JP3146675B2 - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

Info

Publication number
JP3146675B2
JP3146675B2 JP25008392A JP25008392A JP3146675B2 JP 3146675 B2 JP3146675 B2 JP 3146675B2 JP 25008392 A JP25008392 A JP 25008392A JP 25008392 A JP25008392 A JP 25008392A JP 3146675 B2 JP3146675 B2 JP 3146675B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
compressor
evaporator
temperature
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP25008392A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0699720A (ja
Inventor
裕司 伊藤
祐一 梶野
孝昌 河合
祐次 本田
克彦 寒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP25008392A priority Critical patent/JP3146675B2/ja
Publication of JPH0699720A publication Critical patent/JPH0699720A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3146675B2 publication Critical patent/JP3146675B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内へ吹き出す空気の
吹出温度を自動コントロールすることが可能な空気調和
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車室内へ空気を送るダクト内
に、冷凍サイクルのエバポレータ(冷媒蒸発器)、エア
ミックスダンパ、ヒータコアを上流側より下流側に順に
配した車両用空気調和装置が存在する。そして、冷凍サ
イクル内に冷媒を循環させるコンプレッサ(冷媒圧縮
機)は、通常、エバポレータのフロストを防止する目的
で、エバ後温度が所定値以下に低下した際にオフするよ
うに制御されている。このとき、図21のタイムチャー
トに示したように、コンプレッサのオン、オフに対して
遅れを持って、エバ後温度が変動してしまい、これによ
って車室内へ吹き出す空気の吹出温度も変動してしま
う。
【0003】そこで、コンプレッサのオン、オフ時の吹
出温度の変動を小さくすることを目的として、従来よ
り、エバポレータの下流にエバ後温度センサを取り付
け、そのエバ後温度センサの検出温度に基づいてエアミ
ックスダンパの目標開度を補正する方法(従来の技術
A)が知られている。また、コンプレッサのオン時とオ
フ時とでエアミックスダンパの開度特性を変更する方法
(従来の技術B:特開昭55−36156号公報、特開
昭57−209412号公報、特開昭59−16731
3号公報等)も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
Aにおいては、エバ後温度センサ(例えばサーミスタ、
熱電対)の熱容量のため、エバ後温度センサの検出温度
が実際のエバ後温度と同じではない。したがって、コン
プレッサをオンからオフに切り替えた直後およびオフか
らオンに切り替えた直後の数十秒間は、エバ後温度セン
サの検出温度に基づいてエアミックスダンパの目標開度
を補正することができないため、車室内へ吹き出す空気
の吹出温度の変動を小さくすることはできなかった。な
お、エバ後温度センサの熱容量を小さくすれば応答性を
改良することができるが、エバポレータの下流という、
温度変化が大きく、凝縮水が飛散する環境に取り付けら
れる温度センサには耐久性を確保するために、ある程度
の応答性を犠牲とする他なかった。
【0005】また、従来の技術Bにおいては、コンプレ
ッサのオン時とオフ時とのエアミックスダンパの開度特
性として、実際のエバ後温度が安定した状態での開度特
性を利用しているので、コンプレッサのオン直後および
オフ直後の数十秒間では補正不足となり、車室内に吹き
出す空気の吹出温度の変動を小さくすることはできなか
った。本発明は、冷却手段の冷却能力が変動した直後に
おいても、室内へ吹き出す空気の吹出温度の変動を小さ
くすることが可能な空気調和装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、室内に空気を送るダクトと、このダクト内に配設さ
れて、コンプレッサの作動により前記ダクト内を流れる
空気を冷却するエバポレータと、前記ダクト内において
前記エバポレータの下流側に配され、前記エバポレー
の下流側を流れる空気を加熱する加熱手段と、この加
熱手段による空気の加熱量を制御して室内に吹き出す空
気の温度を調節する吹出温度調節手段と、前記エバポレ
ータの冷却能力を検出する冷却能力検出手段と、この
却能力検出手段で検出された前記エバポレータの冷却能
力に基づいて前記吹出温度調節手段の調節具合を決定す
る決定手段を有し、この決定手段で決定された前記吹出
温度調節手段の調節具合に基づいて前記吹出温度調節手
段を制御する制御装置とを備えている。そして、その制
御装置は、前記コンプレッサが停止状態から作動状態に
切り替わったことを検出するコンプレッサ切替状態検出
手段、このコンプレッサ切替状態検出手段で前記コンプ
レッサが停止状態から作動状態に切り替わったことが検
出されたとき、前記作動状態に切り替わる前における前
記コンプレッサの停止時間を計測する計測手段、および
この計測手段が計測した前記停止時間が第1所定時間以
上のときは、前記切り替わりから第2所定時間が経過し
てから、前記決定手段で決定された前記吹出温度調節手
段の調節具合を補正する補正手段を有する技術手段を採
用した。請求項2に記載の発明は、室内に空気を送るダ
クトと、このダクト内に配設されて、コンプレッサの作
動により前記ダクト内を流れる空気を冷却するエバポレ
ータと、前記ダクト内において前記エバポレータの下流
側に配されて、前記エバポレータの下流側を流れる空気
を加熱する加熱手段と、この加熱手段による空気の加熱
量を制御して室内に吹き出す空気の温度を調節する吹出
温度調節手段と、前記エバポレータの冷却能力を検出す
る冷却能力検出手段と、この冷却能力検出手段で検出さ
れた前記エバポレータの冷却能力に基づいて前記吹出温
度調節手段の調節具合を決定する決定手段を有し、この
決定手段で決定された前記吹出温度調節手段の調節具合
に基づいて前記吹出温度調節手段を制御する制御装置と
を備えている。そして、その制御装置は、前記コンプレ
ッサが作動状態から停止状態 に切り替わったことを検出
するコンプレッサ切替状態検出手段、およびこのコンプ
レッサ切替状態検出手段で前記コンプレッサが作動状態
から停止状態に切り替わったことが検出されたとき、こ
の切り替わりから所定時間が経過してから、前記決定手
段で決定された前記吹出温度調節手段の調節具合を補正
する補正手段を有する技術手段を採用した。 請求項3に
記載の発明は、請求項1に記載の空気調和装置に加え
て、前記補正手段は、前記計測手段が計測した前記停止
時間が前記第1所定時間よりも短いときは、前記切り替
わりの直後から、前記決定手段で決定された前記吹出温
度調節手段の調節具合を補正することを特徴としてい
る。 請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の空気調
和装置に加えて、前記制御装置は、前記コンプレッサが
停止状態から作動状態に切り替わったことを検出するコ
ンプレッサ切替状態検出手段、およびこのコンプレッサ
切替状態検出手段で前記コンプレッサが停止状態から作
動状態に切り替わったことが検出されたとき、前記作動
状態に切り替わる前における前記コンプレッサの停止時
間を計測する計測手段を有している。そして、前記補正
手段は、前記計測手段が計測した前記停止時間が前記第
1所定時間よりも短いときは、前記切り替わりの直後か
ら、前記決定手段で決定された前記吹出温度調節手段の
調節具合を補正することを特徴としている。
【0007】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、コンプレッサ
が停止状態から作動状態に切り替わったとき、コンプレ
ッサが停止状態から作動状態に切り替わる前におけるコ
ンプレッサの停止時間が第1所定時間以上ならば、この
切り替わりから第2所定時間が経過してから、エバポレ
ータの冷却能力に応じて吹出温度調節手段の調節具合を
補正することで、エバポレータの下流側のダクト内を流
れる空気の加熱量が最適な値に制御される。したがっ
て、エバポレータの冷却能力が変動した直後において
も、室内に吹き出す空気の温度の変動が小さくなる。
求項2に記載の発明によれば、コンプレッサが作動状態
から停止状態に切り替わったとき、この切り替わりから
所定時間が経過してから、エバポレータの冷却能力に応
じて吹出温度調節手段の調節具合を補正することで、エ
バポレータの下流側のダクト内を流れる空気の加熱量が
最適な値に制御される。したがって、エバポレータの冷
却能力が変動した直後においても、室内に吹き出す空気
の温度の変動が小さくなる。
【0008】
【実施例】つぎに、本発明の空気調和装置を図1ないし
図20に示す複数の実施例に基づいて説明する。 〔第1実施例の構成〕図1ないし図16は本発明の第1
実施例を示し、図1は車両用オートエアコンの概略構成
を示した図である。車両用オートエアコン1は、車室内
に空気を送るダクト2、このダクト2内において車室内
に向かう空気流を発生させるブロワ3、ダクト2内を流
れる空気を冷却するエバポレータ4、車室内に吹き出す
空気の温度を調節するエアミックス方式の吹出温度調節
装置5、および各空調機器を制御する制御装置6を備え
る。
【0009】ダクト2は、車室内の前方側に配設されて
いる。そのダクト2の入口側には、内気導入口7および
外気導入口8の2つの導入口が設けられており、さらに
内気導入口7および外気導入口8の内側には内外気切替
ダンパ9が回動自在に取り付けられている。その内外気
切替ダンパ9は、サーボモータ10によって駆動される
もので、内気導入口7より車室内空気(内気)を導入す
る内気循環モードと外気導入口8より車室外空気(外
気)を導入する外気導入モードとを切り替える。
【0010】また、ダクト2の出口側には、デフロスト
吹出口11、フェイス吹出口12およびフット吹出口1
3の3つの吹出口が設けられており、さらにそれぞれの
吹出口の内側にはデフロスト吹出口ダンパ14、フェイ
ス吹出口ダンパ15およびフット吹出口ダンパ16が回
動自在に取り付けられている。それらのデフロスト吹出
口ダンパ14、フェイス吹出口ダンパ15およびフット
吹出口ダンパ16は、それぞれサーボモータ17〜19
によって駆動される。
【0011】ブロワ3は、ブロワ駆動回路20により印
加電圧が制御されるブロワモータ21によって回転速度
が制御され、内気導入口7または外気導入口8のいずれ
か開かれた導入口から空気を吸引してダクト2を介して
車室内へ送風する。エバポレータ4は、ブロワ3の下流
側のダクト2内に配設され、ブロワ3により送られてく
る空気を冷却する冷媒蒸発器で、冷凍サイクル22を構
成する要素のひとつである。
【0012】冷凍サイクル22は、エバポレータ4から
コンプレッサ23、コンデンサ24、レシーバ25およ
びエキスパンションバルブ26を介してエバポレータ4
に冷媒が循環するように形成されたものである。そし
て、コンプレッサ23は、電磁クラッチ(図示せず)を
介してエンジンの回転動力が伝達されることにより回転
駆動される。なお、冷凍サイクル22は、コンプレッサ
23の作動(オン)によりエバポレータ4による空気の
冷却機能を得、コンプレッサ23の作動停止(オフ)に
よりエバポレータ4による空気の冷却が停止する。
【0013】吹出温度調節装置5は、本例ではヒータコ
ア27およびエアミックスダンパ28等より構成されて
いる。ヒータコア27は、本発明の加熱手段であって、
図示しないエンジンの冷却水を熱源として空気を加熱す
る熱交換器で、エバポレータ4より送られてくる冷風を
加熱する。エアミックスダンパ28は、本発明の吹出温
度調節手段であって、ヒータコア27の入口側に回動自
在に取り付けられており、サーボモータ29により設定
される開度に応じて、ヒータコア27を通る空気量とヒ
ータコア27を迂回してバイパス通路30を通る空気量
とを調節する。
【0014】制御装置6は、コンプレッサ切替状態検出
手段と計測手段と決定手段と冷却能力検出手段と補正手
段をなすCPU31、ROM32およびRAM33等を
含んで構成されるもので、予めROM32内に車室内の
空調制御のための制御プログラムを記憶しており、その
制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行う。制御
装置6の出力端子A〜Eは、それぞれサーボモータ1
0、29、17、18、19に接続され、出力端子Fは
ブロワ駆動回路20を介してブロワモータ21に接続さ
れている。サーボモータ29には、エアミックスダンパ
28の開度θを検出するエアミックスダンパ開度センサ
34が設けられ、制御装置6の入力端子Gに接続されて
いる。
【0015】また、制御装置6の出力端子Hは、コンプ
レッサ駆動回路35を介してコンプレッサ23の電磁ク
ラッチに接続されており、その電磁クラッチのコイルに
通電することによりエンジンの回転力を伝達してコンプ
レッサ23を回転駆動する。なお、コンプレッサ駆動回
路35は、電磁クラッチのコイルの通電電流を検出する
運転状態検出機能を有し、その検出信号は制御装置6の
入力端子Iに接続されている。制御装置6の入力端子J
〜Lは、車室内の運転席前方のインストルメントパネル
(図示せず)に設けられた操作パネル(図示せず)に設
置された内外気切替スイッチ36、温度設定スイッチ3
7およびデフロストモード設定スイッチ38にそれぞれ
接続され、入力端子M〜Qは、それぞれ内気センサ3
9、外気センサ40、水温センサ41、日射センサ42
およびエバ後温度センサ43に接続されている。
【0016】なお、内気センサ39および外気センサ4
0は、それぞれ車室内の温度および車室外の温度を検出
し、その検出温度に応じた内気温信号Trおよび外気温
信号Tamを制御装置6に送る。水温センサ41および
エバ後温度センサ43は、エンジンの冷却水およびエバ
ポレータ4の出口空気温度を検出し、その検出温度に応
じた水温信号Twおよびエバ後温度信号Teを制御装置
6に送る。日射センサ42は、車室内に入射した日射量
を検出し、その検出した日射量に応じた日射量信号Ts
を検出するものである。
【0017】ここで、エアミックスダンパ28の調節具
合を決定する調節具合決定制御、すなわち、本例にあっ
てはCPU31におけるエアミックスダンパ28の目標
開度θ0 の算出について説明する。CPU31は、車両
乗員によりオートエアコン(自動空調制御)が選択され
ると、入力信号に基づいて車室内に吹き出す空気の目標
吹出温度Taoを次の数式1によって算出する。
【数1】 Tao=Kset ・Tset −Kr・Tr−Kam・Tam−Ks・Ts+C なお、Kset は温度設定ゲイン、Tset は温度設定スイ
ッチ37の設定温度信号、Krは内気温ゲイン、Trは
内気センサ39の内気温信号、Kamは外気温ゲイン、T
amは外気センサ40の外気温信号、Ksは日射ゲイ
ン、Tsは日射センサ42の日射量信号、Cは補正定数
である。
【0018】次に、CPU31は、オートエアコン選択
時にエアミックスダンパ28の目標開度θ0 を次の数式
2によって算出する。
【数2】 θ0 ={(Tao−Te)/(Tw−Te)}×100(%) なお、Teはエバ後温度センサ43のエバ後温度信号、
Twは水温センサ43の水温信号である。
【0019】そして、CPU31は、エアミックスダン
パ28の目標開度θ0 に応じた駆動信号をサーボモータ
29に出力する。これにより、エアミックスダンパ28
は、サーボモータ29によって実際の開度が補正量を含
んだ目標開度θ0 になるように制御される。ここで、数
式2に水温信号Tw、エバ後温度信号Teを用いる理由
は、エンジンの冷却水の水温、エバ後温度の変化により
同一の目標開度θ0 でも吹出温度が変化することを防ぐ
ためである。しかしながら、水温センサ41、エバ後温
度センサ43には熱容量があり、実際の温度とのずれ、
応答遅れが存在する。
【0020】次に、オートエアコン選択時のコンプレッ
サ23のフロストカット制御について説明する。CPU
31は、図2に示したように、エバ後温度センサ43の
エバ後温度信号Teに応じてコンプレッサ駆動回路35
を介して電磁クラッチのコイルの通電および通電停止を
制御することによってフロストカット制御を行う。具体
的には、エバ後温度センサ43のエバ後温度信号Teが
Toff (例えば3℃に相当)以下に低下した際に、コン
プレッサ駆動回路35を介して電磁クラッチのコイルへ
の通電を停止することによりコンプレッサ23の運転を
停止(オフ)させる。
【0021】また、図2に示したように、エバ後温度セ
ンサ43のエバ後温度信号TeがTon(例えば4℃に相
当)以上に上昇した際に、コンプレッサ駆動回路35を
介して電磁クラッチのコイルを通電することによりコン
プレッサ23の運転を再開(オン)させる。なお、コン
プレッサ23は、図示しないエアコンスイッチを手動に
よりオン、オフした場合にも、オン、オフされる。
【0022】次に、コンプレッサ23のオン、オフ時に
おけるエアミックスダンパ28の調節具合を補正する調
節具合補正制御、すなわち、本例にあってはCPU31
における過渡期の目標開度θ0 の補正制御について簡単
に説明する。CPU31は、コンプレッサ駆動回路35
の検出信号によりコンプレッサ23への通電電流を検出
することによって、コンプレッサ23がオンからオフに
切り替えられたか、あるいはコンプレッサ23がオフか
らオンに切り替えられたかを判断する。
【0023】そして、CPU31は、その判断結果に基
づいて補正量Δθ(%)を決定し、その決定した補正量
Δθ(%)を考慮したエアミックスダンパ28の目標開
度θ0 (%)を次の数式3によって算出する。
【数3】θ0 =θ0 +Δθ そして、CPU31は、エアミックスダンパ28の目標
開度θ0 に応じた駆動信号をサーボモータ29に出力す
る。これにより、エアミックスダンパ28は、サーボモ
ータ29によって実際の開度が補正量を含んだ目標開度
θ0 になるように制御される。
【0024】〔第1実施例の作用〕つぎに、この車両用
オートエアコン1の作動を図1ないし図16に基づいて
簡単に説明する。制御装置6は、電源が投入されると制
御プログラムをスタートし、図3のフローチャートにし
たがって演算、処理を実行する。先ず、分岐フラグSB
Rを0に設定すると共に、タイマーをクリアするなどの
ように、各種タイマーや制御フラグ等を初期化する(ス
テップS1)。次に、温度設定スイッチ37から設定温
度信号Tset を読み込み、RAM33に記憶する(ステ
ップS2)。
【0025】続いて、車室内の空調状態に影響を及ぼす
車両環境状態を検出するために各種センサから入力信号
を読み込む。すなわち、内気センサ39からの内気温信
号Tr、外気センサ40からの外気温信号Tam、水温
センサ41からの水温信号Tw、日射センサ42からの
日射量信号Tsおよびエバ後温度センサ43からのエバ
後温度信号Teを読み込んで、RAM33に記憶する
(ステップS3)。次に、上述のようにRAM33に読
み込んだ各種入力データ(内気温信号Tr、外気温信号
Tam、日射量信号Ts)と予めROM32に記憶され
ている前述の数式1に基づいて、車室内に吹き出す空気
の目標吹出温度Taoを算出する(ステップS4)。
【0026】続いて、ステップS5において、上述のよ
うにRAM33に読み込んだ設定温度信号Tset および
各種入力データに基づいて、ブロワ3の風量を設定す
る。すなわち、ブロワ駆動回路20を介してブロワモー
タ21に印加するブロワ電圧Veを設定する(ステップ
S5)。そして、ステップS6において、上述のように
RAM33に読み込んだ各種入力データ(水温信号T
w、エバ後温度信号Te)と予めROM32に記憶され
ている前述の数式2に基づいて、エアミックスダンパ2
8の目標開度θ0 を算出する(ステップS6)。
【0027】次に、目標吹出温度Taoに基づいて、ダ
クト2内に内気導入口7より車室内空気(内気)を導入
する内気循環モードを行うか、あるいは外気導入口8よ
り車室外空気(外気)を導入する外気導入モードを行う
かを決定する。この場合、内気循環モード、外気導入モ
ードは内外気切替ダンパ9をサーボモータ10により駆
動制御して、内気導入口7あるいは外気導入口8のうち
何れかを開口するように設定する(ステップS7)。次
に、予めROM32に記憶されている図2のデータ、あ
るいは図示しないエアコンスイッチの状態に基づいて、
コンプレッサ23とエンジンとを駆動連結する電磁クラ
ッチのコイルをオンするか、オフするかを決定する(ス
テップS8)。
【0028】次に、本発明の主内容であるコンプレッサ
23のオン直後およびオフ直後のエアミックスダンパ2
8の開度補正制御を行う(ステップS9)。そして、前
述のステップS5〜S9で決定した制御信号をブロワ駆
動回路20、サーボモータ10、29およびコンプレッ
サ駆動回路35等に出力してブロワ3、内外気切替ダン
パ9、エアミックスダンパ28およびコンプレッサ23
を動作させる(ステップS10)。
【0029】次に、ステップS10の処理を実行してか
ら制御周期時間τが経過しているか否かを判断し(ステ
ップS11)、この判断結果がNoの場合には制御周期
時間τの経過を待つ。また、その判断結果がYesの場
合にはステップS2の処理へ戻り、上述の演算、処理が
繰り返される。以上の演算、処理を繰り返し実行するこ
とによって車両用オートエアコン1が自動コントロール
される。
【0030】次に、CPU31におけるコンプレッサ2
3のオン直後およびオフ直後のエアミックスダンパ28
の開度補正制御を詳細に説明する。図4はエアミックス
ダンパの開度補正制御プログラムを示したフローチャー
トである。この図4のフローチャートは図3のステップ
S8の処理が終了したときにスタートする。先ず、コン
プレッサ23の電磁クラッチのコイルがオンからオフに
切り替えられた(comp,ON→OFF)か否かを判
断する。すなわち、コンプレッサ駆動回路35の検出信
号がオン信号からオフ信号に変化したか否かを判断する
(ステップS21)。このステップS21の判断結果が
Noの場合には、ステップS23の処理を行う。また、
ステップS21の判断結果がYesの場合には、分岐フ
ラグを1に設定すると共に、オフ経過時間(T)を計測
するためのタイマーをクリアする。すなわち、SBR=
1、TIMER=0に設定する(ステップS22)。
【0031】次に、コンプレッサ23の電磁クラッチの
コイルがオフからオンに切り替えられた(comp,O
FF→ON)か否かを判断する。すなわち、コンプレッ
サ駆動回路35の検出信号がオフ信号からオン信号に変
化したか否かを判断する(ステップS23)。このステ
ップS23の判断結果がNoの場合には、ステップS2
7の処理を行う。また、ステップS23の判断結果がY
esの場合には、タイマーにより計測されているオフ経
過時間(T)が所定時間(Tα)以上経過しているか否
かを判断する(ステップS24)。このステップS24
の判断結果がNoの場合には、分岐フラグを2に設定す
ると共に、オフ経過時間(T)を計測するためのタイマ
ーをクリアする。すなわち、SBR=2、TIMER=
0に設定する(ステップS25)。また、ステップS2
4の判断結果がYesの場合には、分岐フラグを3に設
定すると共に、オフ経過時間(T)を計測するためのタ
イマーをクリアする。すなわち、SBR=3、TIME
R=0に設定する(ステップS26)。
【0032】ここで、この実施例では、上述のステップ
S24の処理のように、コンプレッサ23がオフからオ
ンに切り替えられた時に、コンプレッサ23をオフして
からのオフ経過時間(T)に応じて分岐フラグの設定を
変えているが、その理由を以下に述べる。図5はコンプ
レッサ23をオフしてから十分時間が経過した後に再度
オンした場合の実際のエバ後温度TEとエバ後温度セン
サ43のエバ後温度信号(以下検出温度と言う)Teの
動きを示したタイムチャートである。
【0033】図5のタイムチャートに示したように、コ
ンプレッサ23をオンしてから多少の遅れ(例えば2秒
間〜3秒間程度)はあるが実際のエバ後温度TEはすぐ
に低下する。しかし、エバ後温度センサ43の検出温度
Teは、エバ後温度センサ43の応答遅れ、時定数によ
り数十秒間は下がらない。このような実際のエバ後温度
TEとエバ後温度センサ43の検出温度Teの動きは種
々の環境条件のものでも同じ傾向にあることが実験によ
り確かめられている。すなわち、コンプレッサ23をオ
フしてから十分時間が経過した後に再度オンした直後
は、エバ後温度センサ43の検出温度Teにて補正され
るエアミックスダンパ28の目標開度θ0 よりも吹出温
度上昇(Hot)側へ補正する必要があることが分か
る。
【0034】また、図6はコンプレッサ23をオフして
から短い時間で再度オンした場合の実際のエバ後温度T
Eとエバ後温度センサ43の検出温度Teの変化を示し
たタイムチャートである。図6のタイムチャートに示し
たように、コンプレッサ23のオン、オフを短時間で繰
り返す場合には、コンプレッサ23をオンしても、実際
のエバ後温度TEはしばらく上昇した後に下降する。そ
して、エバ後温度センサ43の検出温度Teは実際のエ
バ後温度TEよりもさらに遅れて追従していくことにな
る。このような実際のエバ後温度TEとエバ後温度セン
サ43の検出温度Teの動きは種々の環境条件のもので
も同じ傾向にあることが実験により確かめられている。
すなわち、コンプレッサ23のオン、オフを短時間で繰
り返す場合には、図5の場合とは逆に、エバ後温度セン
サ43の検出温度Teにて補正されるエアミックスダン
パ28の目標開度θ0 よりも吹出温度下降(Cool)
側へ補正する必要があることが分かる。
【0035】次に、分岐フラグに応じた各開度補正サブ
ルーチンを詳細に説明する。先ず、図4のステップS2
7において、分岐フラグSBRが0に設定されている
(SBR=0)か否かを判断する。このステップS27
の判断結果がYesの場合、つまりコンプレッサ23の
オン状態またはオフ状態が継続されていると判断された
場合には、エアミックスダンパ28の目標開度θ0 の補
正量Δθを0に設定する。すなわち、Δθ=0に設定す
る(ステップS28)。次に、ステップS34の処理を
行う。
【0036】また、ステップS27の判断結果がNoの
場合には、分岐フラグSBRが1に設定されている(S
BR=1)か否かを判断する(ステップS29)。この
ステップS29の判断結果がYesの場合、つまりコン
プレッサ23がオンからオフに切り替えられたと判断さ
れた場合には、ステップS30において開度補正サブル
ーチンAの処理を行う。
【0037】ここで、図4のステップS30の開度補正
サブルーチンAの処理を図7および図8のタイムチャー
ト、および図9のフローチャートを用いて詳細に説明す
る。図7(a)に示したように、コンプレッサ23がオ
ンからオフに切り替えられた場合には、図7(b)に示
したように、実際のエバ後温度TEはコンプレッサ23
のオフ時より多少の遅れを持った(T1 )後に急上昇す
る。一方、図7(b)に示したように、エバ後温度セン
サ43の検出温度Teは、実際のエバ後温度TEに遅れ
て追随していく。すなわち、コンプレッサ23がオンか
らオフに切り替えられた直後の数十秒間はエバ後温度セ
ンサ43の検出温度Teによる目標開度θ0 の補正は行
われないことになるので、車室内へ吹き出される空気の
吹出温度の上昇を招いてしまう。
【0038】したがって、図8(a)に示したように、
コンプレッサ23がオンからオフに切り替えられた直後
は、図8(b)に示したように、オフ時より補正遅れ時
間(T1 )が経過した後に、エアミックスダンパ28の
目標開度θ0 を吹出温度下降(Cool)側へ第1補正
量θ1 だけ補正する必要がある。なお、補正遅れ時間
(T1 :例えば2秒間)、補正制御時間(T2 :例えば
40秒間)は、いずれもエバ後温度センサ43の応答遅
れ時間に相当する時間である。また、第1補正量θ1
(例えば8%)は、補正遅れ時間(T1 )と補正制御時
間(T2 )とを加算した時間中の実際のエバ後温度(T
e1)の上昇温度に相当するエアミックスダンパ28の開
度が選択される。
【0039】図9は開度補正サブルーチンAを示したフ
ローチャートである。先ず、タイマーにより計測されて
いるオフ経過時間(T)が補正遅れ時間(T1 )以上経
過している(T≧T1 )か否かを判断する(ステップS
111)。このステップS111の判断結果がNoの場
合には、エアミックスダンパ28の目標開度θ0 の補正
量Δθを0に設定する。すなわち、Δθ=0に設定する
(ステップS112)。その後に図4のフローチャート
のステップS34の処理を行う。また、ステップS11
1の判断結果がYesの場合には、タイマーにより計測
されているオフ経過時間(T)が補正遅れ時間(T1 )
と補正制御時間(T2 )とを加算した時間以下(T≦T
1 +T2 )か否かを判断する(ステップS113)。こ
のステップS113の判断結果がNoの場合には、分岐
フラグSBRを0に設定する。すなわち、SBR=0に
設定する(ステップS114)。その後に、ステップS
112の処理を行う。また、ステップS113の判断結
果がYesの場合には、エアミックスダンパ28の目標
開度θ0 の補正量Δθをθ1 に設定する。すなわち、Δ
θ=θ1 に設定する(ステップS115)。その後に図
4のフローチャートのステップS34の処理を行う。
【0040】次に、図4のフローチャートのステップS
29の判断結果がNoの場合には、分岐フラグSBRが
2に設定されている(SBR=2)か否かを判断する
(ステップS31)。この判断結果がYesの場合、つ
まりコンプレッサ23が短い間隔でオフからオンに切り
替えられたと判断された場合には、ステップS32にお
いて開度補正サブルーチンBの処理を行う。
【0041】ここで、図4のステップS32の開度補正
サブルーチンBの処理を図10および図11のタイムチ
ャート、および図12のフローチャートを用いて詳細に
説明する。図10(a)に示したように、コンプレッサ
23をオフに切り替えてから短い時間(T<Tα)で再
度オンに切り替えた場合には、図10(b)に示したよ
うに、コンプレッサ23がオンしてもしばらくの間、実
際のエバ後温度TEは上昇し、その後に下降する。一
方、図10(b)に示したように、エバ後温度センサ4
3の検出温度Teは、実際のエバ後温度TEよりさらに
遅れて追随する。
【0042】したがって、図11(a)に示したよう
に、コンプレッサ23が短い間隔でオン、オフする場合
には、図11(b)に示したように、コンプレッサ23
をオンした時から補正制御時間(T3 :例えば10秒
間)が経過するまでの間、エアミックスダンパ28の目
標開度θ0 を吹出温度下降(Cool)側へ第2補正量
θ2 (例えば50%)だけ補正する必要がある。なお、
補正制御時間(T3 )は、実際のエバ後温度TEの温度
上昇時間に相当する時間である。第2補正量θ2 は、補
正制御時間(T3 )中の実際のエバ後温度TEの上昇温
度に相当するエアミックスダンパ28の開度が選択され
る。
【0043】図12は開度補正サブルーチンBを示した
フローチャートである。先ず、タイマーにより計測され
ているオフ経過時間(T)が補正制御時間(T3 )以上
経過している(T≧T3 )か否かを判断する(ステップ
S121)。このステップS121の判断結果がNoの
場合には、エアミックスダンパ28の目標開度θ0 の補
正量Δθをθ2 に設定する。すなわち、Δθ=θ2 に設
定する(ステップS122)。その後に図4のフローチ
ャートのステップS34の処理を行う。また、ステップ
S121の判断結果がYesの場合には、エアミックス
ダンパ28の目標開度θ0 の補正量Δθをθ1 に設定す
ると共に、分岐フラグSBRを0にする。すなわち、Δ
θ=0、SBR=0に設定する(ステップS123)。
その後に、ステップS122の処理を行う。
【0044】次に、図4のフローチャートのステップS
31の判断結果がNoの場合、つまりコンプレッサ23
をオフに切り替えてから長い時間(T≧Tα)が経過し
た後、オンに切り替えられたと判断された場合には、ス
テップS33において開度補正サブルーチンCの処理を
行う。
【0045】ここで、図4のステップS33の開度補正
サブルーチンCの処理を図13および図14のタイムチ
ャート、および図15のフローチャートを用いて詳細に
説明する。図13(a)に示したように、コンプレッサ
23をオフに切り替えてから十分な時間(T≧T0 )が
経過してから再度オンに切り替えた場合には、図13
(b)に示したように、実際のエバ後温度TEはコンプ
レッサ23のオフ時より多少の遅れを持って下降する。
一方、図13(b)に示したように、エバ後温度センサ
43の検出温度Teは、しばらく下降しない。
【0046】したがって、図14(a)に示したよう
に、コンプレッサ23が長い間隔でオン、オフする場合
には、図14(b)に示したように、オフ時より補正遅
れ時間(T4 )が経過した後に、エアミックスダンパ2
8の目標開度θ0 を吹出温度上昇(Hot)側へ第3補
正量θ3 だけ補正する必要がある。なお、補正遅れ時間
(T4 :例えば2秒間)、補正制御時間(T5 :例えば
20秒間)は、いずれもエバ後温度センサ43の応答遅
れ時間に相当する時間である。また、第3補正量θ3
(例えば8%)は、エバ後温度センサ43の応答遅れ時
間に下降する温度に相当するエアミックスダンパ28の
開度が選択される。
【0047】図15は開度補正サブルーチンCを示した
フローチャートである。先ず、タイマーにより計測され
ているオフ経過時間(T)が補正遅れ時間(T4 )以上
経過している(T≧T4 )か否かを判断する(ステップ
S131)。このステップS131の判断結果がNoの
場合には、エアミックスダンパ28の目標開度θ0 の補
正量Δθを0に設定する。すなわち、Δθ=0に設定す
る(ステップS132)。その後に図4のフローチャー
トのステップS34の処理を行う。
【0048】また、ステップS131の判断結果がYe
sの場合には、タイマーにより計測されているオフ経過
時間(T)が補正遅れ時間(T4 )と補正制御時間(T
5 )とを加算した時間以下(T≦T4 +T5 )か否かを
判断する(ステップS133)。このステップS133
の判断結果がNoの場合には、分岐フラグSBRを0に
設定する。すなわち、SBR=0に設定する(ステップ
S134)。その後に、ステップS132の処理を行
う。また、ステップS133の判断結果がYesの場合
には、エアミックスダンパ28の目標開度θ0 の補正量
Δθをθ3 に設定する。すなわち、Δθ=θ3 に設定す
る(ステップS135)。その後に図4のフローチャー
トのステップS34の処理を行う。
【0049】そして、以上のように、エアミックスダン
パ28の目標開度θ0 の補正量Δθが決定された後に、
前述の数式3に基づいて目標開度θ0 を算出し(ステッ
プS34)、ステップS24で算出された目標開度θ0
からエアミックスダンパ28の実際の開度θを算出する
(ステップS35)。このステップS35の処理を行う
理由は、図16に示したように、エアミックスダンパ2
8の開度に対する吹出温度特性が非線形形状であるた
め、同じ開度(例えばθa )だけエアミックスダンパ2
8をサーボモータ29により駆動しても、エアミックス
ダンパ28の位置によっては吹出温度の変化幅が(例え
ばTa 、Tb と言うように)異なるからである。したが
って、吹出温度の変化量がエアミックスダンパ28の位
置によらず一定に保たれるように、予めROM32に記
憶されたデータにより目標開度θ0 を実際の開度θに変
換するようにしている。このようにして、ステップS3
5の処理を終了した後は、図3のフローチャートのステ
ップS10の処理を行う。なお、上述のようなフロスト
カットと同様に、車両乗員の手動操作によってエアコン
スイッチをオン、オフした時、コンプレッサの回転速度
が変動した時、あるいは可変容量式コンプレッサの容量
が変動した時にも同じように車室内へ吹き出す空気の吹
出温度が変動する。このため、これらの場合にも本発明
を利用した制御が可能である。
【0050】〔第1実施例の効果〕以上のように、車両
用オートエアコン1は、コンプレッサ23のオン、オフ
に基づいてエバポレータ4の冷却能力を判定し、この判
定されたエバポレータ4の冷却能力に基づいてエアミッ
クスダンパ28の目標開度θ0 を補正している。このた
め、エバポレータ4より吹き出された空気が最適な値で
加熱することができる。したがって、コンプレッサ23
のオン、オフによりエバポレータ4の冷却能力が大きく
変動した直後においても、車室内に吹き出す空気の温度
の変動を非常に小さくすることができ、車室内の温度を
安定させることができる。
【0051】〔第2実施例〕図17は本発明の第2実施
例を示し、車両用オートエアコンの概略構成を示した図
である。エバ後温度センサ43の挙動、応答性は、エバ
ポレータ4の上流側に吸い込まれる空気の温度によって
異なる。そこで、この実施例では、ダクト2内のエバポ
レータ4の上流側に、ダクト2内に吸い込んだ空気の温
度を検出する吸込温度センサ44を追加している。この
吸込温度センサ44は、制御装置6の入力端子Rに接続
されている。すなわち、吸込温度が高くなればなる程、
補正制御時間T2 、T3 は短くなり、補正制御時間T5
は長くなる。そして、第1補正量θ1 は大きくなり、第
2、第3補正量θ2 、θ3 は小さくなる。なお、具体的
な数値は車両毎に異なるため、車両毎に測定した結果を
ROM等に記憶しておくと良い。これによって、さらに
車室内へ吹き出す空気の吹出温度の変動を小さくするこ
とができる。
【0052】〔第3実施例〕図18は本発明の第3実施
例を示し、車両用オートエアコンの概略構成を示した図
である。エバ後温度センサ43の挙動、応答性は、エバ
ポレータ4の上流側に吸い込まれる空気の湿度によって
も異なる。そこで、この実施例では、ダクト2内のエバ
ポレータ4の上流側に、ダクト2内に吸い込んだ空気の
湿度を検出する湿度センサ45を追加している。この湿
度センサ45は、制御装置6の入力端子Rに接続されて
いる。すなわち、湿度が大きくなればなる程、補正遅れ
時間T1 と補正制御時間T2、T3 は長くなり、補正遅
れ時間T4 と補正制御時間T5 は短くなる。そして、第
1補正量θ1 は小さくなり、第2、第3補正量θ2 、θ
3 は大きくなる。なお、具体的な数値は車両毎に異なる
ため、車両毎に測定した結果をROM等に記憶しておく
と良い。これによって、さらに車室内へ吹き出す空気の
吹出温度の変動を小さくすることができる。
【0053】〔第4実施例〕図19および図20は本発
明の第4実施例を示した図である。エバ後温度センサ4
3の挙動、応答性は、ブロワ3の風量に応じても変化す
るため、ブロワ3の風量に基づいて補正遅れ時間T1 、
T4 、補正制御時間T2 、T3 、T5 、および第1〜第
3補正量θ1 〜θ3 の値を変更するようにしている。す
なわち、ブロワ3の風量が多くなればなる程、補正遅れ
時間T1 と補正制御時間T2 は短くなり、補正遅れ時間
T4 と補正制御時間T3 、T5 は長くなる。そして、第
1、第3補正量θ1 、θ3 は大きくなり、第2補正量θ
2 は小さくなる。一例として、図19にブロワの風量と
補正制御時間T2 との関係を示し、図20にブロワの風
量と目標開度の第1補正量θ1 との関係を示した。な
お、具体的な数値は車両毎に異なるため、車両毎に測定
した結果をROM等に記憶しておくと良い。
【0054】〔変形例〕本実施例では、エアミックスダ
ンパとして板ダンパを用いたが、エアミックスダンパと
してスライド式ダンパやフィルム式ダンパ等を用いても
良い。本実施例では、吹出温度調節手段としてエアミッ
クス方式の吹出温度調節装置5を用いたが、ヒータコア
27内に流入する冷却水の流量を本発明にしたがって補
正するようにしたリヒート方式の吹出温度調節手段を用
いても良い。また、ヒータコア27の代わりに、冷凍サ
イクルのコンデンサを用いても良く、そのコンデンサ内
に流入する冷媒の流量を補正するようにしても良い。冷
媒の流量の補正には、インバータによる周波数補正や、
コンプレッサの回転速度補正を行う。
【0055】
【0056】また、エコノミー制御等のようにフロスト
カット(エバ後温度カット)の温度が変更可能なものに
ついては、第2実施例の吸込温度の代わりに、吸込温度
とフロストカットとの温度差、あるいは吸込温度とエバ
後温度センサの検出温度との温度差に基づいて、補正遅
れ時間T1 、T4 、補正制御時間T2 、T3 、T5 、お
よび第1〜第3補正量θ1 〜θ3 の値を変更しても良
い。本実施例では、本発明を車両用オートエアコン1に
用いたが、本発明を家庭用や工場用等の定置式の空気調
和装置に用いても良い。
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載の発明は、コンプレッサ
が停止状態から作動状態に切り替わったとき、コンプレ
ッサが停止状態から作動状態に切り替わる前におけるコ
ンプレッサの停止時間が第1所定時間以上ならば、その
切り替わりから第2所定時間が経過してから、エバポレ
ータの冷却能力に応じて吹出温度調節手段の調節具合を
補正することで、エバポレータの冷却能力の変動直後の
室内へ吹き出す空気の吹出温度の変動を減少させること
ができる。これにより、車室内へ吹き出す空気の吹出温
度を安定させることができる。請求項2に記載の発明
は、コンプレッサが作動状態から停止状態に切り替わっ
たとき、この切り替わりから所定時間が経過してから、
エバポレータの冷却能力に応じて吹出温度調節手段の調
節具合を補正することで、エバポレータの冷却能力の変
動直後の室内へ吹き出す空気の吹出温度の変動を減少さ
せることができる。これにより、車室内へ吹き出す空気
の吹出温度を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる車両用オートエア
コンの概略構成を示した構成図である。
【図2】エバ後温度センサのエバ後温度信号に対するコ
ンプレッサのオン−オフ特性を示したグラフである。
【図3】図1図示装置の制御装置の基本的な制御プログ
ラムを示したフローチャートである。
【図4】図3のエアミックスダンパの開度補正制御プロ
グラムを示したフローチャートである。
【図5】実際のエバ後温度とエバ後温度センサの検出温
度を示したタイムチャートである。
【図6】実際のエバ後温度とエバ後温度センサの検出温
度を示したタイムチャートである。
【図7】コンプレッサの運転状態、実際のエバ後温度と
エバ後温度センサ検出温度を示したタイムチャートであ
る。
【図8】コンプレッサの運転状態、目標開度の第1補正
量を示したタイムチャートである。
【図9】図4の開度補正サブルーチンAを示したフロー
チャートである。
【図10】コンプレッサの運転状態、実際のエバ後温度
とエバ後温度センサ検出温度を示したタイムチャートで
ある。
【図11】コンプレッサの運転状態、目標開度の第2補
正量を示したタイムチャートである。
【図12】図4の開度補正サブルーチンBを示したフロ
ーチャートである。
【図13】コンプレッサの運転状態、実際のエバ後温度
とエバ後温度センサ検出温度を示したタイムチャートで
ある。
【図14】コンプレッサの運転状態、目標開度の第3補
正量を示したタイムチャートである。
【図15】図4の開度補正サブルーチンCを示したフロ
ーチャートである。
【図16】エアミックスダンパの実際の開度と車室内へ
の吹出温度との関係を示したグラフである。
【図17】本発明の第2実施例にかかる車両用オートエ
アコンの概略構成を示した構成図である。
【図18】本発明の第3実施例にかかる車両用オートエ
アコンの概略構成を示した構成図である。
【図19】本発明の第4実施例で、ブロワの風量と補正
制御時間T2 との関係を示したグラフである。
【図20】本発明の第4実施例で、ブロワの風量と目標
開度の第1補正量θ1 との関係を示したグラフである。
【図21】吹出温度、エバ後温度、コンプレッサの運転
状態を示したタイムチャートである。
【符号の説明】
1 車両用オートエアコン(空気調和装置) 2 ダクト 4 エバポレータ 5 吹出温度調節装置 6 制御装置 22 冷凍サイクル(冷却手段) 27 ヒータコア(加熱手段) 28 エアミックスダンパ(吹出温度調節手段) 31 CPU(コンプレッサ切替状態検出手段、計測手
段、決定手段、冷却能力検出手段、補正手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 祐次 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 寒川 克彦 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−98607(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】室内に空気を送るダクトと、 このダクト内に配設されて、コンプレッサの作動により
    前記ダクト内を流れる空気を冷却するエバポレータと、 前記ダクト内において前記エバポレータの下流側に配さ
    、前記エバポレータの下流側を流れる空気を加熱す
    る加熱手段と、 この加熱手段による空気の加熱量を制御して室内に吹き
    出す空気の温度を調節する吹出温度調節手段と、前記エバポレータの冷却能力を検出する冷却能力検出手
    段と、 この冷却能力検出手段で検出された前記エバポレータの
    冷却能力に基づいて前記吹出温度調節手段の調節具合を
    決定する決定手段を有し、この決定手段で決定された
    記吹出温度調節手段の調節具合に基づいて前記吹出温度
    調節手段を制御する制御装置とを備え、 前記制御装置は、前記コンプレッサが停止状態から作動状態に切り替わっ
    たことを検出するコンプレッサ切替状態検出手段、 このコンプレッサ切替状態検出手段で前記コンプレッサ
    が停止状態から作動状態に切り替わったことが検出され
    たとき、前記作動状態に切り替わる前における前記コン
    プレッサの停止時間を計測する計測手段、 およびこの計測手段が計測した前記停止時間が第1所定
    時間以上のときは、前記切り替わりから第2所定時間が
    経過してから、 前記決定手段で決定された前記吹出温度
    調節手段の調節具合を補正する補正手段を有することを
    特徴とする空気調和装置。
  2. 【請求項2】室内に空気を送るダクトと、 このダクト内に配設されて、コンプレッサの作動により
    前記ダクト内を流れる空気を冷却するエバポレータと、 前記ダクト内において前記エバポレータの下流側に配さ
    れて、前記エバポレータの下流側を流れる空気を加熱す
    る加熱手段と、 この加熱手段による空気の加熱量を制御して室内に吹き
    出す空気の温度を調節する吹出温度調節手段と、 前記エバポレータの冷却能力を検出する冷却能力検出手
    段と、 この冷却能力検出手段で検出された前記エバポレータの
    冷却能力に基づいて前記吹出温度調節手段の調節具合を
    決定する決定手段を有し、この決定手段で決定された前
    記吹出温度調節手段の調節具合に基づいて前記吹出温度
    調節手段を制御する制御装置とを備え、 前記制御装置は、 前記コンプレッサが作動状態から停止状態に切り替わっ
    たことを検出するコンプレッサ切替状態検出手段、 およびこのコンプレッサ切替状態検出手段で前記コンプ
    レッサが作動状態から停止状態に切り替わったことが検
    出されたとき、この切り替わりから所定時間が経過して
    から、前記決定手段で決定された前記吹出温度調節手段
    の調節具合を補正する補正手段を有することを特徴とす
    る空気調和装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の空気調和装置において、 前記補正手段は、前記計測手段が計測した前記停止時間
    が前記第1所定時間よりも短いときは、前記切り替わり
    の直後から、前記決定手段で決定された前記吹出温度調
    節手段の調節具合を補正することを特徴とする空気調和
    装置。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の空気調和装置において、 前記制御装置は、前記コンプレッサが停止状態から作動
    状態に切り替わったことを検出するコンプレッサ切替状
    態検出手段、 およびこのコンプレッサ切替状態検出手段で前記コンプ
    レッサが停止状態から作動状態に切り替わったことが検
    出されたとき、前記作動状態に切り替わる前における前
    記コンプレッサの停止時間を計測する計測手段を有し、 前記補正手段は、前記計測手段が計測した前記停止時間
    が前記第1所定時間よりも短いときは、前記切り替わり
    の直後から、前記決定手段で決定された前記吹出温度調
    節手段の調節具合を補正することを特徴とする空気調和
    装置。
JP25008392A 1992-09-18 1992-09-18 空気調和装置 Expired - Fee Related JP3146675B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25008392A JP3146675B2 (ja) 1992-09-18 1992-09-18 空気調和装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25008392A JP3146675B2 (ja) 1992-09-18 1992-09-18 空気調和装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0699720A JPH0699720A (ja) 1994-04-12
JP3146675B2 true JP3146675B2 (ja) 2001-03-19

Family

ID=17202560

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25008392A Expired - Fee Related JP3146675B2 (ja) 1992-09-18 1992-09-18 空気調和装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3146675B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101920149B1 (ko) * 2017-03-13 2018-11-19 두산중공업 주식회사 셀 턴 오버 지그

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101430003B1 (ko) * 2008-04-18 2014-08-14 한라비스테온공조 주식회사 차량용 공조시스템의 템프도어 제어방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101920149B1 (ko) * 2017-03-13 2018-11-19 두산중공업 주식회사 셀 턴 오버 지그

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0699720A (ja) 1994-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20010010261A1 (en) Vehicle air conditioner with reduced fuel consumption of vehicle engine
US5775415A (en) Air conditioning system
US6732941B2 (en) Air conditioner for vehicle
US7150158B2 (en) Freezing prevention system for refrigeration device and air conditioner using the same
US20070256436A1 (en) Air-conditioner for vehicle
JPH11190546A (ja) 空調装置の蒸発器温度を外部露点に応じて制御する方法
US6978629B2 (en) Vehicle air conditioner
US7082990B1 (en) Air conditioning apparatus for vehicle
JP3327053B2 (ja) 空調装置
JP5169736B2 (ja) 車両用空調装置
US7172018B2 (en) Vehicle air-conditioning system
JP3781612B2 (ja) 車両用空調装置
JP3146675B2 (ja) 空気調和装置
JP2006240387A (ja) 車両用空調装置
JP3417035B2 (ja) 車両用空気調和装置
EP1362725B1 (en) Control device
JP3401920B2 (ja) 空気調和装置
JP2010000964A (ja) 空調装置
JP2002254922A (ja) 車両用空調装置
JP3118987B2 (ja) 空気調和装置
JP3969128B2 (ja) 車両用空調装置
JP2004217036A (ja) 車両用空調装置
JPH07329559A (ja) 車両用空調装置
JP3295214B2 (ja) 車両用空調制御方法
JP2654691B2 (ja) 自動車用空調制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees