JP3155562B2 - 抗 体 - Google Patents
抗 体Info
- Publication number
- JP3155562B2 JP3155562B2 JP16344391A JP16344391A JP3155562B2 JP 3155562 B2 JP3155562 B2 JP 3155562B2 JP 16344391 A JP16344391 A JP 16344391A JP 16344391 A JP16344391 A JP 16344391A JP 3155562 B2 JP3155562 B2 JP 3155562B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- antibody
- peptide
- antigen
- cancer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
ているp53遺伝子の産物(p53蛋白)に対する抗体
に関する。本発明の抗体は癌の診断薬として使用でき
る。
あり本来Simian virus 40T抗原と会合する蛋白として発
見され、その後分子量58kdのアデノウイルスE1B蛋
白、熱ショック蛋白HSP70と結合することが明らか
になった。このp53蛋白はヒトの腫瘍では40%の乳
癌、30%の大腸癌組織で発現異常が見られた。これら
の腫瘍組織中、癌細胞株中におけるp53蛋白の蓄積は
SV40Large T 抗原、E1B58kd蛋白との会合又は
p53遺伝子及び蛋白の変異によってもたらされると考
えらている。また、最新の知見ではp53蛋白は正常細
胞においては細胞増殖を負に制御することが示唆されて
おり、p53蛋白の不活性化あるいは変異が細胞の腫瘍
化をもたらすことが報告されている。従って、このp5
3遺伝子産物に対する抗体は癌の診断薬として使用でき
る。
は、癌の診断薬として利用することができる、p53遺
伝子産物に対する抗体を提供することである。
結果、p53蛋白中の特定のアミノ酸配列から成るペプ
タイドが高い抗原性を有し、かつ、該抗原に対する抗体
は癌組織中のp53蛋白と特異的に結合することを見出
し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、下記のア
ミノ酸配列を有するペプタイド(以下、単に抗原ペプタ
イドと言うことがある)を抗原として得られる抗体を提
供する。 Cys-Phe-Thr-Glu-Asp-Pro-Gly-Pro-Asp-Glu-Ala-Pro-Ar
g-Met-Pro-Glu-Ala
タイドを対応抗原として得られるものである。抗原ペプ
タイドのアミノ酸配列はヒトp53蛋白の54番目から
69番目のアミノ酸配列に相当し、キャリアー蛋白を結
合するためにシスティンをアミノ末端に加えたアミノ酸
配列である(Molecular and Cellular Biology、 July19
85、 p.1601-1610) 。
べる。まず、上記抗原ペプタイドを調製する。これは、
市販の自動ペプタイド合成装置を用いて容易に行なうこ
とができる。
ーと結合させる。キャリヤーとしては、従来より公知の
種々のキャリヤー蛋白、例えば、キーホールリンペット
ヘモシアニン、アルブミン、サイログロブリン等を使用
することができる。キャリヤー蛋白と抗原ペプタイドと
の結合は、従来より公知の方法、例えばサイシニイミド
を用いる方法等を用いることができる。
タイドで、動物を免疫する。免疫する動物としては、マ
ウス、ウサギ、ラット、ヒツジ等を使用することがで
き、免疫の方法は常法により行なうことができる。
を得る。得られた抗血清より本発明の抗体を得る方法
は、従来知られているいずれの方法でも構わない。例え
ば、p53遺伝子産物が多量に蓄積しているヒト胃癌細
胞株MKN−1を可溶化し、ウエスタンブロッテングで
蛋白をニトロセルロースに転写し、採取した抗血清で蛋
白のバンドを検出し、この検出された蛋白の分子量が53
000 ダルトンであるか否かで判定することができる。
ンパ球とミエローマ細胞とを融合させ、本発明の抗体を
特異的に産生するハイブリドーマを選択し、これからモ
ノクローナル抗体として本発明の抗体を得ることもでき
る。なお、上記方法に従った下記実施例において得られ
た免疫グロブリンは下記のような性質を有するものであ
った。 (1) 免疫グロブリンの種類:IgG (2) 分子量 :150×103 (3) 抗原ペプタイド及びp53蛋白と特異的に反応す
る。
織中に蓄積されるp53蛋白と特異的に反応する抗体が
提供された。本発明の抗体は、癌組織の癌細胞の核のみ
を染色することができ、癌の診断に有効なものである。
また、p53遺伝子産物を高発現している癌患者の血液
中にp53に対する自己抗体の出現が報告されており、
p53蛋白そのものが血中に流出していることは明らか
である。従って、本発明の抗体は、癌患者血清中のp5
3蛋白を測定し、又はp53に対する自己抗体価を測定
することによる癌診断に使用できる。
るが、本発明の実施例はこれらに限られるものではな
い。実施例1 (1) 抗原蛋白の調製 抗原ペプタイドの合成をベックマン社の9013自動ペ
プタイド合成装置を用いて固相法により行なった後、高
速液体クロマトグラフィーにより精製した。得られたペ
プタイドのペプタイド構成は1規定の塩酸で120℃で
一晩加水分解してアミノ酸分析機を用いて測定し、理論
値と一致することを確認した。このペプタイドにキャリ
ヤー蛋白を以下のように結合した。すなわち、抗原ペプ
タイド10mgと牛サイログログリン3mgを1mlの蒸留水
に溶解し、30mgの1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド塩酸を加えて遮光し室温
で一晩反応させた後、蒸留水で十分に透析した。抗原ペ
プタイドとキャリヤー蛋白とが結合したか否かはSDS
電気泳動により確認した。
μg のペプタイドに相当)をフロインドの完全アジュバ
ンドと共にウサギの背部に注射した。以後毎週100μ
g のペプタイド相当の抗原蛋白をフロインド不完全アジ
ュバンドに混合して同様に合計8回免疫した。最終免疫
後10日目に全採血を行ない抗血清を分離した。この抗
血清をプロテインAを用いたアフィニティクロマトグラ
フィー法によりIgG分画を単離した。すなわち、プロ
テインAセファロースCL4B(ファルマシア社製)2
mlをカラムに充填し、10mlの3M NaCl添加1.5Mグリ
シン溶液(pH8.7 )(結合緩衝液)で平衡化した。血清
を同量の結合緩衝液で希釈してカラムに流してプロテイ
ンAにIgGを結合させた後、30mlの結合緩衝液でカ
ラムを洗った。次に、0.1Mグリシン塩酸(pH3.0) で溶出
させIgG分画を得た。この精製抗体の純度はSDS電
気泳動によって検定した。
1をリン酸緩衝液でよく洗い、RIPA緩衝液(1%N
P40、0.1%デオキシコール酸ナトリウム塩、0.15M Na
Cl、 1mMフェニルエチルスルフォニールフルオライド、
50mMトリス塩酸(pH7.4))に4℃で20分間懸濁して
溶解した。この溶解液を120、000gで30分間遠心し、得
られた上清をライセートとした。ライセートをLaemmli
の方法に従い12%SDSポリアクリルアミドゲルにて
電気泳動した後、テフコ社製のウエスタンブロット装置
で全蛋白をニトロセルロースメンブランに電気的に転写
した。このメンブランを3%牛血清アルブミンを含むリ
ン酸緩衝液に室温で一晩浸した後、メンブランを0.05%
Tween20 を含むリン酸緩衝液(TPBS)で洗浄し、抗
p53遺伝子産物抗体を反応させた。同様にメンブラン
を洗浄し、山羊ビオチン結合ウサギIgG(H+L)抗
体(ベクター社製)をインキュベートした。発色はベク
ター社のストレプトアビジンビオチンペルオキシダーゼ
キットを用い、4−クロロナフトールを基質として行な
った。検出された蛋白の分子量は53kdであり、これは
p53遺伝子産物の分子量と一致する。また、抗p53
遺伝子抗体を抗原ペプタイドで吸収した後に同様なウエ
スタンブロットを行なうと、この53kdのバンドは検出
されず、本抗体が特異的に認識している蛋白であること
が証明された。
色 ヒト胃癌組織のアセトン固定パラフィン切片又は凍結切
片を作製し、抗p53遺伝子抗体を4℃で一晩反応させ
た。リン酸緩衝液でガラスプレートを洗浄し、山羊ビオ
チン結合ウサギIgG(H+L)抗体(ベクター社製)
を室温で1時間反応させた後、リン酸緩衝液でプレート
を洗浄しベクター社のストレプトアビジンビオチンペル
オキシダーゼキットを用いて3、3’−ジアミノベンチ
ジン4塩酸を基質として発色を行なった。その結果、癌
細胞の核のみが染まり、正常細胞の核は染まらなかっ
た。また、さらにプロティンAセファロースCL4B
(ファルマシア社製)を充填したカラムクロマトグラフ
ィー法により精製した本抗体をファルマシア社のビオチ
ン化キットを用いてビオチン化して染色しても同様の結
果を得た。なお、精製抗体の蛍光標識は、精製抗体を0.
1M炭酸水素ナトリウム(pH9.5 )で1mg/ml に調製しフ
ルオロセインイソチアネート1mg/ml と混合し37℃で
30分反応させた後、脱塩カラムPD−10(ファルマ
シア社製)に通して回収した。本発明の抗体は癌組織の
染色において有用であることが明らかになった。
希釈して50μl ずつイムノプレート(ヌンク社製)に
まき4℃で一晩放置した。TPBSで洗浄後、5%正常
ウサギ血清を含むリン酸緩衝液で37℃で2時間インキ
ュベートしてブロッキングを行なった。同様にTPBS
で洗浄後、1μg/mlの抗原ペプタイドを連続希釈して5
0μl をウエルに加えて蛋白定量のための標準液とし
た。一方、RIPA緩衝液で可溶化したヒト神経芽細胞
Jones 1×106 個を測定試料として別のウエルに入れ
37℃で1時間反応させた。プレートを洗浄後、0.1 μ
g/ml濃度のビオチン結合抗p53遺伝子産物抗体を37
℃で1時間反応させてさらに洗浄した。発色はベクター
社のストレプトアビジンビオチンペルオキシダーゼキッ
トを用いO−フェニレンジアミン2塩酸塩を基質として
行なった。1Nの硫酸で反応を停止させて490nmの吸
収をバイオラッド社のマイクロプレートリーダーモデル
3560で測定した。その結果、段階希釈した抗原ペプタイ
ドの標準曲線が得られ、p53蛋白は394アミノ酸で
あり、抗原ペプタイドは17アミノ酸であることからp
53の蛋白量が推定された(図1)。この方法により試
料の細胞株中のp53蛋白量が計算できた。
標準曲線を示す図。
Claims (1)
- 【請求項1】 下記のアミノ酸配列を有するペプタイド
を抗原として得られる抗体。 Cys-Phe-Thr-Glu-Asp-Pro-Gly-Pro-Asp-Glu-Ala-Pro-Ar
g-Met-Pro-Glu-Ala
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16344391A JP3155562B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | 抗 体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16344391A JP3155562B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | 抗 体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05213994A JPH05213994A (ja) | 1993-08-24 |
JP3155562B2 true JP3155562B2 (ja) | 2001-04-09 |
Family
ID=15773990
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16344391A Expired - Fee Related JP3155562B2 (ja) | 1991-06-10 | 1991-06-10 | 抗 体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3155562B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2698367B1 (fr) * | 1992-11-02 | 1995-02-17 | Eurobio Lab | Fragments de la protéine p53 et leurs utilisations dans la détection et le suivi d'états pathologiques. |
-
1991
- 1991-06-10 JP JP16344391A patent/JP3155562B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Eur.J.Biochem.,Vol.159,No.3(1986)p.529−534 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05213994A (ja) | 1993-08-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU594651B2 (en) | Immunoassays for protein analytes, particularly HB A1c, involving sample denaturation | |
CA1265649A (en) | Peptide antibodies and their use in detecting oncogene products | |
CA1257540A (en) | Peptide antibodies and their use in detecting oncogene products | |
AU600439B2 (en) | Ras oncogene peptides and antibodies | |
HU215555B (hu) | Eljárás variánsok koncentrációjának meghatározására, valamint az eljárásban használható analitikai vizsgálati készlet | |
CA2045552C (en) | Cancer related haptoglobin | |
JP4317325B2 (ja) | ヒトクロモグラニンA(CgA)のイムノアッセイ、このアッセイのために使用されるであろう抗体、試薬及びキット | |
JPH0780913B2 (ja) | 完全無傷なプラコラーゲンペプチド(▲iii▼型)およびプロコラーゲン(▲iii▼型)の選択的な免疫学的測定法 | |
EP1271152A1 (en) | Method of examining cancer by assaying autoantibody against mdm2 and reagent therefor | |
EP0177814A2 (en) | Peptide antibodies and their use in detecting oncogene products | |
Abrass | Evaluation of sequential glomerular eluates from rats with Heymann nephritis. | |
JP3155562B2 (ja) | 抗 体 | |
US6187549B1 (en) | Protein as a diagnostic of cancer | |
JPH076982B2 (ja) | 抗 体 | |
Zak et al. | Study of ventricular isomyosins during normal and thyroid hormone induced cardiac growth | |
JP3978226B2 (ja) | アルコール中毒患者を同定しアルコール消費を監視するためのイムノアッセイ | |
Zhang et al. | Purification, characterization, and cellular localization of the 100-kDa human placental GTPase-activating protein. | |
JP2001302699A (ja) | ヒトkgfrに対する抗体 | |
JPH09189702A (ja) | 抗ムチン抗体の測定法、癌の測定法及び癌診断薬 | |
JP2925479B2 (ja) | 肺小細胞癌検出薬及びその使用 | |
DeSilva et al. | Synthesis of bifunctional antibodies for immunoassays | |
JP2727477B2 (ja) | PTHrPのサンドイッチ法による免疫学的測定法 | |
JP2848705B2 (ja) | ヒト肺サーフアクタントアポ蛋白dに対するモノクローナル抗体およびその用途 | |
JPH11276167A (ja) | 新規なモノクローナル抗体及び癌遺伝子産物c−Skiタンパク質の免疫学的分析方法 | |
JP3419746B2 (ja) | エンドセリン−3前駆体に対するモノクローナル抗体およびその用途 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 7 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080202 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 8 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090202 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |