JP3158001B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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Description
保持しつつタイヤから生じる車外騒音及びロードノイズ
の低減を図りうる空気入りタイヤに関する。
車外(通過)騒音の低減が要請され、法的にも規制が厳
しくなりつつある。
べく、カーカスにあっては、それを構成するカーカスコ
ードに細糸を用いて、タイヤ剛性を下げることによって
音振の発生を抑制していた。
スコードとして用いた場合には、前述のようにタイヤ剛
性が低下することによって、操縦安定性が低下するとい
う問題が生じる。このように車外騒音の抑制と、操縦安
定性の確保とは二律背反の関係にある。
確保との両立を図るべく、研究、実験を重ねた結果、 カーカスを2枚のカーカスプライによって形成す
る。 この2枚のカーカスプライを構成するカーカスコー
ドの中間伸度、即ち一定荷重伸び率についてその差を規
制することにより、操縦安定性を損なうことなく車外騒
音及びロードノイズを低減しうる範囲が存在すること。 を見出したのである。
よってカーカスを形成するとともに、内、外のカーカス
プライの間でコードの一定荷重伸び率を違えることを基
本として、操縦安定性、乗心地を保持しつつ車外騒音及
びロードノイズの低減を図りうる空気入りタイヤの提供
を目的としている。
らサイドウォール部を通りビード部のビードコアの周り
を折返す内のカーカスプライ及びこの内のカーカスプラ
イの外側でトレッド部からサイドウォール部を通り少な
くとも前記ビードコアの近傍にのびる外のカーカスプラ
イによって形成されるカーカスを具えるとともに、前記
内、外のカーカスプライは、ともに有機繊維を用いたカ
ーカスコードからなり、しかも、内のカーカスプライの
カーカスコードの一定荷重伸び率と、外のカーカスプラ
イのカーカスコードの一定荷重伸び率との差を0.5%
以上かつ2.0%以下とした空気入りタイヤである。
17(化学繊維タイヤコード試験方法)の7.7項に記
載された一定荷重伸び率に拠り測定を行った一定荷重W
を加えたときの伸び率(%)であり、その7、7、1項
の標準時試験に基づき行われる。
出するよう定められている。 W(kgf)=4.5×(d2 /d1 ) ここに、d1 :繊維の種類によって定まる基準デニール d2 :試料の表示デニール 又、試験は10回行い、その平均値を小数点以下1けた
まで算出することが前記JISに定められている。
カーカスプライのカーカスコードの一定荷重伸び率
(%)が内のカーカスプライのそれよりも大であっても
よく、又逆に内のカーカスプライのそれよりも小であっ
てもよい。
内のカーカスプライのカーカスコードと、外のカーカス
プライのコードとはともに同じ材料、かつ同じ太さと
し、前記一定荷重伸び率のみ違えて形成することが出来
る。
もにビードコアのタイヤ半径方向内向き面に沿って延在
するのが好ましい。
1に示すように外のカーカスプライが内のカーカスプラ
イと同じ向きにビードコアを巻上げるいわゆる2−0構
造であってもよく、又図4に示すように外のカーカスプ
ライがビードコアのタイヤ軸方向外側を通るいわゆる1
−1構造であってもよい。
がリムフランジの先端よりもタイヤ半径方向内方で終端
するいわゆるローターンアップとして形成でき、又ビー
ドエーペックス先端よりもタイヤ半径方向外方で終端す
るいわゆるハイターンアップとして形成してもよい。
重伸び率(%)と、外のカーカスプライのカーカスコー
ドの一定荷重伸び率(%)との差を0.5%以上かつ
2.0%以下としている。
タイヤにあっては、従来においては内、外のカーカスプ
ライの間にあっては、略均質であることを条件として形
成されていたため、内、外のプライ間でカーカスコード
の一定荷重伸び率を意識して違えたものはない。
のカーカスプライの一定荷重伸び率を高めること、その
一定荷重伸び率が高まったプライにより音振、殊に車内
音、ロードノイズ性能が向上する。
び率が高いカーカスコードを有するカーカスプライを含
ませることにより、例えば弦を緩く張った状態のよう
に、カーカス全体のテンションが低くなり、荒れた路面
を走行する際に路面からの振動入力が伝わりにくくなる
からである。加うるにタイヤの共振周波数が周波数の低
い側に移動し、車両の共振周波数からずれることによっ
て一層の制振効果を高めることとなる。
コード、即ち従来のタイヤにおけるカーカスプライと略
同じ伸びを有するカーカスコードからなるカーカスプラ
イによって、タイヤ寸法の安定性、操縦安定性などの走
行性能を維持することが出来るのである。
差が0.5%未満では、カーカスの制振能力が不足し、
騒音低下を達成し得ず又ばらつきも大きくなる。他方、
伸び率の差が2.0%をこえるとカーカスのテンション
の低下が大となり操縦安定性に劣ることとなる。
定荷重伸び率に差を与えるための方法としては、内、外
のカーカスプライの成形に際して両者のカーカスコード
を、同材質かつ同じ太さで形成するとともに、一定荷重
伸び率を高めたい方のカーカスプライを、成形前の材料
の段階で加熱し、予め熱収縮を与えることにより前記伸
び差を設けることが出来る。又加熱の際の温度、又は処
理時間を調節することにより伸びの差を任意に設定する
ことが出来る。
ィップ処理をするときに、その処理条件を変えることに
よっても前記伸びの設定を容易になしうる。
る。図1〜2において空気入りタイヤ1は、内のカーカ
スプライ11、外のカーカスプライ12からなる2枚の
カーカスプライによって形成されるカーカス10を具え
る。
からサイドウォール部3を通りかつ三角形状のビードエ
ーペックス8のタイヤ軸方向内面に沿って垂下し、ビー
ド部4のビードコア5の周りをタイヤ軸方向内側から外
側に向かってかつ該ビードコア5のタイヤ半径方向内向
き面5aに沿って折返すとともに、前記ビードエーペッ
クス8の外側を立上がり、その先端11aは、本実施例
においてはビード部4が嵌着する正規のリムJのフラン
ジ外端Pをこえてのびかつタイヤ最大巾点Bよりもさら
にタイヤ半径方向外方に位置している。
カスプライ11の外側に配され、かつ内のカーカスプラ
イ11とビードエーペックス8との間を通りビードコア
5の前記内向き面5aに沿って折返すとともに、その先
端12aは前記リムJのフランジ外端Pよりもタイヤ半
径方向内方に位置させている。従って本実施例における
カーカス10は、いわゆる2−0HTU構造として形成
されている。
プライ12はともにナイロン、ポリエステル、レーヨ
ン、芳香族ポリアミド繊維などの有機繊維からなるカー
カスコード13、14をタイヤ赤道Cに対して70〜9
0度の角度で傾けて配したすだれ状のファブリックをト
ッピングゴム15により被覆したシート体をなす。内、
外のカーカスプライ11、12の間では、カーカスコー
ド13、14が互いに交差する向きに配される。又本実
施例では、内、外のカーカスプライ11、12の各カー
カスコード13、14は同じ材質からなる有機繊維によ
って形成される。
ール数を1600d/2以下かつ600d/2以上好ま
しくは800d/2以上の範囲とするのがよく、本実施
例では、各カーカスコード13、14のデニール数、及
びコード径dp1 、dp2 を略同一として形成してい
る。又内、外のカーカスプライ11、12の間ではそれ
ぞれのカーカスコード13、14の単位長さ当たりの打
込数を略同一としている。
間においては、内のカーカスプライ11のカーカスコー
ド13の一定荷重伸び率Ep1 と、外のカーカスプライ
12のカーカスコード14の一定荷重伸び率Ep2 との
間でその差|Ep1 −Ep2|を0.5%以上かつ2.
0%以下としている。
|は、内、外のカーカスプライ11、12の何れか一方
を他方よりも伸び率を大きくすればよい。なお本実施例
では、外のカーカスプライ12のカーカスコード14を
内のカーカスプライ11のカーカスコード13に比して
一定荷重伸び率を大きくしている。
材料の段階で加熱し、予めカーカスコードに熱収縮を与
えることによって形成することが出来、内、外のカーカ
スプライ11、12の各カーカスコード13、14を同
材質、同じ太さとすることによって伸び率の差|Ep1
−Ep2 |を比較的容易にできかつその設定も任意にな
しうる。
0の半径方向外側かつトレッド部2の内部にベルト層1
7が配される。ベルト層17は、本実施例では、ナイロ
ン、レーヨン、ポリエステル、芳香族ポリアミド等の有
機繊維コード又はスチールコードからなるベルトコード
をタイヤ赤道Cに対して傾斜させて並列した2枚のベル
トプライを前記ベルトコードが互いに交差する向きに配
してタガ効果を発揮させて重ね合わせることにより形成
し、トレッド部2の剛性を高めている。
半径方向外側に、バンドコードを埋設したプライからな
るバンド層19を設け、タイヤ走行時において遠心力に
よるベルト層17のリフティングを防止している。
ドコア5からタイヤ半径方向外方に向かって立上がり硬
質のゴムからなる前記ビードエーペックス8と、このビ
ード部4を補強するチェーファ21とフィラ22とを具
える。
ネット状に繊成し、本例ではビード部4のタイヤ軸方向
外側において外のカーカスプライ12の外面に一端が添
着するとともに、ビード部4の底面4aに沿ってタイヤ
軸方向内方にのびかつビード部4の内壁面に沿って立上
がる。
し、内のカーカスプライ11と、ビードコア5との間を
ビードコア5を囲んで配される。
を介在させることによりビード部4の縦、横の剛性を高
めるのに役立つ。なおチェーファ、フィラを設けること
なくビード部を形成してもよい。
本例では内のカーカスプライ11Aは、その先端11a
が正規リムJのフランジ外端Pよりもタイヤ半径方向内
側で途切れる一方、外のカーカスプライ12Aは、内の
カーカスプライ11Aの外側に配され、トレッド部2か
らサイドウォール部3を通りビードエーペックス8の外
面に沿って垂下するとともに、ビード部4のビードコア
5のタイヤ半径方向内向き面5aに沿ってのび該内向き
面5aのタイヤ軸方向内側縁近傍で終端している。従っ
て内、外のカーカスプライ11A、12Aはともにビー
ドコア5のタイヤ半径方向内向き面に沿って延在すると
ともに、カーカス10Aは、いわゆる1−1LTUの構
成に形成される。
で示す如く、その折返し部先端をバットレス部分に延設
したいわゆる2−0超HTU構成、さらには図4におい
て内のカーカスプライの先端を最大巾点Bをこえて延長
した1−1HTU構成であってもよい。このように空気
入りタイヤは種々な態様のものに変更できる。
り、かつ図1に示す構成を有するタイヤ(2−0HT
U)について、表1に示す仕様によりかつ内、外のカー
カスプライ間でそのカーカスコード間の一定荷重伸び率
の差を変化させて試作する(実施例1〜5)とともにそ
の性能についてテストを行った。なお従来の構成による
タイヤ(従来例)及び本願構成外のタイヤ(比較例1、
2)についても併せてテストを行いその性能の比較を行
った。又テストに際して各タイヤを15×6JJのリム
を介して2.5リツトルのFR車に装着するとともに、1名
乗車のもとで実車走行を実施した。
試験方法に準拠して行い、速度60km/hで走行させ、
オーバオールの騒音を測定するとともに、従来例を基準
として騒音の各低減量(dBA)を表示した。
バオールの騒音を従来例を0とした各低減量(dBA)
を表示した。
リングにより判定した。表2に示す○は良好、△はやや
不良、×は不良をそれぞれ示す。
率の差|Ep1 −Ep2 |とロードノイズとの関係を図
3に示す。
比較例のものに比べて操縦安定性、乗心地を保持しつつ
騒音を低下しうることが確認出来た。
イヤは、前記構成を具えることにより、操縦安定性及び
乗心地を保持しつつ走行時におけるタイヤから生じる騒
音を低減しうる。
ある。
示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウォール部を通りビ
ード部のビードコアの周りを折返す内のカーカスプライ
及びこの内のカーカスプライの外側でトレッド部からサ
イドウォール部を通り少なくとも前記ビードコアの近傍
にのびる外のカーカスプライによって形成されるカーカ
スを具えるとともに、 前記内、外のカーカスプライは、ともに有機繊維を用い
たカーカスコードからなり、 しかも、内のカーカスプライのカーカスコードの一定荷
重伸び率と、外のカーカスプライのカーカスコードの一
定荷重伸び率との差を0.5%以上かつ2.0%以下と
した空気入りタイヤ。 - 【請求項2】前記内のカーカスプライのカーカスコード
と前記外のカーカスプライのカーカスコードとは、とも
に同じ材質からなりかつ同じ太さからなることを特徴と
する請求項1記載の空気入りタイヤ。 - 【請求項3】前記内、外のカーカスプライは、ともに前
記ビードコアのタイヤ半径方向内向き面に沿って延在す
ることを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33180494A JP3158001B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33180494A JP3158001B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08164707A JPH08164707A (ja) | 1996-06-25 |
JP3158001B2 true JP3158001B2 (ja) | 2001-04-23 |
Family
ID=18247831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33180494A Expired - Lifetime JP3158001B2 (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3158001B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
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---|---|---|---|---|
JP4523702B2 (ja) * | 1999-06-21 | 2010-08-11 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りラジアルタイヤ |
JP4184692B2 (ja) * | 2001-06-08 | 2008-11-19 | 不二精工株式会社 | 空気入りタイヤ、空気入りタイヤの製造方法、ボディプライ用リボン,及び空気入りタイヤ用ボディプライ |
EP1491364B1 (en) * | 2002-03-29 | 2015-09-02 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tire |
JP4177656B2 (ja) | 2002-12-24 | 2008-11-05 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りラジアルタイヤ |
JP2014094644A (ja) * | 2012-11-08 | 2014-05-22 | Bridgestone Corp | 自動二輪車用タイヤ |
-
1994
- 1994-12-09 JP JP33180494A patent/JP3158001B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08164707A (ja) | 1996-06-25 |
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