JP3162785B2 - 変性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物 - Google Patents

変性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物

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JP3162785B2 JP07635992A JP7635992A JP3162785B2 JP 3162785 B2 JP3162785 B2 JP 3162785B2 JP 07635992 A JP07635992 A JP 07635992A JP 7635992 A JP7635992 A JP 7635992A JP 3162785 B2 JP3162785 B2 JP 3162785B2
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエポキシ変性ポリアリー
レンサルファイド樹脂組成物に関する。さらに詳しく
は、本発明は、金属その他の無機基材との接着性に優れ
ていて、構造材料用または機械部品などとして有用なエ
ポキシ変性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンサルファイド(以下、
「PPS」という)によって代表されるポリアリーレン
サルファイド(以下、「PAS」という)は耐熱性、耐
薬品性、耐溶剤性および難燃性に優れており、各種の成
形材料として利用されているが極性基を有していないた
め、金属その他の無機基材との接着性に劣る。従って、
例えば、DIPスイッチ等の金属端子を包含する成形物
においてPASと金属との密着の信頼性に乏しいという
問題点がある。
【0003】PASの接着性、成形加工性、およびその
他の特性を改善する目的でPASにエポキシ樹脂を溶融
状態で混練することが知られている(特公平3−163
86、特開昭64−69657、特公昭54−3985
6)。しかしながら、PASにエポキシ樹脂を溶融状態
で混練してなる組成物の金属その他の無機基材との接着
性は決して満足できるものではなく、より高い接着性が
望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような従来の技術の欠点を解消して、PAS本来の良
好な耐熱性、耐溶剤性などの特性を維持したまま、金属
その他の無機基材との接着性に優れたPASを提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリアリーレ
ンサルファイドとエポキシ樹脂とを極性有機溶媒中で反
応させて得られるエポキシ変性ポリアリーレンサルファ
イド100重量部と、下記式(VII) 式(VII) (RO)2 (R3) Si - A - Y (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1
〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基、
Aはフェニレン基または−(CH2)n−(nは1〜6の
整数)、Yはグリシドキシ基、−NH2、−SH、−C
l、−NC Oまたは下記式(VIII)
【化3】 で示される基である。)で示されるシランカップリング
剤0.1〜10重量部とを必須成分として含むことを特
徴とする変性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物を
提供する。さらに、本発明は、ポリアリーレンサルファ
イド100重量部とエポキシ樹脂0.1重量部以上とを
極性有機溶媒中で反応させてエポキシ変性ポリアリーレ
ンサルファイドを調製し、次いで、該エポキシ変性ポリ
アリーレンサルファイド100重量部と上記式(VII)
で示されるシランカップリング剤0.1〜10重量部と
を混合することを特徴とする変性ポリアリーレンサルフ
ァイド樹脂組成物の製造方法を提供する。
【0006】本発明のエポキシ変性PASの製造に使用
するPASは、その骨格が次の式(I)で表わされるア
リーレンサルファイド結合からなるか、または該アリー
レンサルファイド結合(I)を主成分とし、
【0007】
【化1】
【0008】次の式(II)で示されるエーテル結合、次
の式(III)で示されるスルホン結合、次の式(IV)で示
されるビフェニル結合、次の式(V)で示される置換フ
ェニルスルフィド結合(但し、式(V)中、R1 はアル
キル、ニトロ、フェニル、アルコキシ、またはカルボキ
シル基を示す。)、次の式(VI)で示される3官能結合
で例示されるような共重合成分から導かれる結合を劣成
分として含有していてもよい。但し、当該共重合成分
は、30モル%未満であることが好ましい。
【0009】
【化2】 上記のような骨格を有するPASは、例えば、アルカリ
金属サルファイド(代表的には硫化ソーダ)とジハロゲ
ン化物とを反応させることによって得られる。ここで、
原料として使用されるジハロゲン化物の例としては、下
記の式で示されるジハロゲン化ベンゼンが挙げられる。
【0010】
【化3】 (式中R2 は炭素原子1〜3個のアルキルもしくはアル
コキシ基を示し、nは0〜3の整数を示し、Xはハロゲ
ン原子を示す)。
【0011】かかるジハロゲン化ベンゼンの具体例とし
ては、次の式で示される化合物が挙げられる。但し、こ
れらの式において、X1 はハロゲン原子であって、その
例としてClまたはBrが挙げられる。これらジハロゲ
ン化ベンゼンは、一般に混合物の形態で用いられるが、
この混合物中にパラ体のジハロゲン化物が85モル%以
上含まれることが好ましい。
【0012】
【化4】
【0013】アルカリ金属サルファイドとジハロゲン化
物との反応に際して、必要に応じて、ジハロゲン化物に
対し5モル%以下の範囲内で、トルクロルベンゼンなど
のトリハロゲン化物を反応系に添加してもよい。重合反
応は、極性溶媒中で、好ましくは、N−メチル−2−ピ
ロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミドなどのアミ
ド系溶媒やスルホラン等のスルホン系溶媒中で行なうと
よい。この際に、重合度を調節するために、カルボン酸
やスルホン酸のアルカリ金属塩、水酸化アルカリなどを
添加するのが望ましい。好ましい重合反応の温度および
時間は、およそ120〜300℃で2〜10時間であ
る。反応は不活性ガスの雰囲気下に行なうのが望まし
い。反応終了後、固体生成物をろ別し、脱イオン水で十
分洗浄、乾燥してPAS樹脂が得られる。
【0014】PASは重合後酸素雰囲気において加熱す
ることにより、あるいは過酸化物等の架橋剤を添加して
加熱することにより架橋して高分子量化したうえ、エポ
キシ樹脂との反応に供することも可能である。本発明で
使用するPASは上記のように種々のタイプのものが広
く使用可能であるが、脱イオン処理して得たナトリウム
含有量が900ppm 以下、特に500ppm 以下のPAS
を用いるのが好ましい。脱イオン処理としては酸処理が
挙げられる。
【0015】酸処理の代表的な方法は、酸またはその水
溶液にPASを浸漬せしめる方法である。酸処理に際
し、適宜撹拌または加熱することも可能である。酸処理
方法の具体例としては、pH4の酢酸水溶液にPAS粉末
を浸漬し、約30分間撹拌する方法が挙げられる。酸処
理を施されたPASは残留している酸または塩を除去す
るため、水または温水で数回洗浄することが必要であ
る。洗浄に用いる水は、酸処理による変性効果を損わぬ
よう蒸溜水および脱イオン水であることが好ましい。P
ASの酸処理に用いる酸は、PASを分解する作用を有
しないものであれば特に制限はなく、その具体例として
は酢酸、塩酸、硫酸、リン酸、珪酸、炭酸、プロピオン
酸が挙げられる。なかでも、酢酸および塩酸が好まし
く、また、硝酸はPASを分解劣化させるので好ましく
ない。
【0016】本発明においてPASの変性に使用される
エポキシ樹脂は分子内に少くとも2つのエポキシ基を有
するものであれば特に限定されるものではなく、その具
体例としては、共役または非共役ジエン、共役または非
共役環状ジエンおよび共役または非共役ジエンを有する
不飽和カルボン酸エステルなどのエポキシ化物、脂肪族
ジオール、脂肪族の多価アルコール、ビスフェノール
類、フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック
などとエピクロルヒドリンまたはβ−メチルエピクロル
ヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテ
ル、ジカルボン酸とエピクロルヒドリンまたはβ−メチ
ルエピクロルヒドリンとを反応して得られるポリグリシ
ジルエステルなどが挙げられる。
【0017】PASとエポキシ樹脂とを極性有機溶媒中
で反応させてエポキシ変性PASをを調製するには、上
述のように合成(重合)し、単離・精製したPASと、
エポキシ樹脂とを極性有機溶媒中で反応させる方法、ま
たはPASの合成(重合)時に生成するPAS含有反応
液(すなわち、極性有機溶媒からなる重合溶媒中にPA
Sが溶解せる溶液または分散せるスラリー)にエポキシ
樹脂を加えて反応させる方法が採られる。
【0018】合成(重合)し、精製して得たPASとエ
ポキシ樹脂とを反応させるに際し、両反応成分の仕込割
合は、PAS100重量部に対しエポキシ樹脂0.1重
量部以上、好ましくは1〜100重量部とする。エポキ
シ樹脂の量が0.1重量部未満では本発明の目的は達成
できない。PASの合成時に生成する溶液状またはスラ
リー状反応液にエポキシ樹脂を加えて反応させる際は、
反応液100重量部に対しエポキシ樹脂0.01重量部
以上、好ましくは0.1〜20重量部を加える。
【0019】エポキシ樹脂をPAS合成時に生成する反
応液に加えるには、PAS合成(重合)完了後直ちに温
度が高いうちに添加してもよいし、または合成(重合)
完了後十分な時間を経て反応液が冷えてから添加しても
よい。また、エポキシ樹脂はそのまま反応液に添加して
もよいし、有機溶媒に溶解して溶液として添加してもよ
い。
【0020】PASとエポキシ樹脂との反応に反応媒体
として用いられる極性有機溶媒としては、例えば、N−
メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルアセトア
ミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドが
挙げられる。反応温度および反応時間は一般に室温〜3
00℃、好ましくは100℃〜280℃および10分〜
20時間の範囲で選ぶことができる。
【0021】反応終了後、スラリーを濾過し、得られた
ケーキをアセトン、NMPなどのエポキシ樹脂を溶解し
得る溶剤で洗浄し、次いで乾燥する。NMPのような高
沸点の有機溶媒で洗浄した場合は、乾燥を容易にするた
め、さらにイオン交換水などで洗浄することが望まし
い。
【0022】PASとエポキシ樹脂との反応を行うに際
し、必要ならば、反応系中にエポキシ樹脂の硬化剤や、
PASとエポキシ樹脂との反応を促進する触媒を存在さ
せてもよい。硬化剤は、本発明による反応に従ってPA
Sに結合したエポキシ樹脂とさらに他のエポキシ樹脂と
の結合を促す作用を有するので、PASに結合するエポ
キシ樹脂の量を増大するのに役立つ。硬化剤としては、
エポキシ樹脂の硬化剤として一般に用いられているアミ
ン類、酢無水物、イミダゾール類、多硫化物、フェノー
ル樹脂などを加えることができる。これらの硬化剤に硬
化促進剤を併用することもできる。PASとエポキシ樹
脂との反応を促進する触媒としては第3級アミンおよび
ホスフィンが好ましく用いられる。それらの具体例とし
ては、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチル
ベンジルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィ
ンなどが挙げられる。本発明の方法で得られるエポキシ
変性PASの重量平均分子量は5,000〜100,0
00であることが好ましい。
【0023】本発明に従ってPASとエポキシ樹脂とを
反応させると、エポキシ樹脂の末端のグリシジル基がP
ASの−SHおよび/または−SNaと反応して結合す
ると考えられ、さらに、この結合によって生成する水酸
基が別のエポキシ樹脂のグリシジル基と反応する可能性
がある。
【0024】本発明の変性PAS樹脂組成物には下記式
(VII)で示されるシランカップリング剤が含まれる。 式(VII) (RO)2 (R3) Si - A - Y (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1
〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基、
Aはフェニレン基または−(CH2)n−(nは1〜6の
整数)、Yはグリシドキシ基、−NH2、−SH、−C
l、−NC Oまたは下記式(VIII)
【化4】
【0025】
【化5】 で示される基である。これらの中でも、特にR3がメト
キシ基またはエトキシ基、Aが−(CH2)3−、Yがグ
リシドキシ基、−SHまたは−NCOで示される化合物
が望ましい。
【0026】上記一般式で表わされるシランカップリン
グ剤の具体例として、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ
−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イ
ソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン等が挙げられる。
【0027】本発明の組成物においては、PASとエポ
キシ基との反応により生じたエポキシ変性PAS中の水
酸基とカップリング剤中の官能基(すなわち、シランカ
ップリング剤を表わす前記式(VII)中のY)とが反応す
るものと考えられる。
【0028】本発明の変性PAS樹脂組成物中における
エポキシ変性PASとカップリング剤との配分割合は、
エポキシ変性PAS100重量部に対してカップリング
剤が好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは
0.2〜6重量部である。カップリング剤の量が0.1
重量部未満では接着性が十分とは言えず、また10重量
部を超えると成形加工性が低下する。
【0029】エポキシ変性PASとカップリング剤とを
混合するには、両者を同一溶媒に溶解して混合撹拌する
方法、または押出機などの溶融混練機を用いて混合する
方法が採られる。本発明の組成物には必要に応じて他の
添加剤を配合することができるが、カップリング剤は他
の添加剤を加える前もしくは後、または他の添加剤と同
時に加えることができる。
【0030】本発明の変性PAS樹脂組成物には、その
用途に応じて種々の特性を付与する目的から、繊維状ま
たは粒子状充填剤を適当量配合することができる。その
ような充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊
維、アラミド繊維、繊維状チタン酸カリウム、アスベス
トおよび炭化ケイ素や窒化ケイ素等を初めとする各種の
ウイスカー等の繊維状無機および有機充填剤、グラファ
イト、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、窒化ホウ素、
硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、バ
イロフィライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライ
ト、雲母、ネフェリンシナイト、フェライト、アタパル
ジャイト、ウォラストナイト、ケイ酸カルシウム、炭酸
マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、二硫化モ
リブデン、黒鉛、石こう、ガラス粉、ガラスビーズ、石
英、石英ガラス、鉄、亜鉛、銅、アルミニウム、ニッケ
ル等の無機粒子状充填剤が挙げられる。これらの充填剤
は一種または二種以上を配合することができる。
【0031】また、本発明の変性PAS樹脂組成物は、
他の多くの樹脂やエラストマーに対し優れた相溶性を示
すため、未変性PASを初めとし、各種の樹脂やエラス
トマーとブレンドして使用することができる。ブレンド
される樹脂およびエラストマーの具体例としては、各種
の未変性PAS、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペ
ンテン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、スチ
レン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、
アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルなどの
単独重合体および共重合体、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46など
のポリアミド、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリカ
ーボネート、ポリサルホン、ポリアリルサルホン、ポリ
エーテルサルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンオ
キシド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、シ
リコーン樹脂、フェノキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリアリ
ールエーテル、ポリスルフィドなどの単独重合体、ラン
ダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、
上記以外のポリエステルおよびエラストマーが挙げられ
る。これらの樹脂およびエラストマーを混合するには、
PASとこれらの樹脂やエラストマーとの共通の同一溶
媒に溶解して混合する方法および押出機等の溶融混練機
を用いて混合する方法が採られる。
【0032】
【実施例】以下、実施例について本発明の変性PAS樹
脂組成物の製法および特性を具体的に説明する。参考例1 (エポキシ変性PPSの調製) 酸処理して得た重量平均分子量が38,000でNaイ
オン含有量が20ppmのPPS 8.0kgとエポキ
シ樹脂(油化シェルエポキシ(株)製エピコート82
8)0.80kgをN−メチル−2−ピロリドン(NM
P)72kg中で240℃で3時間反応を行った。反応
後、100℃まで冷却し、次いで濾過した。得られたケ
ーキをアセトンで洗浄し、150℃で真空乾燥してエポ
キシ変性PPSを得た。得られた生成物のIRスペクト
ルをフィルム法により測定したところ、エポキシ樹脂に
基づく吸収が2980,1520,1260,960,
570cm−1付近に見られた。反応前のPPSのIR
スペクトルを図1に、反応後の生成物のIRスペクトル
を図2にそれぞれ示す。
【0033】得られた生成物のエポキシ樹脂の付加率
〔(結合エポキシ樹脂の重量/PPS樹脂の重量)×1
00(%)〕を次のようにしてIRスペクトルから求め
た。あらかじめ、変性に使用した反応前のPPSと変性
に使用したエポキシ樹脂を種々の割合でブレンドしたも
のから作成した検量線を用いて、エポキシ樹脂に基づく
1520cm-1とPPSに基づく1580cm-1の吸光度比
から付加率を求めた。付加率は3.2%であった。
【0034】実施例1〜8、比較例1〜4 以下に示す成分を表1に示す割合で均一に予備混合後、
異方向回転型20mmφ2軸押出機を用いて300℃で溶
融混練してペレットを得た。 エポキシ変性PPS:参考例1で調製したもの。 PPS(1):エポキシ未変性PPS、(株)トープレ
ン製T−4AG。 PPS(2):参考例1においてエポキシ変性に用いた
Naイオン含有量が20ppm のエポキシ未変性PPS。 シランカップリング剤(1):γグリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、日本ユニカー(株)製A187。 シランカップリング剤(2):γアミノプロピルトリエ
トキシシラン、日本ユニカー(株)製A1110。 ガラス繊維:日東紡績(株)3J−691。
【0035】得られたペレットについて、金属との接着
強度を下記方法により測定した。結果を表1に示す。
【0036】金属との接着強度の測定 2枚のアルミニウム板(厚さ:0.1mm)の間に口の字
形のポリイミドフィルム(厚さ:50μm)のわくをは
さみ、そのわくの中にPPS樹脂組成物のペレットを入
れて、熱プレス機で300℃で3分間予熱した後、10
0kgf/cm2 で1分間加圧して、変性PPSとアルミニウ
ムとの接着を行った。接着したアルミニウム板を巾10
mmの短冊状に細断した作成した試験片について、引張試
験機を用い、チャック間距離40mm、引張速度50mm/
分で180°方向に引っ張って接着強度を求めた。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の変性PAS樹脂組成物は、PA
S本来の良好な耐熱性、耐溶剤性などの特性を維持した
まま、金属その他の無機基材との接着性に優るという特
性をもっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】PPSの赤外吸収スペクトル。
【図2】エポキシ変成PPSの赤外吸収スペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 忠生 埼玉県入間郡大井町西鶴ケ岡一丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平5−209054(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 75/00 - 75/12 C08G 81/00 C08K 5/54 - 5/549 C08L 81/00 - 81/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアリーレンサルファイドとエポキシ
    樹脂とを極性有機溶媒中で反応させて得られるエポキシ
    変性ポリアリーレンサルファイド100重量部と、下記
    式(VII) 式(VII) (RO)2 (R3) Si - A - Y (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1
    〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基、
    Aはフェニレン基または−(CH2)n−(nは1〜6の
    整数)、Yはグリシドキシ基、−NH2、−SH、−C
    l、−NC Oまたは下記式(VIII) 【化1】 で示される基である。)で示されるシランカップリング
    剤0.1〜10重量部とを必須成分として含むことを特
    徴とする変性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアリーレンサルファイドが、脱イオ
    ン処理して得たナトリウム含量が900ppm以下のも
    のである請求項1記載の変性ポリアリーレンサルファイ
    ド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアリーレンサルファイド100重量
    部とエポキシ樹脂0.1重量部以上とを極性有機溶媒中
    で反応させてエポキシ変性ポリアリーレンサルファイド
    を調製し、次いで、該エポキシ変性ポリアリーレンサル
    ファイド100重量部と下記式(VII) 式(VII) (RO)2 (R3) Si - A - Y (式中、Rは炭素数1〜3のアルキル基、R3は炭素数1
    〜3のアルキル基または炭素数1〜3のアルコキシ基、
    Aはフェニレン基または−(CH2)n−(nは1〜6の
    整数)、Yはグリシドキシ基、−NH2、−SH、−C
    l、−NC Oまたは下記式(VIII) 【化2】 で示される基である。)で示されるシランカップリング
    剤0.1〜10重量部とを混合することを特徴とする変
    性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物の製造方法。
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