JP3152722B2 - エアバッグ - Google Patents

エアバッグ

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JP3152722B2
JP3152722B2 JP5941992A JP5941992A JP3152722B2 JP 3152722 B2 JP3152722 B2 JP 3152722B2 JP 5941992 A JP5941992 A JP 5941992A JP 5941992 A JP5941992 A JP 5941992A JP 3152722 B2 JP3152722 B2 JP 3152722B2
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和夫 山本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の衝突時に、
膨張させて乗員を衝撃から保護するエアバッグに関し、
特に、複数の布片を縫い合わせることにより構成された
エアバッグに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の乗員等を座席に安全に保持
するためのシートベルト装置をサポートする緩衝システ
ムとして、衝突時に、乗員の身体、とくに頭部と胸部を
風船状のエアバッグで受け、そのあと内部の気体を徐々
に放出してゆくことで、緩衝ストロークを稼ぎ、人体に
加わる衝撃力を低く抑えるエアバッグが実用化されてい
る。
【0003】この様なエアバッグは、例えば車両衝突時
などの緊急時において、運転席側のエアバッグにおいて
はステアリング中央に固定されたインレータから放出さ
れる反応ガスで膨張し、また、助手席用バッグにあって
はインスツルメントパネルや他の車体固定部に固定され
て同様に膨張することにより、乗員が車体に衝突するの
を回避する重大な役割をしている。
【0004】ところで、前述のエアバッグはその本来の
目的からして、上述の如く車両衝突時に瞬時に膨らんで
乗員を保護すると云う極めて重要な役割をもっているた
めに、膨らんだときに、その形状においてもその使用さ
れる場所に適合した形状のものが要求されるだけでな
く、折り畳み状態から瞬時に膨らむことができる素材で
かつ強度も要求される。
【0005】したがって、このような要求を満足するた
めに、エアバッグには比較的薄手の複数の基布片を縫い
合わせた構成を採用して膨らみ性能をよくし、かつバッ
グ取り付け部側には補強布を重ね合わせることにより、
膨らみ時におけるエアバッグの取り付け部に加わる負荷
に対する強度を高めたり、インフレータの発熱に対する
布片の強化が図られているのが一般的な構成である。
【0006】そして、その縫い合わせに当たっては、例
えば助手席用のエアバッグについては、図10に示すよ
うに、エアバッグ本体を構成する基布片である正面布片
20と側面布片30とを重ね合わせるのであるが、この
とき両基布片の端部に補強布21、31を取り付け、図
示のごとく両基布片20、30を重ね合わせて縫製して
いた。ここで、補強布21、31の固定は、図11に拡
大して示すように、例えば補強布31は図中上下にのび
る縫合部32により基布片30に固定されている。
【0007】この補強布31が固定された側面布片30
と正面布片20(補強布21の場合も同様に固定されて
いる)との縫製は、両布片の縁部を合わせ、この縁部に
沿う縫合部41を形成するように行う。そして、この縫
製はミシンを使用するが、このミシンはその縫製作業中
において、布押え部材や送り歯(図9を参照)等の手段
が縫い針の近傍にて縫製する布を押えつけると共に布送
りをする。
【0008】したがって、従来においては、上述のよう
に基布片20、30に予め固定された補強布31、21
にあっては、縫合部41を形成する縫い合わせのとき
に、図11に示すようにその縫製方向(例えば矢印X方
向)と交差する補強布30の端縁31aと縫合部41と
の交差領域50がミシンの布押え部材の所を通過する際
に、布押え部材と端縁31aとの擦れの向きによっては
該端縁31aが捲れ上がるようになる。このために、縫
製作業者がこの交差領域50の近傍を手指にて補強布3
1を引っ張ったり或は抑えながら縫合して、捲り上がら
ないようにしていた。
【0009】さらに、ミシンによる布送りは、通常、前
記布押え部材とこの布押え部材に対面して設けられた送
り歯との相互作用により行われるため、基布片と補強布
とが完全に固定されておらずズレ易い場合、特に、エア
バッグの布片の如く66ナイロン等の比較的滑り易い合成
樹脂製のものにあっては、その布片間にて布送り量に差
が生じ、縫合部分において縫製ズレが生じることがあっ
た。
【0010】また、基布片のうち正面布片20は細長い
形状であることから、布原反から切りだすときに一枚布
として切り出すようにすると、その原反の材料使用率が
低くなるために、多くの場合その正面布片20の長尺方
向において二枚の布片を接続した構成が採用されてい
る。このために、正面布片20には二枚の布片を縫製し
たつなぎ部22が形成され、この正面布片20と側面布
片30との縫合時につなぎ部22の縁部がまくれ上がる
ので、上記補強布31の端縁31aと同様に作業者がこ
の縁部を押えるなどして縫合しなけらばならなかった。
【0011】このように、縫製部分にまくれ上がりがあ
ると、捲れ上がり方によっては、布が引っ掛かって布送
りが不能になることもあるだけでなく、その後に作業に
おいて捲くれ上がり部分が引っ掛かり易くなるために、
捲り上がった部分を損傷する危険性があるだけでなく、
この部分の縫合は糸が切れやすい状態になり、エアバッ
グ取扱中に引っ掛かりにより糸切れが生じたり、さら
に、この捲くれ上がりが大きいときには、エアバッグの
折り畳み性が低下するとともに、インフレータにより膨
張する空気の流れにも微妙に影響することから、バッグ
膨らみ性能にも悪影響を及ぼすことがあった。
【0012】一方、図11に示すように、補強布31と
側面布片30(正面布片20の場合も同様)とが縫合部
32のように部分的に縫製されていることにより、側面
布片30と正面布片20とを縫い合わせるときに、下記
の如き不都合が生じていた。すなわち、側面布片30と
正面布片20との縫製時の位置合わせ操作は、手指或は
位置合わせ部材により、合わせた布片の表面を擦るよう
に操作する。これは、例えば布片端縁30aに沿った特
定の操作領域60(図中において網状に示した領域)を
布片端縁30aを合わせるべく矢印B方向に擦る。この
ために、その操作領域60のうち補強布31上の領域で
ある補強布上操作領域61において、布片端部を揃える
べく、側面布片30をB方向にに移動させようと擦った
ときに、上の補強布31は移動するが本来移動させよう
とした側面布片30を移動させることができないことが
あり、縫製のときに布位置のばらつきが生じる問題があ
った。
【0013】この縫い合わせる布片の縫製時の位置合わ
せは、エアバッグの膨らんだ時の形状が決定されるもの
であり、膨らんだときの形状が安定しないことで、本来
の機能の低下を来す。又、布片の縫製時の位置合わせ
は、エアバッグを所定の収納領域に折り畳んでセットす
るときの収納性やこの収納性に関連した膨張性能に大き
く影響を及ぼすものであるために、大きな注意を払わね
ばならず、従来においては作業者が縫製位置合わせを正
確にすることが要求されたていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来にお
けるエアバッグの製造は、上述のように基布片の縫製時
において、重なり合った布片の捲くれ上がりに伴う諸問
題を回避するために正確な縫製が要求され、その縫製作
業に手間取り、製造に要する時間も多大なものとなって
いた。
【0015】また、正確な縫製をするために補強布が乗
せられた部分において、基布片の位置合わせ操作をした
ときに、位置合わせを正確にするために、縫合速度を遅
くしたり、場合によっては縫合を一時的に停止する必要
があることから、上記同様その縫製作業に手間取り、縫
合作業性が極めて悪かった。すなわち、本発明の一つの
目的は複数の布片を縫い合わせるときに、布片の端部が
捲り上がらないようにして、正確な縫製ができかつ生産
性の良いエアバッグを提供することである。
【0016】また、本発明の他の目的は、重ね合わせた
複数の布片のうち、最も外側(表裏面側)の布片を擦る
ように位置合わせ操作しても、その内側の布片も所望に
移動させることができるようにし、縫製時における位置
合わせ操作性が良くでき、縫製作業の正確性を高めると
共に、生産性を高めることのできるエアバッグを提供す
ることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の上記一の目的
は、本発明の他の目的は、複数の基布片を縫い合わせる
ことにより袋状に構成され、車両衝突時に膨張すること
により乗員を該衝突の衝撃から保護するエアバッグにお
いて、前記基布片の縫い合わせのときに該基布片に重ね
る補強布あるいは基布片同士のつなぎ部により形成され
る布の重なり部分であって、前記重なり部分で前記縫い
合わせの布送り方向に対して交差する布縁部のうち少な
くとも布押え手段と接触する領域が、前記縫い合わせ前
に予め固定されてなることを特徴とするエアバッグによ
って達成することができる。
【0018】又、複数の基布片を縫い合わせることによ
り袋状に構成され、かつ該基布片に重ね合わせた補強布
片を有してなり、車両衝突時に膨張して乗員を該衝突の
衝撃から保護するエアバッグにおいて、前記補強布片は
前記基布片を縫い合わせる以前に該基布片に固定されて
おり、この固定位置が少なくとも前記基布片の縫合糸と
ほぼ平行な領域であり、かつ該基布片の位置合わせ用の
操作手段が接触する領域が固定されてなることを特徴と
するエアバッグにより達成される。
【0019】
【作 用】上述のように、基布片の縫い合わせのとき
に、この基布片に重ねる補強布や基布片同士のつなぎ部
により形成される布の重なり部分であって、縫合方向に
対して交差する縁部がこの縫い合わせのための布押え手
段と接触する領域において予め固定されいることによ
り、この布押え手段の擦れによる重ね布の縁部の捲くれ
を回避することができる。
【0020】また、補強布片が基布片同士を縫い合わせ
る以前に該基布片にしっかりと固定され、この固定位置
が該基布片同士を位置合わせする操作手段の接触する領
域であることにより、例えば縫製中において該操作手段
が基布片同士の端縁を揃えるように補強布の表面を擦る
ように作動したとき、表面の補強布だけを移動させるこ
となくその下側の基布片も確実に移動させることができ
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の一実施例について詳細に説明
する。なお、図1は、本発明のエアバッグの一実施例で
あって、助手席用エアバッグが膨らんだ形状の1例を示
す。図2は図1のエアバッグを縫製する以前の状態を示
すもので、本実施例の縫製開始時の側面布片と正面布片
の合わせ状態を示す平面図である。又、図3は正面布片
の平面図、図4は補強布と側面布片とを重ねた状態を示
す平面図、図5は図3におけるA−A断面図である。ま
た、図6乃至図8は正面布片のつなぎ部の夫々の固定形
態を示す部分平面図である。更に、図9は縫製装置に布
片をセットした状態の正面図である。
【0022】図1に示す助手席のエアバッグ1は、両端
部分2b(図2参照)が幅狭になった略長方形の比較的
長い正面布片2とその両側の略楕円形状とも言える形状
の側面布片3、4とを縫い合わせにより袋形状に構成さ
れるが、各布片には補強布21或は31が取り付け基部
5側に設けられている。そして、縫い合わせにより袋状
に構成されたものを裏返し状態にして、インフレータ等
が装着された取り付け基部5に取り付けられ適宜折り畳
まれ、かつリッド(エアバッグカバー)により蓋されて
インスツルメントパネル内に組み込まれているが、非常
時において、図示のような形状に膨らむ。尚、正面布片
2及び側面布片3、4は本発明でいう基布片である。
【0023】上記のエアバッグ1を縫製するときは、例
えば図2に示すように、その縫い合わせ形状に沿った形
にカットされている正面布片2及び側面布片3とを所定
の位置にて重ね合わせ、その縫い合わせ開始部(側面布
片3の縫い合わせ開始部S1と正面布片2の縫い合わせ
開始部D1 とを合わせて)から縫製を開始する。正面布
片2は図3に示すように、その左右両端部分2bからテ
ーパ部分にわたる部分を覆うようにそれぞれ補強布21
が固定されている。また、正面布片2の中央よりもかな
り右寄りの所には、つなぎ部7が形成されている。この
つなぎ部7は、上記したように正面布片2の原反の材料
使用率を高めるために、正面布片2をその長尺方向にお
いて二枚の布片を繋ぎ合わせた部分である。
【0024】また、図3及び図4に示すように、正面布
片2および側面布片3には操作領域6が縫合部41に沿
って存在する。この操作領域6とは、両布片を縫い合わ
せるときに布端縁2a,3aを揃える操作手段が接触す
る領域であり、例えば後述する縫製装置(ミシン)10
のマニピュレータ15が布端縁2a,3aを揃えるべく
接触する領域である。そして、この操作領域6のうち補
強布上の操作領域6aは、補強布21と正面布片2なら
びに補強布31と側面布片3とが接着剤により予め固定
されている。
【0025】なお、この操作領域6は縫い合わせの形態
や上述の操作手段の構造等により変化するものであり、
特に限定するものではなく、本実施例においては、図3
及び図4に斜線及び網状斜線にて便宜上図示した部分が
操作領域である。補強布21、31の布縁部21a、3
1aで縫合部41と交差する交差領域51は、縫合部4
1の縫い合わせ以前に、例えばジグザグ縫いやその他接
着剤等によって基布片(正面布片及び側面布片)に固定
されている。
【0026】なお、正面布片2と補強布21並びに側面
布片3と補強布31との固定は、上記の交差領域51お
よび操作領域6aだけでなく、その他に例えば図4に示
すように補強布31の上下端側の縫合部33を適宜組み
合わせることができる。また、正面布片2と補強布21
との固定は、上述の如く接着剤を用いるものに限らず、
縫合のみによるもの等であってもよい。
【0027】また、つなぎ部7においても図5に示すよ
うに布片の重なる所が形成される。すなわち、つなぎ部
7は基布片を合わせ縫いした縫合部7aと、この縫い合
わせた箇所の先端部8を倒すように縫製した伏せ縫い部
7bとにより構成されている。そして、このつなぎ部7
は縫合部41と交差する交差領域52が、図6に示すよ
うにジグザグ縫いの固定部9aにより先端部8が矢印D
にて示す方向にまくれ上がらないように固定されてい
る。
【0028】図7に示した場合は、図6に示したジグザ
グ縫いの固定部9aとはことなり、直線縫いの固定部9
bを示す。この固定部9bは先端部8に非常に接近した
所を直線縫いしたものであるが、この場合、この固定部
9bの代わりに伏せ縫い部7bの一つを先端部8に接近
させて縫合して代用することもできる。図8に示す固定
部9cは、図6に示したジグザグ縫いの固定部9aの代
わりに接着剤により先端部8を固定した構成である。
【0029】図9を参照して、図1に示すエアバッグ1
を縫製する縫製装置10について簡単に説明する。この
縫製装置10は、大別すると、重ね合わせた側面布片3
と正面布片2を乗せる載置台13、この載置台13から
直立するようにミシンヘッド10aが配置され、また、
この載置台13の表面近傍には、ミシンヘッド10aに
接近した位置に両布片2、3の外周縁部2a、3aの位
置を検出するセンサ14が設けられており、さらに、縫
合時における両布片2、3の位置を修正するマニピュレ
ータ15等により構成されている。
【0030】前記センサ14は、例えば上下端片を有し
たコ字形状で、その上下端片に光電素子(発光素子と受
光素子からなる)を備えており、この光電素子間に両布
片2、3を通過させることにより、該布片の位置ずれを
検出することができる。この位置ずれ検出は、例えば両
布片2、3の表裏における光反射率が相違する時には一
対の光電素子を上下端片に設け、布片の表裏及び布片以
外のものとの反射光量の相違を検出することにより、両
布片2、3の端縁2a,3aのずれを検出することがで
きる。また、この構成により両布片全体の位置、即ち布
送り方向にほぼ直交する方向の位置検出もできる。な
お、光電素子の検出信号は、受光素子が光量により発生
する電気信号の強弱を利用する。光電素子は発光素子と
受光素子のみ構成でもよいが、必要に応じて反射板など
を使用した構成としてもよい。
【0031】本発明でいうところの位置合わせ用の操作
手段であるマニピュレータ15は、布片2、3の下側並
びに上側に位置するように張り出した上下一対のアーム
17が配置しており、そのアーム17の先端部分に回転
駆動されるローラ16がそれぞれ設けられている。更
に、二つのアーム17の間には、正面布片2と側面布片
3との間に割り込むように位置する中間板18が設けら
れている。
【0032】このマニピュレータ15は、下側のローラ
16と中間板18との間に正面布片2を挟み込み、上側
のローラ16と中間板18との間に側面布片3を挟み込
むようにし、常に各布片を適宜押圧力により押さえてい
る。そして、前記センサ14の検出信号に基づいて、サ
ーボモータ等の適当な駆動手段により駆動され、上下両
方或はいづれかのローラ16が所望の方向に回転され
る。これにより、布片をその縫合時の布送り方向Aに対
して直交する方向に移動させることができる。
【0033】また、マニピュレータ15はその上下のも
のが別々に作動制御されるので、側面布片3と正面布片
2との外周端縁2a,3aのカーブが大きく相違してい
るものの、正確な縫合を保証することができる。本発明
でいう布押さえ手段は、例えば、ミシンヘッド10aか
ら針棒11に沿って延びた支持棒に設けた押さえ金19
aと、載置台13に設けられたラック状の送り歯19b
との周知の構造により布片をその上下から押圧して、縫
合に同期して両布片2、3を送り出すことができる。ま
た、布送りの補助として、例えば縫合領域の前後に設け
たエアーブローなどを使用することもできる。
【0034】上述の構成の縫製装置10を用いた上記の
正面布片2と側面布片3の縫製について説明する。上述
のように位置合わせされた両布片2、3は、図2に示す
ように縫製装置1の載置台13に乗せられる。これは、
上述の縫い合わせ開始部S1 に縫い針12を対応させる
とともに、この縫い合わせ開始部S1 からその縫合下流
側の僅かの領域(縫い針の位置からマニピュレータの所
までの部分)の外周端縁2aと3aとを位置合わせした
状態で縫製装置10にセットされる。
【0035】このようにセットされた両布片2、3は針
棒11の駆動、即ち縫合と同時に布送り手段により図中
左方向(矢印A方向)へ自動的に送られ、縫合部41を
縫い合わせる。この縫合の途中において、例えば、側面
布片3と正面布片2の間においてその外周縁部3a、2
aが不揃いになったとき、マニピュレータ15のローラ
16が所定方向に回転する。この結果、側面布片3はロ
ーラ16により引きずられて適宜移動され、両外周端縁
3a、2aを揃えることができる。
【0036】このように自動縫製により両布片2、3の
縫い合わせのときに、補強布片21、31が布片2、3
にしっかりと固定され、少なくとも固定位置がマニピュ
レータ15の接触する操作領域6aであることにより、
例えば縫製中において該マニピュレータが基布片同士の
外周端縁2a,3aを揃えるように補強布の表面を擦る
ように作動したとき、表面の補強布だけを移動させるこ
となくその下側の布片2、3も確実に移動させることが
できる。
【0037】したがって、マニピュレータ15による外
周端縁2a,3aの位置合わせが安定し確実にできるの
で、縫い代のバラ付きや縫いはずれのない正確な合わせ
縫いが可能となり、高品質な縫製をすることができる。
また、この布片2、3に重ねた補強布21、31の縁部
21aの交差領域51や基布片同士のつなぎ部7の交差
領域52、すなわち縫合方向に対して交差する縁部は、
縫合部41の縫い合わせのときに押さえ金19aが擦る
ように接触するが、前述したように両交差領域51、5
2は固定されいるので、この押さえ金19aの擦れによ
る縁部の捲くれを回避することができる。したがって、
交差領域の縁部が捲れ上がっ状態で縫製されるようなこ
とが無くなり、正確な合わせ縫いが可能となり、高品質
な縫製をすることができる。
【0038】なお、縫合開始部S1 から縫製が始まり縫
合終端部S2 まで所定速度にて縫製されて片側の縫製が
完了となる。その後、反対側の縫製は、例えば正面布片
2のD4 の部分を縫合開始部として縫合終端部D3 方向
へ所定の縫製が行われる。又、前述の縫合開始部と縫合
終端部との本縫製の順番は、当然逆からでも可能であ
る。
【0039】このようにして縫製されたエアバッグ1
は、引き続いて前述の取り付け基部5に固定される固定
部2b及び3bを縫合並びに所定の加工を施され、その
後裏返しにされる。上記実施例は、助手席のエアバッグ
について述べたが、本発明はこれに限定されるものでな
く種々のエアバッグに適用できるものである。
【0040】また、上記実施例においては、布片の外周
縁を揃える操作手段を図9に示したようなマニピュレー
タとしたが、本発明における操作手段は他の構成でもよ
く、当然、他の構成の操作手段の場合においてはこの操
作手段が接触する部分が異なり、固定領域もこれに対応
して適宜変化するものである。また、位置合わせを手作
業で行う場合の手指であってもよい。なお、手指の場合
の操作領域6は、布片の外周縁の位置合わせをするとき
に手指が接触する確立の高い領域を想定し、補強布上の
操作領域6aを設定し、この部分を固定することによ
り、上記実施例と同様な作用効果を奏することができる
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は補強布片が
基布片同士を縫い合わせる以前に該基布片に固定され、
この固定位置が該基布片同士を位置合わせする操作手段
の接触する領域であることにより、例えば補強布全体を
基布片に接着したり或は補強布全体にわたって非常に細
かく縫製しなくても、縫製中において該操作手段が基布
片同士の端縁を揃えるように補強布の表面を擦るように
作動したとき、この補強布だけを移動させることなくそ
の下側の基布片も確実に移動させることができ、極めて
正確な縫製ができ、高品質でかつ生産性のよいエアバッ
グを提供することができる。
【0042】又、本発明は縫製の時にこの縫合方向に対
して交差するように延びた縁部で布押え手段と接触する
特定の領域を固定するので、布押え手段の擦れによる前
記縁部の捲くれを回避することができ、縫製時における
布片の取り扱い性が良く正確な縫製ができ高品質である
と共に生産性を高めたエアバッグを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグが膨らんだ状態を示す斜視
図である。
【図2】本発明の一実施例の縫製開始時の側面布片、正
面布片の合わせ状態を示す平面図である。
【図3】正面布片の平面図である。
【図4】側面布片の平面図である。
【図5】図1におけるA−A断面図である。
【図6】正面布片のつなぎ部の一実施例の部分平面図で
ある。
【図7】正面布片のつなぎ部の他の実施例の部分平面図
である。
【図8】正面布片のつなぎ部の他の実施例の部分平面図
である。
【図9】本発明のエアバッグ縫製装置に布片をセットし
た状態の正面図である。
【図10】従来のエアバッグの縫製を説明するための側
面布片、正面布片及び補強布の平面図である。
【図11】従来のエアバッグの縫製を説明するための側
面布片とその補強布を重ねた状態の部分平面図である。
【符号の説明】
1 エアバッグ 2 正面布片(基布片) 3 側面布片(基布片) 2a、3a 外周端縁 3、4 側面布片 5 取り付け基部 6 操作領域 6a 補強布上の操作領域 7 つなぎ部 7a 本縫い部 7b 伏せ縫い部 8 つなぎ部の先端部 9a つなぎ部の固定部 10 縫製装置 10a ミシンヘッド 11 針棒 12 縫い針 13 載置台 14 センサ 15 マニピュレータ 16 ローラ 17 アーム 18 中間板 21 正面布片側の補強布 21a 補強布の布縁部 31 側面布側の補強布 31a 補強布の布縁部 41 縫合部 51 補強布の交差領域 52 つなぎ部の交差領域 S1 側面布片の縫合開始部 S2 側面布片の縫合終了部 D1 ,D3 正面布片の縫合開始部 D2 ,D4 正面布片の縫合終了部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭49−61841(JP,A) 特開 平3−25050(JP,A) 特開 平3−186448(JP,A) 特開 平2−168985(JP,A) 実開 平3−96954(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60R 21/16 - 21/32 D05B 1/00 - 97/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の基布片を縫い合わせることにより
    袋状に構成され、車両衝突時に膨張することにより乗員
    を該衝突の衝撃から保護するエアバッグにおいて、前記
    基布片に重ね合わされる補強布の縁部のうち前記縫い合
    わせ時の布送り方向に対して交差し且つ前記縫い合わせ
    中に縫製装置の布押え手段が接触する領域、又は前記基
    布片が布片相互の繋ぎ合わせで構成されるときのつなぎ
    部に生じる前記布片の重なる所の先端部のうち前記縫い
    合わせ時の布送り方向に対して交差し且つ前記縫い合わ
    せ中に前記縫製装置の布押え手段が接触する領域が、捲
    くれ上がらないように前記縫い合わせ前に予め固定され
    てなることを特徴とするエアバッグ。
  2. 【請求項2】 複数の基布片を縫い合わせることにより
    袋状に構成され、かつ該基布片に重ね合わせた補強布片
    を有してなり、車両衝突時に膨張して乗員を該衝突の衝
    撃から保護するエアバッグにおいて、前記補強布片は前
    記基布片を縫い合わせる以前に該基布片に固定されてお
    り、この固定位置が少なくとも前記基布片の縫合糸とほ
    ぼ平行な領域であり、かつ該基布片の位置合わせ用の操
    作手段が接触する領域が固定されてなることを特徴とす
    るエアバッグ。
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