JP3153031B2 - ダイシング装置 - Google Patents

ダイシング装置

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JP3153031B2
JP3153031B2 JP847293A JP847293A JP3153031B2 JP 3153031 B2 JP3153031 B2 JP 3153031B2 JP 847293 A JP847293 A JP 847293A JP 847293 A JP847293 A JP 847293A JP 3153031 B2 JP3153031 B2 JP 3153031B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体ウエハ等に溝加工
するダイシング装置に関し、特に切削時に切粉の排出お
よび砥石刃の冷却用に供給される切削液が砥石刃の回転
によって飛散して装置や周囲を汚すのを防止すると共
に、切削に従って汚れた切削液が飛散された後再び切削
部分に戻って被加工物に悪影響を与えるのを低減したダ
イシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ上に形成された半導体チッ
プを切り離すためにチップ間に薄溝を加工するダイシン
グ装置が広く使用されている。図12は従来のダイシン
グ装置の基本的な構成を示す図である。なお図において
は、共通する部分には同一の参照番号を付して表わすこ
ととする。
【0003】図12において、参照番号100は溝加工
が施される被加工物の半導体ウエハであり、101は半
導体ウエハ100を保持するステージであり、移動機能
を有している。1は砥石刃であり、高速に回転する。通
常この砥石刃1はブレードと呼ばれており、以下の説明
においてもこのブレードという名称を使用する。2はブ
レード1の周囲に設けられたフランジカバーであり、切
削に必要な各種の処理を行う部分が取り付けられる。9
は砥石刃1を回転させるスピンドルモータである。
【0004】ダイシング装置における加工時には、切削
部分に純水等の切削液を供給する必要がある。参照番号
3は切削部分に切削液を供給するための切削液供給パイ
プであり、切削液供給パイプ3への切削液の供給はホー
ス121及び122を介して行われる。切削液供給パイ
プ3は、通常ブレード1の両側に設けられるため、ブレ
ード1に平行に2本ある。図中の矢印が切削液の噴射方
向である。供給された切削液は、ブレード1が高速に回
転するため、回転方向の後側に向かって激しく飛散す
る。8は、この切削液の飛散によるダイシング装置の汚
れを防止するためのミストトラップと呼ばれる遮蔽板で
ある。
【0005】ブレード1は、加工途中で摩耗し、あるい
は、破損して欠けることがあり、摩耗あるいは欠けたま
まの状態で加工を行うとウエハ等を損傷することになる
ため、随時ブレード1の摩耗破損を検出することが行わ
れる。このための検出器としては、通常光源と受光素子
に接続された2本の光ファイバが利用され、測定時には
測定可能な位置に移動し、非測定時には退避できるよう
に上記のフランジカバー2に取り付けられている。
【0006】またブレード1には切削部分に切削液が供
給されるが、その場合のブレード1と切削液とのなじみ
が良くなるように、ブレード1には常時切削液が付着し
ていることが望ましい。しかしブレード1は高速回転し
ているため、付着している切削液がブレード1から回転
の遠心力で飛散してしまうという問題がある。そこで切
削部分の回転位置の前側に切削液又は切削液に類した液
体をブレード1に噴射して、なじみを良くすることが行
われる。このための噴射ノズルもフランジカバー2に取
り付けられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにダイシン
グ装置では、加工時にはブレード1に切削液が供給さ
れ、その飛散による装置の汚れが大きな問題であるが、
それと同時に汚れた切削液には切削屑が含まれており、
汚れた切削液が切削部分にあると被加工物の表面等に悪
影響を及ぼすという問題がある。そのため、汚れた切削
液はできるだけ速やかに回収してフィルター等で清浄な
状態に再生した後、再び使用されるのが一般的である。
しかし汚れた切削液を完全には回収することは難しく、
汚れた切削液が被加工物に与える悪影響が問題になって
いるのが現状である。
【0008】図13は従来のダイシング装置の切削部分
を示す図である。図示のように、切削液供給パイプ3は
フランジカバー2に設けられた取り付け部材32から延
びている。参照番号202は加工前にブレード1の切削
位置と被加工物100との位置を合わせるための顕微鏡
であり、201は顕微鏡202が切削液で汚れるのを防
止するためのシートカバーである。ダイシング装置は小
型化が求められており、切削液供給パイプ3は、シート
カバー201がある関係で図13のように、切削部分に
対して回転方向の後側から延びている。
【0009】しかし図13に示す構成では、切削部分に
供給された切削液は回転するブレード1によって図示の
ように飛散するため切削液供給パイプ3又は取り付け部
材32に当たって付着し、切削液供給パイプ3を伝って
汚れた切削液が再び切削部分に供給されて悪影響を及ぼ
すという問題がある。また図14は従来のダイシング装
置における遮蔽板と飛散した切削液の動きを説明する図
であり、切削液がフランジカバー2に当たって切削部分
に戻るのを防止するためフランジカバー2の後側部分は
大きく開いている。そのため、図示のように、切削部よ
り飛散した切削液は広範囲に渡って飛散することにな
る。飛散した切削液は装置全体を汚すため、図14に示
すように、遮蔽板8を延ばして切削液の飛散を防止する
ことが行われる。従来の装置においては、遮蔽板8は付
着した切削液の雫が遮蔽板8を伝って落ちるように、ブ
レード1側が高くなるように配置されていた。
【0010】しかし実際には、遮蔽板8の上部に付着し
た切削液の雫300の一部はそのまま被加工物を保持す
るステージ101上に落下して、再び切削部分に戻ると
いう問題が起きている。また図15に示すような飛散し
た切削液の経路となるダクトを設けることも行われてい
る。図16は図15の側面図である。このようなダクト
を設けることにより、切削液の飛散は非常に低減される
が、ダクトの上面181及び側面183に当たった切削
液は雫となって下面182に落下し、再び切削部分に戻
ることとなる。下面182の傾きをブレード1側が高く
なるようにすることは、ステージ101が移動するため
物理的にできない。
【0011】以上のように従来のダイシング装置におい
ては、切削液の飛散を防止した場合、汚れた切削液が再
び切削部分に戻り被加工物等に悪影響を及ぼすという問
題がある。本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、切削液の飛散が防止されると共に、汚れた切削
液が再び切削部分に戻って被加工物等に悪影響を及ぼす
のを防止したダイシング装置の実現を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の態様のダ
イシング装置は、砥石刃を高速回転して薄溝加工を行
い、切削部分に切削液を供給するために砥石刃に略平行
に設けられた切削液供給パイプを備えるが、切削液供給
パイプは、切削部分に対して回転方向における前側から
切削部分に延びることを特徴とする。
【0013】本発明の第二の態様のダイシング装置は、
砥石刃を高速回転して薄溝加工を行い、加工時に切削部
分に切削液が供給されるが、切削部分に対して回転方向
の後側に、砥石刃の直径以下の幅で、水平又は砥石刃側
が低くなるような傾きの切削液飛散防止用制流板を備え
ることを特徴とする。本発明の第三の態様のダイシング
装置は、砥石刃を高速回転して薄溝加工を行い、加工時
に切削部分に切削液が供給されるが、砥石刃に切削液又
は当該切削液に類する液体を噴射する噴射ノズルを1個
または複数個備えることを特徴とする。
【0014】本発明の第四の態様のダイシング装置は、
砥石刃を高速回転して薄溝加工を行う装置であり、砥石
刃の周囲にこの砥石刃の刃先との間隔が一定であるよう
に設けられたフランジカバーと、フランジカバーの穴に
収容され砥石刃の状態を検出する検出器とを備えるが、
検出器を収容するフランジカバーの穴は砥石刃の刃先部
の成す平面上を除く部分に設けられていることを特徴と
する。
【0015】本発明の第五の態様のダイシング装置は、
砥石刃を高速回転して薄溝加工を行い、加工時に切削部
分に切削液が供給されるが、切削部分に対して砥石刃の
回転方向における手前側から、砥石刃に向かって切削液
を噴射する噴射ノズルを備え、砥石刃は、刃と、刃の軸
心を中心とする円錐台状の傾斜部分を有するフランジと
を備え、噴射ノズルは、切削液を、刃の刃先部及びフラ
ンジの斜面部分に向かって、フランジの外周の接線に平
行に噴出することを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明の第一の態様のダイシング装置では、切
削液供給パイプが切削部分に対して回転方向における前
側から切削部分に延びるため、ブレードによって飛散さ
れた切削液が切削液供給パイプに当たって切削部分に戻
ることがほとんどなくなり、汚れた切削液の被加工物へ
の悪影響が低減される。
【0017】従来のダイシング装置では、顕微鏡等を隔
てるシートカバー等の関係で切削液供給パイプを切削部
分に対して回転方向における後側に設けることで装置を
小型化していた。しかし配置上の制約が若干増加して
も、本発明のように切削液供給パイプを切削部分に対し
て回転方向における前側から切削部分に延びるようにす
ることで大きな効果が得られる。
【0018】本発明の第二の態様のダイシング装置で
は、切削部分に対して回転方向の後側に、砥石刃の直径
以下の幅で、水平又は砥石刃側が低くなるような傾きの
切削液飛散防止用制流板を備えるが、たとえ切削液飛散
防止用制流板が水平又は砥石刃側が低くなるような傾き
であっても、砥石刃の中心面からあまり離れない範囲で
あれば飛散される切削液の流れの勢いが大きいため、切
削液飛散防止用制流板に付着した切削液の雫を切削液飛
散防止用制流板に沿って影響のない範囲まで流すことが
できる。
【0019】本発明の第三の態様のダイシング装置で
は、砥石刃に切削液又は当該切削液に類する液体を噴射
する噴射ノズルを1個または複数個備えるが、これによ
り砥石刃をより切削液になじむ状態に保持できる。本発
明の第四の態様のダイシング装置では、砥石刃の周囲に
この砥石刃の刃先との間隔が一定であるように設けられ
たフランジカバーを有するが、間隔が一定であることが
砥石刃が切削液になじんだ状態を維持する上で重要であ
る。しかし検出器を収容するためにフランジカバーに穴
を設けた場合、その穴の部分は砥石刃との間隔が一定で
なくなるため、切削液が穴内に飛散して砥石刃が切削液
になじんだ状態が阻害される。フランジカバーに設けた
穴の影響は、特に穴が砥石刃の刃先部の成す平面上にあ
る場合に大きいため、本発明の第四の態様のようにフラ
ンジカバーに設ける穴の位置を砥石刃の刃先部の成す平
面上を除く部分にすることで、穴の影響を低減できる。
【0020】本発明の第五の態様のダイシング装置で
は、切削部分に対して砥石刃の回転方向における手前側
から、砥石刃に向かって切削液を噴射する噴射ノズルを
備えるが、従来のダイシング装置では砥石刃に対して垂
直又は砥石刃の先端の接線に沿って噴射していた。しか
し垂直に噴射したのでは、砥石刃のフランジの傾斜部分
に当たって両側に飛散するため砥石刃になじまず、砥石
刃の先端の接線に沿って噴射したのでは、噴射した切削
液が砥石刃に当たる期間が短く切削液が砥石刃に充分な
じまない。これに対して、本発明の第五の態様のダイシ
ング装置では、噴射ノズルは切削部分に対して砥石刃
の回転方向における手前側から、砥石刃の刃先部及びフ
ランジの傾斜部分に向かって、フランジの外周の接線に
平行に噴出するため、斜面部分での飛散も小さく、切削
液が砥石刃に当たる期間も長いため、切削液が砥石刃に
充分なじむ。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の実施例のダイシング装置の
構成を示すブレード側から見た側面図である。図1にお
いて、参照番号1はブレードを示し、2はブレード1の
周囲に一定間隔の隙間を有するように設けられたフラン
ジカバーである。3はフランジカバー2に取り付けられ
た切削液供給パイプであり、4は切削液飛散防止用制流
板(以下、単に制流板と称する。)であり、5は噴射ノ
ズルであり、6はブレード破損検出センサー(以下、単
に破損センサーと称する。)であり、7は噴射方向を変
えることができるよう調節可能な第二の噴射ノズルであ
る。21乃至24は切削液を供給するホースが取り付け
られる給水口であり、25は破損センサー6を上下移動
するためのツマミであり、26は破損センサー6に接続
される2本の光ファイバーが入ったケーブルである。な
お、被加工物が半導体ウエハの場合には、切削液として
純水が使用され、噴射ノズル5及び7からも純水が供給
されるのが一般的であり、本実施例においても切削液と
して純水が使用されるものとする。
【0022】本実施例においては、切削によって汚れた
純水が再び切削部分に供給されて悪影響を及ぼさないよ
うに汚れた純水を確実に回収できるようにするため、更
にブレード1が純水に十分になじんだ状態が維持される
ようにするため、従来例に比べて次のような対策を施し
ている。 (1) 切削液供給パイプ3の配置 (2) 制流板4の形状と配置 (3) 制流板4の先端とブレードとの間隔及び新たな
噴射ノズル5の配置 (4) 破損センサーの取り付け構造 (5) 切削部分の前側に配置される第二噴射ノズル7
の噴射方向 以下、上記の各対策について詳細に説明する。
【0023】ブレード1に平行に延び、切削部分に純水
を供給する切削液供給パイプ3は、従来は図13に示す
ようにブレード1の回転方向の後側からのびていたが、
本実施例では、図1に示すように、回転方向の前側から
延びている。これにより、切削部分で飛散された汚れた
純水が切削液供給パイプ3に当たって雫となって付着
し、パイプ自体を伝って切削部分に戻ることがなくなる
ため、切削部分に供給される汚れた純水の量が著しく低
減される。
【0024】従来は、汚れた純水が再び切削部分に供給
されることによる悪影響についてはあまり意識されてお
らず、主として装置の各部の配置の都合や小型化のため
に切削部分に対してブレード1の回転の後側、すなわち
純水が飛散される側からパイプ3が延びていた。しかし
本発明者は、このような配置が汚れた純水が切削部分に
供給される大きな原因であることを発見し、切削液供給
パイプ3をブレード1の回転の前側から延ばすことでこ
の問題を解決できることを着想した。しかもそのような
配置をとっても装置が大きくなるということは、ほとん
ど問題にならない。
【0025】次に制流板4について説明する。図2は本
実施例の切削液飛散防止用制流板4の形状を示す斜視図
であり、図3はその上面図と側面図である。図3におい
て、参照番号8は装置の後方に設けられた固定の遮蔽板
であり、9はスピンドルモータである。ブレード1、フ
ランジカバー2及び制流板4は、スピンドルモータ9と
共に移動するが、遮蔽板8は固定である。
【0026】図示のように、制流板4はブレード1の周
囲に設けられたフランジカバー2とほぼ同程度の幅を有
し、ブレード1側が低くなるような傾きでフランジカバ
ー2に取り付けられている。この実施例では、先端の一
方は湾曲している。また、制流板4は一枚板でもよい
が、図2の点線で示すように、水の勢いの強いブレード
1に近い側を折り曲げて切削液が飛散するのを防止する
よう構成してもよい。
【0027】いま図示のように、ブレード1の直径を
A、制流板4の水平方向の長さをBで表すとする。例え
ば、通常のブレードの直径は60mm程度であり、この
時のフランジカバー2の幅は30mm程度であるので、
制流板4の幅も30mm程度とする。そして制流板4の
水平方向の長さは70mm程度とする。被加工物である
ウエハ100は6インチであるとすれば、約150mm
である。遮蔽板8は、このウエハ100を保持するステ
ージ101の移動範囲より離れて設けられる。
【0028】ここでこの制流板4の作用について考察し
てみる。切削部分には切削液供給パイプ3から純水が供
給され半導体ウエハ100上に純水の層が形成される。
ブレード1の先端はこの純水の層内で高速で回転するた
め、この部分の純水は図1に示すように勢いよく飛散さ
れる。その勢いはブレード1を含む平面上で特に強く、
その平面から離れるに従って弱くなる。そのため飛散さ
れて制流板4に当たる純水の勢いは強く、その勢いで当
たった後もそのまま制流板4に沿って上方へ流れ、湾曲
した先端から飛び出る。飛びだした純水は後方に設けた
固定板8によって捕らえられ下方に集められる。
【0029】そのため制流板4に当たった水流はたとえ
雫となっても下方のウエハ100又はステージ101上
に落下せず、飛散された汚れた水が再び切削部に戻るこ
とはない。ここで飛散される純水の勢いはブレード1を
含む平面から離れるに従って弱くなるため、制流板4の
幅が広過ぎるとブレード1を含む平面から離れた部分で
は純水の飛散される勢いが弱いため、汚れた純水が雫と
なって下方に落下する。そのため汚れた純水が再び切削
部に戻ることになるため好ましくない。制流板4の幅は
ブレード1の回転数等を勘案して決定されるが、ブレー
ド1の直径より大きくなることはない。
【0030】逆に制流板4の幅が狭過ぎると、制流板4
が遮らない部分での純水の飛散される勢いが強いため純
水が飛散し、固定板8では充分に飛散を防止できないと
いう問題が生じる。またここでは、制流板4はブレード
1側が低くなるように傾斜しているとして示したが、ブ
レード1の回転速度等の条件によっては水平であること
が適当な場合もある。但し、ブレード1側が高くなるよ
うに配置すると、飛散される水流の制流板4に当たる角
度が大きくなるため、制流板4に当たった後の水流の勢
いが弱くなり、制流板4から落下する汚れた雫が増加す
るため好ましくない。
【0031】更に、本実施例においては、制流板4の端
は若干下方に湾曲している。これは制流板の端から飛び
出る水流を固定板8が捕捉し易くするためと、制流板4
の端では水流が弱まるが、それによって雫が逆流するの
を防止するためである。制流板4のもう一方の端はブレ
ード1の付近まで延びているが、その延長線がブレード
1に交わる位置は図示のようにブレード1の回転中心よ
りも高い位置である。これは飛散される純水を受ける開
口を広げて、フランジカバー2の部分に当たって切削部
分に戻る汚れた純水の量を低減するためである。
【0032】次に制流板4のブレード1側の先端部の形
状について説明する。図4はこの部分の構造を示す上面
図と側面図である。ブレード1とフランジカバー2との
間はほぼ一定間隔になるように作られている。ブレード
1に付着した純水は切削部分を過ぎた後、遠心力によっ
て更にブレード1から振り切られるが、切削のためには
ブレード1はある程度純水になじんだ状態が維持される
ことが望ましい。そのためブレード1とフランジカバー
2との間を一定の狭い間隔とすることで、振り切られた
純水が再びブレード1に付着するように水の経路を形成
する。しかしブレード1に付着した純水は既に汚れてお
り、再び切削部分に供給されるのは好ましくない。そこ
で本実施例では、図4に示すように、制流板4の先端と
ブレード1との間隔を、フランジカバー2との間隔に比
べて狭くなるようにしている。これにより切削部分から
ブレード1に付着して回転する汚れた純水の大部分は制
流板4側に導かれ回収されるため、切削部分に戻る汚れ
た純水の量は低減される。本実施例における実際の値と
しては、ブレード1とフランジカバー2との間の間隔を
5mm乃至7mmとし、制流板4の先端とブレード1と
の間隔を1mm乃至3mmとしている。
【0033】しかしこの部分で付着した純水の大部分が
ブレード1から振り切られることになるため、制流板4
以降の回転部分においてブレード1とフランジカバー2
との間の水の経路に保持される純水の量が減少し、ブレ
ード1の純水へのなじみが低下するという新たな問題が
発生する。そこで本実施例では、図4に示すように制流
板4の直後にブレード1に純水を噴射する噴射ノズル5
を設けている。これによりブレード1の純水へのなじみ
が良くなる。
【0034】ブレード1の純水へのなじみを良くするた
め噴射ノズル5を設ける場合、噴射ノズルの個数は1個
に限定されるものではなく、図5に示すように、フラン
ジカバー2に複数の噴射ノズル51乃至55を設けるこ
とにより、ブレード1の純水へのなじみを一層改良して
もよい。次にブレード破損検出センサー(以下、破損セ
ンサーと称する。)6の取付構造について説明する。図
6は従来の破損センサーの取付構造を示す図である。
【0035】このセンサーは、ブレードが光を遮断する
状況を検出することによってブレードの破損を検出する
のであり、そのための発光器と受光器を設けるのが難し
いため、発光器と受光器を外部に設けて光ファイバで結
ぶ。破損センサーは、検出時のみ検出可能位置に移動さ
れ、非検出時には退避される。図6において、1はブレ
ードであり、2はフランジカバーである。21はフラン
ジカバー2に設けられた破損センサー6の収容用の穴で
あり、22は破損センサー6を上下移動するための移動
用ねじが取り付けられる部材である。破損センサー6
は、発光器に接続される光ファイバ61と、受光器に接
続される光ファイバ62と、移動ブロック63と、移動
用ねじ64と、つまみ65とを有している。移動ブロッ
ク63は穴21に上下移動可能に収容されており、つま
み65を回すことによって検出可能位置への移動と退避
が行われる。図6は検出時の状態を示しており、移動ブ
ロック63の溝にブレード1の刃先が入り、光ファイバ
61から光ファイバ62への光の遮断状況によってブレ
ード1の破損状況が検出できる。
【0036】図7は、非検出時につまみ65を回して移
動ブロック63を退避させた状態を示す図である。図7
の非検出状態では、通常の切削が行われる、切削部分に
は純水が供給される。この時、前述のように、ブレード
1とフランジカバー2との隙間はブレードを純水になじ
ませるための水の経路となるように一定間隔であること
が重要である。しかし図7に示すように、破損センサー
6が退避した状態ではフランジカバー2に設けた穴21
で水の経路が変化し、流れを妨害することになる。
【0037】この問題を改善するため本実施例では、図
8に示すように、フランジカバー2に設けた穴21のブ
レード1側の部分を、ブレード1の刃先に対抗する中央
部分23を残した両側に開口24がある構造とする。図
6に示したように、移動ブロック63の先端はブレード
1を挟むような2本の突起を有する構造になっており、
この2本の突起に光ファイバが固定されている。従っ
て、2本の突起が2個の開口24を通って移動するよう
にすれば、中央部23を残すことができる。
【0038】図8のような中央部23が残った構造であ
れば、ブレード1の刃先に対向するフランジカバー2の
表面は連続しているため、図6及び図7に示した従来例
に比べてブレード1とフランジカバー2との間の水の経
路を妨害する程度が改善される。ブレード1の刃先は薄
く、付着した純水の大部分は刃先より振り切られるた
め、たとえ図8に参照番号23で示した中央部23の幅
が狭くても大きな効果がある。なお、上記実施例におい
ては、光ファイバー61,62を保持するブロック63
は一体で上下方向に移動可能としたが、必ずしもこれに
限られず、図8(C)に示すように、ブロック66およ
び67はそれぞれ個別に、フランジカバー2の両側面
に、つまみ65で微調整可能に取付け、これに光ファイ
バー61,62を保持するよう構成してもよい。
【0039】次に切削部分の前側でブレード1に純水を
噴射する第二噴射ノズル7の噴射方向について説明す
る。この第二噴射ノズル7は、ブレード1を純水になじ
ませるため従来から用いられているものであるが、従来
は図9に示すように噴射方向をブレード1の刃先の接線
方向とするか、図10に示すように、ブレード1の中
心、すなわちブレード1の刃先の接線に垂直な方向とし
ていた。
【0040】図9のように噴射した場合、ブレード1が
高速で回転しており純水がブレード1に接触している時
間が短いため、噴射された純水が充分ブレード1になじ
まないという問題がある。そこで図10に示すように、
ブレード1の刃先の接線に垂直な方向に噴射することが
おこなわれている。しかしブレード1の刃11を支持す
るフランジ12の先端部分は傾斜しており、噴射された
純水はフランジ12の傾斜部分に当たり、激しく飛散す
るという問題がある。
【0041】そこで本実施例においては、図11に示す
ように第二噴射ノズル7の噴射方向を、図9と図10の
中間に設定する。図11において、16はスピンドルモ
ータ9に取り付けられた台座である。ブレード1は刃1
1と、フランジ12とから構成されており、ナット15
で台座16に固定される。フランジ12は傾斜部分を有
すると共に、ブレード1の交換時にブレード1をチャッ
クするためのエッジ13を有している。第二噴射ノズル
7は、その噴射方向を適宜な方向に変えることが出来る
ように回動調節可能なように構成されている。本実施例
においては、図11に示すように第二噴射ノズル7の噴
射方向を、図9と図10の中間に設定するが、より具体
的には、第二噴射ノズル7の噴射方向をこのフランジ1
2のエッジ13の接線方向にする。噴射方向をこのよう
に設定することで、フランジ12の傾斜部分に当たった
純水は当たり角度が小さいためあまり飛散せず、更にエ
ッジ13に当たった純水は内側、すなわちブレード1の
先端に向かう方向に戻るため、飛散しない。しかもブレ
ード1に対してある程度の角度で噴射されるため、純水
のブレード1へのなじみも改善される。
【0042】以上が本実施例の説明であるが、図等で示
したのは一例であり、各部分の角度や位置等は、ブレー
ドの直径や回転数に応じて各種の変形例が可能である。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、切削部分で飛散された切削液が装置全体及び
周囲を汚すことが少なく、切削部分で汚れた切削液が再
び切削部分に供給されて生じる悪影響が低減されたダイ
シング装置が実現され、更にブレードの純水へのなじみ
も改善され良好な切削が行えるダイシング装置が実現さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の全体構成図である。
【図2】実施例における切削液飛散防止用制流板の形状
を示す斜視図である。
【図3】図2の切削液飛散防止用制流板の形状と配置を
示す上面図と側面図である。
【図4】実施例における切削液飛散防止用制流板のブレ
ード側部分を示す図である。
【図5】複数箇所に噴射ノズルを設けた変形例を示す図
である。
【図6】従来のブレード破損検出センサーの取付構造を
示す図である。
【図7】図6のブレード破損検出センサーの取付構造に
おける非検出状態を示す図である。
【図8】実施例におけるブレード破損検出センサーの取
付構造を示す図である。
【図9】ブレードの接線方向に切削水を噴射する従来例
を示す図である。
【図10】ブレードの接線方向に垂直な方向に切削水を
噴射する従来例を示す図である。
【図11】実施例におけるブレードに切削水を噴射する
位置関係を示す図である。
【図12】従来のダイシング装置を示す斜視図である。
【図13】従来の切削液供給パイプの配置を示す図であ
る。
【図14】従来の切削液飛散防止板の形状を示す図であ
る。
【図15】従来の切削液飛散防止板の形状の他の例を示
す図である。
【図16】図15の切削液飛散防止板の問題点を示す図
である。
【符号の説明】
1…砥石刃(ブレード) 2…フランジカバー 3…切削液供給パイプ 4…切削液飛散防止用制流板 5…噴射ノズル 6…砥石刃破損検出センサ 7…第二噴射ノズル
フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭56−121527(JP,U) 実開 平3−15064(JP,U) 実開 昭60−123210(JP,U) 実開 平4−22206(JP,U) 実開 昭57−170925(JP,U) 実公 昭38−15994(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/301 B23D 47/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砥石刃(1)を高速回転して薄溝加工を
    行い、加工時に切削部分に切削液が供給されるダイシン
    グ装置において、 切削部分に対して回転方向の後側に、前記砥石刃(1)
    の直径以下の幅で、水平又は前記砥石刃(1)側が低く
    なるような傾きの切削液飛散防止用制流板(4)を備え
    ることを特徴とするダイシング装置。
  2. 【請求項2】 前記切削液飛散防止用制流板(4)の延
    長面が前記砥石刃(1)と交わる位置は、該砥石刃
    (1)の回転中心より高い位置であることを特徴とする
    請求項1に記載のダイシング装置。
  3. 【請求項3】 前記切削液飛散防止用制流板(4)の前
    記砥石刃(1)と反対側の端は、下側に向く方向に湾曲
    していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    のダイシング装置。
  4. 【請求項4】 前記切削液飛散防止用制流板(4)は、
    前記砥石刃(1)の周囲に設けられた当該砥石刃(1)
    と共に移動可能なフランジカバー(2)に取り付けられ
    ており、前記砥石刃(1)の移動に従って移動すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載のダイシング装置。
  5. 【請求項5】 前記砥石刃(1)と反対側の前記切削液
    飛散防止用制流板(4)の後方の、被加工物(100)
    を保持する加工ステージの移動範囲の端より遠い位置に
    略垂直な部分を有する固定の遮蔽部材(8)を備えるこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に
    記載のダイシング装置。
  6. 【請求項6】 前記切削液飛散防止用制流板(4)は、
    前記砥石刃(1)の周囲に当該砥石刃(1)の刃先との
    間隔が一定であるように設けられたフランジカバー
    (2)に取り付けられており、前記切削液飛散防止用制
    流板(4)と前記砥石刃(1)の刃先との間隔は前記フ
    ランジカバー(2)と前記砥石刃(1)の刃先との間隔
    よりも狭いことを特徴とする請求項1乃至請求項5のい
    ずれか1項に記載のダイシング装置。
  7. 【請求項7】 前記切削液飛散防止用制流板(4)の延
    長面が前記砥石刃(1)と交わる位置の前記砥石刃
    (1)の回転方向の直後に、該砥石刃(1)に前記切削
    液又は当該切削液に類する液体を噴射する噴射ノズル
    (5)を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6
    のいずれか1項に記載のダイシング装置。
  8. 【請求項8】 砥石刃(1)を高速回転して薄溝加工を
    行うダイシング装置であって、前記砥石刃(1)の周囲
    に当該砥石刃(1)の刃先との間隔が一定であるように
    設けられたフランジカバー(2)と、前記砥石刃(1)
    の状態を検出する検出器(6)とを備え、 前記検出器(6)は突起状の2つの先端部を備え、該2
    つの先端部が前記砥石刃(1)の刃先の両側に配置され
    る位置で前記砥石刃(1)の状態を検出するダイシング
    装置において、 前記フランジカバー(2)は、前記砥石刃(1)の刃先
    部を含み前記砥石刃(1)の軸心と直交する刃先平面上
    を除く、前記刃先平面で分けられる2つの部分にそれぞ
    れ設けられた2つの穴(24)を備え、前記検出器
    (6)の前記2つの先端部が前記2つの穴(24)に
    入されることを特徴とするダイシング装置。
  9. 【請求項9】 前記検出器(6)は、前記砥石刃(1)
    の両側に配置される光射出手段と受光手段で構成され、
    検出時に検出可能位置に調整される前記砥石刃(1)の
    破損を検出する破損検出器であることを特徴とする請求
    項8に記載のダイシング装置。
  10. 【請求項10】 前記破損検出器は、光源と受光器にそ
    れぞれ接続される光ファイバー(61,61)であるこ
    とを特徴とする請求項9に記載のダイシング装置。
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