JP3140880B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

Info

Publication number
JP3140880B2
JP3140880B2 JP05112835A JP11283593A JP3140880B2 JP 3140880 B2 JP3140880 B2 JP 3140880B2 JP 05112835 A JP05112835 A JP 05112835A JP 11283593 A JP11283593 A JP 11283593A JP 3140880 B2 JP3140880 B2 JP 3140880B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
negative electrode
graphite
carbon
cycle
discharge capacity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05112835A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06325753A (ja
Inventor
武仁 見立
直人 西村
哲正 梅本
宏志 岡本
和夫 山田
哲也 米田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP05112835A priority Critical patent/JP3140880B2/ja
Priority to DE69404901T priority patent/DE69404901T2/de
Priority to EP94303451A priority patent/EP0627776B1/en
Priority to US08/242,106 priority patent/US5432029A/en
Publication of JPH06325753A publication Critical patent/JPH06325753A/ja
Priority to US08/427,226 priority patent/US5478364A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3140880B2 publication Critical patent/JP3140880B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリチウムのインターカレ
ーション可能な黒鉛に酸化銅と結着材とを混合した負極
を用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器等の小型、省電力化に伴って、
リチウム等アルカリ金属を利用した二次電池が注目され
ている。負極にリチウムなどアルカリ金属を単体で用い
た場合、充放電の繰り返し、つまりアルカリ金属の溶解
−析出過程により、金属の溶解−析出面上にデンドライ
ト(樹枝状結晶)が生成し、成長することによりセパレ−
タを貫通し、正極と接することにより電池内部の短絡を
誘発する問題があった。アルカリ金属のかわりにアルカ
リ金属合金を二次電池用の負極に用いると、単体の時に
比べ、デンドライトの発生が抑制され、充放電サイクル
特性が向上することが判明した。しかし、合金を使用し
ても、完全にデンドライトが生成しなくなるわけではな
く、電池内部の短絡が起こることもある。近年になっ
て、負極に、アルカリ金属やその合金のような金属の溶
解−析出過程或いは溶解−析出−固体内拡散過程を利用
する変わりに、アルカリ金属イオンの吸収−放出過程を
利用した炭素や導電性高分子等の有機材料が開発され
た。これにより、アルカリ金属やその合金を用いた場合
に発生したデンドライトの生成が原理上起こらなくな
り、電池内部の短絡の問題が激減するにいたった。
【0003】炭素は化学的に安定であり、電子供与性物
質、電子受容性物質のいずれもド−プする事が可能であ
るため、電極として、特に電池用電極として有望な材料
である。
【0004】炭素を負極活物質に用いた場合、炭素の層
間に挿入されるリチウムの量は、炭素6原子に対してリ
チウム1原子、つまりC6Liが上限であり、そのときの炭
素の単位重量当たりの容量は372mAh/gとなる。
炭素は無定形炭素といわれるものから黒鉛まで幅広い構
造をもち、また炭素の六角網面の大きさ、並びかたも出
発原料、製造法等により様々である。従来負極活物質と
して用いられてきた炭素材料としては、例えば、特開昭
62−90863号公報、特開昭62−122066号
公報、特開昭63−213267号公報、特開平1−2
04361号公報、特開平2−82466号公報、特開
平3−252053号公報、特開平3−285273号
公報、特開平3−289068号公報などに開示されて
いるものなどがある。これらの炭素類では、上述の理論
容量に達するものはなく、ある程度の大きい容量をもっ
ているものであってもリチウムのデインターカレーショ
ン時の電位が直線的に増加し、実際に電池系を構成した
場合に使用できる電位範囲において充分な容量を示さな
いものがあり、電池を作製するにあたっての負極容量と
して満足いく負極を作製することができない。また、電
極を作製する場合、炭素材料の真密度も必要であるが、
単位体積あたりの密度を考えた場合には、嵩密度が重要
な因子となる。嵩密度を支配するのは炭素粒子の形状、
大きさであり、特開昭62−90863の実施例中、特
開平2−82466、特開平3−285273、特開平
3−289068に示されるような繊維状炭素では単位
体積あたりの容量密度を上げることは困難であり、これ
らの繊維状炭素でも、上述の理論容量に達するものはな
く、電池を作製するにあたって満足いく負極容量をもっ
た負極を作製することができない。また、特開昭63−
24555に示されるような気相法による熱分解炭素は
高い充放電安定性を示すが、この製法では厚膜の電極を
作製する事が難しく、高容量の電極を得ることは困難で
ある。
【0005】これに対して、R.Fong, U.Sacken, and J.
R.Dahn, J. Electrochem. Soc., 137, 2009(1990)に記
載されているがごとく、黒鉛を負極活物質として用いた
場合、理論容量 の放電容量がでるものの小さい電流の
測定であるので実用を考える上で満足できるものではな
い。また、黒鉛材料を負極活物質に用いたものとして特
開平4−112455、特開平4−115457、特開
平4−115458、特開平4−237971、特開平
5−28996等に示されているが、上述の理論容量に
達しておらず、電池を作製するにあたっての負極容量と
して満足いく負極を作製することができない。
【0006】特開平5−21065のごとく、リチウム
イオンを挿入・脱離する反応が平均電圧2V(Li/Li+)以
下であるカルコゲン化合物とリチウムイオンを挿入・脱
離することが可能な炭素質物との混合した負極を用いて
いるが、充放電電圧が低くエネルギー密度が低下する問
題がある。
【0007】特開平4−184863のごとく、炭素材
に金属(ニッケル、銅)被膜を形成したり、特開平4−
259764のごとく、炭素と金属(少なくとも1種類
以上のリチウムと合金化しない金属)との混合負極を用
いることにより、サイクル特性の向上、高温放置後の高
率放電の改善を行うことができるが、根本的な、負極容
量の向上は期待できない。
【0008】特開平3−216960のごとく、炭素体
表面に、孔部を塞がないように、リチウムを形成するこ
とにより、大電流の取り出し可能であり、サイクル寿命
および安全性を向上した二次電池を得ることができ、特
開平4−39864のごとく、炭素質物に活物質と合金
を形成し得る合金を含浸させた負極を用いることによっ
て電極容量が大きく、充放電サイクル特性が優れ、自己
放電特性の改良された二次電池を得ることができるが、
電極製造における工程が増すという問題がある。
【0009】特開平4−179049のごとく、導電性
高分子と金属および/あるいは炭素系材料との複合負極
を用いることにより、フレキシブルでサイクル寿命の長
い電池用負極を提供できるものの、充放電容量に問題が
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記に記載のごとく、
種々の炭素材料、黒鉛材料を負極活物質に用いることに
よっても、理論容量(372mAh/g)に達しておら
ず、電池を作製するにあたっての負極容量として満足い
く負極を作製することができない。しかし、黒鉛材料に
おいては、基本的に、理論容量を充放電することが可能
であるものの、その時に用いる充放電電流値は実用上使
用できる電流値ではないなどの問題点がある。また、リ
チウムイオンを挿入・脱離する反応が平均電圧2V(Li/Li
+)以下であるカルコゲン化合物とリチウムイオンを挿入
・脱離することが可能な炭素質物との混合した負極を用
いているが、充放電電圧が低くエネルギー密度が低下す
る問題、炭素とリチウムと合金を作らない金属との複合
負極においては、根本的な負極容量の向上をもたらすこ
とはできなく、炭素にリチウムあるいはリチウムと合金
を作る金属を被覆させた複合負極においては電極製造に
おける工程の増加という問題、導電性高分子と金属およ
び/あるいは炭素系材料との複合負極においては充放電
容量に問題がある。
【0011】そこで本発明は、前述の実情をふまえ、リ
チウムのインターカレーション・デインターカレーショ
ン可能な黒鉛に酸化銅と結着材とを混合した電極を提供
することにより、高容量の、電極製造における工程を少
なくできる黒鉛混合負極、さらには高容量の、電圧の高
いリチウム二次電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、正極、
負極及び非水系のイオン伝導体からなる電池において、
前記負極が負極活物質の主成分としてリチウムイオンの
インターカレーション・デインターカレーション可能な
黒鉛より成り、さらにこの電極内に酸化銅と結着材とが
存在した電極であるリチウム二次電池が提供される。
【0013】本発明の負極は、負極活物質の主成分とし
てのリチウムイオンのインターカレーション・デインタ
ーカレーション可能な黒鉛と酸化銅、結着材とを混合
し、成形することにより作製される。この時、負極集電
体を用いて、負極と負極集電体と一体となったものを作
製することもできる。
【0014】本発明で使用される負極活物質の主成分と
しての黒鉛は、X線広角回折法による(002)面の平
均面間隔(d002)が0.335〜0.340nm、
(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm以
上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10nm
以上である材料であり、これを用いることにより高容量
の電極を得ることができる。容量および充放電電位に影
響をおよぼす要因として、炭素の層状構造に関わる物性
があげられる。炭素の層状構造に関わる物性には(00
2)面の面間隔(d002)、つまり層間距離と、結晶子
の大きさがある。結晶化度が高くなることによりリチウ
ムのデインターカレーション時の電位がリチウムの電位
に近くなるため、より高容量の炭素体電極を得ることが
期待できるわけである。したがって、リチウム二次電池
として組み上げた時、その使用できる電池容量を考えに
入れた場合、X線広角回折法による(002)面の平均
面間隔(d002)が0.335〜0.340nmである
ことが好ましい。(002)面方向の結晶子厚み(L
c)においては、10nm以下のときは結晶性が悪いた
め、リチウム二次電池として組み上げた時、その使用で
きる電池容量が小さくなり、実用的でない。(110)
面方向の結晶子厚み(La)においては、10nm以下
のときは結晶性が悪いため、リチウム二次電池として組
み上げた時、その使用できる電池容量が小さくなり、実
用的でない。
【0015】本発明で使用される負極活物質の主成分と
しての黒鉛において、アルゴンレーザーラマンによる1
580cm-1付近のピークに対する1360cm-1付近
のピークの強度比、つまりR値は、0.4以下が好まし
い。0.4より大きいと結晶化度が低くなり、リチウム
のデインターカレーション時の電位がリチウムの電位に
体してより高くなるため、リチウム二次電池として組み
上げた時、その使用できる電池容量が小さくなり、実用
的でない。
【0016】また、用いることのできる黒鉛として、上
記の物性条件を満たす、例えば天然黒鉛、キッシュグラ
ファイト、石油コークスまたは石炭ピッチコークス等の
易黒鉛化性炭素から得られる人造黒鉛、あるいは、膨張
黒鉛などの黒鉛類、また形状としては、球状、鱗片状、
繊維状あるいはそれらの粉砕物のいずれであってもよい
が、球状、鱗片状あるいはそれらの粉砕物が好ましい。
【0017】黒鉛を負極として作製する際に、黒鉛の粒
径は80μm以下であることが好ましい。粒径は体積基
準による粒度分布測定により求められた粒度分布におい
て、ピークをもつ粒径として求められた値である。80
μmより大きい粒径の黒鉛を用いた場合、電解液との接
触面積が小さくなるため、粒子内のリチウムの拡散や、
反応サイトの減少等の問題が発生し、大きい電流での充
放電に問題が生じる。
【0018】負極中に混合される酸化銅は、酸化第一銅
および酸化第二銅の単体あるいは、これらの混合物を用
いることができるが、酸化第二銅のほうが充放電容量の
向上の点で好ましい。負極中に含まれる酸化銅の比率
は、黒鉛または酸化銅の種類や粒径などによって異なる
が、黒鉛と酸化銅との重量比について9.8:0.2〜
4:6であることが好ましい。特に9.8:0.2〜
6:4の範囲にあることが好ましい。9.8:0.2よ
り小さいと混合した効果が顕著に現れなく、4:6より
大きいと黒鉛の充放電時にリチウムイオンの反応サイト
の減少等がおこり、リチウム二次電池として組み上げた
時、その使用できる電池容量が小さくなり、実用的でな
い。
【0019】負極は上記に示された黒鉛と酸化銅、結着
材を混合して形成される。この結着材には、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系
ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィン系ポリマー、合成ゴム類等を用いることができる
がこれに限定されるものではない。この混合比は、黒鉛
と酸化銅との混合物と、結着材との重量比は、99:1
〜70:30とすることができる。結着材が70:30
より大きいと、電極の抵抗あるいは分極等が大きくなり
放電容量が小さくなるため実用的なリチウム二次電池が
作製できない。また、結着材が90:1より小さいと結
着能力がなくなってしまい、活物質の脱落や、機械的強
度の低下により電池の作製上困難である。負極作製にお
いて、結着性を上げるためにそれぞれの結着剤の融点前
後の温度で熱処理を行うことが好ましい。
【0020】負極から集電を取るために集電体が必要で
ある。集電体としては、金属箔や金属メッシュ、三次元
多孔体等がある。集電体に用いられる金属としては、サ
イクルを重ねた際の機械的強度の点から、リチウムと合
金のできにくい金属がよい。とくに、鉄、ニッケル、コ
バルト、銅、チタン、バナジウム、クロム、マンガンの
単独あるいは、それらの合金がよい。
【0021】イオン伝導体は、例えば有機電解液、高分
子固体電解質、無機固体電解質、溶融塩等を用いること
ができ、この中でも有機電解液を好適に用いることがで
きる。有機電解液の溶媒として、プロピレンカーボネー
ト、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエ
チルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類
や、テトラヒドロフラン、2ーメチルテトラヒドロフラ
ンなどの置換テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジエ
チルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、
メトキシエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスル
ホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニト
リル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられ、これらの
1種あるいは2種以上の混合溶媒として使用される。また
電解質として、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウ
ム、リンフッ化リチウム、6フッ化砒素リチウム、トリ
フルオロメタンスルホン酸リチウム、ハロゲン化リチウ
ム、塩化アルミン酸リチウム等のリチウム塩が挙げら
れ、これらの1種或いは2種以上を混合して使用され
る。前記で選ばれた溶媒に電解質を溶解することによっ
て電解液を調製する。電解液を調製する際に使用する溶
媒、電解質は、上記に掲げたものに限定されない。
【0022】この発明のリチウム二次電池における正極
としては、LiCoO2、LiNiO2や、この系列のL
ixMyNzO2(ここでMはFe、Co、Niのいずれか
であり、Nは遷移金属、4B族、あるいは5B族の金属
を表す)、LiMn24およびLiMn2-xNyO4(こ
こでNは遷移金属、4B族、あるいは5B族の金属を表
す)等のリチウムを含有した酸化物を正極活物質とし
て、これに導電材、結着材及び場合によっては、固体電
解質等を混合して形成される。この混合比は、活物質1
00重量部に対して、導電材を5〜50重量部、結着材
を1〜30重量部とすることができる。この導電材に
は、カーボンブラック(アセチレンブラック、サーマル
ブラック、チャンネルブラック等)などの炭素類や、グ
ラファイト粉末、金属粉末等を用いることができるがこ
れに限定されるものではない。この結着材には、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ
素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系ポリマー、合成ゴム類などを用いることが
できるがこれに限定されるものではない。導電材が5重
量部より小さい、あるいは結着材が30重量部より大き
いと、電極の抵抗あるいは分極等が大きくなり放電容量
が小さくなるため実用的なリチウム二次電池が作製でき
ない。導電材が50重量部より多い(混合する導電材の
種類により重量部は変わる)と電極内に含まれる活物質
量が減るため正極としての放電容量が小さくなる。結着
材は、1重量部より小さいと結着能力がなくなってしま
い、30重量部より大きいと、導電材の場合と同様に、
電極内に含まれる活物質量が減り、さらに、上記に記載
のごとく、電極の抵抗あるいは分極等が大きくなり放電
容量が小さくなるため実用的ではない。正極作製におい
て、結着性を上げるためにそれぞれの結着剤の融点前後
の温度で熱処理を行うことが好ましい。
【0023】
【作用】本発明による負極、つまりリチウムのインター
カレーション・デインターカレーション可能な黒鉛に酸
化銅と結着材とを混合した電極は、高容量である。これ
は、酸化銅が電気化学的に還元されたものに、可逆的に
進行するリチウムと銅の複合酸化物ができたためであ
る。また、炭素にリチウムあるいはリチウムと合金を作
る金属を被覆させた複合負極に比べ電極製造における工
程を少なくできる。さらには高容量な、かつリチウムイ
オンを挿入・脱離する反応が平均電圧2V(Li/Li+)以下で
あるカルコゲン化合物とリチウムイオンを挿入・脱離す
ることが可能な炭素質物との混合した負極を用いた電池
に比べ、負極のより低い電位を用いることができるた
め、電池電圧の高いリチウム二次電池を提供することが
できる。したがって、本発明による負極を使用したリチ
ウム二次電池は、前記の問題点を解決した優れたリチウ
ム二次電池を提供することができる。
【0024】
【実施例】以下、この発明を実施例により、更に詳細に
説明する。
【0025】尚、X線広角回折法による結晶子の大きさ
(Lc、La)を測定する方法は、公知の方法、例え
ば”炭素材料実験技術 1 p55〜63 炭素材料学
会編(科学技術社)”や特開昭61−111907に記
載された方法によって行うことができる。また、結晶子
の大きさを求める形状因子Kは0.9を用いた。また、
粒径はレーザー回折式粒度分布計を用いて測定を行い、
粒度分布においてピークをもつ粒径として求めた。
【0026】実施例1 ・負極の作製 主要負極活物質としてマダガスカル産の天然黒鉛(鱗片
状、粒径11μm、d002は0.337nm、Lcは2
7nm、Laは17nm、R値は0、比表面積8m2
g)を用い、これと市販の酸化第二銅(粒径27μm)
とを重量比9.5:0.5で乳鉢にて混合し、ノニオン
系の分散剤を添加し、ポリテトラフルオロエチレン(乾
燥後、黒鉛と酸化第二銅と合せたものと、ポリテトラフ
ルオロエチレンとの重量比は、87:13である。)の
ディスパージョン液を加えてペースト状にしたものを、
銅箔集電体上、両面に塗布した。これを60℃で乾燥、
240℃で熱処理後、プレスし、さらに水分除去のため
に200℃で減圧乾燥したものを負極として用いた。こ
の負極は、表面積8cm2、電極の厚みが126μm
(集電体の厚みが50μm)である。
【0027】・負極の評価 銅集電体からリード線で集電を取り、評価用の電極とし
た。評価は、3極法を用い、対極および参照極にリチウ
ムを用いた。電解液は、エチレンカーボネートとジエチ
ルカーボネートとの1:1混合溶媒に1mol/lの過
塩素酸リチウムを溶解したものである。充放電試験は、
30mA/gの電流密度で初めに0Vまで充電を行い、
続いて同じ電流で2.5Vまで放電を行った。2回目以
降も同じ電位の範囲、電流密度で充放電を繰り返し、放
電容量にて負極の評価を行った。
【0028】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり398mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり385mAhであった。
【0029】実施例2 主要負極活物質としてマダガスカル産の天然黒鉛とし、
これと市販の酸化第一銅(粒径34μm)とを重量比
9.6:0.4として混合し、実施例1に記載された方
法で負極を作製した。作製した負極の表面積が8c
2、厚みは139μm(集電体の厚みが50μm)で
ある。
【0030】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0031】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり373mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり359mAhであった。
【0032】実施例3 主要負極活物質として膨張黒鉛(鱗片状、粒径8μm、
002は0.337nm、Lcは17nm、Laは12
nm、R値は0.1、比表面積9m2/g)とし、これ
と篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径15μm)とを
重量比9:1として混合し、実施例1に記載された方法
で負極を作製した。作製した負極の表面積が8cm2
厚みは81μm(集電体の厚みが50μm)である。
【0033】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0034】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり467mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり412mAhであった。
【0035】実施例4 主要負極活物質として膨張黒鉛(鱗片状、粒径8μm、
002は0.337nm、Lcは17nm、Laは12
nm、R値は0.1、比表面積9m2/g)とし、これ
と市販の酸化第一銅(粒径34μm)とを重量比9.
6:0.4として混合し、実施例1に記載された方法で
負極を作製した。作製した負極の表面積が8cm2、厚
みは125μm(集電体の厚みが50μm)である。
【0036】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0037】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり427mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり398mAhであった。
【0038】比較例1 マダガスカル産の天然黒鉛のみを用いて実施例1に記載
された方法で負極を作製した。作製した負極の表面積が
8cm2、厚みは130μm(集電体の厚みが50μ
m)である。
【0039】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0040】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり349mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり338mAhであった。
【0041】実施例1〜4と比較例1の結果を表1に示
す。これより、黒鉛に酸化銅を混合することにより負極
としての放電容量が増すことが判明した。
【0042】
【表1】
【0043】実施例5 主要負極活物質として膨張黒鉛(鱗片状、粒径17μ
m、d002は0.337nm、Lcは22nm、Laは
15nm、R値は0.1、比表面積9m2/g)とし、
これと篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径52μm)
とを重量比9.4:0.6として混合し、実施例1に記
載された方法で負極を作製した。作製した負極の表面積
が8cm2、厚みは178μm(集電体の厚みが50μ
m)である。
【0044】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0045】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり378mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり365mAhであった。
【0046】実施例6 主要負極活物質として人造黒鉛(鱗片状、粒径35μ
m、d002は0.336nm、Lcは22nm、Laは
13nm、R値は0、比表面積4m2/g)とし、これ
と篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径23μm)とを
重量比9.5:0.5として混合し、実施例1に記載さ
れた方法で負極を作製した。作製した負極の表面積が8
cm2、厚みは135μm(集電体の厚みが50μm)
である。
【0047】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0048】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり370mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり352mAhであった。
【0049】実施例7 主要負極活物質として人造黒鉛(球状、粒径6μm、d
002は0.339nm、Lcは25nm、Laは13n
m、R値は0.4、比表面積8m2/g)とし、これと
篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径15μm)とを重
量比9.2:0.8として混合し、実施例1に記載され
た方法で負極を作製した。作製した負極の表面積が8c
2、厚みは92μm(集電体の厚みが50μm)であ
る。
【0050】この負極を、電解液にエチレンカーボネー
トとプロピレンカーボネート、ジエチルカーボネートと
の2:1:2混合溶媒に1mol/lの過塩素酸リチウ
ムを溶解したものを用いた以外、実施例1に記載された
方法で評価した。
【0051】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり369mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり355mAhであった。
【0052】比較例2 主要負極活物質として1000℃で炭化したメソカーボ
ンマイクロビーズ(球状、粒径6μm、d002は0.3
49nm、Lcは1.3nm、Laは計算不可能、R値
は1.3、比表面積1m2/g)とし、これと篩い分け
した市販の酸化第二銅(粒径23μm)とを重量比9.
3:0.7として混合し、実施例1に記載された方法で
負極を作製した。作製した負極の表面積が8cm2、厚
みは105μm(集電体の厚みが50μm)である。
【0053】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0054】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり135mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり122mAhであった。
【0055】実施例1〜7と比較例2の結果を表1に示
す。これから黒鉛と酸化銅の混合物の場合に高容量の放
電容量がでることが判明した。
【0056】実施例8 主要負極活物質として人造黒鉛(鱗片状、粒径77μ
m、d002は0.337nm、Lcは26nm、Laは
14nm、R値は0.1、比表面積2m2/g)とし、
これと篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径23μm)
とを重量比9.5:0.5として混合し、実施例1に記
載された方法で負極を作製した。作製した負極の表面積
が8cm2、厚みは205μm(集電体の厚みが50μ
m)である。
【0057】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0058】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり378mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり365mAhであった。
【0059】比較例3 主要負極活物質として人造黒鉛(鱗片状、粒径117μ
m、d002は0.337nm、Lcは25nm、Laは
17nm、R値は0.1、比表面積1m2/g)とし、
これと篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径23μm)
とを重量比9.4:0.6として混合し、実施例1に記
載された方法で負極を作製した。作製した負極の表面積
が8cm2、厚みは278μm(集電体の厚みが50μ
m)である。
【0060】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0061】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり305mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり288mAhであった。
【0062】実施例1〜8と比較例3の結果を表1に示
す。これから黒鉛の粒径は80μm以下のものがよいと
判明した。
【0063】実施例9 主要負極活物質としてマダガスカル産の天然黒鉛を用
い、これと市販の酸化第二銅(粒径27μm)とを重量
比9.5:0.5で乳鉢にて混合し、ノニオン系の分散
剤を添加し、ポリテトラフルオロエチレン(乾燥後、黒
鉛と酸化第二銅と合せたものと、ポリテトラフルオロエ
チレンとの重量比は、76:24である。)のディスパ
ージョン液を加えてペースト状にしたものを、ニッケル
3次元多孔質集電体に塗布し、孔中にペーストを塗り込
んだ。これを60℃で乾燥、240℃で熱処理後、プレ
スし、さらに水分除去のために200℃で減圧乾燥した
ものを負極として用いた。この負極は、表面積4c
2、電極の厚みが378μmである。
【0064】この負極のニッケル3次元多孔質集電体か
らリード線で集電を取り、評価用の電極とした。そし
て、実施例1に記載された方法で負極を評価した。
【0065】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり363mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり348mAhであった。
【0066】比較例4 乾燥後、黒鉛と酸化第二銅と合せたものと、ポリテトラ
フルオロエチレンとの重量比を62:38にした以外
は、実施例9に記載された方法で負極を作製した。作製
した負極の表面積が4cm2、厚みは405μmであ
る。
【0067】この負極を実施例9に記載された方法で評
価した。
【0068】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり285mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり253mAhであった。
【0069】実施例10 乾燥後、黒鉛と酸化第二銅と合せたものと、ポリテトラ
フルオロエチレンとの重量比を97:3にした以外は、
実施例1に記載された方法で負極を作製した。作製した
負極の表面積が8cm2、厚みは115μm(集電体の
厚みが50μm)である。
【0070】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0071】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり395mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり361mAhであった。
【0072】比較例5 乾燥後、黒鉛と酸化第二銅と合せたものと、ポリテトラ
フルオロエチレンとの重量比を99.5:0.5にした
以外は、実施例1に記載された方法で負極を作製したと
ころ、集電体から剥離した。
【0073】実施例9、10と比較例4、5の結果を表
2に示す。これらと実施例1〜8から、黒鉛と酸化第二
銅と合せたものと、結着材との重量比は99:1〜7
0:30が最適であることが判明した。
【0074】
【表2】
【0075】実施例11 主要負極活物質として人造黒鉛(鱗片状、粒径7μm、
002は0.336nm、Lcは22nm、Laは13
nm、R値は0.1、比表面積10m2/g)を用い、
これと市販の酸化第二銅(粒径27μm)とを重量比
9.1:0.9で乳鉢にて混合し、あらかじめ、N,N
−ジメチルホルムアミドにポリフッ化ビニリデンを溶解
させたもの(N,N−ジメチルホルムアミドとポリフッ
化ビニリデンの重量比は、1.5:0.05である。)
に加え、ペースト状にした。この時、黒鉛と酸化第二銅
と合せたものと、ポリフッ化ビニリデンとの乾燥後の重
量比は、91:9であるように混合した。このペースト
を、ステンレス箔集電体上、両面に塗布した。これを6
5℃で乾燥、155℃で熱処理後、プレスし、さらに水
分除去のために160℃で減圧乾燥したものを負極とし
て用いた。この負極は、表面積8cm2、電極の厚みが
113μmである。
【0076】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0077】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり383mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり362mAhであった。
【0078】実施例12 主要負極活物質として人造黒鉛(鱗片状、粒径7μm、
002は0.336nm、Lcは22nm、Laは13
nm、R値は0.1、比表面積10m2/g)を用い、
これと市販の酸化第二銅(粒径27μm)とを重量比
9.2:0.8で乳鉢にて混合し、これにポリエチレン
の粉末を、黒鉛と酸化第二銅と合せたものと、ポリエチ
レンとの重量比が89:11になるように混合し、ニッ
ケル3次元多孔質集電体の孔中に混合物を塗り込んだ。
これを125℃の熱をかけてプレスし、その後に水分除
去のために110℃で減圧乾燥したものを負極として用
いた。この負極は、表面積4cm2、電極の厚みが33
4μmである。
【0079】この負極を実施例9に記載された方法で評
価した。
【0080】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり368mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり351mAhであった。
【0081】実施例13 主要負極活物質として膨張黒鉛(鱗片状、粒径8μm、
002は0.337nm、Lcは17nm、Laは12
nm、R値は0.1、比表面積9m2/g)とし、これ
と篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径15μm)とを
重量比8:2(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=0.8)とし
て混合し、実施例1に記載された方法で負極を作製し
た。作製した負極の表面積が8cm2、厚みは104μ
m(集電体の厚みが50μm)である。
【0082】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0083】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり408mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり398mAhであった。
【0084】実施例14 篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径23μm)を用い
た以外実施例13に記載された方法で負極を作製した。
作製した負極の表面積が8cm2、厚みは88μm(集
電体の厚みが50μm)である。
【0085】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0086】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり403mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり395mAhであった。
【0087】実施例15 篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径35μm)を用い
た以外実施例13に記載された方法で負極を作製した。
作製した負極の表面積が8cm2、厚みは126μm
(集電体の厚みが50μm)である。
【0088】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0089】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり402mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり397mAhであった。
【0090】実施例16 膨張黒鉛と酸化第二銅(粒径23μm)との重量比を
9.8:0.2(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=0.98)
とした以外は実施例13に記載された方法で負極を作製
した。作製した負極の表面積が8cm2、厚みは86μ
m(集電体の厚みが50μm)である。
【0091】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0092】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり384mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり361mAhであった。
【0093】実施例17 膨張黒鉛と酸化第二銅(粒径23μm)との重量比を
9.5:0.5(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=0.95)
とした以外は実施例13に記載された方法で負極を作製
した。作製した負極の表面積が8cm2、厚みは97μ
m(集電体の厚みが50μm)である。
【0094】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0095】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり393mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり358mAhであった。
【0096】実施例18 実施例3を実施例18にする。
【0097】つまり、膨張黒鉛と酸化第二銅(粒径23
μm)との重量比を9:1(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=
0.90)とした以外は実施例13に記載された方法で
負極を作製した。作製した負極の表面積が8cm2、厚
みは81μm(集電体の厚みが50μm)である。
【0098】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0099】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり467mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり412mAhであった。
【0100】実施例19 膨張黒鉛と酸化第二銅(粒径23μm)との重量比を
6:4(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=0.60)とした以
外は実施例13に記載された方法で負極を作製した。作
製した負極の表面積が8cm2、厚みは89μm(集電
体の厚みが50μm)である。
【0101】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0102】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり433mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり407mAhであった。
【0103】実施例20 膨張黒鉛と酸化第二銅(粒径23μm)との重量比を
5:5(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=0.50)とした以
外は実施例13に記載された方法で負極を作製した。作
製した負極の表面積が8cm2、厚みは91μm(集電
体の厚みが50μm)である。
【0104】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0105】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり367mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり352mAhであった。
【0106】実施例21 膨張黒鉛と酸化第二銅(粒径23μm)との重量比を
4:6(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=0.40)とした以
外は実施例13に記載された方法で負極を作製した。作
製した負極の表面積が8cm2、厚みは111μm(集
電体の厚みが50μm)である。
【0107】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0108】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり366mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり346mAhであった。
【0109】比較例6 膨張黒鉛のみ(重量比 黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=1)
を用いて実施例1に記載された方法で負極を作製した。
作製した負極の表面積が8cm2、厚みは107μm
(集電体の厚みが50μm)である。
【0110】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0111】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり352mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり349mAhであった。
【0112】比較例7 膨張黒鉛と酸化第二銅(粒径23μm)との重量比を
2:8(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=0.20)とした以
外は実施例13に記載された方法で負極を作製した。作
製した負極の表面積が8cm2、厚みは124μm(集
電体の厚みが50μm)である。
【0113】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0114】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり278mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり250mAhであった。
【0115】比較例8 膨張黒鉛と酸化第二銅(粒径23μm)との重量比を
1:9(黒鉛/(黒鉛+酸化銅)=0.10)とした以
外は実施例13に記載された方法で負極を作製した。作
製した負極の表面積が8cm2、厚みは124μm(集
電体の厚みが50μm)である。
【0116】この負極を実施例1に記載された方法で評
価した。
【0117】その結果、2サイクル目の放電容量は、炭
素1gあたり237mAh、20サイクル目の放電容量
は、炭素1gあたり225mAhであった。
【0118】実施例13〜21と比較例6〜8の結果を
表3に示す。これらについて、膨張黒鉛の膨張黒鉛と酸
化銅との混合物に対する重量比と2サイクル目の黒鉛1
gあたりの放電容量の関係を図1に示す。これより、黒
鉛と酸化銅との重量比が9.8:0.2〜4:6の範囲
にあることが好ましく、9.8:0.2〜6:4の範囲
にあることが特に好ましいと判明した。
【0119】
【表3】
【0120】実施例22 ・負極の作製 主要負極活物質としてマダガスカル産の天然黒鉛を用
い、これと市販の酸化第二銅(粒径27μm)とを重量
比9.5:0.5で乳鉢にて混合し、ノニオン系の分散
剤を添加し、ポリテトラフルオロエチレン(乾燥後、黒
鉛と酸化第二銅と合せたものと、ポリテトラフルオロエ
チレンとの重量比は、91:9である。)のディスパー
ジョン液を加えてペースト状にしたものを、ニッケル3
次元多孔質集電体に塗布し、孔中にペーストを塗り込ん
だ。これを60℃で乾燥、240℃で熱処理後、プレス
し、さらに水分除去のために200℃で減圧乾燥したも
のを負極として用いた。この負極は、直径14.5m
m、電極の厚みが0.41mmのペレットである。
【0121】・正極の作製 炭酸リチウムと炭酸コバルト、三酸化アンチモンをリチ
ウム原子とコバルト原子、アンチモン原子の比で1:
0.95:0.05になるようにそれぞれ秤量し、これ
を乳鉢で混合した後、空気中900℃で20時間焼成
し、その後乳鉢で粉砕することにより活物質の粉末を得
た。この活物質は、Li0.98Co0.95Sb0.052の組
成を有していた。このようにして得られた正極活物質を
アセチレンブラックと混合し、ノニオン系の分散剤を添
加し、ポリテトラフルオロエチレン(乾燥後、正極活物
質とアセチレンブラック、ポリテトラフルオロエチレン
との重量比は、100:10:5である。)のディスパ
ージョン液を加えてペースト状にしたものを、チタンメ
ッシュ集電体上に塗布した。これを60℃で乾燥、24
0℃で熱処理後、プレスし、さらに水分除去のために2
00℃で減圧乾燥したものを正極として用いた。この正
極は、直径14.5mm、電極の厚みが0.93mmの
ペレットである。
【0122】・電池の組立 図2に示すように、予め内底面に正極集電体2が溶接に
よって取り付けられ、絶縁パッキン8が載置された正極
缶1に、正極3を圧着した。次に、この上に微多孔性ポ
リプロピレンのセパレータ7を載置し、エチレンカーボ
ネートとプロピレンカーボネート、ジエチルカーボネー
トとの2:1:3の混合溶媒に1mol/lのLiPF6
を溶解した電解液を含浸させる。一方、負極缶4の内面
に、負極集電体5を溶接し、この負極集電体に負極6を
圧着させる。次に前記セパレータ7の上に前記負極6を
重ね正極缶1と負極缶4を絶縁パッキン8を介在させて
かしめ、コイン型電池を作製する。
【0123】・電池の評価 作製したコイン型電池を、充放電電流2mA、充電上限
電圧4.2Vで、4.2Vに達した後4.2Vの定電圧
充電を行い、充電時間を12時間とした。放電の下限電
圧を2.5Vとして容量を測定した。評価には、電池の
放電容量で行った。
【0124】その結果、放電における平均電圧が3.7
Vであり、2サイクル目の放電容量は、18mAh、1
0サイクル目の放電容量は、16mAhであった。
【0125】比較例9 マダガスカル産の天然黒鉛のみを用いて実施例22に記
載された方法で負極を作製した。作製した負極の大き
さ、厚み共に同じである。正極および電池も実施例22
に記載された方法で作製した。
【0126】この電池を実施例22に記載された方法で
評価した。
【0127】その結果、放電における平均電圧が3.7
Vであり、2サイクル目の放電容量は、14mAh、1
0サイクル目の放電容量は、13mAhであった。
【0128】実施例23 ・負極の作製 主要負極活物質として膨張黒鉛(鱗片状、粒径8μm、
002は0.337nm、Lcは17.2nm、Laは
12.5nm、R値は0.1、比表面積9.5m2
g)とし、これと篩い分けした市販の酸化第二銅(粒径
15μm)とを重量比9:1で乳鉢にて混合し、ノニオ
ン系の分散剤を添加し、ポリテトラフルオロエチレン
(乾燥後、黒鉛と酸化第二銅と合せたものと、ポリテト
ラフルオロエチレンとの重量比は、91:9である。)
のディスパージョン液を加えてペースト状にしたもの
を、ニッケル3次元多孔質集電体に塗布し、孔中にペー
ストを塗り込んだ。これを60℃で乾燥、240℃で熱
処理後、プレスし、さらに水分除去のために200℃で
減圧乾燥したものを負極として用いた。この負極は、直
径14.5mm、電極の厚みが0.38mmのペレット
である。
【0129】・正極の作製 炭酸リチウムと二酸化マンガンを、リチウム原子とマン
ガン原子の比で1.1:2になるようにそれぞれ秤量
し、これを乳鉢で混合した後、空気中900℃で3日間
焼成し、その後乳鉢で粉砕することにより活物質LiM
24の粉末を得た。このようにして得られた正極活物
質を導電材(アセチレンブラックと膨張黒鉛との重量比
2:1の混合物)と混合し、ノニオン系の分散剤を添加
し、ポリテトラフルオロエチレン(乾燥後、正極活物質
と導電材、ポリテトラフルオロエチレンとの重量比は、
100:10:5である。)のディスパージョン液を加
えてペースト状にしたものを、チタンメッシュ集電体上
に塗布した。これを60℃で乾燥、240℃で熱処理
後、プレスし、さらに水分除去のために200℃で減圧
乾燥したものを正極として用いた。この正極は、直径1
4.5mm、電極の厚みが1.0mmのペレットであ
る。
【0130】・電池の組立 電解液にエチレンカーボネートとγ−ブチロラクトン、
ジエチルカーボネートとの3:1:3の混合溶媒に1m
ol/lのLiPF6を溶解したものを用いた以外、実
施例22に記載された方法でコイン型電池を作製した。
【0131】・電池の評価 作製したコイン型電池を、充放電電流1mA、充電上限
電圧4.2Vで、4.2Vに達した後4.2Vの定電圧
充電を行い、充電時間を24時間とした。放電の下限電
圧を2.5Vとして容量を測定した。評価には、電池の
放電容量で行った。
【0132】その結果、放電における平均電圧が3.7
Vであり、2サイクル目の放電容量は、15mAh、1
0サイクル目の放電容量は、13mAhであった。
【0133】比較例10 膨張黒鉛(鱗片状、粒径8μm、d002は0.337n
m、Lcは17.2nm、Laは12.5nm、R値は
0.1、比表面積9.5m2/g)のみを用いて実施例
23に記載された方法で負極を作製した。作製した負極
の大きさ、厚み共に同じである。正極および電池も実施
例23に記載された方法で作製した。
【0134】この電池を実施例23に記載された方法で
評価した。
【0135】その結果、放電における平均電圧が3.7
Vであり、2サイクル目の放電容量は、13mAh、1
0サイクル目の放電容量は、11mAhであった。
【0136】
【表4】
【0137】実施例22、23と比較例9、10の結果
を表4に示す。これより、黒鉛と酸化銅を混合した負極
を用いると、高容量のリチウム二次電池を作製すること
が可能である。
【0138】
【発明の効果】本発明による負極、つまりリチウムのイ
ンターカレーション・デインターカレーション可能な黒
鉛に酸化銅と結着材とを混合した電極は、大きい放電容
量を示す。また、電極製造における工程を少なくするこ
とが可能である。さらには高容量であり、かつ負極のよ
り低い電位を用いることができることより、電池電圧の
高いリチウム二次電池を提供することができる。したが
って、本発明による負極を使用し、優れたリチウム二次
電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】膨張黒鉛の膨張黒鉛と酸化銅との混合物に対す
る重量比と2サイクル目の黒鉛1gあたりの放電容量の
関係を示す図である。
【図2】この発明の実施例22、23と比較例9、10
で製作した電池の説明図である。
【符号の説明】
1 正極缶 2 正極集電体 3 正極 4 負極缶 5 負極集電体 6 負極 7 セパレータ 8 絶縁パッキン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 宏志 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 山田 和夫 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 米田 哲也 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−258773(JP,A) 特開 平4−259764(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/02 H01M 4/36 - 4/62

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極及び非水系のイオン伝導体か
    らなる電池において、前記負極がリチウムイオンのイン
    ターカレーション・デインターカレーション可能な黒鉛
    と酸化銅と結着材からなり、前記黒鉛と前記酸化銅の混
    合物と前記結着材との重量比が、99:1〜70:30
    であるリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 正極、負極及び非水系のイオン伝導体か
    らなる電池において、前記負極がリチウムイオンのイン
    ターカレーション・デインターカレーション可能な黒鉛
    と酸化銅と結着材からなり、前記黒鉛と前記酸化銅との
    重量比が、9.8:0.2〜4:6であるリチウム二次
    電池。
  3. 【請求項3】 正極、負極及び非水系のイオン伝導体か
    らなる電池において、前記負極がリチウムイオンのイン
    ターカレーション・デインターカレーション可能な黒鉛
    と酸化銅と結着材からなり、前記黒鉛は、(002)面
    の平均面間隔(d 002 )が0.335〜0.340n
    m、(002)面方向の結晶子厚み(Lc)が10nm
    以上、(110)面方向の結晶子厚み(La)が10n
    m以上であるリチウム二次電池。
JP05112835A 1993-05-14 1993-05-14 リチウム二次電池 Expired - Fee Related JP3140880B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05112835A JP3140880B2 (ja) 1993-05-14 1993-05-14 リチウム二次電池
DE69404901T DE69404901T2 (de) 1993-05-14 1994-05-13 Lithium Sekundärbatterie
EP94303451A EP0627776B1 (en) 1993-05-14 1994-05-13 Lithium secondary battery
US08/242,106 US5432029A (en) 1993-05-14 1994-05-13 Lithium secondary battery
US08/427,226 US5478364A (en) 1993-05-14 1995-04-24 Method of manufacturing lithium secondary battery

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05112835A JP3140880B2 (ja) 1993-05-14 1993-05-14 リチウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06325753A JPH06325753A (ja) 1994-11-25
JP3140880B2 true JP3140880B2 (ja) 2001-03-05

Family

ID=14596728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05112835A Expired - Fee Related JP3140880B2 (ja) 1993-05-14 1993-05-14 リチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3140880B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3222022B2 (ja) * 1994-10-27 2001-10-22 シャープ株式会社 リチウム二次電池および負極活物質の製造方法
KR19990057611A (ko) * 1997-12-30 1999-07-15 조정래 리튬이온 이차전지
JP4706806B2 (ja) * 1999-04-02 2011-06-22 富山薬品工業株式会社 非水電解型二次電池
KR100446660B1 (ko) * 2001-11-22 2004-09-04 주식회사 엘지화학 리튬 이차 전지
JP2005290200A (ja) * 2004-03-31 2005-10-20 Daido Metal Co Ltd 水系導電性塗料及びその製造方法
JP2011032156A (ja) * 2009-07-06 2011-02-17 Kaneka Corp グラフェンまたは薄膜グラファイトの製造方法
JPWO2022185584A1 (ja) * 2021-03-03 2022-09-09
WO2023021781A1 (ja) * 2021-08-19 2023-02-23 ビークルエナジージャパン株式会社 リチウムイオン二次電池
CN114914099B (zh) * 2022-06-21 2023-03-17 安徽理工大学环境友好材料与职业健康研究院(芜湖) 聚化复合物石墨烯基电容存能装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06325753A (ja) 1994-11-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3262704B2 (ja) 非水系二次電池用炭素電極、その製造方法及びそれを用いた非水系二次電池
JP3222022B2 (ja) リチウム二次電池および負極活物質の製造方法
JP3556270B2 (ja) リチウム二次電池
JP3726958B2 (ja) 電池
US6156457A (en) Lithium secondary battery and method for manufacturing a negative electrode
JP4186507B2 (ja) リチウム二次電池正極活物質用炭素含有リチウム鉄複合酸化物およびその製造方法
JP2960834B2 (ja) リチウム二次電池
JP4963330B2 (ja) リチウム二次電池正極活物質用リチウム鉄複合酸化物、その製造方法およびそれを用いたリチウム二次電池
CN105280880B (zh) 非水电解质二次电池用正极、非水电解质二次电池以及其***
JPH06150971A (ja) 円筒型非水電解液二次電池
JP5245201B2 (ja) 負極、二次電池
JPH11176469A (ja) 非水系電池
JPH08148185A (ja) 非水系二次電池及び非水系二次電池用負極
JP4798741B2 (ja) 非水二次電池
JP3140880B2 (ja) リチウム二次電池
JPH06111818A (ja) 非水電解液二次電池用炭素負極
JP3236400B2 (ja) 非水二次電池
JP2004299944A (ja) 黒鉛質粒子、その製造方法、リチウムイオン二次電池およびその負極材料
JP3499739B2 (ja) リチウム二次電池及びリチウム二次電池の製造方法
JP3440705B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造法
JP3444616B2 (ja) 非水二次電池用負極
JP3458389B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP3720959B2 (ja) 二次電池用電極材料
JP3568247B2 (ja) 非水電解液二次電池
JP2836379B2 (ja) 非水電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071215

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081215

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091215

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees