JP3165005B2 - 携帯無線機 - Google Patents

携帯無線機

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JP3165005B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、携帯電話,自動車電話
などの携帯無線機に関し、特に、板状逆F形アンテナが
内蔵された携帯無線機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】携帯電話,自動車電話などの携帯無線機
の小型化に伴ってアンテナに対する小型化が要求され、
板状逆F形アンテナが多く用いられるようになった。
【0003】図5は平板状逆Fアンテナの構造を示す平
面図(A)と側面図(B)であり、図6はその特性例図
である。図5において、1はアンテナエレメント、2は
短絡面、3は地板、4は給電線路、aはアンテナエレメ
ント1の長さでほぼλ/4の長さに設定される。bはア
ンテナエレメント1の幅であり、dはエレメント1と地
板3との間隙である。
【0004】図6の横軸は波長λ0 に対する間隙dの割
合を示し、アンテナエレメント1の幅と長さの比:As
=b/aをパラメータとした放射効率ηと帯域幅BWの
特性例図である。
【0005】しかし、この板状逆F形アンテナにおいて
も、小型化には、その帯域幅や寸法,構造に対する問題
点がある。例えば、ディジタルセルラーホンの受信ダイ
バーシティ用に内蔵される板状逆F形アンテナの場合、
基本的なアンテナエレメント1の長さa=λ/4は約9
cm程度必要になる。しかし、小型化された現在の携帯
電話機は体積が150cc程度であり、内蔵アンテナに
許される体積は数ccとなる。一方、図6に示したよう
に、帯域幅(BW)を広くするには、間隙dを大きく
し、As=b/aを大きくした方がよい。さらに、地板
3がエレメント1に対して十分広くないと帯域幅が狭く
なる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
携帯電話機では、先ず筐体の外形寸法が決められ、その
中に無線機のRF部(高周波回路部),ロジック部,電
池などを配置した後の残りの数ccが内蔵アンテナに許
される体積となるため、アンテナエレメント1の長さ
a,幅b,間隙dの最大値が制限をうけることになる。
そのため、実際には、アンテナエレメント1の長さaを
λ/4にすることが難しいので、短絡面制御や、容量を
付加したり、間隙に誘電体を設けて波長短縮を図ってア
ンテナ共振周波数を帯域の中心周波数と一致させる工夫
をしている。しかし、放射効率を下げずに帯域幅を広げ
る改善策はなく、結果として、通常、量産設計の際に考
慮しなければならない製品のばらつきに対する設計マー
ジン(余裕)が設定できず、製作仕様を極めて高精度に
して製品ばらつきを抑えたり、検査,調整工程によって
特性を確保しているため、原価が上昇し、生産性が悪い
等の問題がある。
【0007】本発明の目的は、内蔵アンテナの小型化に
伴う帯域幅の低下を改善し、設計,製造マージンを確保
することにより、原価の低減と生産性の向上を図った携
帯無線機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の携帯無線機は、
無線機回路と、該無線機回路が収容された地板と、板状
逆F形アンテナのアンテナエレメントとが絶縁性筐体に
内蔵され、該筐体の内側または外側に導電性の無給電素
子が備えられた携帯無線機であって、 前記無給電素子
は、2つの面部分が幅の狭い線状部分によって連結され
た形状を有し、前記板状逆F形アンテナのアンテナエレ
メントと中心がほぼ一致する位置に対応して設置された
ことを特徴とするものである。
【0009】さらに、前記無給電素子は、導電体の片面
粘着テープで形成されているか、または、導電塗料で形
成されていることを特徴とするものである。
【0010】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す構造図であり、
(A)は部分切断断面図、(B)は背面図である。図に
おいて、内蔵アンテナとなる板状逆F形アンテナは、ア
ンテナエレメント1,短絡面2,地板3,給電線路4に
よって構成され、地板3は、無線機回路を収容し電磁遮
蔽するシールドケースを兼用している。5はABS樹脂
などのプラスチックの筐体、6は本発明の要部をなす無
給電素子、7は電池である。
【0011】無給電素子6は、使用周波数帯で低損失の
導電テープ,導電塗装などの導体で形成され、例えば、
銀製の片面粘着テープが用いられ、無線機の背面の筐体
5の表側または内側の内蔵する板状逆F形アンテナのア
ンテナエレメント1と対応する位置に貼り付けられてい
る。その形状は、図1(B)及び図2に示したように、
内側の角部が削られた2つの方形状の面部分を幅の狭い
線状部分で連結した形を有している。図1(B)に示し
たように、無給電素子6の貼り付け位置を内蔵アンテナ
のアンテナエレメント1と中心がほぼ一致するようにす
ると、アンテナ共振周波数を変化させることなく、放射
効率を低下させることなく、帯域幅を広くすることがで
きる。無給電素子6を上の方へずらして貼るとアンテナ
共振周波数が高くなり、下の方へずらして貼ると低くな
る。また、図2に示したように、面部分は容量性を示し
線状部分は誘導性を示すので、上述の貼り付け位置と、
面部分の面積や線部分の長さ,幅を実験的に求めて設定
することにより、共振周波数と放射効率を変えることな
く広帯域化を実現することができる。
【0012】図2は本発明の無給電素子6の具体例を示
す平面図であり、図3は本発明による帯域幅の改善を示
す特性例図、図4は本発明実施前後の放射特性例図であ
る。図3から判るように、反射量が−10dBにおける
帯域幅は、従来の特性aに比べて本発明の無給電素子6
を設けた特性bは約10%広くなっている。さらに、図
4の特性a,bは携帯無線機を90°方向を変えたとき
の特性を示し、それぞれ無給電素子6のある場合とない
場合について特性が変わらないことを示している。
【0013】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明を実
施することにより、内蔵アンテナの共振周波数に影響を
及ぼすことなく、放射特性を低下させることなく、帯域
幅を広くすることができるので、設計,製造マージンを
増やすことができ、生産性の向上を図ることができる。
さらに、付加する無給電素子6は材料費が安く、加工も
容易なので総合的に原価を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す構造図である。
【図2】本発明の要部の具体例図である。
【図3】本発明の効果を示す帯域幅改善特性例図であ
る。
【図4】本発明実施前後の放射特性例図である。
【図5】平板状逆Fアンテナの構造例図である。
【図6】平板状逆Fアンテナの特性例図である。
【符号の説明】
1 アンテナエレメント 2 短絡面 3 地板 4 給電線路 5 筐体 6 無給電素子 7 電池
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−171206(JP,A) 特開 昭62−277803(JP,A) 特開 平8−195609(JP,A) 実開 平4−103006(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 1/24 H04B 1/00 - 1/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線機回路と、該無線機回路が収容され
    た地板と、板状逆F形アンテナのアンテナエレメントと
    が絶縁性筐体に内蔵され、該筐体の内側または外側に導
    電性の無給電素子が備えられた携帯無線機であって、 前記無給電素子は、2つの面部分が幅の狭い線状部分に
    よって連結された形状を有し、前記板状逆F形アンテナ
    のアンテナエレメントと中心がほぼ一致する位置に対応
    して設置されたことを特徴とする携帯無線機。
  2. 【請求項2】 前記無給電素子は、導電体の片面粘着テ
    ープで形成されたことを特徴とする請求項1記載の携帯
    無線機。
  3. 【請求項3】 前記無給電素子は、導電塗料で形成され
    たことを特徴とする請求項1記載の携帯無線機。
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