JP3162440B2 - 固体撮像装置の製造方法 - Google Patents

固体撮像装置の製造方法

Info

Publication number
JP3162440B2
JP3162440B2 JP27427391A JP27427391A JP3162440B2 JP 3162440 B2 JP3162440 B2 JP 3162440B2 JP 27427391 A JP27427391 A JP 27427391A JP 27427391 A JP27427391 A JP 27427391A JP 3162440 B2 JP3162440 B2 JP 3162440B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
oxide film
silicon oxide
silicon
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP27427391A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH053216A (ja
Inventor
裕幸 岡田
渡 上坂
政司 浅海
祐二 松田
Original Assignee
松下電子工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 松下電子工業株式会社 filed Critical 松下電子工業株式会社
Priority to JP27427391A priority Critical patent/JP3162440B2/ja
Publication of JPH053216A publication Critical patent/JPH053216A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3162440B2 publication Critical patent/JP3162440B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid State Image Pick-Up Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電荷転送素子を用い
た固体撮像装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電荷転送素子は、2層もしくは3層のポ
リシリコンゲートを用いて、埋め込み型のn型の転送チ
ャンネルを用いて構成されている。連続したチャンネル
中を効率よく転送するために、ゲート絶縁膜にシリコン
酸化膜,シリコン窒化膜,シリコン酸化膜の3層構造
(一般に、ONO膜と呼ばれる)が多く用いられてい
る。これは、同一膜厚のゲート絶縁膜を用いることで転
送経路中のポテンシャルの変動を抑え、また2層目以上
のゲートを形成する際の下段ゲート端部の下部に形成さ
れる厚いシリコン酸化膜(いわゆるゲートバーズビー
ク)の発生を抑制している。また、絶縁耐圧も単なるシ
リコン酸化膜に比べて向上する。
【0003】ONO膜を用いた電荷転送素子の例として
は、特開平2−220450号公報に開示されたものが
ある。つぎに、上記公報に開示された電荷転送装置とそ
の製造方法について図面を参照しながら説明する。図1
1に電荷転送装置の断面図を示す。図11において、1
は電荷転送部、2は周辺回路部、3は半導体基板、4は
電荷転送部1と周辺回路部2とを電気的に分離する分離
領域、5は電荷転送部1のゲート絶縁膜であるシリコン
酸化膜、6は同じくシリコン窒化膜、7は同じくシリコ
ン酸化膜、8はシリコン酸化膜5とシリコン窒化膜6と
シリコン酸化膜7とで構成される積層絶縁膜である。9
は第1の転送電極、10はシリコン酸化膜、11は第2
の転送電極である。12は周辺回路部2のゲート絶縁
膜、13はソース・ドレイン、14はゲート電極であ
る。16は表面保護膜である。
【0004】このように、従来の電荷転送素子は、電荷
転送部1の転送電極9,11下のゲート絶縁膜として積
層絶縁膜8が形成されているのに対して、周辺回路部2
のゲート絶縁膜12は単層の絶縁膜で構成されている。
このような構成では、周辺回路部2のゲート電極が単層
の絶縁膜で形成されていることから、所望のしきい値電
圧を得ることが容易であり、また、電荷転送部1の各転
送電極9,11が積層絶縁膜8上に形成されているの
で、ピンホール現象が生じるおそれがない。
【0005】図12に図11の電荷転送装置の製造方法
を説明する工程順断面図を示す。ここでは、上記図11
で用いた番号をそのまま用い、以下その製造方法につい
て詳しく説明する。まず、図12(a)に示すように、
半導体基板3に分離絶縁膜4を形成する。つぎに、図1
2(b)に示すように、半導体基板3上に熱酸化により
シリコン酸化膜5を形成する。つづいて、シリコン酸化
膜5上にCVD法によってシリコン窒化膜6を形成す
る。さらに、シリコン窒化膜6上にシリコン酸化膜7を
形成する。以上で積層絶縁膜8が得られる。
【0006】つぎに、図12(c)に示すように、第1
層目の転送電極9をCVD法と選択エッチングとによっ
て形成する。さらに、層間絶縁膜であるシリコン酸化膜
10を形成する。つぎに、図12(d)に示すように、
電荷転送部1上をレジスト15で覆う。そして、このレ
ジスト15をマスクにしてエッチングすることで周辺回
路部2に形成された積層絶縁膜8を除去する。
【0007】つぎに、図12(e)に示すように、半導
体基板3の表面を熱酸化して周辺回路部2にゲート絶縁
膜12を形成する。つぎに、第2層目の多結晶シリコン
で転送電極11とゲート電極14を形成する。最後に、
周辺回路部2にソース・ドレイン13を形成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
【0010】
【0011】上記従来の構成では、MISトランジスタ
のゲート絶縁膜の膜厚を複数種類設定することはできな
いので、スイッチング時のオン抵抗を小さくしてノイズ
を減少させるトランジスタと、ロードトランジスタのよ
うに抵抗としてのみ用いるトランジスタとが併存させる
ことはできない。また、その電荷転送素子の製造方法で
は、周辺回路部のシリコン酸化膜の膜厚は1種類だけで
構成されて、周辺回路の目的に併せてシリコン酸化膜の
膜厚を複数種類作ることができない。
【0012】また、周辺回路部のゲート絶縁膜を形成す
るのに電荷転送部に形成されたONO膜をいったんすべ
て除去する。このため、工程が複雑になるとともに、周
辺回路部のゲート絶縁膜を形成する時、電荷転送部の上
層には第1の転送電極が形成された状態である。この状
態でゲート絶縁膜の酸化を行うとONO膜の上層に露出
したシリコン酸化膜が成長し、第1の転送電極のバーズ
・ビークとなり電荷転送素子の特性の劣化を招く。
【0013】また、周辺回路部のゲート絶縁膜の形成に
よりONO膜の露出したシリコン酸化膜が成長するた
め、第1の転送電極直下の絶縁膜の膜厚と第2の転送電
極直下の絶縁膜の膜厚に差が生じる。このため、転送電
極直下には均一なチャンネルが形成されず電荷転送素子
としての特性の信頼性の劣化を招く。また、周辺回路部
のシリコン窒化膜を除去した領域は、分離領域を形成し
たときの応力の影響があり、周辺回路特性に致命的な欠
陥を生じる。
【0014】さらに、周辺回路部内に目的の異なるトラ
ンジスタを形成する場合、単一のシリコン酸化膜の膜厚
のトランジスタしか得ることができない。
【0015】
【0016】 この発明の目的は、スイッチング時のオン
抵抗を小さくしてノイズを減少させるトランジスタと、
ロードトランジスタのように抵抗としてのみ用いるトラ
ンジスタを併存させることができる固体撮像装置の製造
方法を提供することである。
【0017】また、この発明の目的は、周辺回路部の目
的に合わせてシリコン酸化膜の膜厚を変化させることが
できる固体撮像装置の製造方法を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】請求項1記載の固体撮像装置の製造方法
は、半導体基板主面上に第1のシリコン酸化膜を形成す
る工程と、前記第1のシリコン酸化膜上にシリコン窒化
膜を形成する工程と、周辺回路部となる第1の領域の前
記シリコン窒化膜を除去する工程と、ついで前記第1の
領域の前記第1のシリコン酸化膜を除去する工程と、電
荷転送部となる第2の領域上面に前記シリコン窒化膜が
全面に露出した状態で、前記半導体基板上に第2のシリ
コン酸化膜を形成する工程と、前記第2の領域に第1の
転送電極を形成すると同時に、前記第2のシリコン酸化
膜を介して前記第1の領域にゲート電極を形成する工程
と、前記半導体基板上に第3のシリコン酸化膜を形成す
る工程と、前記第3のシリコン酸化膜を介して前記第2
の領域に第2の転送電極を形成する工程とを含む。
【0023】請求項2記載の固体撮像装置の製造方法
は、半導体基板主面上に第1のシリコン酸化膜を形成す
る工程と、ついで前記第1のシリコン酸化膜上にシリコ
ン窒化膜を形成する工程と、ついで周辺回路部となる第
1の領域内の第3の領域の前記シリコン窒化膜を除去す
る工程と、ついで前記第1の領域内の第3の領域の前記
第1のシリコン酸化膜を除去する工程と、ついで電荷転
送部となる第2の領域上面に前記シリコン窒化膜が全面
に露出した状態で前記半導体基板上に第2のシリコン酸
化膜を形成する工程と、ついで前記第2の領域に第1の
転送電極を形成すると同時に前記第1の領域内の第3の
領域に前記第2のシリコン酸化膜を介して第1のゲート
電極を形成する工程と、ついで第1の領域内の第4の領
域のシリコン窒化膜を除去する工程と、ついで前記半導
体基板上に第3のシリコン酸化膜を形成する工程と、つ
いで前記第3のシリコン酸化膜を介して前記第2の領域
に第2の転送電極を形成すると同時に、前記第3のシリ
コン酸化膜を介して前記第1の領域内の第4の領域に第
2のゲート電極を形成する工程とを含む。
【0024】
【作用】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】本発明によれば、MISトランジスタのゲ
ート絶縁膜の膜厚は、用途によって周辺回路部内で最適
な値にできる。このため、素子の縮小や素子特性の最適
化を容易に行うことができる。さらに、MISトランジ
スタのゲート絶縁膜の膜厚を任意に選ぶことができるの
で、スイッチング時のオン抵抗を小さくし、ノイズを減
少させるトランジスタと、ロードトランジスタのように
抵抗としてのみ用いるトランジスタとを併存させること
ができる。このため、相互コンダクタンスgmが大きく
なったり、トランジスタのサイズを大きくする必要がな
い。また、附加容量が増大し高周波特性が劣下するのを
防ぐことができる。
【0030】また、本発明によれば、周辺回路部のシリ
コン窒化膜を除去しているので、界面準位の影響が少な
い部分にMISトランジスタを形成することができる。
このため、応力によるしきい値電圧Vthの劣下が生じな
い。また、本発明によれば、シリコン窒化膜を上面とす
る電荷転送部に周辺回路部のゲート絶縁膜を同時に形成
するため、工程が簡単であり、ゲート絶縁膜の膜厚を目
的に合わせて変更できる。
【0031】さらに、電荷転送部の第1の転送電極と周
辺回路部のゲート電極をセルフアラインで形成できるた
め、工程が容易である。また、周辺回路部に目的の異な
るトランジスタを形成するとき、電荷転送部に周辺回路
のゲート絶縁膜と、電荷転送部の第1の転送電極および
周辺回路部のゲート電極とをセルフアラインで形成し、
さらに目的の異なるトランジスタのゲート絶縁膜を、第
1の転送電極を電気的に分離するための絶縁膜と同時に
形成できる。このとき、目的の異なるトランジスタのゲ
ート電極と第2の転送電極を同時に形成することができ
る。このため工程が容易である。
【0032】また、本発明によれば、周辺回路部のゲー
ト絶縁膜を形成するのに、シリコン酸化膜とシリコン窒
化膜の積層膜を除去する。このため、工程が従来のもの
に比べて簡単である。さらに、周辺回路部のゲート絶縁
膜を形成する時、電荷転送部の上層にはシリコン窒化膜
が形成された状態である。この状態でゲート絶縁膜の酸
化を行うとシリコン窒化膜は変化せず、すなわち5nm
程度のシリコン酸化膜が形成されるだけで、同時に周辺
回路部のゲート絶縁膜の形成ができる。
【0033】このため、第1の転送電極直下の絶縁膜の
膜厚と第2の転送電極直下の絶縁膜の膜厚がほぼ均一に
なる。
【0034】
【実施例】以下に、図面を参照しながらこの発明の実施
例について説明する。最初に、本発明における固体撮像
装置の製造方法によって作製される固体撮像装置におけ
る電荷転送素子の第1の例の詳細について説明する。
1に上記電荷転送素子の断面図を示す。ここに示した断
面図は、埋め込みチャンネル型電荷転送部の端部と周辺
回路部となる表面チャンネルMISトランジスタとが配
置されている。
【0035】n型シリコン基板51主面の表面にp型拡
散層52が形成されている。p型拡散層52の不純物濃
度は、1〜5×1016/cm3 である。不純物濃度は、以
下に示すCCDのチャンネルの信号電荷の飽和容量およ
び転送効率に影響を与える。このため、所定の不純物濃
度にしておくことが必要である。また、p型拡散層52
の深さは、シリコン基板51表面から約5μmになるよ
うに形成されている。p型拡散層52の深さは、シリコ
ン基板51との絶縁耐圧と関係がある。このため、絶縁
耐圧が劣下しないようにその不純物濃度と合わせて所定
の深さに設定されている。
【0036】p型拡散層52で埋め込み型電荷転送部を
形成する部分に、CCDのチャンネルとなるn型拡散層
53が形成されている。n型拡散層53の不純物濃度
は、5〜10×1016/cm3 である。不純物濃度は、p
型拡散層52と同様にCCDのチャンネルの信号電荷の
飽和容量および転送効率に影響を与える。このため、所
定の不純物濃度にしておくことが必要である。
【0037】このように、n型拡散層53の不純物濃度
は、p型拡散層52の不純物濃度と関係がある。すなわ
ち、CCDのチャンネルが空乏化するようにそれらの拡
散層に印加する電位を最適化している。また、n型拡散
層53の深さは、シリコン基板51表面から約0.5μ
mになるように形成されている。n型拡散層53の深さ
は、転送効率および飽和容量が劣下しないように適度な
深さに設定されている。
【0038】シリコン基板51表面の基板端部にはMI
Sトランジスタが形成されている。MISトランジスタ
と埋め込み型電荷転送部とは、LOCOSと呼ばれる厚
膜の酸化膜分離領域54によって電気的に絶縁されてい
る。MISトランジスタ領域には、ソース・ドレインと
なるn型拡散層55が形成されている。
【0039】埋め込み型電荷転送部のシリコン基板51
表面上には、シリコン酸化膜56が形成されている。こ
のシリコン酸化膜56は、ゲート絶縁膜となるためシリ
コン基板51を熱酸化して、膜厚80nm程度の厚さに
形成されている。シリコン酸化膜56の膜厚は、電荷転
送素子の転送効率およびCCDのチャンネルの信号電荷
に対する飽和特性に影響する。このため、10nm〜2
00nmの膜厚にするのがよい。
【0040】この膜厚が、10nm以下であると、駆動
電圧の低電圧側の値(φL )が低くなりすぎる。すなわ
ち、駆動電圧のパルス振幅が低くなる。このため転送効
率が劣下してしまう。また、200nm以上の膜厚であ
れば、駆動電圧の高電圧側の値(φH )が高くなりすぎ
る。このため、駆動するためのパルスジェネレータを高
耐圧なものにする必要がる。これは、きわめて実用的な
ものでない。
【0041】また、駆動電圧を下げようとすると、n型
拡散層53の不純物濃度を薄くしなければならず、CC
Dのチャンネルの信号電荷の飽和容量が減少してしまう
不都合が生じる。シリコン酸化膜56上には、減圧CV
D法で形成された膜厚40nmのシリコン窒化膜57が
形成されている。このように埋め込み型電荷転送部で
は、ゲート絶縁膜として、シリコン酸化膜56とシリコ
ン窒化膜57の積層膜を用いている。
【0042】シリコン窒化膜57の膜厚は、電荷転送素
子の絶縁耐圧およびCCDのチャンネルの信号電荷の飽
和特性に影響を与える。このため、10nm〜100n
mの膜厚にするのがよい。この膜厚が、10nm以下で
あると、絶縁耐圧が劣下するとともに、膜形成の安定性
も悪くなる。このため、素子の信頼性が劣下するという
不都合が生じる。
【0043】また、100nm以上の膜厚であれば、ゲ
ート絶縁膜の合計膜厚が厚くなってシリコン酸化膜56
が厚い場合と同様に駆動電圧の上昇もしくはCCDのチ
ャンネルの信号電荷の飽和容量の低下を生じる。また、
シリコン窒化膜57は膜中に、電荷のトラップ準位の量
が多い。膜厚が厚くなるほどトラップ準位の量は増大
し、電荷転送素子を長時間使用すると、CCDのチャン
ネルに印加される実効電圧が変化して素子の信頼性が劣
下する。
【0044】シリコン窒化膜57上には、転送電極58
が形成されている。転送電極58は、シリコン酸化膜5
9を介して隣の転送電極60と電気的に分離されてい
る。転送電極58,60は、リンをドープした多結晶シ
リコン膜で形成されている。多結晶シリコン膜の膜厚
は、約0.2〜0.6μmである。ここで、シリコン窒
化膜57の端部と転送電極58の多結晶シリコン膜の端
部が一致していることが重要である。シリコン窒化膜5
7の端部と転送電極58の多結晶シリコン膜の端部
致させようとすると、埋め込み型電荷転送部上のシリコ
ン窒化膜57表面層が、転送電極58,60とシリコン
酸化膜59によって完全に覆いつくされることになる。
このように、ゲート電極58,60とシリコン酸化膜5
9の下部以外のシリコン窒化膜7をなくすことによっ
て電荷転送素子全体に掛かる応力を低減することができ
る。
【0045】さらには、この電荷転送素子を固体撮像装
置として利用する場合でも、シリコン窒化膜がないこと
から、フォトダイオードに入射する光を減衰させること
がない。このことを、より詳細に説明するために、図2
にこの電荷転送素子を固体撮像装置に使用したときの断
面形状を示す。
【0046】シリコン基板51表面から基板の深さ方向
に、p型拡散層61が形成されている。p型拡散層61
の中には、電荷転送部Aとフォトダイオード部Bが形成
されている。電荷転送部Aは、p型拡散層52がシリコ
ン基板51表面から基板の深さ方向に形成されている。
その上にn型拡散層53が形成されている。n型拡散層
53に隣接して拡散層62が形成されている。
【0047】さらに、拡散層62と隣接してフォトダイ
オード部Bが形成されている。フォトダイオード部Bに
は、ある程度の深さを持つn型拡散層63が設けられ、
さらにシリコン基板51表面でn型拡散層63の上部に
p型拡散層64が設けられている。通常、フォトダイオ
ード部Bに入射した光は、これらの拡散層内で電子対を
形成する。このように光を電気信号に変えることができ
る。
【0048】シリコン基板51上には、基板全面にシリ
コン酸化膜56が形成されている。シリコン酸化膜56
上で、ほぼ電荷転送部Aに相当する領域にはシリコン窒
化膜57が形成されている。さらに、シリコン窒化膜5
7上には転送電極58となる多結晶シリコンが形成され
ている。さらに、転送電極58を取り囲むように絶縁用
のシリコン酸化膜65が形成されている。固体撮像装置
は、フォトダイオード部Bに入射し、電気的に取り出さ
れた信号を、転送電極58直下のチャンネルを通して転
送する。
【0049】したがって、転送電極58とフォトダイオ
ード部Bとが一対の構造になっている。これらのものが
複数個形成されたものが固体撮像装置である。複数個の
この対になった素子は、拡散層66によって隣の対とな
った素子と電気的に絶縁されている。ある転送電極58
と隣の転送電極58の開口領域67のシリコン基板51
直下にフォトダイオード部Bが形成されている。フォト
ダイオード部Bが形成されているシリコン基板51上に
は、シリコン酸化膜56のみが形成されている。通常、
このような多層膜の転送電極のゲート絶縁膜を用いる場
合には、フォトダイオード部B上に多層膜を残した状態
にするが、入射する光を減衰させて用いてきた。しか
し、このような方法では固体撮像装置の高感度化の要請
を実現することが困難であった。
【0050】一方、図1において、MISトランジスタ
領域には、通常のMISトランジスタが形成されてい
る。すなわち、ソースとドレインとの間のシリコン基板
51表面上にゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜68が
膜厚50nmで形成されている。さらに、シリコン酸化
膜68上にはゲート電極69が形成されている。ゲート
電極69は、リンをドープした多結晶シリコン膜で形成
されている。多結晶シリコンの膜厚は、約0.2〜0.
6μmである。
【0051】以上のように構成された、電荷転送素子
は、埋め込み型電荷転送部にシリコン酸化膜とシリコン
窒化膜の積層膜をゲート絶縁膜に用いても、その転送特
性に悪影響を及ぼすことがない。一方、従来の電荷転送
素子のように周辺回路部を構成するMISトランジスタ
のゲート絶縁膜に、このようなシリコン酸化膜とシリコ
ン窒化膜からなる積層膜を用いると、シリコン酸化膜の
単層のゲート絶縁膜を用いる上記の第1の例の場合に比
べて、積層膜に生じる界面準位や絶縁膜中に存在してい
るトラップ準位によってトランジスタ特性が劣下する。
積層膜の界面準位密度が増加することでMISトランジ
スタのノイズ特性および周波数特性が劣化する。また、
膜中のトラップ密度が増加することでMISトランジス
タのしきい値電圧Vthがシフトしたり、相互コンダクタ
ンスgmが劣化する。これらの要因で積層膜を用いた電
荷転送素子の信頼性は低下してしまう。
【0052】この第1の例の電荷転送素子では、従来の
電荷転送素子のMISトランジスタのようにその素子特
性が劣化することはない。以上述べたような効果につい
てより詳細に説明するために、図3にこの第1の例の電
荷転送素子と、従来の積層膜をゲート絶縁膜に用いたM
ISトランジスタを持つ電荷転送素子とのアンプ部ゲー
ト絶縁膜種に対するアンプノイズと周波数特性を比較し
た図を示す。
【0053】図中の黒丸は、周波数特性を示し、白丸は
アンプノイズを示す。ゲート絶縁膜種がSiO2 と書か
れているのがこの第1の例のMISトランジスタであ
る。ONOと書かれているのが従来のMISトランジス
タを示す。これより、この第1の例のMISトランジス
タは、アンプノイズが低く、従来のMISトランジスタ
に比べて約2/5倍程度に抑えることができる。このた
め、電荷転送素子の動作を行ったとき、微小な信号電荷
を充分に増幅することができる。
【0054】また、周波数特性については、この第1の
例のMISトランジスタは、従来のMISトランジスタ
に比べて約1.4倍程度高くすることができる。図4
電荷転送素子の第2の例の断面図を示す。ここに示した
断面図は、埋め込みチャンネル型電荷転送部の端部と周
辺回路部となる表面チャンネルMISトランジスタが配
置されている。
【0055】第1の例の電荷転送素子と異なるのは、C
CDのチャンネル部上に設けられた積層膜が、シリコン
酸化膜とシリコン窒化膜さらに上層にシリコン酸化膜か
らなるONO膜と呼ばれる積層膜で形成されていること
である。すなわち、シリコン基板51主面の表面にp型
拡散層52が形成されている。p型拡散層52で埋め込
み型電荷転送部を形成する部分に、CCDのチャンネル
となるn型拡散層53が形成されている。
【0056】シリコン基板51表面の、基板端部にはM
ISトランジスタが形成されている。MISトランジス
タと埋め込み型電荷転送部とは、LOCOSと呼ばれる
厚膜の酸化膜分離領域54によって電気的に絶縁されて
いる。MISトランジスタ領域には、ソース・ドレイン
となるn型拡散層55が形成されている。
【0057】埋め込み型電荷転送部のシリコン基板51
表面上には、シリコン酸化膜56が形成されている。こ
のシリコン酸化膜56は、ゲート絶縁膜となるためシリ
コン基板51を熱酸化して、膜厚80nm程度の厚さに
形成されている。シリコン酸化膜56上には、減圧CV
D法で形成された膜厚40nmのシリコン窒化膜57が
形成されている。
【0058】さらに、シリコン窒化膜57上に、シリコ
ン酸化膜70が形成されている。シリコン酸化膜70の
膜厚は約5nmである。シリコン酸化膜70は、後に述
べる製造工程において、MISトランジスタのゲート絶
縁膜であるシリコン酸化膜を形成する場合に、同時に形
成される。MISトランジスタのゲート絶縁膜を形成す
る時には、電荷転送素子の領域は、シリコン酸化膜56
とシリコン窒化膜57が積層されて形成されている。ゲ
ート絶縁膜のシリコン酸化膜68を形成したとき、シリ
コン窒化膜57の表面が5nm酸化される。
【0059】この膜厚は、MISトランジスタのゲート
絶縁膜の膜厚を変化させたのに応じて変化する。ただ
し、その酸化膜厚は、数十nmを超えるものではない。
さらに、電荷転送素子のゲート絶縁膜にこのようなON
O膜を形成することで、絶縁耐圧の信頼性が向上する。
さらに、2層以上の積層膜でゲート絶縁膜が形成されて
いるため、絶縁膜の膜厚はどの電極下においても一定と
なる。このため電極下のポテンシャルが変動することが
ない。通常、ゲート電極下のゲート絶縁膜はその後の工
程による酸化でバーズビークと呼ばれる電極端部での異
常酸化が生じる。しかし、この例のように積層膜をゲー
ト絶縁膜に用いるとその後の酸化によってバーズビーク
は生じず、均一なチャンネルを形成することができる。
【0060】第1の例で説明した効果もまた十分得るこ
とができる。さらに、シリコン窒化膜57上には、転送
電極58が形成されている。転送電極58は、シリコン
酸化膜59を介して隣の転送電極60と電気的に分離さ
れている。転送電極58,60は、リンをドープした多
結晶シリコン膜で形成されている。多結晶シリコン膜の
膜厚は、約0.2〜0.6μmである。
【0061】ここで、シリコン窒化膜57の端部と転送
電極58の多結晶シリコン膜の端部一致させている。
MISトランジスタ領域には、通常のMISトランジス
タが形成されている。すなわち、ソースとドレインとの
間のシリコン基板51表面上にゲート絶縁膜となるシリ
コン酸化膜68が膜厚50nmで形成されている。さら
に、シリコン酸化膜68上にはゲート電極69が形成さ
れている。ゲート電極69は、リンをドープした多結晶
シリコン膜で形成されている。多結晶シリコンの膜厚
は、約0.2〜0.6μmである。
【0062】以上のように構成された、電荷転送素子
は、埋め込み型電荷転送部にシリコン酸化膜とシリコン
窒化膜の積層膜をゲート絶縁膜に用いても、その転送特
性に悪影響を及ぼすことがない。一方、従来の電荷転送
素子のように周辺回路部を構成するMISトランジスタ
のゲート絶縁膜に、このようなシリコン酸化膜とシリコ
ン窒化膜とシリコン酸化膜からなる積層膜を用いると、
シリコン酸化膜の単層のゲート絶縁膜を用いるこの例
場合に比べて、積層膜に生じる界面準位や絶縁膜中に存
在しているトラップ準位によってトランジスタ特性が劣
下する。積層膜の界面準位密度が増加することでMIS
トランジスタのノイズ特性および周波数特性が劣化す
る。また、膜中のトラップ密度が増加することでMIS
トランジスタのしきい値電圧Vthがシフトしたり、相互
コンダクタンスgm が劣化する。これらの要因で積層膜
を用いた電荷転送素子の信頼性は低下してしまう。
【0063】この例の電荷転送素子では、MISトラン
ジスタのゲート絶縁膜が単層のシリコン酸化膜で構成さ
れているので、従来の電荷転送素子のMISトランジス
ようにその素子特性が劣化することはない。図5
荷転送素子の第3の例の断面図を示す。ここに示した
断面図は、埋め込みチャンネル型電荷転送部の端部と周
辺回路部となる表面チャンネルMISトランジスタが配
置されている。
【0064】n型シリコン基板51主面の表面にp型拡
散層52が形成されている。p型拡散層52の不純物濃
度は、約1〜5×1016/cm3 である。不純物濃度は、
CCDのチャンネルの信号電荷の飽和容量および転送効
率に影響を与える。このため、所定の不純物濃度にして
おくことが必要である。また、p型拡散層52の深さは
シリコン基板51表面から約5μmになるように形成さ
れている。p型拡散層52の深さは、シリコン基板51
との間の絶縁耐圧が低下しないように、その不純物濃度
と印加すべき電圧に合わせて設定されている。
【0065】p型拡散層52で埋め込み型電荷転送部を
形成する部分に、CCDのチャンネルとなるn型拡散層
53が形成されている。n型拡散層53の不純物濃度
は、5〜10×1016/cm3 である。不純物濃度は、以
下に示すCCDチャンネルの信号電荷の飽和容量に影響
を与える。このため所定の不純物濃度にしておくことが
必要である。
【0066】また、n型拡散層53の不純物濃度は、p
型拡散層52の不純物濃度と関係があり、CCDのチャ
ンネルが空乏化するようにそれらの拡散層に印加する電
位を最適化している。また、n型拡散層53の深さはシ
リコン基板51表面から約0.5μmになるように形成
されている。n型拡散層53の深さは、シリコン基板5
1との間の絶縁耐圧が劣下しないようにその不純物濃度
と合わせて適当に設定されている。
【0067】シリコン基板51表面の、基板端部にはM
ISトランジスタが形成されている。MISトランジス
タと埋め込み型電荷転送部とは、LOCOSと呼ばれる
分離領域54によって電気的に絶縁されている。MIS
トランジスタ領域には、ソース・ドレインとなるn型拡
散層55が形成されている。
【0068】埋め込み型電荷転送部のシリコン基板51
表面上には、シリコン酸化膜56が形成されている。こ
のシリコン酸化膜56は、ゲート絶縁膜となるためシリ
コン基板51を熱酸化して、膜厚80nm程度の厚さに
形成されている。シリコン酸化膜56の膜厚は、電荷転
送素子の転送効率およびCCDのチャンネルの信号電荷
の飽和特性に影響を与える。このため、10nm〜20
0nmの膜厚にするのがよい。この膜厚については、第
の例と同じ理由に基づき、ここで指定した範囲の膜厚
で用いることが必要である。
【0069】シリコン酸化膜56上には、減圧CVD法
で形成された膜厚40nmのシリコン窒化膜57が形成
されている。このように埋め込み型電荷転送部では、ゲ
ート絶縁膜として、シリコン酸化膜56とシリコン窒化
膜57の積層膜を用いている。シリコン窒化膜57の膜
厚は、電荷転送素子の絶縁耐圧およびCCDのチャンネ
ルの信号電荷の飽和特性に影響する。このため、10n
m〜100nmの膜厚にするのがよい。この膜厚もま
た、第1の例で示したのと同じ理由で、ここに示した範
囲の膜厚で形成されていることが必要である。
【0070】シリコン窒化膜57上には、転送電極58
が形成されている。転送電極58は、シリコン酸化膜5
9を介して隣の転送電極60と電気的に分離されてい
る。転送電極58,60は、リンをドープした多結晶シ
リコン膜で形成されている。多結晶シリコンの膜厚は、
約0.5μmである。一方、MISトランジスタ領域に
は、通常のMISトランジスタが形成されている。すな
わち、ソースとドレインとの間のn型拡散層52表面上
にゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜71が膜厚50n
mで形成されている。さらに、シリコン酸化膜71上に
はゲート電極72が形成されている。ゲート電極72
は、リンをドープした多結晶シリコン膜で形成されてい
る。多結晶シリコンの膜厚は、約0.5μmである。
【0071】さらに、上記MISトランジスタのソース
あるいはドレインが共通となる他のMISトランジスタ
もまた形成されている。このMISトランジスタは、p
型拡散層52表面上にゲート絶縁膜となるシリコン酸化
膜73が膜厚100nmで形成されている。さらに、シ
リコン酸化膜73上にはゲート電極74が形成されてい
る。ゲート電極74は、リンをドープした多結晶シリコ
ン膜で形成されている。多結晶シリコンの膜厚は、約
0.4μmである。
【0072】ここで述べた2つのMISトランジスタに
おいて、相違する点は、両者のゲート絶縁膜となるシリ
コン酸化膜71,73の膜厚が異なっていることであ
る。埋め込み型電荷転送部のゲート絶縁膜が積層膜で形
成されており、周辺回路部のMISトランジスタのゲー
ト絶縁膜が少なくとも2つの異なる膜厚を有しているよ
うな電荷転送素子が形成されている点にある。
【0073】電荷転送素子の周辺回路部(特に、アンプ
部など)のMISトランジスタのゲート絶縁膜に膜厚が
一定である薄膜を形成すると、周辺回路部の利用目的に
よって定められたMISトランジスタを形成しなければ
ならない場合に、所望の特性を得ることができない。例
えば、膜厚が薄いゲート絶縁膜を用いるMISトランジ
スタは、トランジスタのスイッチング時のオン抵抗が小
さくなり、ノイズも減少させることができ素子特性を向
上させることができる。しかし、MISトランジスタを
ロードトランジスタのように抵抗としてのみ用いようと
すると、相互コンダクタンスgm が大きくなる。このた
め所定の抵抗値を持たせようとすると、ゲート絶縁膜の
膜厚が薄いと形成しなければならないトランジスタのサ
イズを大きくしなければならない。このように目的の違
うMISトランジスタを周辺回路部に作り込むために
は、各々のMISトランジスタに合った所望の膜厚のゲ
ート絶縁膜を用いることが必要である。
【0074】さらに、このような周辺回路部にあって
は、附加容量もまた増大する。このため高周波特性は劣
下する。この例では、用途によって最適のゲート絶縁膜
厚を有するMISトランジスタを形成できる。このた
め、素子の縮小や素子特性の最適化を容易に行うことが
できる。
【0075】以上のように構成された、電荷転送素子で
は、埋め込み型電荷転送部にシリコン酸化膜とシリコン
窒化膜の積層膜をゲート絶縁膜に用いても、その転送特
性には殆ど影響しない。一方、周辺回路部を構成するM
ISトランジスタのゲート絶縁膜に、このような積層膜
を用いると、シリコン酸化膜の単層のゲート絶縁膜を用
いる場合に比べて、積層膜に生じる界面準位や絶縁膜中
に存在しているトラップ準位によってトランジスタ特性
が劣下する。この例の電荷転送装置では、このような電
荷転送装置のMISトランジスタの特性劣化が生じるこ
とがない。
【0076】図6に周辺回路部のMISトランジスタの
シリコン窒化膜が除去された領域を説明する1つのトラ
ンジスタの平面図を示す。斜線75の領域がシリコン窒
化膜の除去された領域である。シリコン基板のn型拡散
層表面に、MISトランジスタが形成されている。MI
Sトランジスタは、周辺の素子と電気的に分離するよう
LOCOSと呼ばれる分離領域76が設けられている。
分離領域76は長方形の周辺に設けられている。斜線7
5の領域は、分離領域76よりやや小さな領域をしてい
る。斜線75の領域もまた分離領域76と同じように長
方形の形状になっている。
【0077】分離領域76内のほぼ中央部にゲート電極
77が形成されている。ゲート電極77の長辺の左右の
n型拡散層には、MISトランジスタのソース・ドレイ
ンとなる拡散層が形成されている。ソース・ドレインの
コンタクトホール78は、MISトランジスタの上層に
設けられた保護膜の所定位置をエッチングして形成され
ている。このコンタクトホール78を通してソース・ド
レインの拡散層と接続される配線79が形成されてい
る。
【0078】このように、周辺回路部のシリコン窒化膜
を除去した領域は、界面準位の影響が少なくするため
に、所定の位置に形成されている。その位置は、分離領
域76に形成されたLOCOS形成時に発生する応力が
悪影響を与えないような平坦部分に形成される。このよ
うな平坦部分は、分離領域76の端部から、分離領域7
6の膜厚と、シリコン窒化膜のエッチングによって一部
除去されるシリコン酸化膜の膜厚とを足し合わせた厚さ
に相当する距離以上離れていなければならない。
【0079】第1の例では、分離領域76の膜厚は50
0nmで、エッチング除去されるシリコン酸化膜の膜厚
は80nmである。これより分離領域76から0.58
μm以上分離領域76の端部から離れておれば応力の影
響が少ない。応力の影響が及ぶ領域に周辺回路部を形成
すると、界面順位が増大してしきい値電圧Vthが劣下す
るなどの信頼性上の問題を生じることになる。
【0080】図7に電荷転送素子の第4の例の断面図を
示す。ここに示した断面図は、埋め込みチャンネル型電
荷転送部の端部と周辺回路部となる表面チャンネルMI
Sトランジスタが配置されている。図5の例の電荷転送
素子と異なるのは、CCDのチャンネル部上に設けられ
た積層膜が、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜とさらに
上層のシリコン酸化膜からなる3層構造、つまりONO
膜と呼ばれる積層膜で形成されていることである。
【0081】すなわち、シリコン基板51主面の表面に
p型拡散層52が形成されている。p型拡散層52で埋
め込み型電荷転送部を形成する部分に、CCDのチャン
ネルとなるn型拡散層53が形成されている。シリコン
基板51表面の基板端部には、MISトランジスタが形
成されている。MISトランジスタと埋め込み型電荷転
送部とは、LOCOSと呼ばれる厚膜の酸化膜分離領域
54によって電気的に絶縁されている。
【0082】MISトランジスタ領域には、ソース・ド
レインとなるn型拡散層55が形成されている。埋め込
み型電荷転送部のシリコン基板51表面上には、シリコ
ン酸化膜56が形成されている。このシリコン酸化膜5
6は、ゲート絶縁膜となるためシリコン基板51を熱酸
化して、膜厚80nm程度の厚さに形成されている。
【0083】シリコン酸化膜56上には、減圧CVD法
で形成された膜厚40nmのシリコン窒化膜57が形成
されている。さらに、シリコン窒化膜57上に、シリコ
ン酸化膜70が形成されている。シリコン酸化膜70の
膜厚は約5nmである。シリコン酸化膜70は、後に述
べる製造工程において、MISトランジスタのゲート絶
縁膜であるシリコン酸化膜を形成する場合に、同時に形
成される。
【0084】MISトランジスタのゲート絶縁膜を形成
する時には、電荷転送素子の領域は、シリコン酸化膜5
6とシリコン窒化膜57が積層されて形成されている。
ゲート絶縁膜のシリコン酸化膜71を形成したとき、シ
リコン窒化膜57の表面が5nm酸化される。この膜厚
は、MISトランジスタのゲート絶縁膜の膜厚を変化さ
せたのに応じて変化する。ただし、その酸化膜厚は、数
十nmを越えるものではない。
【0085】さらに、電荷転送素子のゲート絶縁膜にこ
のようなONO膜を形成することで、絶縁耐圧の信頼性
が向上する。さらに、2層以上の積層膜でゲート電極が
形成されているため、絶縁膜の膜厚はどの電極下におい
ても一定となる。このため電極下のポテンシャルが変動
することがない。通常、ゲート電極下のゲート絶縁膜は
その後の工程による酸化でバーズビークと呼ばれる電極
端部での異常酸化が生じる。しかし、この例のように積
層膜をゲート絶縁膜に用いるとその後の酸化によってバ
ーズビークは生じず、均一なチャンネルを形成すること
ができる。
【0086】シリコン酸化膜70上には、転送電極58
が形成されている。この転送電極58は、シリコン酸化
膜59を介して隣の転送電極60と電気的に分離されて
いる。転送電極58,60は、リンをドープした多結晶
シリコン膜で形成されている。多結晶シリコンの膜厚
は、約0.5μmである。一方、MISトランジスタ領
域には、通常のMISトランジスタが形成されている。
すなわち、ソースとドレインとの間のn型拡散層52表
面上にゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜71が膜厚5
0nmで形成されている。さらに、シリコン酸化膜71
上にはゲート電極72が形成されている。ゲート電極7
2は、リンをドープした多結晶シリコン膜で形成されて
いる。多結晶シリコンの膜厚は、約0.5μmである。
【0087】さらに、上記MISトランジスタのソース
あるいはドレインが共通となる他のMISトランジスタ
もまた形成されている。このMISトランジスタは、p
型拡散層52表面上にゲート絶縁膜となるシリコン酸化
膜73が膜厚100nmで形成されている。さらに、シ
リコン酸化膜73上にはゲート電極74が形成されてい
る。ゲート電極74は、リンをドープした多結晶シリコ
ン膜で形成されている。多結晶シリコンの膜厚は、約
0.4μmである。
【0088】ここで述べた2つのMISトランジスタに
おいて、相違する点は、両者のゲート絶縁膜となるシリ
コン酸化膜71,73の膜厚が異なっていることであ
る。埋め込み型電荷転送部のゲート絶縁膜が積層膜で形
成されており、周辺回路部のMISトランジスタのゲー
ト絶縁膜が少なくとも2つの異なる膜厚を有しているよ
うな電荷転送素子が形成されている点にある。
【0089】電荷転送素子の周辺回路部(特に、アンプ
部など)のMISトランジスタのゲート絶縁膜に膜厚が
一定である薄膜を形成すると、周辺回路部の利用目的に
よって定められたMISトランジスタを形成しなければ
ならない場合に、所望の特性を得ることができない。例
えば、膜厚が薄いゲート絶縁膜を用いるMISトランジ
スタは、トランジスタのスイッチング時のオン抵抗が小
さくなり、ノイズも減少させることができ素子特性を向
上させることができる。しかし、MISトランジスタを
ロードトランジスタのように抵抗としてのみ用いようと
すると、相互コンダクタンスgm が大きくなる。このた
め所定の抵抗値を持たせようとすると、ゲート絶縁膜の
膜厚が薄いと形成しなければならないトランジスタのサ
イズを大きくしなければならない。このように目的の違
うMISトランジスタを周辺回路部に作り込むために
は、各々のMISトランジスタに合った所望の膜厚のゲ
ート絶縁膜を用いることが必要である。
【0090】さらに、このような周辺回路部にあって
は、附加容量もまた増大する。このため高周波特性は劣
下する。この例では、用途によって最適のゲート絶縁膜
厚を有するMISトランジスタが形成できる。このた
め、素子の縮小や素子特性の最適化を容易に行うことが
できる。
【0091】以上のように構成された、電荷転送素子で
は、埋め込み型電荷転送部にシリコン酸化膜とシリコン
窒化膜の積層膜をゲート絶縁膜に用いても、その転送特
性にはほとんど影響しない。一方、周辺回路部を構成す
るMISトランジスタのゲート絶縁膜に、このような積
層膜を用いると、シリコン酸化膜の単層のゲート絶縁膜
を用いる場合に比べて、積層膜に生じる界面準位や絶縁
膜中に存在しているトラップ準位によってトランジスタ
特性が劣下する。この例の電荷転送装置では、このよう
な電荷転送装置のMISトランジスタの特性劣化が生じ
ることがない。
【0092】つぎに、図8にFIT(フレームトランス
ファー)型の固体撮像装置の平面図を示す。FIT型の
電荷転送素子は、上記した電荷転送素子と比べ高速の転
送を可能とする。このために信号電荷を保持しておく蓄
積部が設けられている。光電変換部からの信号電荷は、
通常はセンスアンプを用いて外部へ取り出される。この
場合には、信号電荷がセンスアンプまで送られるのに必
要な転送時間がその電荷転送素子の転送速度の能力とい
える。これに対してFIT型の電荷転送素子は、蓄積部
を持つため外部への信号の取り出しは、蓄積部からダイ
レクトに行うことができる。このため、従来の電荷転送
素子に比べて高速動作が可能である。
【0093】80は光電変換を行う画素部、81は光電
変換した電荷をいったん保持する蓄積部、82は蓄積し
た電荷を順次出力する水平電荷転送部である。蓄積部8
1には、周辺回路部のトランジスタと同様にシリコン窒
化膜がセルフアラインで除去されていない。このために
全面がシリコン窒化膜で覆われている。この場合、シリ
コン窒化膜のストレスによって界面順位が増加する。ま
た、シリコン窒化膜は水素の透過率が低いため、電荷転
送素子の製造過程で用いられる水素処理による界面改善
の効果が低くなる。
【0094】図9にこの発明の固体撮像装置の製造方法
の第1の実施例を説明するための工程断面図を示す(請
求項に対応する)。まず、図9(a)に示すように、
n型シリコン基板51の全面にボロンをイオン注入す
る。この後、熱処理を行いp型拡散層52を形成する。
この時の、イオン注入条件は、加速電圧100keV、
注入量5×1011/cm2 で行っている。また、熱処理
は、処理温度1200度で、10時間行った。またこの
時、p型拡散層52の拡散深さは約5μmであった。
【0095】つぎに、シリコン基板51表面を熱酸化
し、シリコン酸化膜83を50nmの膜厚に形成する。
その後、シリコン酸化膜83上に減圧CVD法によりシ
リコン窒化膜84を形成する。シリコン窒化膜84の膜
厚は、120nmである。この後、通常のフォトリソグ
ラフィを用いて、分離領域54となる部分以外の領域を
覆ったレジストパターンを形成する。このレジストパタ
ーンをマスクにして、シリコン窒化膜4をエッチング
除去する。
【0096】さらに、シリコン酸化膜83を除去して、
シリコン基板51表面が露出するようにする。この後、
レジストパターンを除去する。このようにシリコン窒化
膜84とシリコン酸化膜83が除去されたシリコン基板
51を、熱酸化して分離領域54を成長させる。分離領
域54は、LOCOSと呼ばれ、膜厚が約500nmの
酸化膜が形成される。
【0097】つぎに、図9(b)に示すように、半導体
基板51全面に形成されたシリコン窒化膜84をエッチ
ング除去する。この後、通常のフォトリソグラフィを用
いて、MISトランジスタを形成する領域にレジストパ
ターンを形成する(図示せず)。この後、半導体基板5
1全面にリンのイオン注入を行う。イオン注入条件は、
加速電圧100keV、注入量3×1012/cm2 であ
る。この後、レジストパターンを除去する。
【0098】さらに、熱処理を行って転送チャンネルと
なるn型拡散層53を形成する。この時、n型拡散層5
3の拡散深さは0.5μmにしている。さらに表面保護
膜として用いたシリコン酸化膜83をエッチング除去す
る。このエッチングで、シリコン酸化膜83の膜厚に相
当する厚さ分だけ分離領域54の酸化膜もエッチングさ
れる。
【0099】つぎに、図9(c)に示すように、半導体
基板51を熱酸化してシリコン酸化膜56を80nmの
厚さで形成する。さらに、減圧CVD法で厚さ40nm
のシリコン窒化膜57をシリコン酸化膜56上に成長す
る。この時、シリコン酸化膜56の膜厚は、10nm〜
200nmの範囲内で、シリコン窒化膜57の膜厚は、
10nm〜100nmの範囲内で、それぞれ電荷転送装
置の特性や回路駆動条件に最適な膜厚を見いだすことが
できる。
【0100】その後、通常のフォトリソグラフィを用い
て、MISトランジスタを形成する周辺回路領域を開口
したレジストパターンを形成する。このレジストパター
ンをマスクにしてシリコン窒化膜57をプラズマエッチ
ング法で除去する。こうしてMISトランジスタを形成
する領域のシリコン窒化膜を取り除く。
【0101】さらに、この領域に露出したシリコン酸化
膜56を弗酸と弗化アンモニウムの混合液でウエットエ
ッチングして除去する。シリコン酸化膜56のエッチン
グは、プラズマエッチング法を用いてもよいことは言う
までもない。ここで、MISトランジスタを形成する領
域はシリコン基板51が露出している。ただし、シリコ
ン酸化膜56のエッチング量は、半導体基板51が表面
に露出するまで行って、シリコン酸化膜56を若干残し
ておいても後の工程では何等の悪影響を及ぼすことはな
い。
【0102】さらに、シリコン酸化膜56をウエットエ
ッチングする前に、シリコン酸化膜56表面の汚れを取
り除く目的で酸素プラズマにさらして、ウエットエッチ
ングが容易になるような工程を行ってもよい。つぎに、
レジストパターンを除去する。この後、熱酸化を行って
露出した半導体基板51上の周辺回路部にシリコン酸化
膜68を形成する。
【0103】この時、埋め込み型電荷転送装置部には、
シリコン酸化膜56とシリコン窒化膜57の2層膜が形
成されている。上層のシリコン窒化膜57は酸化速度が
低いため膜厚が増加することによる影響はない。このた
め、MISトランジスタのゲート絶縁膜となるシリコン
酸化膜68の膜厚は自由に設定できる。
【0104】この時、同時に電荷転送部のシリコン窒化
膜57上には膜厚約5nm程度のシリコン酸化膜70が
成長する。この実施例では、絶縁耐圧特性、周波数特性
やノイズ特性を検討することによって、それらの特性が
最適となる膜厚約50nmのシリコン酸化膜68を形成
している。
【0105】この後、図9(d)に示すように、第1の
多結晶シリコン膜を蒸着しリンをドープして低抵抗と
し、フォトエッチングで電荷転送素子の第1の転送電極
58と周辺回路部のゲート電極69とを同時に形成す
る。この時、多結晶シリコン膜のエッチング条件を下地
シリコン窒化膜57とのエッチング速度比を大きい条件
にして、シリコン窒化膜57がほとんどエッチングされ
ない状態にする。
【0106】つぎに、図9(e)に示すように、多結晶
シリコン膜を酸化してシリコン酸化膜59を形成する。
これによって第1の転送電極58が第2の転送電極60
と電気的に絶縁される。この後、第2の多結晶シリコン
膜を蒸着しリンをドープして低抵抗とし、フォトエッチ
ングで電荷転送素子の第2の転送電極60を形成する。
【0107】その後、第2の多結晶シリコン膜の第2の
転送電極60下部のゲート絶縁膜が第1の転送電極58
下部のゲート絶縁膜と同じ膜厚になる。すなわち両方の
電極下のゲート絶縁膜はシリコン酸化膜56とシリコン
窒化膜57の膜厚の和になっている。このため、電荷転
送素子を動作した時には、均一なCCDのチャンネルが
得られる。
【0108】このようにこの実施例の固体撮像装置の製
造方法では、周辺回路部のゲート絶縁膜のシリコン酸化
膜68を形成するのに、シリコン酸化膜56とシリコン
窒化膜57の積層膜を除去する。このため、工程が従来
のものに比べて簡単である。さらに、周辺回路部のゲー
ト絶縁膜68を形成する時、電荷転送部の上層にはシリ
コン窒化膜57が形成された状態である。この状態でゲ
ート絶縁膜のシリコン酸化膜68の酸化を行うとシリコ
ン窒化膜57は変化せず、すなわち5nm程度のシリコ
ン酸化膜70が形成されるだけで、同時に周辺回路部の
ゲート絶縁膜の形成ができる。
【0109】このため、第1の転送電極58直下の絶縁
膜の膜厚と第2の転送電極60直下の絶縁膜の膜厚が均
一になる。第2の転送電極60も同様のフォトエッチン
グで形成するが第1の転送電極58と第2の転送電極6
0の下部以外の領域のシリコン窒化膜57は、セルフア
ラインで第2の転送電極60をエッチングする時に、同
時にエッチング除去する。
【0110】この時の多結晶シリコン膜のエッチング条
件は、多結晶シリコン膜と下地シリコン窒化膜57との
エッチング速度比の小さい条件で行う。転送電極58,
60の下部以外のシリコン窒化膜57を除去することに
より、素子全体にかかるストレスを低減する。また、こ
の電荷転送素子を固体撮像装置に使用する場合はシリコ
ン窒化膜を除去することでフォトダイオードへの入射光
の減衰を防ぐことができる。
【0111】この後、絶縁膜形成とアルミニウム配線を
行って、電荷転送素子が形成される。上記の工程によ
り、CCDチャンネル部は安定性に優れた積層膜でゲー
ト絶縁膜を形成し、周辺回路部は界面準位の少ないシリ
コン酸化膜68のゲート絶縁膜でトランジスタが形成で
きる。
【0112】周辺回路部の表面チャンネルMOSトラン
ジスタに界面準位と膜中トラップ準位の少ないシリコン
酸化膜を用いるので、界面準位密度に起因するノイズ特
性と、膜中トラップ密度に起因するしきい値電圧Vth
フトや相互コンダクタンスg m の劣化などの信頼性でO
NO膜だけで形成された電荷転送素子にくらべて良好な
素子が得られる。
【0113】図10にこの発明の固体撮像装置の製造方
法の第2の実施例を説明するための工程断面図を示す
(請求項に対応する)。第2の実施例は、上記第1の
実施例で示した製造方法において、MISトランジスタ
が2つ以上形成される場合の製造方法について説明す
る。まず、図10(a)に示すように、n型シリコン基
板51の全面にボロンをイオン注入する。この後、熱処
理を行いp型拡散層52を形成する。この時、p型拡散
層52の拡散深さは約5μmである。
【0114】つぎに、シリコン基板51表面を熱酸化
し、シリコン酸化膜83を50nmの膜厚に形成する。
その後、シリコン酸化膜83上に減圧CVD法によりシ
リコン窒化膜84を形成する。シリコン窒化膜84の膜
厚は、120nmである。この後、通常のフォトリソグ
ラフィを用いて、分離領域54となる部分以外の領域を
覆ったレジストパターンを形成する。このレジストパタ
ーンをマスクにして、シリコン窒化膜84をエッチング
除去する。
【0115】さらに、シリコン酸化膜83を除去して、
シリコン基板51表面が露出するようにする。この後、
レジストパターンを除去する。このようにシリコン窒化
膜84とシリコン酸化膜83が除去されたシリコン基板
51を、熱酸化して分離領域54を成長させる。分離領
域54は、LOCOSと呼ばれ、膜厚が約500nmの
酸化膜が形成される。
【0116】つぎに、図10(b)に示すように、半導
体基板51全面に形成されたシリコン窒化膜84をエッ
チング除去する。この後、通常のフォトリソグラフィを
用いて、MISトランジスタを形成する領域にレジスト
パターンを形成する(図示せず)。この後、半導体基板
51全面にイオン注入を行う。この後、レジストパター
ンを除去する。
【0117】さらに、熱処理を行って転送チャンネルと
なるn型拡散層53を形成する。この時、n型拡散層5
3の拡散深さは0.5μmにしている。さらに表面保護
膜として用いたシリコン酸化膜83をエッチング除去す
る。つぎに、図10(c)に示すように、半導体基板5
1を熱酸化してシリコン酸化膜56を80nmの厚さで
形成する。
【0118】さらに、減圧CVD法で厚さ40nmのシ
リコン窒化膜57をシリコン酸化膜56上に成長する。
その後、通常のフォトリソグラフィを用いて、周辺回路
部の第1のMISトランジスタを形成する領域を開口し
たレジストパターンを形成する(図示せず)。このレジ
ストパターンをマスクにしてシリコン窒化膜57をプラ
ズマエッチング法で除去する。こうして第1のMISト
ランジスタを形成する領域のシリコン窒化膜57を取り
除く。
【0119】さらに、この領域に露出したシリコン酸化
膜56を弗酸と弗化アンモニウムの混合液でウエットエ
ッチングして除去する。シリコン酸化膜56のエッチン
グは、プラズマエッチング法を用いてもよいことは言う
までもない。ここで、MISトランジスタを形成する領
域はシリコン基板51が露出している。つぎに、レジス
トパターンを除去する。
【0120】この後、図10(d)に示すように、熱酸
化を行って露出した半導体基板51上にシリコン酸化膜
71を形成する。この時、埋め込み型電荷転送部には、
シリコン酸化膜56とシリコン窒化膜57の2層膜が形
成されている。上層のシリコン窒化膜57は酸化速度が
低いため膜厚が増加することによる影響はない。このた
め、MISトランジスタのゲート絶縁膜となるシリコン
酸化膜71の膜厚は自由に設定できる。ここでは膜厚を
50nmに設定した。
【0121】この時、同時に電荷転送部のシリコン窒化
膜57上には膜厚約5nm程度のシリコン酸化膜70が
成長する。この後、第1の多結晶シリコン膜を蒸着しリ
ンをドープして低抵抗とし、フォトエッチングで電荷転
送素子の第1の転送電極58と周辺回路部のゲート電極
72とを同時に形成する。この時、第1のMISトラン
ジスタのゲート酸化膜となるシリコン酸化膜71のエッ
チングをゲート電極72のエッチングと同時に行う。
【0122】その後、通常のフォトリソグラフィを用い
て、周辺回路部の第2のMISトランジスタを形成する
領域を開口したレジストパターンを形成する(図示せ
ず)。そして、図10(e)に示すように、このレジス
トパターンをマスクにして周辺回路部のシリコン窒化膜
57をプラズマエッチング法で除去する。こうして第2
のMISトランジスタを形成する領域のシリコン窒化膜
57を取り除く。
【0123】さらに、この領域に露出したシリコン酸化
膜56を弗酸と弗化アンモニウムの混合液でウエットエ
ッチングして除去する。ここで、MISトランジスタを
形成する領域はシリコン基板51が露出している。つぎ
に、レジストパターンを除去する。この後、熱酸化を行
って露出した半導体基板51上にシリコン酸化膜73を
形成する。この酸化工程によって、転送電極58の多結
晶シリコン膜もまた酸化され、シリコン酸化膜59が形
成される。これによって第1の転送電極が第2の転送電
極と電気的に絶縁される。
【0124】この時、埋め込み型電荷転送部の第1の転
送電極58が形成されていない領域はシリコン酸化膜7
0が形成されている。この第2のMISトランジスタの
ゲート絶縁膜であるシリコン酸化膜73の形成で、シリ
コン酸化膜70はさらに成長する。しかし、ここでもや
はり下層のシリコン窒化膜57は酸化速度が低いため、
膜厚が増加することによる影響はない。このため、MI
Sトランジスタのゲート絶縁膜となるシリコン酸化膜7
3の膜厚は自由に設定できる。ここでは膜厚を80nm
に設定した。
【0125】この後、第2の多結晶シリコン膜を蒸着し
リンをドープして低抵抗とし、フォトエッチングで電荷
転送素子の第2の転送電極60と周辺回路部のゲート電
極74とを同時に形成する。この時、第2のMISトラ
ンジスタのゲート酸化膜となるシリコン酸化膜73のエ
ッチングをゲート電極74のエッチングと同時に行う。
つぎに、図10(f)に示すように、第2のゲート電極
74はフォトエッチングで形成する。この時同時に第1
の転送電極58と第2の転送電極60の下部以外の領域
のシリコン窒化膜は、これらをマスクとしてセルフアラ
インでエッチング除去する。
【0126】以上説明したように、50nmの第1の周
辺回路部、80nmの第2の周辺回路部の2種類の膜厚
を有し、界面準位が少なく、膜中のトラップ準位の少な
い表面チャンネルトランジスタを形成するには最適のゲ
ート絶縁膜を有する周辺回路部が形成される。なお、こ
の実施例では50nmと80nmのシリコン酸化膜を形
成しているが、絶縁耐圧が許される限度内で、酸化膜厚
を任意に変更することができる。
【0127】この後、絶縁膜を形成した後、アルミニウ
ム配線を行って、電荷転送素子が完成する。なお、3層
ゲート以上の素子の場合でも、同様にして周辺回路部の
シリコン窒化膜を除去してシリコン酸化膜を形成でき
る。以上のように、周辺回路部のシリコン窒化膜を除去
しているので、界面準位の影響が少ない部分にMISト
ランジスタを形成することができる。このため、応力に
よるしきい値電圧Vthの劣下が生じない。
【0128】また、シリコン窒化膜を上面とする電荷転
送部に周辺回路部のゲート絶縁膜を同時に形成するた
め、工程が簡単であり、ゲート絶縁膜の膜厚を目的に合
わせて変更できる。さらに、電荷転送部の第1の転送電
極と周辺回路部のゲート電極をセルフアラインで形成で
きるため工程が容易である。
【0129】さらに、周辺回路部のゲート絶縁膜を形成
する時、電荷転送部の上層にはシリコン窒化膜が形成さ
れた状態である。この状態でゲート絶縁膜の酸化を行う
とシリコン窒化膜は変化せず、すなわち5nm程度のシ
リコン酸化膜が形成されるだけで、同時に周辺回路部の
ゲート絶縁膜の形成ができる。
【0130】
【発明の効果】
【0131】
【0132】
【0133】
【0134】
【0135】本発明によれば、MISトランジスタのゲ
ート絶縁膜の膜厚を任意に選ぶことができるので、スイ
ッチング時のオン抵抗を小さくし、ノイズを減少させる
トランジスタと、ロードトランジスタのように抵抗とし
てのみ用いるトランジスタとを併存させることができ
る。このため、相互コンダクタンスgm が大きくなった
り、トランジスタのサイズを大きくする必要がない。ま
た、附加容量が増大し高周波特性が劣下するのを防ぐこ
とができる。
【0136】また、周辺回路部のシリコン窒化膜を除去
しているので、界面準位の影響が少ない部分にMISト
ランジスタを形成することができる。このため、応力に
よるしきい値電圧Vthの劣下が生じない。また、この発
によれば、シリコン窒化膜を上面とする電荷転送部に
周辺回路部のゲート絶縁膜を同時に形成するため、工程
が簡単であり、ゲート絶縁膜の膜厚を目的に合わせて変
更できる。
【0137】さらに、電荷転送部の第1の転送電極と周
辺回路部のゲート電極をセルフアラインで形成できるた
め、工程が容易である。また、周辺回路部に目的の異な
るトランジスタを形成するとき、電荷転送部に周辺回路
のゲート絶縁膜と、電荷転送部の第1の転送電極および
周辺回路部のゲート電極とをセルフアラインで形成し、
さらに目的の異なるトランジスタのゲート絶縁膜を、第
1の転送電極を電気的に分離するための絶縁膜と同時に
形成できる。このとき、目的の異なるトランジスタのゲ
ート電極と第2の転送電極を同時に形成することができ
る。このため工程が容易である。
【0138】また、この発明によれば、周辺回路部のゲ
ート絶縁膜を形成するのに、シリコン酸化膜とシリコン
窒化膜の積層膜を除去する。このため、工程が従来のも
のに比べて簡単である。さらに、周辺回路部のゲート絶
縁膜を形成する時、電荷転送部の上層にはシリコン窒化
膜が形成された状態である。この状態でゲート絶縁膜の
酸化を行うとシリコン窒化膜は変化せず、すなわち5n
m程度のシリコン酸化膜が形成されるだけで、同時に周
辺回路部のゲート絶縁膜の形成ができる。
【0139】このため、第1の転送電極直下の絶縁膜の
膜厚と第2の転送電極直下の絶縁膜の膜厚がほぼ均一に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電荷転送素子の第1の例の断面図である。
【図2】電荷転送素子の第1の例を固体撮像装置に応用
したときの素子断面図である。
【図3】荷転送素子のアンプノイズ特性と周波数特性
とを説明する特性図である。
【図4】電荷転送素子の第2の例の断面図である。
【図5】電荷転送素子の第3の例の断面図である。
【図6】荷転送素子の周辺回路部周辺部の平面図で
ある。
【図7】電荷転送素子の第4の例の断面図である。
【図8】荷転送素子をFIT型のCCD固体撮像素子
に応用した平面図である。
【図9】この発明の第1の実施例の固体撮像装置の製造
方法を示す工程順断面図である。
【図10】この発明の第2の実施例の固体撮像装置の製
造方法を示す工程順断面図である。
【図11】従来の電荷転送素子の断面図である。
【図12】従来の電荷転送素子の製造方法を示す工程順
断面図である。
【符号の説明】
51 シリコン基板 52 p型拡散層 53 n型拡散層 54 分離領域 55 n型拡散層 56 シリコン酸化膜 57 シリコン窒化膜 58 転送電極 59 シリコン酸化膜 60 転送電極 68 シリコン酸化膜 69 ゲート電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松田 祐二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−35568(JP,A) 特開 平2−260542(JP,A) 特開 平2−220450(JP,A) 特開 平1−185970(JP,A) 特開 昭62−243365(JP,A) 特開 昭63−102261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/148 H01L 21/339 H01L 29/762

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板主面上に第1のシリコン酸化
    膜を形成する工程と、 前記第1のシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を形成す
    る工程と、 周辺回路部となる第1の領域の前記シリコン窒化膜を除
    去する工程と、 ついで前記第1の領域の前記第1のシリコン酸化膜を除
    去する工程と、 電荷転送部となる第2の領域上面に前記シリコン窒化膜
    が全面に露出した状態で、前記半導体基板上に第2のシ
    リコン酸化膜を形成する工程と、 前記第2の領域に第1の転送電極を形成すると同時に、
    前記第2のシリコン酸化膜を介して前記第1の領域にゲ
    ート電極を形成する工程と、 前記半導体基板上に第3のシリコン酸化膜を形成する工
    程と、 前記第3のシリコン酸化膜を介して前記第2の領域に第
    2の転送電極を形成する工程とを含む固体撮像装置の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 半導体基板主面上に第1のシリコン酸化
    膜を形成する工程と、 ついで前記第1のシリコン酸化膜上にシリコン窒化膜を
    形成する工程と、 ついで周辺回路部となる第1の領域内の第3の領域の前
    記シリコン窒化膜を除去する工程と、 ついで前記第1の領域内の第3の領域の前記第1のシリ
    コン酸化膜を除去する工程と、 ついで電荷転送部となる第2の領域上面に前記シリコン
    窒化膜が全面に露出した状態で前記半導体基板上に第2
    のシリコン酸化膜を形成する工程と、 ついで前記第2の領域に第1の転送電極を形成すると同
    時に前記第1の領域内の第3の領域に前記第2のシリコ
    ン酸化膜を介して第1のゲート電極を形成する工程と、ついで前記第1の領域内の第4の領域の前記シリコン窒
    化膜を除去する工程と、 ついで前記半導体基板上に第3のシリコン酸化膜を形成
    する工程と、 ついで前記第3のシリコン酸化膜を介して前記第2の領
    域に第2の転送電極を形成すると同時に、前記第3のシ
    リコン酸化膜を介して前記第1の領域内の第4の領域に
    第2のゲート電極を形成する工程とを含む固体撮像装置
    の製造方法。
JP27427391A 1990-11-26 1991-10-22 固体撮像装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3162440B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27427391A JP3162440B2 (ja) 1990-11-26 1991-10-22 固体撮像装置の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32464890 1990-11-26
JP2-324648 1990-11-26
JP27427391A JP3162440B2 (ja) 1990-11-26 1991-10-22 固体撮像装置の製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001010132A Division JP3392119B2 (ja) 1990-11-26 2001-01-18 半導体素子、固体撮像装置、及びこれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH053216A JPH053216A (ja) 1993-01-08
JP3162440B2 true JP3162440B2 (ja) 2001-04-25

Family

ID=26550968

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27427391A Expired - Fee Related JP3162440B2 (ja) 1990-11-26 1991-10-22 固体撮像装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3162440B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7585694B2 (en) 2005-03-31 2009-09-08 Panasonic Corporation Manufacturing method of solid-state imaging device

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3214432B2 (ja) 1998-02-04 2001-10-02 日本電気株式会社 固体撮像装置の製造方法
JP2000068492A (ja) 1998-08-25 2000-03-03 Nec Corp 固体撮像装置及びその製造方法
JP2006049834A (ja) * 2004-06-30 2006-02-16 Fuji Film Microdevices Co Ltd 固体撮像素子およびその製造方法
JP4967237B2 (ja) * 2005-01-28 2012-07-04 パナソニック株式会社 固体撮像装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7585694B2 (en) 2005-03-31 2009-09-08 Panasonic Corporation Manufacturing method of solid-state imaging device

Also Published As

Publication number Publication date
JPH053216A (ja) 1993-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR950009806B1 (ko) Ccd 전하전송소자와 고체촬상장치 및 그 제조방법
US5432364A (en) Output circuit device for charge transfer element
US4377819A (en) Semiconductor device
JP3383140B2 (ja) 不揮発性半導体記憶装置の製造方法
JP3582890B2 (ja) 半導体装置
KR920007787B1 (ko) 반도체 장치 및 그 제조방법
JP3162440B2 (ja) 固体撮像装置の製造方法
JP3392119B2 (ja) 半導体素子、固体撮像装置、及びこれらの製造方法
JPH04348070A (ja) 半導体装置及びその製造方法
US5714787A (en) Semiconductor device with a reduced element isolation region
KR100261165B1 (ko) 반도체소자 및 그의 제조방법
JPH0426162A (ja) 浮遊ゲート型半導体記憶装置およびその製造方法
JP2877656B2 (ja) 固体撮像素子の製造方法
JPH0575114A (ja) Soi型半導体装置およびその製造方法
JP3075348B2 (ja) 半導体素子とその製造方法
JP2507066B2 (ja) 電荷転送素子およびその製造方法
JPH04212451A (ja) 半導体記憶装置及びその製造方法
JPH03248538A (ja) 電荷結合素子及びその製造方法
JPH05326497A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2002190587A (ja) 固体撮像装置の製造方法
JPH06296008A (ja) 固体撮像素子の製造方法
JPH06120476A (ja) 固体撮像装置の製造方法
JPH04313241A (ja) 半導体装置の製造方法
JPH05235267A (ja) 半導体装置及びその製造方法
JPH0695550B2 (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080223

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090223

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees