JP3147073B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法

Info

Publication number
JP3147073B2
JP3147073B2 JP06110998A JP6110998A JP3147073B2 JP 3147073 B2 JP3147073 B2 JP 3147073B2 JP 06110998 A JP06110998 A JP 06110998A JP 6110998 A JP6110998 A JP 6110998A JP 3147073 B2 JP3147073 B2 JP 3147073B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
groove
silicon
film
oxide film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06110998A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11260905A (ja
Inventor
康司 鳥井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP06110998A priority Critical patent/JP3147073B2/ja
Publication of JPH11260905A publication Critical patent/JPH11260905A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3147073B2 publication Critical patent/JP3147073B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Element Separation (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)
  • Formation Of Insulating Films (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溝分離法を用い
て素子領域間を電気的に分離する半導体装置の製造方法
に関し、特に、マスク材及びその下層のパッド酸化膜を
除去する前に、溝に埋め込まれた酸化膜の縁部を中央付
近より厚く形成し、その後のエッチング処理において、
溝の縁部に窪みが発生することを抑制する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置において素子を分離する方法
として、素子分離領域に酸化膜を選択的に形成するLO
COS法と、素子分離領域に溝(トレンチ)を形成し、
溝に絶縁材を埋め込んで分離を行う溝分離法等が知られ
ている。
【0003】LOCOS酸化膜は、素子分離に比較的広
い面積が必要であり、素子分離幅が500nm以下にな
ると、適切に分離できなくなるという問題がある。ま
た、酸化時の体積膨張によりシリコン酸化膜がシリコン
基板面に対して上に凸の形状になってしまい、基板表面
に段差が形成される。このような段差は、後の工程で、
露光むら、異常露光、段切れ等が起こる原因となる。
【0004】この問題を解決するため、特開平8-213449
号には、シリコン基板に形成された浅い溝内にLOCO
S酸化膜を形成することにより、段差の少ないLOCO
S酸化膜を形成する技術が開示されている。しかし、こ
の技術によっても、素子分離領域が大きな面積となる点
は改善できない。
【0005】そこで、近時では、素子分離に溝分離法が
広く使用されている。図7に、溝分離法を用いた半導体
装置の製造工程を示す。この製造工程は、まず、図7
(a)に示すように、シリコン基板1の表面にパッド酸
化膜2とシリコン窒化膜3とを順に形成し、次に、ドラ
イエッチング法によりシリコン窒化膜3とパッド酸化膜
2とシリコン基板1をエッチング除去して溝を形成す
る。レジストを除去した後、溝を埋め込むようにシリコ
ン酸化膜5を形成する。次に、図7(b)に示すように
凸のシリコン酸化膜5を研磨する。
【0006】次に、図7(c)に示すように、シリコン
窒化膜3を除去し、さらにパッド酸化膜2を除去すると
共にシリコン酸化膜5の表面を基板1とほぼ面一に加工
する。この方法で形成される半導体素子は、パッド酸化
膜2を除去するときに、シリコン酸化膜5のエッチング
がシリコン酸化膜5の上面及び側面から進行すること
で、溝とシリコン酸化膜5との境界部分のエッチングが
過剰に進行する。その結果、図7(d)に示すように、
溝端部(溝の周縁部)のシリコン酸化膜5に50nmか
ら100nmの深さの窪み6が生じる。この窪み6によ
り、2つの問題点が生じる。
【0007】第1の問題点は、窪み6の部分に大きい傾
斜角があるため、後工程で、エッチング残りが発生し易
いことである。例えば、図8(a)、(b)に示すよう
に、ゲート酸化膜2’を形成し、ポリシリコン9を堆積
した後、このポリシリコン9をパターニングしてゲート
ラインを形成すると、図9に平面で示すように、窪み6
に残るポリシリコン残沙10により、ゲートラインがシ
ョートする場合ある。
【0008】第2の問題点は、この段差により、後工程
で形成される膜の表面に段差が残り、リソグラフィー時
に露光ずれが起こり易く、近年のリソグラフィーの解像
度の向上に反し、各部の寸法が変動してしまう。
【0009】これらの問題を解決するために、例えば、
特開平8-330410号には、溝の上縁部に窪みを形成し、こ
の窪みに、溝内に埋設されている絶縁材とエッチング比
のとれる絶縁体を埋め込む技術が開示されている。しか
し、この方法では、溝内の絶縁物と異なる材質の絶縁体
を窪み部に埋め込む必要があり、製造工程が増加する。
また、絶縁物と絶縁体のエッチングレートが異なるた
め、後工程で絶縁物が平坦化された際、絶縁体はそのま
ま残り、その表面に凹凸が形成されてしまう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記実状に
鑑みてなされたもので、比較的簡単なプロセスで、溝に
埋め込まれた酸化膜の縁部の窪みを低減できる溝分離法
による半導体装置の製造方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、面積が小さく且つ段差の少ない素
子分離領域を備える半導体装置を製造する方法を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の観点にかかる半導体装置の製造方法
は、溝分離方式の半導体装置の製造方法において、シリ
コン基板上にパッド酸化膜を形成し、前記パッド酸化膜
上にシリコン窒化膜を形成し、前記シリコン窒化膜、前
記パッド酸化膜、前記シリコン基板の所定領域を順次エ
ッチングして溝を形成し、前記溝にシリコン酸化物を埋
め込み、前記溝に埋め込まれたシリコン酸化物の表面部
を、CMP(Chemical Mechanical Polisher)装置を使
用して研磨することにより、第1段階の研磨で平坦な形
状を形成し、第2段階の研磨で湾曲形状を形成して、溝
の中央部分より周縁部分が高い形状に形成し、前記シリ
コン窒化膜をエッチングにより除去し、ウエットエッチ
ングにより前記パッド酸化膜を除去すると共に前記溝に
埋め込まれているシリコン酸化物の前記シリコン基板上
に突出している部分を実質的に除去する、ことを特徴と
する。
【0012】この方法によれば、パッド酸化膜をウエッ
トエッチングにより除去する場合に、溝に埋め込まれた
シリコン酸化物の表面部は、上面からのエッチングと側
面からのエッチングの進行を受けるが、溝に埋め込まれ
たシリコン酸化膜の表面部を、溝の中央部分より周縁部
分が高い所定形状に形成しているため、上面からのエッ
チングの進行をこの縁部の厚みで相殺でき、上面側から
のエッチングはあまり進行しない。従って、従来の窪み
より浅く且つなだらかなものに低減できる。
【0013】また、本発明の第2の観点にかかる半導体
装置の製造方法は、溝分離方式の半導体装置の製造方法
において、シリコン基板上にパッド酸化膜を形成し、前
記パッド酸化膜上にシリコン窒化膜を形成し、前記シリ
コン窒化膜、前記パッド酸化膜、前記シリコン基板の所
定領域を順次エッチングして溝を形成し、前記溝にシリ
コン酸化物を埋め込み、前記溝に埋め込まれたシリコン
酸化物の表面部を、CMP装置を使用し、まず、所定硬
度の第1の研磨パッドを使用して前記シリコン窒化膜及
びシリコン酸化物を研磨する第1段階の研磨を行い、次
に、前記所定硬度よりも軟質の第2の研磨パッドを使用
して前記シリコン窒化膜及びシリコン酸化物を研磨する
第2段階の研磨を行うことにより、溝の中央部分より周
縁部分が高い形状に形成し、前記シリコン窒化膜をエッ
チングにより除去し、ウエットエッチングにより前記パ
ッド酸化膜を除去すると共に前記溝に埋め込まれている
シリコン酸化物の前記シリコン基板上に突出している部
分を実質的に除去する、ことを特徴とする。
【0014】また、本発明の第3の観点にかかる半導体
装置の製造方法は、溝分離方式の半導体装置の製造方法
において、シリコン基板上にパッド酸化膜を形成し、前
記パッド酸化膜上にシリコン窒化膜を形成し、前記シリ
コン窒化膜、前記パッド酸化膜、前記シリコン基板の所
定領域を順次エッチングして溝を形成し、前記溝にシリ
コン酸化物を埋め込み、前記溝に埋め込まれたシリコン
酸化物の表面部を、まず、JISAで80〜100の硬
度をもつ第1の研磨パッドを備えたCMP装置を用いて
第1段階の研磨を行い、次に、JISAで75〜90の
硬度をもつ第2の研磨パッドを備えたCMP装置を用い
て第2段階の研磨を行うことにより、溝の中央部分より
周縁部分が高い形状に形成し、前記シリコン窒化膜をエ
ッチングにより除去し、ウエットエッチングにより前記
パッド酸化膜を除去すると共に前記溝に埋め込まれてい
るシリコン酸化物の前記シリコン基板上に突出している
部分を実質的に除去する、ことを特徴とする。
【0015】酸化膜用の研磨剤としては、PH10〜1
2程度でシリカを含むものが一般的である。このような
研磨剤を用いた場合、シリコン窒化膜の研磨速度はシリ
コン酸化膜の研磨速度の1/4程度であるため、シリコ
ン窒化膜とシリコン酸化膜の境界部は研磨されにくい
が、シリコン窒化膜の端部から離れた、溝中央付近は研
磨が進行していく。従って、この方法によれば、シリコ
ン酸化膜に湾曲形状を形成することができる。
【0016】前記第1段階の研磨では、前記シリコン酸
化物の表面を平坦な形状に形成し、前記第2段階の研磨
では、前記シリコン酸化物の表面を湾曲形状に形成す
る、ことが望ましい。
【0017】前記第1段階の研磨では、JISAで80
〜100の硬度をもつ第1の研磨パッドを使用し、前記
第2段階の研磨では、JISAで75〜90の硬度をも
つ第2の研磨パッドを使用する、ことが望ましい。
【0018】前記第2段階の研磨を、前記溝内のシリコ
ン酸化物の表面部で、溝縁部の膜厚と中央部の膜厚の差
が50〜100nm程度になった時点で終了することが
望ましい。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態にかかる溝
分離法を用いて素子分離を行う半導体装置の製造方法に
ついて、以下図面を参照して説明する。
【0029】[第1の実施の形態]この発明の半導体装
置の製造方法の第1の実施の形態を図1〜3を参照して
説明する。
【0030】この製造方法では、まず、図1(a)に示
すシリコン基板1を熱酸化し、図1(b)に示すよう
に、パッド酸化膜2を20nm程度形成し、さらに、パ
ッド酸化膜2上にシリコン窒化膜3を形成する。図1
(c)に示すように、シリコン窒化膜3の所定の領域を
レジスト4で被覆し、このレジスト4をマスクとして、
ドライエッチング法によりシリコン窒化膜3、パッド酸
化膜2、シリコン基板1を順次エッチングし、シリコン
基板1に400nm程度の深さの溝21を形成する。レ
ジスト4を除去した後、図1(d)に示すように、溝2
1を埋め込むように(充填するように)、バイアスCV
D法によりシリコン酸化膜5を、例えば700nm形成
する。
【0031】この溝21に埋め込まれたシリコン酸化膜
5が絶縁材となり、半導体素子間を電気的に分離する。
【0032】次に、溝21に埋め込まれたシリコン酸化
膜5の表面を、溝縁部が厚く、中央部が薄く(以下、湾
曲形状とよぶ)なるように加工する。
【0033】このような湾曲形状を形成するため、この
実施の形態では、硬度の異なる研磨パッドを使用して、
CMP(Chemical Mechanical Polisher)により、2段階
の研磨を行う。
【0034】図3に、研磨に使用するCMP装置の構成
を示す。このCMP装置はスピンドル31と、キャリア
32と、研磨パッド33と、プラテン34と、研磨剤投
入部35と、を備える。
【0035】スピンドル31は、加圧機構に接続されて
おり、加圧しながら、研磨対象物を保持しているキャリ
ア32を回転させる。プラテン34は、円盤状の剛体よ
り構成され、研磨パッド33を保持して回転させ、研磨
対象物を研磨する。研磨剤投入部35は、研磨パッド3
3上に研磨剤を投入する。
【0036】まず、第1段階の研磨では、硬質な研磨パ
ッド33を使用し、加圧を200〜700g/cm2
キャリアの回転数を10〜100rpm、プラテンの回
転数を10〜100rpm、研磨剤の流量を50〜50
0ml/分程度に設定して、キャリア32で図1(d)
に示す状態のシリコン基板1を保持して、シリコン酸化
膜5を研磨し、基板表面を平坦化する。その表面を研磨
する。
【0037】なお、硬質の研磨パッド33としては、例
えば研磨側にJISAの硬度90〜100の硬質発泡ポ
リウレタンで構成された研磨パッド、下層側に弾性材料
としてJISAの硬度が50〜80で、ポリウレタン含
浸不織布で構成されたパッド等を用いることができる。
【0038】図2(a)に示すように、シリコン窒化膜
3が実質的に露出した(基板全面に渡り露出した)時点
で第1段階の研磨を終了し、第2段階の研磨に移る。
【0039】この第2段階の研磨では、軟質な研磨パッ
ド33を使用し、加圧を200〜700g/cm2、キ
ャリアの回転数を10〜100rpm、プラテンの回転
数を10〜100rpm、研磨剤の流量を50〜500
ml/分程度に設定して、キャリア32でシリコン基板
1を保持し、図2(a)に示す状態の半導体基板1を保
持して、その表面を研磨する。
【0040】なお、軟質の研磨パッド33としては、例
えば、研磨側にJISAの硬度70〜90程度の発泡ポ
リウレタンあるいはポリウレタン含浸不織布で構成され
た研磨パッド、下層側にJISAの硬度が50〜70
で、ポリウレタン含浸不織布で構成されたパッドを積層
したもの等を使用できる。なお、硬度を最適化すれば研
磨パッドを積層ではなく、単層化しても構わない。
【0041】一般に、シリコン窒化膜3の研磨速度はシ
リコン酸化膜5の研磨速度の1/4程度と遅い。このた
め、シリコン窒化膜3とシリコン酸化膜5の境界部は研
磨されにくいが、シリコン窒化膜3の端部から離れた、
溝21中央付近は研磨が進行していく。このようにし
て、溝21に埋め込まれたシリコン酸化膜5の表面に図
2(b)に示すような、端部が厚く、中央部が薄い湾曲
形状が形成される。研磨が進み、端部と中央部との膜厚
の差が50〜100nm程度になった時点で、研磨を終
了する。
【0042】なお、研磨を終了するタイミングは、例え
ば、第1段階及び第2段階の研磨について、予め実験な
どにより、研磨時間と研磨の進行状況との関係を求めて
おき、所定時間研磨を継続した時点で、研磨を終了すれ
ばよい。
【0043】次に、図2(c)に示すように、シリコン
窒化膜3をホットリン酸で除去する。その後、図2
(d)に示すように、所定の時間バッファード弗酸で等
方エッチング処理し、パッド酸化膜2を除去すると共に
シリコン酸化膜5の表面を基板1の表面とほぼ面一とし
て、素子分離絶縁膜5を完成する。
【0044】以降の工程は、通常の半導体装置の製造方
法と同様であり、素子分離絶縁膜5により分離された各
領域に適宜半導体素子を形成する。
【0045】従来、パッド酸化膜を除去する際に生じて
いたシリコン酸化膜5の周縁部の窪み6は、シリコン酸
化膜5の周縁部上方からのエッチングの進行と、側面か
らのエッチングの進行の相乗効果によるものである。
【0046】この実施の形態によれば、シリコン酸化膜
5の縁部を厚く形成しているので、上面からのエッチン
グの進行を上面の厚さと相殺でき、上面側からのエッチ
ングはあまり進行しない。従って、側面からのエッチン
グによる窪みは形成されるが、従来の窪みより浅く且つ
なだらかなものに低減できる。
【0047】以上説明したように、この実施の形態の半
導体装置の製造方法は、シリコン酸化膜5の溝21の端
部(縁部)を中央部より厚くするように研磨する。従っ
て、パッド酸化膜2をエッチングする際に、窪み6が下
方に拡大することが抑制され、窪みのサイズを従来より
も小さくできる。
【0048】なお、この発明は上記実施の形態に限定さ
れず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、溝2
1内に充填される絶縁体の材質は任意であり、例えば、
シリコン窒化膜等を使用できる。この場合は、パッド用
の膜を窒化膜とし、その上のマスク層をシリコン酸化膜
等から構成する。また、マスク層(シリコン窒化膜3
等)、溝21、パッド膜の材料、膜厚、形成方法及びエ
ッチング方法等は、任意に変更可能である。
【0049】[第2の実施の形態]上記第1の実施の形
態においては、研磨により、シリコン酸化膜5の表面に
湾曲形状を形成したが、エッチングにより、湾曲形状を
形成してもよい。この製造方法を第2の実施の形態とし
て図4(a)〜(c)を参照して説明する。
【0050】まず、図4(a)に示す状態の半導体装置
のシリコン酸化膜5を平坦化すると共に、シリコン窒化
膜3を露出するために、上記第1の実施の形態と同様に
研磨を行う。シリコン酸化膜5を平坦化したものを図4
(b)に示す。
【0051】次に、平坦化されたシリコン酸化膜5を、
研磨ではなく、シリコン窒化膜3をマスクとして、バッ
ファード弗酸等で等方性エッチングを行う。
【0052】このエッチングでは、シリコン酸化膜5と
シリコン窒化膜3との界面の近傍で、エッチャントの供
給が相対的に減少し、エッチング速度が他の領域より低
下し、界面の近傍のエッチングの進行がおくれる。この
ため、図4(c)に示すように、溝21を埋め込むシリ
コン酸化膜5の表面に湾曲形状を形成することができ
る。
【0053】この第2の実施の形態においては、エッチ
ングにより溝21を埋め込むシリコン酸化膜5の表面に
湾曲形状を形成するため、シリコン窒化膜3の膜厚を、
エッチングが進行する分、100〜200nm程度、上
記第1の実施の形態より予め厚くしておく必要がある。
【0054】[第3の実施の形態]第1の実施の形態に
おいて、溝21を埋めている絶縁膜の構造は任意であ
り、例えば、溝21内面及びシリコン窒化膜3の表面を
被覆するようなライナー膜を形成し、ライナー膜が形成
された溝内に、シリコン酸化物5を埋め込んでもよい。
この製造方法を第3の実施の形態として、図5(a)〜
(c)を参照して説明する。この第3の実施の形態の特
徴は、埋め込み膜よりもライナー膜のエッチングレート
が低いことにある。
【0055】図5(a)に示すように、溝21内面及び
シリコン窒化膜3の表面を被覆する、例えばHTO膜7
(High Temperture Oxide)を100nm程度形成する。
このHTO膜7は、800℃程度の高温で形成するた
め、弗化水素酸水溶液を含む溶液でエッチングする場合
のエッチングレートが他のCVD法、例えばバイアスC
VD法、常圧CVD法等にて形成されたシリコン酸化膜
5よりも一般的に低い。図5は埋め込み膜としてバイア
スCVD法によるシリコン酸化膜の例を示したが、これ
に限定されるものではない。但し、成膜後に高温の熱処
理を加えるとこれらのCVD法にて形成されたシリコン
酸化膜のエッチングレートは低下し、例えばHTO膜と
は差異が少なくなるので、熱処理を加える場合はこれら
のウェットエッチング処理が終了した後に行うことが望
ましい。
【0056】バイアスCVD法によりこのHTO膜7に
被覆された溝21の内面を埋め込むようにシリコン酸化
膜5を例えば600nm形成する。
【0057】次に、CMP装置を用いて、シリコン窒化
膜3上に形成されたシリコン酸化膜5とHTO膜7を研
磨し、基板表面を平坦化する。シリコン窒化膜3が実質
的に露出した(基板全面に渡り露出した)時点で研磨を
終了する。
【0058】次に第2段階の研磨をするのではなく、第
2の実施の形態と同様にバッファード弗酸等にて等方性
エッチングを行う。HTO膜7のエッチングレートはシ
リコン酸化膜5のエッチングレートより低いため、HT
O膜7のエッチングはシリコン酸化膜5のエッチングと
比較して進まない。また、シリコン酸化膜5とHTO膜
7との境界面の近傍では、エッチング速度が下がり、シ
リコン酸化膜5の周縁部のエッチング速度も低下する。
このため、溝21内の絶縁膜全体としては、図5(b)
に示すように、HTO膜7とシリコン酸化膜5の周縁部
が高く(厚く)、シリコン酸化膜5の中央部が低い(薄
い)という湾曲形状を形成できる。
【0059】次に、図5(c)に示すように、シリコン
窒化膜3を除去し、パッド酸化膜2を弗化水素酸を含む
水溶液で除去する。この場合に、湾曲形状を形成したた
め、湾曲形状の溝縁部の厚みにより従来の窪み6が生じ
ることを抑制できる。
【0060】この第3の実施の形態では、CMP装置を
用いて第1段階の研磨をし、バッファード弗酸等による
等方性エッチングを行い、溝に埋め込まれたシリコン酸
化膜5の表面に湾曲形状を形成したが、エッチングでは
なく、第2段階の研磨を行ってもよい。この第2段階の
研磨を行うことによって、HTO膜7とシリコン酸化膜
5の周縁部が高く(厚く)、シリコン酸化膜5の中央部
が低い(薄い)という湾曲形状を形成できる。
【0061】なお、この第3の実施の形態は、ライナー
膜として、溝21を埋め込む膜とは異なるHTO膜7を
使用したが、例えば、溝21を埋め込む膜と同一種の膜
をライナー膜として薄く成膜し、高温でアニールし、そ
の後、更に溝21全体を埋め込み、膜質に差異をつけて
もよい。
【0062】[第4の実施の形態]絶縁膜の膜質を中央
部と縁部で変えることにより、研磨レートやエッチング
レートを異ならせ、研磨やエッチングにより湾曲形状を
形成してもよい。
【0063】絶縁膜の膜質は、例えば、イオンを注入
し、イオン濃度を制御することにより、変更することが
可能である。
【0064】そこで、この実施の形態では、バイアスC
VD法等によりシリコン酸化膜5を形成した後、イオン
を選択的に注入し、図6(a)に示すように、シリコン
酸化膜5の表面領域にイオン濃度の異なる領域8a、8
bを形成する。
【0065】イオン注入は、例えば、リンのイオンを、
注入角度を45度以下、ドーズ量を10E15/cm3
程度、注入エネルギーを100〜300KeVで、基板
を回転させながら注入する。この注入方法によれば、バ
イアスCVD膜の傾斜角がほぼ45度であるため、シリ
コン酸化膜5の肩の部分がマスクとして機能し、溝21
の縁部よりも中心部に多量のイオンが注入される。その
ため、溝21の縁部近傍のイオン濃度は溝21中央付近
のイオン濃度の半分以下となる。
【0066】例えば、200KeVで10E15/cm
3程度のリンを回転斜め注入すると、表面から約200
nmの深さの領域に最大濃度領域が形成される。このと
きの溝の中央付近でのイオン濃度は、1.2E20at
oms/cm3程度となる。
【0067】イオン注入後、シリコン窒化膜3が露出す
る程度まで、CMP装置などを用いて、図6(b)に示
すようにシリコン酸化膜5の表面を研磨する。この際、
イオン濃度の差により、溝21の縁部よりも中心部で研
磨レートが高くなり、研磨により、シリコン酸化膜5の
表面領域に湾曲形状が形成される。
【0068】また、イオン注入後、図6(b)に示すよ
うにシリコン酸化膜5の表面を研磨した後、イオン濃度
が高いほどエッチングレートの高くなるエッチング液を
使用して、シリコン酸化膜5の表面領域をエッチングす
ることにより、シリコン酸化膜5の表面領域に湾曲形状
を形成することができる。
【0069】なお、注入されるイオン、注入条件など
は、上述の例に限定されず任意である。
【0070】[第5の実施の形態]第1の実施の形態に
おいては、CMP装置を用いて、シリコン窒化膜3が基
板全面に露出するまで第1段階の研磨を行ったが、シリ
コン窒化膜が露出する前に第1段階の研磨を終了し、第
2段階の研磨に切り替えてもよい。この場合には、シリ
コン窒化膜3が露出した後、溝21の端部と中央部とで
の膜厚差が50〜100nm程度になるまで、更に研磨
する。
【0071】シリコン窒化膜3の研磨速度はシリコン酸
化膜5の研磨速度より遅いため、研磨を継続していくと
パターンの密集部と疎の部分とで研磨速度が著しく異な
ってくる。しかし、パターンの密集部と疎の部分が存在
するこの領域を軟質のパッドで研磨するため、このパタ
ーン依存性が生じにくくなる。したがって、パターンの
粗密による膜厚の差が第1の実施の形態よりも改善され
る。
【0072】以上説明したように、この発明の第1〜5
の実施の形態によれば、溝に埋設されたシリコン酸化膜
の表面の周縁部が中央部分より厚くなるように、その表
面を湾曲状に加工しているので、その後、パッド酸化膜
をエッチングで除去する際に、シリコン酸化膜と溝の界
面近傍に形成される窪みを浅く且つ小さくすることがで
きる。また、それにより、表面の段差が小さくなり、後
工程での、エッチング残りなどを防止することができ
る。
【0073】なお、この発明は上記実施の形態に限定さ
れず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、上記
実施の形態では、この発明を素子分離用の絶縁膜の形成
に適用したが、この発明はこれに限定されず、基板に形
成された各種の溝に絶縁膜を埋設し、その表面を平坦化
する場合に適用できる。絶縁膜の表面部を湾曲形状に加
工する方法は、上記実施の形態で明示した例に限定され
ず、他の任意の方法を使用可能である。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、この発明により、
比較的簡単なプロセスで、溝に埋め込まれた酸化膜の縁
部の窪みを低減できる溝分離法による半導体装置の製造
方法を提供することができる。また、狭く且つ段差の少
ない素子分離領域を備える半導体装置の製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溝分離法による半導体装置の製造方法の工程を
示す図である。
【図2】この発明の第1の実施の形態における半導体装
置の製造方法の工程を示す図である。
【図3】CMP装置の概略を示す図である。
【図4】この発明の第2の実施の形態における半導体装
置の製造方法の工程を示す図である。
【図5】この発明の第3の実施の形態における半導体装
置の製造方法の工程を示す図である。
【図6】この発明の第4の実施の形態における半導体装
置の製造方法の工程を示す図である。
【図7】従来の半導体装置の製造方法の工程を示す図で
ある。
【図8】MOSFETを持つ溝分離素子の窪み部分を示
す図である。
【図9】ゲートライン形成後の基板表面の上面図であ
る。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 パッド酸化膜 3 シリコン窒化膜 4 レジスト 5 シリコン酸化膜 6 窪み 7 HTO膜 8a リン高濃度領域 8b リン低濃度領域 9 ポリシリコン 10 ポリシリコン残沙 21 溝 31 スピンドル 32 キャリア 33 研磨パッド 34 プラテン 35 研磨剤投入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/76 H01L 21/304 622 H01L 21/318 H01L 21/762

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溝分離方式の半導体装置の製造方法におい
    て、 シリコン基板上にパッド酸化膜を形成し、 前記パッド酸化膜上にシリコン窒化膜を形成し、 前記シリコン窒化膜、前記パッド酸化膜、前記シリコン
    基板の所定領域を順次エッチングして溝を形成し、 前記溝にシリコン酸化物を埋め込み、 前記溝に埋め込まれたシリコン酸化物の表面部を、CM
    P(Chemical Mechanical Polisher)装置を使用して研
    磨することにより、第1段階の研磨で平坦な形状を形成
    し、第2段階の研磨で湾曲形状を形成して、溝の中央部
    分より周縁部分が高い形状に形成し、 前記シリコン窒化膜をエッチングにより除去し、 ウエットエッチングにより前記パッド酸化膜を除去する
    と共に前記溝に埋め込まれているシリコン酸化物の前記
    シリコン基板上に突出している部分を実質的に除去す
    る、 ことを特徴とする、半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】溝分離方式の半導体装置の製造方法におい
    て、 シリコン基板上にパッド酸化膜を形成し、 前記パッド酸化膜上にシリコン窒化膜を形成し、 前記シリコン窒化膜、前記パッド酸化膜、前記シリコン
    基板の所定領域を順次エッチングして溝を形成し、 前記溝にシリコン酸化物を埋め込み、 前記溝に埋め込まれたシリコン酸化物の表面部を、CM
    P装置を使用し、まず、所定硬度の第1の研磨パッドを
    使用して前記シリコン窒化膜及びシリコン酸化物を研磨
    する第1段階の研磨を行い、次に、前記所定硬度よりも
    軟質の第2の研磨パッドを使用して前記シリコン窒化膜
    及びシリコン酸化物を研磨する第2段階の研磨を行うこ
    とにより、溝の中央部分より周縁部分が高い形状に形成
    し、 前記シリコン窒化膜をエッチングにより除去し、 ウエットエッチングにより前記パッド酸化膜を除去する
    と共に前記溝に埋め込まれているシリコン酸化物の前記
    シリコン基板上に突出している部分を実質的に除去す
    る、 ことを特徴とする、半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】溝分離方式の半導体装置の製造方法におい
    て、 シリコン基板上にパッド酸化膜を形成し、 前記パッド酸化膜上にシリコン窒化膜を形成し、 前記シリコン窒化膜、前記パッド酸化膜、前記シリコン
    基板の所定領域を順次エッチングして溝を形成し、 前記溝にシリコン酸化物を埋め込み、 前記溝に埋め込まれたシリコン酸化物の表面部を、ま
    ず、JISAで80〜100の硬度をもつ第1の研磨パ
    ッドを備えたCMP装置を用いて第1段階の研磨を行
    い、次に、JISAで75〜90の硬度をもつ第2の研
    磨パッドを備えたCMP装置を用いて第2段階の研磨を
    行うことにより、溝の中央部分より周縁部分が高い形状
    に形成し、 前記シリコン窒化膜をエッチングにより除去し、 ウエットエッチングにより前記パッド酸化膜を除去する
    と共に前記溝に埋め込まれているシリコン酸化物の前記
    シリコン基板上に突出している部分を実質的に除去す
    る、 ことを特徴とする、半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】前記第1段階の研磨では、前記シリコン酸
    化物の表面を平坦な形状に形成し、 前記第2段階の研磨では、前記シリコン酸化物の表面を
    湾曲形状に形成する、 ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の半導体装置
    の製造方法。
  5. 【請求項5】前記第1段階の研磨では、JISAで80
    〜100の硬度をもつ第1の研磨パッドを使用し、 前記第2段階の研磨では、JISAで75〜90の硬度
    をもつ第2の研磨パッドを使用する、 ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の半導体装置
    の製造方法。
  6. 【請求項6】前記第2段階の研磨を、前記溝内のシリコ
    ン酸化物の表面部で、溝縁部の膜厚と中央部の膜厚の差
    が50〜100nm程度になった時点で終了する、 ことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記
    載の半導体装置の製造方法。
JP06110998A 1998-03-12 1998-03-12 半導体装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3147073B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06110998A JP3147073B2 (ja) 1998-03-12 1998-03-12 半導体装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06110998A JP3147073B2 (ja) 1998-03-12 1998-03-12 半導体装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11260905A JPH11260905A (ja) 1999-09-24
JP3147073B2 true JP3147073B2 (ja) 2001-03-19

Family

ID=13161595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06110998A Expired - Fee Related JP3147073B2 (ja) 1998-03-12 1998-03-12 半導体装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3147073B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111341662B (zh) * 2020-03-04 2023-09-29 吉林华微电子股份有限公司 沟槽梯度侧氧结构及其制备方法与半导体器件

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11260905A (ja) 1999-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5943590A (en) Method for improving the planarity of shallow trench isolation
US6146975A (en) Shallow trench isolation
JP3413516B2 (ja) 半導体素子の製造方法
US7087528B2 (en) Chemical-mechanical polishing (CMP) process for shallow trench isolation
US6537914B1 (en) Integrated circuit device isolation methods using high selectivity chemical-mechanical polishing
US6107159A (en) Method for fabricating a shallow trench isolation structure
TW398053B (en) Manufacturing of shallow trench isolation
JP3443358B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP3147073B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JPH07321076A (ja) 半導体装置の製造方法と研磨装置
JPS6039835A (ja) 基板表面の平坦化方法
JP3161425B2 (ja) Stiの形成方法
US6190999B1 (en) Method for fabricating a shallow trench isolation structure
US6110795A (en) Method of fabricating shallow trench isolation
JP2000036533A (ja) 半導体装置の製造方法
US6703270B2 (en) Method of manufacturing a semiconductor device
JPH11135617A (ja) 素子分離領域の形成方法
JP2002057310A (ja) Soi基板の作製方法
JP3147089B2 (ja) 半導体装置の製造方法
JP2000349148A (ja) 半導体層を有する基板の製造方法
US6303461B1 (en) Method for fabricating a shallow trench isolation structure
JP2915419B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JPH07226433A (ja) 半導体装置の製造方法
JP2002343972A (ja) 半導体素子の製造方法
JP3418386B2 (ja) 半導体装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20001205

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees