JP3149985B2 - 2,4−ジクロロ−3−アルキル−6−ニトロフェノールの製造方法 - Google Patents

2,4−ジクロロ−3−アルキル−6−ニトロフェノールの製造方法

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JP3149985B2 JP07862892A JP7862892A JP3149985B2 JP 3149985 B2 JP3149985 B2 JP 3149985B2 JP 07862892 A JP07862892 A JP 07862892A JP 7862892 A JP7862892 A JP 7862892A JP 3149985 B2 JP3149985 B2 JP 3149985B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー写真用シアン発
色剤の中間体として有用な2,4−ジクロロ−3−アル
キル(但しエチルを除く)−6−ニトロフェノールの製
造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】2,4−ジクロロ−3−アルキル−6−
ニトロフェノールの製造方法としては、特開昭63−4455
2 号及び特開昭64−47741 号公報に、3,5−ジクロロ
−4−エチル−ニトロベンゼンをニトロ化して、3,5
−ジクロロ−4−エチル−1,2−ジニトロベンゼンを
得、2位のニトロ基をアルカリ金属水酸化物にて加水分
解することにより得る方法が記載されている。
【0003】特開昭61−60634 号公報にはp−アルキル
ニトロベンゼンを、塩素によって塩素化して2,3,5
−トリクロロ−4−アルキルニトロベンゼンを得、これ
を加水分解して2,4−ジクロロ−3−アルキル−6−
ニトロフェノールを得る方法が記載されている。
【0004】特開昭60−205447号公報には5−アルキル
−2−ニトロフェノールを触媒を用いて、塩化スルフリ
ルにて塩素化することにより得る方法が記載されてい
る。
【0005】特開平1−228943号公報には、p−アルキ
ルベンゼンスルホン酸を塩素化して2,3,5−トリク
ロロ−4−アルキルベンゼンスルホン酸を得、脱スルホ
ン化した後、ニトロ化して、2,3,5−トリクロロ−
4−アルキルニトロベンゼンとし、塩素を加水分解し
て、4,6−ジクロロ−3−アルキル−6−ニトロフェ
ノールを得る方法が記載されている。
【0006】また、特開昭61−57536 号公報には、4−
クロロ−3−エチルフェノールまたは3−エチルフェノ
ールをハロゲン化炭化水素溶媒中で、無水硫酸錯体を用
いるか、あるいは過剰の濃硫酸中でスルホン化して5−
クロロ−4−エチル−2−ヒドロキシベンゼンスルホン
酸または4−エチル−2−ヒドロキシベンゼンスルホン
酸とし、これを塩素ガスまたは塩化スルフリルを用いて
塩素化して3,5−ジクロロ−4−エチル−2−ヒドロ
キシベンゼンスルホン酸を得、次いで、硝酸によりスル
ホン基をニトロ基で置換して2,4−ジクロロ−3−エ
チル−6−ニトロフェノールを製造する方法が記載され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した公知の方法
は、いずれも工業的に実施するには、種々の解決される
べき問題点があり、例えば、3,5−ジクロロ−4−ア
ルキル−ニトロベンゼンを出発物質とする方法は、出発
物質のp−アルキルニトロベンゼンの製造に於いて、公
知の方法によればアルキルベンゼンを混酸を用いてニト
ロ化するために、生成物がオルト及びパラ異性体の混合
物となり、精製を必要とし、低収率でしか製造すること
ができない。さらに、ジクロロ化についても、異性体の
生成があり、実施に際しては、繁雑な精製をする必要が
ある。
【0008】一方、p−アルキル−ニトロベンゼンをト
リクロロ化する方法についても、前記と同じような欠点
を有している。
【0009】更に、5−アルキル−2−ニトロフェノー
ルを出発物質とする方法は、この出発物質を製造するこ
とが困難であること等により実用的ではない。すなわ
ち、m−アルキルフェノールをニトロ化すると異性体の
混合物となるため、副生物の除去工程が必要である。
【0010】更にまた、p−アルキルベンゼンスルホン
酸を出発物質とする方法についても、出発物質であるp
−アルキルベンゼンスルホン酸を得る際に、o,m−体
との分離が必要である。また、クロロ化を多量の硫酸中
で実施するが、工業的に生産する場合は、容積効率が低
いことと、硫酸の処理が問題となる。
【0011】また、m−アルキルフェノールを出発物質
とする方法は、スルホン化に際して異性体が出来るため
に、収率が低くなり工業的製法としては好ましくない。
【0012】また、特開昭61-57536号に記載の方法は、
塩素化に際して塩素ガス又は塩化スルフリルを用いる方
法であり、塩素ガスを用いる場合にはその性質上、特殊
な安全設備を必要とすること、又塩化スルフリルを用い
る場合には、試剤が高価であり、かつ有機溶剤中で反応
を行なう必要があり、工業的規模での実施には不利であ
る。
【0013】本発明者らは、目的とする2,4−ジクロ
ロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−6−ニトロフ
ェノールの工業的に有利な製造方法を見出すべく鋭意、
検討の結果、上記した問題点の少ない本発明の方法を見
出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、5−クロロ−
4−アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベ
ンゼンスルホン酸を、触媒の存在下又は不存在下に、塩
化水素と過酸化水素とによって塩素化することを特徴と
する3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエチルを除
く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸の製造方法で
ある。
【0015】また、本発明は、5−クロロ−4−アルキ
ル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸を、触媒の存在下又は不存在下に、塩化水素と過
酸化水素とによって塩素化して3,5−ジクロロ−4−
アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼ
ンスルホン酸とし、次いで硝酸を用いてスルホン酸基を
ニトロ基に置換することを特徴とする2,4−ジクロロ
−3−アルキル(但しエチルを除く)−6−ニトロフェ
ノールの製造方法である。
【0016】更にまた、本発明は、4−クロロ−3−ア
ルキル(但しエチルを除く)フェノールを、スルホン化
剤を用いてスルホン化して5−クロロ−4−アルキル
(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホ
ン酸とし、次いでこれを触媒の存在下又は不存在下に、
塩化水素と過酸化水素とによって塩素化して3,5−ジ
クロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒド
ロキシベンゼンスルホン酸とし、次いで硝酸を用いてス
ルホン酸基をニトロ基に置換することを特徴とする2,
4−ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−6
−ニトロフェノールの製造方法である。
【0017】更にまた、本発明は、3,5−ジクロロ−
4−アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベ
ンゼンスルホン酸を、硝酸を用いてスルホン酸基をニト
ロ基に置換して2,4−ジクロロ−3−アルキル(但し
エチルを除く)−6−ニトロフェノールを製造する方法
において、3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエチ
ルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸を硝酸
水溶液に滴下して、スルホン酸基をニトロ基に置換する
ことを特徴とする2,4−ジクロロ−3−アルキル(但し
エチルを除く)−6−ニトロフェノールの製造方法であ
る。
【0018】更にまた、本発明は、 3,5−ジクロロ−4
−アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベン
ゼンスルホン酸水溶液と硝酸水溶液とのニトロ化反応に
より、2,4−ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除
く)−6−ニトロフェノールを製造するに際し、該ニト
ロ化反応後、生成する2,4−ジクロロ−3−アルキル
(但しエチルを除く)−6−ニトロフェノールを濾過又
は分液して得られる濾液又は水層を、前記 3, 5−ジク
ロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒドロ
キシベンゼンスルホン酸と硝酸とのニトロ化反応の媒体
の一部又は全部として再使用することを特徴とする2,4
−ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−6−
ニトロフェノールの製造方法である。
【0019】以下、本発明の方法を更に詳細に説明す
る。本発明の方法は、前記の通り、4−クロロ−3−ア
ルキル(但しエチルを除く)フェノールを出発化合物と
して、スルホン化、塩素化及びニトロ化の三つの工程か
らなることを特徴とする2,4−ジクロロ−3−アルキル
(但しエチルを除く)−6−ニトロフェノールの製造方
法において、特に塩素化の工程に特徴を有する2,4−ジ
クロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−6−ニト
ロフェノールの製造方法を骨子とするものである。
【0020】本発明の目的とする2,4−ジクロロ−3−
アルキル(但しエチルを除く)−6−ニトロフェノール
としては、具体的には2,4−ジクロロ−3−メチル−6
−ニトロフェノール、2,4−ジクロロ−3−イソプロピ
ル−6−ニトロフェノールを挙げることが出来る。
【0021】本発明に使用される塩化水素は、工業的に
入手し得る塩酸溶液が好ましく用いられ、特に5〜38
%の塩酸溶液の形態が最も好ましく用いられる。しかし
ながら、この塩素化反応の技術分野において常用されて
いる気体状の塩化水素でもよく、この場合反応混合物中
に適当な分配装置を経て導入される。
【0022】この塩化水素は、5−クロロ−4−アルキ
ル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸1モルに対して0.9 モル以上、好ましくは1〜10
モル、更に好ましくは1〜4.0 モルの範囲である。
【0023】本発明に使用される過酸化水素は、塩化水
素と同様に過酸化水素水溶液が好ましく用いられ、特に
5〜60%の水溶液の形態が最も好ましく用いられる。
なお、この過酸化水素は、高濃度の、例えば98%H2O2
用いることもできる。
【0024】この過酸化水素は、前記塩化水素に対して
通常化学量論量が用いられるが、やや過剰の使用がより
好ましい。従って過酸化水素の使用量は、塩化水素1モ
ルに対して0.5 〜2モル、好ましくは1〜1.2 モルの範
囲である。
【0025】本発明の塩素化反応においては、触媒を用
いることができる。用いられる触媒としては、具体的に
は塩化アルミニウム、塩化第二鉄などが挙げられる。こ
の触媒の使用量は5−クロロ−4−アルキル(但しエチ
ルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸に対し
て0.01〜10重量%、好ましくは0.1 〜3重量%の範囲
である。
【0026】塩素化の反応温度は、一般に80℃以下が好
ましい。
【0027】反応混合物は水で希釈して、3,5−ジク
ロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒドロ
キシベンゼンスルホン酸を水溶液として得る。不純物の
多くは油層中に抽出して除去される。
【0028】本発明の塩素化反応は水を溶媒として実施
することができる点において、特に工業的にすぐれてい
る。
【0029】本発明の方法において、スルホン化の工程
は制限的ではない。すなわち、4−クロロ−3−アルキ
ル(但しエチルを除く)フェノールを無水硫酸錯体によ
ってスルホン化する方法、硫酸によりスルホン化する方
法、又は有機溶媒中に於いて、クロロスルホン酸を用い
てスルホン化する方法などが挙げられるが、有機溶媒
中、クロロスルホン酸を用いてスルホン化する方法が工
業的に最も好ましい。用いられるクロロスルホン酸は、
通常純度95〜99.5%のものが用いられ、またその使用量
は、例えば、4−クロロ−3−アルキル(但しエチルを
除く)フェノールに対して0.9 〜1.4 モル倍、好ましく
は、0.95〜1.20倍である。
【0030】ここで、有機溶媒としては、ハロゲン化炭
化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素、ジクロロエチレン、ジクロロエタン、トリクロロ
エチレン、トリクロロエタン、テトラクロロエチレン、
テトラクロロエタン、ジブロムエタン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼンなど)、ニトロ化炭化水素
(ニトロベンゼン、o−ニトロトルエンなど)、或いは
芳香族炭化水素(トルエン、キシレン、t−ブチルベン
ゼンなど)が用いられる。スルホン化の反応温度は、0
〜80℃、好ましくは、10〜50℃で行なわれる。
【0031】かくして得られた5−クロロ−4−アルキ
ル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸は次いで本発明の方法により塩素化して、3,5
−ジクロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)−2−
ヒドロキシベンゼンスルホン酸に導くことができる。
【0032】この塩素化反応において、塩化水素と過酸
化水素を用いる方法が、工業的に最も優れることを見出
したものである。また、例えば5−クロロ−4−アルキ
ル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸を溶解するために酢酸等のスルホン酸可溶化溶媒
を使用することが好ましいことを見出した。
【0033】本発明の塩素化反応は水を溶媒として実施
することができる点において、特に工業的にすぐれてい
るが、このことは、クロロスルホン酸を用いてスルホン
化する方法の場合には、スルホン化後水に投入し、水層
を用いることによって、スルホン酸を単離することな
く、水溶媒中でクロロ化を実施することができるという
利点がある。
【0034】かして得られた3,5−ジクロロ−4−ア
ルキル(但しエチルを除く)−6−ヒドロキシベンゼン
スルホン酸は、次いで硝酸を用いてニトロ化することに
より、最終目的とする2,4−ジクロロ−3−アルキル
(但しエチルを除く)−6−ニトロフェノールを製造す
ることができる。
【0035】ニトロ化反応は、通常塩素化反応によって
得られた3,4−ジクロロ−4−アルキル(但しエチル
を除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸の水溶液
に、硝酸を滴下することにより行われる。
【0036】本発明者らは、本発明のスルホン酸基をニ
トロ基に置換するいわゆるニトロ化反応は、硝酸水溶液
中に3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエチルを除
く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸の水溶液を滴
下することにより、誘導期を短くすることができるた
め、安全性を著しく向上させることができると共に、収
率も格段と向上させることができることを見出した。
【0037】使用される硝酸の濃度は、特に制限されな
いが、2〜70重量%の硝酸水溶液の形態が好ましく用
いられる。
【0038】硝酸の使用量は、3,5−ジクロロ−4−ア
ルキル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼン
スルホン酸1モルに対して0.9 モル以上、好ましくは1
〜10モル、更に好ましくは1〜4モルの範囲である。
また、ニトロ化反応の温度は通常80℃以下、好ましく
は60℃以下である。
【0039】本発明の目的物である例えば2,4−ジクロ
ロ−3−メチル−6−ニトロフェノールは、反応後結晶
を濾過することによって容易に得ることができる。必要
ならば濾過前にベンゼン、トルエン、キシレン、モノク
ロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンなどの芳香族炭
化水素、クロロホルム、塩化メチレン、二塩化エタン、
三塩化エタンなどの塩素化合物炭化水素等の溶媒によっ
て抽出し、水溶性の不純物を取り除くことができる。ま
た、メタノール、イソプロパノールなどのアルコール類
等を用いて洗浄あるいは再結晶することも可能である。
【0040】本発明者らは、 3,5−ジクロロ−4−アル
キル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンス
ルホン酸水溶液と硝酸水溶液とのニトロ化反応により、
2,4−ジクロロ−3−エチル−6−ニトロフェノールを
製造するに際し、該ニトロ化反応後、生成する2,4−ジ
クロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−6−ニト
ロフェノールを濾過又は分液して得られる濾液又は水層
を、前記3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエチルを
除く)−2−ヒドロキシベンゼンススルホン酸と硝酸と
のニトロ化反応の媒体の一部又は全部として再使用する
ことにより、誘導期を短くすることができるため安全性
を著しく向上させることができると共に、収率も格段と
向上させることができることを見出した。
【0041】本発明のニトロ化反応において、前記の再
使用される濾液又は水層は、硝酸水溶液及び 3, 4−ジ
クロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒド
ロキシベンゼン水溶液の双方又は片方に含有せしめるこ
とができる。
【0042】本発明のニトロ化反応における硝酸水溶液
の硝酸の濃度は特に制限されないが、通常2〜70重量
%の形態が最も好ましく用いられる。
【0043】
【発明の効果】本発明の方法によれば、例えば4−クロ
ロ−3−アルキル(但しエチルを除く)フェノールか
ら、5−クロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)フ
ェノール−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸及び3,5
−ジクロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)−2−
ヒドロキシベンゼンスルホン酸を経て、目的とする2,4
−ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)エチル
−6−ニトロフェノールを安全に高純度、高収率で工業
的に有利に製造することができる。
【0044】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、更に詳細に
説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0045】実施例1 1Lのガラス製4ツの口のフラスコに、4−クロロ−3
−メチルフェノール100g、ジクロロメタン250g
入れて溶解する。25〜30℃に保ちながらクロロスル
ホン酸80gを滴下する。同温で3時間保温した後、氷
水にて冷却しながら水200gを滴下する。
【0046】次に35%塩酸133gを加え、温度を3
0℃に保って、35%過酸化水素水93gを滴下する。
同温度に8時間保った後、油層を分離する。2Lのガラ
ス製4ツの口のフラスコに70%硝酸115gを仕込
み、30〜35℃に保ちながら分離した水層を滴下す
る。同温度に1時間保温した後、15℃まで冷却して濾
過する。水で洗浄して、乾燥することにより2,4−ジク
ロロ−3−メチル−6−ニトロフェノールが得られる。 収量;132g(収率:4−クロロ−3−メチルフェノ
ールに対し85%) 融点; 82〜84℃
【0047】実施例2 実施例1において、原料として4−クロロ−3−イソプ
ロピルフェノールを用い、他は実施例1と同様に実施し
て、目的とする2,4−ジクロロ−3−イソプロピル−6
−ニトロフェノールが得られる。 収率;4−クロロ−3−イソプロピルフェノールに対し
75% 融点;86〜88℃
【0048】実施例3 1Lのガラス製4ツ口フラスコに4−クロロ−3−メチ
ルフェノール100g、モノクロロベンゼン200gをいれ
て、溶解する。60〜65℃に保ちながら、クロロスル
ホン酸90gを滴下する。同温度で3時間保温した後、
酢酸75.1gを加える。塩化アルミニウム1.2gと
塩化硫黄0.6gを加えた後、25〜30℃にて塩化ス
ルフリル100gを滴下する。滴下終了後35℃に昇温
し、その温度で5時間保温する。2Lのフラスコに水9
60gを入れておき、それに反応マスを水の撹拌下に注
入する。水層と油層に分かれるので下層の油層を除く。
【0049】この水層を、20℃に冷却した後70%硝
酸168g中に温度20〜25℃に保ちながら滴下す
る。滴下終了後45℃に昇温し、その温度で4時間保温
する。20℃まで冷却してろ過する。水で洗浄して、乾
燥することにより目的とする2,4−ジクロロ−3−メ
チル−6−ニトロフェノールが得られる。 収量;108g(収率;4−クロロ−3−メチルフェノ
ールに対して69%) 融点;85〜87.7℃
【0050】実施例4 実施例1において、溶媒をモノクロロベンゼンに替えて
1,2−ジクロロエタンを用いる他は実施例1と同様に
実施して、目的とする2,4−ジクロロ−3−メチル−
6−ニトロフェノールが得られる。 収量;139g(収率;4−クロロ−3−メチルフェノ
ールに対して89%)
【0051】実施例5 実施例1に記載の方法で得られた3,5−ジクロロ−4
−メチル−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸の水溶液
に、50%硝酸水溶液を滴下する以外は実施例1と同様
に実施して、目的とする2,4−ジクロロ−3−メチル
−6−ニトロフェノールが得られる。 収量;119g(収率;4−クロロ−3−メチルフェノ
ールに対して76%)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 修 大阪市淀川区西三国4丁目2番11号 田 岡化学工業株式会社内 審査官 伊藤 幸司 (56)参考文献 特開 昭61−57536(JP,A) 特開 昭62−223140(JP,A) 特開 昭57−64646(JP,A) 特公 昭53−41138(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 205/26 C07C 201/10 C07C 309/39

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】5−クロロ−4−アルキル(但しエチルを
    除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸を、触媒の
    存在下又は不存在下に、塩化水素と過酸化水素とによっ
    て塩素化することを特徴とする3,5−ジクロロ−4−
    アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼ
    ンスルホン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】5−クロロ−4−アルキル(但しエチルを
    除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸を、触媒の
    存在下又は不存在下に、塩化水素と過酸化水素とによっ
    て塩素化して3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエ
    チルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸と
    し、次いで硝酸を用いてスルホン酸基をニトロ基に置換
    することを特徴とする2,4−ジクロロ−3−アルキル
    (但しエチルを除く)−6−ニトロフェノールの製造方
    法。
  3. 【請求項3】4−クロロ−3−アルキル(但しエチルを
    除く)フェノールを、スルホン化剤を用いてスルホン化
    して5−クロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)−
    2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸とし、次いでこれを
    触媒の存在下又は不存在下に、塩化水素と過酸化水素と
    によって塩素化して3,5−ジクロロ−4−アルキル
    (但しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホ
    ン酸とし、次いで硝酸を用いてスルホン酸基をニトロ基
    に置換することを特徴とする2,4−ジクロロ−3−ア
    ルキル(但しエチルを除く)−6−ニトロフェノールの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 塩素化を、水溶媒中で行なう請求項1〜
    請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】塩化水素を、塩酸溶液の形態で用いる請求
    項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】塩酸溶液が5%〜38%塩酸溶液である請求
    項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】過酸化水素を、過酸化水素水溶液の形態で
    用いる請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】過酸化水素水溶液が、5〜70%H2O2水溶液
    である請求項7に記載の載の方法。
  9. 【請求項9】塩素化の触媒として、塩化アルミニウム又
    は塩化第二鉄を用いる請求項1〜請求項8のいずれかに
    記載の方法。
  10. 【請求項10】3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエ
    チルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸を硝
    酸水溶液に滴下して、スルホン酸基をニトロ基に置換す
    ることを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに
    記載の2,4−ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除
    く)−6−ニトロフェノールの製造方法。
  11. 【請求項11】硝酸水溶液の硝酸の濃度が2〜70重量%
    である請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエチ
    ルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸水溶液
    と硝酸水溶液とのニトロ化反応により、2,4−ジクロロ
    −3−アルキル(但しエチルを除く)−6−ニトロフェ
    ノールを製造するに際し、該ニトロ化反応後、生成する
    2,4−ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−
    6−ニトロフェノールを濾過又は分液して得られる濾液
    又は水層を、前記 3,5−ジクロロ−4−アルキル(但
    しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸
    と硝酸とのニトロ化反応の媒体の一部又は全部として再
    使用することを特徴とする請求項2又は請求項3のいず
    れかに記載の2,4−ジクロロ−3−アルキル(但しエチ
    ルを除く)−6−ニトロフェノールの製造方法。
  13. 【請求項13】3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエ
    チルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸を、
    硝酸を用いてスルホン酸基をニトロ基に置換して2,4
    −ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−6−
    ニトロフェノールを製造する方法において、3,5−ジ
    クロロ−4−アルキル(但しエチルを除く)−2−ヒド
    ロキシベンゼンスルホン酸を硝酸水溶液に滴下して、ス
    ルホン酸基をニトロ基に置換することを特徴とする2,4
    −ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−6−
    ニトロフェノールの製造方法。
  14. 【請求項14】3,5−ジクロロ−4−アルキル(但しエチ
    ルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸水溶液
    と硝酸水溶液とのニトロ化反応により、2,4−ジクロロ
    −3−アルキル(但しエチルを除く)−6−ニトロフェ
    ノールを製造するに際し、該ニトロ化反応後、生成する
    2,4−ジクロロ−3−アルキル(但しエチルを除く)−
    6−ニトロフェノールを濾過又は分液して得られる濾液
    又は水層を、前記 3,5−ジクロロ−4−アルキル(但
    しエチルを除く)−2−ヒドロキシベンゼンスルホン酸
    と硝酸とのニトロ化反応の媒体の一部又は全部として再
    使用することを特徴とする2,4−ジクロロ−3−アルキ
    ル(但しエチルを除く)−6−ニトロフェノールの製造
    方法。 【0001】
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