JP3135500B2 - ストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した写真用カメラ - Google Patents

ストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した写真用カメラ

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JP3135500B2 JP08167026A JP16702696A JP3135500B2 JP 3135500 B2 JP3135500 B2 JP 3135500B2 JP 08167026 A JP08167026 A JP 08167026A JP 16702696 A JP16702696 A JP 16702696A JP 3135500 B2 JP3135500 B2 JP 3135500B2
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尚 小倉
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    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B41/00Circuit arrangements or apparatus for igniting or operating discharge lamps
    • H05B41/14Circuit arrangements
    • H05B41/30Circuit arrangements in which the lamp is fed by pulses, e.g. flash lamp
    • H05B41/32Circuit arrangements in which the lamp is fed by pulses, e.g. flash lamp for single flash operation

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  • Stroboscope Apparatuses (AREA)
  • Discharge-Lamp Control Circuits And Pulse- Feed Circuits (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真撮影の際に人
工光源として有用されているストロボ装置および該スト
ロボ装置を内蔵した写真用カメラに関し、特に主コンデ
ンサであるアルミ電解コンデンサをコストダウンするこ
とにより装置全体を安価にできたストロボ装置および該
ストロボ装置を内蔵した写真用カメラに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来よりストロボ装置は写真撮影の際の
人工光源として周知であり、その基本的な構成について
簡単に述べると、例えば乾電池である直流低圧電源の端
子電圧を昇圧するDC−DCコンバータ回路や積層高圧
電源等からなる周知の直流高圧電源により主コンデンサ
を、その充電完了状態において通常330V程度の一定
高電圧値に充電し、さらにこの主コンデンサに充電され
た充電電荷を閃光放電管を介して瞬時に放電させること
により、当該閃光放電管より太陽光に近似した波長分布
を有する被写体照明用の発光を発生させるように構成さ
れている。
【0003】なお、直流高圧電源がDC−DCコンバー
タ回路である場合、上記コンバータ回路の動作を制御し
て主コンデンサの充電電圧値を一定高電圧値となるよう
に制御するいわゆる定電圧回路が設けられ、また、必要
に応じて閃光放電管からの発光量を制御するためのいわ
ゆる調光回路が設けられることも周知である。さらに、
上記のようなストロボ装置は、近年においてはストロボ
装置単体として独立したものだけでなく、種々の写真用
カメラ、例えば周知のフィルム交換のできない使い切り
カメラや撮影レンズを交換できないコンパクトカメラ等
に内蔵されるストロボ装置も種々提案、あるいは実用化
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ストロボ装置は上述し
たように写真撮影の際の人工光源として有用されている
が、先の使い切りカメラやコンパクトカメラに内蔵され
るストロボ装置については上記両カメラの販売競争に伴
う両カメラ自体の価格低下により、発光量等の性能仕様
を現状維持してのコストダウンが強く要望されている。
【0005】特に使い切りカメラに内蔵されるストロボ
装置ついては、カメラを構成する全部品コストに占める
ストロボ装置部の部品コストの割合が高く、換言すれば
ストロボ装置部の部品コストを下げることができればそ
の効果が大きいことから上記コストダウンがより一層強
く要望されているのが現状である。ここで、かかる現状
を考慮し、例えば先の使い切りカメラに内蔵されるスト
ロボ装置の部品単価についてみてみると、通常、上記ス
トロボ装置の特性を決定する主コンデンサの単価がスト
ロボ装置を構成するための全部品単価の約1/3を占め
ており、したがって上記ストロボ装置のコストダウンに
は、この主コンデンサの単価を下げることが効果的であ
り、望まれる。
【0006】ところで、上記主コンデンサには、通常、
陽極アルミ箔と陰極アルミ箔とを電解紙を介して重ね合
わせた後に同心円に巻回して巻回素子を形成し、次いで
この巻回素子に電解液を含浸させ、さらにこの電解液が
含浸せられた含浸済巻回素子を所定容器内に封入してゴ
ムパッキン等で密封することにより完成させられるアル
ミ電解コンデンサが用いられている。
【0007】さらに上記アルミ電解コンデンサの単価決
定要因についてみてみると、先の陽極アルミ箔等の電極
箔の単価が上記アルミ電解コンデンサの単価の約70%
を占めており、また上記電極箔の単価は箔耐電圧が高い
もの程、また箔面積に比例して高価格になることが知ら
れている。したがって、主コンデンサの単価を低下さ
せ、これによりストロボ装置および当該ストロボ装置が
内蔵された写真用カメラのコストダウンを行うには、上
記電極箔として箔耐電圧が低いものを使用する、あるい
は箔面積を少なくして使用することが考えられる。
【0008】しかしながら、箔耐電圧が低いものを使用
すると当然使用できる電圧が低くなり、また箔面積を少
なくして使用すると当然静電容量値が低下し、よって、
発光量等の性能仕様を現状維持しようとすると、例えば
一例としてCV2/2で表される閃光放電管に印加でき
るエネルギーを現状維持しようとすると、前者の場合に
は静電容量値Cを増加させる必要があり、また後者の場
合も使用電圧Vを上昇させる必要があり、換言すると、
前者の場合には静電容量値Cを大きくするために例えば
箔面積を増大させる必要があり、また後者の場合には使
用電圧Vを高くするために例えば箔耐電圧の高い電極箔
を使用する必要がある。
【0009】ここで、上述した箔耐電圧の低下、あるい
は箔面積の減少によるコストダウン分と、それに伴う箔
面積の増大、あるいは箔耐電圧の高圧化によるコストア
ップ分とを比較してみると、上記コストダウン分が上記
コストアップ分でほとんど相殺されると共に、ともすれ
ば上記コストダウン分より上記コストアップ分が大きく
なる場合も生じることが確認できた。
【0010】すなわち、上述したような箔耐電圧の低下
もしくは箔面積の減少という要件のみによるアルミ電解
コンデンサのコストダウンは大きな効果を期待できず、
ストロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した写真用カ
メラのコストダウンという観点から見ればそれを十分に
は実現できない不都合点を依然として有していた。本発
明は上記のような点を考慮してなしたもので、主コンデ
ンサであるアルミ電解コンデンサの損失角および充電完
了電圧値を適宜設定することによりそのコストダウンを
行い、よって装置としてのコストダウンを実現できたス
トロボ装置および該ストロボ装置を内蔵した写真用カメ
ラを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、主コンデンサとして、陽・陰アルミ箔から
なる電極箔を電解紙を介して巻回した巻回素子に電解液
を含浸させた含浸済巻回素子を所定容器内に密封して形
成したアルミ電解コンデンサを用い、該アルミ電解コン
デンサに充電した充電電荷を閃光放電管によって消費し
太陽光に近似した波長分布を有する被写体照明用の
光を生じるストロボ装置であって、上記電解液の導電度
を高めて上記アルミ電解コンデンサの損失角を3%以下
に設定すると共に、上記アルミ電解コンデンサの充電完
了電圧値を265±35Vの範囲内の適宜電圧値に設定
する電圧設定手段を備えてなり、上記充電完了電圧値を
上記適宜電圧値に設定したころにより、上記充電完了電
圧値として上記適宜電圧値より高い電圧値を設定した場
合と同一発光仕様を得るために必要となる上記電極箔の
箔面積の増大割合を抑制できることを特徴としてストロ
ボ装置を構成したものである。
【0012】これにより、従来、ストロボ装置の全部品
単価の約1/3を占めていた主コンデンサの単価を下げ
ることができ、よってコストダウンを実現できたストロ
ボ装置および該ストロボ装置を内蔵した写真用カメラを
得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、主コンデンサとして、陽・陰アルミ箔からなる電極
箔を電解紙を介して巻回した巻回素子に電解液を含浸さ
せた含浸済巻回素子を所定容器内に密封して形成したア
ルミ電解コンデンサを用い、該アルミ電解コンデンサ
充電した充電電荷を閃光放電管によって消費して太陽光
に近似した波長分布を有する被写体照明用の発光を生じ
るストロボ装置であって、上記電解液の導電度を高めて
上記アルミ電解コンデンサの損失角を3%以下に設定す
ると共に、上記アルミ電解コンデンサの充電完了電圧値
を265±35Vの範囲内の適宜電圧値に設定する電圧
設定手段を備えてなり、上記充電完了電圧値を上記適宜
電圧値に設定したころにより、上記充電完了電圧値とし
て上記適宜電圧値より高い電圧値を設定した場合と同一
発光仕様を得るために必要となる上記電極箔の箔面積の
増大割合を抑制できることを特徴としてストロボ装置を
構成したものであり、閃光放電管への入力エネルギーに
対する発光量の比として周知の発光効率を向上させるこ
とができる作用を有し、よって適宜の発光量を基準に考
えた場合、アルミ電解コンデンサの単価を従来の構成の
ものに比して安価に構成できることになる作用を有す
る。
【0014】本発明の請求項2に記載の発明は、主コン
デンサとして、陽・陰アルミ箔からなる電極箔を電解紙
を介して巻回した巻回素子に電解液を含浸させた含浸済
巻回素子を所定容器内に密封して形成したアルミ電解コ
ンデンサを用い、該アルミ電解コンデンサに充電した充
電電荷を閃光放電管によって消費して太陽光に近似した
波長分布を有する被写体照明用の発光を生じるストロボ
装置を内蔵した写真用カメラであって、上記電解液の導
電度を高めて上記アルミ電解コンデンサの損失角を3%
以下に設定すると共に、上記アルミ電解コンデンサの充
電完了電圧値を265±35Vの範囲内の適宜電圧値に
設定する電圧設定手段を備えてなり、上記充電完了電圧
値を上記適宜電圧値に設定したころにより、上記充電完
了電圧値として上記適宜電圧値より高い電圧値を設定し
た場合と同一発光仕様を得るために必要となる上記電極
箔の箔面積の増大割合を抑制できることを特徴とする
記ストロボ装置を内蔵して写真用カメラを構成したもの
であり、上記請求項1の発明と同様に、発光効率を向上
させることができる作用を有し、よって適宜の発光量を
基準に考えた場合、アルミ電解コンデンサの単価を従来
の構成のものに比して安価に構成できることになる作用
を有する。
【0015】以下、本発明の実施の形態について図を参
照して説明する。 (実施の形態)図1は本発明によるストロボ装置の実施
の形態を示す略電気回路図である。図1からも明らかな
ように、本実施の形態は、例えば乾電池である直流低圧
電源の端子電圧を昇圧するDC−DCコンバータ回路や
積層高圧電源等から形成され、その出力端子から直流高
電圧を出力する直流高圧電源1を備えている。
【0016】直流高圧電源1の出力端子間には、当該出
力端子から出力される直流高電圧によって充電される損
失角が3%以下のアルミ電解コンデンサ2が主コンデン
サとして接続され、またこのアルミ電解コンデンサ2の
両端には、その充電電荷を消費して被写体照明光を発生
する閃光放電管3が接続されている。さらに、閃光放電
管3を励起する周知のトリガ回路4およびアルミ電解コ
ンデンサ2の充電完了電圧値が265±35Vの範囲内
の適宜電圧値になるように直流高圧電源1の動作を制御
する動作制御回路5を備えている。
【0017】すなわち、本実施の形態のストロボ装置
は、主コンデンサとして損失角が3%以下のアルミ電解
コンデンサ2を用い、かつ直流高圧電源1と動作制御回
路5とからなりアルミ電解コンデンサ2の充電完了電圧
値を265±35Vの範囲内の適宜電圧値、例えば28
0Vに設定する電圧設定手段を備えて構成されているこ
とを特徴とするものである。
【0018】なお、図示はしないが、必要に応じて閃光
放電管3の発光動作を制御するいわゆる調光回路等の周
知の発光制御手段を設けても良いことはもちろんであ
る。本実施の形態は上記のような構成を備えており、し
たがって、直流高圧電源1が動作を開始すると、主コン
デンサであるアルミ電解コンデンサ2は直流高圧電源1
の出力端子間に出力される直流高電圧によって充電され
ることになる。
【0019】一方、直流高圧電源1の動作は、アルミ電
解コンデンサ2の充電完了電圧値が265±35Vの範
囲内の適宜電圧値になるように動作制御回路5にて制御
されることから、上述した直流高圧電源1が出力する直
流高電圧によるアルミ電解コンデンサ2の充電は、その
充電完了電圧値が265±35Vの範囲内の適宜電圧値
になるように行われることになる。
【0020】アルミ電解コンデンサ2の充電が完了した
状態、すなわちその端子電圧が265±35Vの範囲内
の適宜電圧値まで充電された状態でトリガ回路4が動作
すると、閃光放電管3は当該トリガ回路4により励起さ
れ、よって上記アルミ電解コンデンサ2の充電電荷を消
費して被写体照明光を発生することになる。なお、閃光
放電管3の発光動作を制御する発光制御手段が設けられ
ている場合に、上記閃光放電管3から発せられる被写体
照明光は、例えばその発光量が適宜制御されたものとな
る。
【0021】以上、簡単に本実施の形態のストロボ装置
の発光動作について述べたが、かかる発光動作の基本は
従来周知のストロボ装置と同様である。次に、本実施の
形態の主コンデンサであるアルミ電解コンデンサ2にお
ける損失角と充電完了電圧値について説明する。図2
は、280Vに充電した同一静電容量値・異なる損失角
を有する複数のアルミ電解コンデンサを主コンデンサと
して特定閃光放電管を発光させた場合の上記損失角と発
光効率との関係を、従来より低い損失角として周知の損
失角4%を基準として示した損失角−効率特性図を示し
ている。
【0022】なお、静電容量値あるいは充電電圧値を種
々変化させて同様の確認を行ったところ、図2と同様の
損失角−効率特性が得られることが確認できている。図
2に示した損失角−効率特性図からも明らかなように、
発光効率は損失角が小さくなるに連れて上昇する特性を
有しており、具体的には、損失角が3%以下になると3
%以上の上昇特性が得られ、また2.5%以下になると
損失角が4%の場合に比して4%以上発光効率が良くな
り特に有利であり、換言すると、損失角を3%以下にな
すことにより、発光効率を損失角が4%であった場合に
比して向上させる効果を期待でき、またかかる効果は損
失角を2.5%以下になすことにより特に期待できるこ
とになる。
【0023】その理由については、損失角が小さくなる
ということは内部抵抗成分が小さくなるということに等
しく、したがって損失角を小さくした場合、上記内部抵
抗分による損失が少なくなり、充電エネルギーが効率良
く閃光放電管に供給されることになるためであると考え
られる。なお、損失角が3%以下のアルミ電解コンデン
サは、前述した巻回素子に含浸させる電解液の導電度を
制御することにより容易に、具体的には上記電解液の導
電度を高くすることにより実現できる。
【0024】また、損失角が1%以下になると5%以上
の発光効率の上昇が期待でき、より有利となるが、かか
る場合、上記損失角の維持特性の点で不利となり、すな
わち損失角を小さく設定するほどストロボ装置の発光動
作時の充放電動作に伴う電解液の劣化による影響を大き
く受けることになり、実際の使用は上記損失角の維持特
性を十分に考慮する必要があることも確認できている。
【0025】すなわち、電解液の導電度を高めることに
より損失角1%に設定したアルミ電解コンデンサを主コ
ンデンサとして用いて発光動作を多数回実施した場合、
発光回数が増えるに連れての電解液の劣化により損失角
が2%,3%と順次大きくなり、換言すれば上記1%の
損失角をそのまま維持し、多数回の発光動作にわたって
初めに設定した効果を得ることが困難となることが確認
できており、この結果、損失角を1%のように特に小さ
く設定した場合、その使用を例えば使い切りカメラの内
蔵ストロボ装置の主コンデンサとして用いる等の配慮を
行う必要のあることが確認できている。
【0026】一方、図3は、閃光放電管への入力エネル
ギーを一定にして当該閃光放電管を発光させた場合のア
ルミ電解コンデンサの充電電圧値と発光効率との関係
を、充電電圧値330Vを基準として示した充電電圧−
効率特性図を示している。図3に示した充電電圧−効率
特性図からも明らかなように、発光効率は、充電電圧値
330Vを中心に見てみると、それより低くなる場合、
充電電圧値が約255Vまでは上昇し、その後下降し、
逆に高くなる場合、徐々に下降する特性、すなわち充電
電圧値255Vの近辺にピークを有する特性を有し、特
に、充電電圧値が265±35Vの範囲では3%から数
%も上昇した状態に維持され有利であり、換言すると、
充電完了電圧値を265±35Vの範囲内の適宜電圧値
になすことにより、発光効率を従来の充電電圧値が33
0Vであった場合に比して大きく向上させる効果を特に
期待できることになる。
【0027】なお、静電容量値あるいは閃光放電管を種
々変化させて同様の確認を行ったところ、上述した発光
効率のピークが得られる電圧値が255Vの近辺で多少
変動する、具体的には255±5V程度の範囲での変動
が見られたものの図3と同様の傾向を示す充電電圧−効
率特性が得られることが確認できている。その理由につ
いては、3種の充電電圧値330V,300V,240
Vで閃光放電管を発光させた場合に得られる分光分布の
概略を示した略分光分布特性図である図4からも明らか
なように、充電電圧が下降するにつれて、写真撮影に不
必要な赤外光あるいは紫外光の発生が少なくなり、全体
の光に対する割合が少なくなる、換言すると赤外光ある
いは紫外光の発生に使用されていたエネルギーが少なく
なり、よって可視光の発生に使用されるエネルギーの使
用効率が上昇するためであると考えられる。
【0028】なお、発光効率だけを見れば充電完了電圧
値が230V以下でも良好な特性を得ることができる
が、充電完了電圧値が230V以下になると、今度は、
閃光放電管の特性の影響を受けるようになり、すなわ
ち、ストロボ装置は、通常、充電完了電圧値よりも数十
V低い充電電圧値を動作保証電圧値として設定してお
り、したがって、上記充電完了電圧値が230V以下と
いうことは上記動作保証電圧は180V以下まで低下す
ることが考えられ、一方、閃光放電管は、その発光動作
を安定して行えることになる比較的高い最低電圧を有
し、この結果、上記180V以下の電圧では安定した発
光動作を行うことが困難になる不都合を新たに生じるこ
とが考えられ、単に発光効率のみを考慮して充電完了電
圧値を下降させることにも問題があり、本発明において
は、上述した265±35Vの範囲内の適宜電圧値に充
電完了電圧値を制御している。
【0029】以上述べたように、本実施の形態のストロ
ボ装置は、主コンデンサとして損失角が3%以下のアル
ミ電解コンデンサ2を用いると共に、直流高圧電源1と
動作制御回路5とからなりアルミ電解コンデンサ2の充
電完了電圧値を265±35Vの範囲内の適宜電圧値に
設定する電圧設定手段を備えて構成されていることを特
徴とし、これにより発光効率を向上させることができる
ことになる。
【0030】この結果、本実施の形態のストロボ装置を
「コストダウン」という観点から見れば、まず、アルミ
電解コンデンサの充電完了電圧値を従前の330V程度
から265±35Vの範囲内の適宜電圧値に下降させた
ことから、箔耐電圧の低い、安価な電極箔を使用できる
ことになり、この点でのコストダウン効果を期待できる
ことになる。
【0031】なお、箔耐電圧を低下させた場合、前述し
たように同電圧を低下させる前と同等の性能仕様を得る
ためには箔面積を増大させる必要があることを考える
と、この箔面積の増大によるコストアップにより本実施
の形態のストロボ装置においても上記コストダウン効果
を十分に享受できないことも考えられる。しかしなが
ら、本実施の形態のストロボ装置は、上述のアルミ電解
コンデンサの充電完了電圧値の下降設定と共にその損失
角を3%以下に設定していることから前述したように発
光効率を向上させることができ、このため、発光量を基
準に考えた場合、CV2/2で表される閃光放電管への
印加エネルギーを少なくでき、換言すれば上記印加エネ
ルギーを少なくしても発光効率を向上させない場合と同
等の発光量を得られることになり、したがって箔耐電圧
の低下に伴い必要となる箔面積の増大の割合を、発光効
率を向上させない場合に比して小さくでき、結果として
箔面積の増大によるコストアップを抑制できることにな
る。
【0032】すなわち、本実施の形態のストロボ装置
は、発光効率を向上させていることから、充電完了電圧
値が330V程度の高電圧値で、かつ損失角が4%近辺
のアルミ電解コンデンサを用いた場合の装置において箔
耐電圧を低下させた場合に必要となる箔面積の増大量に
比して少ない増大量で箔耐電圧を低下させる前の性能仕
様を実現でき、この結果、箔面積の増大によるコストア
ップの影響を小さなものとでき、箔耐電圧の低下による
コストダウン効果を十分に享受できることになるわけで
ある。
【0033】換言すれば、本実施の形態のストロボ装置
は、ストロボ装置の全部品単価の約1/3を占めていた
主コンデンサであるアルミ電解コンデンサの単価を、箔
耐電圧等を何等変化させない従前のコンデンサはもちろ
ん、発光効率を向上させないまま箔耐電圧を低下させた
構成のコンデンサのそれに比して安価にできることにな
り、よって装置としてのコストダウンを実現できること
になる。
【0034】なお、本実施の形態のストロボ装置を写真
用カメラに内蔵した場合、上記ストロボ装置がコストダ
ウンを実現できることから、当然のことながらコストダ
ウンを実現できた写真用カメラを提供できることにな
る。
【0035】
【発明の効果】本発明によるストロボ装置は、主コンデ
ンサであるアルミ電解コンデンサの損失角を3%以下に
なすと共に、その充電完了電圧値を265±35Vの範
囲内の適宜電圧値に設定することによりその発光効率を
向上せしめていることから、上記アルミ電解コンデンサ
の単価を安価にすることができ、これにより、自身のコ
ストダウンを実現できる効果を有する。
【0036】本発明によるストロボ装置を内蔵した写真
用カメラは、主コンデンサであるアルミ電解コンデンサ
の損失角を3%以下になすと共に、その充電完了電圧値
を265±35Vの範囲内の適宜電圧値に設定すること
によりその発光効率を向上せしめたストロボ装置を内蔵
していることから、上記アルミ電解コンデンサの単価を
安価にでき、よって内蔵するストロボ装置のコストダウ
ンを実現できることになり、これにより自身のコストダ
ウンを実現できる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるストロボ装置の実施の形態を示す
略電気回路図
【図2】280Vに充電した同一容量値・異なる損失角
を有する複数のアルミ電解コンデンサを主コンデンサと
して特定閃光放電管を発光させた場合の損失角と発光効
率の関係を、損失角4%を基準として示した損失角−効
率特性図
【図3】入力エネルギーを一定にして閃光放電管を発光
させた場合の充電電圧値と発光効率との関係を、充電電
圧330Vを基準として示した充電電圧−効率特性図
【図4】3種の充電電圧330V,300V,240V
で閃光放電管を発光させた場合に得られる分光分布の概
略を示した略分光分布特性図
【符号の説明】
1 直流高圧電源 2 アルミ電解コンデンサ 3 閃光放電管 4 トリガ回路 5 動作制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03B 15/05 G03B 15/03

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主コンデンサとして、陽・陰アルミ箔か
    らなる電極箔を電解紙を介して巻回した巻回素子に電解
    液を含浸させた含浸済巻回素子を所定容器内に密封して
    形成したアルミ電解コンデンサを用い、該アルミ電解コ
    ンデンサに充電した充電電荷を閃光放電管によって消費
    して太陽光に近似した波長分布を有する被写体照明用の
    発光を生じるストロボ装置であって、前記電解液の導電
    度を高めて前記アルミ電解コンデンサの損失角を3%以
    下に設定すると共に、前記アルミ電解コンデンサの充電
    完了電圧値を265±35Vの範囲内の適宜電圧値に設
    定する電圧設定手段を備えてなり、前記充電完了電圧値
    を前記適宜電圧値に設定したころにより、前記充電完了
    電圧値として前記適宜電圧値より高い電圧値を設定した
    場合と同一発光仕様を得るために必要となる前記電極箔
    の箔面積の増大割合を抑制できることを特徴とするスト
    ロボ装置。
  2. 【請求項2】 主コンデンサとして、陽・陰アルミ箔か
    らなる電極箔を電解紙を介して巻回した巻回素子に電解
    液を含浸させた含浸済巻回素子を所定容器内に密封して
    形成したアルミ電解コンデンサを用い、該アルミ電解コ
    ンデンサに充電した充電電荷を閃光放電管によって消費
    して太陽光に近似した波長分布を有する被写体照明用の
    発光を生じるストロボ装置を内蔵した写真用カメラであ
    って、前記電解液の導電度を高めて前記アルミ電解コン
    デンサの損失角を3%以下に設定すると共に、前記アル
    ミ電解コンデンサの充電完了電圧値を265±35Vの
    範囲内の適宜電圧値に設定する電圧設定手段を備えてな
    り、前記充電完了電圧値を前記適宜電圧値に設定したこ
    ろにより、前記充電完了電圧値として前記適宜電圧値よ
    り高い電圧値を設定した場合と同一発光仕様を得るため
    に必要となる前記電極箔の箔面積の増大割合を抑制でき
    ることを特徴とする前記ストロボ装置を内蔵した写真用
    カメラ。
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