JP3142374B2 - 変性ポリビニルアルコ−ルを用いたポリマ−エマルジョン混入セメントの水中養生硬化方法 - Google Patents
変性ポリビニルアルコ−ルを用いたポリマ−エマルジョン混入セメントの水中養生硬化方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変性ポリビニルアルコ−
ルを用いたポリマ−エマルジョン混入セメントの水中養
生硬化方法に関する。さらに詳しくは特に施工後直ちに
水中に没するような海洋或いは水利関連のコンクリ−ト
構造物の補修用セメント硬化物として有用なポリマ−エ
マルジョン混入セメントの水中養生硬化方法に関する。
ルを用いたポリマ−エマルジョン混入セメントの水中養
生硬化方法に関する。さらに詳しくは特に施工後直ちに
水中に没するような海洋或いは水利関連のコンクリ−ト
構造物の補修用セメント硬化物として有用なポリマ−エ
マルジョン混入セメントの水中養生硬化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、通常のセメント混入用のポリマ−
エマルジョンを混入したセメント(モルタル,コンクリ
−ト)は混練後直ちに水中養生を行い硬化させると、ポ
リマ−粒子はセメント硬化体中で十分に融着しないか
ら、強度発現が悪く、ポリマ−の混入効果が出ない。従
って、ポリマ−混入セメントを水中養生を行うには、ま
ず気乾養生ないしは湿空養生を行ってポリマ−粒子の融
着フィルム化を或る程度進行させ、そして、水中養生を
行ってセメント水和反応をさらに進行させる。そして、
最後に気乾養生を行ってポリマ−の融着、フィルム化を
完結させて、強度を発現させる。このようなポリマ−混
入セメントにとって好ましい養生条件は例えばJIS
A6203に標準的養生条件としてとりあげられてい
る。従来技術の問題点として、さらにポリマ−エマルジ
ョン混入セメントの吸水湿潤時の諸強度が、気乾状態に
比べて著しく低いということがある。従って、主たる養
生条件が水中になる場合や、常時に水中に没するような
箇所へポリマ−混入セメント(モルタル,コンクリ−
ト)を応用することは不適当とされている。
エマルジョンを混入したセメント(モルタル,コンクリ
−ト)は混練後直ちに水中養生を行い硬化させると、ポ
リマ−粒子はセメント硬化体中で十分に融着しないか
ら、強度発現が悪く、ポリマ−の混入効果が出ない。従
って、ポリマ−混入セメントを水中養生を行うには、ま
ず気乾養生ないしは湿空養生を行ってポリマ−粒子の融
着フィルム化を或る程度進行させ、そして、水中養生を
行ってセメント水和反応をさらに進行させる。そして、
最後に気乾養生を行ってポリマ−の融着、フィルム化を
完結させて、強度を発現させる。このようなポリマ−混
入セメントにとって好ましい養生条件は例えばJIS
A6203に標準的養生条件としてとりあげられてい
る。従来技術の問題点として、さらにポリマ−エマルジ
ョン混入セメントの吸水湿潤時の諸強度が、気乾状態に
比べて著しく低いということがある。従って、主たる養
生条件が水中になる場合や、常時に水中に没するような
箇所へポリマ−混入セメント(モルタル,コンクリ−
ト)を応用することは不適当とされている。
【0003】以上の従来技術の欠点の原因は次のような
理由によるものである。従来のセメント混和用ポリマ−
エマルジョンはセメントとの混和安定性を得るために、
余剰の界面活性剤を含んでおり、そのために気乾状態で
はポリマ−粒子が硬化体中でセメントや骨材などと強固
に融着結合して良好な強度を発揮していても一旦水が進
入すると、その結合力は界面活性剤などの親水性成分に
より弱められ強度低下をきたす。また、ポリマ−の組成
の面からみると、従来のポリマ−は気乾状態ではセメン
トや骨材などと強固に融着結合していても、水の存在下
ではポリマ−自身が吸水膨潤して結合力が大幅に低下す
るという欠点がある。上述の欠点の改良策としては、セ
メント減水剤とポリマ−エマルジョンを併用して水/セ
メント比を小さくして強化する方法、ポリマ−の融着結
合力を高めるため、そして水に対する抵抗力を高める為
に高いガラス転移温度のポリマ−を混入し、なおかつ養
生に際し、水蒸気養生によりポリマ−のガラス転移温度
以上の温度に加熱して硬化させる方法(特開昭52−6
2332号)がとられている。しかし、この方法でも硬
化後に水中養生を行えば諸強度が大幅に低下することは
避けられないという欠点がある。そこで、ポリマ−エマ
ルジョンに含まれる界面活性剤の含有量をでき得る限り
減らす工夫が行われていて、例えばアクリル酸やメタク
リル酸等の共重合割合を増やす方法がとられている。こ
の方法では、少量の界面活性剤でポリマ−粒子のセメン
ト混和安定性を維持でき、しかも気乾状態での強度の発
現は良好である。しかし、水に長期間浸漬すると、ポリ
マ−粒子の結合力は官能基の親水性により弱められ水浸
漬時の強度が著しく低下するという欠点が残っている。
理由によるものである。従来のセメント混和用ポリマ−
エマルジョンはセメントとの混和安定性を得るために、
余剰の界面活性剤を含んでおり、そのために気乾状態で
はポリマ−粒子が硬化体中でセメントや骨材などと強固
に融着結合して良好な強度を発揮していても一旦水が進
入すると、その結合力は界面活性剤などの親水性成分に
より弱められ強度低下をきたす。また、ポリマ−の組成
の面からみると、従来のポリマ−は気乾状態ではセメン
トや骨材などと強固に融着結合していても、水の存在下
ではポリマ−自身が吸水膨潤して結合力が大幅に低下す
るという欠点がある。上述の欠点の改良策としては、セ
メント減水剤とポリマ−エマルジョンを併用して水/セ
メント比を小さくして強化する方法、ポリマ−の融着結
合力を高めるため、そして水に対する抵抗力を高める為
に高いガラス転移温度のポリマ−を混入し、なおかつ養
生に際し、水蒸気養生によりポリマ−のガラス転移温度
以上の温度に加熱して硬化させる方法(特開昭52−6
2332号)がとられている。しかし、この方法でも硬
化後に水中養生を行えば諸強度が大幅に低下することは
避けられないという欠点がある。そこで、ポリマ−エマ
ルジョンに含まれる界面活性剤の含有量をでき得る限り
減らす工夫が行われていて、例えばアクリル酸やメタク
リル酸等の共重合割合を増やす方法がとられている。こ
の方法では、少量の界面活性剤でポリマ−粒子のセメン
ト混和安定性を維持でき、しかも気乾状態での強度の発
現は良好である。しかし、水に長期間浸漬すると、ポリ
マ−粒子の結合力は官能基の親水性により弱められ水浸
漬時の強度が著しく低下するという欠点が残っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本来、ポリマ−を混入
しない通常のセメント(モルタル,コンクリ−ト)は養
生初期より水中養生を行うことにより十分に強度が発現
する。一方、従来のポリマ−エマルジョン混入セメント
(モルタル,コンクリ−ト)は前述したように、混練直
後より水中養生を行うことは不適当である。水中養生を
行う場合にはその養生工程の中に必ず気乾養生、或いは
湿空養生の工程を組み入れなければならない。また、従
来のポリマ−混入セメント(モルタル,コンクリ−ト)
を適当な養生条件で十分に強度を発現させたとしても、
気乾状態のときの強度と水中に浸漬漬し湿潤させた時の
強度の差がきわめて大きい。従って、従来のポリマ−エ
マルジョン混入セメントを常時、水や海水に漬けるよう
な水利構造物、海洋構造物等に利用しても十分な効果が
得られないという欠点がある。
しない通常のセメント(モルタル,コンクリ−ト)は養
生初期より水中養生を行うことにより十分に強度が発現
する。一方、従来のポリマ−エマルジョン混入セメント
(モルタル,コンクリ−ト)は前述したように、混練直
後より水中養生を行うことは不適当である。水中養生を
行う場合にはその養生工程の中に必ず気乾養生、或いは
湿空養生の工程を組み入れなければならない。また、従
来のポリマ−混入セメント(モルタル,コンクリ−ト)
を適当な養生条件で十分に強度を発現させたとしても、
気乾状態のときの強度と水中に浸漬漬し湿潤させた時の
強度の差がきわめて大きい。従って、従来のポリマ−エ
マルジョン混入セメントを常時、水や海水に漬けるよう
な水利構造物、海洋構造物等に利用しても十分な効果が
得られないという欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン系又
はメチルメタアクリレ−ト系モノマ−20〜99.5重
量%と、アクリル酸アルキルエステル系モノマ−80重
量%以下と、エチレン性不飽和カルボン酸0.3〜6重
量%と、シラン含有ビニル系、シラン含有メタクリル系
またはシラン含有アクリル系モノマ−0.2〜5重量%
からなる単量体混合物を、変性ポリビニルアルコ−ルを
全モノマ−に対し1〜10%、並びに必要量の水の存在
下で重合反応開始剤を添加し乳化重合して得られるポリ
マ−のガラス転移温度が−30〜100℃のポリマ−エ
マルジョンに、メラミン系、ナフタレン系、或いはポリ
カルボン酸系のいずれかより選ばれた減水剤を上記ポリ
マ−に対し1〜10%添加配合したものを、セメントモ
ルタル又はコンクリ−トに3〜50%混入し、50℃以
下の温度範囲で水中養生を行うことを特徴とする変性ポ
リビニ−ルアルコ−ルを用いたポリマ−エマルジョン混
入セメントの水中養生硬化方法をとることにより従来技
術の欠点を解決することができる。スチレン系またはメ
チルメタクリレ−ト系モノマ−のようないわゆる硬質系
モノマ−と、アクリル酸アルキルエステル系モノマ−の
ような軟質系モノマ−に使用するモノマ−の種類と比率
は重合反応により得られるポリマ−のガラス転移温度を
支配するので、目的とするガラス転移温度を調節する為
に適宜選択する。硬質系モノマ−の比率が多くなると高
いガラス転移温度のポリマ−となり、軟質系ポリマ−の
比率が多くなると低いガラス転移温度のポリマ−とな
る。低いガラス転移温度のポリマ−は常時海水が侵入す
るような海洋コンクリ−ト構造物の表面層の補修セメン
ト混和に有用であり、ガラス転移温度は−30℃〜20
℃の範囲のものがよい。一方、高いガラス転移温度のポ
リマ−は断面厚みの大きい現場打設コンクリ−ト建造物
の混和に、或いはコンクリ−ト構造物の成型品を工場で
生産する際の混和に適しており、ガラス転移温度は20
〜100℃の範囲がよい。
はメチルメタアクリレ−ト系モノマ−20〜99.5重
量%と、アクリル酸アルキルエステル系モノマ−80重
量%以下と、エチレン性不飽和カルボン酸0.3〜6重
量%と、シラン含有ビニル系、シラン含有メタクリル系
またはシラン含有アクリル系モノマ−0.2〜5重量%
からなる単量体混合物を、変性ポリビニルアルコ−ルを
全モノマ−に対し1〜10%、並びに必要量の水の存在
下で重合反応開始剤を添加し乳化重合して得られるポリ
マ−のガラス転移温度が−30〜100℃のポリマ−エ
マルジョンに、メラミン系、ナフタレン系、或いはポリ
カルボン酸系のいずれかより選ばれた減水剤を上記ポリ
マ−に対し1〜10%添加配合したものを、セメントモ
ルタル又はコンクリ−トに3〜50%混入し、50℃以
下の温度範囲で水中養生を行うことを特徴とする変性ポ
リビニ−ルアルコ−ルを用いたポリマ−エマルジョン混
入セメントの水中養生硬化方法をとることにより従来技
術の欠点を解決することができる。スチレン系またはメ
チルメタクリレ−ト系モノマ−のようないわゆる硬質系
モノマ−と、アクリル酸アルキルエステル系モノマ−の
ような軟質系モノマ−に使用するモノマ−の種類と比率
は重合反応により得られるポリマ−のガラス転移温度を
支配するので、目的とするガラス転移温度を調節する為
に適宜選択する。硬質系モノマ−の比率が多くなると高
いガラス転移温度のポリマ−となり、軟質系ポリマ−の
比率が多くなると低いガラス転移温度のポリマ−とな
る。低いガラス転移温度のポリマ−は常時海水が侵入す
るような海洋コンクリ−ト構造物の表面層の補修セメン
ト混和に有用であり、ガラス転移温度は−30℃〜20
℃の範囲のものがよい。一方、高いガラス転移温度のポ
リマ−は断面厚みの大きい現場打設コンクリ−ト建造物
の混和に、或いはコンクリ−ト構造物の成型品を工場で
生産する際の混和に適しており、ガラス転移温度は20
〜100℃の範囲がよい。
【0006】以上説明した如く、用途、工法により適当
なポリマ−のガラス転移温度を選択する。なお硬質系モ
ノマ−の一部をメチルスチレンモノマ−,ブチルメタク
リレ−トなどで置き換えて使用することもできる。ま
た、軟質系モノマ−の一部を2エチル・ヘキシルメタク
リレ−トなどで置き換えて使用することもできる。エチ
レン性不飽和カルボン酸モノマ−(COOH系モノマ
−)の代表的なものとしては、アクリル酸、或いはメタ
クリル酸などがある。COOH系モノマ−は、ポリマ−
エマルジョンをセメントに混練する際のポリマ−粒子の
安定性を付与するために共重合する。前にも述べた如
く、酸モノマーの共重合量を必要以上に多くすると水で
湿潤したときの強度低下が大きくなるので好ましくな
い。しかし少な過ぎるとポリマー粒子の安定性を損な
う。適当な共重合量は0.3〜4%である。COOH系
モノマートしては上記2種類のモノマーが最も代表的な
ものであるが、他にクロトン酸,マレイン酸,イタコン
酸なども使用できる。2種類以上のCOOH系モノマー
を混合併用することもできる。なお、COOH系モノマ
ーの一部分をアクリルアミド、或いはメタクリルアミド
にて代替えして使用することも可能である。シラン含有
ビニル系、或いはメタクリル系、或いはアクリル系モノ
マーは水中養生過程でポリマー粒子をセメントや骨材の
表面に強固に結合させる重要な役割を果たす成分であ
る。その共重合量は、多い方が良好な物性のセメント硬
化体が得られる。しかし共重合量を多くするとコストが
著しく上昇すること、ポリマーの重合反応収率が悪くな
ることなどから、余り共重合量を多くするのは得策では
ない。好ましい共重合量は0.3〜3%、さらに好まし
くは0.7〜2%である。シラン含有ビニル系またはシ
ラン含有メタクリル系、或いはシラン含有アクリル系モ
ノマーとしては、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)
シラン,γ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンが有用である。他にビニルトリエトキシシラン等も使
用できる。そのうち好ましいのはビニルトリス( βメト
キシエトキシ) シラン, γ- メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランである。変性ポリビニ−ルアルコ−ル
としては、スルホン化PVA(ポリビニ−ルアルコ−
ル),カルボキシル基変性PVA,チオ−ル基導入PV
Aなどが挙げられるが、部分鹸化あるいは完全鹸化タイ
プどちらも有効に使用できる。それらのうち特に有用な
のはスルホン化PVA,チオ−ル基導入PVAである。
変性ポリビニ−ルアルコ−ルの使用量は、全モノマ−に
対して1〜10%の範囲であるが、水中養生でのセメン
トの硬化を遅延せず、なおかつ水中でのポリマ−粒子の
セメントや骨材との結合を有効に進めるために、その使
用量はでき得る限り少ない方がよい。しかし余り使用量
を抑えるとセメントの混和安定性が悪くなる。したがっ
て好ましい使用量は2〜7%である。なお、2種類以上
の変性ポリビニ−ルアルコ−ルを組み合せて使用するこ
とができるのはいうまでもない。
なポリマ−のガラス転移温度を選択する。なお硬質系モ
ノマ−の一部をメチルスチレンモノマ−,ブチルメタク
リレ−トなどで置き換えて使用することもできる。ま
た、軟質系モノマ−の一部を2エチル・ヘキシルメタク
リレ−トなどで置き換えて使用することもできる。エチ
レン性不飽和カルボン酸モノマ−(COOH系モノマ
−)の代表的なものとしては、アクリル酸、或いはメタ
クリル酸などがある。COOH系モノマ−は、ポリマ−
エマルジョンをセメントに混練する際のポリマ−粒子の
安定性を付与するために共重合する。前にも述べた如
く、酸モノマーの共重合量を必要以上に多くすると水で
湿潤したときの強度低下が大きくなるので好ましくな
い。しかし少な過ぎるとポリマー粒子の安定性を損な
う。適当な共重合量は0.3〜4%である。COOH系
モノマートしては上記2種類のモノマーが最も代表的な
ものであるが、他にクロトン酸,マレイン酸,イタコン
酸なども使用できる。2種類以上のCOOH系モノマー
を混合併用することもできる。なお、COOH系モノマ
ーの一部分をアクリルアミド、或いはメタクリルアミド
にて代替えして使用することも可能である。シラン含有
ビニル系、或いはメタクリル系、或いはアクリル系モノ
マーは水中養生過程でポリマー粒子をセメントや骨材の
表面に強固に結合させる重要な役割を果たす成分であ
る。その共重合量は、多い方が良好な物性のセメント硬
化体が得られる。しかし共重合量を多くするとコストが
著しく上昇すること、ポリマーの重合反応収率が悪くな
ることなどから、余り共重合量を多くするのは得策では
ない。好ましい共重合量は0.3〜3%、さらに好まし
くは0.7〜2%である。シラン含有ビニル系またはシ
ラン含有メタクリル系、或いはシラン含有アクリル系モ
ノマーとしては、ビニルトリス(βメトキシエトキシ)
シラン,γ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンが有用である。他にビニルトリエトキシシラン等も使
用できる。そのうち好ましいのはビニルトリス( βメト
キシエトキシ) シラン, γ- メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランである。変性ポリビニ−ルアルコ−ル
としては、スルホン化PVA(ポリビニ−ルアルコ−
ル),カルボキシル基変性PVA,チオ−ル基導入PV
Aなどが挙げられるが、部分鹸化あるいは完全鹸化タイ
プどちらも有効に使用できる。それらのうち特に有用な
のはスルホン化PVA,チオ−ル基導入PVAである。
変性ポリビニ−ルアルコ−ルの使用量は、全モノマ−に
対して1〜10%の範囲であるが、水中養生でのセメン
トの硬化を遅延せず、なおかつ水中でのポリマ−粒子の
セメントや骨材との結合を有効に進めるために、その使
用量はでき得る限り少ない方がよい。しかし余り使用量
を抑えるとセメントの混和安定性が悪くなる。したがっ
て好ましい使用量は2〜7%である。なお、2種類以上
の変性ポリビニ−ルアルコ−ルを組み合せて使用するこ
とができるのはいうまでもない。
【0007】乳化重合反応は前記、特定のモノマー組成
よりなる混合モノマーを滴下ロートに入れ、反応槽のフ
ラスコには必要量の水及び特定の変性ポリビニルアルコ
−ルの特定量を仕込み、更に重合触媒として過酸化物の
塩、例えば過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム,過硫
酸ナトリウム等をモノマーに対して0.1〜1%の割合
で添加してから、反応槽の温度を50〜80℃に加熱
し、一定温度に保持しながら、滴下ロートより混合モノ
マーを2〜5時間にわたって一定の滴下速度で反応槽に
加えて重合反応を行う。モノマーの滴下終了後も同反応
温度を1〜2時間保持すると、特定のガラス転移温度を
もったポリマーエマルジョンが得られる。以上の乳化重
合反応条件はごく一般的に工業的に行われているもので
あり、本発明の実施に当たって特別に必要な条件はな
い。乳化重合反応後は得られた特定のポリマーエマルジ
ョンのPHをアンモニア水や苛性ソーダなどで調整し、
50〜150メッシュの濾過布で濾過して、本発明のポ
リマーエマルジョンを得る。ポリマーエマルジョンとし
ては、固形分=30〜60%,粘度=30〜10000
cps,PH=5〜9ポリマーの粒子径0.1〜0.5
μmのものが得られる。なお、得られたポリマーエマル
ジョンのセメント混和安定性を補うために重合反応後に
ノニオン性界面活性剤、例えばノニルフェノールのエチ
レンオキシド付加物をポリマー固形分に対して0〜2%
の範囲内で追加してもよい。
よりなる混合モノマーを滴下ロートに入れ、反応槽のフ
ラスコには必要量の水及び特定の変性ポリビニルアルコ
−ルの特定量を仕込み、更に重合触媒として過酸化物の
塩、例えば過硫酸カリウム,過硫酸アンモニウム,過硫
酸ナトリウム等をモノマーに対して0.1〜1%の割合
で添加してから、反応槽の温度を50〜80℃に加熱
し、一定温度に保持しながら、滴下ロートより混合モノ
マーを2〜5時間にわたって一定の滴下速度で反応槽に
加えて重合反応を行う。モノマーの滴下終了後も同反応
温度を1〜2時間保持すると、特定のガラス転移温度を
もったポリマーエマルジョンが得られる。以上の乳化重
合反応条件はごく一般的に工業的に行われているもので
あり、本発明の実施に当たって特別に必要な条件はな
い。乳化重合反応後は得られた特定のポリマーエマルジ
ョンのPHをアンモニア水や苛性ソーダなどで調整し、
50〜150メッシュの濾過布で濾過して、本発明のポ
リマーエマルジョンを得る。ポリマーエマルジョンとし
ては、固形分=30〜60%,粘度=30〜10000
cps,PH=5〜9ポリマーの粒子径0.1〜0.5
μmのものが得られる。なお、得られたポリマーエマル
ジョンのセメント混和安定性を補うために重合反応後に
ノニオン性界面活性剤、例えばノニルフェノールのエチ
レンオキシド付加物をポリマー固形分に対して0〜2%
の範囲内で追加してもよい。
【0008】次に、重合反応により得られたガラス転移
温度がー30℃〜100℃のポリマーエマルジョンに配
合するセメント減水剤としては、メラミンとホルマリン
との反応初期縮合物をスルホン化しアルカリ塩にしたメ
ラミン系減水剤,ナフタレンとホルマリンとの反応初期
縮合物をスルホン化しアルカリ塩にしたナフタレン系減
水剤、或いはポリカルボン酸系の高性能減水剤が好まし
い。減水剤の配合量はポリマ−固形分に対して1〜10
%がよい。好ましくは3〜7%である。2種類以上の減
水剤を併用してもよい。通常、セメント減水剤は濃度2
0〜50%の水溶液の型で供給され、ポリマ−エマルジ
ョンへの配合は、ポリマ−エマルジョンを攪拌しなが
ら、減水剤をそのまま添加してもよい。減水剤をポリマ
ーエマルジョンに予め配合しておくことにより、ポリマ
ーエマルジョンのセメント混和安定性が飛躍的に向上す
るのも本発明の特長である。おそらく、減水剤分子の一
部はポリマー粒子表面に吸着して、セメントとの混練時
のポリマー粒子の機械的,化学的な安定性を保持させて
いるものと推察される。勿論減水剤未添加の本発明のポ
リマーエマルジョンをセメントに混練するに際し、予め
減水剤をポリマーエマルジョンに添加せずに、セメント
にポリマーエマルジョンを混入する際に別に減水剤を添
加して本発明の目的とする硬化物を得ることができるの
はいうまでもない。かくしてでき上がった本発明の特定
のポリマーエマルジョンのセメントへの混入量である
が、固形分でセメントに対して3〜50%が適当であ
る。3%未満ではポリマーの混入効果がなく、50%以
上ではポリマー分が多くなり過ぎて大きい強度が得られ
難くなる。最も適当な混入量は5〜15%である。
温度がー30℃〜100℃のポリマーエマルジョンに配
合するセメント減水剤としては、メラミンとホルマリン
との反応初期縮合物をスルホン化しアルカリ塩にしたメ
ラミン系減水剤,ナフタレンとホルマリンとの反応初期
縮合物をスルホン化しアルカリ塩にしたナフタレン系減
水剤、或いはポリカルボン酸系の高性能減水剤が好まし
い。減水剤の配合量はポリマ−固形分に対して1〜10
%がよい。好ましくは3〜7%である。2種類以上の減
水剤を併用してもよい。通常、セメント減水剤は濃度2
0〜50%の水溶液の型で供給され、ポリマ−エマルジ
ョンへの配合は、ポリマ−エマルジョンを攪拌しなが
ら、減水剤をそのまま添加してもよい。減水剤をポリマ
ーエマルジョンに予め配合しておくことにより、ポリマ
ーエマルジョンのセメント混和安定性が飛躍的に向上す
るのも本発明の特長である。おそらく、減水剤分子の一
部はポリマー粒子表面に吸着して、セメントとの混練時
のポリマー粒子の機械的,化学的な安定性を保持させて
いるものと推察される。勿論減水剤未添加の本発明のポ
リマーエマルジョンをセメントに混練するに際し、予め
減水剤をポリマーエマルジョンに添加せずに、セメント
にポリマーエマルジョンを混入する際に別に減水剤を添
加して本発明の目的とする硬化物を得ることができるの
はいうまでもない。かくしてでき上がった本発明の特定
のポリマーエマルジョンのセメントへの混入量である
が、固形分でセメントに対して3〜50%が適当であ
る。3%未満ではポリマーの混入効果がなく、50%以
上ではポリマー分が多くなり過ぎて大きい強度が得られ
難くなる。最も適当な混入量は5〜15%である。
【0009】セメントは、一般にはポルトランドセメン
トが多く使用されるが、早強セメント,アルミナセメン
ト,ジェットセメントなども使用することができる。骨
材としては、通常のモルタルやコンクリートに使用され
る骨材は全て使用できる。セメントと骨材の比率は通常
のモルタルやコンクリートに使用される比率と同等に使
用できる。混練水量は、通常はモルタルやコンクリ−ト
の施工目的に応じて適度な作業性になるような量が加え
られるが、本発明の方法では使用水量は著しく少なくて
も済むようになる。消泡剤は必要に応じて、予めポリマ
ーエマルジョンに配合しておいてもよいが、特定のポリ
マーエマルジョンをセメントに混練する際に別途計量し
て添加配合してもよい。消泡剤の添加はモルタルやコン
クリートの空気量の大小を調節するうえで重要であり、
高強度硬化物を得ようとする場合には空気量は少なくな
るよう有効な消泡剤を選択する必要がある。市販されて
いるセメント混和用消泡剤はほとんど使用することがで
きるが、水系エマルジョンタイプの消泡剤を本発明の特
定のポリマ−に対して0.2〜1%使用するのが好まし
い。水中養生条件であるが、本発明のポリマ−混入セメ
ントは混練直後、直ちに水中養生を行ってもよく、強度
は十分に発現する。あるいは水中養生を行う前に0〜1
2時間の湿空養生を行ってもよい。また水中養生期間中
に湿空養生、或いは気乾養生を適宜組み入れた養生条件
としてもよい。いずれにしても水中養生を主体とした養
生条件で十分に強度が発現するのが本発明の特長であ
る。かくして得られた本発明のセメント硬化物は水で湿
った状態でもきわめて高い曲げ,圧縮強度が発現する。
また若材令でも大きい強度が期待できる。また、本発明
の方法によれば打ち継ぎにも応用が可能であり、水中に
没したセメント系の被着体に本発明の特定のポリマー混
入セメントを打ち継いで、強固な接着を行うことも可能
である。なお、本発明の湿潤状態のセメント硬化体を気
乾状態に置くと、曲げ,圧縮及び接着強度はさらに一段
と上昇することはいうまでもない。水中養生を行う際の
温度であるが、0〜50℃の範囲内であれば、本発明の
ポリマー混入セメントを混練後、直ちに水中に浸漬して
水中養生を行ってもよい。
トが多く使用されるが、早強セメント,アルミナセメン
ト,ジェットセメントなども使用することができる。骨
材としては、通常のモルタルやコンクリートに使用され
る骨材は全て使用できる。セメントと骨材の比率は通常
のモルタルやコンクリートに使用される比率と同等に使
用できる。混練水量は、通常はモルタルやコンクリ−ト
の施工目的に応じて適度な作業性になるような量が加え
られるが、本発明の方法では使用水量は著しく少なくて
も済むようになる。消泡剤は必要に応じて、予めポリマ
ーエマルジョンに配合しておいてもよいが、特定のポリ
マーエマルジョンをセメントに混練する際に別途計量し
て添加配合してもよい。消泡剤の添加はモルタルやコン
クリートの空気量の大小を調節するうえで重要であり、
高強度硬化物を得ようとする場合には空気量は少なくな
るよう有効な消泡剤を選択する必要がある。市販されて
いるセメント混和用消泡剤はほとんど使用することがで
きるが、水系エマルジョンタイプの消泡剤を本発明の特
定のポリマ−に対して0.2〜1%使用するのが好まし
い。水中養生条件であるが、本発明のポリマ−混入セメ
ントは混練直後、直ちに水中養生を行ってもよく、強度
は十分に発現する。あるいは水中養生を行う前に0〜1
2時間の湿空養生を行ってもよい。また水中養生期間中
に湿空養生、或いは気乾養生を適宜組み入れた養生条件
としてもよい。いずれにしても水中養生を主体とした養
生条件で十分に強度が発現するのが本発明の特長であ
る。かくして得られた本発明のセメント硬化物は水で湿
った状態でもきわめて高い曲げ,圧縮強度が発現する。
また若材令でも大きい強度が期待できる。また、本発明
の方法によれば打ち継ぎにも応用が可能であり、水中に
没したセメント系の被着体に本発明の特定のポリマー混
入セメントを打ち継いで、強固な接着を行うことも可能
である。なお、本発明の湿潤状態のセメント硬化体を気
乾状態に置くと、曲げ,圧縮及び接着強度はさらに一段
と上昇することはいうまでもない。水中養生を行う際の
温度であるが、0〜50℃の範囲内であれば、本発明の
ポリマー混入セメントを混練後、直ちに水中に浸漬して
水中養生を行ってもよい。
【0010】
【作用】従来、ポリマ−エマルジョン混入セメントを水
中養生硬化させることは不適当とされており、その場合
には一旦気乾養生或いは湿空養生等を行って造膜させた
後に行うか、或いは少なくともガラス転移温度が55℃
以上での蒸気養生等を余儀なくされているが、本発明の
方法では、変性ポリビニルアルコ−ルの採択及び含有量
に臨界性があり、ポリマ−エマルジョン中の界面活性剤
を無くすることにより特徴のある硬化性を発現させる。
また、本発明の水中養生硬化方法の詳細な機構は定かで
ないが、シラン含有ビニル系、シラン含有メタクリル系
或いはシラン含有アクリル系モノマ−の共重合によりセ
メント或いは骨材との結合力が高められ、さらに高ガラ
ス転移温度のポリマ−の混入並びに減水剤の併用により
混練水量を減らし、このような組合せによってこれらの
総和以上の相乗効果を発揮するように働くものと推察さ
れる。
中養生硬化させることは不適当とされており、その場合
には一旦気乾養生或いは湿空養生等を行って造膜させた
後に行うか、或いは少なくともガラス転移温度が55℃
以上での蒸気養生等を余儀なくされているが、本発明の
方法では、変性ポリビニルアルコ−ルの採択及び含有量
に臨界性があり、ポリマ−エマルジョン中の界面活性剤
を無くすることにより特徴のある硬化性を発現させる。
また、本発明の水中養生硬化方法の詳細な機構は定かで
ないが、シラン含有ビニル系、シラン含有メタクリル系
或いはシラン含有アクリル系モノマ−の共重合によりセ
メント或いは骨材との結合力が高められ、さらに高ガラ
ス転移温度のポリマ−の混入並びに減水剤の併用により
混練水量を減らし、このような組合せによってこれらの
総和以上の相乗効果を発揮するように働くものと推察さ
れる。
【0011】
【発明の効果】本発明のポリマー混入セメントの水中養
生硬化方法は、まずポリマーは特定のガラス転移温度及
び極性をもつように特定のモノマー組成から構成され、
重合反応に使用する保護コロイド材は、スルホン化ポリ
ビニルアルコ−ル、カルボキシル基変性ポリビニルアル
コ−ル、およびチオ−ル基導入ポリビニルアルコ−ルか
ら選ばれた少なくとも1種の変性ポリビニルアルコ−ル
で、かつその特定量を使用して乳化重合反応を行って、
特定のガラス転移温度を持つポリマ−エマルジョンを得
て、さらに特定のセメント用減水剤を特定量添加したポ
リマ−エマルジョンの特定量をセメントに混入し、特定
の養生方法を行うものである。これによって、特定のガ
ラス転移温度及び極性をもつポリマーが水中養生下でも
気乾養生条件下と同様な作用でセメント或いは骨材の表
面に強固に結合し、また特定の保護コロイド剤の使用に
よりポリマーとセメント、或いは骨材との結合を補助
し、かつ水中養生下での水による湿潤状態での強度低下
を防ぐ。セメント減水剤の共存により、セメントの混練
時のポリマ−粒子の機械的、化学的安定性を向上させ、
かつ水/セメント比を低下させて高強度の発現の一翼を
分担する。かくして本発明のポリマー混入セメントの水
中養生硬化物は水で湿った状態でも大きい曲げ、圧縮強
度を発現し、従来のポリマーセメントでは得られなかっ
た高強度硬化物が得られる。したがってコンクリート構
造物の躯体として利用することが可能であるのみなら
ず、水中コンクリート構造物の欠損部の補修材としても
利用することができ、強固な接着性能を発揮する。また
ポリマーを混入しているので、防水性に優れ、種々の薬
品の浸透をも抑制するので、耐薬品保護材としても使用
することができる。
生硬化方法は、まずポリマーは特定のガラス転移温度及
び極性をもつように特定のモノマー組成から構成され、
重合反応に使用する保護コロイド材は、スルホン化ポリ
ビニルアルコ−ル、カルボキシル基変性ポリビニルアル
コ−ル、およびチオ−ル基導入ポリビニルアルコ−ルか
ら選ばれた少なくとも1種の変性ポリビニルアルコ−ル
で、かつその特定量を使用して乳化重合反応を行って、
特定のガラス転移温度を持つポリマ−エマルジョンを得
て、さらに特定のセメント用減水剤を特定量添加したポ
リマ−エマルジョンの特定量をセメントに混入し、特定
の養生方法を行うものである。これによって、特定のガ
ラス転移温度及び極性をもつポリマーが水中養生下でも
気乾養生条件下と同様な作用でセメント或いは骨材の表
面に強固に結合し、また特定の保護コロイド剤の使用に
よりポリマーとセメント、或いは骨材との結合を補助
し、かつ水中養生下での水による湿潤状態での強度低下
を防ぐ。セメント減水剤の共存により、セメントの混練
時のポリマ−粒子の機械的、化学的安定性を向上させ、
かつ水/セメント比を低下させて高強度の発現の一翼を
分担する。かくして本発明のポリマー混入セメントの水
中養生硬化物は水で湿った状態でも大きい曲げ、圧縮強
度を発現し、従来のポリマーセメントでは得られなかっ
た高強度硬化物が得られる。したがってコンクリート構
造物の躯体として利用することが可能であるのみなら
ず、水中コンクリート構造物の欠損部の補修材としても
利用することができ、強固な接着性能を発揮する。また
ポリマーを混入しているので、防水性に優れ、種々の薬
品の浸透をも抑制するので、耐薬品保護材としても使用
することができる。
【0012】
【実施例】以下実施例中の配合部数は重量部で表す。 実施例1 スチレン 44部 メチルメタアクリレ−ト 10 2・エチルヘキシルアクリレ−ト 40 メタアクリル酸 5 ビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン 1 (日本ユニカ−,シランカップリング剤 A172) 上記のモノマ−混合物を重合反応装置の滴下ロートに仕
込み、下記ポリビニルアルコール水容液を同重合反応装
置のフラスコに仕込み、フラスコを80℃一定に加熱
し、モノマー混合物を4時間にわたって徐々に滴下し、
さらに80℃を1時間保持して反応を完結させた。その
後冷却してからアンモニア水を少量添加してPHを8に
調整してベ−スエマルジョン(b)を得た。 フラスコ仕込み: 部分鹸化スルホン化ポリビニルアルコ−ル 4 水 100 過硫酸アンモニウム 0.5 得られたベ−スエマルジョン(b)は、濃度45%,ポ
リマ−のガラス転移温度約20℃,PH8であった。こ
のベ−スエマルジョンに下記の割合でナフタレン系減水
剤を添加し、配合エマルジョンBを得た。 配合エマルジョン B: ベ−スエマルジョン(b) 100部(固形分 45 ) 44%ナフタレン系減水剤 8 ( 〃 3.5) (花王,マイティ150) 合計 108 48.5 濃度 44.9% 次に、普通ポルトランドセメント,市販山砂(水分0.
5%,FM値2.7)を用い、配合エマルジョンBを混
入したモルタルを4×4×16cm型枠に充填し、直ち
に20℃水中養生を開始して28日迄行い、湿潤状態の
まま曲げ強度、圧縮強度を測定した。モルタルの配合及
び強度測定デ−タを表1に示す。
込み、下記ポリビニルアルコール水容液を同重合反応装
置のフラスコに仕込み、フラスコを80℃一定に加熱
し、モノマー混合物を4時間にわたって徐々に滴下し、
さらに80℃を1時間保持して反応を完結させた。その
後冷却してからアンモニア水を少量添加してPHを8に
調整してベ−スエマルジョン(b)を得た。 フラスコ仕込み: 部分鹸化スルホン化ポリビニルアルコ−ル 4 水 100 過硫酸アンモニウム 0.5 得られたベ−スエマルジョン(b)は、濃度45%,ポ
リマ−のガラス転移温度約20℃,PH8であった。こ
のベ−スエマルジョンに下記の割合でナフタレン系減水
剤を添加し、配合エマルジョンBを得た。 配合エマルジョン B: ベ−スエマルジョン(b) 100部(固形分 45 ) 44%ナフタレン系減水剤 8 ( 〃 3.5) (花王,マイティ150) 合計 108 48.5 濃度 44.9% 次に、普通ポルトランドセメント,市販山砂(水分0.
5%,FM値2.7)を用い、配合エマルジョンBを混
入したモルタルを4×4×16cm型枠に充填し、直ち
に20℃水中養生を開始して28日迄行い、湿潤状態の
まま曲げ強度、圧縮強度を測定した。モルタルの配合及
び強度測定デ−タを表1に示す。
【0013】
【表1】
【0014】比較用ポリマーeは市販のガラス転移温度
が20℃の耐水性の優れたスチレン・アクリル系のポリ
マーエマルジョンでセメント混和剤として十分使用でき
るものである。表1のNo.1〜3は水/セメント比5
0%一定で比較したもので、No.4〜6はフロ−値を
160〜170に合わせて比較したものである。No.
1,4は無混入モルタルであるが、No.1はフロー値
が小さすぎて実際の施工には適さない。しかし、水/セ
メント比が小さいので強度は比較的よく発現している。
水セメント比を大きくして施工に適するようにしたのが
No.4であるが、フロー値は大きくなるが強度は低下
する。No.2,5は本発明の方法により養生硬化させ
たものであるが、No.2は無混入モルタルと水セメン
ト比が同一であるにもかかわらず、水中養生で十分な強
度が発現している。No.5は水セメント比を下げてい
るが、水中養生後でも強度は増進している。ポリマ−の
ガラス転移温度を上げれば、さらに強度を上げることが
できる。No.3,6は比較例であるが、水中養生で強
度の発現が小さい。 実施例2 モノマ−混合物: スチレン 16部 メチルメタアクリレ−ト 16 ブチルアクリレ−ト 60 メタアクリル酸 5 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 3 (日本ユニカ−,シランカップリング剤,A174) 上記のモノマ−混合物を、実施例1と同じように滴下ロ
−トに仕込む。下記変性ポリビニ−ルアルコ−ル水溶液
を同重合装置のフラスコに仕込み、フラスコを70℃一
定に加熱し、モノマ−混合物を4時間にわたって徐々に
滴下し、さらに75℃に温度を上げて1時間保持して完
結反応を行った。なお、モノマ−の滴下反応中に4時間
にわたって酸性亜硫酸ナトリウム0.25部を水5部に
溶解した水溶液を徐々に滴下した。反応終了後、冷却し
てから、苛性ソ−ダ水溶液を添加してPHを7に調整し
てベ−スエマルジョン(c)を得た。得られたベ−スエ
マルジョン(c)は、濃度50%,ポリマ−のガラス転
移温度0℃,PH7であった。 フラスコ仕込み: 完全鹸化スルホン化ポリビニルアルコ−ル 3部 部分鹸化スルホン化ポリビニルアルコ−ル 2 水 98 過硫酸アンモニウム 0.5 このベ−スエマルジョン(c)に次記の配合割合で25
%濃度のメラミン系減水剤を添加し、配合エマルジョン
Cを得た。 配合エマルジョン C: ベ−スエマルジョン(c) 100部 (固形分50) 25%メラミン系減水剤 20 ( 〃 5) (昭和電工,メルメント F10) 合計 120 55 濃度 45.8% 次に、早強ポルトランドセメント,市販山砂(水分1
%,FM値2.3),メチルセルロ−ズ粉末(2%水溶
液,粘度6000cps)を用いて、配合エマルジョン
Cを混入した表2に示すモルタルを作り、水中に没した
4×4×16cm型枠〔予め、型枠内の端に4×4×8
cmモルタル(水中養生を行い十分に硬化したもの)を
埋め込んだもの〕内に流し込んで水中で接着を行い、4
×4×16cmの寸法の打ち継ぎ供試体を作り、そのま
ま水中で2週間養生を行った。
が20℃の耐水性の優れたスチレン・アクリル系のポリ
マーエマルジョンでセメント混和剤として十分使用でき
るものである。表1のNo.1〜3は水/セメント比5
0%一定で比較したもので、No.4〜6はフロ−値を
160〜170に合わせて比較したものである。No.
1,4は無混入モルタルであるが、No.1はフロー値
が小さすぎて実際の施工には適さない。しかし、水/セ
メント比が小さいので強度は比較的よく発現している。
水セメント比を大きくして施工に適するようにしたのが
No.4であるが、フロー値は大きくなるが強度は低下
する。No.2,5は本発明の方法により養生硬化させ
たものであるが、No.2は無混入モルタルと水セメン
ト比が同一であるにもかかわらず、水中養生で十分な強
度が発現している。No.5は水セメント比を下げてい
るが、水中養生後でも強度は増進している。ポリマ−の
ガラス転移温度を上げれば、さらに強度を上げることが
できる。No.3,6は比較例であるが、水中養生で強
度の発現が小さい。 実施例2 モノマ−混合物: スチレン 16部 メチルメタアクリレ−ト 16 ブチルアクリレ−ト 60 メタアクリル酸 5 γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 3 (日本ユニカ−,シランカップリング剤,A174) 上記のモノマ−混合物を、実施例1と同じように滴下ロ
−トに仕込む。下記変性ポリビニ−ルアルコ−ル水溶液
を同重合装置のフラスコに仕込み、フラスコを70℃一
定に加熱し、モノマ−混合物を4時間にわたって徐々に
滴下し、さらに75℃に温度を上げて1時間保持して完
結反応を行った。なお、モノマ−の滴下反応中に4時間
にわたって酸性亜硫酸ナトリウム0.25部を水5部に
溶解した水溶液を徐々に滴下した。反応終了後、冷却し
てから、苛性ソ−ダ水溶液を添加してPHを7に調整し
てベ−スエマルジョン(c)を得た。得られたベ−スエ
マルジョン(c)は、濃度50%,ポリマ−のガラス転
移温度0℃,PH7であった。 フラスコ仕込み: 完全鹸化スルホン化ポリビニルアルコ−ル 3部 部分鹸化スルホン化ポリビニルアルコ−ル 2 水 98 過硫酸アンモニウム 0.5 このベ−スエマルジョン(c)に次記の配合割合で25
%濃度のメラミン系減水剤を添加し、配合エマルジョン
Cを得た。 配合エマルジョン C: ベ−スエマルジョン(c) 100部 (固形分50) 25%メラミン系減水剤 20 ( 〃 5) (昭和電工,メルメント F10) 合計 120 55 濃度 45.8% 次に、早強ポルトランドセメント,市販山砂(水分1
%,FM値2.3),メチルセルロ−ズ粉末(2%水溶
液,粘度6000cps)を用いて、配合エマルジョン
Cを混入した表2に示すモルタルを作り、水中に没した
4×4×16cm型枠〔予め、型枠内の端に4×4×8
cmモルタル(水中養生を行い十分に硬化したもの)を
埋め込んだもの〕内に流し込んで水中で接着を行い、4
×4×16cmの寸法の打ち継ぎ供試体を作り、そのま
ま水中で2週間養生を行った。
【0015】
【表2】 その後、水中より取り出して供試体を脱型し、直ちに折
り曲げの方法により接着強度を測定した。図1は、その
方法を示すものであり、図中、1は打ち継ぎモルタル
(4×4×8cm),2は旧モルタル(4×4×8c
m),3は打ち継ぎ接着面であり、折り曲げ接着強度
(kg/平方センチメ−トル)=F(kg)×0.23
4,支点 間距離10cmである。
り曲げの方法により接着強度を測定した。図1は、その
方法を示すものであり、図中、1は打ち継ぎモルタル
(4×4×8cm),2は旧モルタル(4×4×8c
m),3は打ち継ぎ接着面であり、折り曲げ接着強度
(kg/平方センチメ−トル)=F(kg)×0.23
4,支点 間距離10cmである。
【0016】
【図1】
【0017】比較試験ポリマ−エマルジョンとしては市
販のスチレンアクリル系(濃度45%,PH9.0,ポ
リマ−のガラス転移温度0℃)のfを用いている。本発
明の方法による水中での打ち継ぎはNo.2であるが、
きわめて優れた接着強度を発現していることがわかる。 実施例3 モノマ−混合物: メチルメタアクリレ−ト 15部 スチレン 15 2・エチルヘキシルアクリレ−ト 66 アクリル酸 2.5 γ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 1.5 (日本ユニカ−,シランカップリング剤,A174) 上記、モノマ−混合物を実施例1と同じように滴下ロ−
トに仕込む。下記変性ポリビニルアルコ−ル水溶液を同
重合装置のフラスコに仕込み、フラスコを65℃一定に
加熱し、モノマ−混合物を4時間にわたって徐々に滴下
し、さらに温度70℃まで上げて1時間保持して完結反
応を行った。 フラスコ仕込み: チオ−ル基含有完全鹸化型変性ポリビニルアルコ−ル 3.5部 (クラレ,Mポリマ− M115) 部分鹸化スルホン化ポリビニルアルコ−ル 2.5 水 98 過硫酸アンモニウム 1.0 なおモノマ−滴下反応中に4時間にわたって酸性亜硫酸
ナトリウム0.5部を水7部に溶解した水溶液を徐々に
滴下した。反応終了後、冷却してから、苛性ソ−ダ水溶
液を添加してPHを7に調整してベ−スエマルジョン
(d)を得た。得られたベ−スエマルジョン(d)は濃
度50%,PH7,ポリマ−のガラス転移温度−30℃
であった。このベ−スエマルジョン(d)に次記割合で
30%濃度のポリカルボン酸系の減水剤を添加し、配合
エマルジョンDを得た。 配合エマルジョンD: ベ−スエマルジョン(d) 100部(固形分 50 ) 30%ポリカルボン酸系高性能減水剤 5 ( 〃 1.5) (カネボウ・エヌエスシ−,ナ−レックス LD36) 合計 105 ( 〃 51.5) 濃度=49% 次に、ジェットセメント,市販の4号,5号,6号硅砂
を用いて、配合エマルジョンDを混入した表3に示すよ
うな補修用超速硬型のモルタルを作り、予め水中に没し
ておいたコンクリ−ト板表面に3mm厚みに薄く塗り付
け、3日間水中養生を行ってから補修モルタル表面をハ
ンマ−で打撃を加え接着性を評価した。
販のスチレンアクリル系(濃度45%,PH9.0,ポ
リマ−のガラス転移温度0℃)のfを用いている。本発
明の方法による水中での打ち継ぎはNo.2であるが、
きわめて優れた接着強度を発現していることがわかる。 実施例3 モノマ−混合物: メチルメタアクリレ−ト 15部 スチレン 15 2・エチルヘキシルアクリレ−ト 66 アクリル酸 2.5 γ- メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 1.5 (日本ユニカ−,シランカップリング剤,A174) 上記、モノマ−混合物を実施例1と同じように滴下ロ−
トに仕込む。下記変性ポリビニルアルコ−ル水溶液を同
重合装置のフラスコに仕込み、フラスコを65℃一定に
加熱し、モノマ−混合物を4時間にわたって徐々に滴下
し、さらに温度70℃まで上げて1時間保持して完結反
応を行った。 フラスコ仕込み: チオ−ル基含有完全鹸化型変性ポリビニルアルコ−ル 3.5部 (クラレ,Mポリマ− M115) 部分鹸化スルホン化ポリビニルアルコ−ル 2.5 水 98 過硫酸アンモニウム 1.0 なおモノマ−滴下反応中に4時間にわたって酸性亜硫酸
ナトリウム0.5部を水7部に溶解した水溶液を徐々に
滴下した。反応終了後、冷却してから、苛性ソ−ダ水溶
液を添加してPHを7に調整してベ−スエマルジョン
(d)を得た。得られたベ−スエマルジョン(d)は濃
度50%,PH7,ポリマ−のガラス転移温度−30℃
であった。このベ−スエマルジョン(d)に次記割合で
30%濃度のポリカルボン酸系の減水剤を添加し、配合
エマルジョンDを得た。 配合エマルジョンD: ベ−スエマルジョン(d) 100部(固形分 50 ) 30%ポリカルボン酸系高性能減水剤 5 ( 〃 1.5) (カネボウ・エヌエスシ−,ナ−レックス LD36) 合計 105 ( 〃 51.5) 濃度=49% 次に、ジェットセメント,市販の4号,5号,6号硅砂
を用いて、配合エマルジョンDを混入した表3に示すよ
うな補修用超速硬型のモルタルを作り、予め水中に没し
ておいたコンクリ−ト板表面に3mm厚みに薄く塗り付
け、3日間水中養生を行ってから補修モルタル表面をハ
ンマ−で打撃を加え接着性を評価した。
【0018】
【表3】
【0019】その結果、本発明の方法はモルタル層は十
分に硬化し、しかも弾性に富み、容易には剥離しない状
態であり、コンクリ−トの保護被覆材料として、水中に
没しているコンクリ−ト面に施工できることがわかっ
た。比較試験ポリマ−エマルジョンとしては、市販のア
クリル系のG(濃度60%PH9,ポリマ−のガラス転
移温度−30℃,弾性セメント混和用)を用いて、本発
明の試験条件と同一にして評価したが、3日間水中養生
後、モルタル層は弱く、ハンマ−で打撃を与えると簡単
に剥離し、コンクリ−トの保護被覆材料として水中に没
しているコンクリ−ト面には塗布できないことが判っ
た。なおGは空気中の施工では有用な混和剤として使用
できる。
分に硬化し、しかも弾性に富み、容易には剥離しない状
態であり、コンクリ−トの保護被覆材料として、水中に
没しているコンクリ−ト面に施工できることがわかっ
た。比較試験ポリマ−エマルジョンとしては、市販のア
クリル系のG(濃度60%PH9,ポリマ−のガラス転
移温度−30℃,弾性セメント混和用)を用いて、本発
明の試験条件と同一にして評価したが、3日間水中養生
後、モルタル層は弱く、ハンマ−で打撃を与えると簡単
に剥離し、コンクリ−トの保護被覆材料として水中に没
しているコンクリ−ト面には塗布できないことが判っ
た。なおGは空気中の施工では有用な混和剤として使用
できる。
【図1】本発明による打ち継ぎモルタル供試体の養生後
の折り曲げ接着強度の測定方法を示す断面説明図であ
る。
の折り曲げ接着強度の測定方法を示す断面説明図であ
る。
1 打ち継ぎモルタル 2 旧モルタル 3 打ち継ぎ接着面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C04B 24/26 C04B 24/26 G 24/42 24/42 A 40/00 40/00 C08F 212/08 C08F 212/08 220/14 220/14 //(C04B 28/02 24:42 24:26 24:22 24:30) (C08F 220/14 212:08 220:06 220:12 230:08) C04B 103:30 (56)参考文献 特開 昭61−136951(JP,A) 特開 昭59−184754(JP,A) 特開 平3−97644(JP,A) 特開 昭57−63316(JP,A) 特開 平3−21610(JP,A) 特開 昭63−274443(JP,A) 特開 平5−65316(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 28/02 - 28/08 C04B 24/26 C04B 24/42 C04B 24:42 C04B 24:26 C08F 212/08 C08F 220/14
Claims (3)
- 【請求項1】 スチレン系またはメチルメタアクリレ−
ト系モノマ−20〜99.5重量%と、アクリル酸アル
キルエステル系モノマ−80重量%以下と、エチレン性
不飽和カルボン酸0.3〜6重量%と、シラン含有ビニ
ル系、シラン含有メタクリル系またはシラン含有アクリ
ル系モノマ−0.2〜5重量%からなる単量体混合物
を、スルホン化ポリビニルアルコ−ル、カルボキシル基
変性ポリビニルアルコ−ル、およびチオ−ル基導入ポリ
ビニルアルコ−ルから選ばれた少なくとも1種の変性ポ
リビニルアルコ−ルを全モノマ−に対し1〜10%、並
びに必要量の水の存在下で重合反応開始剤を添加し乳化
重合して得られるポリマ−のガラス転移温度が−30〜
100℃のポリマ−エマルジョンに、メラミン系、ナフ
タレン系、或いはポリカルボン酸系のいずれかより選ば
れた減水剤を上記ポリマ−に対し1〜10%添加配合し
たものを、セメントモルタル又はコンクリ−トに3〜5
0%混入し、50℃以下の温度範囲で水中養生を行うこ
とを特徴とする変性ポリビニ−ルアルコ−ルを用いたポ
リマ−エマルジョン混入セメントの水中養生硬化方法。 - 【請求項2】 前記セメントがジェットセメント、早強
セメント、超早強セメント、アルミナセメント、高炉セ
メント、フライアッシュセメントである請求項1記載の
ポリマ−エマルジョン混入セメントの水中養生硬化方
法。 - 【請求項3】 前記乳化重合により得られたポリマ−エ
マルジョンにノニオン性界面活性剤をポリマ−固形分に
対して0〜2%添加してなる請求項1又は2記載のポリ
マ−エマルジョン混入セメントの水中養生硬化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04163687A JP3142374B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 変性ポリビニルアルコ−ルを用いたポリマ−エマルジョン混入セメントの水中養生硬化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04163687A JP3142374B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 変性ポリビニルアルコ−ルを用いたポリマ−エマルジョン混入セメントの水中養生硬化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05330887A JPH05330887A (ja) | 1993-12-14 |
JP3142374B2 true JP3142374B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=15778693
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP04163687A Expired - Fee Related JP3142374B2 (ja) | 1992-05-29 | 1992-05-29 | 変性ポリビニルアルコ−ルを用いたポリマ−エマルジョン混入セメントの水中養生硬化方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3142374B2 (ja) |
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JP5831132B2 (ja) * | 2011-03-25 | 2015-12-09 | 宇部興産株式会社 | コンクリート構造体の補修方法 |
JP5831133B2 (ja) * | 2011-03-25 | 2015-12-09 | 宇部興産株式会社 | セメント組成物、モルタル組成物及びモルタル硬化体 |
US20160075602A1 (en) * | 2013-04-19 | 2016-03-17 | Polymerium, L.L.C. | Polymeric Concrete Admixture Containing a New Class of Superplasticizer Polymers |
JP6861147B2 (ja) * | 2015-12-18 | 2021-04-21 | ジャパンコーティングレジン株式会社 | 水性合成樹脂エマルジョンの製造方法、再乳化性合成樹脂粉末の製造方法、ポリマーセメントモルタルの製造方法、水性合成樹脂エマルジョン及び再乳化性合成樹脂粉末 |
JP7091128B2 (ja) * | 2018-04-27 | 2022-06-27 | キヤノン株式会社 | 粒子、及びその製造方法 |
CN109354654B (zh) * | 2018-08-30 | 2021-09-24 | 济南大学 | 一种早强型聚羧酸减水剂及其制备方法 |
-
1992
- 1992-05-29 JP JP04163687A patent/JP3142374B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH05330887A (ja) | 1993-12-14 |
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