JP3151663B2 - 低温度でMo(Al,Si)2系材料を製造する方法 - Google Patents
低温度でMo(Al,Si)2系材料を製造する方法Info
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- JP3151663B2 JP3151663B2 JP28307097A JP28307097A JP3151663B2 JP 3151663 B2 JP3151663 B2 JP 3151663B2 JP 28307097 A JP28307097 A JP 28307097A JP 28307097 A JP28307097 A JP 28307097A JP 3151663 B2 JP3151663 B2 JP 3151663B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐酸化材料、耐熱
材料あるいは耐摩耗材料等多くの用途に使用できる、高
密度かつ高靭性な機械的性質を有する新規な材料を低温
度で製造する方法に関するものである。
材料あるいは耐摩耗材料等多くの用途に使用できる、高
密度かつ高靭性な機械的性質を有する新規な材料を低温
度で製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】MoSi2は耐酸化性に優れるため、TiB2
やMo2B5等を添加材とした焼結材が特許150463
3号で、またSiC-Mo(Al,Si)2系材料として高密度化さ
れた複合材料が特許第2535768号として知られて
いる。
やMo2B5等を添加材とした焼結材が特許150463
3号で、またSiC-Mo(Al,Si)2系材料として高密度化さ
れた複合材料が特許第2535768号として知られて
いる。
【0003】これらの材料は耐酸化性に優れるため、大
気炉用ヒーターや耐熱材料として使用でき、さらに性質
を改善すれば、さらに使用範囲が広がると期待される。
気炉用ヒーターや耐熱材料として使用でき、さらに性質
を改善すれば、さらに使用範囲が広がると期待される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】元来MoSi2原料粉末は
大気中の酸素で酸化されSiO2の薄い皮膜に覆われてい
る。 そのため特許1504633号に記載されている
MoSi2系セラミックスは多量のSiO2を含んでおり、高
温下では変形しやすいという欠点がある。また特許第2
535768号に記載されているMoSi2系セラミックス
は、SiO2を含有しないようにSiCを主成分として、溶浸
温度を低くするためにMo(Al,Si)2を溶浸させた材料で
あるが、溶浸に必要な温度は、尚1700から2050
℃と高温を必要とする。工業的に使用するには低い処理
温度が要求される。本発明は MoSi2の本来有する耐酸
化性を保持して、しかも機械的性質を改善したMo(Al,S
i) 2 系材料を、低温度で製造する方法を提供するもので
ある。
大気中の酸素で酸化されSiO2の薄い皮膜に覆われてい
る。 そのため特許1504633号に記載されている
MoSi2系セラミックスは多量のSiO2を含んでおり、高
温下では変形しやすいという欠点がある。また特許第2
535768号に記載されているMoSi2系セラミックス
は、SiO2を含有しないようにSiCを主成分として、溶浸
温度を低くするためにMo(Al,Si)2を溶浸させた材料で
あるが、溶浸に必要な温度は、尚1700から2050
℃と高温を必要とする。工業的に使用するには低い処理
温度が要求される。本発明は MoSi2の本来有する耐酸
化性を保持して、しかも機械的性質を改善したMo(Al,S
i) 2 系材料を、低温度で製造する方法を提供するもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は低温度でMoSi
2系材料の製造について鋭意研究を重ねた結果、MoSi2
粉末成形体にAlを溶融含浸させることにより低温度でMo
(Al,Si)2系材料を製造する方法を見いだした。さらにM
oSi2粉末に全重量の1から80wt%のMo粉末を添加
した混合粉末を成形体とし、Alを溶融含浸することによ
り、製造中に生じるSiを取り除くことができる低温度で
Mo(Al,Si)2系材料を製造する方法を見出し、これらの
知見に基ずき、本発明を完成するにいたった。
2系材料の製造について鋭意研究を重ねた結果、MoSi2
粉末成形体にAlを溶融含浸させることにより低温度でMo
(Al,Si)2系材料を製造する方法を見いだした。さらにM
oSi2粉末に全重量の1から80wt%のMo粉末を添加
した混合粉末を成形体とし、Alを溶融含浸することによ
り、製造中に生じるSiを取り除くことができる低温度で
Mo(Al,Si)2系材料を製造する方法を見出し、これらの
知見に基ずき、本発明を完成するにいたった。
【0006】すなわち、本発明はMoSi2を耐熱用構造用
材料として使用するためには、MoSi2粉末が酸化により
SiO2皮膜で覆われているため、単なる複合化ではSiO2
皮膜のSiO2が不純物として悪作用し、室温では脆性のM
oSi2をさらに脆化してしまうし、また高温では簡単に
変形を起こしてしまう。そこで、処理中に MoSi2表面
のSiO2を反応生成物として取り去り、しかもMoSi2よ
り高靭性なMo(Al,Si)2を生成するようにしたものであ
る。
材料として使用するためには、MoSi2粉末が酸化により
SiO2皮膜で覆われているため、単なる複合化ではSiO2
皮膜のSiO2が不純物として悪作用し、室温では脆性のM
oSi2をさらに脆化してしまうし、また高温では簡単に
変形を起こしてしまう。そこで、処理中に MoSi2表面
のSiO2を反応生成物として取り去り、しかもMoSi2よ
り高靭性なMo(Al,Si)2を生成するようにしたものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】さらに詳細に説明すると、製造工
程や粉末の粒径にもよるが、#200から#600のMo
Si2原料粉末を被覆しているSiO2の酸素量は、MoSi2
全量の4から5wt%である。本発明においては、酸化に
よりSiO 2 被膜で表面が覆われているMoSi 2 原料粉末を
所望形状の成形体に成形し、該成形体を加熱した後、該
成形体に溶融Alを含浸させることにより、処理中にMoSi
2 表面のSiO 2 を反応生成物として取り去り、しかもMoS
i 2 より高靭性なMo(Al,Si) 2 を生成する。 すなわち、溶
融Alの含浸により、MoSi 2 表面のSiO 2 はAlと反応してA
l 2 O 3 となるが、同時にSi金属およびMo(Al,Si) 2 が生
ずる。
程や粉末の粒径にもよるが、#200から#600のMo
Si2原料粉末を被覆しているSiO2の酸素量は、MoSi2
全量の4から5wt%である。本発明においては、酸化に
よりSiO 2 被膜で表面が覆われているMoSi 2 原料粉末を
所望形状の成形体に成形し、該成形体を加熱した後、該
成形体に溶融Alを含浸させることにより、処理中にMoSi
2 表面のSiO 2 を反応生成物として取り去り、しかもMoS
i 2 より高靭性なMo(Al,Si) 2 を生成する。 すなわち、溶
融Alの含浸により、MoSi 2 表面のSiO 2 はAlと反応してA
l 2 O 3 となるが、同時にSi金属およびMo(Al,Si) 2 が生
ずる。
【0008】上記の製造中に生じるSiを取り除くため
に、原料粉末として、MoSi2とMoの混合粉末を用いると
よい。 そのため、MoSi 2 原料粉末に全重量の1〜80w
t%のMo粉末を添加混合して混合粉末とし、該混合粉末
を所望形状の成形体に成形し、該成形体を加熱した後、
該成形体に溶融Alを含浸させる。処理中に生ずるSiの量
によるが、Mo量は1wt%以下では多量のSiが残り、添
加効果は少ない。また80wt%以上ではMo量が多すぎ
るために含浸が良好ではなくなる。そのためにMo添加量
は1から80wt%とした。該方法によると、製造中に
生じるSiが取り除かれるので、Siを材料中に残さない品
質の優れたMo(Al,Si) 2 系材料を低温度で製造すること
ができる。
に、原料粉末として、MoSi2とMoの混合粉末を用いると
よい。 そのため、MoSi 2 原料粉末に全重量の1〜80w
t%のMo粉末を添加混合して混合粉末とし、該混合粉末
を所望形状の成形体に成形し、該成形体を加熱した後、
該成形体に溶融Alを含浸させる。処理中に生ずるSiの量
によるが、Mo量は1wt%以下では多量のSiが残り、添
加効果は少ない。また80wt%以上ではMo量が多すぎ
るために含浸が良好ではなくなる。そのためにMo添加量
は1から80wt%とした。該方法によると、製造中に
生じるSiが取り除かれるので、Siを材料中に残さない品
質の優れたMo(Al,Si) 2 系材料を低温度で製造すること
ができる。
【0009】上記成形体の加熱は、1450℃〜160
0℃の温度でなされており、上記特許第2535768
号に記載されているMoSi 2 系セラミックスが、溶浸に必
要な温度として1700℃〜2050℃の高温度を必要
としていることから考えても、本発明の方法は、低温度
でMo(Al,Si) 2 系材料を製造していることがわかる。
0℃の温度でなされており、上記特許第2535768
号に記載されているMoSi 2 系セラミックスが、溶浸に必
要な温度として1700℃〜2050℃の高温度を必要
としていることから考えても、本発明の方法は、低温度
でMo(Al,Si) 2 系材料を製造していることがわかる。
【0010】
【実施例】MoSi2粉末に全量に対して10wt%のMoを
添加混合して混合粉末とし、該混合粉末を所望形状の成
形体に成形し、該成形体を1450℃に加熱した後、溶融Al
を60分間含浸させた。その結果、気孔のない、緻密な材
料が得られた。その性質を測定すると、3点曲げ強さ3
50MPa,破壊靭性値6.3MPam1/2の値を得た。この
実施例を表1のNo.8に示す。その他の実施例を表1に
示す。
添加混合して混合粉末とし、該混合粉末を所望形状の成
形体に成形し、該成形体を1450℃に加熱した後、溶融Al
を60分間含浸させた。その結果、気孔のない、緻密な材
料が得られた。その性質を測定すると、3点曲げ強さ3
50MPa,破壊靭性値6.3MPam1/2の値を得た。この
実施例を表1のNo.8に示す。その他の実施例を表1に
示す。
【0011】
【比較例】比較例を表1の*1と*11に示す。MoSi2
のみのホットプレス焼結体は1.5MPam1/2と破壊靭性
は低い。しかも気孔は多数存在し、耐熱構造材などに使
用するのは困難である。またMoのみの粉末にAlを溶融含
浸は可能であるがSiを含まないために、耐酸化性に劣
る。
のみのホットプレス焼結体は1.5MPam1/2と破壊靭性
は低い。しかも気孔は多数存在し、耐熱構造材などに使
用するのは困難である。またMoのみの粉末にAlを溶融含
浸は可能であるがSiを含まないために、耐酸化性に劣
る。
【0012】
【表1】
【0013】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、 MoS
i 2 の本来有する耐酸化性を保持して 、しかも機械的性
質を改善したMo(Al,Si) 2 系材料を、低温度で製造する
方法を提供することができる。
i 2 の本来有する耐酸化性を保持して 、しかも機械的性
質を改善したMo(Al,Si) 2 系材料を、低温度で製造する
方法を提供することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 MoSi 2 原料粉末を所望形状の成形体に成
形し、該成形体を加熱した後、該成形体に溶融Alを含浸
させることにより、低温度でMo(Al,Si) 2 系材料を製造
する方法。 - 【請求項2】 MoSi 2 原料粉末に全重量の1〜80wt
%のMo粉末を添加混合して混合粉末とし、該混合粉末を
所望形状の成形体に成形し、該成形体を加熱した後、該
成形体に溶融Alを含浸させることにより、低温度でMo(A
l,Si) 2 系材料を製造する方法。 - 【請求項3】 上記成形体の加熱は、1450℃〜16
00℃の温度でなされることを特徴とする、請求項1ま
たは請求項2に記載の低温度でMo(Al,Si) 2 系材料を製
造する方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28307097A JP3151663B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 低温度でMo(Al,Si)2系材料を製造する方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28307097A JP3151663B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 低温度でMo(Al,Si)2系材料を製造する方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11100269A JPH11100269A (ja) | 1999-04-13 |
JP3151663B2 true JP3151663B2 (ja) | 2001-04-03 |
Family
ID=17660824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28307097A Expired - Lifetime JP3151663B2 (ja) | 1997-09-29 | 1997-09-29 | 低温度でMo(Al,Si)2系材料を製造する方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3151663B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106242576B (zh) * | 2016-08-09 | 2023-11-24 | 中原工学院 | 一种陶瓷基Mo(Si,Al)2-CBN超硬材料的制备方法 |
-
1997
- 1997-09-29 JP JP28307097A patent/JP3151663B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11100269A (ja) | 1999-04-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |