JP3157109B2 - 膜形成素材を含む基板の焼成方法および装置 - Google Patents

膜形成素材を含む基板の焼成方法および装置

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JP3157109B2
JP3157109B2 JP22369496A JP22369496A JP3157109B2 JP 3157109 B2 JP3157109 B2 JP 3157109B2 JP 22369496 A JP22369496 A JP 22369496A JP 22369496 A JP22369496 A JP 22369496A JP 3157109 B2 JP3157109 B2 JP 3157109B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膜形成素材を含む
基板に熱処理を均一に施すための焼成方法および装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】ソーダライムガラスに代表されるガラス
製基板やアルミナに代表されるセラミックス基板の上
に、金属或いは無機材料をガラスボンド成分の溶融や、
材料自体の軟化、溶融、或いは焼結により、所定の機能
を生じる膜が固着されたりするような、膜形成素材を含
む基板が知られている。例えば、螢光表示管の陽極基
板、プラズマディスプレイパネル用基板、プラズマアド
レス液晶表示装置のプラズマスイッチング基板、フィー
ルドエミッション表示装置用基板などの表示デバイス用
基板、厚膜配線基板、或いはサーマルプリンターヘッド
やイメージセンサ等の電子デバイス用基板がそれであ
る。このような電子デバイス用基板には、一般に、基板
自体のアニールのためやガラス素材を結合剤として応用
した機能材料の膜形成のために、500 乃至650(℃) 程度
の熱処理が施され、セラミック基板においてはガラス素
材を結合剤として応用した機能材料の膜形成、或いは金
属材料自体の界面の溶融を応用した機能材料の膜形成の
ために例えば500 乃至900(℃) 程度の熱処理が施され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年では、
上記膜形成素材を含む基板は、その表面にパターニング
形成される導体、抵抗、誘電体などの多層化および細密
化が図られるとともに、特に、上記表示デバイス用基板
では表示面積の大型化に伴って比較的大きな寸法のもの
を製造することが必要となっている。そのため、表示デ
バイス用基板では大きな寸法に亘って細密にパターン形
成することが要求されるとともに、上記電子デバイス用
基板では、機能を発生させる膜に与えられるパターン空
間が細密化することによって品質の確保のために膜の均
一性が一層要求される。しかしながら、上記基板の焼成
によってもたらされる品質への影響は、上記のように大
型となる程大きくなり、それらのばらつきが製品設計上
の制約となったり、製品の歩留まりを低下させる一因と
なっていた。例えば、抵抗層においては抵抗値のばらつ
き、誘電体層においては耐電圧のばらつきや残存率の不
均一による厚み寸法のばらつき、導体層においては導通
抵抗およびワイヤボンディング性やスパッタリング性な
どのばらつきが大きくなるのである。
【0004】また、熱処理に伴って基板素材そのものの
膨張或いは収縮による寸法変動がある場合は、機能を有
する膜のパターニング後に行われる焼成毎のパターン間
の位置合わせが困難となる。これら層品質の均一性およ
びパターン間の位置合わせの一致性は、精細なパターン
となる程或いは基板が大型となる程困難となり、製品歩
留まりが加速度的に低下するという不都合があった。例
えば40インチ以上の大型表示装置としてのプラズマディ
スプレイ用基板を例にとると、次のような歩留まり低下
要因がある。例えば、多数のセルを形成する多層構造の
各層の寸法精度が確保できない、障壁の高さおよび幅の
寸法のばらつきが生じる、抵抗付セルにおいては抵抗値
のばらつきを生じる、誘電体層においては耐電圧にばら
つきを生じる、全体的な寸法ばらつきはフロント板とリ
ヤ板とを組み合わせて放電セルを形成するときにズレを
生じる、などである。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、基板内の均一な
加熱により膜形成素材を含む基板の歩留まりを高くでき
る膜形成素材を含む基板の焼成方法および装置を提供す
ることにある。
【0006】本発明者は上記の課題を達成するために種
々研究を重ねた結果、厚膜に含まれる金属、無機材料の
溶融或いは焼結状態、機能成分を固着させるために低下
されるガラスボンド成分、或いは誘電体にあってはガラ
ス成分そのものの軟化或いは溶融状態が基板内において
局部的に相違することを見出した。本発明は上記の知見
に基づいて為されたものである。
【0007】
【課題を解決するための第1の手段】上記の目的を達成
するための第1発明の要旨とするところは、膜形成素材
を含む複数の基板を一方向に順次搬送する過程でそれら
複数の基板の各々に均一に熱処理を施すための焼成方法
であって、その熱処理の冷却過程において、(a) 前記一
方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定された
設定温度と一致するように予め温度制御された複数の加
熱室内の各々で前記複数の基板の各々を所定時間収容す
ることにより、それら複数の基板の各々をその室毎の設
定温度で均熱させる均熱工程と、(b) それら複数の加熱
室内の各々で熱処理された前記複数の基板の各々をそれ
ら複数の加熱室の各々からその加熱室よりも低い設定温
度の加熱室へ順次送り出す搬出工程と、(c) 前記複数の
基板のうちの所定の基板が送り出された前記複数の加熱
室のうちの所定の加熱室内に、その加熱室の設定温度よ
りも低い温度の気体を供給する気体供給工程と、(d) そ
の気体供給工程の後に、前記所定の加熱室内に前記複数
の基板のうちの前記所定の基板に続く他の基板を送り込
む搬入工程とを、含むことにある。
【0008】
【第1発明の効果】このようにすれば、膜形成素材を含
む複数の基板は、熱処理の冷却過程において、均熱工程
において前記一方向に沿って段階的に低くなるように室
毎に設定された設定温度でそれぞれ所定時間均熱された
後、搬出工程において加熱室から低い設定温度の加熱室
へ順次送り出されるが、気体供給工程においてそれら複
数の基板のうちの所定の基板が送り出された所定の加熱
室内にその設定温度よりも低い温度の気体が供給され、
その後、搬入工程において上記所定の基板に続く他の基
板がその所定の加熱室内に送り込まれる。このように、
一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定され
た設定温度にそれぞれ維持された加熱室内で均熱を繰り
返しながら熱処理の冷却過程が行われることから、膜形
成素材を含む基板内の温度のばらつきが可及的に小さく
される。このとき、基板が送り出された加熱室には、室
内に基板が存在しない状態で設定温度よりも低温の気体
が供給されるため、その加熱室に設けられている加熱源
の出力(すなわち温度制御出力)が基板の均熱中よりも
高められた状態で安定させられ、その後、次の基板が送
り込まれる。これにより、各々の加熱室内では空室での
温度制御状態下から複数の基板の各々の熱処理が開始さ
れるため、加熱室毎の設定温度よりも高温の複数の基板
を順次熱処理することによって温度制御が不安定になる
ことが抑制されて、加熱室内に送り込まれた基板が放冷
状態となる時間が十分に短くされることから、基板内の
温度のばらつきが一層小さくされる。そのため、基板が
ガラス製である場合にあってその歪点以上の温度で熱処
理される場合は、基板内の寸法の局部的変化すなわち形
成パターンのゆがみが可及的に小さくされるので、次工
程以降のパターンとの位置ずれが防止されて、精細なパ
ターンや大型基板であっても製造歩留まりが飛躍的に高
められる。また、上記のように膜形成素材を含む基板内
の温度のばらつきが可及的に小さくされることから、基
板の表面に厚膜誘電体層、隔壁状誘電体層、厚膜抵抗
層、電極層、無機着色顔料層が設けられる場合にあって
は、それら厚膜内のボンド成分として機能するガラスの
溶融、軟化の程度が一様となって、また金属−金属酸化
物系の溶融、焼結の程度が一様となって、それぞれ耐電
圧品質、隔壁の高さおよび幅寸法、抵抗値、放電品質、
光学的フィルター特性のばらつきなどが好適に小さくさ
れ、大型基板であっても製造歩留まりが飛躍的に高めら
れる。さらに、上記のように抵抗値のばらつきが小さく
される結果、工程の管理負荷や、トリミングなどの工程
が削減され或いは負荷が軽減される。
【0009】因みに、加熱室内に基板が送り込まれる
と、その基板が持ち込む熱によって加熱源の出力すなわ
ち温度制御量が低下させられることから、当初は基板が
放冷状態となる。そのため、基板が順次送り込まれるこ
とによってその熱が蓄積されると放冷状態となる時間が
次第に長くなるが、基板の放冷状態においては基板内の
各部位の熱放散性のばらつきに起因して温度ばらつきが
大きくなり易い。したがって、基板を均熱処理するに際
しては、そのような放冷状態が可及的に短くされるこ
と、すなわち温度制御出力が高く保たれることが望まれ
るのである。
【0010】また、本発明によれば、熱処理を終えた基
板が所定の加熱室から送り出された後に、その所定の加
熱室内が空室での温度制御出力とされ、その後、前記他
の基板が送り込まれることから、後に処理される基板に
対する先に処理された基板による熱的な影響が抑制され
る。そのため、寸法や熱容量等の異なる基板が連続して
処理される場合や、基板が断続的に搬送されて熱処理さ
れる場合にも、搬送条件を考慮することなく熱処理する
ことが可能であることから、焼成装置の制御が容易とな
る。
【0011】
【課題を解決するための第2の手段】上記発明方法を好
適に実施するための第2発明の要旨とするところは、膜
形成素材を含む複数の基板を一方向に順次搬送する過程
でそれら複数の基板の各々に均一に熱処理を施すための
焼成装置であって、(a) トンネル状の加熱領域内の長手
方向の一部においてシャッタ装置により熱的に分割され
た状態で設けられ、加熱ヒータにより独立に温度を制御
される複数の加熱室と、(b) 前記加熱ヒータを制御して
前記複数の加熱室の各々の温度を、前記一方向に沿って
段階的に低くなるように設定された室毎の設定温度と一
致するように均一に制御する温度制御装置と、(c) 前記
複数の基板を前記トンネル状の加熱領域内において一方
向へ順次搬送する過程で、それら複数の基板の各々を前
記複数の加熱室内の各々に送り込んでそれら複数の加熱
室内の各々で所定時間の熱処理を施し、それら複数の加
熱室内の各々での熱処理を終えた基板をそれら複数の加
熱室内の各々から送り出す搬送装置と、(d) 前記複数の
加熱室内の各々に設けられ、その加熱室の設定温度より
も低い温度の気体を供給するための給気装置と、(e) 前
記複数の加熱室の各々において、前記搬送装置によって
前記複数の基板の各々が送り出されて室内にその基板が
位置しない状態で前記給気装置から前記気体を供給させ
る給気制御装置とを、含むことにある。
【0012】
【第2発明の効果】このようにすれば、膜形成素材を含
む基板は、熱処理の冷却過程において、搬送装置により
一方向に沿って搬送される過程で複数の加熱室に順次送
り込まれ、それら複数の加熱室において前記一方向に沿
って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温度
で所定時間均熱されるが、基板が送り出されて加熱室が
空室となった状態で、給気装置によりその加熱室の設定
温度よりも低い温度の気体が供給される。このように、
一方向に搬送される過程で段階的に低くなるように室毎
に設定された設定温度にそれぞれ維持された複数の加熱
室内において順次均熱を繰り返しながら熱処理の冷却過
程が行われることから、膜形成素材を含む基板内の温度
のばらつきが可及的に小さくされる。このとき、基板が
送り出されて空室となった加熱室内に給気装置によって
設定温度よりも低温の気体が供給されることにより、そ
の加熱室に設けられている加熱ヒータの出力が基板の均
熱中よりも高められた状態で安定させられることから、
各加熱室内に送り込まれる基板は空室での温度制御状態
下で熱処理が開始されるため、加熱室毎の設定温度より
も高温の複数の基板を順次熱処理することによって温度
制御が不安定になることが抑制されて、加熱室内に送り
込まれた基板が放冷状態となる時間が十分に短くされ、
基板内の温度のばらつきが一層小さくされる。そのた
め、基板がガラス製である場合にあってその歪点以上の
温度で熱処理される場合は、基板内の寸法の局部的変化
すなわち形成パターンのゆがみが可及的に小さくされる
ので、次工程以降のパターンとの位置ずれが防止され
て、精細なパターンや大型基板であっても製造歩留まり
が飛躍的に高められる。また、上記のように膜形成素材
を含む基板内の温度のばらつきが可及的に小さくされる
ことから、基板の表面に厚膜誘電体層、隔壁状誘電体
層、厚膜抵抗層、電極層、無機着色顔料層が設けられる
場合にあっては、それら厚膜内のボンド成分として機能
するガラスの溶融、軟化の程度が一様となって、また金
属−金属酸化物系の溶融、焼結の程度が一様となって、
それぞれ耐電圧品質、隔壁の高さおよび幅寸法、抵抗
値、放電品質、光学的フィルター特性のばらつきなどが
好適に小さくされ、大型基板であっても製造歩留まりが
飛躍的に高められる。さらに、上記のように抵抗値のば
らつきが小さくされる結果、工程の管理負荷や、トリミ
ングなどの工程が削減され或いは負荷が軽減される。
【0013】また、膜形成素材を含む基板が一方向に間
歇的に搬送される過程で、複数の加熱室において順次熱
処理が施されることから、膜形成素材を含む基板が連続
的に搬送されることにより連続的なヒートカーブが形成
される従来の焼成装置によって膜形成素材を含む基板内
の温度差を極めて小さくしようとする場合に比較して、
全長が短縮されて装置が小型となる。
【0014】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記第1発明の
焼成方法において、前記気体供給工程は、前記所定の加
熱室内に設定温度よりも低い温度の前記気体を供給する
ことによりその所定の加熱室内の温度をその設定温度よ
りも低下させるものである。このようにすれば、搬出工
程において基板が加熱室から送り出された後に、気体供
給工程においてその加熱室内の温度が室毎の設定温度よ
りも低下させられ、その後、設定温度と一致するように
温度制御される。そのため、基板が送り出された加熱室
は、室内に基板が存在しない状態で一旦温度が低下させ
られてから昇温させられ、再び設定温度に制御された後
に次の基板が送り込まれることから、各々の加熱室内で
は一定の温度制御状態下で複数の基板の各々の熱処理が
開始されるため、基板内の温度のばらつきが一層小さく
される。
【0015】また、前記第1発明の焼成方法において、
前記搬入工程は、前記気体供給工程において前記所定の
加熱室内の温度制御量が高められた後、速やかに前記他
の基板をその所定の加熱室内に送り込むものである。こ
のようにすれば、気体供給工程を実施するために加熱室
内が空室とされる時間が可及的に短くなるため、基板の
処理効率が一層高められる。
【0016】また、好適には、前記第2発明の焼成装置
において、前記搬送装置は、前記トンネル状の加熱領域
内において長手方向と軸心方向が垂直を成すように相互
に平行に設けられて前記基板を支持し、その基板を前記
一方向へ搬送するためにその軸心回りにそれぞれ回転駆
動される複数本のローラを、更に含むものである。この
ようにすれば、膜形成素材を含む基板は、軸心回りに回
転駆動される複数本のローラによって支持され且つ前記
一方向へ搬送されるが、このようにローラで搬送する場
合には搬送装置を加熱室毎に制御して送り出しおよび送
り込みを独立に行うことが容易であるため、送り出しお
よび送り込みを全加熱室で同時に行う場合に比較して加
熱室内で基板の熱処理が行われていない時間を可及的に
短くできて、基板の処理効率が高められる。しかも、メ
ッシュベルト等によって搬送する場合に比較して、塵埃
の発生原因となるベルトの摺動がないことから加熱領域
内の清浄度が高められて、基板を均一に熱処理する過程
において形成される膜の機能が発生した塵埃によって損
なわれることが抑制される。なお、全加熱室で送り出し
および送り込みを同時に行う場合に、基板が送り出され
た加熱室を一旦空室とするためには、一室置きに基板を
搬送しなければならず、高い処理効率が得られないので
ある。
【0017】また、前記第2発明の焼成装置において、
前記給気装置は、前記複数の加熱室の各々において前記
設定温度よりも低い温度の気体を供給するために、前記
基板の搬送方向上流側端部に設けられた給気管を含むも
のである。このようにすれば、低温の気体が高温側であ
る搬送方向上流側端部から低温側である搬送方向下流側
に向かって流されることから、加熱室内での温度勾配の
発生が一層抑制されて、基板内の温度のばらつきが一層
抑制される。
【0018】また、前記第2発明の焼成装置の搬送装置
が基板を支持して搬送するための複数本のローラを含む
場合において、それら複数本のローラはセラミックスか
ら成るものである。このようにすれば、基板と接触させ
られるローラがセラミックスから構成されることから、
加熱領域内でローラが加熱されることによって変質させ
られ或いは錆びさせられて塵埃等を発生させることが抑
制されるため、加熱領域内の清浄度が一層高められる。
【0019】また、好適には、前記基板がガラス素材を
含むものである場合には、そのガラス素材の転移点或い
は歪点を基板内が均一な温度状態を保ちつつ通過するよ
うに、また、基板に含まれる膜形成材料が金属或いは無
機材料の溶融、焼結により固着される場合には、その膜
形成材料の溶融点或いは焼結点を基板内が均一な温度状
態を保ちつつ通過するように、前記室毎の設定温度は、
上記基板に含まれるガラス素材の転移点或いは歪点の近
傍の値に設定され、或いは上記基板上の膜形成材料に含
まれる金属或いは無機材料の溶融点或いは焼結点の近傍
の値に設定される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0021】図1、図2、図3は、本発明の一実施例の
基板62を一方向へ順次搬送する過程で焼成を施す形式
の連続型焼成装置116の構成を示しており、図1は正
面図、図2は炉体の幅方向中央を通り長手方向に沿った
断面図、図3(a) 〜(e) はそれぞれ図2におけるa−a
乃至e−e視断面をそれぞれ示す図である。図におい
て、独立に駆動される第1搬送装置118、複数の第2
搬送装置120a、120b、〜120f(以下、特に
区別しないときは単に第2搬送装置120という)、第
3搬送装置122が直列に配置されており、基板62
は、それら第1搬送装置118、第2搬送装置120、
第3搬送装置122によって一方向に搬送されることに
より、トンネル状の炉体124a、124b(以下、特
に区別しないときは単に炉体124という)内を通過さ
せられるようになっている。
【0022】上記トンネル状の炉体124は、例えば内
壁がβ−スポジュメン系結晶化ガラス等の耐熱ガラスか
ら構成されたものである。炉体124a内には、基板6
2を最高処理温度まで加熱すると共にその過程で基板6
2上に印刷形成された膜に含まれているバインダ(樹
脂)を燃焼除去するための予熱ゾーン(予熱部)126
と、基板62をその最高処理温度で所定時間保持するた
めの加熱ゾーン(加熱部)128と、基板62を徐々に
冷却するための徐冷ゾーン(徐冷部)130とが設けら
れており、炉体124b内には、基板62を常温付近ま
で冷却するための冷却ゾーン(冷却部)132が設けら
れている。
【0023】前記第1搬送装置118は、上記予熱ゾー
ン126および加熱ゾーン128に対応する位置に設け
られている。この第1搬送装置118は、炉体124a
の下方に設けられて連続的に駆動される減速機付モータ
134の回転を、チェーン136、および一軸線上に設
けられた複数本のラインシャフト138a、138b、
〜138e(以下、特に区別しないときは単にラインシ
ャフト138という)を介して、炉体124aの長手方
向に沿って所定間隔をもって設けられたマイタギア14
0a、140b、〜140f(以下、特に区別しないと
きは単にマイタギア140という)に伝達し、そのマイ
タギア140によってそれぞれ分担される駆動区分12
7a、127b、127c、127d(以下、特に区別
しないときは単に駆動区分127という)、駆動区分1
29a、129b(以下、特に区別しないときは単に駆
動区分129という)毎に図2に示されるように炉体1
24a内に設けられているローラ166を回転させるこ
とにより、そのローラ166上に乗せられた基板62を
例えば300(mm/min) 程度の所定の第1の搬送速度で連続
的に搬送するものである。
【0024】図4は、第1搬送装置118および第2搬
送装置120の要部を中間を省略した状態で上下に配し
て拡大して示す図であり、図1に示される駆動区分12
7a、129b、131bにそれぞれ対応する部分が上
段、中段、下段にそれぞれ示されている。駆動区分12
7aに対応する第1搬送装置118のマイタギア140
aには、軸心方向が炉体124の長手方向に沿って設け
られている原動軸142aと、軸心方向が炉体124の
長手方向に垂直(紙面に垂直)な従動軸144aとが備
えられている。モータ134の回転がチェーン136に
よってマイタギア140aに伝達されて原動軸142a
が矢印の方向に回転させられると、その原動軸142a
にカップリング146を介して接続されているラインシ
ャフト138aが原動軸142aと同方向に回転させら
れると共に、従動軸144aが例えば図の矢印の方向に
回転させられる。
【0025】一方、図4に中段に示されている駆動区分
129bに対応するマイタギア140f、すなわち第1
搬送装置118の右端部に設けられているマイタギア1
40fは、原動軸142fの一端がワンウェイカップリ
ング148を介してラインシャフト138eに接続され
ている。また、その原動軸142fの他端部側には減速
機付モータ150が備えられており、その他端部にワン
ウェイカップリング152を介して接続されている。こ
れらのワンウェイカップリング148、152は、それ
ぞれラインシャフト138eおよびモータ150の図の
矢印方向の回転のみをマイタギア140fに伝達するも
のであり、モータ150は、後述の第2搬送装置120
に同期してラインシャフト138よりも速い回転速度で
間歇的に駆動される。そのため、モータ150の停止中
はラインシャフト138eの回転がワンウェイカップリ
ング148を介して原動軸142fに伝達され、ワンウ
ェイカップリング152は滑らされる一方、モータ15
0の駆動中はワンウェイカップリング152を介してそ
の回転が原動軸142fに伝達され、ワンウェイカップ
リング148が滑らされることとなる。したがって、モ
ータ150の駆動中は、駆動区分129b内のローラ1
66上の基板62が前記の第1の搬送速度(例えば300
[mm/min] 程度)よりも速い例えば5000(mm/min)程度の
第2の搬送速度で搬送される。なお、省略されている駆
動区分127b、127c、〜129aは、ラインシャ
フト138a、138b、〜138eがカップリング1
46と同様な図示しないカップリングを介してマイタギ
ア140b、140c、〜140eの原動軸142に接
続されており、その原動軸142の回転に伴ってそれぞ
れに備えられている従動軸144が回転させられる。
【0026】また、複数のマイタギア140の下方に
は、軸心方向が炉体124の長手方向に垂直且つ水平方
向となるように互いに平行にその長手方向に沿って配列
された複数本の回転軸154がそれぞれ備えられてい
る。このため、第1搬送装置118には、その全長に亘
って、炉体124の長手方向に沿って多数の回転軸15
4が備えられている。この回転軸154は、従動軸14
4の回転を例えばチェーン(或いはタイミングベルト)
156によって伝達されることによって、それぞれ図に
矢印で示される方向に回転させられる。このため、モー
タ134が駆動させられると、炉体124の長手方向に
沿って配列された多数の第1搬送装置118の回転軸1
54が同様な回転速度、回転方向で同時に回転させられ
ることとなるが、モータ150が駆動させられると、マ
イタギア140fにはその回転が伝達されてワンウェイ
カップリング148によってラインシャフト138eの
接続が実質的に絶たれ、マイタギア140fの下方に備
えられている回転軸154、すなわち加熱ゾーン128
のうちの徐冷ゾーン130に隣接する駆動区分129b
に属する回転軸154が、第1搬送装置118内の他の
駆動区分127、129aに属する回転軸154よりも
速い徐冷ゾーン130と同様な速度で回転させられるこ
ととなる。したがって、本実施例においては、マイタギ
ア140fで駆動される駆動区分129bが基板62の
搬送速度を変化させられる隣接領域に相当し、モータ1
50、ワンウェイカップリング148、152によって
速度変更装置が構成されている。
【0027】また、複数の第2搬送装置120は、図4
の下段に駆動区分131bについて示されるように、そ
れぞれ独立して間歇的に駆動される減速機付モータ15
8a、158b、〜158f(以下、特に区別しないと
きは単にモータ158という)を備えたものであり、そ
のモータ158の下方には第1搬送装置118と同様
に、炉体124の長手方向と垂直且つ水平方向に設けら
れた複数本の回転軸154が備えられている。この回転
軸154はモータ158の出力軸160の回転をチェー
ン156によって伝達されることにより同方向に回転さ
せられるものである。すなわち、複数の第2搬送装置1
20は、第1搬送装置118においてモータ134の回
転を伝達されるマイタギア140に代えて独立して駆動
されるモータ158をそれぞれ備えたものである。モー
タ158は、出力軸160が図に矢印で示される正転方
向に正転駆動されるだけではなく、交互に正転方向およ
び逆転方向に回転駆動する反転駆動可能とされている
が、正転駆動時には回転軸154に接続されたローラ1
66が前記の第2の搬送速度(例えば5000[mm/min]程
度)が得られるように回転させられる一方、反転駆動時
にはそれよりも遅い例えば1300(mm/min)程度の第3の搬
送速度で基板62が搬送方向およびその反対方向に往復
移動させられるようにローラ166が正転方向および逆
転方向に回転させられる。
【0028】また、第3搬送装置122は、図1から明
らかなように、第1搬送装置118においてマイタギア
140の個数を減じ、炉体124の長手方向の前後が反
転された構成とされている。すなわち、駆動区分129
bと同様な構成の駆動区分133a、駆動区分127b
等と同様な構成の駆動区分133b、および駆動区分1
27aと同様な構成の駆動区分133cから構成されて
いる。そのため、炉体124bの下方に備えられた減速
機付モータ162の回転がチェーン163、ラインシャ
フト138g、および138fを介してマイタギア14
0i、140h、および140gに伝達され、それぞれ
の駆動区分133に備えられている回転軸154が回転
させられる。また、徐冷ゾーン130に隣接する駆動区
分133aでは、駆動区分129bと同様に、減速機付
モータ164の回転がワンウェイカップリングを介して
伝達されることにより、それに属する回転軸154が間
歇的に他の回転軸154よりも速い速度すなわち第2搬
送装置120に同期した速度で駆動される。したがっ
て、冷却ゾーン132のうち、マイタギア140gで駆
動される駆動区分133aも基板62の搬送速度を変化
させられる隣接領域に相当する。
【0029】図2に戻って、炉体124内には、複数本
の例えばアルミナ製のローラ166が、図3(a) 〜(e)
に図2におけるa−a乃至e−e視断面を示すように、
両端部が炉体124側面から突き出すように設けられて
いる。炉体124の側部外側には一対の軸受け167、
167(図3(a) のみに図示)が設けられており、これ
に前記回転軸154がローラ166と同軸的にそれぞれ
支持されている。ローラ166は、それぞれこれら一対
の回転軸154に両側から挟まれた状態で設けられてお
り、前記モータ134の回転がチェーン154を介して
伝達されるその回転軸154の回転に伴って回転させら
れる。なお、図3(a) は、図2におけるa−a視断面に
対応する図であるが、a2 −a2 視断面も同様な断面形
状である。前記基板62は、炉体124内においてこの
ローラ166に支持されている。そのため、ローラ16
6が回転させられるとその回転に伴って一方向に搬送さ
れることとなる。このとき、第1搬送装置118および
第3搬送装置122が設けられている予熱ゾーン12
6、加熱ゾーン128、冷却ゾーン132においてはロ
ーラ166が連続的に回転させられて基板62が連続的
に搬送される一方、第2搬送装置120が設けられてい
る徐冷ゾーン130においてはローラ166が間歇的に
回転させられて基板62が間歇的に搬送されることとな
る。すなわち、本実施例においては、第1搬送装置11
8および第3搬送装置122が連続搬送装置に相当し、
第2搬送装置120が間歇搬送装置に相当する。
【0030】また、図1、図2、図3から明らかなよう
に、前記の予熱ゾーン126には、予熱ゾーン126内
の温度を検出するための複数の温度検出器TCが、前記
の駆動区分127毎に長手方向中央の幅方向の3位置に
おいて上下に設けられると共に、炉体124の上側およ
び下側に複数のゾーンを形成し且つそのゾーン毎に独立
して制御されるヒータHが、それぞれの駆動区分127
毎に炉体124の長手方向および幅方向にそれぞれ4ゾ
ーンずつ設けられている。すなわち、図1乃至図3にお
いては一部が省略されているが、図5(a) に駆動区分1
27aについて模式的に示すように、各駆動区分127
毎に基板62の送り方向Aおよびそれに直交する図示し
ないローラ166の長手方向にそれぞれ4分割された合
計16組のヒータH1111、H1112、H1113、H1114、H
1121、H1122、H1123、H1124、H1131、H1132、H
1133、H1134、H1141、H1142、H1143、H1144(駆動
区分127b、127c、127dにはそれぞれH1211
〜H1244、H1311〜H1344、H1411〜H1444が備えられ
る)が炉体124の上下において各一対として配設さ
れ、ヒータH1121とH1131の間の位置、ヒータH1122
1123、H1132、およびH1133の間の位置、ヒータH
1124とH1134の間の位置にそれぞれ温度検出器T
111 、TC112 、TC113 (駆動区分127b、12
7c、127dにはそれぞれTC121 〜TC123 、TC
131 〜TC133 、TC141 〜TC143 )が配設されてい
る。図2に駆動区分127aの上側に一部について例示
するように、各々の温度検出器TCおよびヒータHは制
御装置168に接続されており、温度検出器TCで検出
された温度信号に従ってヒータHの出力が制御される。
【0031】また、予熱ゾーン126には、炉体124
の入口側の駆動区分127aの入口上部に給気管170
が設けられると共に、続く駆動区分127b、127
c、127dの基板62の搬送方向前方側に排気管17
2が設けられている。これら給気管170および排気管
172は、例えばローラ166と同様なアルミナセラミ
ックスから構成されて何れも炉体124の幅方向に貫通
するように設けられている。給気管170は、その両端
部において炉体124側面に備えられている給気用配管
174に接続されており、図示しない空気供給源から導
かれた空気を炉体124内に供給する。また、排気管1
72は、その両端部において炉体124側面に備えられ
ている排気用配管176に接続されており、炉体124
内に供給された空気はその内部を流れる過程で複数の排
気管172から吸い込まれ、排出口178から排出され
る。これら給気管170および排気管172は、それぞ
れ図6(a) 、(b) に示されるように丸穴状のノズル17
1或いは長穴状のノズル181を複数箇所に備えたもの
である。
【0032】また、前記加熱ゾーン128には、加熱ゾ
ーン128内の温度を検出するための複数の温度検出器
TCが、駆動区分129毎に炉体124の長手方向およ
び幅方向のそれぞれ3位置において上下に設けられると
共に、炉体124の上側、下側および両側面上部に複数
のゾーンを形成し且つそのゾーン毎に独立して制御され
るヒータHが、それぞれの駆動区分129毎に炉体12
4の長手方向に4ゾーン、幅方向に両側面上部の各1ゾ
ーンを含む6ゾーンずつ設けられている。すなわち、図
5(b) に示されるように、各駆動区分129毎に基板6
2の送り方向Aおよびそれに直交する図示しないローラ
166の長手方向にそれぞれ4分割された合計16組の
ヒータH2111、H2112、H2113、H2114、H2121、H
2122、H21 23、H2124、H2131、H2132、H2133、H
2134、H2141、H2142、H2143、H21 44が炉体124の
上下において各一対として配設されると共に、炉体12
4の幅方向両側の上部側面において送り方向Aにそれぞ
れ4分割された(4組の)ヒータH2115、H2125、H
2135、H2145、H2116、H2126、H2136、H2146(駆動
区分129bにはH2211〜H2246)が両側面で一対とし
て配設されている。また、ヒータH2111内、H2112とH
2113との間、H2114内、H2121とH2131との間、
2122、H2123、H2132、H2133の間、H2124とH2134
との間、H2141内、H2142とH2143との間、H2144内の
位置にそれぞれ9組の温度検出器TC2111、TC21 12
TC2113、TC2121、TC2122、TC2123、TC2131
TC2132、TC2133(駆動区分129bにはTC2211
TC2233)が上下に配設されている。
【0033】また、前記の徐冷ゾーン130には、炉体
124の長手方向に沿って等間隔で複数のシャッタ装置
1 、S2 、〜S7 (以下、特に区別しないときは単に
シャッタ装置Sという)が設けられており、徐冷ゾーン
130が駆動区分131に対応する複数例えば6つの第
1加熱室R1 、第2加熱室R2 、〜第6加熱室R6 (以
下、特に区別しないときは単に加熱室Rという)に分割
されている。
【0034】上記のシャッタ装置Sは、図2に断面構造
を、図3(d) にシャッタ装置S2 を通る断面(図2にお
けるd−d視断面)をそれぞれ示すように、例えば炉体
124内壁と同様な材質の耐熱ガラス製板等から成る仕
切り板190、シャッタガイド192、192、および
ローラ166の間の位置で上下動させられる可動分割壁
に相当するシャッタ194と、炉体124の下方に位置
してそのシャッタ194を上下動させるための3つのス
モールジャッキ196、およびスモールジャッキ196
を駆動するモータ198a、198b、〜198gとを
備えたものである。上記の仕切り板190は、図2に示
されるように2枚の耐熱ガラス製板がシャッタ194の
厚さに相当する小さな間隔をもって炉体124の上部に
固定されている。また、シャッタガイド192は、炉体
124の側面側に仕切り板190の下方に続いて設けら
れており、図示はしないが仕切り板190と同様にシャ
ッタ194の厚さに相当する小さな間隔をもって配置さ
れた2枚の耐熱ガラス製板から構成されている。このた
め、仕切り板190とシャッタガイド192、192と
によって、炉体124の側面から上面に至るシャッタ1
94の厚さに相当するシャッタ案内溝が形成されてい
る。モータ198a、198b、〜198g(以下、特
に区別しないときは単にモータ198という)は制御装
置168によって相互に独立して駆動制御されるもので
ある。シャッタ194は、モータ198が駆動させられ
ることによりシャッタガイド192に形成された案内溝
内を案内されて上下させられ、その最上部位置におい
て、図2においてシャッタ装置S1について示されるよ
うに仕切り板190に形成される溝内に上端が嵌め込ま
れる。このため、各加熱室Rは、その前後に設けられて
いるシャッタ装置Sが閉じられている間は隣接する加熱
室Rと完全に分離させられる。炉体124内で基板62
を搬送するための複数のローラ166は相互の間に隙間
が設けられた状態で備えられていることから、その隙間
を通ってシャッタ194が上下させられることにより、
加熱室Rを完全に分離し得るのである。なお、上記のス
モールジャッキ196は、カップリングを介して駆動シ
ャフト200によって相互に連結されており、モータ1
98によって同期的に駆動される。
【0035】また、徐冷ゾーン130の各駆動区分13
1には、それぞれ制御装置168に制御されて各加熱室
Rの温度を検出するための複数の温度検出器TCおよび
各加熱室Rを加熱するための複数のヒータHが、前記図
5(b) に示される前記加熱ゾーン128と同様な配設パ
ターン(駆動区分131aにはTC3111〜TC3133およ
びH3111〜H3146、駆動区分131bにはTC3211〜T
3233およびH3211〜H3246、駆動区分131cにはT
3311〜TC3333およびH3311〜H3346、駆動区分13
1dにはTC3411〜TC3433およびH3411〜H3446、駆
動区分131eにはTC3511〜TC3533およびH3511
3546、駆動区分131fにはTC3611〜TC3633およ
びH3611〜H3646)で設けられている。また、各加熱室
R内には、基板62の搬送方向後方側(上流側)に上部
および下部から冷却用空気を供給するための給気管18
0、180が備えられると共に、その冷却用空気を搬送
方向前方側(下流側)の上部から排出するための排気管
182とが設けられている。これら給気管180および
排気管182は、それぞれ予熱ゾーン126に設けられ
ている給気管170、排気管172と同様なものであ
り、丸穴状のノズル171或いは長穴状のノズル181
が設けられたアルミナセラミックス製のチューブから構
成されている。また、給気管180および排気管182
は、炉体124の外部に設けられた給気用配管184お
よび排気用配管186にそれぞれ接続されており、給気
管180に図示しない空気供給源から個々の加熱室Rの
給気用配管184毎に設けられた送気管185a、18
5b、〜185f(送気管185aのみ図示。以下、特
に区別しないときは単に送気管185という)を介して
冷却用空気が導かれると共に、排気管182から吸い込
まれた各加熱室R内の空気が排出口188から排出され
る。個々の送気管185には電磁弁208a、208
b、〜208f(電磁弁208aのみ図示。以下、特に
区別しないときは単に電磁弁208という)が設けられ
ており、制御装置168によって加熱室R内への給気が
開始および停止させられると共に給気量が調節される。
したがって、本実施例においては、給気管180、給気
用配管184、送気管185、電磁弁208によって給
気装置が構成されている。なお、図においては、加熱室
Rの上下にそれぞれ設けられた給気管184、184が
共通の送気管185に接続されているが、それぞれ電磁
弁208を備えた別々の送気管185に接続されて独立
に制御されてもよい。
【0036】また、前記の冷却ゾーン132には、冷却
ゾーン132内の温度を検出するための温度検出器TC
41、TC42、T43が、駆動区分133毎に炉体124長
手方向中央の幅方向中央位置において上側に設けられる
と共に、炉体124の上側および下側にその幅寸法に略
等しい長さを有する複数の冷却ジャケットCが、それぞ
れの駆動区分133毎に炉体124の長手方向に3列ず
つ設けられている。冷却ジャケットCは、その内部に図
1に示される冷却水配管202から枝管204を介して
供給される冷却水が流通させられるものである。上下に
配されたそれぞれ3つの冷却ジャケットCは相互に連結
されており、それら3つの冷却ジャケットC内を順次流
通させられた冷却水は、図1に示される反対側の側面に
設けられた図示しない排水管から排出される。冷却ジャ
ケットCに供給される冷却水の流量は駆動区分133毎
に枝管204に設けられている電磁弁206a、206
b、206cによって調節される。この冷却ゾーン13
2に設けられている温度検出器TCおよび電磁弁206
も前記の制御装置168に接続されており、温度検出器
TCによって検出された温度信号に基づいて冷却ジャケ
ットCに流通される冷却水量が制御される。
【0037】図7は前記制御装置168の構成を示す図
である。予熱ゾーン126、加熱ゾーン128、徐冷ゾ
ーン130、および冷却ゾーン132の駆動区分12
7、129、131、133(或いは加熱室R)毎に所
定数ずつ設けられた炉体124内の温度を検出するため
の温度検出器TC111 、TC112 、〜TC43により検出
された温度を示す各信号は、マルチプレクサ68によっ
て所定の周期で時分割され、且つA/D変換器70にお
いてデジタル信号に変換された後、演算制御回路72へ
入力される。この演算制御回路72は、例えばマイクロ
コンピュータにより構成されており、RAMの一時記憶
機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに
従って入力信号を処理し、出力インターフェース74を
介して、モータ駆動回路MD1 へ第1搬送装置118を
連続駆動させるための信号を、モータ駆動回路MD2
第1搬送装置118の駆動区分127bを第2搬送装置
120の駆動速度に同期して駆動させるための信号をそ
れぞれ供給し、また、各ヒータ駆動回路D1111
1112、〜D3646へ、ヒータH1111、H1112、〜H3646
を駆動させるための信号を供給し、また、モータ駆動回
路MD31、MD32、〜MD36へ第2搬送装置120a、
120b、〜120fを間歇駆動するための信号を供給
し、また、モータ駆動回路MDS1、MDS2、〜MDS7
シャッタ駆動モータ198a、198b、〜198gを
駆動させるための信号を供給し、また、モータ駆動回路
MD41へ第3搬送装置122を連続駆動させるための信
号を、モータ駆動回路MD42へ第3搬送装置122の駆
動区分133aを第2搬送装置120の駆動速度に同期
して駆動させるための信号をそれぞれ供給し、更に、電
磁弁駆動回路SD1 、SD2 、SD3 、SDa1、S
a2、〜SDa6へ電磁弁206a、206b、206
c、208a、208b、〜208fを駆動させるため
の信号を供給する。
【0038】なお、上記の各ヒータH1111、H1112、〜
2246は、予熱ゾーン126および加熱ゾーン128内
で炉体124の温度が幅方向において均等且つ長手方向
(基板62の搬送方向)で所定の温度勾配が形成される
ように、また、ヒータH3111、H3112、〜H3646は、徐
冷ゾーン130の各加熱室R内の温度がそれぞれ予め設
定された温度で均等となるように、それぞれ予め設定さ
れた各部位の目標温度比或いは相互の出力比に従って制
御されるようになっている。例えば、炉体124の幅方
向中央に位置するヒータH1112、H1113、H1122、H
1123、〜H3642に比較して、幅方向端部に位置するヒー
タH1111、H1114、H1121、H1124、〜H 3644の出力が
高められる。また、炉体124の長手方向において低温
側(予熱ゾーン126および加熱ゾーン128の駆動区
分129aにおいては基板62の搬送方向後方側、加熱
ゾーン128の駆動区分129bおよび徐冷ゾーン13
0においては搬送方向前方側)に位置するヒータ
1111、H1112、H1113、H1114、H1211、H1212、H
1213、H1214、〜H2116、およびH2241、H2242、H
2243、H2244、H2245、H2246、H3141、H3142、H
3143、H3144、H3145、H3146、〜H3646は、各ゾーン
126、128、130の高温側(上記と反対側位置)
に位置するヒータH1141、H1142、H1143、H1144、H
1241、H1242、H1243、H 1244、〜H2146、およびH
2211、H2212、H2213、H2214、H2215、H2216、H
3111、H3112、H3113、H3114、H3115、H3116、〜H
3616に比較して出力が高められる。
【0039】図8および図9は、連続型焼成装置116
を用いて膜形成素材を含む基板62を焼成する場合にお
いて、各基板62毎の位置および図8において時刻t0
に搬入された基板62の昇降温カーブをそれぞれ示すタ
イミングチャートである。なお、図8において一点鎖線
は各駆動区分127等の境界を示し、図に示されるよう
に徐冷ゾーン130においては各加熱室Rの境界に等し
い。すなわち、縦軸は炉体124内の長手方向(基板6
2の搬送方向)の位置を示している。また、右上がりに
描かれた複数本の実曲線はそれぞれ各基板62の動きに
対応し、その傾きの大きさが搬送速度の速さを表す。以
下、これらのタイミングチャートを参照して基板62の
焼成方法を説明する。
【0040】まず、時刻t0 において、未焼成の基板6
2が図1に示される搬入方向に従って予熱ゾーン126
の駆動区分127側から搬入される。このとき、徐冷ゾ
ーン130に設けられたシャッタ装置Sは全て閉じられ
て、各加熱室Rが相互に分離されており、基板62が搬
送過程において図9に示される温度カーブで昇降温させ
られるように、炉体124の各ゾーン126、128、
130に設けられたヒータHがフィードバック制御で駆
動されて炉体124内が加熱されると共に、冷却ゾーン
132に設けられた電磁弁206が駆動されて冷却ジャ
ケットCに冷却水が流されることにより、それぞれのゾ
ーンの各部位が予め設定された目標温度に保持されてい
る。また、モータ134およびモータ162が駆動され
て第1搬送装置118および第3搬送装置122内のロ
ーラ166が図2における右回り方向に回転させられて
いる。このため、搬入された基板62は、所定の第1の
搬送速度で加熱ゾーン128に向かって搬送される。
【0041】次いで、時刻t0 から例えば300 秒程度の
所定時間経過した時刻t1 においては、次の基板62が
予熱ゾーン126に搬入され、更に300 秒程度の所定時
間経過した時刻t2 においては、更に次の基板62が予
熱ゾーン126に搬入される。すなわち、予熱ゾーン1
26には、例えば300 秒程度の所定時間毎に基板62が
順次搬入される。このように順次搬入された基板62
は、回転駆動されているローラ166に支持された状態
で予熱ゾーン126をその終端まで搬送される過程で、
例えば1100秒程度の時間で例えば500(℃) 程度の所定の
最高焼成温度MTまで昇温させられる。図8、図9のt
3 時点はこの状態を示す。本実施例においては、この最
高焼成温度MTまで昇温させられる工程が昇温工程(或
いは予熱工程)に対応する。
【0042】続く加熱ゾーン128においては、基板6
2が最高焼成温度MTに保持された状態で第1搬送装置
118によって予熱ゾーン126から連続して搬送され
る。但し、加熱ゾーン128内での搬送速度は、当初は
予熱ゾーン126と同様に第1の搬送速度とされるが、
基板62が駆動区分129bに完全に入ると、モータ1
50が駆動されることによって第2の搬送速度に高めら
れる。このとき、加熱ゾーン128と徐冷ゾーン130
との間に設けられているシャッタ装置S1 が開けられる
と共に、加熱室R1 内のローラ166を駆動する第2搬
送装置120aが所定の第2の搬送速度(すなわち駆動
区分129bと同様な搬送速度)で駆動される。そのた
め、基板62は加熱ゾーン128から徐冷ゾーン130
の加熱室R1 すなわち第1の均熱温度KT1 に保持され
ている加熱室R1 内に速やかに搬送される。t4 時点は
この状態を示している。本実施例においては、最高焼成
温度MTに達してから加熱室R1 内に搬入されるまで、
すなわち加熱ゾーン128内を搬送されつつ加熱される
工程が加熱工程に対応し、その加熱時間(所謂キープ時
間)は例えば400 秒程度である。このようにして徐冷ゾ
ーン130に搬入された基板62は、各加熱室R内で予
め設定されている所定温度(すなわち第1乃至第6の均
熱温度)KT1 、KT2 、〜KT6 で所定時間保持され
て均熱され、続く加熱室Rに速やかに搬送される過程を
繰り返しつつ、図9に示される階段状の降温カーブに従
って徐冷される。なお、第1の均熱温度KT1 は最高焼
成温度MTよりも数 (℃) 乃至十数 (℃) 程度の所定値
ΔKTだけ低い温度であり、第2の均熱温度KT2 、第
3の均熱温度KT3 、〜第6の均熱温度KT6 は、それ
ぞれ更に所定値ΔKTずつ低くされた温度である。
【0043】因に、図9に示される昇温カーブの例えば
500(℃) 程度以上の最高焼成温度MTに続く所定の冷却
期間における冷却条件は、膜形成素材を含む基板62の
熱処理の上で重要な要素である。たとえば、VFD(螢
光表示管)やPDP(プラズマディスプレーパネル)、
PALC(プラズマアドレスド液晶表示装置)、FED
(フィールドエミッションディスプレイ)に用いると
き、基板62がソーダライムガラスに代表される低歪点
のガラス製である場合には、基板62内の温度が不均一
となって各部の冷却速度が相互に相違することに起因し
てその寸法の局所的変化を発生させることから、多層厚
膜印刷の位置合わせを困難としたり、あるいはフロント
プレートとリヤプレートとの厚膜印刷面を組合わせるこ
とにより多数のセルを形成するPDPやFEDに用いる
ときに両者のずれによってセルを構成できない部分を生
じるので、たとえば40インチというような大型となるほ
ど製造歩留まりを加速度的に低下させる。図10は、搬
送方向前端側の冷却速度が搬送方向後端側の冷却速度よ
りも高い従来の焼成法における基板62の寸法(実線)
を焼成前の寸法(一点鎖線)に比較して示している。ま
た、基板62上に多数個の厚膜印刷抵抗体や厚膜ボンデ
ィングパッドなどが設けられる場合には、基板62内の
温度が不均一となって各部の冷却速度が相互に相違する
ことに起因して、機能を有する厚膜層に結合材として含
まれるガラス成分の溶融、軟化の程度によって、また、
厚膜に含まれる金属、無機材料粒子の溶融、焼結の程度
によって抵抗値やボンディング適性が左右されることか
ら、印刷抵抗体の抵抗値やボンディング適性のばらつき
によって基板62が大型となるほど製造歩留まりを加速
度的に低下させる。さらに、厚膜印刷による誘電体層の
積層によって基板62に所定高さのリブ壁を形成する場
合でも、基板62内の温度が不均一となって各部の冷却
速度が相互に相違することに起因して厚膜に含まれるガ
ラス成分の溶融、軟化の程度によって焼成収縮率すなわ
ち厚膜の膜厚や幅寸法が左右されることから、基板62
が大型となるほど製造歩留まりを加速度的に低下させ
る。
【0044】図11は、前記演算制御回路72の作動の
要部であって、徐冷ゾーン130における基板62の搬
送制御等を説明するフローチャートである。徐冷ゾーン
130すなわち加熱室R内に搬入された基板62は、各
加熱室R毎にこのフローチャートに従って均熱処理され
つつ搬送される。先ず、ステップS1においては、後方
側駆動区分において基板62の搬出準備が完了したか否
かが判断される。なお、「後方側駆動区分」とは、各々
の加熱室Rに対して加熱ゾーン128側(上流側)に隣
接する駆動区分を意味し、例えば加熱室R1 に対応する
駆動区分131aに対しては加熱ゾーン128内の駆動
区分129bが、加熱室R2 に対応する駆動区分131
bに対しては駆動区分131aがそれに相当する。した
がって、上記の後方側駆動区分の搬出準備は、例えば、
加熱室R1 においては、前述のように駆動区分129b
内に基板62が完全に入ったことをもって完了し、加熱
室R2 においては、加熱室R1 内で所定時間の均熱処理
すなわち第1の均熱工程が終了したことをもって完了す
る。
【0045】上記ステップS1の判断が肯定されると、
ステップS2、S3では後方側シャッタ装置Sが開かれ
る。上記の「後方側」の定義から明らかなように、例え
ば、加熱室R1 においてはシャッタ装置S1 がこの後方
側シャッタ装置Sに相当し、加熱室R2 においてはシャ
ッタ装置S2 がこれに相当する。図8の要部を拡大した
図12に示されるようにt5 時点がこの状態を示してい
る。そして、後方側シャッタ装置Sが開かれると、搬入
工程に対応するステップS4において加熱室R内のモー
タ158が後方側駆動区分と同期して搬送駆動されるこ
とにより、基板62がその加熱室R内に搬入される。例
えば加熱室R1 においては、モータ150が駆動される
ことによって駆動区分129bの搬送速度が第2の搬送
速度に高められると共に、その加熱室R1 に対応する第
2搬送装置120aの搬送速度が第2の搬送速度すなわ
ち駆動区分129bと同様な搬送速度となるようにモー
タ158aが正転駆動される。また、加熱室R2 におい
ては、第2搬送装置120a、120bのモータ158
a、158bが共に第2の搬送速度が得られるように正
転駆動される。これにより、基板62が搬出および搬入
される加熱室R等に対応する2つの駆動区分が同様な搬
送速度とされて、基板62とローラ166とが何ら摺動
させられることなく、加熱室R内にその基板62が速や
かに搬入される。
【0046】上記のようにして基板62が加熱室R内に
搬入されると、ステップS5において基板搬入完了と判
断されて、ステップS6において上記2つの駆動区分の
モータが停止させられる。例えば加熱室R1 に基板62
が搬入された場合には、モータ158aが停止させられ
てその加熱室R1 内で基板62が停止させられる一方、
モータ150が停止させられることにより、加熱ゾーン
128の駆動区分129bの搬送速度が第1の搬送速度
に復帰させられる。そして、ステップS7、S8におい
て開かれていた後方側シャッタSが閉じられ、ステップ
S9において制御装置168内に備えられている図示し
ないタイマがリセットされ、作動させられる。図12の
6 時点はこの状態を示している。なお、後方側シャッ
タ装置Sが開けられてから閉じられるまでの時間、すな
わち基板62の搬送に必要な時間は、例えば30秒程度で
ある。これにより、加熱室Rが隣接する加熱室R等から
分離されて密閉空間とされる。そのため、隣接する加熱
室R等からの熱的な影響が遮断されて、加熱室R内に搬
入された基板62は、その加熱室Rに予め設定されてい
る所定の均熱温度KTn (n=1〜6)で均熱される。
【0047】この均熱処理の過程においては、ステップ
S10において、基板62が搬入された加熱室Rに対応
する駆動区分131の第2搬送装置120のモータ15
8が反転駆動される。これにより、加熱室R内のローラ
166が同期的且つ周期的に反転駆動されて、図13に
破線で移動ストロークが示されるように、基板62は加
熱室R内においてLで示される範囲を所定の第3の搬送
速度で面に沿った搬送方向前後に往復移動させられる。
したがって、本実施例においては、複数の第2搬送装置
120(往復移動装置)およびそれぞれに備えられてい
るモータ158を反転駆動する制御装置168(往復移
動制御装置)によって往復移動装置が構成されている。
この往復移動は、後のステップにおいて基板62の搬出
が開始されるまで継続される。すなわち、本実施例にお
いては、均熱工程の実施中の全期間に亘って往復移動工
程が実施される。そのため、各加熱室R内での均熱処理
工程中において、ヒータHと基板62との相対位置が変
化させられることによって加熱効果が分散させられ、或
いは、基板62の各部の温度が表面近傍の雰囲気を介し
た相互干渉によって一層均一化させられて、ヒータHか
ら与えられる熱量や各部位の熱容量の差異等に基づく温
度ばらつきが抑制される。しかも、上記の往復移動スト
ロークr(=2×r/2)は、ローラ166の直径dよ
りも大きくされている。そのため、基板62の特定部分
が定常的にローラ166上に位置させられないことか
ら、基板62とローラ166との間の熱伝導に起因する
熱的な不均衡や、基板62裏面のうちローラ166の陰
になる部分がそのローラ166の下側に備えられている
ヒータHによって加熱されないことに起因する熱的な不
均衡が生じることが抑制される。したがって、均熱処理
工程において基板62内の温度分布が一層均一になる。
【0048】ステップS10に続くステップS11にお
いては、ステップS9でタイマが作動させられてから所
定時間が経過したか否かが判断される。この所定時間は
基板62の全面が加熱室R毎に設定された温度で確実に
均熱されるために必要な時間であって、例えば180 秒程
度の時間である。当初はステップS11の判断が否定さ
れるので、モータ158の反転駆動が継続されるが、そ
の判断が肯定されると、ステップS12、S13に進ん
で前方側シャッタ装置Sが開けられる。なお、前方側シ
ャッタ装置Sは、各加熱室Rにおいて冷却ゾーン132
側に位置するシャッタ装置Sである。図12のt7 時点
はこの状態を示している。
【0049】そして、ステップS13において前方側シ
ャッタ装置Sが開けられたと判断されると、搬出工程に
対応するステップS14に進んで前方側駆動区分と同期
して第2搬送装置120のモータ158が搬送駆動され
る。この「前方側駆動区分」は、前記の後方側駆動区分
と反対に、各々の加熱室Rに対して冷却ゾーン132側
(下流側)に隣接する駆動区分を意味し、例えば加熱室
1 に対応する駆動区分131aに対しては加熱室R2
に対応する駆動区分131bが、駆動区分131bに対
しては加熱室R3 に対応する駆動区分131cが、更
に、加熱室R6 に対応する駆動区分131fに対しては
冷却ゾーン132の駆動区分133aがそれに相当す
る。これにより、基板62が第2の搬送速度で次の加熱
室Rに搬送される。そして、基板62の搬出が完了する
とステップS15の判断が肯定されてステップS16に
進んで、各加熱室Rに対応する駆動区分131のモータ
158が前方側駆動区分のモータと共に停止させられ、
更に、ステップS17、18において前方側シャッタ装
置Sが閉じられる。図12のt8 時点はこの状態を示し
ている。なお、基板62の搬出に要する時間すなわち前
方側シャッタ装置Sが開けられてから再び閉じられるま
での時間は、搬入時と同様に例えば30秒程度である。
【0050】ステップS18に続くステップS19にお
いては、制御装置168内に備えられている図示しない
タイマがリセットされ、作動させられる。そして、気体
供給工程に対応するステップS20において、加熱室R
内に基板62が存在しない状態で、電磁弁208が開け
られることにより、その加熱室R内に後方側(搬送方向
上流側)からその設定温度KTよりも低い温度の気体で
ある冷却用空気が前記給気管180によって供給され、
前方側から排気管182によって排出される。この給排
気は、例えば数秒乃至十数秒程度の所定時間継続され
る。これにより、基板62が搬出されて空になった加熱
室R内の温度が設定温度よりも低下する傾向にされてヒ
ータHの出力すなわち温度制御量が高められる。そのた
め、時刻t 9 においてステップS21で所定時間経過し
たことが判断されて、ステップS22で給排気が停止さ
せられた後は、一旦低下傾向とされた加熱室R内の温度
が、フィードバック制御により良好な均熱状態を保ちつ
つ再び所定の設定温度で制御される。そして、ステップ
S1に戻って、そのフィードバック制御が実施され或い
は所定の設定温度に維持されている状態で、後方側駆動
区分からの基板62の搬出準備完了まで待機させられ
る。図12のt10時点は、その待機が終了すなわち一連
のステップが一旦終了した後、更にステップS1の判断
が肯定された状態を示している。すなわち、本実施例に
おいては、加熱室Rからの基板62の搬出とその加熱室
Rへの基板62の搬入とが時間差を設けて行われるた
め、加熱室Rは1枚の基板62を熱処理する毎に一旦空
室状態にされることとなる。このため、基板62が搬出
されてから時刻t10において後方側シャッタ装置Sが開
けられるまでの間、加熱室R内が空室となった状態、す
なわち基板62が初めて搬入される前と同様な条件下
で、ヒータHが所定の出力値に保たれた温度制御状態が
実現されることとなり、そのような空室状態で温度制御
が開始された一定の温度制御状態下で次の基板62が加
熱室R内に搬入される。したがって、本実施例において
は、給排気が停止されるステップS22乃至続くサイク
ルのステップS1が、一旦低下傾向とされた加熱室R内
の温度を所定の設定温度KTと一致するように制御する
温度制御工程に対応するが、実際には、その温度制御は
基板62が間歇的に搬送されつつ熱処理される間定常的
に実施されている。また、前方側シャッタ装置Sが閉じ
られてから後方側シャッタ装置Sが開けられるまでの時
間(t 8 〜t10)が、加熱室R内の温度制御状態を安定
させる安定期間に対応し、その時間は例えば30秒程度で
ある。すなわち、温度制御が安定した状態で次の基板6
2を速やかに送り込むため、安定期間は均熱期間よりも
十分に短くされていることから、図8および図12に示
されるように、各加熱室Rにおける熱処理サイクルは相
互に時間的にずれて実行される。また、後方側シャッタ
装置Sが開けられてから再びその後方側シャッタ装置S
が開けられるまでの間が各加熱室Rの1サイクルであ
り、この時間は予熱ゾーン126への基板62の搬入間
隔(t0 〜t 1 、t1 〜t2 )に等しい長さ、すなわち
300 秒程度である。
【0051】因みに、加熱室R内で均熱処理された基板
62がその加熱室Rから搬出されると、シャッタ装置S
の開閉に伴って加熱室R内の温度分布が僅かに乱れるこ
とが予想される。このため、そのまま次の基板62を加
熱室R内に搬入すると、その温度分布が僅かに乱れた状
態で熱処理が開始されることとなるが、このような僅か
な温度分布の乱れをフィードバック制御によって除去す
ることは困難である。したがって、基板62は、加熱室
R内の温度分布が乱れた状態が維持されたまま熱処理さ
れて、基板62内に温度ばらつきが生じた状態で徐冷工
程が施されることとなり得る。また、加熱室Rは基板6
2の均熱処理中に所定の設定温度で室内が均熱されてい
ると共に、その加熱室R内に搬入される基板62は、そ
れまでその加熱室Rの設定温度よりも高温で保持されて
いることから、均熱処理した基板62を搬出した後、直
ちに次の基板62を搬入することを繰り返すと、基板6
2の持ち込む熱が蓄積されて、加熱室R内のヒータHの
出力が次第に低下することが予想される。そのため、加
熱室R内の温度制御が不安定となり、或いはヒータHが
全てオフとなって基板62が自然放冷される状態が長時
間に亘ることとなり得ることから、基板62内の部位毎
の熱放散し易さの相違に基づく温度ばらつきが生じ易く
なると共に、各加熱室R内での均熱処理時間を長時間必
要とすることとなる。したがって、これらの不都合を抑
制するため、上述のように基板62の搬出後に加熱室R
内に冷却用空気を供給してその温度を一旦低下傾向にさ
せることにより、空室における温度制御状態で次の基板
62を搬入させるのである。これによって、順次搬送さ
れる複数の基板62は、常に同一の温度制御状態が実現
された加熱室R内に搬入されることとなる。
【0052】このようにして各加熱室Rで相互に△KT
ずつ異なる第1均熱温度KT1 、第2均熱温度KT2
〜第6均熱温度KT6 で順次均熱処理されつつ搬送され
ることにより、基板62は、図9の徐冷工程に示される
温度カーブに従って段階的に降温させられる。したがっ
て、本実施例においては、各加熱室R内で順次均熱処理
する工程が均熱工程に相当し、基板62の歪に密接に関
連する冷却工程の当初の所定期間、すなわちその基板6
2に含まれるガラス素材の歪或いは溶融状態を均一にす
るために大きく影響する所定期間では、基板62が所定
値△KTだけ順次低く設定されている加熱室R1
2 、〜R6 に順に搬入されてその中で均熱される。そ
して、加熱室R6 内での均熱処理が終了すると、その加
熱室R6 においてステップS12以下が実行されること
により、基板62が冷却ゾーン132に搬出される。す
なわち、ステップS12、S13において前方側シャッ
タ装置Sに相当するシャッタ装置S7 が開けられると、
ステップS14においてモータ158fが正転駆動され
ると共にモータ164が駆動されることにより、第2搬
送装置120fすなわち駆動区分131fと第3搬送装
置122の駆動区分133aとが同期して駆動され、基
板62が加熱室R6 から搬出されて冷却ゾーン132内
に搬入されるのである。図8および図9のt14時点はこ
の状態を示している。その後、第3搬送装置122のモ
ータ164が停止させられて基板62が冷却ゾーン13
2内を第1の搬送速度で搬送されてその右端部から搬出
され、その過程で図9に示されるように昇温速度と略同
様な降温速度で急速に冷却される。図8のt15時点はこ
の状態を示している。この冷却過程に要する時間は、例
えば700 秒程度であり、基板62が予熱ゾーン126に
搬入されてから冷却が終了するまでの時間(t0
15)は、例えば3500秒程度(1時間程度)である。な
お、前述のように、基板62は例えば300 秒程度の所定
の時間間隔で予熱ゾーン126に順次搬入されているこ
とから、図8から明らかなように、搬入時と等しい300
秒程度の所定時間間隔で順次冷却ゾーン132から搬出
されていくこととなる。
【0053】上述のように、本実施例によれば、膜形成
素材を含む複数の基板62は、熱処理の冷却過程におい
て、均熱工程において前記一方向に沿って段階的に低く
なるように室毎に設定された設定温度KT1 、KT2
〜KT6 でそれぞれ所定時間(t4 〜t5 )均熱された
後、搬出工程において加熱室Rから低い設定温度の加熱
室Rへ順次送り出されるが、気体供給工程においてそれ
ら複数の基板62のうちの所定の基板62が送り出され
た所定の加熱室R内にその設定温度KTよりも低い温度
の気体(冷却用空気)が供給され、その後、搬入工程に
おいて上記所定の基板62に続く他の基板62がその所
定の加熱室R内に送り込まれる。このように、一方向に
沿って段階的に低くなるように室毎に設定された設定温
度KTにそれぞれ維持された加熱室R内で均熱を繰り返
しながら熱処理の冷却過程が行われることから、膜形成
素材を含む基板62内の温度のばらつきが可及的に小さ
くされる。このとき、基板62が送り出された加熱室R
には、室内に基板62が存在しない状態で設定温度KT
よりも低温の冷却用空気が供給されるため、その加熱室
Rに設けられているヒータHの出力が基板62の均熱中
よりも高められた状態で安定させられ、その後、次の基
板62が送り込まれる。これにより、各々の加熱室R内
では一定の空室での温度制御状態下で複数の基板62の
各々の熱処理が開始されるため、加熱室R毎の設定温度
よりも高温の複数の基板62を順次熱処理することによ
って温度制御が不安定になることが抑制されて、加熱室
R内に送り込まれた基板62が放冷状態となる時間が十
分に短くされ、基板62内の温度のばらつきが一層小さ
くされる。そのため、基板62がガラス製である場合に
あっては、基板62内の寸法の局部的変化やそれに起因
する厚膜印刷等の位置ずれが防止されて製造歩留まりが
飛躍的に高められる。特に、基板62がソーダライムガ
ラスである場合には、その歪点以上の温度まで昇温させ
られることから、その効果が顕著となる。また、上記の
ように膜形成素材を含む基板62内の温度のばらつきが
可及的に小さくされることから、基板62の表面に多数
の厚膜抵抗体やリブ状壁が設けられる場合にあっては、
それら厚膜印刷層内で結合材として機能するガラスの溶
解の程度が一様となって、それら厚膜抵抗体の抵抗値の
ばらつきやリブ状壁の高さのばらつきが好適に小さくさ
れる。
【0054】また、本実施例によれば、大型の電子デバ
イス用基板を製造するにあたり、基板62として安価な
ソーダライムガラスを用いることが可能となることか
ら、高歪点のガラス板を用いる場合に比較して、大幅に
安価となると同時に、硬度差による取扱時のガラスの欠
け、焼成時の厚膜層との熱膨張率差からくるガラスの割
れが発生し難い利点がある。
【0055】また、本実施例によれば、熱処理を終えた
基板62が所定の加熱室Rから送り出された後に、その
所定の加熱室R内が空室の状態で前記室毎の設定温度K
Tに維持されるようにヒータHの出力が高められて、基
板62の熱処理が開始される当初の状態に制御され、そ
の後、前記他の基板62が送り込まれることから、後に
処理される基板62に対する先に処理された基板62に
よる熱的な影響が抑制される。そのため、寸法や熱容量
等の異なる基板62が連続して処理される場合や、基板
62が断続的に搬送されて熱処理される場合にも、搬送
条件を考慮することなく熱処理することが可能であるこ
とから、焼成装置116の制御が容易となる。
【0056】また、本実施例によれば、膜形成素材を含
む基板62が第2搬送装置120によって間歇的に一方
向に搬送される過程で、複数の加熱室Rにおいて熱処理
が施されることから、膜形成素材を含む基板62が連続
的に搬送されることにより連続的なヒートカーブが形成
される従来の焼成装置によって膜形成素材を含む基板6
2内の温度差を極めて小さくしようとする場合に比較し
て、全長が短縮されて装置が小型となる。
【0057】また、本実施例によれば、加熱室R内に給
気管184によって冷却用空気を供給することによりそ
の加熱室R内の温度が低下させられる。そのため、供給
される冷却用空気によって加熱室R内の温度が速やかに
低下させられることから、加熱室Rを自然放冷する場合
に比較して冷却に必要な時間を短くできるため、基板6
2の処理効率が高められる。すなわち、加熱室R内にそ
の設定温度KTよりも低い温度の気体を供給する気体供
給工程は、自然放冷、すなわち単に排気管182から加
熱室R内の高温の空気を排出することにより、その排出
の際の熱の対流に伴って低温の気体が供給されるもので
もよいが、実施例のように積極的に冷却用空気を供給す
れば、自然放冷の場合よりも処理効率が高められるので
ある。
【0058】また、本実施例においては、気体供給工程
において加熱室R内のヒータHの出力すなわち温度制御
量が高められた後、速やかに他の基板62がその加熱室
R内に送り込まれる。そのため、気体供給工程を実施す
るために加熱室R内が空室とされる時間が可及的に短く
なるため、基板62の処理効率が一層高められる。な
お、基板62の均熱処理中に気体供給工程を実施する
と、その気体の流れによって却って温度ばらつきが生じ
ることから、基板62が送り出されて空室となった状態
で冷却用空気を供給することが望ましいのである。
【0059】また、本実施例によれば、第1搬送装置1
18、第2搬送装置120、第3搬送装置122から構
成される搬送装置は、トンネル状の炉体124内におい
て長手方向と軸心方向が垂直を成すように相互に平行に
設けられて基板62を支持し、その基板62を一方向へ
搬送するためにその軸心回りにそれぞれ回転駆動される
複数本のローラ166を、更に含むものである。このよ
うにすれば、基板62は、軸心回りに回転駆動される複
数本のローラ166によって支持され且つ一方向へ搬送
されるが、このようにローラ166で搬送する場合には
搬送装置を加熱室R毎に制御することにより、前述のよ
うに送り出しおよび送り込みが独立に行われるため、送
り出しおよび送り込みを全加熱室Rで同時に行う場合に
比較して加熱室R内で基板62の熱処理が行われていな
い時間を可及的に短くできて、基板62の処理効率が高
められる。しかも、メッシュベルト等によって搬送する
場合に比較して、塵埃の発生原因となるベルトの摺動が
ないことから炉体124内の清浄度が高められて、基板
62を均一に熱処理する過程において形成される膜の機
能が発生した塵埃によって損なわれることが抑制され
る。
【0060】また、本実施例においては、給気装置を構
成する給気管180は、複数の加熱室Rの各々において
基板62の搬送方向上流側端部に設けられている。その
ため、冷却用空気が高温側である搬送方向上流側端部か
ら低温側である搬送方向下流側に向かって流されること
から、加熱室R内での温度勾配の発生が一層抑制され
て、基板62内の温度のばらつきが一層抑制される。
【0061】また、本実施例においては、搬送装置に設
けられた複数本のローラ166はアルミナセラミックス
から成るものである。そのため、基板62と接触させら
れるローラ166がセラミックスから構成されることか
ら、炉体124内でローラ166が加熱されることによ
って変質させられ或いは錆びさせられて塵埃等を発生さ
せることが抑制されるため、炉体124内の清浄度が一
層高められる。
【0062】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0063】例えば、前述の実施例においては、1枚の
基板62を均熱処理する毎に加熱室Rを一旦空室状態に
するために、加熱室Rからの基板62の搬出および搬入
が時間差を設けて行われていたが、例えば、基板62が
加熱室Rの一室置きに収容されるように搬送する場合に
は、各加熱室Rにおける搬出および搬入は同時に行われ
てもよい。その場合には、第2搬送装置120は、第1
搬送装置118や第3搬送装置122と同様にラインシ
ャフト138およびマイタギア140で連結して1つの
モータで駆動するようにしても差し支えない。
【0064】また、実施例においては、加熱室冷却工程
において加熱室R内に冷却用空気が供給されていたが、
自然放冷しても十分に短時間でヒータHの出力が高めら
れる場合には、冷却用空気の供給は行われなくともよ
い。
【0065】また、実施例においては、加熱室R内での
均熱処理中に基板62が搬送方向に往復移動させられて
いたが、加熱室R内は十分に均熱性が高められているこ
とから、この往復移動は必ずしも実施されなくともよ
い。
【0066】また、実施例においては、第1搬送装置1
18および第3搬送装置122は、モータ134或いは
162の回転をラインシャフト138およびマイタギア
140で伝達すると共に、搬送速度を第2搬送装置12
0に一致させることが望まれる駆動区分129bおよび
133aにモータ150或いは164およびワンウェイ
カップリング148等を備えて、それら駆動区分129
bおよび133aの搬送速度が変化させられるように構
成されていたが、例えば、それら駆動区分129bおよ
び133aを第2搬送装置120と同様にそれぞれ回転
速度可変のモータを備えて独立に駆動してもよい。ま
た、第1搬送装置118および第3搬送装置122の各
駆動区分も全て独立に駆動するようにしても差し支えな
い。
【0067】また、実施例において開閉作動させられて
いたシャッタ装置Sは、ローラ166の上面から基板6
2の厚みより僅かに大きい距離だけ隔てた位置固定の部
材であってもよい。要するに、各加熱室間が独立して温
度制御を行うことを可能とするものであればよい。
【0068】また、前述の実施例では、基板62を構成
するガラス或いはその上に印刷された厚膜に含まれるガ
ラスの転移点或いは歪点を基板62内が均一な温度状態
を保ちつつ通過するように、また、基板62に含まれる
膜形成材料が金属或いは無機材料の溶融、焼結により固
着される場合には、その膜形成材料の溶融点或いは焼結
点を基板62内が均一な温度状態を保ちつつ通過するよ
うに、前記第1の設定温度KT1 或いは第2の設定温度
KT2 は、上記基板62に含まれるガラス素材の転移点
或いは歪点の近傍の値に設定され、或いは上記基板62
上の膜形成材料に含まれる金属或いは無機材料の溶融点
或いは焼結点の近傍の値に設定される。
【0069】また、実施例において、炉体124、シャ
ッタ装置Sがβ−スポジュメン質結晶化ガラスから構成
され、ローラ166はアルミナセラミックスから構成さ
れていたがこれらは他のセラミックスから構成されても
よい。例えば、炉体124等はアルミナセラミックスや
ムライト等から構成されてもよく、ローラ166はムラ
イトやスポジュメン等から構成されてもよい。また、実
施例の連続型焼成装置116のように、ローラ166を
用いたローラハースキルンにおいては、摺動部分を炉体
124内に設ける必要がないことから、各部の素材を耐
熱性の高い例えばSUS310等の金属から構成しても
よい。
【0070】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の連続型焼成装置の全体構成
を説明する図である。
【図2】図1の実施例の炉体の長手方向に沿った断面を
一部省略して示す図である。
【図3】(a) 〜(e) は、図2におけるa−a乃至e−e
視断面にそれぞれ相当する図である。
【図4】図1の実施例の搬送装置を説明する図である。
【図5】図1の実施例の複数のヒータ配置を説明する図
である。
【図6】(a) 、(b) は図1の実施例の給気管および排気
管をそれぞれ示す図である。
【図7】図1の実施例の制御回路を説明するブロック線
図である。
【図8】図1の実施例の基板の搬送位置を示すタイムチ
ャートである。
【図9】図1の実施例の各ゾーンの設定温度すなわち基
板の焼成温度曲線を示す図である。
【図10】従来の焼成装置における基板の局所的な寸法
変形を説明する図である。
【図11】図1の実施例の演算制御回路の作動を説明す
るフローチャートである。
【図12】図8のタイムチャートの要部を詳しく説明す
る図である。
【図13】図1の実施例において加熱室内での均熱処理
中の基板の往復移動を説明する図である。
【符号の説明】
116:連続型焼成装置 {118:第1搬送装置、120:第2搬送装置、12
2:第3搬送装置}(搬送装置) H:ヒータ R1 、R2 、〜R6 :複数の加熱室 166:ローラ 168:制御装置(温度制御装置、給気制御装置){1
80:給気管、184:給気用配管、185:送気管、
208:電磁弁}(給気装置)
フロントページの続き (72)発明者 森 洋行 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 市原 広信 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 佐藤 羊治 愛知県名古屋市西区則武新町三丁目1番 36号 株式会社ノリタケカンパニーリミ テド内 (72)発明者 阪本 進 福岡県朝倉郡夜須町大字三並字八ツ並 2160番地九州ノリタケ株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−67541(JP,A) 特開 平1−252886(JP,A) 特開 平9−175871(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 17/00 - 17/44 F27B 9/00 - 9/40 C04B 35/64

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膜形成素材を含む複数の基板を一方向に
    順次搬送する過程で該複数の基板の各々に均一に熱処理
    を施すための焼成方法であって、該熱処理の冷却過程に
    おいて、 前記一方向に沿って段階的に低くなるように室毎に設定
    された設定温度と一致するように予め温度制御された複
    数の加熱室内の各々で前記複数の基板の各々を所定時間
    収容することにより、該複数の基板の各々を該室毎の設
    定温度で均熱させる均熱工程と、 該複数の加熱室内の各々で熱処理された前記複数の基板
    の各々を該複数の加熱室の各々から該加熱室よりも低い
    設定温度の加熱室へ順次送り出す搬出工程と、 前記複数の基板のうちの所定の基板が送り出された前記
    複数の加熱室のうちの所定の加熱室内に、該加熱室の設
    定温度よりも低い温度の気体を供給する気体供給工程
    と、 該気体供給工程の後に、前記所定の加熱室内に前記複数
    の基板のうちの前記所定の基板に続く他の基板を送り込
    む搬入工程とを、含むことを特徴とする膜形成素材を含
    む基板の焼成方法。
  2. 【請求項2】 膜形成素材を含む複数の基板を一方向に
    順次搬送する過程で該複数の基板の各々に均一に熱処理
    を施すための焼成装置であって、 トンネル状の加熱領域内の長手方向の一部においてシャ
    ッタ装置により熱的に分割された状態で設けられ、加熱
    ヒータにより独立に温度を制御される複数の加熱室と、 前記加熱ヒータを制御して前記複数の加熱室の各々の温
    度を、前記一方向に沿って段階的に低くなるように設定
    された室毎の設定温度と一致するように均一に制御する
    温度制御装置と、 前記複数の基板を前記トンネル状の加熱領域内において
    一方向へ順次搬送する過程で、該複数の基板の各々を前
    記複数の加熱室内の各々に送り込んで該複数の加熱室内
    の各々で所定時間の熱処理を施し、該複数の加熱室内の
    各々での熱処理を終えた基板を該複数の加熱室内の各々
    から送り出す搬送装置と、 前記複数の加熱室内の各々に設けられ、該加熱室の設定
    温度よりも低い温度の気体を供給するための給気装置
    と、 前記複数の加熱室の各々において、前記搬送装置によっ
    て前記複数の基板の各々が送り出されて室内に該基板が
    位置しない状態で前記給気装置から前記気体を供給させ
    る給気制御装置とを、含むことを特徴とする膜形成素材
    を含む基板の焼成装置。
  3. 【請求項3】 前記搬送装置は、前記トンネル状の加熱
    領域内において長手方向と軸心方向が垂直を成すように
    相互に平行に設けられて前記基板を支持し、該基板を前
    記一方向へ搬送するために該軸心回りにそれぞれ回転駆
    動される複数本のローラを、更に含むものである請求項
    2の膜形成素材を含む基板の焼成装置。
  4. 【請求項4】 前記給気装置は、前記複数の加熱室の各
    々において該加熱室の設定温度よりも低い気体を供給す
    るために、前記基板の搬送方向上流側端部に設けられた
    給気管を含むものである請求項2の膜形成素材を含む基
    板の焼成装置。
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