JP3149213B2 - 成形体に対する転写層の形成方法及び該方法に利用する転写用シート - Google Patents

成形体に対する転写層の形成方法及び該方法に利用する転写用シート

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の成形体の被転写
面に対する転写層の形成方法と該転写層の形成方法に利
用する転写用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】成形体の被転写面に対して転写層を転写
する際に、被転写面と転写層との間の接着層として、未
硬化状態の熱硬化型樹脂の塗工層を、予め被転写面に形
成しておく方法(特開昭61−89899号公報,特公
昭63−58103号公報等)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記未硬化状態にある
熱硬化型樹脂の塗工層を接着剤層として利用する従来の
方法は、未硬化状態の熱硬化型樹脂自体が具備する粘着
性のみを利用するものであり、また熱硬化型樹脂を溶剤
希釈したコーティング剤による塗工層を接着剤層とする
場合は、これを乾燥した後の接着剤層に対して転写層を
転写するものである。
【0004】このために、被転写体に対する転写層の転
写に必要となる粘着力は、接着剤層として形成された熱
硬化型樹脂の塗工層における樹脂自体の種類や分子量に
よって決定される。従って、接着剤層に必要とされる各
種の物性を満足するような種類と分子量との熱硬化型樹
脂を選択すると、例えば転写層と熱硬化後の接着剤層と
の間の接着力や熱硬化後の接着剤層の耐光性等の物性を
満足するような熱硬化型樹脂の種類と分子量とを選択す
ると、転写用シートの転写層を被転写体の表面に形成し
た接着剤層面に転移させる際に、該接着剤層に必要とさ
れる粘着力を所望の数値のものにすることが極めて困難
になる。
【0005】また、熱硬化型樹脂を溶剤希釈したコーテ
ィング剤の塗工層を接着剤層とするものは、予め溶剤を
乾燥させた後の塗工層からなる接着剤層面に対して転写
層を転移させるものであるために、溶剤の乾燥工程の際
の加熱によって接着剤層における硬化反応が進行してし
まい、接着剤層の粘着力が低下することが多く、この場
合にも接着剤層に必要とされる粘着力を所望の数値のも
のにすることが極めて困難になる。
【0006】さらに、無溶剤型の熱硬化型樹脂層からな
る塗工層を接着剤層として利用する場合には、転写工程
における加圧及び加熱に伴う樹脂の流動,変形に起因す
る転写層の絵柄の歪や転写層の亀裂、さらには、転写面
の凹凸の発生等が防止される等の理由により、「無溶剤
時には未硬化状態であっても非粘着固体となるような熱
硬化型樹脂」の使用が好ましいが、このような性質の樹
脂による接着剤層には、転写層を転写,固着させるだけ
の接着力が存しない。
【0007】これに対して本第1の発明は、成形体に対
する転写層の形成方法において、成形体の被転写面に、
予め、未硬化の無溶剤状態にて非粘着固体を呈する未硬
化の熱硬化型樹脂の溶剤溶液による塗工層からなる接着
剤層を形成するものであり、この塗工層による接着剤層
中の溶剤によって転写層の1部が溶解,膨潤して粘着性
を発現するようにすると共に、転写層と前記接着剤層を
なす塗工層とが1部相溶した状態で熱硬化を完了させる
ことにより、接着剤層と転写層との間の接着力の良好な
転写層が得られる成形体に対する転写層の形成方法を提
供する。
【0008】また本第2の発明は、前記本第1の発明の
転写層の形成方法に対して利用される転写用シートを提
供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下に記載
する構成による本発明の成形体に対する転写層の形成方
法及び該方法に利用する転写用シートによって解決する
ことができる。すなわち、本第1の発明の成形体に対す
る転写層の形成方法は、成形体の被転写面に、未硬化の
無溶剤状態にて非粘着固体を呈する未硬化の熱硬化型樹
脂の溶剤溶液による塗工層を形成した後、該塗工層中の
溶剤の少なくとも1部が残留するようにして前記塗工層
を乾燥させることによって該塗工層に粘着性を付与し、
続いて転写用シート基材と転写層とからなる転写用シー
トにおける転写層面を前記粘着性を帯びている塗工層面
に接当して加圧し、しかる後に、転写用シート基材を剥
離して転写層を被転写面に転移させた後に前記被転写面
に形成した熱硬化型樹脂の塗工層を熱硬化させるか、あ
るいは転写用シートと被転写体である成形体との加圧体
を加熱することにより前記被転写面に形成した熱硬化型
樹脂の塗工層を熱硬化させた後に転写用シート基材を剥
離するかして、成形体の被転写面に転写層を形成するも
のである。
【0010】本第2の発明は、前記本第1の発明の成形
体に対する転写層の形成方法に利用する転写用シートで
あって、表面が離型性面とされている転写用シート基材
と、該転写用シート基材における離型性面に対して順次
形成されている装飾層と耐溶剤性を有するプライマー層
とを具備する転写用シートからなる。
【0011】前記構成による本発明の成形体に対する転
写層の形成方法において、被転写体として利用される成
形体としては、例えば、木材の単材,木質合材,パーテ
ィクルボード,中密度繊維板等の木質成形体、石膏,石
膏スラグ等の石膏系成形体,珪酸カルシウム,石綿スレ
ート等の珪酸カルシウム系成形体、軽量発泡コンクリー
ト,中空押出しセメント,パルプセメント,石綿セメン
ト,木片セメント,硝子繊維強化コンクリート等のセン
メント成形体及び繊維セメント成形体、陶器,磁器,土
器,硝子,琺瑯等のセラミックス成形体、鉄,亜鉛メッ
キ鋼,ポリ塩化ビニルゾル塗工鋼,アルミニウム,銅等
の金属成形体、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリメ
タアクリル酸メチル,ポリアクリル酸メチル,ポリメタ
アクリル酸エチル,ポリ塩化ビニル,ポリスチレン,ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体,ポリ
カーボネート等の熱可塑性樹脂成形体、フェノール樹
脂,尿素樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,ポリウレタン
樹脂,エポキシ樹脂,メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂成
形体、硝子繊維製不織布,布帛,紙その他の各種の繊維
質基材に対してフェノール樹脂,尿素樹脂,不飽和ポリ
エステル樹脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂,メラ
ミン樹脂あるいはジアリルフタレート樹脂等の樹脂を含
浸,硬化させた所謂FRP成形体、2種以上の板等の成
形体を接着剤や熱融着法を利用して積層した複合成形体
等が利用される。これらは、箔状〜厚みあるシート状
物、棒状物、射出成形体等の立体成形体等として使用さ
れる。特にアルミニウムの成形体が好適である。
【0012】成形体の被転写面に形成する未硬化の熱硬
化型樹脂の溶剤溶液による塗工層は、未硬化の無溶剤状
態にて非粘着固体を呈する未硬化の熱硬化型樹脂の溶剤
溶液からなるコーティング剤の塗工層であり、例えばメ
ラミン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,フェノール樹
脂,尿素樹脂,グアナミン樹脂,不飽和ポリエステル樹
脂,ポリウレタン樹脂,エポキシ樹脂,アミノアルキッ
ド樹脂,メラミン・尿素共重合樹脂,珪素樹脂,ポリシ
ロキサン樹脂等の熱硬化型樹脂と、溶剤と、必要に応じ
て添加される添加剤、例えば、架橋剤,重合開始剤等の
硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤等との混合物からなる
コーティング剤の塗工層からなるものである。
【0013】なお、このコーティング剤に利用される溶
剤は、使用される熱硬化型樹脂の種類に応じて適宜選択
されるものであり、例えば、酢酸エチル,酢酸ブチル等
のエステル類、アセトン,メチルエチルケトン,メチル
イソブチルケトン,シクロヘキサノン,イソホロン等の
ケトン類、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,さらにはこ
れらの混合物であるガソリン,ミネラルスピリット,石
油ベンジン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン,トルエン,
キシレン,シクロヘキサン等の芳香族炭化水素、トリク
ロロエチレン,パークロルエチレン,四塩化炭素等のハ
ロゲン化炭化水素、メチルアルコール,エチルアルコー
ル,イソプロピルアルコール,ブチルアルコール等の一
価のアルコール類、エチレングリコール,グリセリン等
の多価アルコール類、エチルエーテル,メチルエーテル
等のエーテル類等、さらには、これらの中の2種以上の
混合物等である。
【0014】特に、前記熱硬化型樹脂の塗工層中に一定
量の残留溶剤が安定して存在するようにするために、キ
シレン,シクロヘキサン,ミネラルスピリット等の遅乾
性溶剤と、メチルエチルケトン,酢酸エチル等の速乾性
溶剤との混合溶剤を利用するのが好適である。
【0015】なお、前記被転写面に対して形成される溶
剤系の熱硬化型樹脂の塗工層としては、通常のドライラ
ミネート工程で利用されるドライラミネート用の接着剤
が好適である。
【0016】本発明の成形体に対する転写層の形成方法
に適用し得る転写用シートは、転写用シート基材と転写
層とからなるものであり、表面が離型性面とされている
転写用シート基材と、該転写用シート基材における離型
性面に形成されている転写層とを具備する。
【0017】転写用シート基材における離型性面は、例
えば表面が離型性を有するプラスチックシートの場合に
は、該シートをそのまま転写用シート基材として利用し
得るが、通常は、プラスチックシートの表面に弗素樹脂
やシリコーン等による処理を施すことによって、該処理
面を離型性面としたものが使用される。
【0018】成形体の被転写面に対して形成されている
溶剤系の熱硬化型樹脂の塗工層を完全に硬化させた後
に、転写用シート基材と転写層との間の離型を確実に行
ない得るようにすると共に、成形体の被転写面に転写さ
れた転写層に表面保護層が形成されるようにする目的
で、転写用シート基材の表面に、耐擦傷性,耐薬品性,
耐汚染性等に優れた性質を具備する剥離層を形成して置
くことが好ましい。
【0019】特に、本発明方法によって得られた転写層
を有する成形体を、外装用,浴室内等の内装用,ブライ
ンド用等の窓周辺材材等のように、耐熱性と耐水性とを
兼備することが必要とされるような用途に利用する場合
には、硝子転移点が60℃以上の樹脂によって剥離層を
形成することが好ましく、剥離層による表面保護層の作
用によって、温水や日光等による転写層の剥離やブリス
ターの発生等を防止し得るようするのが良い。
【0020】なお、転写用シート基材の表面に形成され
る前記剥離層は、以下に記載するような熱硬化型樹脂や
電離放射線硬化型樹脂により、通常0.1〜10μ程度
の厚さで形成されるのが好ましい。
【0021】熱硬化型樹脂 メラミン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,フェノール樹
脂,尿素樹脂,グアナミン樹脂,不飽和ポリエステル樹
脂,ポリウレタン樹脂,エポシシ樹脂,アミノアルキッ
ド樹脂,メラミン・尿素共重合樹脂,珪素樹脂,ポリシ
ロキサン樹脂等、なお、熱硬化性樹脂には、必要に応じ
て、架橋剤,重合開始剤,硬化剤,重合促進剤,溶剤,
粘度調整剤,体質顔料等が添加される。
【0022】電離放射線硬化型樹脂 分子中に重合性不飽和結合またはエポキシ基を有するプ
レポリマー、オリゴマー、及び/ 又は単量体等による混
合樹脂組成物が利用される。なお、前記プレポリマーや
オリゴマーの具体例は、不飽和ジカルボン酸と多価アル
コールとの縮合物等による不飽和ポリエステル類をはじ
め、ポリエステルメタクリレート,ポリエーテルメタク
リレート,ポリオールメタクリレート,メラミンメタク
リレート等によるメタクリレート類、ポリエステルアク
リレート,エポキシアクリレート,ウレタンアクリレー
ト,ポリエーテルアクリレート,ポリオールアクリレー
ト,メラミンアクリレート等によるアクリレート類等が
利用される。
【0023】さらに、単量体の具体例としては、スチレ
ン,α・メチルスチレン等によるスチレン系単量体、ア
クリル酸メチル,アクリル酸−2−エチルヘキシル,ア
クリル酸メトキシエチル,アクリル酸ブトキシエチル,
アクリル酸ブチル,アクリル酸メトキシブチル,アクリ
ル酸フェニル等によるアクリル酸エステル類、メタクリ
ル酸メチル,メタクリル酸エチル,メタクリル酸プロピ
ル,メタクリル酸メトキシエチル,メタクリル酸エトキ
シメチル,メタクリル酸フェニル等によるメタクリル酸
エステル類、アクリル酸−2−(N,N−ジエチルアミ
ノ)エチル,メタクリル酸−2−(N,N−ジメチルア
ミノ)エチル,アクリル酸−2−(N,N−ジベンジル
アミノ)エチル,メタクリル酸−2−(N,N−ジメチ
ルアミノ)メチル,アクリル酸−2−(N,N−ジエチ
ルアミノ)プロピル等による不飽和酸の置換アミノアル
コールエステル類、アクリルアミド,メタクリルアミド
等による不飽和カルボン酸アミド、エチレングリコール
ジアクリレート,プロピレングリコールジアクリレー
ト,ネオペンチルグリコールジアクリレート,1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート,ジエチレングリコー
ルジアクリレート,トリエチレングリコールジアクリレ
ート等のジアクリレート化合物、ジプロピレングリコー
ルジアクリレート,エチレングリコールアクリレート,
プロピレングリコールジメタクリレート,ジエチレング
リコールジメタクリレート等による多官能性化合物、ト
リメチロールプロパントリチオグリコレート,トリメチ
ロールプロパントリチオプロピレート,ペンタエリスリ
トールテトラチオグリコール等による分子中に2個以上
のチオール基を有するポリチオール化合物、等が挙げら
れる。
【0024】なお、電離放射線硬化型樹脂には、通常、
前述のプレポリマー又はオリゴマーの5〜95重量%
と、単量体及び/又はポリチオール化合物の95〜5重
量%との混合組成物が利用される。
【0025】さらに、電離放射線硬化型樹脂によって剥
離層を形成する場合に、該剥離層を紫外線の照射によっ
て硬化させる際には、例えば、アセトフェノン類,ベン
ゾフェノン類,ミヒラーベンゾイルベンゾエート,α・
アミロキシムエステル,テトラメチルメウラムモノサル
ファイド,チオキサントン類等による光重合開始剤と、
必要に応じて添加される光増感剤、例えば、n−ブチル
アミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチルホスフィ
ン等による光増感剤とを含有するコーティング剤が利用
されることは勿論である。
【0026】転写用シート基材の離型性面に形成される
転写層は、少なくとも装飾層を具備するものであり、必
要に応じて、該装飾層に対して、順次、耐溶剤性を有す
るプライマー層及び接着剤層等が積層されている積層構
成による転写層が利用される。なお、本第2の発明の転
写用シートにあっては、耐溶剤性を有するプライマー層
を必須の構成要件として具備する。
【0027】装飾層は、印刷インキによる印刷層を初
め、アルミニウムやクロム等による金属膜層等からな
り、全面のベタ装飾層であっても、あるいは、木目,石
目,水玉,格子柄,文字,図形等を表現する部分模様
層、さらには、全面のベタ装飾層と部分模様層との組み
合わせからなるものであっても良い。なお、印刷インキ
による印刷層は、装飾層に対して耐温水性及び耐熱性を
具備させる目的で、特に硝子転移温度60℃以上の樹脂
をベヒクルとする印刷インキで形成することが好まし
い。
【0028】本第2の発明の転写用シートにおける必須
の構成要件である「耐溶剤性を有するプライマー層」
は、成形体の被転写面に形成されている未硬化の無溶剤
状態にて非粘着固体を呈する未硬化の熱硬化型樹脂の溶
剤溶液による塗工層中に存在する溶剤によって、転写工
程中において装飾層が溶解,流動したり、変質したりす
るのを防止する作用を果たすものであり、前記熱硬化型
樹脂の溶剤溶液による塗工層中に残留する溶剤によって
溶解し難い性質の樹脂、すなわち前記塗工層中に残留す
る溶剤のSP値との間の差が大きなSP値を有する樹脂
や架橋・硬化した樹脂で、しかも他の転写層との間の密
着性の良好な樹脂によって形成されるのが好ましく、一
般的にはイソシアネート硬化型ポリウレタン,メラミン
・アクリル混合樹脂,不飽和ポリエステル樹脂,エポキ
シ樹脂等によって形成されるのが好適である。
【0029】転写用シート基材に対して形成されている
転写層の最上層をなす接着剤層は、先の剥離剤層と同様
に必要に応じて形成されるものであり、転写層を被転写
体に転移させ、接着させる作用を果たす。この接着剤層
には、感熱接着剤、溶剤活性型接着剤、電離放射線硬化
型接着剤等が利用され、以下に説明するようなものが使
用される。
【0030】エチルセルロース,硝酸セルロース,エチ
ルヒドロキシエチルセルロース,セルロースアセテート
プロピオネート,酢酸セルロース等のセルロース誘導
体、ポリスチレン,ポリ−α−メチルスチレン等のスチ
レン樹脂及びスチレン共重合体樹脂、ポリメタクリル酸
メチル,ポリメタクリル酸エチル,ポリアクリル酸エチ
ル,ポリアクリルブチル等のアクリル等のアクリル系樹
脂、ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニル,塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体,ポリビニルブチラール樹脂等のビニ
ル重合体、ロジン,ロジン変性マレイン酸樹脂,ロジン
変性フェノール樹脂,重合ロジン等のロジンエステル樹
脂、ポリイソプレンゴム,ポリイソブチルゴム,スチレ
ン・ブタジエンゴム,ブタジエン・アクリロニトリルゴ
ムとのゴム系樹脂、クマロン樹脂,ビニルトルエン樹
脂,ポリウレタン,ポリアミド樹脂,ポリ塩素化オレフ
ィン,各種アイオノマー等のその他の樹脂、さらには、
これらの混合物等。
【0031】なお、接着剤層には、該接着剤層が十分な
指触乾燥状態となるようにするために、例えば、炭酸カ
ルシウム,シリカ,炭酸マグネシウム等の体質顔料を、
1〜15重量%程度添加しても良い。
【0032】さらに、前記接着剤層は、被転写体に対し
て形成した転写層に耐温水性及び耐熱性を具備させる目
的で、特に硝子転移温度90℃以上の樹脂で形成するこ
とが好ましい。
【0033】転写用シート基材を剥離して転写層を被転
写体に転移させた後に前記被転写体に形成した熱硬化型
樹脂の塗工層を熱硬化させるか、あるいは、転写用シー
トと被転写体との加圧体を加熱することにより前記被転
写体に形成した熱硬化型樹脂の塗工層を熱硬化させた後
に転写用シート基材を剥離するかして、成形体の被転写
面に転写層を形成する工程に先立つ工程、すなわち、転
写用シート基材と転写層とからなる転写用シートにおけ
る転写層を成形体の被転写面に接当して加圧する工程に
おいては、加圧と同時に加熱しても良いことは勿論であ
る。
【0034】
【作用】本発明の成形体に対する転写層の形成方法は、
成形体の被転写面に、未硬化の無溶剤状態にて非粘着固
体を呈する未硬化の熱硬化型樹脂の溶剤溶液による塗工
層を形成した後、該塗工層中の溶剤の少なくとも1部が
残留するようにして前記塗工層を乾燥させることによっ
て該塗工層に粘着性を付与し、続いて転写用シート基材
と転写層とからなる転写用シートにおける転写層面を前
記粘着性を帯びている塗工層面に接当して加圧し、しか
る後に、転写用シート基材を剥離して転写層を被転写面
に転移させた後に前記被転写面に形成した熱硬化型樹脂
の塗工層を熱硬化させるか、あるいは転写用シートと被
転写体である成形体との加圧体を加熱することにより前
記被転写面に形成した熱硬化型樹脂の塗工層を熱硬化さ
せた後に転写用シート基材を剥離するかして、成形体の
被転写面に転写層を形成することからなる。
【0035】したがって、本発明の成形体に対する転写
層の形成方法においては、成形体の被転写面の接着剤層
として、未硬化の無溶剤状態にて非粘着固体を呈する未
硬化の熱硬化型樹脂の溶剤溶液による塗工層を利用する
ものである。
【0036】そして、本発明の成形体に対する転写層の
形成方法においては、成形体の被転写面に形成されてい
る前記塗工層からなる接着剤層中に含有されている溶剤
によって、被転写面に転写される転写層の1部が溶解,
膨潤して粘着性を発現すると共に、転写層と接着剤層と
が1部相溶した状態で接着剤層の熱硬化を完了させるも
のであるために、接着剤層と転写層との間の接着力が良
好になる。
【0037】本発明の転写用シートは、前記本発明の成
形体に対する転写層の形成方法に使用するための転写用
シートであり、該転写用シートに形成されている耐溶剤
性を有するプライマー層の存在によって、成形体の被転
写面に形成されている接着剤層、つまり未硬化の無溶剤
状態にて非粘着固体を呈する未硬化の熱硬化型樹脂の溶
剤溶液による塗工層からなる接着剤層中に存在する溶剤
に起因する転写用シート中の装飾層の溶解,流動、変質
等が防止されるため、品質の極めて良好な転写層が得ら
れる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の成形体に対する転写層の形成
方法及び該転写層の形成方法に利用する転写用シートの
具体的な構成を実施例を以って説明する。
【0039】実施例1 転写用シート 厚さ25μのポリエチレンテレフタレートフィルム[X
−45,東レ (株) ]からなる転写用シート基材の片面
に対して、アクリル樹脂系グラビアインキメジウム[昭
和インク (株) ]を塗布,乾燥することにより、厚さ1
μの剥離層を形成した。
【0040】次いで、該剥離層の表面に、ポリメチルメ
タクリレート樹脂80重量%と塩化ビニル・酢酸ビニル
系樹脂20重量%との混合樹脂をベヒクルとするグラビ
アインキによる絵柄を印刷し、続いて、5重量%の硬化
剤を含有するウレタン系樹脂溶液を塗工,乾燥し、厚さ
2μの耐溶剤性を有するプライマー層を形成した。
【0041】しかる後に、前記プライマー層の表面にポ
リブチルメタクリレート樹脂(硝子転移温度:50℃)
の溶液を塗工,乾燥し、厚さ2μの接着剤層を形成し、
さらに、これを40℃の雰囲気中に3日間放置すること
により、転写用シートを得た。
【0042】被転写体 長さ200cm,幅30mm,厚さ0.15mmのアル
ミニウムシートの片面に、グラビアコート法にてウレタ
ン系樹脂(昭和インク (株) )の溶液を塗工し、これを
乾燥することにより、塗工層中に溶剤の1部が残留して
いることに起因して該塗工層に粘着性が現出されている
厚さ30μの接着剤層を形成した。
【0043】なお、この接着剤層の形成には、酢酸エチ
ル/トルエン/キシレン/シクロヘキサノン=80/1
0/7/3(重量比率)の混合溶剤によるウレタン系樹
脂溶液を利用し、塗工後には、25℃の雰囲気中に5分
間放置することにより、溶剤に起因する粘着性を帯びて
いる接着剤層を形成した。
【0044】転写工程 前述のアルミニウムシートからなる被転写体の接着剤層
面対して、前記転写用シートにおけるポリブチルメタク
リレート樹脂による接着剤層面を接当した後、これらの
両者の重ね合わせ体を、120℃のゴムロール間にて、
10kg/10mm ,10m/min.の転写条件で加熱,加圧した
後、ポリエチレンテレフタレートフィルムからなる転写
シート用基材を剥離した。
【0045】続いて、転写用シートにおける転写層が表
面に転移されているアルミニウムシートを、40℃の雰
囲気中に1週間放置することにより、目的とする転写層
を具備するアルミニウムシートを得た。
【0046】得られたアルミニウムシートの転写層面に
は、グラビアインキによるシャープな高級感を呈する絵
柄印刷層が現出されていた。また、この転写層面を粘着
テープによる剥離試験に付したところ、粘着テープ面に
転移する転写層の剥離は全く無かった。
【0047】比較例1 転写用シート 実施例1で利用したものと同一の構成による転写用シー
トを利用した。
【0048】被転写体 長さ200cm,幅30mm,厚さ0.15mmのアル
ミニウムシートの片面に、グラビアコート法にてウレタ
ン系樹脂(昭和インク (株) )の溶液を塗工し、これを
完全に溶剤が無くなる迄乾燥することにより、塗工層中
に残留溶剤の無い厚さ30μの接着剤層を形成した。
【0049】なお、この接着剤層の形成には、酢酸エチ
ル/アセトン=20/80(重量比率)の混合溶剤によ
るウレタン系樹脂溶液を利用し、塗工剤の塗工後に、4
0℃の温風中に15分間放置することによって、塗工層
中の溶剤を完全に蒸発させた。
【0050】転写工程 前述のアルミニウムシートからなる被転写体の接着剤層
面対して、前記転写用シートにおけるポリブチルメタク
リレート樹脂による接着剤層面を接当し、以下、実施例
1における転写工程と対応する転写条件による転写を行
ない、比較のための転写層を具備するアルミニウムシー
トを得た。
【0051】得られたアルミニウムシートの転写層面に
は、転写シート用基材と転写層とを剥離する際に、転写
層の1部が転写シート用基材に付着したままになってお
り、シャープな絵柄印刷層の転写ができなかった。
【0052】また、転写層面を粘着テープによる剥離試
験に付したところ、絵柄印刷層の面積のうちの1/5程
度が粘着テープ面に転移してしまい、転写層と被転写体
の表面との接着強度が十分で無かった。
【0053】なお、これらの不良の原因は、被転写体の
表面に形成した接着剤層が、転写工程においては完全に
乾燥しているため、該接着剤層に粘着力が現出されてい
ないことによるものである。
【0054】
【効果】本第1の発明の成形体に対する転写層の形成方
法によれば、高品質特性の転写層を具備する成形体が、
容易、かつ、確実に得られる。
【0055】また、本第2の発明の転写用シートを利用
して本第1の発明の成形体に対する転写層の形成方法を
実施するようにすれば、高品質特性の転写層を具備する
成形体が、より容易に、かつ的確に得られる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形体の被転写面に、未硬化の無溶剤
    状態にて非粘着固体を呈する未硬化の熱硬化型樹脂の
    剤溶液による塗工層を形成した後、該塗工層中の溶剤の
    少なくとも1部が残留するようにして前記塗工層を乾燥
    させることによって該塗工層に粘着性を付与し、続い
    写用シート基材と転写層とからなる転写用シートにお
    ける転写層面を前記粘着性を帯びている塗工層面に接当
    して加圧し、しかる後に、転写用シート基材を剥離して
    転写層を被転写面に転移させた後に前記被転写面に形成
    した熱硬化型樹脂の塗工層を熱硬化させるか、あるいは
    転写用シートと被転写体である成形体との加圧体を加熱
    することにより前記被転写面に形成した熱硬化型樹脂の
    塗工層を熱硬化させた後に転写用シート基材を剥離する
    かして、成形体の被転写面に転写層を形成することを特
    徴とする成形体に対する転写層の形成方法。
  2. 【請求項2】 表面が離型性面とされている転写用シ
    ート基材と、該転写用シート基材における離型性面に対
    して順次形成されている装飾層と耐溶剤性を有するプラ
    イマー層とを具備することを特徴とする請求項1に記載
    の成形体に対する転写層の形成方法に利用する転写用シ
    ート。
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