JP3137207B2 - 印刷用和紙の製造方法 - Google Patents

印刷用和紙の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラーコピーやカラ
ー印刷などに使用するのに適した印刷用和紙を製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、和紙は、洋紙で使われるクレーや
炭酸カルシウムなどの目止め剤(顔料や填料)を使用せ
ずに繊維を生かして独特の風合を出しており、障子紙や
書道、絵画等の用紙として重用されきた。しかし、印刷
機の高度化やコピー機などOA機器の普及に伴い、紙の
腰が弱い、紙粉が出る、印刷の仕上がりが綺麗でない、
表面が毛羽立ち(印刷)版汚れが起こる、エア抜けし給
紙がスムーズにいかない、などの機械適性上ならびに印
刷適性上の欠点から、和紙の需要は伸び悩んでいた。
【0003】それで、発明者は、機械適性上や印刷適性
上の欠点が改善された和紙が得られる方法を案出し、先
に提案し(特願昭59−153736号)ており、既に
実用にも供されている。すなわち、先の提案にかかる方
法では、水溶性高分子樹脂を含む紙料を抄き上げ乾燥し
て和紙を得ることが骨子である。水溶性高分子樹脂の添
加で和紙の良さを損なわずに上記の欠点がかなり改善さ
れるのであるが、機械適性ならびに印刷適性の要求自体
の方も高度化しており、最近の要望を完全には満たせら
れていないのが実情である。特に、カラーコピーやカラ
ー印刷においては、最近、目ざましい進展がみられる状
況であるが、発明者の提案にかかる和紙は、最近のカラ
ーコピーやカラー印刷における要求を十分に満たせられ
なかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上の事情
に鑑み、機械適性や印刷適性がより改善され、カラーコ
ピーやカラー印刷における高度の要求をも十分に満たす
優れた印刷用和紙を容易に製造することの出来る方法を
提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、発明者は、水溶性高分子樹脂を含む紙料を用いて得
た和紙を検討した結果、この和紙は、水溶性高分子樹脂
を紙料段階で添加しているため、繊維自身は樹脂で被覆
されるが、繊維間にはかなりの隙間が出来ており、特に
表面強度やサイズ性が十分に改善されず、カラーコピー
やカラー印刷における高度の要求に応えられてなかった
ものと推察した。
【0006】そこで、表面強度とサイズ性を改善するた
め再び検討を続け、表面強度とサイズ性改善に効果のあ
るキトサンと中性サイズ剤に着目した。そして、様々な
試行と検討を重ねた結果、先の発明の提案にかかる、水
溶性高分子樹脂を含む紙料を用いて得られた和紙に、キ
トサンと中性サイジング剤を含み接着剤および顔料・填
料は含まない水溶液を含浸させるようにすれば、やはり
和紙のもつ風合いを損なわず、印刷適性および機械適性
がさらに向上させられるという知見を得るに至った。つ
まり、水溶性高分子の抜けたところをキトサンと中性サ
イジング剤で補完する後加工を塗工ではなく紙の内部ま
でキトサンと中性サイジング剤を浸透させられる含浸に
よって施すのである。
【0007】キトサンを用いてサイズ性を向上させる方
法は、特開昭63−135594号公報(公報A)、特
開昭63−203896号公報(公報B)、特開昭64
−14396号公報(公報C)に見られる。公報A,C
には、キトサンと共にデンプン等の接着剤を含む水溶液
を紙の表面にコーティングする方法が記載されている。
しかし、このように接着剤を含む液を和紙の表面にコー
ティングした場合には、繊維が殺され和紙のもつ独特の
風合いは失われ、印刷されたインキ表面やトナー表面が
ピカピカと光り安っぽい仕上がりにしかならない。ま
た、公報Bの方法は、和紙ではなく洋紙のサイズ性を改
善するものであり、洋紙の場合は、印刷されたインキ表
面やトナー表面がピカピカと光り、やはり安っぽい仕上
がりにしかならない。
【0008】また、キトサンに加えて中性サイジング剤
を用いて紙のサイズ性を向上させる方法が、特開昭63
−92799号公報(公報D)に見られる。公報Dに
は、その実施例5にみるようにキトサンおよび中性サイ
ジング剤を公報A,Cの場合と同様に接着剤(酸化デン
プン)も含む液に添加し紙にコーティングする方法、あ
るいは、キトサンおよび中性サイジング剤の両方を紙料
段階で添加する方法が記載されている。しかし、前者の
方法の場合は、液に接着剤も含まれているから上記のよ
うに安っぽい仕上がりにしかならないし、また、後者の
方法も、キトサンと中性サイジング剤を紙料段階で添加
するため十分な改善はなされていない。後者の方法で十
分な改善がなされないのは、紙料段階でキトサンと中性
サイジング剤を添加しても、補完対象の水溶性高分子の
不足箇所は未だ出来ておらず、適切な補完を行うことが
できないからである。水溶性高分子の不足箇所の出来き
た和紙となった後の段階でキトサンと中性サイジング剤
を用いて始めて適切に不足箇所の補完ができるのであ
る。
【0009】したがって、以上のことから、この発明に
かかる印刷用和紙の製造方法は、水溶性高分子樹脂を含
む紙料を用いて得られた和紙に、キトサンと中性サイジ
ング剤を含み接着剤および顔料・填料は含まない水溶液
を含浸させるようにしている。以下、この発明をより具
体的に詳しく説明する。
【0010】まず、主成分の繊維成分と水溶性高分子樹
脂を含む紙料を作成する。紙料において主成分となる繊
維成分としては、靱皮繊維、葉脈繊維、木材パルプが挙
げられ、これらは単独で用いてもよい(例えば、がんぴ
100%)し、混ぜ合わせて用いるようにしてもよい。
靱皮繊維を用いる場合は、例えば、みつまた、こうぞ、
麻、がんぴ等の黒皮、白皮やさらし皮を石灰、木灰、ソ
ーダ灰、カセイソーダなどの希薄溶液とともに開放釜か
圧力釜で煮沸し靱皮繊維を遊離させる。つぎに、靱皮繊
維を木づちやビータ等で叩解し、これに水と植物性の粘
液(とろろあおい等)を混ぜて紙料を得る。
【0011】植物性の粘液のかわりに、製紙用合成糊料
(ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアマイド、ア
ルギン酸ソーダ、ポリ燐酸塩などの化学粘液)を用いて
もよい。なお、繊維成分として、マニラ麻等の他の繊維
を適当量併用するようにしてもよい。つぎに、紙料に水
溶性高分子樹脂を加える。水溶性高分子樹脂としては、
例えば、ポリアミド・エポキシ樹脂が挙げられるが、こ
れに限らない。例えば、メラミン樹脂や尿素樹脂等であ
ってもよい。水溶性高分子樹脂の添加量は、水溶性高分
子樹脂添加前の紙料100重量部に対し1〜3重量部が
好ましい。1重量部未満では添加効果が薄く、3重量部
を超えると得られる和紙の地合が悪くなる傾向があるか
らである。
【0012】水溶性高分子樹脂を添加した紙料を、短
網、丸網、長網、ツインワイヤーなどの機械や、手作業
による流しすき法等で抄き上げ、乾燥させれば和紙が得
られる。そして、この発明の方法では、つぎに、このよ
うにして得た和紙に、キトサンと中性サイジング剤の含
浸を行う。
【0013】キトサンと中性サイジング剤を含み接着剤
および顔料・填料は含まない水溶液を和紙に含浸させる
のである。普通、キトサンと中性サイジング剤は同一の
水溶液に含ませ同時に含浸させるが、この発明の方法に
おいては、キトサンと中性サイジング剤の両方を同時に
含む水溶液を用いる同時含浸方式だけでなく、キトサン
と中性サイジング剤をそれぞれ単独で別々に含む水溶液
を用いて個別に含浸させる2段階含浸方式をとってもよ
い。2段階含浸方式の場合、両方の水溶液とも接着剤お
よび顔料・填料を含まないものであることは言うまでも
ない。
【0014】キトサンは、普通、甲殻類などから得たキ
チンを脱アセチル化することで得られるものであり、市
販のものが使える。一方、中性サイジング剤としては、
通常に用いられているものが使えるが、例えば、アルキ
ルケテンダイマー、置換環状ジカルボン酸無水物、カチ
オン性モノマーと疎水性モノマーの共重合物、カチオン
化脂肪酸アミドなどが具体的に挙げられる。
【0015】水溶液は、例えば、水を攪拌しながら中性
サイジング剤、キトサン、乳酸を順に入れてキトサンが
溶けてしまうまで1〜2時間ほど攪拌を続けることで作
れる。乳酸はキトサンを溶かし易くするために入れるも
のであるが、乳酸以外にSO 4 を含まないもの、例え
ば、酢酸など他の有機酸でもよい。SO4 を含むものは
和紙の保存性を損なうからである。
【0016】キトサンと中性サイジング剤を含む水溶液
を得て、この水溶液の中に和紙をくぐらせると、接着剤
や内添によるサイズ剤を含んでいなため和紙中の芯にま
で十分に浸透し、キトサンと中性サイジング剤が和紙中
に含浸されることとなる。キトサンと中性サイジング剤
の含浸後、普通は乾燥を行い、印刷用和紙を完成する。
含浸後の乾燥は、強制乾燥に限らず自然乾燥であっても
よい。
【0017】和紙に対するキトサンの含浸量は、0.0
5〜5g/m2 程度、好ましくは、0.1〜1g/m2
の範囲である。一方、和紙に対する中性サイジング剤の
含浸量は、0.005〜0.5g/m2である。中性サ
イジング剤の含浸量は、サイジング効果補完用であるの
で余り多いとキトサンの均一な含浸が難しくなることか
らキトサンの含浸量の1/8以下程度でよい。中性サイ
ジング剤の含浸量は、有効成分であるアルキルケテンダ
イマーが所定量含まれた溶液であるアコーペルの場合は
有効成分量である。キトサンや中性サイジング剤の含浸
量が余り少ないと含浸効果が弱く、余り多いと、和紙の
もつ独特の風合いが損なわれるようになる。
【0018】また、この発明の製造方法で得られる印刷
用和紙の他の性状については以下の通りである。厚み
は、普通、100〜220μm程度、好ましくは、14
0〜200μm程度である。電気抵抗値は109 〜10
15Ω程度の範囲にあることが好ましい。109 Ω未満で
は絶縁性が不十分であり、1015Ωを超えると機器出口
で静電気を十分に除去できず印刷済みの和紙の取扱いが
困難となる。
【0019】得られた印刷用和紙は、表面強度(表面強
さ)は、7A以上あることが好ましい。OA機器やカラ
ー印刷機にかけても、和紙の表面にケバ立ちが起こるこ
とが確実に防止できるからである。平滑度は、1〜5秒
程度である。平滑度が1秒未満だと表面が荒すぎるとい
う不都合が出る傾向がみられ、平滑度が5秒を超えると
表面が光るという不都合が出る傾向がみられる。
【0020】通気度は、5〜15秒/100ミリリット
ル程度である。通気度が5秒/100ミリリットル未満
だと1枚ずつ給紙することが困難になるという不都合が
出る傾向がみられ、通気度が15秒/100ミリリット
ルを超えると和紙の風合いが損なわれるという不都合が
出る傾向がみられる。この発明の印刷用和紙は、カラー
コピー用あるいはカラー印刷用に非常に適しているが、
白黒コピー用あるいは白黒印刷用でもあることは言うま
でもない。
【0021】
【作用】この発明の製造方法で得られた印刷用和紙で
は、紙料段階で添加された水溶性高分子樹脂と後加工で
含浸されたキトサンと中性サイジング剤が含まれてい
て、紙の腰の強化や、紙粉、エアー抜けおよび毛羽立ち
の防止がより十分なものとなり、機械適性が極めて良好
であって、しかも、カラーコピーやカラー印刷が綺麗に
仕上がり、印刷適性も極めて良好である。
【0022】つまり、紙料段階で添加された水溶性高分
子樹脂で一定の改善を行い、さらに改善不足の点を、キ
トサンと中性サイジング剤の後含浸で補完しているので
ある。キトサンの含浸は、紙の腰の強化や紙粉、エアー
抜け、毛羽立ちの防止および印刷性の向上に有効である
が、中性サイジング剤の併用がないとシワや紙のカール
を生じやすくカラーコピーやカラー印刷時におけるトナ
ー・インクの定着性およびトナー・インクの発色性が十
分なものにならない。
【0023】また、キトサンや中性サイジング剤の含浸
の際に水溶液に顔料・填料(クレーや炭酸カルシウム
等)や接着剤が含まれていないことも、特に高級な仕上
がりのカラーコピーやカラー印刷を保障する要因の一つ
である。顔料・填料や接着剤が含まれていない場合、和
紙のもつ風合いが損なわれず、印刷部分がテカテカと光
ることなく、落ちついた自然な仕上がりとなる。例え
ば、絵画などをカラーコピーすれば、本物そっくりのリ
アルさで仕上がる。これに対し、水溶液に填料や接着剤
が含まれていると、特にカラーコピーやカラー印刷の場
合、トナー・インクの付着した印刷部分の表面がテカテ
カと光り、不自然で安っぽい仕上がりにしかならない。
【0024】普通、和紙に水溶液を含浸させると破れや
シワが起こり易く実施は困難である。これに対し、この
発明の場合、紙料に添加された水溶性高分子樹脂で耐水
性が高まるため、和紙に水溶液を含浸しても、和紙が破
れたり、波打ったり、シワになったりせず、実施が容易
である。
【0025】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。勿論、
この発明は、下記の実施例に限らないことは言うまでも
ない。 −実施例− 原料としてこうぞ、マニラ麻およびパルプを混用して紙
料を得た。この紙料にポリアミド・エポキシ樹脂の一つ
であるポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂(カイメン
557Hディック・ハーキュレス社製)を添加した。添
加量は、純分で0.34%である。ついで、紙料を短網
抄紙機で抄き上げて乾燥し和紙を得た。
【0026】一方、以下のようにしてキトサンと中性サ
イジング剤を含む水溶液を得た。なお、キトサンはフロ
ーナックN(共和油脂社製)を、中性サイジング剤はア
ルキルケテンダイマーであるアコーペル12(有効成分
12% ディック・ハーキュレス社製)をそれぞれ用い
た。攪拌しながら30リットルの水に、まず、アコーペ
ル150ミリリットルを加え、さらに、フローナックN
を150g加えた後、乳酸を150ミリリットル加えて
1時間攪拌を続けてキトサンと中性サイジング剤を溶解
した水溶液を作成した。勿論、この水溶液には顔料・填
料や接着剤は全く入っていない。
【0027】そして、キトサンおよび中性サイジング剤
を含む作成した水溶液を和紙の両面より含浸させた。そ
の後、乾燥して印刷用和紙を得た。得られた印刷用和紙
の性状は以下の通りである。 厚み:175μm,電気抵抗値:4.7×1011Ω,通
気度:11.4秒/100ミリリットル,表面強度:9
A,平滑度:1.7秒,キトサン含浸量:0.46g/
2 ,中性サイジング剤含浸量:0.05g/m2 −比較例1− 比較例1は、実施例において水溶液含浸前の和紙そのも
のであり、性状は以下の通りであった。
【0028】厚み:156μm,電気抵抗値:2.7×
1012Ω,通気度:2.5秒/100ミリリットル,表
面強度:2A,平滑度:1.3秒,キトサン含浸量:な
し,中性サイジング剤含浸量:なし −比較例2− 比較例2の印刷用和紙は、水溶液には中性サイジング剤
が添加されずキトサンだけが含まれている他は、実施例
1と同様にして得たものであり、性状は以下の通りであ
る。
【0029】厚み:143μm,電気抵抗値:0.86
×1012Ω,通気度:5.6秒/100ミリリットル,
表面強度:6A,平滑度:1.2秒,キトサン含浸量:
0.46g/m2 ,中性サイジング剤含浸量:なし −比較例3− 比較例3の印刷用和紙は、水溶液にはキトサンが添加さ
れず中性サイジング剤の方だけが含まれている他は、実
施例1と同様にして得たものであり、性状は以下の通り
である。
【0030】厚み:147μm,電気抵抗値:2.1×
1012Ω,通気度:2.2秒/100ミリリットル,表
面強度:3A,平滑度:1.4秒,キトサン含浸量:な
し,中性サイジング剤含浸量:0.05g/m2 −比較例4− 比較例4の印刷用和紙は、水溶液には接着剤(澱粉)だ
けが0.5%添加されている他は、実施例1と同様にし
て得たものであり、性状は以下の通りである。
【0031】厚み:153μm,電気抵抗値:1.6×
1012Ω,通気度:2.5秒/100ミリリットル,表
面強度:4A,平滑度:1.1秒,キトサン含浸量:な
し,中性サイジング剤含浸量:なし,接着剤含浸量:
0.41g/m2 −比較例5− 比較例5の印刷用和紙は、キトサンと中性サイジング剤
を紙料段階で添加した他は、実施例1と同様にして得た
ものである。比較例5の印刷用和紙の性状は以下の通り
である。
【0032】厚み:234μm,電気抵抗値:1.6×
1012Ω,通気度:2秒/100ミリリットル,表面強
度:2A,平滑度:2.3秒,キトサン含浸量:0.5
g/m2 ,中性サイジング剤含浸量:0.06g/m2 上記の実施例および比較例の和紙について、紙の腰、紙
粉、エアー抜け、毛羽立ち、カラーコピー適性(美し
さ)の良否について調べた。結果は、以下の通りであ
り、全てを満足するのは実施例のものだけであった。
【0033】 紙の腰 紙粉防止 エア−抜け防止 毛羽立ち防止 カラーコピー適性 実施例 「○○」「○○」 「○○」 「○○」 「○○」 比較例1 「×」 「×」 「×」 「×」 「×」 比較例2「○○」 「○」 「○」 「△」 「○」 比較例3 「×」 「×」 「×」 「×」 「×」 比較例4 「△」 「△」 「×」 「△」 「×」 比較例5 「×」 「×」 「×」 「×」 「×」 ○○・・優 ○・・良 △・・可 ×・・不良 なお、紙の腰 紙粉防止 エア−抜け防止 毛羽立ち防
止 カラーコピー適性は以下のようにして調べた。
【0034】紙の腰・・・・・・クラークのこわさ測定
機にて測定判断した。 紙粉防止・・・・・ワックス強度(表面強度)より判断
した。 エア−抜け防止・・通気量から判断した。 毛羽立ち防止・・・ワックス強度(表面強度)より判断
した。 カラーコピー適性・実機にて試刷をして判断した。
【0035】
【発明の効果】この発明の製造方法で得られた印刷用和
紙では、紙料段階で添加された水溶性高分子樹脂の改善
不足が後加工で含浸されたキトサンと中性サイジング剤
で補完されていて、紙の腰の強化や紙粉、エアー抜けお
よび毛羽立ちの防止がより十分なものとなり、機械適性
および印刷適性が極め良好なものとなるだけでなく、さ
らに、発明の実施も容易であるから、この発明の製造方
法は非常に有用であるということが出来る。
【0036】カラーコピーの場合はランニングコストが
高く(A3版サイズ約500円/枚)てユーザから高度
の仕上がりが要求され、また、カレンダー等のカラー印
刷の場合は、年をおって豪華で美しいものが求められる
情勢にあるが、この発明で得た印刷用和紙は、これらの
要求や情勢に十分に応えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近森 啓一 高知市朝倉丙2108―145 (72)発明者 石川 順一 愛媛県川之江市金生町下分1583 (72)発明者 井上 龍雄 高知県土佐市高岡町乙211 (56)参考文献 特開 平2−127596(JP,A) 特開 昭61−34299(JP,A) 特開 昭63−92799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/10 D21H 17/55 D21H 19/24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性高分子樹脂を含む紙料を抄き上げ
    乾燥して和紙を製造する工程(a) と、 得られた和紙に、キトサンと中性サイジング剤を含み接
    着剤および顔料・填料は含まない水溶液を含浸させる工
    程(b) とを含む印刷用和紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 和紙に対するキトサンの含浸量が0.0
    5〜5g/m2 であり、和紙に対する中性サイジング剤
    の含浸量が、0.005〜0.5g/m2 である請求項
    1記載の印刷用和紙の製造方法。
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