JP3148350U - アキュムレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】安価、且つ、安全性の向上が可能なアキュムレータを提供する。【解決手段】 アキュムレータ1は、圧力容器10に収容されたベローズ機構50は、金属ベローズ51の開口端の他方に取り付けられたベローズキャップ52に設けられたシール部材53が、円板状に形成され、その中央部に設けられた円形凹状の脆弱部60aを有する金属部材60と、この金属部材60の外面に設けられた弾性を有する樹脂材料で形成されたシール61と、を備え、金属部材60の脆弱部60aは、圧力容器10内のガス室Gのガス圧が増圧した場合に、金属部材60が圧力容器10より先に破断することで、ガス室Gと油圧回路とを連続させる。【選択図】 図1

Description

本考案は、液圧回路に用いられるアキュムレータ等の圧力容器に関し、特に、安価、且つ、安全性を向上させるものに関する。
油圧制御装置の油圧回路やショックアブソーバを用いた油圧回路等の液圧回路に金属ベローズ式のアキュムレータ(蓄圧・緩衝装置)が用いられている。金属ベローズ式のアキュムレータは、一般に、外殻部材と蓋体とを溶接等で接合することで形成された圧力容器に、ベローズ、及び、断面が台形形状のシール部材が加硫接着により接着された仕切板で構成されたベローズ機構が設けられている。このようなアキュムレータは、圧力容器の内部がベローズ機構によってガス室と液室(油室)とに区画される。また、圧力容器には、液圧回路とアキュムレータに流入する液体の圧力変動をベローズ機構の伸縮に伴うガス室内のガスの膨縮作用によって緩衝する構成に形成されている。
アキュムレータは、液室内の圧力がガス室内の圧力より低圧となった場合に、シール部材は、液圧回路と液室とを連続させる連通部に設けられた開口部を覆い、且つ、開口部の周囲に密接することで、開口部を閉塞する。この、シール部材による開口部の閉塞により、液室内へ一定量の液体を密封し、この密封された液体と、ガス室のガスとの釣り合いにより、ベローズの液室内側への過度の変形を防止するものが知られている。
また、このようなアキュムレータは、例えば、火災等により、アキュムレータの温度が上昇すると、ガス室内のガス圧が異常上昇する。このガス圧の異常上昇により、アキュムレータの圧力容器が破壊する虞がある。特に、圧力容器内にガスを用いているため、圧力容器が破壊すると、破壊した圧力容器が飛散する等、外部への2次的被害を誘発する虞がある。
このため、火災等による圧力容器の破損を防止するために、ガス圧によりベローズ機構を介してシール部材により閉塞された液室内の、液圧回路と液室とを密閉させる部材、例えば連通部に座グリ等の脆弱部(リリーフ手段)を有するアキュムレータも知られている(例えば、特許文献1参照)。このような脆弱部を有する連通部は、液圧回路と液室とを密閉させるために、板材からプレス加工により円筒状に形成し、その円筒状に形成した連通部の側面に、脆弱部を加工して設けている。
このように、脆弱部を有する連通部を用いることで、火災等により、液室が密封された状態でガス圧が高圧となった場合を説明する。まず液圧回路に設けられたリリーフ等により、液圧回路の圧力が0又は低圧、所謂ゼロダウンとなる。このとき、熱によりガス室内のガスが膨張し、ガス圧が高圧となる。また、ベローズ機構を介してガス圧により押圧されるとともに、熱により液室内の油圧も高圧となる。この高圧となった油圧により脆弱部が破壊される。また、ガス圧によりベローズ機構が破壊される。ガス室内のガスは、ガス室から、破壊されたベローズ機構、液室及び破壊された脆弱部を通過して液圧回路内へと逃げることで、圧力容器の破壊が防止される。
特開2004−270763号公報
上述したアキュムレータでは、次のような問題があった。すなわち、ガス室内のガスを液圧回路に逃がすためには、ガス圧が高圧になった後に、脆弱部が油室Lの油圧により破壊され、さらに、ガス圧により金属ベローズが破壊される必要がある。しかし、脆弱部が破壊されても、金属ベローズが破壊されないと、ガス室内の圧力が油圧回路内に開放されないため、万が一金属ベローズが破壊されない場合にはガス室と液圧回路が連通しない虞もある。このため、より直接的にガス室内の圧力を逃す方法が求められている。
また、連通部に脆弱部を設けるためには、連通部の加工後に、脆弱部を加工する加工工程が必要となる。また、連通部は円筒状であるため、脆弱部を例えばフライス加工等により加工する場合には、脆弱部部位の厚さが不均一になり加工精度が必要となることや、加工が容易でない、等の問題もある。このため、製造コストが大きくなる。
そこで本考案は、安価、且つ、安全性の向上が可能なアキュムレータを提供することを目的としている。
前記課題を解決し目的を達成するために、本考案のアキュムレータは次のように構成されている。
有底筒状の外殻部材、及び、この外殻部材の開口部を閉塞し、且つ、液体を前記外殻部材内部へと流出入可能な流入孔を有する蓋体を具備する圧力容器と、この圧力容器内壁面に沿って伸縮自在に形成された金属ベローズ、及び、金属ベローズに設けられ、前記圧力容器内壁面に沿って前記金属ベローズに追従して移動する仕切板を有し、これら金属ベローズ及び仕切板により前記圧力容器内を、前記液体を流出入可能な液室及びガスを封入可能な気室に仕切るベローズ機構と、前記仕切板の前記液室側に設けられ、その軸心上、又は、前記流入孔の延長上に形成された脆弱部を有する円板状の金属部材、及び、この金属部材表面に設けられ、前記液室を前記流入孔と液封可能に形成されたシールとを有するシール部材と、を備えることを特徴とする。
本考案によれば、圧力容器の破損を防止し、アキュムレータを安価とし、且つ、安全性を向上することが可能となる。
図1は本考案の一実施の形態に係るアキュムレータ1の構成を示す縦断面図、図2は同アキュムレータ1のベローズ機構50の移動を示す縦断面図である。なお、図1、2中Gはガス室(気室)、Lは油室(液室)を、Sは圧力容器10の溶接部(接合部)をそれぞれ示している。
図1,2に示すように、アキュムレータ1は、圧力容器10と、圧力容器10に収容されたベローズ機構50とを備えている。このようなアキュムレータ1は、例えば車体のブレーキ用油圧回路上の配管に接続されている。
圧力容器10は、外殻部材である有底筒状の鋼材で形成された鋼管11と、鋼管11が有する開口部12と結合する蓋体13とを備えている。また、圧力容器10は、例えば、鋼管11と蓋体13とを溶接部(接合部)Sで溶接させることで構成されている。圧力容器10は、その内部に、鋼管11とベローズ機構50とにより形成されたガス室Gと、蓋体13とベローズ機構50とにより形成された油室Lとを有している。
鋼管11は、管部15と端部(以下「底部」なお、図1,2中では上部に位置)16とが例えばプレスによる深絞り加工により形成されている。なお、鋼管11は、深絞り加工後に焼鈍等の熱処理を行なう場合がある。鋼管11は、管部15の一端(底部16とは他方)側に開口部12が位置する。
鋼管11は、管部15の内周面15a及び底部16の内面16aにより内壁面17が形成されている。蓋体13の一部、内壁面17及びベローズ機構50によりガス室Gが形成されている。なお、開口部12には、蓋体13が挿入されるとともに、溶接部Sで蓋体13が溶接される。
底部16には、円形状の貫通孔18が形成されている。この貫通孔18はガスの封入後にガス封入栓19に溶接等の手段を用いて気密に閉塞されている。また、底部16は、貫通孔18の外部に、例えばその横断面が六角形状のカバー20が取り付けられている。
蓋体13は、円盤状に形成された蓋体本体21と、この蓋体本体21の軸心上に設けられたポート部22と、蓋体本体21のポート部22が設けられている第1面23と、第1面23と相対する第2面24と、を備えている。また、蓋体13は、蓋体本体21の軸心上、且つ、第2面24側に、例えば溶接により接合された円筒部材26を備えている。
蓋体本体21は、少なくともその外径が、開口部12に挿入されることで第2面24側が鋼管11の内側に位置し、第1面23が鋼管11の外部に露出する位置となる外径を有している。また、蓋体本体21の側面部27の第2面24側には、樹脂材料等により形成されたリング状の遮断シール28を挿入するシール溝29が設けられている。
詳しく述べると、蓋体本体21は、第1面23側が管部15の内周径よりも大径に形成され、第2面24側が管部15の内周径よりも小径に形成されている。また、蓋体本体21の側面のシール溝29よりも第1面23側に設けられ、溶接時に溶解することで、鋼管11の曲面部12aと溶接される溶接部Sが設けられている。なお、ここで、遮断シール28は、曲面部12aと溶接部Sとが溶接されるときに発生するスパッタ(溶接片等)を遮断可能に形成されており、これにより、スパッタは、ガス室Gへと進入することはない。なお、遮断シール28及びシール溝29は、ガス室Gに露出する。
ポート部22は、この内部に、油室Lと作動油の流出入を行なう通油孔30が設けられている。また、ポート部22は、例えば図示しない油圧回路の配管上に接続されている。
円筒部材26は、内部に空洞部31が形成されており、通油孔30と連続している。また、円筒部材26の端面部32には、空洞部31と油室Lとを連続させる連通孔(流入孔)33が設けられている。また、円筒部材26は、ベローズ機構50と対向する面(以下、「端面26a」)が、所定の精度を有する表面粗さに形成されている。即ち、円筒部材26の端面26aは、後述するシール部材53が当接することで、油室Lを円筒部材26の空洞部31から液封可能な表面粗さを有している。
ベローズ機構50は、筒状に形成され開口端の一方が、蓋体本体21の第2面24に配置された金属ベローズ51と、この金属ベローズ51の開口端の他方に取り付けられた円板状のベローズキャップ(仕切板)52とを備えている。また、ベローズ機構50は、ベローズキャップ52に設けられたシール部材53と、ベローズキャップ52の外周部に取り付けられたガイド54とを備えている。
金属ベローズ51は、第2面24と当接する一端部が、蓋体本体21の第2面24と溶接により接合されている。この金属ベローズ51と蓋体本体21との接合点は、油室L及びガス室G間の液(気)密性を有している。
ベローズキャップ52は、ベローズキャップ52の軸心上に設けられ、油室L側からその内部にシール部材53が嵌合される有底円筒の凹部56を有している。また、ベローズキャップ52は、凹部56周囲に例えば溶接等により固定され、シール部材53の脱離を防止可能なシールストッパ57を有している。なお、シールストッパ57は、シール部材53を固定することで脱落を防止可能であればよく、その形状が、シール部材53の形状及びサイズ(厚さ及び径等)により適宜変更可能である。
また、ベローズキャップ52は、蓋体13と対向する面(油室L側の面)に、金属ベローズ51の他端部が溶接により、油室L及びガス室G間の液(気)密性を有して接合されている。
シール部材53は、円板状の金属部材60と、この金属部材60の外面に設けられた弾性を有する樹脂材料で形成されたシール61と、を備えている。
金属部材60は、その厚さが、凹部56の深さより薄く形成されている。なお、耐久性を向上させるには、金属部材60の角部が面取りされていることが望ましい。また、金属部材60は、凹部56より小径に形成されている。金属部材60は、連通孔33の延長上に設けられた脆弱部60aを有している。また、金属部材60は、例えばプレス加工により、脆弱部60aを含めて一工程により形成されている。即ち、金属部材60は、その外形形状及び脆弱部60aを形成する金型によりプレス成型により製造される。
脆弱部60aは、金属部材60のガス室G側の面が、例えば円筒凹状に薄肉に形成されている。この脆弱部60aの厚みは、金属部材60が圧力容器10の破壊圧力より低い圧力で破壊する厚みとなる深さに形成されている。即ち、金属部材60は、圧力容器10の破壊圧力より低い圧力で破壊するように、脆弱部60aとして、その一部が薄肉に形成さることで、圧力容器10の破壊圧力より破壊圧力が低い部位を有している。なお、ここで、脆弱部60aの厚みは、通常のアキュムレータ1の使用上において、金属部材60が破壊せず、且つ、圧力容器10の破壊圧力よりも低い圧力で破壊する厚さであれば、適宜設定可能である。
シール61は、樹脂材料により、金属部材60の周囲に成型されることで設けられると共に、金属部材60に加硫接着剤等の接着剤により金属部材60に接着される。なお、シール61に用いられる樹脂材料は、例えば、ブレーキの油圧回路に用いられる作動油に対して耐性を有するものであり、弾性変形することで、シール性を有するものであれば良い。また、樹脂材料は、アキュムレータ1の用途により、適宜樹脂材料は変更可能である。
シール61は、金属部材60を被覆する被覆部63と、円筒部材26の連通孔33周囲の端面26aをシールする液封部64と、を備えている。被覆部63は、金属部材60の外面を全て被覆するとともに、その厚さが脆弱部60aの凹み部を除いて略一定の厚さに形成されている。なお、被覆部63は、脆弱部60aの凹み部にも形成されている。
液封部64は、被覆部63から所定の厚さ突出するとともに、円筒部材26の端面26aと当接することでシールするシール面65を有する形状に形成されている。
詳しく述べると、液封部64は、シール部材53の軸心から所定の距離、ここでは、連通孔33の外径より若干大径となる位置から、被覆部63の外周面よりも所定の距離内側から突出する形状に形成されている。また、液封部64のシール面65と、被覆部63の外面とは、所定の角度を有する傾斜部66を有して連続している。即ち、シール61は、被覆部63からシール面65を有する円環山状の液封部64が突出するとともに、被覆部63と液封部64とが傾斜部66により滑らかに連続する形状に形成されている。
ガイド54は、金属ベローズ51の伸縮にあわせベローズキャップ52が移動する際に内壁面17をスムースに摺動可能な摺動部材で形成されている。なお、ガイド54は、内壁面17をスムースに摺動可能に形成されているだけであり、ガス室Gと、内壁面17及び金属ベローズ51の空間とは連通している。
このように構成されたアキュムレータ1では、油圧回路の圧力が上昇し、ガス室Gの圧力より空洞部31の圧力が高くなると、ポート部22の通油孔30、円筒部材26内の空洞部31及び連通孔33を介して油室L内に油圧回路内の作動油が流入する。この作動油の流入により、油室L内の圧力(油圧)は油圧回路の圧力と同圧となり、アキュムレータ1は、油圧回路内の圧力を蓄圧するとともに、油圧回路内の脈動を緩衝することとなる。このとき、ガス室Gのガス圧は、油室L内の油圧と同圧となるように、圧縮されることとなる。
即ち、油圧回路の圧力が上昇し、油室Lの油圧が上昇すると、図1に示すように、金属ベローズ51は伸張しガス室G内のガスが油圧により収縮する(圧縮される)。このガス室G内のガスの収縮により、所定の位置で、作動油とガスとの釣り合いが取れることとなる。
次に、油圧回路内の圧力が増圧すると、油室L内の圧力が増圧し、さらにガスを収縮させ、金属ベローズ51が伸張する。このとき、油圧回路内の使用圧力や温度等のアキュムレータ1の仕様によってガス室G内のガスの圧力及び体積の少なくとも一方が調整されており、金属ベローズ51は、ガイド54が管部15の内周面15aを摺動する範囲のみを伸縮することとなる。
次に、油圧回路内の圧力が低下すると、油室L内の作動油の圧力も低下し、ガス室G内のガスが膨張する。これにより、金属ベローズ51は収縮することとなる。このとき、油室L内の油圧が所定の圧力より低くなり、所定の圧力よりも低下した場合には、図2に示すように、シール61のシール面65と円筒部材26の端面26aとが当接する位置まで、金属ベローズ51が収縮し、ベローズキャップ52が移動する。
このシール面65と端面26aとが当接することで、円筒部材26の連通孔33の周囲の端面26aをシール部材53によりシールすることとなり、油室Lは、ポート部22の通油孔30から円筒部材26の空洞部31を介して連通孔33迄の空間と閉塞(液封)され、区画される。この油室Lの閉塞により、ベローズキャップ52から円筒部材26の外周面と金属ベローズ51との間に位置する作動油は、連通孔33から油圧回路内へ移動することがない。このため、ガス圧による金属ベローズ51の中心方向への変形をガス圧と作動油の油圧とにより規制することが可能となる。
ここで、例えば、図1のアキュムレータ1が火災等により、高温に晒された場合を説明する。
アキュムレータ1が高温に晒されると、アキュムレータ1の温度が上昇し、これに伴い、アキュムレータ1内のガス及び作動油の温度が上昇することとなる。
このとき、火災による温度上昇のため、油圧回路のリリーフ機構等が作動し、油圧回路内の油圧が略0又は低圧、所謂ゼロダウンとなる。なお、ガス室Gのガス圧は、温度上昇により増圧することとなる。図2に示すように、アキュムレータ1は、ガス室Gのガス圧が油圧回路の油圧より高くなるため、金属ベローズ51が収縮し、ベローズキャップ52が円筒部材26に押圧されることとなる。ガス圧及び油室Lの油圧は、温度上昇のため、通常の使用圧力よりも高くなる。圧力容器10及びベローズキャップ52には、ガス室Gからの通常使用範囲を超えた高圧のガス圧が印加されることとなる。
このとき、ベローズキャップ52の凹部56に設けられたシール部材53は、ベローズキャップ52を介して同様に高圧が印加される。シール部材53の金属部材60は、この高圧のガス圧により、脆弱部60aで破断することとなる。
金属部材60が破断したシール部材53は、この破断した金属部材60又はガス圧により、シール61をも破壊されることとなる。このため、破壊されたシール部材53を介して、ガス室Gと、連通孔33、空洞部31及び通油孔30とが連続することとなる。これにより、ガス室Gと油圧回路とが連続し、ガスが油圧回路内へと侵入することになり、ガス室G内のガスは、通油孔30を介して油圧回路内へ完全に放出されることとなる。
このように構成されたアキュムレータ1によれば、火災等の高温に晒され、アキュムレータ1の温度が上昇した場合に、高圧となったガス室G内のガス圧によりシール部材53の金属部材60は、脆弱部60aから先に破断することとなる。
この金属部材60の破断により、ガス室Gと油圧回路とが連続するため、ガス室G内のガスが油圧回路内へと移動し、高温時にガス室G内のガスを油圧回路内へ放出可能となる。このガス室G内のガスの放出により、圧力容器10の破壊を防止することが可能となり、圧力容器10の破壊による二次災害を防止することが可能となる。
なお、脆弱部60aを有さない構成のために発生する虞がある圧力容器10の破壊による二次災害について説明する。圧力容器10内に溜まった高圧ガスは、圧力容器10が破壊すると、急激に膨張するため、圧力容器10を勢い良く破裂させることとなる。この破裂により破壊された圧力容器10の部品は、アキュムレータ1を中心に四方に飛散することとなる。
このような、圧力容器10の破壊部品の飛散は、アキュムレータ1の破壊だけではなく、例えば、車体構成品、車体の搭乗者及び車体周囲に位置する人や物品に当たると、怪我や破損等の原因となる。
しかし、本考案のように脆弱部60aを設けることで、ガス室G内のガス圧の増大時に脆弱部60aからガス圧を逃すことにより、圧力容器10の破壊を防止することを可能とすることで、このような二次災害を防止することが可能となる。即ち、アキュムレータ1の安全性を向上させることが可能となる。
さらに、脆弱部60aを金属部材60に設けることで、ガス圧による破壊は脆弱部60aだけでよく、ガス圧により直接的に脆弱部60aを破壊可能となる。このため、ガス圧が増大した際には、ガス圧により直接的に脆弱部60aを破壊し、確実にガスを油圧回路内へ放出することが可能となり、信頼性を向上させることが可能となる。
また、金属部材60に脆弱部60aを設けることで、脆弱部60aを金属部材60の加工時に同じ工程で成形することが可能となり、加工工程の低減となる。また、金属部材60は、円板状であり、この円板状に脆弱部60aを設けるため、脆弱部60aの深さ(脆弱部60aでの金属部材60の厚さ)は一定となるため、加工精度を容易に得ることが可能となる。これにより、製造コストを低減することが可能となる。さらに、加工精度を容易に得ることが可能となる、即ち、容易な加工で寸法精度を向上させることが可能となる。
上述したように、本実施の形態に係るアキュムレータ1によれば、シール部材53に用いられる金属部材60の一部に、圧力容器10よりも破壊圧力が低い脆弱部60aを設けることで、圧力容器10の破裂を防止することが可能となる。また、この圧力容器10の破裂を防止することで、二次災害を防止し、アキュムレータ1の安全性を向上することも可能となる。また、脆弱部60aの加工工程及び加工精度を低減することが可能となり、アキュムレータ1の製造コストを低減することも可能となる。
次に、本実施の形態に係るアキュムレータ1の変形例について説明する。図3は、本考案の変形例に係るアキュムレータ1Aに用いられるシール部材53Aの構成を示す一部断面図である。なお、図3において図1、2と同一機能部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図3に示すように、アキュムレータ1Aは、ベローズキャップ52の凹部56内部に嵌合されたシール部材53Aを有しており、このシール部材53Aは、シールストッパ57により脱落を止可能に固定されている。
シール部材53Aは、脆弱部60aを有する金属部材60と、この金属部材60の円筒部材26の端面26aと対向する外面及び側面、即ち、ガス室G側の面を除く外面に設けられ、弾性を有する樹脂材料で形成されたシール61Aと、を備えている。
シール61Aは、樹脂材料により、金属部材60の外面に成型されることで形成されている。また、シール61Aは、金属部材60の外面に加硫接着剤等の接着剤により金属部材60に接着される。シール61Aは、金属部材60の外面を被覆する被覆部63Aと、連通孔33周囲の端面26aをシールする液封部64と、を備えている。被覆部63Aは、金属部材60の端面26aと対向する外面の一部を被覆するとともに、その厚さが略一定の厚さに形成されている。液封部64は、被覆部63Aから所定の厚さ突出して形成されている。
このように構成されたアキュムレータ1Aによれば、アキュムレータ1と同様に、シール部材53Aの液封部64がガス圧により端面26aに当接し、押圧された場合に、傾斜部66が弾性変形する。
また、火災等の高温に晒され、アキュムレータ1の温度が上昇した場合に、高圧となったガス室G内のガス圧によりシール部材53Aの金属部材60は、脆弱部60aから先に破壊することとなる。この金属部材60の破壊により、ガス室G内のガス圧を低下することが可能となり、圧力容器10の破壊を防止し、圧力容器10の破壊による二次災害を防止することが可能となる。
さらに、シール部材53Aは、金属部材60のガス室G側の外面を除く外面にシール61Aを設けることで、シール部材53Aの厚さを、シール61Aの被覆部63Aの厚み分薄くすることが可能となる。また、シール部材53Aは、シール61Aを金属部材60のガス室G側の外面を除く外面に設けることで、シール61Aと金属部材60との接触面積を極力多くすることが可能となり、接着剤による接着強度の低下を極力防止することが可能となる。
これにより、シール部材53Aは、その厚さを薄くすることが可能となる。このため、シール部材53Aのシール61A及び金属部材60の接着強度を低下させることなく、ベローズキャップ52も小さくすることが可能となり、アキュムレータ1内の油室L及びガス室Gの容積の向上、又は、アキュムレータ1Aの小型化が可能となる。
上述したように、本変形例に係るアキュムレータ1Aによれば、シール部材53Aに用いられる金属部材60の一部に、圧力容器10よりも破壊圧力が低い脆弱部60aを設けることで圧力容器10の破裂を防止することが可能となる。また、この圧力容器10の破裂を防止することで、二次災害を防止し、アキュムレータ1の安全性を向上することが可能となる。
また、シール部材53Aの金属部材60のガス室G側の面以外に被覆部63Aを設ける構成とすることで、アキュムレータ1Aの容積の向上、又は、アキュムレータ1Aの小型化が可能となる。
なお、本考案は前記実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した例では、アキュムレータ1、1Aは、車体のブレーキ用油圧回路に用いるとしたが、その他、各油圧回路に適用可能である。また、上述した脆弱部60aは、座繰り加工等により、円板凹状に加工するとしたが、円板凹状に限定されるものではない。例えば、角形でも良いし、十字状の溝でもよい。即ち、アキュムレータ1,1Aのガス室G内の圧力が高圧となった場合に、圧力容器10の破断よりも先に、金属部材60が破損することで、圧力容器10の破裂を防止可能であれば、その形状は適宜設定可能である。
また、脆弱部60aは、金属部材60の連通孔33の延長上に設けられているとしたが、これに限定されるわけではない。即ち、脆弱部60aが破壊された際に、ガス室Gのガスが、通油孔30から油圧回路へと移動可能な位置に設けてあればよい。
また、上述した脆弱部60aを有する金属部材60は、プレス加工により一工程で形成するとしたが、これに限定されるわけではない。プレス加工を二工程としてもよい。プレス加工を二工程としても、プレス加工を同一ラインで加工すれば、工程の増加に伴う製造コストの影響も殆どなく、また、プレス加工時に使用する金型が単純となるため、金型のコストを低減することが可能となる。また、脆弱部60aはプレス加工であるほうが望ましいが、脆弱部60aをフライス等による切削加工や座繰り加工で形成しても良い。金属部材60は、円板状であるため、切削加工も容易に可能であるとともに、加工による寸法精度も容易に高い精度で出すことが可能となる。このため、円筒状の部材(円筒部材26)の側面に脆弱部60aを設けるよりも加工コストを低減することが可能となる。また、円板状の金属部材60に脆弱部60aを設けることから、寸法精度を向上させることが可能となり、信頼性の向上にもなる。この他、本考案の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
本考案の一実施の形態に係るアキュムレータの構成を示す断面図。 同アキュムレータの構成を示す断面図。 本考案の変形例に係るアキュムレータに用いられるベローズキャップの構成を示す一部断面図。
符号の説明
1、1A…アキュムレータ、10…圧力容器、11…鋼管、12…開口部、12a…曲面部、13…蓋体、15…管部、15a…内周面、16…端部(底部)、16a…内面、17…内壁面、18…貫通孔、19…ガス封入栓、20…カバー、21…蓋体本体、22…ポート部、23…第1面、24…第2面、26…円筒部材、26a…端面、27…側面部、28…遮断シール、29…シール溝、30…通油孔、31…空洞部、32…端面部、33…連通孔(流入孔)、50…ベローズ機構、51…金属ベローズ、52…ベローズキャップ(仕切板)、53、53A…シール部材、54…ガイド、56…凹部、57…シールストッパ、60…金属部材、60a…脆弱部、61、61A…シール、63、63A…被覆部、64…液封部、65…シール面、66…傾斜部、G…ガス室、S…溶接部、L…油室。

Claims (4)

  1. 有底筒状の外殻部材、及び、この外殻部材の開口部を閉塞し、且つ、液体を前記外殻部材内部へと流出入可能な流入孔を有する蓋体を具備する圧力容器と、
    この圧力容器内壁面に沿って伸縮自在に形成された金属ベローズ、及び、金属ベローズに設けられ、前記圧力容器内壁面に沿って前記金属ベローズに追従して移動する仕切板を有し、これら金属ベローズ及び仕切板により前記圧力容器内を、前記液体を流出入可能な液室及びガスを封入可能な気室に仕切るベローズ機構と、
    前記仕切板の前記液室側に設けられ、その軸心上又は前記流入孔の延長上に形成された脆弱部を有する円板状の金属部材、及び、この金属部材表面に設けられ、前記液室を前記流入孔と液封可能に形成されたシールを有するシール部材と、を備えることを特徴とするアキュムレータ。
  2. 前記シールは、前記金属部材表面を覆う被覆部、及び、この被覆部から突出する液封部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載のアキュムレータ。
  3. 前記被覆部は、前記金属部材の外面の全てを覆うことを特徴とする請求項2に記載のアキュムレータ。
  4. 前記被覆部は、前記金属部材の外面の一部を覆うことを特徴とする、請求項2に記載のアキュムレータ。
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