JP3141114U - 生コンクリ−ト用アジテ−タ - Google Patents

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Abstract

【課題】生コンクリ−トの現場ミキシング方式などに対応するアジテ−タ(攪拌機)において、容量増大化したパン(皿)型アジテ−タを提供する。
【解決手段】従来の円形パン型アジテ−タのパン部について、パンの水平面における形状を楕円様形状パン1とし、長径と短径の比(長径/短径)を1.2〜2.0とした。前記楕円様形状パン内の水平回転パドル2の水平面の位置は、長径方向では長径の任意位置、短径方向では短径の中心位置とした楕円様形状パン型アジテ−タを提供した。パン型ミキサ−とアジテ−タとの一体装置の収容躯体において、前記収容躯体の据付け面積をさほど増大することなく、パン型アジテ−タの大幅な容量増大化ができ、さらに楕円様形状にしたことに伴う乱流が生起し、攪拌の均一性を向上させることができた。
【選択図】図1

Description

粉体のセメント、水、および必要に応じて加える骨材、混和材料などをミキシング(練り混ぜ)して一体化したものを生コンクリ−トと称する。
本考案は、前記生コンクリ−トにおいて、放置時などに材料分離などが生じないように攪拌する装置に係わる。
コンクリ−トは、あらゆる種類の建築、土木構造物の構造材料として用いられている。
建築構造物としては、鉄筋コンクリ−ト造り、鉄骨鉄筋コンクリ−ト造り建築物の柱、梁、床板、あるいは耐力壁などの主要構造部材が主な用途であるが、その他、杭、基礎などとして、あらゆるタイプの建築物に用いられている。
土木構造物としては、コンクリ−トはあらゆる種類の土木構造物に主要材料として用いられている。
例示すれば、橋梁の下部工・上部工、舗装、トンネル・地下構造物、水路・護岸・ダム、下水道・汚水処理施設、港湾構造物・防波堤消波堤、擁壁・法面保護材料、あるいは容器などである。
コンクリ−トは生コンクリ−ト(フレッシュコンクリ−ト)の現場打ち工法により、構造物全体をその最終場所に構築できるところに特徴があるが、一方、一定の形状寸法の規格化されたコンクリ−ト製品を工場で大量生産して用いられている。
また、かかるオ−プン部材や部品でなく、特定の構造物のみを対象に製造したコンクリ−ト部材や部品は、プレキャストコンクリ−トなどと一般に呼ばれる。
コンクリ−ト製品やプレキャストコンクリ−トの例を上げれば、杭などのコンクリ−トパイル、電柱などのコンクリ−トポ−ル、コンクリ−ト枕木や軌道スラブ、コンクリ−ト管、道路用コンクリ−ト製品、鉄筋コンクリ−ト桁、あるいはコンクリ−トブロックなどである。
前記種類のうち、生コンクリ−トの現場打ち工法の場合、ミキシング工程後に生コンクリ−トを静止状態で放置すると、時間経過とともに骨材や水が分離する、硬化が進み流動性が低下する、あるいは作業性が低下するなど品質低下をきたす。
したがって、これを防止するため現場打ち工程までの間の運搬中や待機中、生コンクリ−トをアジテ−タによって攪拌し続ける必要がある。
生コンクリ−トのアジテ−タに係わる調査した文献の例を以下に示す。
特開2003−127128 特開2001−138318 実用新案登録公報第2530889号 特開平7−257370 実公平7−6367 なお、引用文献からの引用文、およびその説明は、前記引用文の表現をそのまま用いるものとする。
「特許文献1」は、コンクリ−トブロックを成型する際に、給材箱に着脱自在のアジテ−タグリッドを、水平、垂直方向に揺動させて攪拌しつつ強制的に型に押し込む装置の開示である。
「特許文献1」の段落番号「0009」に、「・・・水平攪拌方式の材料攪拌装置を発展させ、アジテ−タグリッドに水平方向と垂直方向の合成運動を与えることにより、攪拌と押し込みの2つの機能を持たせることに着目した。」、と開示されている。
また、「特許文献1」の段落番号「0010」に、「・・・機体にモ−ルドボックス(3)を設けるとともに、給材箱(2)を前記モ−ルドボックスの上方に位置決めしうるように設けたコンクリ−トブロック成型機(1)に用いられる材料攪拌装置(5)において、前記給材箱内に着脱自在なアジテ−タグリッド(16)を水平方向および垂直方向に揺動自在に設けて構成される。・・・給材箱内でアジテ−タグリッドが水平方向のみならず垂直方向にも揺動するため、このアジテ−タグリッドによって給材箱内の材料が攪拌されつつモ−ルドボックス内へ強制的に押し込まれるようになる。」、と開示されている。
「特許文献2」は、トラックアジテ−タカ−が進入できない不整地等の地形状況においても、コンクリ−トの打設場所まで進入できるアジテ−タ−カ−の開示である。
「特許文献2」の段落番号「0008」に、「・・・本発明に係わる不整地用アジテ−タカ−は、不整地走行台車と前記不整地走行台車に搭載されたコンクリ−トアジテ−タと、を含むことを特徴としている。」、と開示されている。
また、「特許文献2」の段落番号「・・・前記不整地走行台車としては、フレッシュコンクリ−トで満たされた前記コンクリ−トアジテ−タを搭載した状態で不整地等において機動的に走行することができるものであれば、どのような形式、構造のものを採用しても差し支えない。例えばクロ−ラ式(鉄クロ−ラ及びゴムクロ−ラを含む)及びホイ−ル式を用いることができる。」、と開示されている。
また、「特許文献2」の段落番号「・・・前記コンクリ−トアジテ−タとしては、フレッシュコンクリ−トをアジテ−トすることができ、これにより排出時までフレッシュコンクリ−トの品質を均等に保持できるものであれば、どのような形式、構成のものを採用しても差し支えない。」、と開示されている。
「特許文献3」は、液化ガスの噴出に伴うタンクの投入口近傍の氷結による氷塊の成長を防止するための冷却コンクリ−ト用アジテ−タに関する開示で、コンクリ−トの供給、攪拌、排出作業のサイクルを切れ目なく繰り返すなどの装置の開示である。
「特許文献3」の段落番号「0007」に、「・・・生コンクリ−トの投入口を上部に形成した断面繭形の二連円筒形のタンクと、該タンクの円筒形中心に回転中心軸を設けた攪拌用の一対の回転翼と、前記タンクの内部に噴出口を開口させた液化ガス供給用のノズルと、前記投入口の開口面を前記タンクの各円筒形周面に沿った形状に閉蓋する一対の開閉蓋とを備えたものである。」、と開示されている。
また、「特許文献3」の段落番号「0008」に、「・・・生コンをタンク内に投入し、開閉蓋をとじると、各開閉蓋はタンクの二連円筒形曲面の一部を構成し、前記回転翼の回転軌跡に沿った形状で内部が蓋される。したがって、回転翼に生成した氷結物の成長する自由空間はなく、内周面に付着しても回転翼の回転によって掻き落とされる。」、と開示されている。
「特許文献4」は、急曲部のあるトンネル内などでも支障なく走行できるアジテ−タカ−に関する開示で、コンクリ−トを収容するタンクを前胴部と後胴部を屈曲自在に連結し、これをタンク同様に屈曲可能な台車に搭載する開示である。
「特許文献4」の段落番号「・・・コンクリ−トを攪拌しながら運搬するアジテ−タカ−において、内部に攪拌翼を備え前胴部と後胴部を鉛直方向に向けた軸で連結しその軸を中心に屈曲可能に連結したタンクと、前記軸の両脇に配置した複数のジャッキと、前記タンクを搭載しタンク同様に屈曲可能な台車とにより構成し、前記ジャッキをポンプを介してアキュムレ−タへ蓄圧し、アキュムレ−タの蓄圧力により伸縮すると共に、前記攪拌翼をタンクの進行方向へ配したシャフト周面に取付け、該シャフトをユニバ−サルジョイントを介して軸受けしたことを特徴とするアジテ−タカ−である。」、と開示されている。
「特許文献5」は、橋梁建設においてコンクリ−ト製橋脚を作る際に、コンクリ−ト打設船のアジテ−タにはパグミル型が使用されるが、橋梁の大型化に伴う供給能力を高める必要なときに、パグミル型アジテ−タを一方向への延長して容量増加することなく、パン型アジテ−タ設置に変更して、コンパクト化してコンクリ−ト供給能力を高める装置の開示である。
「特許文献5」の「課題を解決するための手段」欄の欄内1〜3行に、「・・・泥練したコンクリ−トを、排出口が複数設けられたパン型アジテ−タへ送給して攪拌を行い、必要に応じて前記アジテ−タの排出口よりシュ−トを介してコンクリ−トポンプに供給し、該コンクリ−トポンプより吐出させるように構成したことを特徴とするものである。」、と開示されている。
また、「特許文献5」の「実施例」欄の欄内1〜8行に、「・・・コンクリ−ト打設装置のアジテ−タとしてパン型アジテ−タ29を用いる。即ち、ド−ナツ形の底板30に対し、その内縁部及び外縁部に夫々、内筒31及び外筒32を取付け、ド−ナツ状の攪拌室33が形成されるケ−シング34を構成し、該ケ−シング34の中心部に、減速機構を備えたモ−タ35を、支持ブラケット37を介してケ−シング34と同心状に配設し、該モ−タ35の出力軸36に回転フレ−ム38を装着し、該回転フレ−ム38の外周円筒部39の外周面に、夫々所要長さを有し前記攪拌室33上方位置へ水平に延びる複数の支持ロッド40を放射状に固着し、該各支持ロッド40の先端部に、前記攪拌室33へ延びる所要形状のア−ム41と該ア−ム41先端部に所要角度をもって固着されたブレ−ド42とから成るパドル43を取付ける。
又、前記ケ−シングの底板30の外周部に、複数個(図では計8個)の半円形の排出口44を等間隔に設け、該各排出口44には、該各排出口を開閉可能な扇形のゲ−ト45を配設してある。」、と開示されている。
生コンクリ−トは一般に、大別して水とセメントで構成するセメントペ−スト、水とセメントと細骨材で構成するモルタル、水とセメントと細骨材と粗骨材で構成するコンクリ−ト、水とセメントと細骨材と粗骨材とAE剤(空気連行剤)などで構成するAEコンクリ−トなどの種類がある。
ある現場打ち工法に、如何なる種類の生コンクリ−トを用いるかについては、目的、構造物の条件、現場の条件などによって定められるものである。
本考案のアジテ−タが対象とする生コンクリ−トは、特定の生コンクリ−トが対象でなく、如何なる生コンクリ−トにも適用可能であるから、本考案におては、前記セメントペ−ストから前記AEコンクリ−トなどまでを対象とするゆえ、これを総称して生コンクリ−トと称するものである。
生コンクリ−トの現場打ち工法により構造物をその最終場所に構築する場合は、次の如き三段階によるのが一般的である。
すなわち、第一段階として、水、セメント、場合によっては骨材などをミキサ−(練り混ぜ機)に投入し、必要に応じて混和材料など加えて、ミキシングして生コンクリ−トにするミキシング工程。
第二段階として、前記生コンクリ−トを現場打ちするまでの間、前記生コンクリ−トの材料分離などが生じないように、アジテ−タ(攪拌機)による生コンクリ−トの一種の運搬や待機工程。
第三段階として構造物を最終場所に構築する現場打ち工程。
元来、コンクリ−ト工事は現場練り方式から始まったが、1960年代以降、生コンクリ−ト製造専門工場として、前記第一段階を担当するレディ−ミックスドコンクリ−トといわれる生コンクリ−ト製造工場が普及してきた。
前記生コンクリ−ト製造工場の普及に伴って、生産された生コンクリ−トを攪拌しながら打込み現場まで運搬する、通称生コン車と呼ばれる大型アジテ−タトラックが使われるようになった。
しかしながら、大型アジテ−タトラックの使用は、狭い道路事情や交通渋滞の問題、都市の過密地の狭い工事現場の場合、あるいは山間地や僻地の工事現場などに適用する場合に、主として交通上の支障が生じることが多いという問題点がある。
小型のアジテ−タトラックを使用する方向はあるものの、アジテ−タトラックの小型化は非効率で、高コストになる欠点がある。
かようなことから、現場打ち工法の現場の立地条件などによっては、現場練り方式が見直されている現状がある。
現場練り方式は、前記第一段階〜第三段階を施工現場で行う方式であり、施工現場にコンクリ−ト用原材料を搬入し、前記施工現場内に材料計量機(バッチャ−)とミキサ−を設置し、そこでコンクリ−ト、骨材、水などをミキシングして、生コンクリ−トを製造する方式で、前記生コンクリ−トの現場打ちまでの待機用などに、アジテ−タを用いることがある。
現場練り方式を採用する場合は現場打ち施工現場に、現場練り方式の装置類、すなわち計量器付きミキサ−、アジテ−タ、および打込み機などの装置類を現場練りを適用する施工現場に運搬する必要がある。
例えば、通常の中型トラックの荷台に搭載する場合、ミキサ−、アジテ−タおよび搬送ポンプなどを積層した躯体構造で、法規上や道路事情などから規制される幅と高さの制限内に納まるようにする必要がある。
前記ミキシング工程はバッチ生産方式となるので、待機や備蓄用として、製造された生コンクリ−トを効率よく現場打ちするためには、アジテ−タの処理容量の増大化が重要なポイントとなる。
運搬上の制約、つまり幅と高さの制約内において、アジテ−タにミキサ−を積層する方式の場合などを踏まえ、小回りのきく現場練り方式に適応するアジテ−タの処理容量の増大化が当業者に望まれているところである。
本考案は、上記アジテ−タに係わる課題を考慮して、小回りのきく現場練り方式に適応する大容量のアジテ−タを提供することを目的とする。
考案者はその目的に鑑み、鋭意検討の結果次の考案に至ったものである。
すなわち、生コンクリ−ト用のパン(皿)型アジテ−タにおいて、セメント、水などから生コンクリ−トにするミキシング工場から、土木工事あるいは建築工事などの施工現場まで運搬するアジテ−タ車に用いるパン型アジテ−タ、あるいは前記施工現場における生コンクリ−トの備蓄や待機時などに用いるパン型アジテ−タ、あるいは前記施工現場でミキシングおよびアジテ−ションを連結して行う場合などに用いるパン型アジテ−タに関する考案である。
前記パン型アジテ−タのパン部は、パンの水平面が図2の上段図(B)に描く如く、楕円様形状パン部1であり、前記楕円様形状パン部の内側長径と内側短径の比が1.2〜2.0である。
前記楕円様形状パン部の内部には、図1に描く如く、水平面に回転する放射状の翼部4を具備するパドル2が設置されている。
前記パドルの水平方向の位置は、図2、図3、および図4に示す破線で描く前記パドルの回転軌跡10の位置のように、前記楕円様形状パン部の短径の方向では、内側短径の中心部で、長径の方向では、内側長径の任意位置である。
前記パドルの垂直方向の位置は、図2、図3、および図4に示す破線で描く前記パドルの回転軌跡10の位置のように、前記パドルの下辺が前記楕円様形状パン部の水平底部11に近接している位置である。
以上を特徴とする、生コンクリ−ト用の楕円様形状パン型アジテ−タの考案に至った。
また、生コンクリ−ト用のパン型アジテ−タにおいて、前記楕円様形状パン型アジテ−タの前記楕円様形状パン部の、底部の形状における考案である。
図2、あるいは図4に描く如く、前記楕円様形状パン型アジテ−タの前記楕円様形状パン部の底部が、パドル2が前記底部の上部にない、外れた位置近傍の水平底部11から、前記楕円様形状パン部の長径方向の胴部12の内側に向けて、前記水平底部の面に対して角度で40度以下の、上がり斜面底42を形成していることを特徴とする、生コンクリ−ト用アジテ−タの考案である。
さらに、生コンクリ−ト用のパン型アジテ−タにおいて、中型から大型程度の通常トラックの荷台に搭載可能な形状とサイズの、ミキサ−部と、前記楕円様形状パン型アジテ−タ部とを具備する一体装置の考案である。
前記一体装置は、図6にその一例を描くように、上部のミキサ−部32と下部の楕円様形状パン型アジテ−タ部31からなる上下二段になっている。
図6では、上部のミキサ−部32にパン型ミキサ−が設置されている場合で描いているが、ミキサ−部は前記パン型ミキサ−にかぎらず、任意のミキサ−が設置され、前記ミキサ−の底部には開閉器付き開口部が設けられている。
前記開閉器を適宜時に開いて、ミキシング済みの生コンクリ−トを、前記ミキサ−部の下部位置に設置されている、前記楕円様形状パン型アジテ−タの前記楕円様形状パン部に落し込むことが可能になっている。
前記楕円様形状パン型アジテ−タは、前記楕円様形状パン部が前記ミキサ−からの生コンクリ−トの落とし込みを受け入れる位置に据えられている。
しかして、上部の前記ミキサ−で加工された複数バッチ分の生コンクリ−トの備蓄機能を有することを特徴とする、コンクリ−ト用アジテ−タの考案である。
(1) 本考案のパン(皿)型アジテ−タのパンである図2の上段図(B)に図示する楕円様形状パン部は、図7の上段図(K)に図示する従来の円形パンに比較して、パン胴部の高さが同一であっても大幅な容量増大化がはかれる。
例えば、前記楕円様形状パンの内側の長径と短径の比が1.7程度で、前記円形パンの大凡2倍程度の容量になり、占有面積の割に大容量化が図れる。
したがって、アジテ−タによる一時留保機能が大幅に上がるので、例えば小型の現場ミキサ−で加工された複数バッチ分の生コンクリ−トの備蓄機能を有するので、ミキサ−側の稼働の余裕時間を低減するなどして、前記ミキサ−側の稼働率を上げ、現場打ち作業の効率化を図ることができる。
(2) 従来の円形パン型アジテ−タは、パドルによる生コンクリ−トの流れが一定であるのに対し、本考案の楕円様形状パン型アジテ−タは、楕円様形状なるがゆえの乱流が生じるので攪拌の均一性が向上する。
また、図1、図2、あるいは図4に図示する如き、斜面底部42を設けることによって、攪拌の均一性がさらに向上する。
(3) 従来の円形パン型アジテ−タに比較して攪拌の均一性が上がるので、パドルの攪拌速度を下げるなどして、消費エネルギ−の節約を行うことができる。
(4) 上段にミキサ−部、下段に本考案の楕円様形状パン型アジテ−タ部とした上下二段方式の一体装置の場合には、アジテ−タ部が従来の円形パン型である場合の一体装置に比較して、後者の一体装置を収納する場合とほぼ同一容積の収納躯体内に収納可能である。
したがって、収納躯体の形状やサイズを大きく変更することなく、アジテ−タの容量を大幅に増大させることができる。
(5) 中型から大型程度の通常トラックの荷台に搭載可能なミキサ−とアジテ−タとの上下二段方式の形状とサイズの一体装置とする場合、つまり幅、長さ、高さ、および重量の積載制約の範囲内において一体装置とする場合、本考案の楕円様形状パン型アジテ−タの採用によって、アジテ−タの容量を大幅に増大させることができる。
したがって、ミキサ−部で加工された複数バッチ分の生コンクリ−トの備蓄機能が果たせ、この機能を利用して現場打ち作業の合理化が可能になる。
考案の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図7は、従来の円形パン型アジテ−タの略図である。
図7の上段図(K)は平面図、下段図(L)は側面図である。
図7の上段図(K)において、パン型アジテ−タの円形パン部47、回転軸3、パドル2の翼部4、およびパドル2が回転した場合の破線で描く軌跡10をおのおの示す。
また、図6の下段図(L)において、同様に円形パン部47、回転軸3、パドル2の翼部4、およびパドル2が回転した場合の破線で描く軌跡10をおのおの示す。
なお、パン型アジテ−タは、使用時にその機能から水平状態に設置する必要があり、本考案においては、パンの底部の面などを示す場合、水平面という表現を用いている。
本考案の楕円様形状パン型アジテ−タは、従来の前記円形パン型アジテ−タに対し、パン部の水平面が楕円様形状である。
図1は、本考案の楕円様形状パン型アジテ−タの一例の斜視略図である。
図1に描く楕円様形状パン型アジテ−タにおいて、パン部1は水平面に設置されていて、パン部1には図示してないが、生コンクリ−トを注入する。
図1において、パン部1の内部には、回転軸3に取付けられた翼部4と前記翼部に取付けられた緩衝用ダンパ5から成る、水平方向に回転するパドル2が設けられていて、前記翼部は図1では3枚の場合で描いている。
なお、図示してないが回転軸3の上部には、電動機と減速歯車装置とを一体化したギアドモ−タ−が取り付けられている。
回転軸3が回転すると前記パドルは、前記生コンクリ−トをパン部1の底部に押し付けるように回転する。
図2は、前記楕円様形状パン型アジテ−タの楕円様形状パン部の一例の略図である。
図2の上段図(B)の平面図は、図1のA−A断面略図であり、下段図(C)はその側面略図である。
図2の上段図(B)の楕円様形状パン部1の内部には、パドル2が回転した場合の軌跡を破線円10として描いている。
また、前記パドルの水平方向の位置は、図2の上段図(B)においては、楕円様形状のパン部1の長径方向の右側に位置している例で、短径方向では中央部に位置している。
図2の下段図(C)は上段図(B)の側面図で、パドル2はパン1の右側に位置し、回転軸3に取付けられている前記パドルが回転した場合の軌跡を、破線部10として描いている。
図2の下段図(C)に描いているように、楕円様形状パン部1におけるパドル2の垂直方向の位置は、前記パドルの下辺が楕円様形状パン部1の水平底部11に近接するように設置されている。
図4は、楕円様形状パン型アジテ−タの楕円様形状パン部の側面略図を示す。
図4において、前記パドルが回転した場合の軌跡を、破線部10として描いていて、パドル2は、楕円様形状パン部1の図において長径方向のやや左寄り中央部に位置している例である。
また図2の下段図(C)と同様に、前記楕円様形状パン部におけるパドル2の垂直方向の位置は、前記パドルが前記楕円様形状パン部の水平底部11に近接するように設置されている。
このように、前記パドルの水平位置は、前記楕円様形状パンの内側短径の方向では前記短径部の中心部で、長径の方向では長径部の任意の位置とする。
また、前記パドルの垂直位置は、前記パドルの下辺が前記楕円様形状パン部の水平底部に近接している位置とする。
次に、楕円様形状パン部の底部の形状について記載する。
図3は、楕円様形状パン型アジテ−タにおいて、楕円様形状パン部の底部が全て平面で水平面である場合の側面略図である。
つまり、図3の楕円様形状パン型アジテ−タの楕円様形状パン部1において、長径方向における一方の胴部12の内側から、他方の胴部12の内側までの前記楕円様形状パン部の全ての底部11が、平面で水平面である場合である。
このように、全ての前記底部が、平面で水平面であってもよい。
他方、図1、図2、および図4は、楕円様形状パン部の長径方向において、底部が部分的に胴部12の内側に向かう上がり斜面底となっている場合の略図である。
前記楕円様形状パン部の長径方向において、前記パドルが上部にない位置、つまり前記パドルの回転軌跡10から外れた水平底部の近傍から、前記楕円様形状パン部の長径方向に、胴部12の内側に向けて、上がり斜面底42を形成している場合である。
このように、前記楕円様形状パン部の長径方向において、胴部内側に向けて部分的に上がり斜面底42形成していてもよい。
図2は、楕円様形状パドル2の長径方向の片側1ケ所に、斜面底42を形成している例である。
つまり、図2の下段図(C)に描くように、境界部43から前記楕円様形状パンの長径方向の胴部12の内側に向けて、上がり斜面底42を1ケ所形成している例である。
また図4は、楕円様形状パン部の長径方向の両胴部側の2ケ所において、胴部12の内側に向けて、上がり斜面底42を形成している例である。
このように、本考案の楕円様形状パン型アジテ−タにおいては、前記楕円様形状パン部の長径方向において、図3に描く如く一方の胴部の内側から他方の胴部の内側まで平面で水平面であってもよい。
また、楕円様形状パン部のパドルが上部にない、外れた位置近傍の水平底部の面から、胴部の内側に向けて上がり斜面底を形成していてもよい。
また、図2の下段図(C)に示している、楕円様形状パン部の水平底面と斜面底部面との角度aは、実験の結果、その境界は定かでないが大凡40度程度以下が適合することが分かった。
斜面底部42を設ける場合の理由は、パドルの回転によって、前記パドルから外れた位置に流動した生コンクリ−トを、前記斜面底部によって前記パドル側に押し戻す作用を補助するためのものである。
例えば、前記楕円様形状パン部の長短径比が大な場合、あるいは低い流動性の生コンクリ−トのアジテイティングの場合などに、前記斜面底部を設けることによって、生コンクリ−トのミックス状態の維持性が向上する。
図5は、本考案の楕円様形状パン型アジテ−タのパン部の楕円様形状の例の水平面略図を示す。
楕円とは解析幾何では、2定点からの距離の和が一定である点の軌跡と定義されるが、前記楕円様形状パン部は楕円形の様な形状でよく、解析幾何的な楕円に限る必要はなく、したがって、本考案では楕円様形状パンと称しているものである。
図5の左図(D)は、図において左側半円の弦部である破線分16と、右側半円の弦部である破線分17、および上部直線分18と下部直線分19とに囲まれた中央部が矩形で、両端の半円が前記矩形を挟む如き形状の楕円様形状の例である。
図5の中図(E)は、解析幾何では非楕円で、偏平状の楕円様形状の例である。
図5の右図(F)は本来の楕円形状で、長径である破線20上の定点21および22と、軌跡点の25間の破線23、24の和を一定として、軌跡点25が一周した場合の軌跡で形作る解析幾何でいう楕円形状である。
このように、本考案の楕円様形状パン部の水平面の形状は、図5の(F)に描く如き解析幾何で云う楕円を含め、図5の(D)や(E)に例示すような楕円様の形状でよい。
次に、本考案のパンの形状や寸法、およびパドルについて図1、あるいは図2に基づいて記載する。
図2の上段図(B)に図示するような楕円様形状パン部は、長径と短径の比である長短径比が1以上であれば、図5に図示する従来の円形パン部に比較して理屈では容量増大につながる。
しかしながら、パンの容量増大化を作業性の向上やコスト面低減化への寄与という、実質的な効果を顕出するには、検証の結果では少なくとも長短径比(長径/短径)は1.2以上が望ましいことが分かった。
また、楕円様形状パンの胴部内側の長径と短径の比、つまり楕円様形状パンの内側の長短径比が、2.0程度以上になるとアジテイティング中の生コンクリ−トにおいて、生コンクリ−トのセメント成分と水などの分離などが起生し、均一維持性が劣るようになる恐れがあることが分かった。
したがって、前記長短径比は大凡1.2程度から2.0程度が適当であることが分かった。
なお、前記楕円様形状パン部の前記長短径比が1.7程度で、前記楕円様形状パン部の短径を直径とする円形パン部に比較して、胴部の長さが同様として、生コンクリ−トの実質的な収容容量は2倍程度になる。
楕円様形状パンの胴部12の高さは任意であり、図7に示す従来の円形パンに準拠するものとする。
つまり、本考案の前記楕円様形状パンは、図7に示す従来の円形パンを、楕円様形状パンにして容量増大化するだけで、従来の円形パン型アジテ−タに比較して、攪拌効率が上がり、生コンクリ−トの均一性が上がるという着想がベ−スとなっている。
図7に示す従来の円形パンの前記胴部の高さは、蓄積された技術から大凡定められてきたものであり、本考案において新たな条件や制約は不要であることが分かった。
強いて云えば、楕円様形状パンの短径の0.4〜0.6倍程度に設定するのがその目安である。
次に、パドルの水平方向の位置およびパドルの形状について記載する。
図1、図2、および図3において、楕円様形状パン部1におけるパドル2の位置は、図において右端に寄った位置として描いているが、左側に寄った位置でもよく、また中央部あるいは中央部寄りの位置でもよい。
また、図4に描く如き、楕円様形状パン部1の長径方向の両側が斜面底形状の場合のパドル2の位置は、中央部あるいは中央部寄りの位置となる。
パドルの形状は、図1に示すパドル2では翼部4は3枚として描いているが、翼部は4枚あるいは4枚以上でもよく、前記パドルの形状は図7に示す従来の円形パン型アジテ−タの場合に準拠する。
本考案の楕円様形状パン型アジテ−タのサイズについては、基本的には任意である。
しかしながら、前記楕円様形状パン型アジテ−タは、躯体内の上部にミキサ−部、下部に前記楕円様形状パン型アジテ−タを設置する一体装置とする場合に効果を発揮する。
また、中型から大型程度の通常のトラックの荷台に搭載可能な前記一体装置とすれば、さらに使い易いと云い得る。
また、前記トラックを前記一体装置の運搬手段のみに使用する場合と、施工現場に前記一体装置を運搬した後、前記トラックに搭載したままミキシングとアジテイティングを行って、生コンクリ−トを現場打ちに供給する場合とがある。
例えば、通常の中型トラックの荷台への積載許容タイプでいえば、楕円様形状パン型アジテ−タの楕円様形状パン部は、図5の左図(D)型の楕円様形状パンを例とすれば、長径が3.2m程度、短径が1.9m程度、ならびに胴部の高さが0.9m程度である。
しかしながら、大型の通常のトラックに搭載する場合、土磐に静置するタイプ、あるいは楕円様形状パン型アジテ−タとして単独で用いる場合においては、前記目安より大きくてよく、さらに小型の通常のトラックに搭載する装置であれば、前記目安より小さくてもよい。
以上が、本考案のパン型アジテ−タにおけるパドルの位置、パンの形状、および寸法についての説明である。
なお、粉体のセメント、水などをミキシングして生コンクリ−トとするミキサ−と、本考案の楕円様形状パン型アジテ−タとを組合わせて用いる場合、あるいは、前記ミキサ−と楕円様形状パン型アジテ−タとを一体装置とする場合などにおける前記ミキサ−の型式は、コンクリ−トミキサ−として知られている任意の型式が適用できる。
しかしながら、前記一体装置において、上部にミキサ−部、下部に本考案の楕円様形状パン型アジテ−タを設置する場合には、前記一体装置の高さの制約の観点から、高さが低いことに特長がある、パン型ミキサ−の採用が望ましい場合がある。
また、前記一体装置においては、ミキサ−は小型にせざるを得ず、小型ミキサ−を使用する場合、生コンクリ−トの備蓄機能が必要となる。
本考案の楕円様形状パン型アジテ−タは、従来の円形パン型アジテ−タに比較して、大幅な容量増大化が図れるので、前記ミキサ−加工の複数バッチ分の備蓄機能を有するので、この備蓄機能を活用してコンクリ−ト現場打ち作業の合理化が可能になる。
積載量大凡4トン程度の通常のトラックの荷台の幅、長さ、および高さ制限内に搭載可能な、コンクリ−トミキサ−、および本考案の楕円様形状パン型アジテ−タとを備えた一体装置で実施した例である。
前記一体装置は躯体内に上下二段に設置する型式とし、上部にミキサ−部、下部に楕円様形状パン型アジテ−タを設置し、前記一体装置を収容する躯体高さの制約の観点から、前記ミキサ−は、高さが低いことに特長があるパン型ミキサ−を採用した。
図6は、躯体内にパン型ミキサ−部と 楕円様形状パン型アジテ−タ部を持つ一体装置の略図である。
図6の上段図(G)は平面略図、下段図(H)は側面略図である
図6の下段図(H)の側面図において、破線囲み部30は、前記一体装置を収容する躯体の外縁を示し、前記躯体の内部に下部のアジテ−タ部31と、上部のミキサ−部32を収容している。
下部のアジテ−タ部31においては、楕円様形状パン部1、パドル2を回転させるギヤ−ドモ−タ40、回転軸3、ならびに破線矩形で示すパドル2が回転した場合の前記パドルの軌跡10を示している。
図6の下段図(H)の上部のミキサ−部32は、水平面が円形の円形パン33、躯体30の屋上面39には計量部を備えたセメントや水などの材料投入口34を設けている。
また、ミキサ−部32には、ミキシング用のパドル35、ミキシング後の生コンクリ−トを下部のアジテ−タ部31の楕円様形状パン部1に落し込む開閉器付き開口部38、ならびにパドル35を回転駆動させるギヤ−ドモ−タ41からの駆動伝達部36、ならびに前記パドルが回転した場合の軌跡37をおのおの描いている。
図6の上段図(G)の平面図において、破線囲み部30は前記一体装置を収容する躯体の外縁を示す。
また、下部のアジテ−タの楕円様形状パン部1、ならびに上部のミキサ−の円形パン部33をおのおの破線で図示している。
また、下部のアジテ−タのパドル2が回転した場合の軌跡10、および上部の円形パン型ミキサ−のパドル35が回転した場合の軌跡37をおのおの破線で示している。
次に、前記一体装置の寸法について記す。
図6の上段図(G)において、図において左右で示される躯体30の長さは3.55m、図において上下長で示される躯体30の幅は2.0mとした。
図6の下段図(H)に図示する側面図において、図において上下で示される躯体30の屋上床面38の高さは2.45mとした。
なお、図示していないが、着脱可能な安全柵を前記躯体の前記屋上面の周囲に、一時的に固定する支え孔を設けた。
躯体30内のアジテ−タ部31の、パン型アジテ−タの楕円様形状パン1の内側長径は3.2m、内側短径は1.9mとした。
また、前記パン型アジテ−タの楕円様形状パン1内部の、図において右側に設置したパドル2については、前記パドルが回転した場合の軌跡10の径を1.8mとした。
図6の上段図(G)に示す躯体30内に設置した円形パン型ミキサ−の円形パン部33の内径は1.6mとし、ミキシング用パドル35は、前記パドルが回転した場合の軌跡の径で示して、これを1.5mとした。
下段図(H)の上部のミキサ−部32において、ミキサ−の円形パン部33の胴部の長さは0.9mとした。
また、下段図(H)に示す下部のアジテ−タ部31において、前記楕円様形状パン部の胴部12の長さは、図において右側で0.9mとした。
また、図5の下段図(H)のアジテ−タ部31の楕円様形状パン部1において、パドル2が上部に位置しない、図において左側の底部には、水平底部から左側胴部の内側に向けて上がり斜面底部42を設け、水平底11の底面と斜面底42の底面との角度は、図2の下段図(C)で示している角度aで、5度とした。
前記ミキサ−と本考案の前記楕円様形状パン型アジテ−タとを一体化した、上記の如き仕様の前記一体装置を用いて、生コンクリ−トの現場打ち作業を実施した。
地盤改良工事において、現場打ち工法であるグラウト噴射方式といわれる噴射攪拌工法に、前記一体装置を使用した。
前記噴射攪拌工法とは、固化剤であるセメントペ−スト(セメントスラリ−)を高圧噴射して、地盤の切削、およびセメントペ−ストと土砂との混合と攪拌を行って混合物とし、ボ−リング部を引き揚げつつ、前記混合物に置き換えて行き、地盤改良柱体を形成する工法である。
前記噴射攪拌工法の場合、セメントペ−ストと土砂の混合攪拌を行い、前記土砂が細骨材や粗骨材となるので、使用する生コンクリ−トには骨材を加えないのが普通である。
セメント:水の比を1:1とし、図6の下段図(H)に描くミキサ−部32の円形パン部33にこれを投入し、前記キサ−のパドル35の外周部の周速度を3.5m/秒で回転させるように設定してミキシングした。
ミキシング終了後、開閉器付き開口部38を開いて、下部の楕円様形状パン型アジテ−タの楕円様形状パン部1に落し込み、楕円様形状パン1が満杯状態になるまで落とし込みを繰り返した。
なお、下部の楕円様形状パン型アジテ−タ部は、パドル2の外周部の周速度を1.5m/秒で回転させてアジテ−ションを行うように設定して、アジテイティングを行った。
上部のミキサ−部32のミキシング容量は実行値で約1.2mであり、材料投入、ミキシング、および下部のアジテ−タ部31の楕円様形状パン部1への落し込みの1行程で約3分間要するので、ミキシング能力は約0.4m/分であり、1行程あたり余裕時間を1.5分間とすれば、約0.27m/分となる。
生コンクリ−トの打ち込みは、前記グラウト噴射方式の工法において、生コンクリ−トの吐出量は0.06m/分で、一方、前記ミキサ−のミキシング能力は、前記余裕時間をみて約0.27m/分であり、前記工法で4基稼働とすれば、合計吐出量は0.24m/分となり、前記ミキサ−の余裕時間をみた加工能力に大凡見合うことになる。
前記楕円様形状パン型アジテ−タの楕円様形状パン部の実質的な満杯容量は、約3.6mであり、前記合計吐出量で約15分間の量である。
これに対し、図7に示す従来の円形パンによるアジテ−タの場合では、円形パン部47の内側直径が、前記楕円様形状パン部の内側短径と同一、胴部の高さも同一であるとして、実質的な満杯容量は、約1.7m程度であり、前記合計吐出量で約7分間の量である。
前記楕円様形状パン部の場合、内側長径と内側短径の比が約1.7であり、前記短径と同一の直径の円形パンに比較して、大凡2倍程度の容量になり、占有面積の割に大容量化が図れた。
前記楕円様形状パン型アジテ−タの採用によって、前記ミキサ−で加工された数バッチ分の生コンクリ−トの備蓄が可能になり、備蓄機能が大幅に上がったので、ミキサ−側の稼働の余裕時間を低減化することができた。
すなわち、前記ミキサ−側の稼働率が向上し、従来の円形パン型アジテ−タの場合に比較して、現場打ち作業の施工進行度において、大凡10〜15%程度の向上が達成できた。
本実施例において、円形パン型ミキサ−と本考案の楕円様形状アジテ−タとの一体装置は、円形パン型ミキサ−と従来の円形パン型アジテ−タとの一体装置に比較して、後者装置を収納する躯体とほぼ同様な床面積と、ほぼ同様な高さの躯体に収納可能であり、前記躯体のサイズを大きく変更することなく、アジテ−タ部の容量を大幅に増大させることができた。
前記一体装置における前記アジテ−タ部の容量の大幅な増大化は、生コンクリ−トの備蓄機能をもつことになる。
バッチ毎の運転方式である円形パン型ミキサ−、また、生コンクリ−トの現場打ち込みは間欠的運転になるゆえ、中間に存在するアジテ−タの前記備蓄機能の大幅な増大化は、作業の合理化に利用でき、実施例ではミキサ−の余裕時間を1分間以下にできた工事実績もあり、ミキサ−の稼働率を上げて、現場打ち作業の効率化を図ることができた。
以上は、本考案採用による各行程バランス向上や備蓄効果などの、作業性の向上面などの記載である。
前記作業性の向上面などに加えて、従来の円形パン型アジテ−タが、パドルによって生起する生コンクリ−トの流れが一定であるのに対し、本考案の楕円様形状パン型アジテ−タは、楕円様形状パン部が楕円様形状なるがゆえの乱流が生じるので、攪拌の均一性が向上することが実証された。
また、図1、図2、あるいは図4に図示する如き、斜面底部42を設けることによって、混合や攪拌の均一性のさらなる向上が果たせることも分かった。
生コンクリ−トの現場打ち工法において、パン型アジテ−タとして本考案の楕円様形状パンを採用することによって、従来の円形パンに比較して、装置を収容する躯体の占有面積の増加を殆ど伴わずに大幅にアジテ−タの容量を増大化できる。
本考案の楕円様形状パン型アジテ−タによれば、前記アジテ−タの一時留保機能が上がるので、ミキサ−部とパン型アジテ−タ部との一体装置の場合、ミキサ−部側の稼働の余裕時間をかなり低減することができるので、ミキサ−の稼働率を上げて、現場打ち作業の効率化を図ることができる。
特に、円形パン型ミキサ−部と本考案の楕円様形状パン型アジテ−タ部から成る前記一体装置においては、円形パン型ミキサ−部と従来の円形パン型アジテ−タ部から成る一体装置に比較して、後者の一体装置を収納する躯体と、ほぼ同一床面積とほぼ同一高さの収納躯体内に収納可能であり、前記躯体の大きさを殆ど変更することなく、アジテ−タ容量の大幅な増大化が可能になる。
したがって、中型から大型の通常のトラックの荷台に搭載可能で、ミキサ−とアジテ−タとの一体装置の場合、搭載しようとする通常のトラックの荷台積載規制の範囲内の収容躯体内に収容することができる。
また、従来の円形パン型アジテ−タは、パドルによる生コンクリ−トの流れが一定であるのに対し、本考案の楕円様形状パン型アジテ−タでは、楕円様形状パン部なるがゆえの乱流が生じるので、攪拌の均一性が向上する。
また、楕円様形状パン部の長径方向の胴部の内側へ向けての上がり斜面底部を設けることによって、攪拌の均一性をさらに向上することができる。
また、従来の円形パン型アジテ−タに比較して攪拌の均一性が上がるので、生コンクリ−ト種類によっては、パドルの攪拌速度を低減するなどして、エネルギ−の節約を行うことができる。
本考案は、コンクリ−トミキサ−にもそのまま援用できる他、パン型の攪拌や混合機器類など、円形であるという固定観念を打破した面は、他の産業機器に援用でき、産業界に資するところが大きい。
楕円様形状パンを有するパン型アジテ−タの斜視略図 楕円様形状パンの一例の略図 長径方向の底部が平面で水平面である楕円様形状パンの側面略図 長径方向の底部に2個所の斜面底を有する楕円様形状パンの側面略図 楕円様形状パンの水平面の形状例の略図 ミキサ−部とアジテ−タ部を備えた装置の略図 従来のパン型アジテ−タである円形パンの略図
符号の説明
1 楕円様形状パン部
2 パドル
3 回転軸
4 翼部
5 翼部の緩衝用ダンパ部
10 破線部;パドルの回転軌跡
11 楕円様形状パンの水平底部
12 楕円様形状パンの胴部
16 破線部;左側半円の弦線分
17 破線部;右側半円の弦線分
18 上部直線分
19 下部直線分
20 破線部;長径線分
21、22 定点
23、24 破線部;定点より軌跡点に至る線分
25 軌跡点
30 破線囲み部;ミキサ−とアジテ−タとの一体装置の収容躯体の外縁部
31 アジテ−タ部
32 ミキサ−部
33 パン型ミキサ−の円形パン部
34 計量器を備えた材料投入孔
35 ミキサ−のパドル
36 駆動伝達装置
37 ミキサ−のパドル回転時の軌跡
38 開閉器付き開口部
39 収容躯体の屋上面
40 アジテ−タのパドル駆動用ギアドモ−タ
41 ミキサ−のパドル駆動用ギアドモ−タ
42 斜面底部
43 水平底部と斜面底部の境界部
44 生コンクリ−トの供出孔
45 破線囲み部;コンクリ−トポンプや制御機器などの設置スペ−ス
47 従来の円形パン型アジテ−タにおける円形パン部
a 楕円様形状パン部の水平底面と斜面底面との角度

Claims (3)

  1. 生コンクリ−ト用のパン(皿)型アジテ−タにおいて、
    セメントに水などを加えて生コンクリ−トにするミキシング工場から、土木工事あるいは建築工事などの施工現場まで運搬するアジテ−タ車に用いるパン型アジテ−タ、あるいは前記施工現場における生コンクリ−トの保留や待機時などに用いるパン型アジテ−タ、あるいは前記施工現場でミキシングおよびアジテ−ションを連結して行う場合などに用いるパン型アジテ−タにおいて、
    前記パン型アジテ−タのパン部は、パンの水平面が楕円様形状パン部となっていて、前記楕円様形状パン部の内側長径と内側短径の比は1.2〜2.0であり、
    前記楕円様形状パン部の内部には、水平面に回転する放射状の翼部を具備するパドルが設置されていて、
    前記パドルの水平方向の位置は、前記楕円様形状パン部の短径の方向では、内側短径の中心部で、長径の方向では、内側長径の任意位置であって、
    前記パドルの垂直方向の位置は、前記パドルの下辺が前記楕円様形状パン部の水平底部に近接している位置であることを特徴とする、
    生コンクリ−ト用の楕円様形状パン型アジテ−タ。
  2. 生コンクリ−ト用のパン型アジテ−タにおいて、
    前記楕円様形状パン型アジテ−タの前記楕円様形状パン部の底部の形状について、
    前記パドルが底部の上部にない、外れた位置近傍の水平底部から、前記楕円様形状パン部の長径方向の胴部の内側に向けて、前記水平底部の面に対して角度で40度以下の、上がり斜面底を形成していることを特徴とする、
    請求項1に記載する、生コンクリ−ト用の楕円様形状パン型アジテ−タ。
  3. 生コンクリ−ト用のパン型アジテ−タにおいて、
    中型から大型程度の通常のトラックの荷台に搭載可能な形状とサイズの、ミキサ−部と前記楕円様形状パン型アジテ−タ部とを具備するミキサ−とアジテ−タの一体装置であって、前記一体装置は、上部と下部の二段になっていて、前記上部にはミキサ−が設置され、前記下部には前記楕円様形状パン型アジテ−タが設置されていて、
    前記ミキサ−の底部には開閉器付き開口部が設けられていて、前記開閉器を適宜時に開いて、ミキシング済みの生コンクリ−トを、前記ミキサ−の下部に設置されている、前記楕円様形状パン型アジテ−タの前記楕円様形状パン部に落し込むことが可能になっていて、前記ミキサ−からの生コンクリ−トの落とし込みを受け入れられる位置に、前記楕円様形状パン部が据えられている前記楕円様形状パン型アジテ−タであって、
    前記ミキサ−で加工された複数バッチ分の生コンクリ−トの備蓄機能を有することを特徴とする、
    請求項1、および2に記載する、生コンクリ−ト用の楕円様形状パン型アジテ−タ。
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JP2020142400A (ja) * 2019-03-04 2020-09-10 阪神高速技術株式会社 移動式バッチャープラント

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