JP3166681B2 - アクティブフィルタおよびアクティブフィルタ用集積回路 - Google Patents

アクティブフィルタおよびアクティブフィルタ用集積回路

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JP3166681B2 JP30132997A JP30132997A JP3166681B2 JP 3166681 B2 JP3166681 B2 JP 3166681B2 JP 30132997 A JP30132997 A JP 30132997A JP 30132997 A JP30132997 A JP 30132997A JP 3166681 B2 JP3166681 B2 JP 3166681B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アクティブフィ
ルタおよびアクティブフィルタ用集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図4〜図6は従来のアクティブローパス
フィルタの構成例を示す回路図である。
【0003】まず、図4に示すものは、サレンキー回路
と呼ばれるアクティブローパスフィルタであり、オペア
ンプ101と、抵抗102および103と、キャパシタ
104および105とにより構成されている。このアク
ティブローパスフィルタは、簡単な構成であるが、入力
信号の変化に応じてオペアンプ101の非反転入力端
(+)および反転入力端(−)の入力レベルが変化する
ようになっているため、適正な動作の得られる入力信号
の許容範囲がオペアンプ101の入力レベルの許容範囲
の制約を受けるという欠点がある。
【0004】次に図5に示すものは、いわゆる多重帰還
型のアクティブローパスフィルタであり、オペアンプ2
01と、抵抗202〜204と、キャパシタ205およ
び206とにより構成されている。このアクティブロー
パスフィルタは、オペアンプ201の非反転入力端
(+)が接地されており、オペアンプ201の反転入力
端(−)は同オペアンプ201において行われる負帰還
動作により仮想接地されている。従って、適正な動作の
得られる入力信号の許容範囲がオペアンプ201の入力
レベルの許容範囲の制約を受けず、図4に示すものより
も広いという利点がある。
【0005】次に図6に示すものは、バイクワッドアク
ティブローパスフィルタと呼ばれるものであり、オペア
ンプ301〜303と、抵抗311〜316と、キャパ
シタ321および322とにより構成されている。この
バイクワッドアクティブローパスフィルタも、オペアン
プ301〜303の反転入力端(−)が仮想接地されて
いるため、適正な動作の得られる入力信号の許容範囲が
広いという利点がある。また、このバイクワッドアクテ
ィブローパスフィルタは、オペアンプ301および30
2に接続された各抵抗およびキャパシタの調整により十
分に高いQ(選択度)を得ることができるという利点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のア
クティブフィルタに使用する各キャパシタは一般に容量
値の比較的大きなものが必要とされる。従って、アクテ
ィブフィルタを集積回路によって構成する場合には、チ
ップ面積の制約からこれらのキャパシタを半導体チップ
上に形成するのは困難である。そこで、これらのキャパ
シタについては、集積回路に対して外付けとするのが一
般的である。しかし、従来のアクティブフィルタは、図
4〜図6に示すように、積分要素あるいは比例要素を構
成するためにオペアンプの入出力間にキャパシタを介挿
する構成を採っており、このようなキャパシタを集積回
路の外付けキャパシタとするためには、当該キャパシタ
の両端を接続するための2個のピンを集積回路に設ける
必要がある。従って、従来のアクティブフィルタは、集
積回路として構成する場合に、必要なピンの本数が多く
なってしまうという問題があった。
【0007】この発明は以上説明した事情に鑑みてなさ
れたものであり、外付け素子の接続のためのピン数が少
なくて済むアクティブフィルタおよび同アクティブフィ
ルタを構成するためのアクティブフィルタ用集積回路を
提供することを目的をしている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記課題
を検討した結果、1つの考えに到達した。すなわち、そ
もそもアクティブフィルタにおいてキャパシタ等のイン
ピーダンスを集積回路に外付けするためのピンが多くな
ってしまうのは、かかるインピーダンスがオペアンプの
入出力間に介挿されているからであり、当該インピーダ
ンスの一端をオペアンプから切り離すことができれば集
積回路に設けるべきピン数を削減できる、との考えであ
る。そこで、本願発明者は、この考えに従い、従来のア
クティブフィルタの改良を鋭意検討した結果、以下の改
良を行えば、従来のアクティブフィルタと全く同じ伝達
関数を有し、しかも、外付けインピーダンスを集積回路
に接続するためのピン数の少ないアクティブフィルタが
得られるとの結論に達した。
【0009】a.オペアンプの構成の変更 従来のアクティブフィルタでは、仮想接地された入力端
に供給される電流をオペアンプの入出力間に介挿された
外付けインピーダンスに流すことにより、入力信号に対
し積分や比例積分を施した出力電圧をオペアンプの出力
端から得ていた。これに対し、本発明では、このような
入力端が仮想接地された電圧出力型のオペアンプを入力
端が仮想接地された電流オペアンプ(電流出力型演算増
幅器)、すなわち、仮想接地された入力端に入力される
電流を増幅して出力する手段に置き換え、外付けインピ
ーダンスはこの電流オペアンプの出力端と接地線または
基準電源との間に介挿する。このような構成の変更を行
ったとしても、仮想接地された入力端に供給される電流
が外付けインピーダンスに流れるため、変更前のものの
オペアンプの出力電圧に対応した電圧が外付けインピー
ダンスの両端から得られる。しかも、変更後において
は、外付けインピーダンスの一端を接地線または基準電
源に接続すればよいので、外付けインピーダンスを集積
回路に接続する場合に必要なピン数を減らすことができ
る。
【0010】b.オペアンプ間の接続の変更 上記電流オペアンプへの置き換えを行った電圧出力型の
オペアンプの出力信号が、入力端が仮想接地されたオペ
アンプに供給されている場合には、何等策を施さないと
すると、電流出力型演算増幅器の出力電流の一部が後段
のオペアンプに流れ込んでしまう。これでは電流オペア
ンプの入出力間の伝達関数が従来のものの電圧出力型オ
ペアンプの入出力間の伝達関数と異なったものになって
しまう。そこで、このような事態を避けるべく、後段の
オペアンプを2つの出力端を持った電流出力型演算増幅
器に置き換え、その出力端の1つから得られる出力電流
を前段の電流出力型演算増幅器の出力端または入力端に
帰還する。すなわち、後段の電流出力型演算増幅器の入
力端に供給する電流を全て後段の電流出力型演算増幅器
の出力電流によって賄い、前段の電流出力型演算増幅器
の出力電流のすべてを外付けインピーダンスに供給する
のである。
【0011】この発明は、以上の改良を従来のアクティ
ブフィルタに加えることにより得られたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に理解しやすく
するため、実施の形態について説明する。かかる実施の
形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を
限定するものではなく、本発明の範囲で任意に変更可能
である。
【0013】図1はこの発明の一実施形態であるバイク
ワッドアクティブフィルタの構成を示す回路図である。
このバイクワッドアクティブフィルタの各構成要素のう
ち抵抗11、12および16並びに電流オペアンプ1お
よび2からなる回路は、あるアナログ集積回路100の
一部として半導体基板上に形成されている。そして、バ
イクワッドアクティブフィルタの残りの構成要素である
キャパシタ21および22並びに抵抗17は、アナログ
集積回路100の外部に設けられており、アナログ集積
回路100のピン31および32を介してバイクワッド
アクティブフィルタの他の構成要素と接続されている。
なお、10はこのバイクワッドアクティブフィルタの入
力端、20は出力端である。
【0014】本実施形態に係るバイクワッドアクティブ
フィルタは、前掲図6に開示のバイクワッドアクティブ
フィルタに対し、上述した改良aおよびbを施すことに
より得られたものである。そこで、以下では前掲図6に
開示の構成を参照しつつ図1に示す本実施形態に係るバ
イクワッドアクティブフィルタについて説明する。
【0015】まず、図1に示すバイクワッドアクティブ
フィルタの入出力間に介挿された抵抗11および16
は、図6における抵抗311および316に対応してお
り、抵抗11の抵抗値は抵抗311の抵抗値と等しく、
抵抗16の抵抗値は抵抗316の抵抗値と等しい。
【0016】次に、図6では、オペアンプ301の非反
転入力端(+)が接地されるとともに、このオペアンプ
301の出力端と反転入力端(−)との間にキャパシタ
321が接続されており、上記抵抗311の一端がオペ
アンプ301の反転入力端(−)に接続されている。
【0017】かかる構成によれば、オペアンプ301の
反転入力端(−)は仮想接地され、この反転入力端
(−)に抵抗311を介して供給される入力電流がキャ
パシタ321に流れる。従って、この入力電流を積分
し、その積分値の極性を正負反転したものに相当する出
力電圧がオペアンプ301の出力端から得られる。
【0018】これに対し、図1に示す構成では、図6に
おけるオペアンプ301が電流オペアンプ1に置き換え
られており、この電流オペアンプ1の非反転入力端
(+)は接地され、反転入力端(−)には抵抗11の一
端が接続されている。ここで、電流オペアンプ1の内部
では反転入力端(−)の入力レベルを非反転入力端
(+)の入力レベルに一致させる負帰還動作が行われる
(詳細は後述)。従って、電流オペアンプ1の反転入力
端(−)も図6におけるオペアンプ301と同様に仮想
接地されている。また、図1に示す構成では、電流オペ
アンプ1の出力端と接地線との間にキャパシタ21が介
挿されている。このキャパシタ21は、図6におけるキ
ャパシタ321に対応しており、その容量値はキャパシ
タ321の容量値と等しい。
【0019】かかる構成によれば、仮想接地された反転
入力端(−)に抵抗11を介して入力電流が流れ込み、
この入力電流と同じ大きさの出力電流が電流オペアンプ
1から出力され、キャパシタ21に流れ込む。従って、
電流オペアンプ1の出力端から上記入力電流の積分値に
相当する出力電圧が得られる。
【0020】なお、図6に示す構成では、オペアンプ3
01に対する入力電流の積分が行われ、その積分値の極
性を反転した電圧がオペアンプ301から出力された
が、本実施形態では上記の通り電流オペアンプ1に対す
る入力電流の積分値に対応した電圧がそのままの極性で
出力される。従って、本実施形態においては、図6にお
けるオペアンプ303、抵抗314および315からな
る位相反転回路に相当するものを設ける必要がない。
【0021】次に図6では、オペアンプ302の非反転
入力端(+)が接地されるとともに、このオペアンプ3
02の出力端と反転入力端(−)との間にキャパシタ3
22および抵抗313を並列接続したものが介挿されて
おり、オペアンプ301の出力端が抵抗312を介して
オペアンプ302の反転入力端(−)に接続されてい
る。
【0022】かかる構成によれば、オペアンプ302の
反転入力端(−)は仮想接地されているため、オペアン
プ301の出力電圧を抵抗312の抵抗値によって除算
したものに相当する入力電流がオペアンプ302の反転
入力端(−)に供給され、この入力電流がキャパシタ3
22および抵抗313からなるインピーダンスに流れ
る。この結果、当該インピーダンスに上記入力電流の通
電による電圧降下が生じ、この電圧降下の極性を反転し
た出力電圧がオペアンプ302の出力端から得られる。
【0023】これに対し、図1に示す構成では、図6の
オペアンプ302が電流オペアンプ2に置き換えられて
いる。この電流オペアンプ2の非反転入力端(+)は接
地され、反転入力端(−)は抵抗12を介して電流オペ
アンプ1の非反転出力端(+)に接続されている。
【0024】ここで、電流オペアンプ2の内部では反転
入力端(−)の入力レベルを非反転入力端(+)の入力
レベルに一致させる負帰還動作が行われ、反転入力端
(−)は図6におけるオペアンプ302と同様に仮想接
地されている。従って、電流オペアンプ2の反転入力端
(−)には、電流オペアンプ1の出力電圧を抵抗12の
抵抗値によって除算した入力電流が流れ込む。
【0025】電流オペアンプ2は、非反転出力端(+)
および反転出力端(−)を有しており、上記入力電流と
等しい大きさの電流を非反転出力端(+)から出力する
とともに、上記入力電流を等しい大きさを有し、かつ、
極性が反転された電流を反転出力端(−)から出力す
る。
【0026】これらの各出力電流のうち電流オペアンプ
2の非反転出力端(+)から出力される電流は、電流オ
ペアンプ1の出力端であるA点に帰還される。従って、
抵抗12を介して電流オペアンプ2の反転入力端(−)
に流れ込む電流の全ては、電流オペアンプ2の非反転出
力端(+)から出力される電流によって賄われることと
なり、電流オペアンプ1から電流オペアンプ2の反転入
力端(−)へ向けての出力電流の供給は行われない。こ
のような構成を採ったのは、電流オペアンプ1の出力電
流の全てをキャパシタ21に流すためである。なお、図
1に示す構成では、電流オペアンプ2の非反転出力端
(+)の出力電流をA点に帰還させたが、この出力電流
は図1におけるB点、すなわち、電流オペアンプ1の反
転入力端(−)に帰還させるようにしてもよい。
【0027】電流オペアンプ2の反転出力端(−)と接
地線との間には、キャパシタ22および17が並列に介
挿されている。また、電流オペアンプ2の反転出力端
(−)には抵抗16の一端に接続され、この抵抗16の
他端は電流オペアンプ1の反転入力端(−)において仮
想接地されている。従って、電流オペアンプ2の反転出
力端(−)と接地線との間には、キャパシタ22、抵抗
17および16が並列に介挿されていることとなる。
【0028】ここで、キャパシタ22は、図6における
キャパシタ322に対応しており、その容量値はキャパ
シタ322の容量値と等しい。また、抵抗17の抵抗値
は、抵抗16および図6における抵抗313の各抵抗値
に基づいて定められている。すなわち、抵抗313の抵
抗値をR1、抵抗316の抵抗値をR2、抵抗17の抵抗
値をR3とした場合に、次の関係を満たすように抵抗値
R3が定められている。 R1=R2R3/(R2+R3) ……(1)
【0029】従って、本実施形態においては、電流オペ
アンプ1の出力電圧を抵抗12の抵抗値によって除算し
たものに相当する入力電流が電流オペアンプ2の反転入
力端(−)に供給され、この入力電流と等しい大きさを
有し、かつ、極性が反転された電流が電流オペアンプ2
の反転出力端(−)から出力され、この出力電流がキャ
パシタ22、抵抗17および16を並列接続したものに
流れることとなる。ここで、抵抗17および16を並列
接続したものの抵抗値は、式(1)に示したように図6
における抵抗313の抵抗値R1と等しい。従って、電
流オペアンプ2の反転出力端(−)には、図6における
オペアンプ302の出力電圧に対応した電圧が生じる。
この電圧が図1に示すバイクワッドアクティブフィルタ
の最終的な出力信号として後続の他の回路(図示略)に
供給されるのである。
【0030】以上説明したように、本実施形態における
各部の動作は、前掲図6に示すものの各部の動作と全く
等価であり、従って、本実施形態に係るバイクワッドア
クティブフィルタは前掲図6におけるバイクワッドアク
ティブフィルタと全く同一の伝達関数を有している。そ
して、このように全く等価な機能でありながら、本実施
形態に係るバイクワッドアクティブフィルタは前掲図6
におけるバイクワッドアクティブフィルタに比べて優れ
た点を有しているのである。すなわち、前掲図6におい
ては、キャパシタ321および322が各々オペアンプ
の入出力間に介挿されているため、各キャパシタを外付
けとするためには各キャパシタ毎に2本ずつ接続用のピ
ンが必要であったが、本実施形態では、各外付けキャパ
シタは図1に示すように一端が接地されているため、各
キャパシタ毎に1本しか接続用のピンを使用しないで済
む。従って、本実施形態の場合、外付けインピーダンス
を接続するためにアナログ集積回路に設けるべきピンの
数を前掲図6のものよりも減らすことができるのであ
る。
【0031】次に本実施形態において使用する電流オペ
アンプ1および2について詳述する。この種の電流オペ
アンプとしては、各種の構成のものが考えられるが、図
2は電流オペアンプ1の一例を示すものであり、図3は
電流オペアンプ2の一例を示すものである。まず、図2
を参照し、電流オペアンプ1の一構成例について説明す
る。
【0032】図2において、PチャネルMOS(金属酸
化膜半導体構造)トランジスタP1およびP2は、ソー
スが共通接続されている。この共通接続点と正電源VDD
との間には定電流2I10を供給可能な定電流源CC1が
介挿されている。ここで、PチャネルMOSトランジス
タP1のゲートは、抵抗11の一端に接続されており、
PチャネルMOSトランジスタP2のゲートは接地され
ている。そして、PチャネルMOSトランジスタP1の
ドレインは、NチャネルMOSトランジスタN1のドレ
インおよびゲート並びにNチャネルMOSトランジスタ
N2のゲートに接続されており、NチャネルMOSトラ
ンジスタN1のソースは負電源VSSに接続されている。
一方、PチャネルMOSトランジスタP2のドレイン
は、NチャネルMOSトランジスタN2のドレインに接
続されており、このNチャネルMOSトランジスタN2
のソースは負電源VSSに接続されている。
【0033】以上説明した各要素からなる回路は、差動
増幅器を構成している。ここで、この差動増幅器の動作
について、理想的な場合を想定して説明する。まず、P
チャネルMOSトランジスタP1のゲートレベルが接地
レベルと一致している場合には、PチャネルMOSトラ
ンジスタP1およびP2には同じ大きさのゲートバイア
スが与えられる。また、このときNチャネルMOSトラ
ンジスタN1およびN2はカレントミラーとして動作す
る。このため、定電流源CC1の電流2I10は二分さ
れ、PチャネルMOSトランジスタP1側およびPチャ
ネルMOSトランジスタP2側に各々同じ大きさの電流
I10が流れることとなる。
【0034】しかし、PチャネルMOSトランジスタP
1のゲートレベルが接地レベルより高くなると、Pチャ
ネルMOSトランジスタP1のゲートバイアスが減少す
るため、PチャネルMOSトランジスタP1側に流れる
電流は例えばI10−ΔIとなり、PチャネルMOSトラ
ンジスタP2側に流れる電流はI10+ΔIとなる。この
結果、NチャネルMOSトランジスタN2のドレインの
レベルは正方向に変化し、逆にNチャネルMOSトラン
ジスタN1のドレインのレベルは負方向に変化すること
となる。
【0035】また、PチャネルMOSトランジスタP1
のゲートレベルが接地レベルより低くなった場合には以
上と全く逆の動作となり、NチャネルMOSトランジス
タN2のドレインのレベルは負方向に、NチャネルMO
SトランジスタN1のドレインのレベルは正方向に変化
することとなるのである。
【0036】NチャネルMOSトランジスタN2のドレ
インは、以上説明した差動増幅器の出力端子をなしてお
り、NチャネルMOSトランジスタN3のゲートに接続
されている。このNチャネルMOSトランジスタN3の
ソースは負電源VSSに接続されており、ドレインは定電
流I20を供給可能な定電流源CC2を介して正電源VDD
に接続されている。そして、NチャネルMOSトランジ
スタN3のドレインは、上記差動増幅器におけるPチャ
ネルMOSトランジスタP1のゲートに接続されてい
る。すなわち、差動増幅器の出力信号がNチャネルMO
SトランジスタN3を介して当該差動増幅器に負帰還さ
れる構成となっているのである。
【0037】このような構成としたため、PチャネルM
OSトランジスタP1のゲートは常に仮想接地状態とさ
れる。すなわち、仮にPチャネルMOSトランジスタP
1のゲートレベルが接地レベルより高くなろうとする
と、NチャネルMOSトランジスタN2のドレインのレ
ベルが正方向に変化し、これによりNチャネルMOSト
ランジスタN3のゲートバイアスが増加するため、Nチ
ャネルMOSトランジスタN3のコンダクタンスが増大
し、PチャネルMOSトランジスタP1のゲートのレベ
ルの上昇が妨げられる。逆にPチャネルMOSトランジ
スタP1のゲートレベルが接地レベルより低くなろうと
すると、NチャネルMOSトランジスタN2のドレイン
のレベルが負方向に変化し、これによりNチャネルMO
SトランジスタN3のゲートバイアスが減少するため、
NチャネルMOSトランジスタN3のコンダクタンスが
減少し、PチャネルMOSトランジスタP1のゲートの
レベルの低下が妨げられる。このようにPチャネルMO
SトランジスタP1のゲートのレベルを接地レベルに一
致させる動作が常に行われるのである。
【0038】そして、PチャネルMOSトランジスタP
1のゲートがこのように仮想接地されていることから、
入力端10に対する入力電圧を抵抗11の抵抗値で除算
したものに相当する入力電流Iが抵抗11に流れ、この
入力電流Iと定電流源CC2からの定電流I20とを加え
た電流I20+IがNチャネルMOSトランジスタN3に
流れる。このときNチャネルMOSトランジスタN3の
動作点は飽和領域にあり、このNチャネルMOSトラン
ジスタN3にドレイン電流I20+Iを流すのに必要なゲ
ート電圧がNチャネルMOSトランジスタN2のドレイ
ンから出力される。すなわち、ドレイン電流I20+Iを
流すのに必要なゲート電圧がNチャネルMOSトランジ
スタN3に与えられていないときには、NチャネルMO
SトランジスタN3のドレインのレベルの上昇→Pチャ
ネルMOSトランジスタP1のゲートバイアスの減少→
NチャネルMOSトランジスタN3のゲート電圧の増加
→NチャネルMOSトランジスタN3のドレインのレベ
ルの上昇防止、という動作が行われ、結局、ドレイン電
流I20+Iを流すのに必要なゲート電圧がNチャネルM
OSトランジスタN3に与えられることとなるのであ
る。
【0039】NチャネルMOSトランジスタN4は、ソ
ースが負電源VSSに接続されており、ゲートには、Nチ
ャネルMOSトランジスタN3と同じく、NチャネルM
OSトランジスタN2のドレインからの出力電圧が与え
られる。ここで、NチャネルMOSトランジスタN4
は、NチャネルMOSトランジスタN3と同じサイズを
有している。このため、NチャネルMOSトランジスタ
N3にドレイン電流I20+Iが流れる場合、このNチャ
ネルMOSトランジスタN4にもドレイン電流I20+I
が流れる。
【0040】PチャネルMOSトランジスタP5および
P6は、各々のソースが正電源VDDに接続されている。
そして、上記NチャネルMOSトランジスタN4のドレ
インが、PチャネルMOSトランジスタP5のドレイン
およびゲート並びにPチャネルMOSトランジスタP6
のゲートに接続されている。ここで、PチャネルMOS
トランジスタP5およびP6はカレントミラーを構成し
ている。従って、NチャネルMOSトランジスタN4に
ドレイン電流I20+Iが流れるときは、PチャネルMO
SトランジスタP6にもドレイン電流I20+Iが流れる
こととなる。
【0041】次に、定電流源CC3は、定電流源CC2
と同様、定電流I20を供給可能な定電流源である。この
定電流源CC3は、一端が正電源VDDに接続され、他端
がNチャネルMOSトランジスタN5のドレインおよび
ゲート並びにNチャネルMOSトランジスタN6のゲー
トに接続されている。これらのNチャネルMOSトラン
ジスタN5およびN6は、各々のソースが負電源VSSに
接続されている。ここで、NチャネルMOSトランジス
タN5およびN6はカレントミラーを構成しており、N
チャネルMOSトランジスタN5には定電流源CC4か
らの定電流I20が流れる。従って、NチャネルMOSト
ランジスタN6にもこれと同じドレイン電流I20が流れ
ることとなる。
【0042】このNチャネルMOSトランジスタN6の
ドレインは、上述したPチャネルMOSトランジスタP
6のドレインと接続されている。ここで、PチャネルM
OSトランジスタP6には上述した通りドレイン電流I
20+Iが流れる。一方、NチャネルMOSトランジスタ
N6には定電流I20が流れる。従って、NチャネルMO
SトランジスタN6およびPチャネルMOSトランジス
タP6の各ドレインの接続点から外部に対し、電流Iが
流れ出すこととなる。これが電流オペアンプ1の非反転
出力端(+)の出力電流である。以上が図2に例示した
電流オペアンプ1の詳細である。
【0043】次に、図3を参照し、電流オペアンプ2の
一構成例について説明する。なお、この図3において図
2における各部と共通する部分については同一の符号を
付し、その説明を省略する。
【0044】この電流オペアンプ2は、図3において破
線で囲った定電流源CC4およびNチャネルMOSトラ
ンジスタN7からなる回路を図2に示す電流オペアンプ
1に付加したものである。ここで、NチャネルMOSト
ランジスタN7は、NチャネルMOSトランジスタN3
と同じサイズを有しており、そのソースは負電源VSSに
接続されており、ゲートにはNチャネルMOSトランジ
スタN2のドレインからの出力電圧が与えられる。この
ため、NチャネルMOSトランジスタN3にドレイン電
流I20+Iが流れる場合、このNチャネルMOSトラン
ジスタN7にもドレイン電流I20+Iが流れる。
【0045】このNチャネルMOSトランジスタN7の
ドレインは、定電流源CC4に接続されている。この定
電流源CC4は定電流I20を供給可能な定電流源であ
る。一方、NチャネルMOSトランジスタN7には上述
した通りドレイン電流I20+Iが流れる。従って、外部
からNチャネルMOSトランジスタN7に電流−Iを引
き込むこととなる。これが電流オペアンプ2の反転出力
端(−)の出力電流である。以上が図3に例示した電流
オペアンプ2の詳細である。
【0046】なお、上記実施形態では、本発明をバイク
ワッドアクティブフィルタに適用した場合を例に挙げた
が、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではな
く、本発明はあらゆるアクティブフィルタに適用可能で
ある。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、従来からあるアクティブフィルタと全く同じ伝達関
数を有し、しかも、外付けインピーダンスの接続のため
のピン数が従来品よりも少ないアクティブフィルタを実
現することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態であるバイクワッドア
クティブフィルタの構成を示す回路図である。
【図2】 同実施形態における電流オペアンプ1の構成
例を示す回路図である。
【図3】 同実施形態における電流オペアンプ2の構成
例を示す回路図である。
【図4】 従来のアクティブフィルタの構成例を示す回
路図である。
【図5】 従来のアクティブフィルタの構成例を示す回
路図である。
【図6】 従来のアクティブフィルタの構成例を示す回
路図である。
【符号の説明】
1,2……電流オペアンプ(電流出力型演算増幅器)、
21,22……外付けキャパシタ、17……外付け抵
抗、11,12,16……抵抗。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 11/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力端が仮想接地され、当該入力端に入
    力される入力電流に対応した電流を1または2以上の出
    力端から出力する電流出力型演算増幅器と、 一端が前記電流出力型演算増幅器の1つの出力端に接続
    され、他端が接地レベル若しくは基準電源レベルに固定
    されたインピーダンスとにより構成された複数の演算要
    素を含み、 相互に縦続接続された演算要素については、後段の演算
    要素を構成する電流出力型演算増幅器の出力端のうち前
    記インピーダンスが接続されてない出力端から出力され
    る電流を前記インピーダンスの一端または前段の演算要
    素を構成する電流出力型演算増幅器の入力端に供給する
    ように構成したことを特徴とするアクティブフィルタ。
  2. 【請求項2】 入力端が仮想接地され、当該入力端に入
    力される電流に対応した電流を出力端から出力する第1
    の電流出力型演算増幅器と、 一端が前記第1の電流出力型演算増幅器の出力端に接続
    され、他端が接地レベルまたは基準電源レベルに固定さ
    れた第1のインピーダンスと、 一端が前記第1の電流出力型演算増幅器の出力端に接続
    された抵抗と、 入力端が仮想接地されると共に当該入力端に前記抵抗の
    他端が接続され、前記抵抗を介して当該入力端に供給さ
    れる電流に対応した電流を2つの出力端から出力すると
    ともに、この2つの出力端のうち一方の出力端が前記抵
    抗の一端または前記第1の電流出力型増幅器の入力端に
    接続されてなる第2の電流出力型演算増幅器と、 一端が前記第2の電流出力型演算増幅器の他方の出力端
    に接続され、他端が接地レベルまたは基準電源レベルに
    固定された第2のインピーダンスと、 前記第2の電流出力型演算増幅器の他方の出力端と前記
    第1の電流出力型増幅器の入力端との間に介挿された帰
    還抵抗とを具備することを特徴とするアクティブフィル
    タ。
  3. 【請求項3】 入力端が仮想接地され、当該入力端に入
    力される入力電流に対応した電流を1または2以上の出
    力端から出力する複数の電流出力型演算増幅器を有し、
    かつ、前記複数の電流出力型演算増幅器における少なく
    とも2個の電流出力型演算増幅器が縦続接続されてな
    り、前記縦続接続された2個の電流出力型演算増幅器の
    相互接続点が外付けインピーダンス用端子に接続され、
    当該2個の電流出力型演算増幅器における後段のものは
    少なくとも2個の出力端を有し、これらの出力端の1つ
    が前記外付けインピーダンス接続用端子若しくは2個の
    電流出力型演算増幅器における前段のものの入力端に接
    続されてなることを特徴とするアクティブフィルタ用集
    積回路。
  4. 【請求項4】 入力端が仮想接地され、当該入力端に入
    力される電流に比例した電流を出力端から出力する第1
    の電流出力型演算増幅器と、 前記第1の電流出力型演算増幅器の出力端に接続された
    第1の外付けインピーダンス用端子と、 一端が前記第1の電流出力型演算増幅器の出力端に接続
    された抵抗と、 入力端が仮想接地されると共に当該入力端に前記抵抗の
    他端が接続され、前記抵抗を介して当該入力端に入力さ
    れる電流に対応した電流を2つの出力端から出力すると
    ともに、この2つの出力端のうち一方の出力端が前記抵
    抗の一端または前記第1の電流出力型増幅器の入力端に
    接続されてなる第2の電流出力型演算増幅器と、 前記第2の電流出力型演算増幅器の他方の出力端に接続
    された第2の外付けインピーダンス用端子と、 前記第2の電流出力型演算増幅器の他方の出力端と前記
    第1の電流出力型増幅器の入力端との間に介挿された帰
    還抵抗とを具備することを特徴とするアクティブフィル
    タ用集積回路。
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