JP3154570B2 - 内燃機関の失火検出装置 - Google Patents

内燃機関の失火検出装置

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JP3154570B2
JP3154570B2 JP28159192A JP28159192A JP3154570B2 JP 3154570 B2 JP3154570 B2 JP 3154570B2 JP 28159192 A JP28159192 A JP 28159192A JP 28159192 A JP28159192 A JP 28159192A JP 3154570 B2 JP3154570 B2 JP 3154570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、内燃機関の失火検出
装置に関し、特に内燃機関の点火系、燃料系等の異常に
よる失火を検出するための内燃機関の失火検出装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の内燃機関の失火検出装置
として、例えば特開平2−414000号公報に開示さ
れているものがある。これは内燃機関の回転をクランク
角センサを用いて検出し、失火の有無によって発生する
回転変動から失火を判定するものである。この失火検出
装置においては、内燃機関の所定のクランク角を基準と
して前後の所定角度区間のそれぞれの所要時間の時間比
率を検出する時間比率検出手段と、上記時間比率の加速
度を求め、この加速度から失火を判定する失火判定手段
とを備え、失火判定手段は、この加速度と予め定められ
た失火に対応する所定値を比較し、失火の有無を判定す
るものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来装置においては、内燃機関の回転変動に着目
し、内燃機関失火時失火気筒の回転周期が長くなること
を検出して失火を判定しているので、運転状態が急変し
た場合内燃機関のクランク軸の角速度も急変するため、
正常燃焼時と失火時の角速度の挙動差を判別できず、失
火判定を誤る等の問題点があった。
【0004】この発明は、このような問題点を解決する
ためになされたもので、内燃機関の運転状態が急変した
場合でも正確に失火判定を行うことができる内燃機関の
失火検出装置を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る内燃機関の失火検出装置は、複数の気筒を有する内燃
機関に接続され、この内燃機関の回転を検出するクラン
ク角検出手段と、このクランク角検出手段に接続され、
該クランク角検出手段の出力信号に基づいて上記内燃機
関の各気筒に発生する失火を検出する失火検出手段と、
上記内燃機関に接続され、該内燃機関の運転状態の変化
を吸気の質量流量の情報により算出された気筒の行程容
積に占める新気重量に対する実際に吸入された新気重量
の比に基づいて検出する運転状態検出手段とを備え、上
記失火検出手段は上記運転状態検出手段の出力信号が急
激に変化したとき失火検出の判定結果を無効とするよう
にしたものである。
【0006】請求項2記載の発明に係る内燃機関の失火
検出装置は、複数の気筒を有する内燃機関に接続され、
この内燃機関の回転を検出するクランク角検出手段と、
このクランク角検出手段に接続され、該クランク角検出
手段の出力信号に基づいて上記内燃機関の各気筒に発生
する失火を検出する失火検出手段と、上記内燃機関に接
続され、該内燃機関の運転状態の変化を吸気の質量流量
の情報により算出された気筒の行程容積に占める新気重
量に対する実際に吸入された新気重量の比に基づいて
出する運転状態検出手段とを備え、上記失火検出手段は
上記運転状態検出手段の出力信号の変化量が所定値以上
のとき失火検出の判定結果を無効とするようにしたもの
である。
【0007】請求項3記載の発明に係る内燃機関の失火
検出装置は、複数の気筒を有する内燃機関に接続され、
この内燃機関の回転を検出するクランク角検出手段と、
このクランク角検出手段に接続され、該クランク角検出
手段の出力信号に基づいて上記内燃機関の各気筒に発生
する失火を検出する失火検出手段と、上記内燃機関に接
続され、該内燃機関の運転状態の変化を吸気の質量流量
の情報により算出された気筒の行程容積に占める新気重
量に対する実際に吸入された新気重量の比に基づいて
出する運転状態検出手段とを備え、上記失火検出手段は
運転状態が急激に変化してから所定時間継続して失火検
出の判定結果を無効とするようにしたものである。
【0008】
【作用】請求項1記載の発明においては、内燃機関に接
続されてこの内燃機関の運転状態の変化を吸気の質量流
量の情報により算出された気筒の行程容積に占める新気
重量に対する実際に吸入された新気重量の比に基づいて
検出する運転状態検出手段を設け、失火検出手段で運転
状態検出手段の出力信号が急激に変化したとき失火検出
の判定結果を無効とするようにして誤判定を防止して失
火の検出精度を高める。
【0009】請求項2記載の発明においては、内燃機関
に接続されてこの内燃機関の運転状態の変化を吸気の質
量流量の情報により算出された気筒の行程容積に占める
新気重量に対する実際に吸入された新気重量の比に基づ
いて検出する運転状態検出手段を設け、失火検出手段で
運転状態検出手段の出力信号の変化量が所定値以上のと
き失火検出の判定結果を無効とするようにして誤判定を
防止して失火の検出精度を高める。
【0010】請求項3記載の発明においては、内燃機関
に接続されてこの内燃機関の運転状態の変化を吸気の質
量流量の情報により算出された気筒の行程容積に占める
新気重量に対する実際に吸入された新気重量の比に基づ
いて検出する運転状態検出手段を設け、失火検出手段で
運転状態が急激に変化してから所定時間継続して失火検
出の判定結果を無効とするようにして運転状態が急激に
変化している期間は勿論運転状態が定常状態に復帰した
直後の誤判定も防止して失火の検出精度をより高める。
【0011】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の機能ブロック図である。図にお
いて、M1は複数の気筒を有する内燃機関としてのエン
ジン、M2はこのエンジンM1に接続され、エンジンM
1の所定のクランク角を基準として点火制御に用いる基
準クランク角の位置を検出するクランク角検出手段、M
3はこのクランク角検出手段M2に接続され、図示せず
もこのクランク角検出手段M2の出力信号に基づいてエ
ンジンM1の各気筒に対応する基準クランク角の前後の
それぞれの区間の所要時間の時間比率を検出する時間比
率検出手段及びこの時間比率検出手段の出力信号に基づ
いて失火を判定する失火判定手段を含む失火検出部であ
る。
【0012】この失火検出部M3は、時間比率検出手段
でクランク角検出手段M2からの出力信号からエンジン
M1の特定の基準角度、例えば上死点を挟む前後の基準
周期信号の時間比率を検出し、この時間比率の角速度か
ら失火を判定する。M4はエンジンM1に接続され、例
えばエンジンの負荷、回転数等の運転状態を検出し、そ
の検出情報を失火検出部M3に出力する運転状態検出手
段である。
【0013】図2は図1を具体化したこの発明の一実施
例を示す構成図である。図において、1は#1〜#4の
気筒11〜14を有する4気筒エンジン、2はエンジン
1の吸気路(図示せず)に配設され、エンジン1に吸入
される空気量を検出するエアフローセンサ、3はエンジ
ン1のクランク軸(図示せず)に取り付けられ、エンジ
ン1の回転を検出するクランク角センサである。4はエ
ンジン1のカム軸(図示せず)に取り付けられ、気筒識
別センサ41を内蔵するディストリビュータ、5はエア
ーフローセンサ2からの吸気量信号、クランク角センサ
3からの回転信号及び気筒識別センサ41からの気筒識
別信号が供給される制御ユニット、6は制御ユニット5
に接続され、エンジン1の各気筒に対して燃料を噴射す
るインジェクタ、7は制御ユニット5に接続された点火
装置としてのイグナイタ、8は制御ユニット5に接続さ
れ、失火を警報する警報ランプである。
【0014】制御ユニット5は、上述の吸気量信号、回
転信号及び気筒識別信号の外に図示しない各種信号(例
えば、スロット開度信号、水温信号等)が入力されてイ
ンジェクタ6、イグナイタ7を駆動する燃料、点火制御
機能と、失火を検出して警報ランプ8を点灯する失火検
出機能を有する。
【0015】制御ユニット5は、エアフローセンサ2か
らの吸気量信号が入力されるアナログインタフェース5
1と、クランク角センサ3からの回転信号と気筒識別セ
ンサ41からの気筒識別信号が入力されるディジタルイ
ンタフェース52と、これらインタフェース51及び5
2からの出力信号を所定のプログラムに従って演算処理
し、後述の各ドライバを介して燃料、点火制御及び失火
検出、表示制御を行うマイクロコンピュータ53と、制
御ユニット5からの出力信号に基づいてインジェクタ
6、イグナイタ7及び警報ランプ8をそれぞれ駆動する
インジェクタドライバ54、点火ドライバ55及びラン
プドライバ56とにより構成されている。又、マイクロ
コンピュータ53は、処理手順、制御情報を記憶するメ
モリ531、定時間クロック毎にカウントアップするタ
イマカウンタ(フリーランニングカウンタ)532及び
各演算処理を実行するCPU533等により構成されて
いる。
【0016】次に、動作について説明する。先ずクラン
ク角センサ3と点火、燃焼の関係について説明する。図
3(a),(b)に4ストロークサイクル4気筒エンジンのク
ランク角に対する各気筒11〜1の圧力変化と各部の
波形を示す。同図(a)において、実線はエンジン1の第
1気筒#1の圧力波形であり、BDCは下死点、TDC
は上死点である。また、破線は第3気筒#3、一点鎖線
は第2気筒#2、2点鎖線は第4気筒#4のそれぞれ圧
力波形である。図3に示すように、4気筒エンジンでは
各気筒の燃焼サイクルはクランク角180度の位相差を
持っている。なお、図3においては、第1気筒#1の圧
力波形は、吸入、圧縮、爆発、排気の1サイクルの行程
を連続して示しているが、第2気筒#2、第3気筒#
3、第4気筒#4の圧力波形は、圧縮と爆発の行程のみ
を記載し、吸入、排気の行程はその記載を省略してい
る。
【0017】クランク角センサ3は図3(b)に示すよう
に各気筒11〜14の点火時期に対応して、TDCに対
して例えば6度前の位置を基準として180度の周期
で、例えば110度のLow区間(以下、Lと称す)と7
0度のHigh区間(以下、Hと称す)に振り分けられた
点火周期信号と、この点火周期信号の第1気筒のH区間
に対応するタイミングで、点火気筒の番号を識別する気
筒識別信号を発生する。一般的に点火制御は、この気筒
識別信号を参照して、ここに図示しない点火コイルの通
電を制御する。
【0018】即ち、第1気筒#1を例にとると、クラン
ク角180度ないし360度における圧縮行程のH区間
に点火コイルの通電を開始し、回転数負荷に対応して定
められた点火時期にTDC近傍でHからLに変化するク
ランク角センサ3の出力信号を参照して、点火コイルの
通電を遮断し、これによって発生する高電圧を点火プラ
グに印加し、着火させる。これに対応して図3(a)に実
線で示すように圧力波形はクランク角360度ないし5
40度における爆発行程で着火し、燃焼圧力が増大す
る。以下同様にして、180度周期で、着火順序#1→
#3→#4→#2→#1と燃焼サイクルが繰り返され
る。
【0019】次に、失火検出の具体的方法について説明
する。図3(a),(c)に燃焼と角速度の関係を示す。尚、
本図はエンジン回転数1000rpmの場合である。同図(a)に
実線で示す第1気筒#1において、クランク角360度
を中心とする波形は正常燃焼の場合であり、吸入行程で
充填された混合気は圧縮行程で加圧され、圧縮のTDC
付近で点火され、爆発行程で急激に膨張し、排気行程で
気筒外に排出される。
【0020】次に点火失敗あるいは、空気と燃料の混合
比が不適切な場合に発生する失火状態を説明する。クラ
ンク角1080度を中心とする圧力波形がこれに相当し、T
DCを中心として左右対称となる。この例の場合は、燃
焼が全く無い場合、即ち完全失火の状態を示している
が、失火の程度が軽微であれば、爆発行程の圧力遷移は
クランク角360度ないし540度に示す正常時の圧力
波形の中間の値となる。また、角速度は図3(c)のクラ
ンク角0ないし1080度に示すように、各気筒の爆発によ
るトルク上昇に対応して、角速度が増大し、圧縮に対応
して、減少する特性を有する。ここで、失火が発生する
と、クランク角1080度以降に示すように、爆発によるト
ルク上昇が得られないため、角速度は減少し、次の第3
気筒#3の爆発が発生するまで減少し続ける。そこで、
この発明はこのことに着目し、失火の有無により発生す
るクランク角の所定区間の角速度の変動から、失火を判
定しようとするものである。
【0021】次に、実際の失火判定に用いる角加速度に
ついて、図3(b)を参照して説明する。図において、
Tはクランク角180度毎の各気筒の点火周期であり、
TUは110度のL区間、TLは70度のH区間の各々
所要時間である。また、添え字のiは現在値を示し、i
ー1は前回値を示す。往復円運動において、角加速度α
(rad/s2)は、次式で表される。
【0022】 α=(ωiーωi-1)/Ti …(1)
【0023】ここで、ωiは期間Tiでの角速度、Ti
各点火間の周期である。又、角速度ωiは、次式で表さ
れる。
【0024】 ωi=4π/c×(1/Ti) …(2)
【0025】ここで、cは気筒数である。上記(1)及
び(2)式より、角速度ωiが低下したとき角加速度α
は、正となるように極性を選択すると、次式のようにな
る。
【0026】 α=4π/c×(1/Ti)×[Ti/Ti 2−{Ti-1/(Ti-12}] …(3)
【0027】ここで、Ti-1=Ti+ΔTiとし、ΔTi 2
≪1とすれば、上記(3)式の角加速度αは、近似的に
次式で表される。
【0028】 α=4π/c×(T i i-1)/Ti 3 …(4)
【0029】又、各点火間の周期Tiと時間比率TU/
TLとの関係は、Ti=TL+TUであり、TLの項は
圧縮行程に含まれる充填空気量の情報であり、TUを空
気量基準で正規化することを意味する。ここで、隣合う
気筒の充填空気量が一定とすれば、TLi=TLi-1とな
り、ΔTi=Ti-1−Ti=TUi-1−TUiの関係から、
角加速度αは、次式のようになる。
【0030】 α=4π/c×(TLi/Ti 3)×{TUi/TLi−(TUi-1/TLi-1) } …(5)
【0031】本実施例で用いた演算式は、4π/cの項
を削除し、角加速度の近似式として加速度(1/s2
は、次式で表される加速度βを用い、失火によって生じ
る角速度変動を加速度βとして判定するものである。
【0032】 β=(TLi/Ti-1 3)×{TUi/TLi−(TUi-1/TLi-1)} …(6)
【0033】図3(d)は失火と加速度(1/s2)の関係
を示す図である。同図において、実線は、各気筒#1〜
#4に対応してそれぞれ算出される加速度であり、同図
に破線で示す例えば5(1/s2)の値を失火判定値に
設定すれば、クランク角1080度を中心とする第1気筒#
1の失火に対応して加速度が増大し、判定値以上となる
ため、加速度から失火を判定できることは明らかであ
る。
【0034】次に、エンジンの運転状態が急激に変化し
た場合について、図4及び図5を参照しながら説明す
る。図4は負荷が急激に増大した状態を表すタイムチャ
ートであり、正常燃焼にも拘わらず失火と判定している
誤検出の例である。又、図5は負荷が急激に減少した状
態を表すタイムチャートであり、失火を検出していない
未検出の例である。尚、図4、図5において、図3と対
応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0035】図4は負荷が急激に増大した状態で、この
状況はシフトチェンジ後図示しないスロットル弁に連動
するアクセルペダルを踏み込んだとき等に発生する。負
荷の指標として用いたのがCe値(充填効率)で、エア
フローセンサ2からの吸気の質量流量の情報により算出
された気筒の行程容積に占める新気重量に対する実際に
吸入された新気重量の比であり、図4(a)に示すこの
Ce値は0〜1の値をとり、低負荷から高負荷に急激に
変化している状態を表す。
【0036】図4(b)は各気筒の圧力波形を示してお
り、図4(a)における負荷の増大につれて、気筒内の
圧力も180度周期で#1→#3→#4→#2の点火順
序で繰り返される点火に伴って増大する。又、同図にお
いては正常燃焼であり、失火気筒は存在しない。図4
(d)は燃焼に伴う角速度の変化を示しており、シフト
チェンジ後の加速時、燃料増量による不整燃焼が発生
し、角速度が周期的に増減を繰り返しながら増加するー
波形である。図4(e)は加速度(1/s2)の関係を示
しており、同図において、実線は、各気筒#1〜#4に
対応してそれぞれ算出された加速度であり、同図に破線
で示すのが図3同様、加速度5(1/s2)の値を失火
判定値に設定したものである。
【0037】ここで、加速度に注目すると、クランク角
900(deg)において、第2気筒#2の加速度が失
火していないにも拘わらず失火判定値5(1/s2)を
越えている。これは、クランク軸の角速度の変化が負荷
の増大によって増加するが、不整燃焼が発生し、角速度
が幾分減少したのを、失火による角速度の減少と誤判定
したためである。従って、負荷が急激に増加する場合、
正常燃焼時と失火時の角速度の挙動判別が難しく、正確
な失火判定が不能となるので、この部分を失火判定の対
象範囲より除外しなければならない。
【0038】図5は負荷が急激に減少した場合に発生す
る未検出の例であり、図5(a)に示すCe値の波形は
負荷が高負荷から低負荷に急激に減少している状態を表
す。この状況はシフトチェンジ前に図示しないスロット
ル弁に連動するアクセルペダルを離したとき等に発生す
る。図5(b)は各気筒の圧力波形を示しており、図5
(a)における負荷の減少につれて、気筒内の圧力も1
80度周期で#1→#3→#4→#2の点火順序で繰り
返される点火に伴って減少する。又、同図において、ク
ランク角1080(deg)の第3気筒#3は、クラン
ク角1080度を中心に左右対称であるので失火状態で
あることを示す。
【0039】図5(d)は燃焼に伴う角速度の変化を示
しており、負荷の減少に伴って角速度が減少している。
図5(e)は加速度(1/s2)の関係を示しており、同
図において、実線は、各気筒#1〜#4に対応してそれ
ぞれ算出された加速度であり、同図に破線で示すのが図
3同様、加速度5(1/s2)の値を失火判定値に設定
したものであり、クランク角1080(deg)の加速
度が、失火しているにも拘わらず失火判定値5(1/s
2)以下である。これは、負荷が急激に減少する場合、
失火により角速度が減少し、失火気筒の次の気筒(クラ
ンク角1260(deg))も負荷の減少により角速度
が減少しているため、失火による角速度の減少分と負荷
の減少による角速度の減少分が同等となり、角速度に有
意差がなくなるので検出不能となるからである。従っ
て、負荷が急激に減少する場合、正確な失火判定が不能
となるので、この部分を失火判定の対象範囲より除外し
なければならない。
【0040】次に運転状態の急変による誤失火判定を防
止する動作について、図6を参照しながら説明する。こ
の動作は、運転状態の変化量が所定値以上であれば、運
転状態急変区間及び運転状態急変後所定時間失火判定を
禁止するもので、このルーチンは所定時間毎に実行され
る。
【0041】先ず、マイクロコンピュータ53はステッ
プS1でエアフローセンサ2、クランク角センサ3及び
気筒識別センサ41の出力信号に基づいて所定時間毎に
CPU533により所定の演算を行って失火検出を行
う。又、マイクロコンピュータ53はステップS2でエ
アフローセンサ2、クランク角センサ3及び気筒識別セ
ンサ41の出力信号に基づいて所定時間毎にエンジン1
の負荷、回転数等の運転状態を検出し、メモリ531に
ストアする。次にステップS3において、この処理が、
プログラムのスタート後、初回目であるか否かをCPU
533で判定し、初回目であれば、処理を終了し、2回
目以降であればステップS4に進み、前回の運転状態と
今回の運転状態をメモリ531より読みだし、CPU5
33で運転状態の変化量を演算し、その変化量が所定値
以上であれば、ステップS5に進む。
【0042】ステップS5において、マイクロコンピュ
ータ53は失火判定禁止状態であることを示すフラグ
(仮にこのフラグ名をKINSHIとする)をONにし
てメモリ531にフラグの状態をストアすると同時に定
時間毎にカウントアップするタイマカウンタ532をク
リアした後スタートさせてステップS6に進み、失火判
定を禁止する。
【0043】一方、ステップS4で運転状態の変化量が
所定値以下のときはステップS7に進み、ここでメモリ
531にストアされているKINSHIのフラグの状態
を調べ、OFFであれば処理を終了する。ステップS7
でKINSHIのフラグがONであればステップS7に
進み、ここでステップS5でスタートされたタイマカウ
ンタ532の状態を判定し、所定時間内であれば、ステ
ップS6に進み、失火判定を禁止する。つまり、所定値
以上の変化量が発生した時点から所定時間タイマカウン
タ532を動作させ、このタイマカウンタ532の動作
区間中は失火判定を禁止する。又、ステップS8でタイ
マカウンタ532の値がタイムアップすると、つまり所
定時間内でなければ、ステップS9でKINSHIのフ
ラグをOFFにして処理を終了する。
【0044】実施例2.尚、上記実施例では、運転状態
の変化をCe(充填効率)で判定したが、これに代えて
図示しないが吸入管の圧力であるブースト圧、回転数N
に対する吸入空気量Aの割合であるA/N、スロットル
開度、回転数等を用いてもよい。又、運転状態急変後の
失火判定禁止時間を固定値としたが、変化量に応じた可
変値でもよい。更に、上記実施例では、4気筒エンジン
の場合について説明したが、これに限定されることな
く、その他の気筒数のエンジンにも同様に適用でき、上
記実施例と同様の効果を奏する。
【0045】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、複数の気筒を有する内燃機関に接続され、この内
燃機関の回転を検出するクランク角検出手段と、このク
ランク角検出手段に接続され、該クランク角検出手段の
出力信号に基づいて上記内燃機関の各気筒に発生する失
火を検出する失火検出手段と、上記内燃機関に接続さ
れ、該内燃機関の運転状態の変化を吸気の質量流量の情
報により算出された気筒の行程容積に占める新気重量に
対する実際に吸入された新気重量の比に基づいて検出す
る運転状態検出手段とを備え、上記失火検出手段は上記
運転状態検出手段の出力信号が急激に変化したとき失火
検出の判定結果を無効とするようにしたので、運転状態
が急激に変化したときの誤判定を防止して失火の検出精
度を高めることができるという効果がある。
【0046】請求項2記載の発明に係る内燃機関の失火
検出装置は、複数の気筒を有する内燃機関に接続され、
この内燃機関の回転を検出するクランク角検出手段と、
このクランク角検出手段に接続され、該クランク角検出
手段の出力信号に基づいて上記内燃機関の各気筒に発生
する失火を検出する失火検出手段と、上記内燃機関に接
続され、該内燃機関の運転状態の変化を吸気の質量流量
の情報により算出された気筒の行程容積に占める新気重
量に対する実際に吸入された新気重量の比に基づいて
出する運転状態検出手段とを備え、上記失火検出手段は
上記運転状態検出手段の出力信号の変化量が所定値以上
のとき失火検出の判定結果を無効とするようにしたもの
で、運転状態が急激に変化したときの誤判定を防止して
失火の検出精度を高めることができるという効果があ
る。
【0047】請求項3記載の発明に係る内燃機関の失火
検出装置は、複数の気筒を有する内燃機関に接続され、
この内燃機関の回転を検出するクランク角検出手段と、
このクランク角検出手段に接続され、該クランク角検出
手段の出力信号に基づいて上記内燃機関の各気筒に発生
する失火を検出する失火検出手段と、上記内燃機関に接
続され、該内燃機関の運転状態の変化を吸気の質量流量
の情報により算出された気筒の行程容積に占める新気重
量に対する実際に吸入された新気重量の比に基づいて
出する運転状態検出手段とを備え、上記失火検出手段は
運転状態が急激に変化してから所定時間継続して失火検
出の判定結果を無効とするようにしたもので、運転状態
が急激に変化している期間は勿論運転状態が定常状態に
復帰した直後の誤判定も防止して失火の検出精度をより
高めるできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1を具体化したこの発明の一実施例を示す構
成図である。
【図3】この発明の一実施例の動作説明に供するための
タイムチャートである。
【図4】この発明の一実施例の動作説明に供するための
タイムチャートである。
【図5】この発明の一実施例の動作説明に供するための
タイムチャートである。
【図6】この発明の一実施例の動作説明に供するための
演算フローチャートである。
【符号の説明】
M1 エンジン M2 クランク角検出手段 M3 失火検出部 M4 運転状態検出手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−262225(JP,A) 特開 平4−209950(JP,A) 特開 平5−263709(JP,A) 特開 平4−36047(JP,A) 特開 平3−194154(JP,A) 特開 平4−72450(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の気筒を有する内燃機関に接続さ
    れ、この内燃機関の回転を検出するクランク角検出手段
    と、 このクランク角検出手段に接続され、該クランク角検出
    手段の出力信号に基づいて上記内燃機関の各気筒に発生
    する失火を検出する失火検出手段と、 上記内燃機関に接続され、該内燃機関の運転状態の変化
    を吸気の質量流量の情報により算出された気筒の行程容
    積に占める新気重量に対する実際に吸入された新気重量
    の比に基づいて検出する運転状態検出手段とを備え、上
    記失火検出手段は上記運転状態検出手段の出力信号が急
    激に変化したとき失火検出の判定結果を無効とするよう
    にしたことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
  2. 【請求項2】 複数の気筒を有する内燃機関に接続さ
    れ、この内燃機関の回転を検出するクランク角検出手段
    と、 このクランク角検出手段に接続され、該クランク角検出
    手段の出力信号に基づいて上記内燃機関の各気筒に発生
    する失火を検出する失火検出手段と、 上記内燃機関に接続され、該内燃機関の運転状態の変化
    を吸気の質量流量の情報により算出された気筒の行程容
    積に占める新気重量に対する実際に吸入された新気重量
    の比に基づいて検出する運転状態検出手段とを備え、上
    記失火検出手段は上記運転状態検出手段の出力信号の変
    化量が所定値以上のとき失火検出の判定結果を無効とす
    るようにしたことを特徴とする内燃機関の失火検出装
    置。
  3. 【請求項3】 複数の気筒を有する内燃機関に接続さ
    れ、この内燃機関の回転を検出するクランク角検出手段
    と、 このクランク角検出手段に接続され、該クランク角検出
    手段の出力信号に基づいて上記内燃機関の各気筒に発生
    する失火を検出する失火検出手段と、 上記内燃機関に接続され、該内燃機関の運転状態の変化
    を吸気の質量流量の情報により算出された気筒の行程容
    積に占める新気重量に対する実際に吸入された新気重量
    の比に基づいて検出する運転状態検出手段とを備え、上
    記失火検出手段は運転状態が急激に変化してから所定時
    間継続して失火検出の判定結果を無効とするようにした
    ことを特徴とする内燃機関の失火検出装置。
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