JP3144840B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置

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JP3144840B2
JP3144840B2 JP19144491A JP19144491A JP3144840B2 JP 3144840 B2 JP3144840 B2 JP 3144840B2 JP 19144491 A JP19144491 A JP 19144491A JP 19144491 A JP19144491 A JP 19144491A JP 3144840 B2 JP3144840 B2 JP 3144840B2
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pulse
gradient magnetic
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徳典 木村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、磁気共鳴現象を利用して生体組
織における血流イメージングを行なう磁気共鳴イメー
ジング(MRI)装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気共鳴現象を利用して生体組織
における水の分子運動(ブラウン運動)による動きであ
る拡散(diffusion :ディフュージョン)、毛細血管内
の血液の流れである灌流(perfusion :パーフュージョ
ン)を定量的、または定性的にイメージングする手法が
盛んに研究されている。
【0003】ディフュージョンを測定するパルスシーケ
ンスとしては、Stejscal-Tanner のパルスシーケンスが
知られている。ディフュージョンによる水分子の微細な
動きによるスピンの位相ずれを強調するために、スピン
エコー法で、いずれかの軸、例えばリード方向(周波数
エンコード方向)に図12(b)に示すように180゜
パルスを挟んで対称な位置(±I/2)に印加時間dと
振幅Gの等しい傾斜磁場(Motion Probing Gradient :
以下、MPGと称する)(図示斜線)を印加したシーケ
ンスと、同図(a)に示すようなMPGを印加しないシ
ーケンスとを実行し、両者で得られたエコー信号の振
幅、位相の差から速度に関するパラメータを算出する。
動きによる位相シフト(dephase )の度合を表わすパラ
メータとしてグラジエント・ファクター:B(ここで、
Bはγ2 2 2 (I+2d/3)にほぼ等しい)が定
義されている。ここで、γは磁気回転比である。
【0004】一方、パーフュージョンの測定は組織血流
イメージングとして知られている。組織血流イメージン
グの手段としては、トレーサを用いるトレーサ法と、水
分子(水のスピン)の微小な動きをとらえる方法(Moti
on Detection法、ここではMD法と略称する)とがあ
る。トレーサ法は、イメージングのモダリティによって
種々に分類され、MRIを利用するものは、Gd−DT
PA等のサセプタビリティー造影剤とダイナミックMR
Iを用いた方法がある。トレーサ法にはSPECT、P
ET、キセノンCT等のモダリティを用いるものがある
が、これらはいずれも被検体に放射線を曝射する必要が
あることが欠点である。MD法は、振幅変化で検出する
か、位相変化で検出するかにより2種類に分類される。
振幅変化、位相変化で検出するかは、プロトンの動きの
モデルとしてIVIM(Intra Voxel Incoherent Motio
n )モデルを用いるか、IVCM(Intra Voxel Cohere
nt Motion )モデルを用いるかにより決まる。
【0005】これらのモデルを図13を参照して説明す
る。図13はMRIの通常のイメージングで用いられる
ボクセルのオーダ(1辺:1〜2mm)で見たマクロ的
な概念である。IVCMモデルとは同図(a)に示すよ
うに、ボクセル内で平均としてある一つの方向へ向かう
プロトンの動きであり、大血管内の血流が相当する。I
VCMモデルでは、傾斜磁場内をある方向へ動くので、
エコー時間TE内にそれに対応した平均の位相シフト
(φ≠0)が生じ、平均振幅も完全なIVCM(すなわ
ち、全てのスピンが一定速度である一つの方向へ動く場
合)では変化しないが、通常は速度分布を持つために、
振幅も減少するのが普通である。ただし、t=0で、位
相φ=0、振幅A=1とする。
【0006】これに対して、IVIMモデルは同図
(b)に示すように、ボクセル内のランダムな方向への
動きのモデルであり、平均としては方向性のない動きで
あり、傾斜磁場が印加されていても、平均の位相シフト
は生じず、振幅は動きの大きさに応じて減衰することに
なる。IVIMモデルはブラウン運動による水分子の拡
散のモデルで、毛細血管モデルもIVIMに近いモデル
とされる。
【0007】現状の報告では、少なくとも臨床的に重要
とされる脳血流のレベルでは、血流を定量化する方法と
してのLe. Bihan 等のIVIMモデルとしてとらえる方
法("Separation of Diffusion and Perfusion in intr
avoxel incoherent motion MR Imaging", Radiology, v
ol 499, No. 168 , pp. 401-407 )は血液量が脳では数
%と少なく、ノイズレベルに近いため、及びモーション
アーチファクトの影響により、正しく測定できなかっ
た。また、IVIMモデルはディフュージョンの寄与が
あり、ディフュージョンとパーフュージョンとを分離し
て検出するのは容易ではなかった。
【0008】一方、I. R. Young 等のIVCMモデルと
してとらえる方法("Assessment ofBrain Perfusion wi
th MR Imaging", Journal of Computer Asisted Tomogr
aphy, 12(5), pp. 721-727, September/October)で
は、もしパーフュージョンがコヒーレントな動きとすれ
ば、組織血流のオーダの流速は0.5〜2mm/秒のオ
ーダで高感度にとらえることができる。
【0009】なお、モーションアーチファクトの影響
は、両者とも微小な動きによる位相シフトを強調するた
めに大きな傾斜磁場MPGを印加したパルスシーケンス
を用いているので同程度の影響を受けるが、IVCMモ
デルではディフュージョンは位相には寄与せず、パーフ
ュージョンのみを高感度に検出できる。
【0010】なお、パーフュージョンはIVCMモデ
ル、IVIMモデルのいずれか一方のみではなく、組織
の種類によりその割合は異なっているが、両方の成分が
混じっていると考えられる。
【0011】このように、従来のIVIMモデルは、血
流に対する感度が小さく、パーフュージョンとディフュ
ージョンとの分離が困難である。IVCMモデルは、血
流に対する感度が比較的大きいが、まだ十分な感度が得
られていない。
【0012】さらに、パーフュージョンを測定する従来
法として、MRAのフェイズコントラスト(Phase Cont
rast)法もあるが、この方法でも、遅い血流に対して感
度が悪い欠点がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した事情
に対処すべくなされたもので、その目的はIVCMモデ
ルを使ってパーフュージョンを高感度に測定できる磁気
共鳴イメージング装置を提供することである。本発明の
他の目的は渦電流の寄与が少なく精度が向上した磁気共
鳴イメージング装置を提供することである。
【0014】本発明の他の目的はIVCMモデルのパラ
メータに加えてIVIMモデルのパラメータをも求める
ことができる磁気共鳴イメージング装置を提供すること
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気共鳴イ
メージング装置は、スピンエコー法のパルスシーケンス
を実行する磁気共鳴イメージング装置において、 X
軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つの軸に一定強度の傾斜
磁場を180°パルスのタイミングの前後に対称的に印
加する第1のパルスシーケンスと、前記少なくとも1
軸に前記傾斜磁場を逆極性で印加する第2のパルスシ
ーケンスとを実行する手段と、前記第1、第2のパルス
シーケンスで収集された磁気共鳴信号から位相差を反映
した第1のパラメータを検出する手段と、 前記第1の
パラメータに基づいてボクセル内のコヒーレントな動き
をイメージングする手段とを備え、前記パルスシーケン
ス実行手段は、前記傾斜磁場を周波数エンコード方向の
リード軸に加える時は、イメージング用のリード傾斜磁
場の極性を前記一定強度の傾斜磁場と同極性になるよう
に前記第1、第2のパルスシーケンスにおいて反転する
ことを特徴とする。
【0016】本発明による他の磁気共鳴イメージング装
置においては、スピンエコー法のパルスシーケンスを実
行する磁気共鳴イメージング装置において、X軸、Y
軸、Z軸の少なくとも1つの軸に一定強度の傾斜磁場を
180°パルスのタイミングの前後に対称的に印加する
第1のパルスシーケンスと、前記少なくとも1つの軸に
前記傾斜磁場を逆極性で印加する第2のパルスシーケン
スと、前記傾斜磁場を印加しない第3のパルスシーケン
スを実行する手段と、前記第1、第2のパルスシーケン
スで収集された磁気共鳴信号から位相差を反映した第1
のパラメータを検出する手段と、前記第1または第2の
パルスシーケンスと前記第3のパルスシーケンスで収集
された磁気共鳴信号から振幅差を反映した第2のパラメ
ータを検出する手段と、前記第1のパラメータに基づい
てボクセル内のコヒーレントな動きをイメージングする
手段と、前記第2のパラメータに基づいてボクセル内の
インコヒーレントな動きをイメージングする手段とを備
えることを特徴とする。
【0017】さらに、本発明による他の磁気共鳴イメー
ジング装置においては、スピンエコー法のパルスシーケ
ンスを実行する磁気共鳴イメージング装置において、X
軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つの軸に一定強度の傾斜
磁場を180°パルスのタイミングの前後に対称的に印
加する第1のパルスシーケンスと、前記少なくとも1つ
の軸に前記傾斜磁場を逆極性で印加する第2のパルスシ
ーケンスとを実行する手段と、前記第1、第2のパルス
シーケンスで収集された磁気共鳴信号から位相差を反映
した第1のパラメータを検出する手段と、前記第1のパ
ラメータに基づいてボクセル内のコヒーレントな動きを
イメージングする手段とを備え、前記パルスシーケンス
実行手段は、イメージング用の傾斜磁場が少なくとも1
次のフローリフェーズのための傾斜磁場を含むことを特
徴とする。さらに、本発明による別の磁気共鳴イメージ
ング装置においては、フィールドエコー法のパルスシー
ケンスを実行する磁気共鳴イメージング装置において、
X軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つの軸に一定強度の傾
斜磁場を正方向と負方向とに対称的に印加する第1のパ
ルスシーケンスと、前記第1パルスシーケンスと同一強
度で極性が反転した傾斜磁場を前記少なくとも1つの軸
に印加する第2のパルスシーケンスを実行する手段と、
前記第1、第2のパルスシーケンスで収集された磁気共
鳴信号から位相差を反映したパラメータを検出する手段
とを具備し、前記パラメータに基づいてボクセル内のコ
ヒーレントな動きをイメージングすることを特徴とす
る。
【0018】
【作用】本発明による磁気共鳴イメージング装置によれ
ば、位相変化を倍増することができるので、IVCMモ
デルに基づくパーフュージョンを高感度に測定すること
ができる。
【0019】さらに、本発明によれば、イメージング用
リード傾斜磁場の極性を第1、第2のパルスシーケンス
で反転し、前記一定強度の傾斜磁場と同相とすることに
より、渦電流による影響を補償でき、精度を向上するこ
とができる。
【0020】さらに、本発明によれば、通常のパルスシ
ーケンスを第1、第2のパルスシーケンスに加えて、3
つシーケンスを実行することにより、IVCMモデルの
パラメータに加えてIVIMモデルのパラメータをも求
めることができる。
【0021】
【実施例】以下、図面を参照して本発明による磁気共鳴
イメージング装置の第1実施例を説明する。先ず、図3
に一実施例の概略構成を示すブロック図を示す。ガント
リ20内には、静磁場磁石1、X軸、Y軸、Z軸傾斜磁
場コイル2、及び送受信コイル3が設けられる。静磁場
発生装置としての静磁場磁石1は、例えば、超伝導コイ
ルまたは常伝導コイルを用いて構成される。X軸、Y
軸、Z軸傾斜磁場コイル2は、X軸傾斜磁場Gx、Y軸
傾斜磁場Gy、Z軸傾斜磁場Gzを発生するためのコイ
ルである。送受信コイル3は、高周波パルスを発生し、
かつ磁気共鳴により発生した磁気共鳴(MR)信号を検
出するために使用される。寝台13上の被検体Pは寝台
13の天板の移動によりガントリ20内のイメージング
可能領域(イメージング用磁場が形成される球状の領域
であり、この領域内でのみ診断が可能となる)に挿入さ
れる。
【0022】静磁場磁石1は、静磁場制御装置4により
駆動される。送受信コイル3は、磁気共鳴の励起時には
送信器5により駆動され、かつMR信号の検出時には受
信器6に結合される。X軸、Y軸、Z軸傾斜磁場コイル
2は、X軸傾斜磁場電源7、Y軸傾斜磁場電源8、Z軸
傾斜磁場電源9により駆動される。
【0023】X軸傾斜磁場電源7、Y軸傾斜磁場電源
8、Z軸傾斜磁場電源9、送信器5はシーケンサ10に
より所定のシーケンスに従って駆動され、X軸傾斜磁場
Gx、Y軸傾斜磁場Gy、Z軸傾斜磁場Gz、高周波
(RF)パルスを、所定のパルスシーケンスで発生す
る。この場合、X軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy,
Z軸傾斜磁場Gzは、主として、例えば、読出し用傾斜
磁場Gr、位相エンコード用傾斜磁場Ge、スライス用
傾斜磁場Gsとしてそれぞれ使用される。コンピュータ
システム11はシーケンサ10を駆動制御するととも
に、受信器6で受信されるMR信号としてのエコー信号
を取り込んで所定の信号処理を施すことにより、被検体
の断層像を生成し、表示部12で表示する。次に、本発
明の原理を説明する。MRI画像の1ボクセルi内の信
号値は複素数表現で次のように表わされる。 Si =Ai ・exp(−jφi ) ここで、Ai は振幅、φi は位相である。
【0024】位相は様々な要因で変化するが、例えば、
スピンエコー法では、主に傾斜磁場方向への動きにより
シフトし、フィールドエコー法では、さらに動きによる
寄与の他に磁場の不均一性、サセプタビリティー等によ
る寄与が加わる。
【0025】本発明は、生体内の血流(パーフュージョ
ン)による位相シフトのみを高感度にディフュージョン
とは分離して選択的に高精度に検出することを目的とす
る。すなわち、本発明はIVCMモデルが多く含まれる
と考えられる部分の位相変化を検出することによりパー
フュージョンを測定するものである。従来例において
は、IVIMモデル、IVCMモデルの双方において、
MPGの有/無の2つのパルスシーケンスを組み合わせ
て用い、IVIMモデルでは両シーケンスのエコー信号
の振幅の差、IVCMモデルでは位相の差によりパーフ
ュージョンを求めていた。
【0026】これに対して、本発明においては、パーフ
ュージョンの動きによる微小な位相シフトをより高感度
に求めるために、図1(a)、(b)に示すように、同
一強度、同一印加時間の傾斜磁場MPGをともに印加す
るが、極性が逆の2つのシーケンスを対として用いてス
キャンし、2つのエコー信号より位相差を直接、または
間接に求める。
【0027】図1(a)、(b)のパルスシーケンスを
実行した時のコヒーレントな動きによる2つのパルスシ
ーケンス間での振幅変化、及び位相シフトを図2
(a)、(b)にそれぞれ示す。このように、本発明で
はMPGの極性が逆である2つのシーケンスを用いてい
るので、同一の動きに対する位相差Δφは従来シーケン
スに比べて2倍に増加する。これにより、IVCMモデ
ルで高感度に位相差を検出することができる。
【0028】図4を参照して実際のIVCMイメージの
作成手順について説明する。2つのシーケンスから位相
差Δφを直接に算出してもよいが、PC法のMRアンギ
オグラムのように、簡便に位相差を反映したパラメータ
を求めてもよい。
【0029】先ず、それぞれのシーケンスを実行し、ベ
クトルPa =Aa ・exp(−jφa ),Pb =Ab ・
exp(−jφb )を求める。次に、ベクトルPa ,P
b から位相差を反映したパラメータΔφ,|Pa −Pb
|を求める。これらのパラメータの関係を図5に示す。 Δφ=arg(Pa /Pb )=φb −φa |Pa −Pb |={(Ra −Rb )2 +(Ia −Ib )2 1/2 ここで、Pa =Ra +jIa ,Pb =Rb +jIb であ
る。これらのパラメータから速度イメージを作成する。
【0030】このように、位相差やベクトルの差の絶対
値のみをIVCMによるパーフュージョンイメージとし
てもよいが、さらに直感的なパラメータである速度vを
求めてもよい。位相差から速度を求める方法の一例を説
明する。位相差Δφと速度vとは次のようにほぼリニア
な関係にある。 v=f(Δφ) =α・Δφ+β ただし、0≦Δφ≦2πである。ここで、α、βは傾斜
MPGの形状で決まる定数である。
【0031】上式のように速度vは2πを周期とする周
期関数となるので、対象とする速度vのダイナミックレ
ンジは2π以下に抑えておく必要がある。速度vのダイ
ナミックレンジは傾斜磁場MPGやその他の傾斜磁場の
形状で決まるので、予め計算、またはファントム実験に
より、用いられるパルスシーケンスの傾斜磁場MPGに
対してα、βを求めておき、テーブル化しておけば、位
相差Δφから速度vを換算により簡単に求めることがで
きる。
【0032】以上説明したように、第1実施例によれ
ば、dephase/rephaseシーケンスの組合わせで、MPG
の極性を双方で互いに逆極性にすることにより、同一の
流速に対する位相差の感度が2倍になる。さらに、IV
CMモデルとして測定するので、ディフュージョンの寄
与がなく、パーフュージョンのみを検出できる。
【0033】なお、第1実施例では、渦電流については
考慮しなかったが、位相シフトは装置側の問題の一つと
しての渦電流によることもあるが、これはシールド型の
傾斜磁場コイルを使用することにより補償できる。さら
に、パルスシーケンスで2つの画像間の演算により位相
差を求める場合に、双方に同一の寄与があるように、傾
斜磁場の印加方法を制御すれば相殺することができる。
この渦電流を相殺することができる第1実施例の変形例
としてのパルスシーケンスを図6に示す。図6は図1と
はイメージング用リード傾斜磁場の極性が異なってい
る。図1ではイメージング用リード傾斜磁場の極性は2
つのシーケンスで同極性であるが、図6では傾斜磁場M
PGの極性と同様に、イメージング用リード傾斜磁場の
極性も2つのシーケンスで逆極性とされている。これに
より、イメージング用リード傾斜磁場から見た場合、渦
電流による残留傾斜磁場が同極性に同程度のオーダでオ
ーバラップされるので、2つのシーケンス間の位相差に
おいて渦電流の寄与は相殺される。このため、シールド
型の傾斜磁場コイルを使用せずに、渦電流をある程度は
補償することができる。この場合、画像がリード方向で
互いに逆転するので、画像間演算時には、一方を逆転し
て行なう。また、PC法に見られるようにイメージング
用傾斜磁場は図7に示すように少なくとも1次のフロー
リフェーズのための磁場波形にしてもよい。以下、他の
実施例を説明する。
【0034】第2実施例では、図8に示すように、図1
に示した逆極性のMPGを印加した2つのシーケンス
(同図(a)、(b))に加えて、MPGを全く印加し
ない通常のシーケンス(同図(c))を組にして用いる
ことにより、IVCMパラメータΔφ,|Pa −Pb |
のみでなく、次のように定義されるIVIMパラメータ
ADCも求めることができる。 ADC ={ 1/( Ba,b −Bc)} ln[|Pc |/{(|Pa |+|Pb |) /2} ] ただし、Ba,b はBa 、またはBb を示し、lnは自然
対数を示す。図9にIVCMパラメータ、IVIMパラ
メータそれぞれの関係を示す。
【0035】IVIMモデルでは、振幅の減衰は図8
(a)、(b)のシーケンスでは同等であり、|Pa |
=|Pb |である。また、(|Pa|+|Pb |)/2
を用いることにより|Pa |、または|Pb |の一方を
用いた場合に比べて、S/N比は2倍となる。なお、グ
ラジエント・ファクターについては、Ba はほぼ0に、
Bb はBc にほぼ等しく設定されている。
【0036】上述の実施例は通常(ノーマル)の撮影法
に関するものであるが、超高速イメージング(エコープ
ラナイメージング)法に関する実施例を次に説明する。
図10は第3実施例としてのスピンエコー法によるエコ
ープラナイメージングのパルスシーケンスを示す。MP
Gの極性は1回目と2回目のシーケンスにおいて実線と
破線で示すように変化させる。
【0037】図11は第4実施例としてのフィールドエ
コー法によるエコープラナイメージングのパルスシーケ
ンスを示す。フィールドエコー法では、180゜パルス
を用いないので、1つのシーケンス内において傾斜磁場
MPGは途中で反転して印加する。傾斜磁場MPGの正
負の極性の成分はスピンエコー法の場合と同様に同一印
加時間、同一強度である。また、傾斜磁場MPGの印加
タイミングは制限がなく、RFパルスの印加時からデー
タ収集が開始するまでの期間内であれば何時でもよい。
【0038】なお、図示してはいないが、通常のフィー
ルドエコー法のパルスシーケンスにおいても、図11と
同様にMPGを印加した2つのシーケンスから位相差を
反映したパラメータを測定することも可能である。
【0039】本発明は上述した実施例に限定されず、種
々変形して実施可能である。例えば、MPGはリード方
向の軸にのみ印加したが、MPGは流れの方向に沿った
軸に印加すればよく、必ずしもリード軸に限定されな
い。さらに、1軸方向のみではなく、2軸、3軸に印加
してもよい。また、イメージング法も上述した方法に限
定されず、他の方法を用いてもよい。さらに、位相差を
反映したパラメータをイメージングする具体例も上述の
例に限定されず、適宜変更してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、I
VCMモデルを使ってパーフュージョンを高感度に測定
できる磁気共鳴イメージング装置が提供される。さら
に、本発明によれば、渦電流の寄与が少なく精度が向上
した磁気共鳴イメージング装置が提供される。また、本
発明によれば、IVCMモデルのパラメータに加えてI
VIMモデルのパラメータをも求めることができる磁気
共鳴イメージング装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気共鳴イメージング装置の第1
実施例のパルスシーケンスを示す図。
【図2】第1実施例のスピンの動きを模式的に示す図。
【図3】第1実施例の構成を示すブロック図。
【図4】第1実施例の動作を示すフローチャート。
【図5】第1実施例の2つのシーケンスにおける位相シ
フトを説明する図。
【図6】第1実施例の変形例のパルスシーケンスを示す
図。
【図7】第1実施例の他の変形例のパルスシーケンスを
示す図。
【図8】本発明の第2実施例のパルスシーケンスを示す
図。
【図9】第2実施例の3つのシーケンスにおける位相シ
フトを説明する図。
【図10】本発明の第3実施例のパルスシーケンスを示
す図。
【図11】本発明の第4実施例のパルスシーケンスを示
す図。
【図12】血流イメージングのためのIVCMモデルと
IVIMモデルを説明する図。
【図13】従来のパーフュージョンイメージングのため
のパルスシーケンスを示す図。
【符号の説明】
1…静磁場磁石、2…X軸、Y軸、Z軸傾斜磁場コイ
ル、3…送受信コイル、4…静磁場制御装置、5…受信
器、6…送信器、7…X軸傾斜磁場電源、8…Y軸傾斜
磁場電源、9…Z軸傾斜磁場電源、10…シーケンサ、
11…コンピュータシステム、12…表示部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スピンエコー法のパルスシーケンスを実
    行する磁気共鳴イメージング装置において、 X軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つの軸に一定強度の傾
    斜磁場を180°パルスのタイミングの前後に対称的に
    印加する第1のパルスシーケンスと、前記少なくとも1
    軸に前記傾斜磁場を逆極性で印加する第2のパルスシー
    ケンスとを実行する手段と、 前記第1、第2のパルスシーケンスで収集された磁気共
    鳴信号から位相差を反映した第1のパラメータを検出す
    る手段と、 前記第1のパラメータに基づいてボクセル内のコヒーレ
    ントな動きをイメージングする手段とを備え、 前記パルスシーケンス実行手段は、前記傾斜磁場を周波
    数エンコード方向のリード軸に加える時は、イメージン
    グ用のリード傾斜磁場の極性を前記一定強度の傾斜磁場
    と同極性になるように前記第1、第2のパルスシーケン
    スにおいて反転することを特徴とする 磁気共鳴イメージ
    ング装置。
  2. 【請求項2】 スピンエコー法のパルスシーケンスを実
    行する磁気共鳴イメージング装置において、 X軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つの軸に一定強度の傾
    斜磁場を180°パルスのタイミングの前後に対称的に
    印加する第1のパルスシーケンスと、前記少なくとも1
    つの軸に前記傾斜磁場を逆極性で印加する第2のパルス
    シーケンスと、前記傾斜磁場を印加しない第3のパルス
    シーケンスを実行する手段と、 前記第1、第2のパルスシーケンスで収集された磁気共
    鳴信号から位相差を反映した第1のパラメータを検出す
    る手段と、 前記第1または第2のパルスシーケンスと前記第3のパ
    ルスシーケンスで収集された磁気共鳴信号から振幅差を
    反映した第2のパラメータを検出する手段と、 前記第1のパラメータに基づいてボクセル内のコヒーレ
    ントな動きをイメージングする手段と、 前記第2のパラメータに基づいてボクセル内のインコヒ
    ーレントな動きをイメージングする手段とを備えること
    を特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 【請求項3】 スピンエコー法のパルスシーケンスを実
    行する磁気共鳴イメージング装置において、 X軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つの軸に一定強度の傾
    斜磁場を180°パルスのタイミングの前後に対称的に
    印加する第1のパルスシーケンスと、前記少なくとも1
    つの軸に前記傾斜磁場を逆極性で印加する第2のパルス
    シーケンスとを実行する手段と、 前記第1、第2のパルスシーケンスで収集された磁気共
    鳴信号から位相差を反映した第1のパラメータを検出す
    る手段と、 前記第1のパラメータに基づいてボクセル内のコヒーレ
    ントな動きをイメージングする手段とを備え、 前記パルスシーケンス実行手段は、イメージング用の傾
    斜磁場が少なくとも1次のフローリフェーズのための傾
    斜磁場を含むことを特徴とする磁気共鳴イメージング装
    置。
  4. 【請求項4】 フィールドエコー法のパルスシーケンス
    を実行する磁気共鳴イメージング装置において、 X軸、Y軸、Z軸の少なくとも1つの軸に一定強度の傾
    斜磁場を正方向と負方向とに対称的に印加する第1のパ
    ルスシーケンスと、前記第1パルスシーケンスと同一強
    度で極性が反転した傾斜磁場を前記少なくとも1つの
    に印加する第2のパルスシーケンスを実行する手段と、 前記第1、第2のパルスシーケンスで収集された磁気共
    鳴信号から位相差を反映したパラメータを検出する手段
    とを具備し、 前記パラメータに基づいてボクセル内のコヒーレントな
    動きをイメージングする磁気共鳴イメージング装置。
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