JP3137779B2 - Cu−Ni−Sn合金の連続鋳造方法 - Google Patents
Cu−Ni−Sn合金の連続鋳造方法Info
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Description
れるCu−Ni−Sn合金の連続鋳造方法に関し、さら
に詳しくは、スイッチ、リレー、コネクター等の繰返し
応力が負荷される電気・電子部品材として好適なCu−
Ni−Sn合金の連続鋳造方法に関する。
ー等のように繰返し応力が負荷される電気・電子部品材
としては、一般にベリリウム銅(JIS C1720 )やりん青
銅(JIS C5210 )が広く用いられてきた。
成る組成の銅基合金(スピノーダル分解型合金)などが
知られており、特開平2-88750 号公報(「Cu−Ni−
Sn合金の製造方法」)には、Ni、Snを特定量含有
するCu基合金を所定の条件下で2段熱処理し、仕上加
工後再び熱処理することにより、機械的特性と導電性を
実用レベルに保持したまま、成形加工性が良好で疲労特
性に優れたCu−Ni−Sn合金が得られるというCu
−Ni−Sn合金の製造方法が開示されている。
の製造方法によると、小断面積の素コイルを製造する場
合に、高温度での熱処理や多くの工程を必要とするため
製造コストの上昇が避けられないという問題点があっ
た。また、鋳造時に結晶粒が粗大化し、過度の粒界反応
を生じてしまうため、例えば鋳造後の加工工程におい
て、過度の粒界反応物質によって割れを生ずる等、後工
程における加工性やめっき信頼性等に悪影響を及ぼすこ
とが多く、歩留りの低下を招いてしまうという問題点が
あった。
従来のCu−Ni−Sn合金の製造方法の問題点を解決
し、鋳造時における過度の粒界反応を極力抑制し、小断
面積の素コイルでさえも効率良く生産することができる
成形加工性の良好なCu−Ni−Sn合金の連続鋳造法
を提供することを目的とする。
を達成するために鋭意研究した結果、特定条件の下で鋳
型内の溶湯を冷却すると共に、鋳型内において形成され
た凝固鋳片を所定の引抜条件でパルス引抜によって鋳型
から引抜くことにより、疲労特性および耐熱性に優れた
Cu−Ni−Sn合金を連続的に鋳造することができる
ことを見い出し、本発明に到達した。
Ni:3〜25重量%、Sn:3〜9重量%、残部がCu
および不可避的不純物(脱酸剤を含む)から成るCu−
Ni−Sn合金の溶湯を、外壁に冷却構造体が接触装備
された鋳型に導入し、鋳型内において凝固鋳片と溶湯と
の凝固界面を形成させ、この凝固鋳片の引抜および冷却
を行うことにより連続的にCu−Ni−Sn合金の鋳塊
を得るCu−Ni−Sn合金の連続鋳造方法であって、
前記溶湯保持炉における溶湯の温度を凝固開始温度より
50〜 180℃高い温度とし、前記冷却構造体によって鋳型
における凝固鋳片引抜側開口部から20mm以内の範囲の内
壁面に、凝固開始温度から凝固終了温度までの範囲内の
温度勾配をつけ、この部分に導入された溶湯を、平均 1
00℃/分以上の冷却速度で上記溶湯温度から凝固終了温
度以下 300℃以上の温度まで冷却することにより、鋳型
内において凝固鋳片と溶湯との凝固界面を形成する一
方、鋳型内の凝固鋳片を、平均速度: 100〜 200mm/分
(2≦鋳片停止時間/鋳片引抜時間≦5)、引抜長:2
〜5mm/回(鋳片の長さ/鋳片の幅≦ 0.1)という条件
のパルス引抜によって鋳型から引抜くことを特徴とする
Cu−Ni−Sn合金の連続鋳造方法を提供するもので
ある。
によると、鋳型内における溶湯の冷却条件、および鋳型
からの鋳片の引抜条件を規定することにより、過度の粒
界反応を極力抑制し、成形加工性に優れた鋳塊を効率良
く得ている。
100〜 200mm/min(2≦鋳片停止時間/鋳片引抜時間≦
5)、引抜長2〜5mm/回(鋳片の厚さ/鋳片の幅≦
0.1)と規定しているが、平均速度を 100〜 200mm/min
に規定した理由は、 100mm/min未満では効率が悪く、 2
00mm/min以上ではインゴットにサイド割れが入り、健全
なインゴットが得られなくなってしまうためである。
(to)との比率(ts/to)を2≦ts/to≦5、引抜長を
2〜5mm/回に規定した理由は、ts/toが2より小さ
く、引抜長が2mm/回未満では、インゴットが蛇行して
健全なインゴットを得ることができず、逆にts/toが5
より大きく、引抜長が5mm/回をこえると、インゴット
にサイド割れ等が入り健全なインゴットを得ることがで
きないためである。
(t/w)をt/w≦0.1 に規定した理由は、t/wが
0.1をこえると過度の粒界反応を示し、粗圧延時に粒界
割れを起こしてしまうためである。
溶湯の冷却条件を次のように規定している。鋳型に導入
する溶湯の温度は凝固開始温度より50〜 180℃高い温度
とし、鋳型外壁面に接触装備した冷却構造体によって鋳
型における凝固鋳片引抜側開口部から20mm以内の範囲の
内壁面に、凝固開始温度から凝固終了温度までの範囲内
の温度勾配をつけ、この部分に導入された溶湯を、平均
100℃/分以上の冷却速度で上記溶湯温度から凝固終了
温度以下 300℃以上の温度まで冷却する。
凝固開始温度より50〜 180℃高い温度に規定した理由
は、溶湯温度が50℃以下ではある程度の急冷が得られ
ず、逆に180℃以上では溶湯温度が高すぎて十分な急冷
ができないためである。すなわち、溶湯はある程度の急
冷が行われないと、過度の析出反応が起こり、その後の
加工性に悪影響を与えてしまうのである。
記溶湯温度から凝固終了温度以下 300℃以上の温度まで
冷却するのは、 100℃/分未満の冷却速度では、結晶粒
が粗大化して過度の粒界反応を起し、その後の加工性に
悪影響を及ぼしてしまうためである。
行うことにより、結晶粒の粗大化が著しく抑制されるよ
うになり、また、上記のように溶湯の冷却をある程度の
急冷で行うことにより、過度の粒界反応が防止され、成
形加工性の良好な鋳片を得ることができるようになり、
効率的なCu−Ni−Sn合金の連続鋳造が可能になる
のである。
説明する。しかし本発明の範囲は以下の実施例により制
限されるものではない。
び不可避的不純物からなるCu−Ni−Sn合金をN2
ガス雰囲気下で溶解し、表1に示す各種条件の下、カー
ボン製の鋳型を用いて以下のように水平連続鋳造を行っ
た(図1)。
概要を示す図であって、まず、溶湯保持炉1(高周波誘
導炉)内で溶解した上記Cu−Ni−Sn合金の溶湯2
は、カーボン製の鋳型4内に導入され、鋳型4内におい
て鋳型4の外壁に接触装備された冷却構造体3(銅製水
冷ジャケット)によって冷却される。
は、上記冷却構造体3の鋳型4の外壁における接触位
置、接触面積、および水冷ジャケット内を流れる水量を
コントロールすることにより変化させることができる。
却構造体3によって冷却され、凝固鋳片と溶湯との凝固
界面を形成する。鋳型4内における凝固鋳片(鋳塊7)
はピンチロール5によって鋳型4から引抜かれ、引抜か
れた鋳塊7は、水冷シャワー6によって冷却される。
鋳塊7の引き出し方向に熱電対を連設することにより、
鋳型4の内壁面(内壁面近傍)の温度勾配を測定し、こ
の温度勾配から温度勾配曲線を求め、この温度勾配曲線
と、凝固開始温度および凝固終了温度(凝固開始温度と
凝固終了温度を示差熱分析により求めたところ、凝固開
始温度は1100℃、凝固終了温度は 925℃であった)とか
ら、鋳型内壁における凝固開始温度から凝固終了温度ま
での引抜方向に対する温度域の長さ(L1 )を求めた
(表1)。
の温度、鋳型内壁面の温度勾配および溶湯温度より、溶
湯温度から凝固終了温度以下で 300℃まで(本実施例に
おいては 625℃)の平均冷却速度を算出した(表1)。
5000l、重さが約44kgの鋳塊を得、得られた鋳塊を実体
顕微鏡(倍率4倍)によって観察し、欠陥の認められな
かったものは○印、認められたものは×印とし、鋳造後
の加工性についても、割れおよび破断が発生していたも
のを×印、割れおよび破断が発生していなかったものを
○印として評価し、その結果を表1に併記した。
て製造された鋳塊(試料No.1、No.2)は、加工性が良好
であり、しかも欠陥のない優れたものであった。一方、
平均冷却速度が遅い場合(試料No.3、No.4)や、鋳造条
件が不適当な場合(試料No.5)、得られた鋳塊には鋳造
欠陥が認められ、鋳造後の圧延性が劣っていることが確
認された。
発生が著しく減少し、加工性に優れた鋳塊を効率良く鋳
造することができるようになった。そのため、Cu−N
i−Sn合金展伸材の品質が著しく向上し、鋳塊製造コ
ストの大幅削減が可能となった。
の一例の概要を示す模式図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 溶湯保持炉におけるNi:3〜25重量
%、Sn:3〜9重量%、残部がCuおよび不可避的不
純物から成るCu−Ni−Sn合金の溶湯を、外壁に冷
却構造体が接触装備された鋳型に導入し、鋳型内におい
て凝固鋳片と溶湯との凝固界面を形成させ、この凝固鋳
片の引抜および冷却を行うことにより連続的にCu−N
i−Sn合金の鋳塊を得るCu−Ni−Sn合金の連続
鋳造方法であって、前記溶湯保持炉における溶湯の温度
を凝固開始温度より50〜 180℃高い温度とし、前記冷却
構造体によって鋳型における凝固鋳片引抜側開口部から
20mm以内の範囲の内壁面に、凝固開始温度から凝固終了
温度までの範囲内の温度勾配をつけ、この部分に導入さ
れた溶湯を、平均 100℃/分以上の冷却速度で上記溶湯
温度から凝固終了温度以下 300℃以上の温度まで冷却す
ることにより、鋳型内において凝固鋳片と溶湯との凝固
界面を形成する一方、鋳型内の凝固鋳片を、平均速度:
100〜 200mm/分(2≦鋳片停止時間/鋳片引抜時間≦
5)、引抜長:2〜5mm/回(鋳片の長さ/鋳片の幅≦
0.1)という条件のパルス引抜によって鋳型から引抜く
ことを特徴とするCu−Ni−Sn合金の連続鋳造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04309678A JP3137779B2 (ja) | 1992-10-24 | 1992-10-24 | Cu−Ni−Sn合金の連続鋳造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04309678A JP3137779B2 (ja) | 1992-10-24 | 1992-10-24 | Cu−Ni−Sn合金の連続鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06134552A JPH06134552A (ja) | 1994-05-17 |
JP3137779B2 true JP3137779B2 (ja) | 2001-02-26 |
Family
ID=17995962
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04309678A Expired - Lifetime JP3137779B2 (ja) | 1992-10-24 | 1992-10-24 | Cu−Ni−Sn合金の連続鋳造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3137779B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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JP5960282B2 (ja) * | 2012-11-13 | 2016-08-02 | Jx金属株式会社 | Cu−Ga合金スパッタリングターゲット及びその製造方法 |
JP7433262B2 (ja) * | 2020-03-30 | 2024-02-19 | 日本碍子株式会社 | Cu-Ni-Sn合金の製造方法及びそれに用いられる冷却器 |
CN113458352B (zh) * | 2020-03-30 | 2023-11-24 | 日本碍子株式会社 | Cu-Ni-Sn合金的制造方法及用于其的冷却器 |
-
1992
- 1992-10-24 JP JP04309678A patent/JP3137779B2/ja not_active Expired - Lifetime
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---|---|
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