JP3158628B2 - 新聞印刷用紙用塗被組成物 - Google Patents

新聞印刷用紙用塗被組成物

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JP3158628B2
JP3158628B2 JP08786792A JP8786792A JP3158628B2 JP 3158628 B2 JP3158628 B2 JP 3158628B2 JP 08786792 A JP08786792 A JP 08786792A JP 8786792 A JP8786792 A JP 8786792A JP 3158628 B2 JP3158628 B2 JP 3158628B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多色オフセット印刷に適
した新聞印刷用紙用塗被組成物に関し、さらに詳しく
は、白色度、不透明度が高く、コールドセット型インク
による多色オフセット輪転印刷に適した表面強度(特に
湿潤表面強度)、印刷光沢、インク着肉及びインクセッ
トなどのオフセット印刷適性に優れた新聞印刷用紙を得
るための塗被組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、日刊の新聞紙、特にスポーツ紙に
おいてカラー印刷化が顕著である。また日刊紙の広告面
のカラー化が急増しているが、コート紙が多く使われて
いる折り込みのちらしに比べて印刷が見劣りすることか
ら視覚に訴える力が不足し、カラー印刷に適した新聞印
刷用紙の需要が高まっている。
【0003】一方、新聞の社会的使命から短時間に大量
印刷をしなければならないため、印刷速度はますます高
速化されており、紙剥け、インクセットなどのオフセッ
ト印刷適性の向上が望まれている。
【0004】従来、オフセット印刷適性を向上させるた
めの方策として、澱粉やポリビニルアルコールなどを塗
工して新聞印刷用紙の表面強度を向上させる方法(いわ
ゆるクリアコート)が行われている。特に日本において
は、一般的に、新聞印刷用紙は澱粉によるクリアコート
(又は表面サイズ)がされている。しかし、この方法で
は水の存在しない乾燥時の表面強度の向上には相応の効
果が得られるものの、澱粉自体の吸水性が高いことから
耐水性が低く湿潤表面強度はほとんど向上しない。ま
た、澱粉が表面に多量に塗工されて新聞印刷用紙の緻密
性が高まるのでインクの吸収性が低下し、コールドセッ
ト型(浸透)インクを使用する高速オフセット印刷にお
いてはインクセットが悪いなどの問題があった。更に、
印刷光沢及びインク着肉性などのオフセット印刷適性も
十分なものとはいえなかった。また、澱粉をクリアコー
トした新聞印刷用紙は、オフセット印刷において大量の
湿し水を用いたときに吸水によって伸びるなど寸法安定
性が悪く、印刷作業性が低下するなどの欠点をも有して
いる。更には、澱粉をクリアコートした新聞印刷用紙は
白色度や不透明度などが劣るため、新聞印刷用紙として
の紙質の向上には原紙のパルプ組成の変更が必要になる
などの問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前記のよ
うな欠点のない新聞印刷用紙を得るべく鋭意研究を進め
た結果、特定比率の水溶性高分子化合物と共重合体ラテ
ックスとから成るバインダーを含有する塗被組成物を使
用し、更に所望の場合には特定量の有機顔料を併用する
ことにより、白色度、不透明度、表面強度(特に湿潤表
面強度)、印刷光沢、インク着肉及びインクセットなど
のオフセット印刷適性が飛躍的に向上し、極めて優れた
新聞印刷用紙が得られることを見出し、この知見に基づ
いて本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、水溶性高分子化合物90〜40重量%と共重合体ラ
テックス10〜60重量%(固形分換算)とから成るバ
インダー100重量部に対して、顔料として、30重量
部以下の有機顔料を含有して成ることを特徴とする新聞
印刷用紙用塗被組成物が提供される。また、本発明によ
れば、上記新聞印刷用紙用塗被組成物を原紙の片面当た
り0.5〜3.5g/m 2 塗工してなる新聞印刷用紙が
提供される。
【0007】本発明においてバインダーの一成分として
用いる水溶性高分子化合物は、塗被組成物の粘度を適度
に調整し、塗被設備における作業性を保持するのに必要
である。使用できる水溶性高分子化合物は特に限定され
ないが、その具体例としては、澱粉、ポリビニルアルコ
ール、カゼイン及びメチルセルロースやカルボキシメチ
ルセルロースなどのセルロース誘導体を挙げることがで
きる。オフセット印刷用新聞用紙の塗被組成物には、酸
化澱粉、燐酸エステル化澱粉及び酵素変性澱粉などの澱
粉が好ましい。
【0008】本発明においてバインダーの他の成分とし
て用いる共重合体ラテックスは、その合成法によっては
限定されないが、脂肪族共役ジエン系単量体単位及び芳
香族ビニル単量体単位を必須構成成分とする共重合体の
ラテックスである。共重合体を得るための単量体組成
は、特に限定されないが、脂肪族共役ジエン系単量体2
0〜50重量%、芳香族ビニル単量体10〜74重量%
を含有することが好ましい。共重合体は、上記2成分の
ほかに、これらと共重合可能な単量体から誘導される単
位を含有することができる。その具体例としては、エチ
レン系不飽和酸単量体及びエチレン系不飽和アミンを挙
げることができる。
【0009】脂肪族共役ジエン系単量体は共重合体に可
撓性を与えるものであり、その量が20重量%未満の場
合には共重合体が硬くなり、また、50重量%を超える
場合には耐水性が低下するので好ましくない。脂肪族共
役ジエン系単量体の具体例としては、1,3−ブタジエ
ン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−
1,3−ブタジエンなどを示すことができるが、特に
1,3−ブタジエンが好ましい。
【0010】芳香族ビニル単量体の使用により、共重合
体に適当な硬さと耐水性を付与する効果が得られる。使
用量が10重量%未満では前記効果が不十分となり、逆
に74重量%を超えるとフィルム形成性が低下して接着
力の低下が起こる。芳香族ビニル単量体の具体例として
は、スチレン、α−メチルスチレン、モノクロルスチレ
ン、ビニルトルエンなどを例示することができ、これら
のうちスチレンが好ましい。
【0011】エチレン系不飽和酸単量体は、共重合体の
接着力を高め、かつ共重合体ラテックスのコロイドとし
ての安定性を向上するために、好適には0.5〜20重
量%の範囲で使用される。使用量が0.5重量%未満で
は上記効果が得られず、20重量%を超えて使用すると
重合安定性等に問題が起こる。エチレン系不飽和酸単量
体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、ケイ皮酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン
酸、ブテントリカルボン酸などを挙げることができる。
【0012】エチレン系不飽和アミンは、共重合体ラテ
ックスを両性とする場合に、ゲル化部位を導入する単量
体として好適である。その使用量は全単量体の0.5〜
10重量%、好ましくは1〜5重量%である。0.5重
量%未満のときは共重合体ラテックスを両性とすること
が困難であり、他方、10重量%を超えるときは共重合
体ラテックスのゲル化点pHの低下により澱粉との混合
安定性が悪くなるとともに、共重合体ラテックスの製造
時に凝固物が多量に発生するなどの問題が生じる。エチ
レン系不飽和アミンの具体例としては、メチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレートなどのエチレン系不飽和カルボン
酸のアミノアルキルエステル;メチルアミノエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリルアミドなどのエチレン系不飽和カ
ルボン酸のアミノアルキルアミド;アミノエチルビニル
エーテルなどのアミノアルキルビニルエーテル;2−ビ
ニルピリジンなどのビニルピリジン類などが含まれる。
【0013】本発明において上記の各単量体と共重合可
能な単量体を全単量体の40重量%以下の範囲で使用す
ることができる。このような単量体の具体例としては、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、アクリル酸ブチルなどの不飽和カルボン酸のアル
キルエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などのエチレン系不飽和ニトリル化合物;アクリル酸β
−ヒドロキシエチルなどの不飽和カルボン酸のヒドロキ
シアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミドなどの不飽和カルボン酸のアミド及びその誘導
体;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジルな
どの不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;アクロレ
イン、アリルアルコールなどのその他のビニル化合物;
を挙げることができる。
【0014】不飽和カルボン酸エステルは、共重合体に
適度な硬さを与えるとともに透気性を高めるのに有効で
あり、その使用量は好ましくは5〜30重量%である。
40重量%を超えると耐水性の低下が著しく本発明の塗
被組成物として適さなくなる。エチレン系不飽和ニトリ
ルは、塗被新聞紙(塗被組成物を塗被して得た新聞印刷
用紙を用いて印刷して得た新聞紙をいう。)の印刷光沢
の向上に効果があり、その使用量は好ましくは5〜30
重量%である。40重量%を超えると塗被新聞紙のイン
クセット、インク着肉の低下をもたらすので好ましくな
い。不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル
は、共重合体ラテックスの機械的安定性向上に有効であ
る。不飽和カルボン酸アミド及びその誘導体の使用によ
り、共重合体ラテックスの化学的安定性及び耐水性を向
上させることができる。
【0015】本発明の塗被組成物において、水溶性高分
子化合物と共重合体ラテックス(固形分換算)との比率
は、両者の合計重量に対して、前者が90〜40重量
%、好ましくは80〜50重量%、更に好ましくは80
〜60重量%及び後者が10〜60重量%、好ましくは
20〜50重量%、更に好ましくは20〜40重量%で
ある。後者が10重量%未満では、白色度、不透明度、
表面強度、印刷光沢及びインク着肉の向上の効果がほと
んど見られない。また60重量%を超えると、ラテック
ス共重合体のベタつきなどによって耐ブロッキング性が
悪くなり作業性が低下するとともに不透明度、インクセ
ットが悪くなり、コールドセット型インクによる新聞の
高速オフセット輪転印刷に適さなくなる。
【0016】本発明において、有機顔料を併用すること
により、高い白色度、不透明度とともに、インク着肉及
びインクセットなどの新聞印刷用紙の特性を向上させる
ことができる。ここで、使用する顔料は有機顔料である
ことが必須であり、無機顔料を使用した場合には本発明
の目的を達成することができない。
【0017】有機顔料の具体例としては、プラスチック
ピグメント、バインダーピグメント及び中空重合体など
を挙げることができる。これらの有機顔料のうちプラス
チックピグメント及び中空重合体は、一般的には、スチ
レン系単量体を主成分とした共重合体であって高いTg
を有するので、バインダーとしての効果はほとんどみら
れないが、白色度及び不透明度をバランスよく向上させ
る上で極めて効果が大きい。中空重合体としては、特開
平1−162031公報記載の中空重合体粒子を挙げる
ことができる。これらの有機顔料は、粉末状又はラテッ
クス状態で使用するのが一般的である。バインダーピグ
メントは、バインダーとしての機能と顔料としての機能
とを併有するものである。バインダーピグメントも中空
重合体と同様に白色度及び不透明度の向上に効果が大き
い。バインダーピグメントは、一般にラテックス状態で
使用され、その例としては、特公昭62−31115公
報記載のものを挙げることができる。
【0018】有機顔料の使用量は、バインダー成分(固
形分)100重量部に対して、30重量部以下である。
30重量部を超えて使用すると、塗被組成物の塗工作業
性、特に機械的安定性の低下の懸念があり、また貯蔵タ
ンクにおける長期保存時の粒子の沈降などの虞も生じ
る。なお、バインダーピグメントを使用する場合は、本
発明の塗被組成物の構成成分の比率の計算に当たって、
その使用量の全量を顔料として計算することはもちろん
であるが、同時に、その使用量の二分の一を共重合体と
みなすものとする。従って、例えば、水溶性高分子75
重量部、バインダーピグメントでない共重合体ラテック
ス(固形分換算)25重量部及びバインダーピグメント
30重量部から成る組成物においては、バインダー成分
の合計は115(=75+25+30/2)重量部、バ
インダー成分としてのラテックス(固形分換算)合計量
は40重量部(=25+30/2)、顔料の合計は30
重量部となる。なお、このとき、バインダー成分中にお
ける水溶性高分子と共重合体ラテックス(固形分換算)
の比率は、前者65重量%/後者35重量%(=75/
40)である。
【0019】本発明の塗被組成物には、水溶性高分子化
合物、共重合体ラテックス及び有機顔料の他に、必要に
応じて、pH調整剤、滑剤、蛍光染料、粘度調整剤、消
泡剤及び防腐剤などを添加することができる。
【0020】本発明の塗被組成物を原紙へ塗被する方法
は、ブレードコーター、ゲートロールコーター及びエア
ナイフコーターなどの、澱粉のクリアコート及び表面サ
イズに一般に用いられている方法であればいずれでもよ
く、特に限定されない。
【0021】本発明の新聞印刷紙用塗被組成物を、新聞
用原紙に片面当たり0.5〜3.5g/m2塗被するこ
とにより、本発明の新聞印刷用紙を得ることができる。
塗工量は、好ましくは1.0〜3.0g/m2、更に好
ましくは1.5〜2.5g/m2である。塗工量が0.
5g/m2未満では、白色度、不透明度、表面強度、印
刷光沢、インク着肉などの向上した新聞印刷用紙が得ら
れず、また3.5g/m2を超えると印刷光沢、表面強
度などの向上が見られるものの、白色度、不透明度及び
インクセットの低下があり、特に5g/m2以上になる
と吸油性が極めて悪く、インクセットが遅くなるととも
に、耐ブロッキング性が低下し、コールドセット型イン
クを使用する新聞の高速オフセット輪転印刷用紙として
適さなくなる。
【0022】本発明の塗被組成物の使用により優れたオ
フセット印刷適性を有する新聞印刷用紙が得られる理由
は明確でないが、澱粉などの水溶性高分子化合物と共重
合体ラテックスを特定の比率で混合することにより以下
のような効果が得られるためと考えられる。即ち、澱粉
などの水溶性高分子化合物は、塗被の際に新聞印刷用紙
内部への浸透が大きく、この結果、緻密性が高くなり、
透気性、吸油性が低下し、インクセットが劣る。また、
水溶性高分子化合物の吸水性が著しく大きいためにオフ
セット印刷における湿し水を多量に吸水してインク着肉
が低下する。これに対して、共重合体ラテックスを併用
することにより非連続性の成膜部分が塗被紙表面に多く
なり、適度な透気性と優れた耐水性が与えられ、同時
に、澱粉など水溶性高分子化合物の有する吸水性が適度
にコントロールされることによってインクセット及びイ
ンク着肉が良くなる。共重合体ラテックスポリマーのT
g(ガラス転移温度)が低いので、カレンダー掛け工程
において平滑性を得られやすく、これが印刷光沢の向上
に寄与する。
【0023】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。なお、本実施例中の部及び%は、特に断わら
ないかぎり、重量基準である。また、共重合体ラテック
スの重量は、固形分換算である。
【0024】本実施例において、塗被組成物及び塗被紙
の各特性の評価方法は、以下のとおりである。 (共重合体のゲル分率)ラテックスから作成したポリマ
ーフィルムをテトラヒドロン中に48時間浸漬した後、
不溶分を濾紙で濾過しその乾燥重量を求めてポリマーフ
ィルムの重量に対する比率として算出する。
【0025】(耐ブロッキング性)塗被紙を70℃、1
50kg/cmの条件で、スーパーカレンダーに2回通
したときの金属製カレンダーロールへの付着状態で示
す。 ○:全く付着しない △:少し付着する ×:かなり付着する (白色度)ハンター白色度計(村上色彩社製、CM−8
P)を使用して、JIS P8123に準じて測定す
る。%で表示した数値の大きい方が白さが大である。 (不透明度)ハンター白色度計(村上色彩社製、CM−
8P)を使用して、JIS P8138に準じて測定す
る。%で表示した数値の大きい方が不透明度が大であ
る。 (動的平滑性)マイクロトポグラフ(東洋精機社製)に
より測定する。μmで表示した数値の小さい方が平滑性
が高い。 (吸水性)塗被紙表面に一定量の水を滴下し、それが完
全に吸収されるまでの時間を測定する。秒で表示した数
値が小さい方が吸水性(吸水速度)が大きい。 (吸油性)塗被紙表面に一定量の軽油を滴下し、それが
完全に吸収されるまでの時間を測定する。秒で表示した
数値が小さい方が吸油性(吸油速度)が大きい。
【0026】(白紙光沢)グロスメーター(村上色彩社
製、GM−26D)により測定する。75度−75度に
おける反射率を測定する。%で表示した数値の大きい方
が白紙光沢が高い。 (印刷光沢)RIテスター(明製作所製)を使用して、
新聞用インクを一色(藍)ベタ刷り及び二色(藍/紅)
ベタ刷りした後、グロスメーターで白紙光沢の測定と同
様にして測定する。 (二色刷)RIテスターを使用して新聞用黄インクでベ
タ刷りした後、次いで新聞用紅インクを重ね刷りする。
紅インクの濃度をインク濃度計で測定し、紅インクの着
き具合を判定する。数値が大きい方が良い。 (吸水着肉)RIテスターを使用して、金属ロールとゴ
ムロールの間をわずかに開けた状態で水を流した後、新
聞用墨インクをベタ刷りする。墨インクの着き具合をイ
ンク濃度計で測定する。数値が大きい方が良い。 (インクセット)RIテスターを使用して新聞用藍イン
クをベタ刷りした後、コート紙を重ねて圧着し、コート
紙へのインクの移り具合をインク濃度計で測定する。数
値の低い方が良い。 (表面強度) ドライピック:RIテスターを使用し、ピッキングテ
スト用インク(TV(タック値)16)を使用して数回
の重ね刷りをした後の紙剥けの状態を目視で判定する。
5点法評価で数字の大きい方がよい。 ウェットピック:RIテスターを使用し、モルトンロ
ールで水を付けた後、ピッキングテスト用インク(TV
16)でベタ刷りし、紙剥けの状態を目視で判定する。
5点法評価で数字の大きい方がよい。
【0027】[参考例] (共重合体ラテックスの製造)撹拌機付きオートクレー
ブに、水32部、エチレンジアミン・四酢酸四ナトリウ
ム1.1部、ラウリル硫酸ナトリウム1.1部、過硫酸
カリウム0.2部を仕込んだ後、別の撹拌機付きタンク
内で調製した表1に示す組成の単量体混合物乳化液
(イ)のうち10%を添加した。次いで、反応系を80
℃に加温して1時間反応させた。次に、過硫酸カリウム
0.8部を水20部とともに添加した後、上記単量体混
合物乳化液(イ)の残り90%を4時間にわたって、連
続的にオートクレーブに送り込んだ。この間、オートク
レーブは80℃に保った。この後、反応系を更に2時
間、80℃に維持した後、共重合体ラテックスを得
た。共重合体ラテックスは、ポリマーのTgが−1
0.7℃、ゲル分率85%、粒径120nmのカルボキ
シ変性スチレン−ブタジエン共重合体ラテックスであ
る。同様にして、表1に示す単量体混合物乳化液(ロ)
及び(ハ)を使用して、それぞれ、共重合体ラテックス
及びを得た。共重合体ラテックスは、ラテックス
とはカルボン酸の種類が異なるカルボキシ変性スチレ
ン−ブタジエン共重合体ラテックスで、ポリマーのTg
は+2.2℃、ゲル分率は45%、粒径は150nmで
ある。共重合体ラテックスは、カルボン酸の種類が更
に異なるカルボキシ変性スチレン−ブタジエン共重合体
ラテックスであり、ポリマーのTgは+6.8℃、ゲル
分率は80%、粒径は130nmである。
【0028】また、同様の方法で表1の単量体混合物乳
化液(ニ)の10%を添加した後、反応系を80℃に加
温して1時間反応させた。次に、過硫酸カリウム0.8
部を水20部とともに添加した後、単量体混合物乳化液
(ニ)の残り90%を4時間にわたって、連続的にオー
トクレーブに送り込んだ。この間、オートクレーブは8
0℃に保った。反応系を更に1時間、80℃に維持し、
アンモニア水を加えて共重合体ラテックスのpHを9.
0に調整した。次に水4.0部、N,N−ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート2.5部、過硫酸アンモニウム
0.1部を添加して80℃で2時間反応させて、共重合
体ラテックスを得た。ラテックスは、ポリマーTg
が−6.1℃、ゲル分率82%、粒径120nm、ゲル
化点pH5.0の両性ラテックスである。
【0029】(有機顔料の製造)有機顔料として、特公
昭62−31115に従って以下のようにして、バイン
ダーピグメントラテックスを製造した。撹拌機付きタ
ンクに次の組成を仕込み、単量体エマルジョン−1を作
成した。 水 27 部 ラウリル硫酸ソーダ 0.05部 重炭酸ソーダ 0.2 部 スチレン 48 部 イタコン酸 1.0 部 アクリルアミド 1.0 部 別の撹拌機付きタンクに次の組成を仕込み、単量体エマ
ルジョン−2を作成した。 水 27 部 ラウリル硫酸ソーダ 0.05部 重炭酸ソーダ 0.2 部 スチレン 20 部 メタクリル酸メチル 5.0 部 イタコン酸 1.0 部 アクリルアミド 1.0 部 ブタジエン 20 部 t-ドデシルメルカプタン 0.15部 オートクレーブに水30部、エチレンジアミン四酢酸四
ナトリウム0.05部、過硫酸カリウム0.2部を仕込
み80℃に加温後、単量体エマルジョン−1のうちの5
%をオートクレーブに送り、1時間反応させた。1時間
後に過硫酸カリウム0.6部を水12部とともにオート
クレーブに送った。この間オートクレーブは80℃に保
った。更に15分後に過硫酸アンモニウム0.2部を水
4部とともにオートクレーブに仕込んだ後、単量体エマ
ルジョン−2を2時間にわたって連続的にオートクレー
ブに送り、温度を85℃に上昇して更に3時間撹拌を続
けた。反応完結後、水蒸気蒸留を行ない、苛性ソーダで
pH7.5に調整し、バインダーピグメントラテックス
を得た。得られたラテックスの平均粒径は350nm
であり、室温で連続被膜を形成した。
【0030】(中空重合体ラテックスの製造)一つ又は
お互いに隔離された二以上の中空部分を有する中空重合
体ラテックスを特開平1−162031に従って、下
記のようにして得た。スチレン95部、メタクリル酸5
部からなる種ラテックスを用い、反応容器中に水518
部と3.4部の種ラテックスを仕込んで加温した。内温
が80℃に到達した後、3%過硫酸カリウム水溶液30
部を滴下ロートよりフラスコに添加した。次に、滴下ロ
ートを水20部で洗浄した後、スチレン94部及びアク
リル酸6部より成る単量体混合物を滴下ロートから6時
間かけて添加した。その後、2時間80℃に維持し、重
合反応を完結させて、重量法による重合転化率97%
で、固形分濃度15%のラテックスを得た。このラテッ
クス100部、水870部、ドデシルベンゼンスルホン
酸ソーダ1部、トルエン30部及び10%の水酸化ナト
リウム水溶液33部を容器に仕込んで80℃で3時間撹
拌を行ない、室温に冷却した後、有機溶剤を減圧除去し
て中空重合体粒子ラテックスを得た。ラテックスの
pHは2.3、粒子径は530nm、重合体中の小孔径
は150nm、小孔の数は1〜2、Tgは100℃であ
った。
【0031】
【表1】
【0032】(プラスチックピグメントの製造)攪拌
機、冷却コンデンサー、窒素ガス導入管及び温度計を装
着した2リットルの反応器の内部を窒素置換し、この反
応容器中に脱イオン水360g、エチルアルコール84
0g、メタクリル酸13.3g及び過硫酸カリウム0.
95gを加えて30分間攪拌して均一混合液とした。次
いで、窒素で混合液のバブリングを行なった後、70℃
に反応器を加温して反応を開始させ、そのまま6時間保
ち、メタクリル酸の重合を完了させた。重合転化率は約
100%であった。次に、反応器にスチレン66.7g
と過硫酸カリウム0.5gとを添加して同温度で16時
間、スチレンの重合を行なった後、反応混合物を室温ま
で冷却した。重合転化率は98.3%であった。得られ
たポリスチレン懸濁液を遠心分離器にかけて重合体粒子
を沈澱させ、デカンテーションにより重合体粒子を分離
した。この重合体粒子を蒸留水中に投入して十分攪拌し
た後、再度遠心分離を行なう精製操作を2度繰り返して
ポリスチレン粒子(プラスチックピグメント)を得た。
得られたポリスチレン粒子は、重量平均粒径470n
m、数平均粒径440nmの単分散粒子径分布を持つ球
状粒子であった。
【0033】[実施例] (実施例1)共重合体ラテックスを使用して、表2に
示す処方で、固形分濃度20%、pH6.5の新聞印刷
用紙用塗被組成物A〜Kを作成した。
【0034】
【表2】
【0035】上記塗被組成物を下記の条件で新聞用原紙
に塗被し、20℃、相対湿度65±5%の恒温恒湿室で
一昼夜調湿した後、各種特性試験を行った。結果を表3
に示す。 コーター :手動ブレードコーター 乾燥条件 :熱風式オーブン使用。130℃×20秒 カレンダー:スーパーカレンダー使用。40℃、55k
g/cmで2回通し。 原紙 :新聞用原紙(46g/m2) 塗工量 :片面 2.0g/m2
【0036】
【表3】
【0037】表3の結果から、本発明の塗被組成物を使
用して得た新聞印刷用紙は、白色度、不透明度、表面強
度、印刷光沢、インクセット及びインク着肉に優れるこ
とが分かる(組成物番号A〜F)。特に有機顔料を混合
することによって、白色度及び不透明度の向上が顕著で
ある(組成物番号C〜D)。インクセットについては、
澱粉のみの場合(組成物番号G)に比べて澱粉/共重合
体ラテックス併用系では若干速くなる傾向を示す(組成
物番号A、B、E、F)が、有機顔料を混合することに
よって澱粉よりかなり早くなる傾向を示す(組成物番号
C、D)。バインダー中の共重合体ラテックスの比率が
60重量%を超えると(組成物番号I、K)明らかに吸
油性が低下し、インクセットが遅くなる。また、耐ブロ
ッキング性の低下が大である。共重合体ラテックスの比
率が増加するにつれて、塗被紙は吸水しにくくなり、澱
粉が極めて吸水しやすいために吸水着肉が劣る点が大幅
に改良される(組成物番号A〜F)。しかし、オフセッ
ト印刷においては吸水性も適度に必要であるので、吸水
性があまり低下するとオフセット印刷において問題が生
ずるため、60重量%以下が望ましいことがわかる。
【0038】(実施例2)表2の組成物Cを用いて塗工
量を変える他は実施例1と同様にして塗被紙を作成し、
その各種特性評価試験を実施例1と同様にして行った。
結果を表4に示す。
【0039】
【表4】
【0040】表4の結果から、本発明の塗被組成物を新
聞用原紙に塗被する場合の塗工量については、コールド
セット型新聞インクを使用する高速オフセット印刷用新
聞用紙として、インクセットから見て望ましい塗工量が
存在することが分かる。即ち、原紙片面あたりの塗工量
が4g/m2を超えるとインクセットが低下し始め、5
g/m2を超えると低下が著しくなる。また、塗工量が
5g/m2を超えると印刷光沢、ドライピック及びウエ
ットピックは塗工量の増加に伴い向上するが、白色度、
不透明度、吸油性及び吸水性の低下が大となり、好まし
くない。従って、コールドセット型インクを使用する高
速オフセット印刷において、本発明の塗被組成物を塗工
量を0.5〜3.5g/m2の範囲で塗被することによ
って極めて優れた新聞印刷用紙が得られる。
【0041】[実施例3]共重合体ラテックス〜を
使用して、水溶性高分子化合物、共重合体ラテックス又
は有機顔料の種類及び混合比を表5に示すように変える
以外は、実施例1と同様にして調製した塗被組成物L〜
Vを使用して塗被紙を作成し、その各種特性評価試験を
行なった。結果を表6に示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】表6の結果から、本発明の塗被組成物は、
水溶性高分子化合物である澱粉の種類を変えても白色
度、不透明度、表面強度、印刷光沢、インクセット、イ
ンク着肉の向上に効果を示し(組成物L、M)、ポリビ
ニルアルコールでも同様の効果を示す(組成物N)。共
重合体ラテックスの組成、粒径及びゲル分率などの違い
によって若干の差は見られるが、いずれも上記の特性に
優れることがわかる(組成物O〜Q)。有機顔料として
中空重合体ラテックス及びプラスチックピグメントラテ
ックスを使用した場合には、白色度、不透明度及びイン
クセットに優れることがわかる(組成物R、S)。
【0045】
【発明の効果】かくして本発明によれば、従来技術に比
較してコールドセット型インクを使用する高速オフセッ
ト輪転印刷適性としての白色度、不透明度、表面強度
(特に湿潤表面強度)、印刷光沢、インクセット及びイ
ンク着肉に優れた新聞印刷用紙用塗被組成物を得ること
ができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性高分子化合物90〜40重量%と
    共重合体ラテックス10〜60重量%(固形分換算)と
    から成るバインダー100重量部に対して、顔料とし
    て、30重量部以下の有機顔料を含有して成ることを特
    徴とする新聞印刷用紙用塗被組成物。
  2. 【請求項2】 水溶性高分子化合物90〜40重量%と
    共重合体ラテックス10〜60重量%(固形分換算)と
    から成るバインダー100重量部に対して、顔料とし
    て、15〜30重量部の有機顔料を含有して成ることを
    特徴とする新聞印刷用紙用塗被組成物。
  3. 【請求項3】 有機顔料がプラスチックピグメント、バ
    インダーピグメント又は中空重合体粒子である請求項1
    又は2の新聞印刷用紙用塗被組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の新聞印刷用紙
    用塗被組成物を原紙片面当たり0.5〜3.5g/m
    塗工してなる新聞印刷用紙。
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