っているため、ロープの山部と谷部の温度差を少なくすることができ、このため、山部と谷部での被膜厚さの不均一さが抑制され、全体としてピンホールのない均一な薄膜とすることができる。
この溶融が進んだところで、水槽などの冷却装置10に浸漬して溶融状態の樹脂をロープ表面に固化密着させる。その後、乾燥装置11を通して乾燥させ、最後に定速巻取装置5で巻き取るものである。このようにして、図2や図3の塗装ロープが得られるのである。
次いで本発明の第2態様を説明すると、図5のように、上流から下流に、サプライ装置4→ブレーキ装置6→ショットブラスト装置8→静電塗装装置9→複数の高周波加熱装置7A、7B→冷却装置10→乾燥装置11→定速巻取り装置5を配置して行う。複数の高周波加熱装置7A、7Bは、相互に適当な距離をおいて配置される。
この態様においては、静電塗装前には特にロープを予熱せず、常温のままで静電塗装を行い、それから、上流側の高周波加熱装置7Aでロープを加熱する。このときの加熱温度は樹脂の溶融点以下であり、たとえばロープ表面温度を樹脂溶融点−(50〜80℃)程度となるように加熱する。そして、下流側の高周波加熱装置7Bで樹脂の溶融点以上の温度に本加熱する。
このような2段階加熱により、ロープの山の部分に比べて谷の部分の昇温が遅れるための温度差(加熱ムラ)が抑制され、第1段の加熱によりロープ表面が昇温してこれに接しあるいは接近する樹脂が軟化され、第2段の加熱により、溶融が開始されて次第に伝播する半溶融状態から完全な溶融化が均一かつスムーズに進む。したがって、均一な塗膜品質を有し、かつ偏肉の少ないまたピンホールのない連続樹脂膜2となる。
いずれの態様も素線の1本1本に樹脂塗装して撚り合せる金属ロープではなく、撚り上がった金属ロープに直接薄く塗装する方法であるから、撚り工程による塗装の損傷が起こらず、前記条件により、塗膜はロープ表面の凹凸も外観からはっきり確認できる薄い40〜170μm厚みとなり、最表面の隣り合う素線間における塗膜厚の凹み長さをLとし、素線径をdとすると、(L/d)×100(%)6%以上が確保でき、更にピンホールのない均一な薄膜塗装が得られる。前記塗膜厚さは静電塗装条件を選ぶことによって自在に調整できる。
本発明を適用して図2の塗装金属ロープ製造した。ロープ本体は、それぞれ亜鉛めっきを施した7本の素線を撚り合わせたストランドを3本撚り合わせた3×7構造の直径18mmのワイヤロープである。
このロープを前記の工程で速度5m/分で塗装した。ブレーキ装置を通過した後、高周波加熱装置でその表面温度を静電塗装直前の位置で約120℃になるように予熱し、続いてショットブラスト処理で表面全体を梨地にし、次に粒度120メッシュパスの飽和ポリエステル樹脂粉体(イソフタル酸8〜20モル%を含み、固有粘度が0.7〜1.0のイソテレフタル酸共重合飽和ポリエステル)を用いて、塗装電圧及びガンからの粉体吐出量等を制御して静電粉体付着を施した。その後、高周波加熱装置を用いて約300℃に本加熱を行って樹脂粉体の溶融を行い、続いて冷却水中に浸潰して固化密着させた。
以上の工程により、塗膜厚が平均120μmの非常に均一でピンホールのない薄い塗装が施され、(L/d)×100=8.2(%)であった。塗膜は、引張破断時の強い衝撃でも剥離することなく、密着性も良好で、通常の非塗装ロープの巻収に用いられる直径540mmのドラムに巻き付けても剥離やクラックが生じないことが確認された。塩水噴霧試験機にかけて5000時間を経過しても錆やクラックの発生は皆無であった。
図3(b)に示す7本の素線を撚り合せたストランド1本を中心にしてその周りに6本のストランドを撚り合せた7×7構造の直径16mmのワイヤロープを用いて、実施例1と同じ工程にて変性飽和ポリエステル樹脂粉体の塗装焼付けを施した。
その結果、塗膜厚が平均102μmの均一でピンホールのない薄い塗装ができ、(L/d)×100=7.2(%)であった。塗膜は引張破断時の強い衝撃でも剥離することなく、密着性も良好で、通常の非塗装ロープの巻収に用いられる直径540mmのドラムに巻き付けても剥離やクラックが生じないことが確認された。塩水噴霧試験機にかけて5000時間を経過しても錆やクラックの発生は皆無であった。
図3(a)に示す19本の素線を撚り合せたストランドを7本用いて、中心に1本のストランドとその周りに6本のストランドを撚り合せた直径6mmの7×19構造のワイヤロープを用いて、実施例1、2と同様に変性飽和ポリエステル樹脂粉体の塗装焼付けを施した。
このようにして、塗膜厚が平均90μmの均一でピンホールのない薄い塗装ができ、(L/d)×100=7.9(%)であった。塗膜は引張破断時の強い衝撃でも剥離することなく、密着性も良好で、通常の非塗装ロープの巻収に用いられる直径280mmのドラムに巻き付けても剥離やクラックが生じないことが確認された。塩水噴霧試験機にかけて5000時間を経過しても錆やクラックの発生は皆無であった。
実施例1と同じ直径18mmの3×7構造のロープを用いて速度5m/分で次の工程で同じ樹脂粉体を用いて塗装した。
サプライ装置から繰り出した当該ロープをブレーキ装置を通した後、ショットブラスト装置を通過させて表面を梨地にし、その後、静電塗装装置で粉体を付着させた。続いて、第1の高周波加熱装置でロープ表面温度を約200℃に加熱し、前記装置から約1m離れて後に配置された第2の高周波加熱装置で約300℃に本加熱して、粉体を溶融させた。その後、水冷して固化密着させ、乾燥装置を経て巻取り装置で巻き取った。
このようにして、塗膜厚が平均124μmの非常に均一なピンホールのない薄い塗装ができ、(L/d)×100=7.8(%)であった。塗膜の特性については実施例1と同様であることが確認された。
本発明により得られた樹脂粉体塗装金属ロープの側面図である。 (a)は本発明ロープの一例を示す拡大断面図、(b)はその一部拡大図である。 (a)および(b)は本発明ロープの他の例を示す拡大断面図である。 本発明の第1の態様を示す工程図である。 本発明の第2の態様を示す工程図である。 従来の塗装ロープの部分拡大断面図である。
符号の説明
1 ロープ本体
1a 素線
1b ストランド
2 樹脂粉体焼付け塗装膜
7A 予熱用加熱装置
7B 本加熱用加熱装置
9 静電塗装装置
10 冷却装置

Claims (3)

  1. 3本以上の素線を撚り合わせたストランドを複数本撚り合せてなる直径6mm以上の金属ロープを、樹脂粉体の溶融点以下の温度に予熱し、その予熱後に静電塗装装置で連続的に樹脂粉体を付着させ、その付着後に高周波加熱装置により樹脂粉体の溶融点以上に加熱して焼付け、冷却することを特徴とする金属ロープの樹脂粉体塗装方法。
  2. 静電塗装装置で粉体樹脂を付着させる以前に、予熱された金属ロープをショットブラスト装置に導入し、これを通過する間にショット材を金属ロープ表面全周に噴射し、金属ロープの表面を細かい凹凸からなる梨地状に処理することを特徴とする請求項1に記載の金属ロープの樹脂粉体塗装方法。
  3. 樹脂粉体として、飽和ポリエステル系合成樹脂でイソフタレ酸8〜20モル%を含み、固有年度が0.7〜1.0のイソフタレ酸共重合ポリエステルを用いる請求項1〜請求項2のいずれかに記載の金属ロープの樹脂粉体塗装方法。
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