JPH11276167A - 新規なモノクローナル抗体及び癌遺伝子産物c−Skiタンパク質の免疫学的分析方法 - Google Patents

新規なモノクローナル抗体及び癌遺伝子産物c−Skiタンパク質の免疫学的分析方法

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JPH11276167A
JPH11276167A JP10104093A JP10409398A JPH11276167A JP H11276167 A JPH11276167 A JP H11276167A JP 10104093 A JP10104093 A JP 10104093A JP 10409398 A JP10409398 A JP 10409398A JP H11276167 A JPH11276167 A JP H11276167A
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protein
ski
snon
monoclonal antibody
antibody
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Isao Kono
功 河野
Kimiko Inuzuka
貴美子 犬塚
Shunsuke Ishii
俊輔 石井
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Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
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Iatron Laboratories Inc
Mitsubishi Kagaku Iatron Inc
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒトc−Skiタンパク質に特異的なモノク
ローナル抗体を提供し、特異性が高く、しかも再現性の
あるc−Skiタンパク質の免疫学的分析方法を提供す
る。 【解決手段】 本発明のモノクローナル抗体は、ヒトc
−Skiタンパク質と反応する。本発明の免疫学的分析
方法は、前記モノクローナル抗体を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトc−Skiタ
ンパク質に特異的に反応する新規モノクローナル抗体及
び抗体フラグメント、前記モノクローナル抗体を産生す
るハイブリドーマ、c−Skiタンパク質の免疫学的分
析方法、並びに癌化の検出法に関する。c−Skiタン
パク質は、細胞性癌遺伝子の1つであるc−ski遺伝
子の遺伝子産物である。本発明の前記モノクローナル抗
体又はその抗体フラグメントは、被検試料(例えば、生
体液)中の癌遺伝子産物であるc−Skiタンパク質の
免疫学的分析方法の試薬として有用である。また、本発
明の免疫学的分析方法を用いると、癌遺伝子産物である
c−Skiタンパク質が、動物細胞中で正常な状態から
逸脱して発現されることに伴う細胞の癌化を検出するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】c−Skiタンパク質は、細胞性癌遺伝
子の1つであるc−ski遺伝子の遺伝子産物であり、
ヒトc−Skiタンパク質は、アミノ酸728個からな
る約100kDaのリン酸化タンパク質であり、細胞の
核内に局在する[野村ら,Nucleic Acid
Research,第17巻,5489〜5500頁,
(1989年);長瀬ら,Nucleic Acid
Research,第18巻,337〜343頁,(1
990年)]。c−Skiタンパク質は、C末端側の約
1/5の領域に存在するα−ヘリックス構造を介して複
合体を形成して存在することが知られている。その複合
体としては、c−Skiタンパク質同士からなる2量体
[c−Skiタンパク質複合体(ホモダイマー)、以
下、単にホモダイマーと称することがある]、あるい
は、c−Skiタンパク質と、別の核内癌遺伝子産物で
あるSnoNタンパク質との2量体[c−Skiタンパ
ク質−SnoNタンパク質複合体(ヘテロダイマー)、
以下、単にヘテロダイマーと称することがある]があ
る。これら2種類の複合体のうち、ホモダイマーはDN
Aに結合しないが、ヘテロダイマーはDNAに結合する
ことができる。このことから、c−Skiタンパク質
は、細胞核内においてSnoNタンパク質と複合体を形
成することにより、他の遺伝子の転写調節領域に結合
し、転写を制御する転写調節因子であると考えられてい
る[長瀬ら,Journal of Biologic
al Chemistry,第268巻,13710〜
13716頁,(1993年);ハイマン(Heyma
n)ら,Journal of Biological
Chemistry,第269巻,26996〜27
003頁,(1994年)]。従って、細胞核内でのc
−Skiタンパク質の正常状態から逸脱した発現は、細
胞の恒常性を乱す原因となり、細胞の癌化につながるも
のと考えられる。既に、c−Skiタンパク質の過剰発
現により細胞の癌化が起こり得ることが報告されている
[コルメナレス(Colmenares)ら,Jour
nal ofVirology,第65巻,4929〜
4935頁,(1991年)]。
【0003】細胞が様々な活動(例えば、増殖又は分
化)を行う上で、細胞内における機能分子としてのタン
パク質の役割は非常に大きい。タンパク質が機能分子と
して働く際に、特定の存在様式をとることがある。酵素
が活性を発現するときに何らかの金属イオンを分子内に
結合する必要があることなどは良い例である。先に述べ
たように、c−Skiタンパク質は、別の核内癌遺伝子
産物であるSnoNタンパク質と複合体を形成すること
により、他の遺伝子の転写調節領域に結合し、転写を制
御する転写調節因子であると考えられている。すなわ
ち、c−Skiタンパク質が機能分子として働くために
は、SnoNタンパク質との複合体としての存在様式を
とる必要がある。従って、細胞の癌化を診断する上で、
c−Skiタンパク質複合体(ホモダイマー)の量を測
定するだけでなく、c−Skiタンパク質−SnoNタ
ンパク質複合体(ヘテロダイマー)の量を測定すること
が重要となる。このc−Skiタンパク質複合体(ホモ
ダイマー)及び/又はc−Skiタンパク質−SnoN
タンパク質複合体(ヘテロダイマー)の測定を行う際
に、c−Skiタンパク質に反応する抗体(特には、モ
ノクローナル抗体の場合)のエピトープは、c−Ski
タンパク質分子上に存在する複合体形成部位以外にある
ことが必要である。
【0004】従来、c−Skiタンパク質複合体(ホモ
ダイマー)及び/又はc−Skiタンパク質−SnoN
タンパク質複合体(ヘテロダイマー)の測定において、
c−Skiタンパク質で免役した動物から得られた抗血
清に含まれているポリクローナル抗体が用いられていた
ので、特異性が低く、再現性に欠けるという欠点があっ
た。このため、c−Skiタンパク質に特異的に反応す
るモノクローナル抗体、しかもc−Skiタンパク質複
合体(ホモダイマー)及び/又はc−Skiタンパク質
−SnoNタンパク質複合体(ヘテロダイマー)の量を
測定することができるモノクローナル抗体の確立が望ま
れていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
技術における前記欠点を解消し、c−Skiタンパク質
に特異的なモノクローナル抗体を提供し、特異性が高
く、しかも再現性のあるc−Skiタンパク質の免疫学
的分析方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
よる、ヒトc−Skiタンパク質と反応することを特徴
とする、モノクローナル抗体又はその抗体フラグメント
によって達成することができる。また、本発明は、前記
のモノクローナル抗体又は抗体フラグメント1種以上を
用いることを特徴とする、c−Skiタンパク質の免疫
学的分析方法に関する。更には、本発明は、c−Ski
タンパク質を分析することを特徴とする、癌化の検出法
に関する。
【0007】本明細書において、「c−Skiタンパク
質」とは、細胞性癌遺伝子の1つであるc−ski遺伝
子の遺伝子産物を意味し、特に断らない限り、ヒトc−
Skiタンパク質を意味するものとする。c−ski遺
伝子は、種々の動物、例えば、哺乳動物、又は鳥類など
に存在し、その遺伝子にコードされるc−Skiタンパ
ク質の分子量は、約60,000〜100,000であ
る。例えば、ヒトc−ski遺伝子の塩基配列は、野村
ら[Nucleic Acid Research,第
17巻,5489〜5500頁,(1989年)]に開
示されており、ヒトc−Skiタンパク質は、アミノ酸
残基728個からなり、分子量は約100,000であ
る。また、ニワトリc−ski遺伝子の塩基配列は、ス
トラーブ(Sutrave)ら[Mol.Cell.B
iol.,第9巻,4046〜4051頁,(1989
年)]に開示されており、ニワトリc−Skiタンパク
質は、アミノ酸残基750個からなり、分子量は約9
0,000である。なお、本明細書においては、前記ヒ
トc−Skiタンパク質を「全ヒトc−Skiタンパク
質」と称することがあり、ヒトc−Skiタンパク質か
ら特定の領域を欠失させた各種c−Skiタンパク質変
異体と区別することがある。
【0008】また、本明細書において、「c−Skiタ
ンパク質」とは、特に断らない限り、その「c−Ski
タンパク質」がダイマーを形成しているか否かとは無関
係に、1つの単体としての「c−Skiタンパク質」を
意味する。従って、例えば、前記のホモダイマー又はヘ
テロダイマーを構成する2つの成分の内の一方である
「c−Skiタンパク質」、あるいは、前記ダイマーを
構成していないモノマーとしての「c−Skiタンパク
質」などを意味する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のモノクローナル抗体は、
ヒトc−Skiタンパク質(分子量=約100,00
0)と反応する。本発明の好ましいモノクローナル抗体
は、c−Skiタンパク質以外のタンパク質とは実質的
に反応しない。また、本発明の好ましいモノクローナル
抗体は、c−Skiタンパク質分子上に存在する複合体
形成部位以外の領域と反応する。本発明のより好ましい
モノクローナル抗体としては、例えば、(1)ヒトc−
Skiタンパク質における第1番目のアミノ酸残基〜第
45番目のアミノ酸残基からなる領域と反応するモノク
ローナル抗体(以下、本発明の第1のモノクローナル抗
体と称することがある)、又は(2)ヒトc−Skiタ
ンパク質における第46番目のアミノ酸残基〜第260
番目のアミノ酸残基からなる領域と反応するモノクロー
ナル抗体(以下、本発明の第2のモノクローナル抗体と
称することがある)を挙げることができる。本発明の第
1のモノクローナル抗体(例えば、後述する実施例で得
られるモノクローナル抗体c−Ski−1又はモノクロ
ーナル抗体c−Ski−3)のエピトープは、ヒトc−
Skiタンパク質における第1番目のアミノ酸残基〜第
45番目のアミノ酸残基からなる領域に存在する。ま
た、本発明の第2のモノクローナル抗体(例えば、後述
する実施例で得られるモノクローナル抗体c−Ski−
2又はモノクローナル抗体c−Ski−4)のエピトー
プは、ヒトc−Skiタンパク質における第46番目の
アミノ酸残基〜第260番目のアミノ酸残基からなる領
域に存在する。
【0010】本発明のモノクローナル抗体は、例えば、
近年各方面で行われている細胞融合法で作成されたハイ
ブリドーマによるモノクローナル抗体産生法により得る
ことができる。すなわち、c−Skiタンパク質を抗原
として使用し、種々のc−Skiタンパク質及び/又は
c−Skiタンパク質フラグメントを用いてスクリーニ
ングを実施することによって、本発明のモノクローナル
抗体を産生する本発明のハイブリドーマを調製すること
ができ、そのハイブリドーマから本発明のモノクローナ
ル抗体を調製することができる。本発明のハイブリドー
マ及びモノクローナル抗体の調製は、常法、例えば、続
生化学実験講座(日本生化学会編)又は免疫生化学研究
法(日本生化学会編)に記載の方法に従って行うことが
できる。
【0011】本発明のモノクローナル抗体は、そのモノ
クローナル抗体を産生することのできる本発明のハイブ
リドーマ(例えば、マウス・ハイブリドーマ)を、例え
ば、適当な培地又は哺乳動物(例えば、マウス)の腹腔
内で培養することにより製造することができる。本発明
のハイブリドーマは、一般的には、例えば、c−Ski
タンパク質で免疫した哺乳動物又は鳥類(例えば、マウ
ス)の脾臓細胞と哺乳動物(例えば、マウス)のミエロ
ーマ細胞(骨髄腫細胞)とを、Nature,第256
巻,495頁,(1975年)に記載の方法により細胞
融合して製造することが可能である。詳細には、下記実
施例に記載の方法によって製造することができる。
【0012】前記のハイブリドーマを培養することので
きる培地としては、ハイブリドーマの培養に適した培地
であればよく、好適にはダルベッコ氏変法イーグル氏最
小必須培地(Dulbeccos modified
Eeagle’s minimum essentia
l medium:以下、DMEと称する)にウシ胎児
血清、L−グルタミン、L−ピルビン酸、及び抗生物質
(ペニシリンGとストレプトマイシン)を含む培地が用
いられる。前記のハイブリドーマの培養は、培地中で行
う場合には、例えば、5%CO2濃度及び37℃の条件
下で約3日間行う。あるいは、マウスの腹腔内で行う場
合には、例えば、約14日間行う。
【0013】このようにして製造された培養液又は哺乳
動物の腹水から、例えば、タンパク質の単離・精製に一
般的に用いられている方法により、本発明のモノクロー
ナル抗体を分離・精製することが可能である。そのよう
な方法としては、例えば、硫安塩析、イオン交換セルロ
ースを用いるイオン交換カラムクロマトグラフィー、分
子篩ゲルを用いる分子篩カラムクロマトグラフィー、プ
ロテインA結合多糖類を用いる親和性カラムクロマトグ
ラフィー、透析、又は凍結乾燥等を挙げることができ
る。
【0014】本発明の抗体フラグメントは、本発明のモ
ノクローナル抗体のフラグメントであって、しかも、も
とのモノクローナル抗体と同じ反応特異性を有する抗体
フラグメントである。すなわち、本発明の抗体フラグメ
ントは、c−Skiタンパク質、好ましくは分子量約1
00,000のヒトc−Skiタンパク質と反応する。
本発明の好ましい抗体フラグメントは、c−Skiタン
パク質以外のタンパク質とは実質的に反応しない。ま
た、本発明の好ましい抗体フラグメントは、c−Ski
タンパク質分子上に存在する複合体形成部位以外の領域
と反応する。本発明のより好ましい抗体フラグメントと
しては、例えば、(1)ヒトc−Skiタンパク質にお
ける第1番目のアミノ酸残基〜第45番目のアミノ酸残
基からなる領域と反応する抗体フラグメント、又は
(2)ヒトc−Skiタンパク質における第46番目の
アミノ酸残基〜第260番目のアミノ酸残基からなる領
域と反応する抗体フラグメントを挙げることができる。
本発明の抗体フラグメントには、例えば、Fab、Fa
b’、F(ab’)2、又はFv等が含まれる。これら
のフラグメントは、例えば、本発明のモノクローナル抗
体を常法によりタンパク質分解酵素によって消化し、続
いて、タンパク質の分離・精製の常法に従って得ること
ができる。
【0015】このようにして得られた本発明の抗c−S
kiタンパク質モノクローナル抗体及びその抗体フラグ
メントは、他の癌遺伝子産物とは反応せず、c−Ski
タンパク質とだけ特異的に結合する能力を有するので、
c−Skiタンパク質がダイマーとして存在するか否か
とは無関係に、c−Skiタンパク質の免疫学的分析方
法に用いることができる。
【0016】本発明の抗c−Skiタンパク質モノクロ
ーナル抗体(例えば、本発明の第1のモノクローナル抗
体及び/又は本発明の第2のモノクローナル抗体)は、
各種の免疫学的分析方法における試薬として使用するこ
とができる。なお、本明細書においては、「分析方法」
には、分析対象物質の存在の有無を確認する検出方法
と、分析対象物質の量を測定する定量方法の両方が含ま
れる。本発明によるc−Skiタンパク質の免疫学的分
析方法は、c−Skiタンパク質に特異的に反応するモ
ノクローナル抗体及び/又は抗体フラグメントを使用す
ることを除けば、それ以外の点では従来公知の免疫学的
分析方法、例えば、イムノブロット定量法、免疫細胞染
色法、免疫組織染色法、酵素免疫定量法、化学発光免疫
定量法、放射性免疫定量法、又はラテックス凝集法など
にそのまま適用することができる。
【0017】例えば、イムノブロット定量法は、一般的
には1種類又は2種類以上の抗c−Skiタンパク質モ
ノクローナル抗体及び/又は抗体フラグメントを用いて
行うことができる。まず、SDS−ポリアクリルアミド
ゲルを用いた電気泳動で被検試料(例えば、細胞溶解
質)を処理する。この際に、被検試料をそのまま電気泳
動する代わりに、抗c−Skiタンパク質モノクローナ
ル抗体を固定化した不溶性担体(例えば、アガロースゲ
ル)を用いた免疫沈降法により、被検試料中のc−Sk
iタンパク質を予め回収し、回収したc−Skiタンパ
ク質をSDS−ポリアクリルアミドゲルを用いた電気泳
動で処理することもできる。
【0018】電気泳動に続いて、このゲル中のタンパク
質をニトロセルロース膜又は他の膜に転写し、転写後の
膜を抗c−Skiタンパク質モノクローナル抗体1種類
又は2種類以上(例えば、本発明の第1のモノクローナ
ル抗体及び/又は本発明の第2のモノクローナル抗体)
を含む溶液に1時間程度浸す。反応しなかったモノクロ
ーナル抗体を洗浄により除去した後に、適当な手段(例
えば、放射性同位元素、酵素、又は発光体)で標識した
2次抗体(例えば、標識化抗マウス免疫グロブリン抗
体)を加えて1時間程度インキュベーションする。反応
しなかった標識化抗体を洗浄により除去した後に、前記
標識を検出する反応を行う(例えば、酵素標識の場合に
は、酵素基質を加えて30分間程度、酵素反応を行
う)。反応終了後、例えば、デンシトメーターを用いた
比色法によって反応の生成物等(例えば、シグナル)を
測定することにより、被検試料中のc−Skiタンパク
質を定量することができる。
【0019】また、本発明による2種以上のモノクロー
ナル抗体(c−Skiタンパク質との結合部位が互いに
異なるモノクローナル抗体)は、一方のモノクローナル
抗体を固定化した(例えば、マイクロタイタープレート
のウェルに付着させた)形状の試薬とし、もう一方のモ
ノクローナル抗体を適当な手段(例えば、放射性同位元
素、酵素、又は発光体)で標識した形状の試薬とし、こ
れらの試薬と水性液体試料(例えば、細胞溶解質)中の
c−Skiタンパク質とを結合させることに基づく免疫
学的分析方法に用いることができる。
【0020】例えば、酵素免疫定量法は、一般的には、
c−Skiタンパク質の互いに異なる抗原決定基を認識
する2種類以上の抗c−Skiタンパク質モノクローナ
ル抗体を用いて行うことができる。まず、例えば、マイ
クロタイタープレートのウェル又はプラスチックチュー
ブを、一次抗体として、1種類以上の抗体(例えば、本
発明の第1のモノクローナル抗体)で感作させる。次
に、このウェル又はプラスチックチューブに、c−Sk
iタンパク質を含む被検試料(例えば、細胞溶解質)
と、二次抗体として酵素標識した別種の抗体(例えば、
本発明の第2のモノクローナル抗体)の溶液とを入れ、
約30分間静置した後に洗浄し、酵素基質溶液を加えて
30分間程度、酵素反応を行う。反応終了後、例えば、
比色法等により、被検試料中のc−Skiタンパク質を
定量することができる。
【0021】また、化学発光免疫定量法は、一般的に
は、c−Skiタンパク質の互いに異なる抗原決定基を
認識する2種類以上の抗c−Skiタンパク質モノクロ
ーナル抗体を用いて行うことができる。まず、マイクロ
タイタープレートのウェル又はプラスチックチューブ
を、一次抗体として、1種類以上の抗体(例えば、本発
明の第1のモノクローナル抗体)で感作させる。次に、
このウェル又はプラスチックチューブに、c−Skiタ
ンパク質を含む被検試料(例えば、細胞溶解質)と、二
次抗体として化学発光化合物で標識した別種の抗体(例
えば、本発明の第2のモノクローナル抗体)の溶液とを
入れ、約30分間静置した後に洗浄し、過酸化水素を加
えて化学発光を起こさせ、ルミノメーターを用いて被検
試料中のc−Skiタンパク質を定量することができ
る。
【0022】本発明のc−Skiタンパク質の免疫学的
分析方法を用いて検出又は測定することのできる被検試
料としては、癌遺伝子産物であるc−Skiタンパク質
を含むか、あるいは含む可能性のある被検試料であれば
特に限定されるものではないが、生体液(例えば、細胞
溶解質、血液、血清、血漿、又は尿)などを例示するこ
とができる。
【0023】本発明による抗c−Skiタンパク質モノ
クローナル抗体と、後述する抗SnoNタンパク質モノ
クローナル抗体(例えば、特願平09−091694号
明細書に記載のモノクローナル抗体)とを組み合わせた
酵素免疫定量法、化学発光免疫定量法、放射性免疫定量
法、又はラテックス凝集法を用いることによって、c−
Skiタンパク質−SnoNタンパク質複合体(ヘテロ
ダイマー)の量を特異的に測定することができる。
【0024】例えば、本発明による抗c−Skiタンパ
ク質モノクローナル抗体、又は抗SnoNタンパク質モ
ノクローナル抗体のいずれか一方を一次抗体とし、もう
一方のモノクローナル抗体を適当な手段(例えば、放射
性同位元素、酵素、又は発光体)で標識して二次抗体と
する。一次抗体を、マイクロタイタープレートのウェル
又はプラスチックチューブに感作させる。次に、このウ
ェル又はプラスチックチューブに、c−Skiタンパク
質−SnoNタンパク質複合体(ヘテロダイマー)を含
む被検試料(例えば、細胞溶解質)と、二次抗体として
適当な手段で標識したモノクローナル抗体の溶液とを入
れ、以下、前記標識手段に応じて適宜選択することので
きる公知方法により、被検試料中のc−Skiタンパク
質−SnoNタンパク質複合体(ヘテロダイマー)を定
量することができる。
【0025】標識手段として酵素を用いた場合には、被
検試料及び二次抗体溶液の前記添加の後に、例えば、約
30分間静置した後に洗浄し、酵素基質溶液を加えて3
0分間程度、酵素反応を行い、反応終了後、例えば、比
色法等により、被検試料中のc−Skiタンパク質−S
noNタンパク質複合体(ヘテロダイマー)を定量する
ことができる。標識手段として化学発光化合物を用いた
場合には、被検試料及び二次抗体溶液の前記添加の後
に、例えば、約30分間静置した後に洗浄し、過酸化水
素を加えて化学発光を起こさせ、ルミノメーターを用い
て被検試料中のc−Skiタンパク質−SnoNタンパ
ク質複合体(ヘテロダイマー)を定量することができ
る。
【0026】本発明による抗c−Skiタンパク質モノ
クローナル抗体1種を使用する酵素免疫定量法、化学発
光免疫定量法、放射性免疫定量法、又はラテックス凝集
法を用いることによって、c−Skiタンパク質複合体
(ホモダイマー)の量を特異的に測定することができ
る。
【0027】例えば、一次抗体として本発明による抗c
−Skiタンパク質モノクローナル抗体を、マイクロタ
イタープレートのウェル又はプラスチックチューブに感
作させる。次に、このウェル又はプラスチックチューブ
に、c−Skiタンパク質複合体(ホモダイマー)を含
む被検試料(例えば、細胞溶解質)と、二次抗体とし
て、前記モノクローナル抗体(一次抗体として用いたモ
ノクローナル抗体)を適当な手段で標識した標識化モノ
クローナル抗体の溶液とを入れ、以下、前記標識手段に
応じて適宜選択することのできる公知方法により、被検
試料中のc−Skiタンパク質複合体(ホモダイマー)
を特異的に定量することができる。
【0028】ホモダイマーは、本発明による抗c−Sk
iタンパク質モノクローナル抗体のエピトープを必ず2
つ有するので、前記の反応溶液中、すなわち、一次抗
体、二次抗体、及びホモダイマーの共存下においては、
ホモダイマーを構成する2つのc−Skiタンパク質の
内、一方のc−Skiタンパク質と一次抗体とが結合
し、もう一方のc−Skiタンパク質と二次抗体とが結
合することができる。それに対して、ホモダイマーを形
成していないc−Skiタンパク質(例えば、ヘテロダ
イマー又はモノマー)では、エピトープを1つしか有し
ないので、一次抗体と二次抗体とが同時に同一分子に結
合することができない。従って、前記方法を用いること
により、被検試料中のc−Skiタンパク質複合体(ホ
モダイマー)を特異的に定量することができる。
【0029】c−Skiタンパク質は、細胞核内におい
てSnoNタンパク質と複合体を形成することにより、
他の遺伝子の転写調節領域に結合し、転写を制御する転
写調節因子であると考えられている。従って、c−Sk
iタンパク質の量的変化及びc−Skiタンパク質−S
noNタンパク質複合体(ヘテロダイマー)の量的変化
は、細胞の恒常性の乱れ又は異常の発生、例えば、細胞
の癌化につながるものと考えられる。すなわち、c−S
kiタンパク質の量的変化及びc−Skiタンパク質−
SnoNタンパク質複合体(ヘテロダイマー)の量的変
化は、細胞恒常性の乱れ又は異常の発生(例えば、細胞
の癌化)の有無及び/又は程度を反映していると考えら
れる。従って、本発明のモノクローナル抗体又は抗体フ
ラグメントを用いて、細胞核内における各種状態のc−
Skiタンパク質を検出することによって、あるいは、
各存在量を測定し、その測定値と健常人の平均値とを比
較することによって、癌化の有無及び/又は癌化の程度
を検出することができる。
【0030】本発明方法に用いることのできる抗Sno
Nタンパク質モノクローナル抗体は、SnoNタンパク
質、好ましくは分子量約80キロダルトンのヒトSno
Nタンパク質と反応するモノクローナル抗体である。S
noNタンパク質以外のタンパク質とは実質的に反応し
ないモノクローナル抗体であることが好ましい。本明細
書において、「SnoNタンパク質」とは、細胞性癌遺
伝子の1つであるsnoN遺伝子の遺伝子産物を意味す
る。snoN遺伝子は、種々の動物、例えば、哺乳動
物、鳥類などに存在し、その分子量は、約80キロダル
トンである。例えば、ヒトsnoN遺伝子の塩基配列
は、野村ら[Nucleic Acid Resear
ch,第17巻,5489−5500頁,(1989
年)]に開示されており、ヒトSnoNタンパク質は、
684個のアミノ酸からなり、分子量は約80キロダル
トンである。また、ニワトリsnoN遺伝子の塩基配列
は、ボイヤー(Boyer)ら[Oncogene,第
8巻,457−466頁,(1993年)]に開示され
ており、ニワトリSnoNタンパク質は、690個のア
ミノ酸からなる。ニワトリSnoNタンパク質の予想さ
れる分子量は約81キロダルトンである。
【0031】また、本発明方法に用いることのできる抗
SnoNタンパク質モノクローナル抗体は、SnoNタ
ンパク質分子上に存在する、c−Skiタンパク質とS
noNタンパク質との複合体形成部位以外の領域と反応
するモノクローナル抗体であることが好ましい。本発明
方法に用いることのできる抗SnoNタンパク質モノク
ローナル抗体としては、分子量約80キロダルトンのS
noNタンパク質と反応し、しかも、分子量約42キロ
ダルトンのC末端側SnoNタンパク質フラグメントと
も反応するモノクローナル抗体がより好ましい。従っ
て、本発明方法に用いることのできる好適なモノクロー
ナル抗体のエピトープは、C末端側SnoNタンパク質
フラグメントに存在する。
【0032】本明細書において、「C末端側SnoNタ
ンパク質フラグメント」とは、前記のSnoNタンパク
質全体から、N末端ポリペプチド部分が欠失したタンパ
ク質フラグメントを意味し、特に「分子量約42キロダ
ルトンのC末端側SnoNタンパク質フラグメント」と
は、前記のSnoNタンパク質全体から、分子量約38
キロダルトンのN末端ポリペプチド部分が欠失した残り
の分子量約42キロダルトンのタンパク質フラグメント
を意味する。例えば、ヒトSnoNタンパク質において
は、「分子量約42キロダルトンのC末端側SnoNタ
ンパク質フラグメント」として、N末端から第310番
目のアミノ酸〜C末端アミノ酸からなるタンパク質フラ
グメントを挙げることができる。なお、本明細書におい
ては、前記SnoNタンパク質を「全SnoNタンパク
質」と称することがあり、前記の分子量約42キロダル
トンのC末端側SnoNタンパク質フラグメントを「S
noNタンパク質42」と称することがある。
【0033】本発明方法に用いることのできる抗Sno
Nタンパク質モノクローナル抗体としては、例えば、 (1)C末端側SnoNタンパク質フラグメントにエピ
トープが存在し、しかも高リン酸化型SnoNタンパク
質と反応し、低リン酸化型SnoNタンパク質とは反応
しないモノクローナル抗体(例えば、後述する実施例で
得られるモノクローナル抗体SnoN−2又はSnoN
−3); (2)C末端側SnoNタンパク質フラグメントにエピ
トープが存在し、しかも低リン酸化型SnoNタンパク
質と反応し、高リン酸化型SnoNタンパク質とは反応
しないモノクローナル抗体(例えば、後述する実施例で
得られるモノクローナル抗体SnoN−1);又は (3)C末端側SnoNタンパク質フラグメントにエピ
トープが存在し、しかも高リン酸化型SnoNタンパク
質及び低リン酸化型SnoNタンパク質のいずれとも反
応するモノクローナル抗体(例えば、後述する実施例で
得られるモノクローナル抗体SnoN−4)を挙げるこ
とができる。
【0034】本明細書において、「高リン酸化型Sno
Nタンパク質」とは、SnoNタンパク質のリン酸化ド
メイン内の特定のアミノ酸(例えば、セリン、トレオニ
ン、又はチロシン)に、細胞内のプロテインキナーゼに
よって多数のリン酸基が転移された状態のSnoNタン
パク質を意味し、「低リン酸化型SnoNタンパク質」
とは、細胞内のホスファターゼにより、高リン酸化型S
noNタンパク質から一部又はすべてのリン酸基が脱離
された状態のSnoNタンパク質を意味する。
【0035】本発明方法に用いることのできる抗Sno
Nタンパク質モノクローナル抗体は、例えば、近年各方
面で行われている細胞融合法で作成されたハイブリドー
マによるモノクローナル抗体産生法により得ることがで
きる。すなわち、SnoNタンパク質を抗原として使用
し、種々のSnoNタンパク質及び/又はSnoNタン
パク質フラグメントを用いてスクリーニングを実施する
ことによって、本発明方法に用いることのできる抗Sn
oNタンパク質モノクローナル抗体を産生するハイブリ
ドーマを調製することができ、そのハイブリドーマから
所望のモノクローナル抗体を調製することができる。前
記ハイブリドーマ及びモノクローナル抗体の調製は、例
えば、本発明のハイブリドーマ及びモノクローナル抗体
に関して先に説明した方法により実施することができ
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【実施例1】《c−Skiタンパク質の調製》 (a)全c−Skiタンパク質の調製 全c−Skiタンパク質(分子量約100,000)の
調製は、長瀬ら,Nucleic Acid Rese
arch,第18巻,337〜343頁,(1990
年)に記載の方法に従って実施した。すなわち、ヒト癌
遺伝子c−ski−cDNAの制限酵素NcoI/Ec
oRI−DNA断片(第71番目のヌクレオチド〜第2
562番目のヌクレオチドからなるDNA断片)を含む
発現ベクターpAR2156skiを大腸菌(Eshe
richia coli)BL21株にトランスフォー
メーションして得た大腸菌BL21(pAR2156s
ki)株(理化学研究所ジーンバンク)を培地中で十分
に増殖させた。次に、ラクトースオペロンの非代謝性誘
導物質であるイソプロピル−β−D−チオガラクシド
(IPTG)を培養液に添加した。
【0037】1時間培養した後、大腸菌BL21(pA
R2156ski)株を集菌し、溶菌用バッファー[5
0mMトリス−HCl,0.5mM−EDTA,0.4
M−NaCl,5mM−MgCl2 ,5%(V/V)グ
リセロール,0.1mMフェニルメタンスルホニルフル
オリド(PMSF),0.1mMジチオトレイトール
(DTT),及び1mg/mlリゾチーム;pH8.
0]に懸濁し、氷浴中に1時間放置した後、凍結融解を
2回繰り返し溶菌させた。この溶菌液に更に、EDTA
及びノニデット(Nonidet)P−40を終濃度が
それぞれ1mM及び0.5%(V/V)となるように添
加した後、超音波処理にて可溶化を行った。
【0038】遠心分離(10,000×g,10分間)
を行い、沈殿として不溶性画分を得た。この不溶性画分
を洗浄バッファー[10mMトリス−HCl,1mM−
EDTA,0.4M−NaCl,0.5%(V/V)ノ
ニデットP−40,5%(V/V)グリセロール,0.
1mM−PMSF,及び0.1mM−DTT;pH7.
8]で洗浄し、遠心分離(10,000×g,10分
間)で得られた最終不溶性画分を可溶化バッファー[5
0mMトリス−HCl,1%(V/V)トリトン(Tr
iton)X−100,8M尿素,5%(V/V)グリ
セロール,0.1mM−PMSF,及び0.1mM−D
TT;pH8.0]に懸濁した後、氷浴中に2時間放置
した。遠心分離(100,000×g,2時間)を行
い、上清を透析バッファー(20mMトリス−HCl,
0.2mM−DTT,70mM−KCl,及び2mM−
MgCl2 ;pH7.4)に対して透析した。
【0039】こうして得た精製全c−Skiタンパク質
(A280nm=1.0,10ml)を免疫原として、
また、抗c−Skiタンパク質モノクローナル抗体産生
ハイブリドーマを選別するためのELISA用抗原とし
て、更には、抗c−Skiタンパク質モノクローナル抗
体の認識部位の同定に使用した。
【0040】(b)c−Skiタンパク質から特定の領
域を欠失させた各種c−Skiタンパク質変異体の調製 c−Skiタンパク質から特定の領域を欠失させた各種
c−Skiタンパク質変異体の調製は、長瀬ら,Nuc
leic Acid Research,第18巻,3
37〜343頁,(1990年)に記載の方法に従って
実施した。c−SkiΔ46−260タンパク質(72
8個のアミノ酸残基からなる全c−Skiタンパク質の
46〜260番目のアミノ酸部分を欠失したタンパク
質)は、上記の実施例1(a)で調製したpAR215
6skiのc−Skiタンパク質コード領域から制限酵
素StuI/ApaLIによるDNA断片(2492塩
基対からなるコード領域の207〜853塩基番号に相
当する)を欠失させたpAR2156skiΔ46−2
60より調製した。c−SkiΔ263−490タンパ
ク質(728個のアミノ酸残基からなる全c−Skiタ
ンパク質の263〜490番目のアミノ酸部分を欠失し
たタンパク質)は、pAR2156skiのc−Ski
タンパク質コード領域から制限酵素ApaLI/Eco
RIによるDNA断片(2492塩基対からなるコード
領域の854〜1543塩基番号に相当する)を欠失さ
せたpAR2156skiΔ263−490より調製し
た。c−SkiΔ493−728タンパク質(728個
のアミノ酸残基からなる全c−Skiタンパク質の49
3〜728番目のアミノ酸部分を欠失したタンパク質)
は、pAR2156skiのc−Skiタンパク質コー
ド領域から制限酵素EcoRIによるDNA断片(24
92塩基対からなるコード領域の1543〜2492塩
基番号に相当する)を欠失させたpAR2156ski
Δ493−728より調製した。
【0041】このようにして得たpAR2156ski
Δ46−260、pAR2156skiΔ263−49
0、及びpAR2156skiΔ493−728を、そ
れぞれ別々に大腸菌(Esherichia col
i)BL21株にトランスフォーメーションして得た大
腸菌BL21(pAR2156skiΔ46−260)
株(理化学研究所ジーンバンク)、大腸菌BL21(p
AR2156skiΔ263−490)株(理化学研究
所ジーンバンク)、及び大腸菌BL21(pAR215
6skiΔ493−728)株(理化学研究所ジーンバ
ンク)を培地中で十分に増殖させ、以下、前記の全c−
Skiタンパク質の調製方法と同様の方法で精製c−S
kiΔ46−260タンパク質、精製c−SkiΔ26
3−490タンパク質、及び精製c−SkiΔ493−
728タンパク質を得た。こうして得た精製c−Ski
Δ46−260タンパク質、精製c−SkiΔ263−
490タンパク質、及び精製c−SkiΔ493−72
8タンパク質を、抗c−Skiタンパク質モノクローナ
ル抗体の認識部位の同定に使用した。
【0042】
【実施例2】《抗c−Skiタンパク質抗体産生ハイブ
リドーマの調製》 (a)免疫化した脾臓細胞の調製 前記実施例1(a)で得られた全c−Skiタンパク質
免疫原溶液(A280nm=1.0)を等量のフロイン
ド氏完全アジュバンドと乳化するまで混和し、その混合
液0.1mlをマウス腹腔内に投与することにより免疫
を行った(第1回免疫)。30日経過後に、そのマウス
に前記と同様の方法で腹腔内に投与した(第2回免
疫)。第2回免疫から、21日経過後に、全c−Ski
タンパク質免疫原溶液(A280nm=1.0)を等量
の生理的食塩水で希釈し、その希釈液0.1mlを、マ
ウスの静脈内に投与した(最終免疫)。最終免疫から3
日経過後に、マウスから脾臓を無菌的に摘出し、以下の
工程に使用した。
【0043】(b)細胞融合 無菌的に摘出した前記の脾臓を、15%ウシ胎児血清を
含むDME培地5mlを入れたシャーレーに入れた。次
に、脾臓を15%ウシ胎児血清を含むDME培地約15
mlで還流して脾細胞を流出させた後、この脾細胞懸濁
液をナイロンメッシュに通した。この脾細胞を50ml
遠心チューブに集めて500×gで10分間遠心した。
こうして得たペレットにヘモライジング溶液(155m
M−NH4 Cl,10mM−KHCO3 ,及び1mM−
Na2 EDTA;pH7.0)5mlを加え、懸濁させ
た。0℃で5分間放置すると、懸濁液中の赤血球が破壊
された。15%ウシ胎児血清を含むDME培地15ml
を加えてから遠心分離した。このようにして得た細胞ペ
レットをDME培地で遠心法によって洗浄し、生きてい
る脾細胞数を測定した。
【0044】一方、予め培養しておいたマウス骨髄腫細
胞(ミエローマ細胞)SP2/0−Ag14(約2×1
7 個)に前記脾臓細胞(1×108 個)を加え、DM
E培地中でよく混合し、遠心分離を行った(500×
g,10分間)。その上清を吸引し、ペレットをよく解
きほぐし、38℃に保温しておいた40%ポリエチレン
グリコール4000溶液0.5mlを滴下し、遠心チュ
ーブを手で、1分間穏やかに回転することによってポリ
エチレングリコール溶液と細胞ペレットとを混合させ
た。次に、38℃に保温しておいたDME培地を30秒
毎に1mlずつ加えてチューブを穏やかに回転させた。
この操作を10回繰り返した後、15%ウシ胎児血清を
含むDME培地20mlを加えて、遠心分離(500×
g,10分間)を行った。上清を除去した後、細胞ペレ
ットを15%ウシ胎児血清を含むHAT培地(DME培
地にアミノプテリン4×10-7M、チミジン1.6×1
-5M、及びヒポキサンチン1×10-4Mになるように
添加したもの)で、遠心法によって2回洗浄した後、前
記HAT培地40mlに懸濁した。
【0045】この細胞懸濁液を96ウェル細胞培養プレ
ートの各ウェルに200μlずつ分注し、5%炭酸ガス
を含む37℃の炭酸ガス培養器で培養を開始した。培養
中、2〜3日間隔で各ウェルの培地約100μlを除
き、新たに前記のHAT培地100μlを加えることに
よりHAT培地中で増殖するハイブリドーマを選択し
た。8日頃から15%ウシ胎児血清を含むHT培地(D
ME培地にチミジン1.6×10-5M及びヒポキサンチ
ン1×10-4Mになるように添加したもの)に交換し、
ハイブリドーマの増殖を観察するとともに、約10日目
に、後述するELISA法により、抗c−Skiタンパ
ク質抗体産生ハイブリドーマをスクリーニングした。
【0046】(C)ハイブリドーマの樹立 ハイブリドーマ培養上清中の産生抗体の有無をELIS
A法により測定した。96ウェルELISA用プレート
(Immulon II;日本ダイナテック株式会社)の
各ウェルに、前述の精製全c−Skiタンパク質溶液
(A280nm=0.05;生理食塩水で希釈した)を
50μlずつ分注し、25℃で2時間放置した。次に、
0.05%トウィーン(Tween)20を含む生理食
塩水(以下、トウィーン20−生理食塩水と称する)で
3回洗浄した後、各ウェルの培養上清を50μl加え、
25℃で1時間反応させた。次に、トウィーン20−生
理食塩水で200倍希釈したペルオキシダーゼ結合抗マ
ウス免疫グロブリン・ウサギIgG抗体(ダコ社、デン
マーク)50μlを各ウェルに加えた。反応終了後、ト
ウィーン20−生理食塩水で各ウェルを3回洗浄し、酵
素基質溶液(0.5mM−4−アミノアンチピリン、1
0mMフェノール、及び0.005%過酸化水素水を含
む20mMトリス−塩酸緩衝液;pH7.4)250μ
lを各ウェルに加え、25℃で30分間反応させ、各ウ
ェルの492nmにおける吸光度を測定した。
【0047】その結果、278ウェル中4ウェルに抗体
産生が認められた。その4ウェル中の各ハイブリドーマ
を24ウェルプレートに移し、15%ウシ胎児血清を含
むHT培地で4〜5日間培養した。その後、再度ELI
SA法によって抗c−Skiタンパク質モノクローナル
抗体の産生の有無を確認してから、限界希釈法によりク
ローニングした。10日後に、ELISA法によって抗
c−Skiタンパク質特異抗体を産生するハイブリドー
マのクローンをスクリーニングした。その結果、各ハイ
ブリドーマにつき、20〜40個の抗体産生クローンが
得られた。これらのクローンの中から、増殖の良い、抗
体分泌能の高い、しかも安定なクローンを選び、前述と
同様の方法により再クローン化を行い、本発明の抗c−
Skiタンパク質特異抗体産生ハイブリドーマc−Sk
i−1、c−Ski−2、c−Ski−3、及びc−S
ki−4を樹立した。
【0048】
【実施例3】《抗c−Skiタンパク質特異モノクロー
ナル抗体の製造》 (a)イン・ビトロ法 マウスハイブリドーマc−Ski−1を、15%ウシ胎
児血清を含むDME培地で37度にて5%二酸化炭素雰
囲気中において72〜96時間培養した。培養物を遠心
分離(10,000×g,10分間)した後、上清に固
形の硫酸アンモニウムを50%最終濃度となるように徐
々に加えた。混合物を氷冷下で30分間撹拌した後、6
0分間放置し、遠心分離(10,000×g,10分)
した後、得られた沈渣を少量の10mMリン酸緩衝液
(pH8.0)に溶解し、1000倍量の10mMリン
酸緩衝液に対して透析した。
【0049】これを、10mMリン酸緩衝液で予め平衡
化したDEAE−セルロースのカラムに充填した。モノ
クローナル抗体の溶出は、10mMリン酸緩衝液(pH
8.0)と0.2M−NaClを含む10mMリン酸緩
衝液(pH8.0)との間で濃度勾配法により行った。
溶出されたモノクローナル抗体を限外濾過法で濃縮し、
0.1Mリン酸緩衝液(pH8.0)に対して透析し
た。ウシ血清IgGを除くために、透析物をヤギ抗ウシ
血清IgG−セファロース4Bのカラムに通した。次に
通過液を0.1Mリン酸緩衝液(pH8.0)で平衡化
したプロテインA−セファロース4Bのカラムに充填し
た。カラムをpH3.5の緩衝液で溶出して、精製した
本発明の抗c−Skiタンパク質特異抗体c−Ski−
1を得た。なお、本明細書においては、各ハイブリドー
マの名称を、そのハイブリドーマから産生されるモノク
ローナル抗体の名称としても使用する。ハイブリドーマ
c−Ski−2、c−Ski−3、及びc−Ski−4
についても、ハイブリドーマc−Ski−1と同様の前
記操作をそれぞれ実施し、本発明のモノクローナル抗体
c−Ski−2、c−Ski−3、及びc−Ski−4
を得た。
【0050】(b)イン・ビボ法 プリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタ
デカン)0.5mlを10〜12週齢のBALB/C系
マウスの腹腔内に投与し、投与後14〜20日目のマウ
ス腹腔内にインビトロで増殖させたハイブリドーマc−
Ski−1、c−Ski−2、c−Ski−3、又はc
−Ski−4をマウス一匹あたり2×106 細胞となる
ように接種した。各ハイブリドーマにつき、一匹のマウ
スから約10〜15mlの腹水が得られた。その抗体濃
度は、5〜10mg/mlであった。腹水中のモノクロ
ーナル抗体の精製は、前記のイン・ビトロ法と同様の方
法で行った(但し、ヤギ抗ウシ血清IgG−セファロー
ス4Bのカラムを通す操作を除く)。
【0051】
【実施例4】《抗c−Skiタンパク質特異モノクロー
ナル抗体の免疫グロブリンクラスの同定》本発明の抗c
−Skiタンパク質特異モノクローナル抗体c−Ski
−1、c−Ski−2、c−Ski−3、及びc−Sk
i−4の免疫グロブリンクラスの同定は、オクテロニー
免疫拡散法により行った。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】モノクローナル抗体 免疫グロブリンのクラス c−Ski−1 IgG2b,κ c−Ski−2 IgG1,κ c−Ski−3 IgG1,κc−Ski−4 IgG1,κ
【0053】
【実施例5】《抗c−Skiタンパク質特異モノクロー
ナル抗体の認識部位の同定》抗c−Skiタンパク質特
異モノクローナル抗体c−Ski−1、c−Ski−
2、c−Ski−3、及びc−Ski−4の認識部位の
同定は、イムノブロティング法によって行った。実験操
作は以下の通りである。前記実施例1で調製した精製全
c−Skiタンパク質及びc−Skiタンパク質から特
定の領域を欠失させた各種c−Skiタンパク質変異体
(c−SkiΔ46−260タンパク質、c−SkiΔ
263−490タンパク質、及びc−SkiΔ493−
728)をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動し
た後、ゲル中のタンパク質をニトロセルロースメンブレ
ンに電気的に転写した。このメンブレンを、5%スキム
ミルク及び0.15M−NaClを含む10mMトリス
−HCl緩衝液(pH7.5)中に25℃で30分間浸
した後、一次抗体として各抗c−Skiタンパク質モノ
クローナル抗体(モノクローナル抗体c−Ski−1、
c−Ski−2、c−Ski−3、又はc−Ski−
4)を25℃で1時間反応させた。この際、ブランクと
して、各抗c−Skiタンパク質モノクローナル抗体の
代わりに、SP2/0細胞をマウス腹腔に投与して採取
した腹水を反応させた。
【0054】0.05%トウィーン−20及び0.15
M−NaClを含む10mMトリス−HCl緩衝液(p
H7.5)でメンブレンを3回洗浄した後、二次抗体と
してアルカリフォスファターゼ標識ヤギ抗マウスIgG
(バイオラッド社)を25℃で1時間反応させた。前記
と同様の方法でメンブレンを洗浄した後、5mM−Mg
Cl2 を含む0.1Mジエタノールアミン緩衝液(pH
9.5)に、終濃度0.33mg/mlのニトロブルー
テトラゾリウム及び0.17mg/mlの5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリルホスフェート−p−トルイ
ジンを加えた溶液を発色液として用いた。この発色液を
25℃で5〜10分間反応させた。反応停止は、メンブ
レンを蒸留水で数回洗浄することで行った。各モノクロ
ーナル抗体と各抗原との結合反応の結果を表2又は表3
に示す。表2又は表3において、「+」は結合反応性を
有することを示し、「−」は結合反応性がないことを示
す。
【0055】
【表2】 全c−Skiタンパク質 c−SkiΔ46−260モノクローナル抗体 に対する反応性 タンパク質に対する反応性 c−Ski−1 + + c−Ski−2 + − c−Ski−3 + + c−Ski−4 + − 腹水 − −
【0056】
【表3】 c−SkiΔ263−490 c−SkiΔ493−728モノクローナル抗体 タンパク質に対する反応性 タンパク質に対する反応性 c−Ski−1 + + c−Ski−2 + + c−Ski−3 + + c−Ski−4 + + 腹水 − −
【0057】表2及び表3の結果から明らかなように、
抗c−Skiタンパク質特異モノクローナル抗体c−S
ki−1又はc−Ski−3は、全c−Skiタンパク
質、c−SkiΔ46−260タンパク質、c−Ski
Δ263−490タンパク質、及びc−SkiΔ493
−728のいずれとも反応する。抗c−Skiタンパク
質特異モノクローナル抗体c−Ski−2又はc−Sk
i−4は、全c−Skiタンパク質、c−SkiΔ26
3−490タンパク質、及びc−SkiΔ493−72
8とは反応するが、c−SkiΔ46−260タンパク
質とは反応しない。すなわち、抗c−Skiタンパク質
特異モノクローナル抗体c−Ski−1及びc−Ski
−3の反応部位は、c−Skiタンパク質の第1番目の
アミノ酸残基から第45番目のアミノ酸残基までの領域
に存在する。また、抗c−Skiタンパク質特異モノク
ローナル抗体c−Ski−2及びc−Ski−4の反応
部位は、c−Skiタンパク質の第46番目のアミノ酸
残基から第260番目のアミノ酸残基までの領域に存在
する。先に述べたように、c−Skiタンパク質は、C
末端側の約1/5の領域に存在するα−ヘリックス構造
を介して複合体を形成することが知られている。その複
合体としては、c−Skiタンパク質同士からなる2量
体(ホモダイマー)、あるいは、c−Skiタンパク質
と、別の核内癌遺伝子産物であるSnoNタンパク質と
の2量体(ヘテロダイマー)がある。これらの複合体を
免疫学的手法で捕らえようとするときに、複合体形成に
関与する領域以外の部位をエピトープとして認識するモ
ノクローナル抗体を用いることが望ましい。本発明のモ
ノクローナル抗体であるc−Ski−1、c−Ski−
2、c−Ski−3、又はc−Ski−4は、いずれも
複合体形成に関与する領域以外の部位をエピトープとし
て認識する。
【0058】
【実施例6】《抗c−Skiタンパク質特異モノクロー
ナル抗体を用いたイムノブロット定量法》以下の各細胞
の細胞溶解質中のc−Skiタンパク質の量をイムノブ
ロット法で定量した。使用した細胞は、NB39−nu
(神経芽腫由来細胞)[理化学研究所ジーンバンク]、
NB1(神経芽腫由来細胞)[理化学研究所ジーンバン
ク]、A413(外陰癌由来細胞)[理化学研究所ジー
ンバンク]、NMS92(胃癌由来細胞)[理化学研究
所ジーンバンク]、TC78(甲状腺癌由来細胞)[理
化学研究所ジーンバンク]、NMS83(肺癌由来細
胞)[理化学研究所ジーンバンク]、JBL−5(Bu
rkittリンパ腫由来細胞)[理化学研究所ジーンバ
ンク]、及びPC3(前立腺癌由来細胞)[理化学研究
所ジーンバンク]である。
【0059】135mM−NaCl、0.9%トリトン
X−100、0.9%デオキシコール酸ナトリウム、
0.09%SDS、22mM−EDTA、及び1%トラ
ジロールを含む45mMトリス−HCl(pH7.4)
0.1mlに各細胞(5×106 個)を懸濁して、細胞
を溶解させた。各細胞溶解液を遠心分離(10,000
×g,15分間)し、上清を集めた。各上清10μlを
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動した後、ゲル
中のタンパク質をニトロセルロースメンブレンに電気的
に転写した。このメンブレンを、5%スキムミルク及び
0.15M−NaClを含む10mMトリス−HCl緩
衝液(pH7.5)中に25℃で30分間浸した後、一
次抗体として抗c−Skiタンパク質モノクローナル抗
体c−Ski−1を25℃で1時間反応させた。
【0060】0.05%トウィーン−20及び0.15
M−NaClを含む10mMトリス−HCl緩衝液(p
H7.5)でメンブレンを3回洗浄した後、二次抗体と
してペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG(バイオ
ラッド社)を25℃で1時間反応させた。前記と同様の
方法でメンブレンを洗浄した後、ECLウェスタンブロ
ティング検出キット(アマシャム株式会社)を用いて、
ペルオキシダーゼと過酸化水素とによって触媒されるル
ミノールの発光反応を行わせた。この発光をオートラジ
オグラフィーフィルムに感光させ、得られたオートラジ
オグラム上に出現したバンドの強さをデンシトメーター
で測定した。この測定値をグラフ化して図1に示す。一
次抗体として、抗c−Skiタンパク質モノクローナル
抗体c−Ski−1の代わりに、抗c−Skiタンパク
質モノクローナル抗体c−Ski−2、c−Ski−
3、又はc−Ski−4を用いた時にもほぼ同様の結果
が得られた。
【0061】
【実施例7】《ワン・ステップ・サンドイッチ酵素免疫
定量法によるc−Skiタンパク質複合体(ホモダイマ
ー)の測定》ナカネ及びカワオイ[ジャーナル・オブ・
ヒストケミストリー・アンド・サイトケミストリー(J
ournal of Histochemistry
and Cytochemistry)第22巻,10
84〜1091頁,(1974年)]の方法に準じて、
西洋ワサビ・ペルオキシダーゼを抗c−Skiタンパク
質モノクローナル抗体c−Ski−2に結合させた。こ
の酵素ラベル抗体を用いてc−Skiタンパク質のワン
・ステップ・サンドイッチ酵素免疫定量を以下のように
して行った。
【0062】モノクローナル抗体c−Ski−2を20
μg/mlの濃度で含有する50mM炭酸水素ナトリウ
ム緩衝液(pH9.5)100μlを96ウェル平底型
ポリスチレン型マイクロタイタープレートの各ウェルに
入れて、25℃で1時間放置した。そのプレートを0.
05%トウィーン−20を含む生理食塩水で3回洗浄し
た。このようにして抗体を感作したプレートのウェル
に、被検試料[135mM−NaCl,0.9%トリト
ンX−100,0.9%デオキシコール酸ナトリウム,
0.09%SDS,22mM−EDTA,及び1%トラ
ジロールを含む45mMトリス−HCl(pH7.4)
で処理したNMS83細胞25μlと、前記で調製した
ペルオキシダーゼ標識モノクローナル抗体c−Ski−
2、0.15M−NaCl、及び2%ウシアルブミンを
含む20mMトリス−HCl緩衝液(pH7.5)75
μlとを加えた。25℃で30分間静置した後、0.0
5%トウィーン−20を含む生理食塩水でプレートを3
回洗浄した。
【0063】次いで、酵素基質液[1mM−2,2’−
アジノ−ジ〔3−エチルベンツチアゾリン−6−スルホ
ン酸〕ジアンモニウム塩(ABTS)及び0.0025
%過酸化水素水を含む溶液,pH4.5]200μlず
つを各ウェルに加え、25℃で40分間反応させた後
に、各ウェルの405nmにおける吸光度をマイクロプ
レートリーダー(MPR A4i型;東ソー)で測定し
た。別に作成した図2に示す検量線を用いて、前記測定
値からc−Skiタンパク質複合体(ホモダイマー)の
量を測定することができた。なお、検量線は、被検試料
の代わりに、各種濃度に調製したc−Skiタンパク質
複合体(ホモダイマー)の溶液を用いて、前記と同様の
操作を繰り返すことにより作成し、10pg/ml〜1
0ng/mlの範囲で良好なデータを得ることができる
ことを確認した。
【0064】
【実施例8】《化学発光定量法によるc−Skiタンパ
ク質−SnoNタンパク質複合体(ヘテロダイマー)の
測定》化学発光物質をモノクローナル抗体に結合させる
方法としては、一般的には、スクシンイミド基が導入さ
れた化学発光物質と抗体とを混合し、非結合の化学発光
物質の除去をPD−10カラム(ファルマシア・バイオ
テク)を用いて実施する。本実施例では、抗体として、
後述の実施例9〜実施例13で調製及び評価した抗Sn
oNタンパク質モノクローナル抗体SnoN−4(特願
平09−091694号明細書に記載のモノクローナル
抗体)を、そして化学発光物質としてアクリジニウム−
I(Acridinium−I;ドージン)を使用し
た。
【0065】モノクローナル抗体c−Ski−3を20
μg/mlの濃度で含有する50mM炭酸水素ナトリウ
ム緩衝液(pH9.5)100μlをプラスチックチュ
ーブに入れて、25℃で1時間静置した。そのチューブ
を0.05%トウィーン−20を含む生理食塩水で3回
洗浄した。このようにして抗体を感作したチューブに、
被検試料[135mM−NaCl,0.9%トリトンX
−100,0.9%デオキシコール酸ナトリウム,0.
09%−SDS,22mM−EDTA,及び1%トラジ
ロールを含む45mMトリス−HCl(pH7.4)で
処理したNMS83細胞25μlと、アクリジニウム−
I標識モノクローナル抗体SnoN−4、0.15M−
NaCl、及び2%ウシアルブミンを含む20mMトリ
ス−HCl緩衝液(pH7.5)75μlとを加えた。
25℃で30分間静置した後、チューブを0.05%ト
ウィーン−20を含む生理食塩水で3回洗浄した。次い
で、10mM過酸化水素水を200μl加え、発光量を
ルミノス9000D(ダイアヤトロン)で測定した。別
に作成した図3に示す検量線を用いて、前記測定値から
c−Skiタンパク質−SnoNタンパク質複合体(ヘ
テロダイマー)の量を測定することができた。なお、検
量線は、被検試料の代わりに、各種濃度に調製したc−
Skiタンパク質−SnoNタンパク質複合体(ヘテロ
ダイマー)の溶液を用いて、前記と同様の操作を繰り返
すことにより作成し、1pg/ml〜1ng/mlの範
囲で良好なデータを得ることができることを確認した。
【0066】
【実施例9】《SnoNタンパク質の調製》 (a)全SnoNタンパク質の調製 全SnoNタンパク質(分子量約80キロダルトン)の
調製は、Gene,56(1987)第125頁〜第1
35頁に記載の方法に従って実施した。すなわち、ヒト
癌遺伝子snoN−cDNAのNcoI/EcoRI−
DNA断片(第661番目のヌクレオチド〜第2787
番目のヌクレオチドからなるDNA断片)を含む発現ベ
クターpAR2113snoNを大腸菌(Esheri
chia coli)BL21株にトランスフォーメー
ションして大腸菌BL21(pAR2113snoN)
株(理化学研究所ジーンバンク)を得た。以下、前記実
施例1(a)で得られた大腸菌BL21(pAR215
6ski)株(理化学研究所ジーンバンク)の代わり
に、大腸菌BL21(pAR2113snoN)株を用
いたこと以外は、実施例1(a)に記載の手順を繰り返
すことにより精製全SnoNタンパク質を得た。こうし
て得た精製全SnoNタンパク質(A280nm=1.
0,10ml)を免疫原として、また、抗SnoNタン
パク質モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを選別す
るためのELISA用抗原として、更には、抗SnoN
タンパク質モノクローナル抗体の認識部位の同定に使用
した。
【0067】(b)SnoNタンパク質からN末端ペプ
チド約38キロダルトンを欠失させたSnoNタンパク
質変異体の調製 SnoNタンパク質42(約80キロダルトンの全Sn
oNタンパク質からN末端ペプチド約38キロダルトン
が欠失したタンパク質で分子量約42キロダルトン)の
調製は、ヒト癌遺伝子snoN−cDNAの一部分に対
応するDNA断片(第1587番目のヌクレオチド〜第
2787番目のヌクレオチドからなるDNA断片であ
り、SnoNタンパク質のアミノ酸配列番号310から
C末端までのタンパク質フラグメントをコードする)を
含む発現ベクターpAR2113snoN Δ1−30
9を大腸菌BL21株にトランスフォーメーションして
得た大腸菌BL21(pAR2113snoN Δ1−
309)株(理化学研究所ジーンバンク)を培地中で十
分に増殖させ、以下、前記の全SnoNタンパク質の調
製方法と同様の方法で精製SnoNタンパク質42を得
た。こうして得た精製SnoNタンパク質42(A28
0nm=1.0,8ml)を抗SnoNタンパク質モノ
クローナル抗体の認識部位の同定に使用した。
【0068】
【実施例10】《抗SnoNタンパク質特異抗体産生ハ
イブリドーマの調製》免疫原溶液として、全c−Ski
タンパク質免疫原溶液の代わりに、前記実施例9(a)
で得られた全SnoNタンパク質免疫原溶液を用いたこ
と、及びELISA用抗原として、精製全c−Skiタ
ンパク質溶液の代わりに、前記実施例9(a)で得られ
た全SnoNタンパク質溶液を用いたこと以外は、前記
実施例2(a)〜(c)に記載の手順を繰り返した。E
LISA法による第1回目のスクリーニングの結果、1
92ウェル中4ウェルに抗体産生が認められ、これらを
クローニングすることにより、抗SnoNタンパク質特
異抗体産生ハイブリドーマSnoN−1、SnoN−
2、SnoN−3、及びSnoN−4を樹立した。
【0069】
【実施例11】《抗SnoNタンパク質特異モノクロー
ナル抗体の製造と免疫グロブリンクラスの同定》ハイブ
リドーマとして、ハイブリドーマc−Ski−1、c−
Ski−2、c−Ski−3、及びc−Ski−4の代
わりに、前記実施例10で得られたハイブリドーマSn
oN−1、SnoN−2、SnoN−3、及びSnoN
−4を用いたこと以外は、前記実施例3及び実施例4に
記載の手順を繰り返した。得られた抗SnoNタンパク
質特異モノクローナル抗体SnoN−1、SnoN−
2、SnoN−3、及びSnoN−4の免疫グロブリン
クラスを同定した結果を表4に示す。
【0070】
【表4】モノクローナル抗体 免疫グロブリンのクラス SnoN−1 IgG1,λ SnoN−2 IgG1,κ SnoN−3 IgG1,λSnoN−4 IgG1,κ
【0071】
【実施例12】《抗SnoNタンパク質特異モノクロー
ナル抗体の認識部位の同定》モノクローナル抗体とし
て、抗c−Skiタンパク質特異モノクローナル抗体c
−Ski−1、c−Ski−2、c−Ski−3、及び
c−Ski−4の代わりに、前記実施例11で得られた
抗SnoNタンパク質特異モノクローナル抗体SnoN
−1、SnoN−2、SnoN−3、及びSnoN−4
を用いたこと、並びに認識部位同定用タンパク質とし
て、精製全c−Skiタンパク質及び各種c−Skiタ
ンパク質変異体の代わりに、前記実施例9で得られた精
製全SnoNタンパク質及び精製SnoNタンパク質4
2を用いたこと以外は、前記実施例5に記載の手順を繰
り返した。各モノクローナル抗体と各抗原との結合反応
の結果を表5に示す。表5において、「+」は結合反応
性を有することを示し、「−」は結合反応性がないこと
を示す。
【0072】
【表5】 全SnoNタンパク質 SnoNタンパク質42モノクローナル抗体 に対する反応性 に対する反応性 SnoN−1 + + SnoN−2 + + SnoN−3 + + SnoN−4 + + 腹水 − −
【0073】表5の結果から明らかなように、抗Sno
Nタンパク質特異モノクローナル抗体SnoN−1、S
noN−2、SnoN−3、及びSnoN−4は、分子
量約80キロダルトンの全SnoNタンパク質全体と反
応し、しかもこの約80キロダルトンのタンパク質全体
からN末端ペプチド約38キロダルトンが欠失したタン
パク質(SnoNタンパク質42)とも反応する。すな
わち、抗SnoNタンパク質特異モノクローナル抗体S
noN−1、SnoN−2、SnoN−3、及びSno
N−4の認識部位は、SnoNタンパク質の第310番
目のアミノ酸からC末端までの領域に存在する。
【0074】
【実施例13】《抗SnoNタンパク質特異モノクロー
ナル抗体を用いたイムノブロット定量法》細胞として、
前記実施例6に記載の各細胞の代わりに、A413(外
陰癌由来細胞)[理化学研究所ジーンバンク]、NMS
92(胃癌由来細胞)[理化学研究所ジーンバンク]、
TC78(甲状腺癌由来細胞)[理化学研究所ジーンバ
ンク]、NMS83(肺癌由来細胞)[理化学研究所ジ
ーンバンク]、及びJBL−5(Burkittリンパ
腫由来細胞)[理化学研究所ジーンバンク]を用いたこ
と、並びに一次抗体として、抗c−Skiタンパク質モ
ノクローナル抗体c−Ski−1の代わりに、抗Sno
Nタンパク質モノクローナル抗体SnoN−4を使用し
たこと以外は、前記実施例6に記載の手順を繰り返し
た。得られたオートラジオグラム上に出現したバンドの
強さをデンシトメーターで測定し、その測定値をグラフ
化した結果を図4に示す。
【0075】次に、前記のイムノブロット定量法でSn
oNタンパク質の測定値が最も高かったNMS83細胞
(図4参照)について、前記と同様の方法で細胞溶解液
を調製し、Affinity chromatogra
phy−principles and method
s−(ファルマシア・バイオテク)に従って調製した抗
SnoNタンパク質モノクローナル抗体(モノクローナ
ル抗体SnoN−1、SnoN−2、SnoN−3、又
はSnoN−4)固定化セファロースゲル(ファルマシ
ア・バイオテク)を用いた免疫沈降法で細胞溶解液中の
SnoNタンパク質を回収した後に、SDS−ポリアク
リルアミドゲルを用いた電気泳動を行った。
【0076】泳動終了後、ゲル中のタンパク質をニトロ
セルロースメンブレンに電気的に転写した。このメンブ
レンを、5%スキムミルク及び0.15M−NaClを
含む10mMトリス−HCl緩衝液(pH7.5)中に
25℃で30分間浸した後、一次抗体として抗SnoN
タンパク質モノクローナル抗体SnoN−4を25℃で
1時間反応させた。0.05%トウィーン−20及び
0.15M−NaClを含む10mMトリス−HCl緩
衝液(pH7.5)でメンブレンを3回洗浄した後、二
次抗体としてペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG
(バイオラッド社)を25℃で1時間反応させた。
【0077】前記と同様の方法でメンブレンを洗浄した
後、ECLウェスタンブロティング検出キット(アマシ
ャム株式会社)を用いて、ペルオキシダーゼと過酸化水
素とによって触媒されるルミノールの発光反応を行わせ
た。この発光をオートラジオグラフィーフィルムに感光
させ、オートラジオグラムを得た。このオートラジオグ
ラムの結果を図5に示す。
【0078】図5において、レーンAは抗SnoNタン
パク質モノクローナル抗体SnoN−1固定化セファロ
ースゲル、レーンBは抗SnoNタンパク質モノクロー
ナル抗体SnoN−2固定化セファロースゲル、レーン
Cは抗SnoNタンパク質モノクローナル抗体SnoN
−3固定化セファロースゲル、レーンDは抗SnoNタ
ンパク質モノクローナル抗体SnoN−4固定化セファ
ロースゲルで予め免疫沈降したサンプルの結果を示す。
【0079】図5から明らかなように、抗SnoNタン
パク質モノクローナル抗体SnoN−1固定化セファロ
ースゲルで予め免疫沈降した場合には、SnoNタンパ
ク質の内、電気泳動的移動度の大きい(すなわち、分子
量が小さい)低リン酸化型SnoNタンパク質のみが検
出された(レーンA参照)。一方、抗SnoNタンパク
質モノクローナル抗体SnoN−2又はSnoN−3固
定化セファロースゲルで予め免疫沈降した場合には、S
noNタンパク質のうち電気泳動的移動度の小さい(す
なわち、分子量が大きい)高リン酸化型SnoNタンパ
ク質のみが検出された(レーンB及びレーンC参照)。
また、抗SnoNタンパク質モノクローナル抗体Sno
N−4固定化セファロースゲルで予め免疫沈降した場合
には、低リン酸化型及び高リン酸化型SnoNタンパク
質が検出された(レーンD参照)。
【0080】実施例12に示したように、大腸菌で産生
させたリン酸化を受けていないSnoNタンパク質を、
ニトロセルロースメンブレンに吸着させた場合には、抗
SnoNタンパク質モノクローナル抗体4種(モノクロ
ーナル抗体SnoN−1、SnoN−2、SnoN−
3、SnoN−4)のいずれもが反応した。図5の結果
及び実施例12に示す結果より、それぞれの抗SnoN
タンパク質モノクローナル抗体のエピトープは、Sno
Nタンパク質がニトロセルロースメンブレンなどに吸着
してネイティブな構造を保持できない場合には、Sno
Nタンパク質のリン酸化状態に依存することなく出現す
るが、SnoNタンパク質が溶液中に存在してネイティ
ブな構造を保持することができる場合には、SnoNタ
ンパク質のリン酸化状態に基づいて出現することが確認
できた。
【0081】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、c−S
kiタンパク質に特異的なモノクローナル抗体であるの
で、被検試料(特には生体試料)中のc−Skiタンパ
ク質の有効な免疫学的分析方法、すなわち、特異性が高
く、しかも再現性のあるc−Skiタンパク質の免疫学
的分析方法を提供することができる。また、本発明のモ
ノクローナル抗体を単独で、あるいは、抗SnoNタン
パク質モノクローナル抗体と組合わせて用いることによ
り、c−Skiタンパク質複合体(ホモダイマー)、又
はc−Skiタンパク質−SnoNタンパク質複合体
(ヘテロダイマー)をそれぞれ特異的に分析することが
できる。更に、本発明の免疫学的測定法によれば、細胞
核内のc−Skiタンパク質複合体(ホモダイマー)及
び/又はc−Skiタンパク質−SnoNタンパク質複
合体(ヘテロダイマー)の量的変化を捉えることができ
るので、癌化の有無及び/又は癌化の程度を検出するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるモノクローナル抗体c−Ski−
1を用いてイムノブロット法により定量した、種々な細
胞中のc−Skiタンパク質の発現量を示すグラフであ
る。
【図2】本発明によるモノクローナル抗体c−Ski−
2を用いたワン・ステップ・サンドイッチ酵素免疫定量
法により、各種濃度に調製したc−Skiタンパク質複
合体(ホモダイマー)の測定を行った検量線を示すグラ
フである。
【図3】本発明によるモノクローナル抗体c−Ski−
3と、抗SnoNタンパク質モノクローナル抗体Sno
N−4とを用いた化学発光定量法により、各種濃度に調
製したc−Skiタンパク質−SnoNタンパク質複合
体(ヘテロダイマー)の測定を行った検量線を示すグラ
フである。
【図4】モノクローナル抗体SnoN−4を用いてイム
ノブロット法により定量した、種々な細胞中のSnoN
タンパク質の発現量を示すグラフである。
【図5】リン酸化状態の異なるSnoNタンパク質に対
するモノクローナル抗体4種の反応特異性をイムノブロ
ット法により確認した結果を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/574 G01N 33/577 B 33/577 C12N 5/00 B (72)発明者 石井 俊輔 茨城県つくば市高野台3丁目1番1号 理 化学研究所筑波ライフサイエンスセンター 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトc−Skiタンパク質と反応するこ
    とを特徴とする、モノクローナル抗体又はその抗体フラ
    グメント。
  2. 【請求項2】 ヒトc−Skiタンパク質における第1
    番目のアミノ酸残基〜第45番目のアミノ酸残基からな
    る領域に反応する、請求項1に記載のモノクローナル抗
    体又はその抗体フラグメント。
  3. 【請求項3】 ヒトc−Skiタンパク質における第4
    6番目のアミノ酸残基〜第260番目のアミノ酸残基か
    らなる領域に反応する、請求項1に記載のモノクローナ
    ル抗体又はその抗体フラグメント。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモ
    ノクローナル抗体を産生することを特徴とする、ハイブ
    リドーマ。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のモ
    ノクローナル抗体又は抗体フラグメント1種以上を用い
    ることを特徴とする、c−Skiタンパク質の免疫学的
    分析方法。
  6. 【請求項6】 c−Skiタンパク質を分析することを
    特徴とする、癌化の検出法。
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