JP3135209B2 - 半導体ウェハの洗浄装置 - Google Patents

半導体ウェハの洗浄装置

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JP3135209B2 JP08035096A JP3509696A JP3135209B2 JP 3135209 B2 JP3135209 B2 JP 3135209B2 JP 08035096 A JP08035096 A JP 08035096A JP 3509696 A JP3509696 A JP 3509696A JP 3135209 B2 JP3135209 B2 JP 3135209B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、超臨界液体を用
いた半導体ウェハの洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超臨界液体とは、図5の相図に示すよう
な臨界圧力Pc以上であって且つ臨界温度Tc以上で得ら
れる液体と気体との中間の性質を有する状態のことを言
う。上記超臨界液体は、精密洗浄の分野に適するような
種々の特性を有している。
【0003】すなわち、高い溶解力は有機成分の洗浄に
有効であり、高い拡散係数は短時間に均一な洗浄が可能
であり、気体に近い粘度は微細な部分の洗浄に適してい
る。また、圧力を臨界圧力以下まで低下させれば気体に
なるために、乾燥工程が減圧のみで済むという利点を有
する。
【0004】上記超臨界液体としては、多くの場合には
CO2が用いられる。CO2は、臨界圧力は73atmであ
り、臨界温度は31.1℃であることから、比較的簡便
に超臨界状態が得られる。また、CO2自体は無毒であ
ることから、工業的に安全な使用が可能である。尚、他
の超臨界液体としては、N2(臨界圧力=33.5atm,臨
界温度=−147℃)やCClF3(臨界圧力=39atm,
臨界温度=28.8℃)等がある。
【0005】従来、上記超臨界液体を用いて洗浄を行う
洗浄装置として、図6に示すようなものがある。この洗
浄装置は、ガス供給源となるCO2のボンベ1,圧力調整
弁A,圧力調整弁B,洗浄槽2,分離槽3,フィルタ4,圧
送ポンプ5,加熱器6,冷却器7,ボンベ用バルブ8,補充
バルブ9および排気バルブ10を耐圧性の管で接続して
概略構成されている。尚、洗浄槽2の蓋13は、シール
材14でシールされている。
【0006】以下、上記構成を有する洗浄装置の動作に
ついて簡単に説明する。先ず、被洗浄物であるウェハ1
1を洗浄槽2に入れて蓋13で密閉する。続いて、ボン
ベ用バルブ8および補充バルブ9を開ける。そうする
と、ボンベ1内のCO2ガスは、フィルタ4を通り、冷
却器7によって液化された後、圧送ポンプ5によって臨
界圧力以上の圧力まで昇圧され、さらに、加熱器6によ
って臨界温度以上の温度まで昇温されて超臨界状態にな
り、洗浄槽2に供給される。その際に、上記洗浄槽2内
は、圧力調整弁Aによって臨界圧力以上の圧力に保たれ
る。これに対して、分離層3内は、圧力調整弁Bによっ
て臨界圧力より低い圧力に保たれる。
【0007】上述の操作によって流体の流れは矢印のよ
うになり、洗浄槽2において被洗浄物11上の汚染物質
が超臨界液体中に溶け込む。さらに、汚染物質が溶け込
んだ超臨界液体は分離槽3内で臨界圧力以下になって気
体となり、汚染物質と分離されるのである。こうして分
離された汚染物質は分離槽3の底部に堆積し、CO2
大気へ排気されるかリサイクルされる。分離槽3内に堆
積した汚染物質は、バルブ12を開けることによって取
り出される。
【0008】また、超臨界液体を用いた他の洗浄装置と
して、洗浄槽を横型とし、蓋とこの蓋の開閉部を設けた
洗浄装置(特開平4−17333号公報)や、超臨界状態
となる抽出室の周囲を分離室で囲んで抽出室と分離室と
を一体に形成して上記抽出室に対する超臨界流体の流入
及び流出は蓋を介して同一方向から行う洗浄装置(特開
平4−39499号公報)がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の超臨界液体を用いた洗浄装置には、以下のような問
題がある。 (1)被洗浄物を入れる洗浄槽2や抽出室は高圧容器で
あり、蓋の気密性を高めるためにシール材14が必要と
なる。このシール材14を樹脂で形成した場合には、油
脂成分の抽出能力が高い超臨界液体に晒されることによ
ってシール材14の劣化が生じやすく、シール材14の
交換頻度の増加によって装置稼働時間が低下する。更に
は、抽出されたシール材14の油脂成分で被洗浄物や高
圧容器側壁に汚染が生ずる。これに対して、金属製のシ
ール材は、繰り返しの使用が不可能であるので頻繁に交
換する必要があり、著しいラニングコストの増加をもた
らす。
【0010】(2)図6に示す洗浄装置、あるいは、抽
出室と分離室とを一体に形成した洗浄装置における上記
高圧容器では、超臨界液体の注入口および排気口が同一
面に設けられて乱流が生じやすい構造となっている。そ
のために、被洗浄物と高圧容器側壁とへの汚染物質の再
付着やパーティクルの発生が生じやすく、洗浄効果が低
下する。
【0011】(3)洗浄槽を横型として蓋と開閉部を設
けた洗浄装置においては、上記開閉部が超臨界液体と接
触するために汚染や劣化等が生ずる。
【0012】こうした問題は、何れも、シール材の交換
や高圧容器側壁の洗浄のために稼働時間の低下を招き、
洗浄装置の自動化を阻害するのである。
【0013】そこで、この発明の目的は、シール材の劣
化を防止し、被洗浄物や高圧容器側壁に対する汚染を防
止することによって、容易に自動化を図ることができる
高スループットの半導体ウェハの洗浄装置を提供するこ
とにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明は、被洗浄ウェハを搭載したウ
ェハキャリアが載置されるステージと、箱を伏せた形状
を成すと共に,上部に洗浄物質の注入口を有して,壁の下
端に隙間を形成して上記ステージを蓋する上蓋と、加圧
昇温されて超臨界状態になった洗浄物質を上記上蓋の注
入口から供給する洗浄物質供給手段と、上記ステージを
上蓋で蓋した場合に上記上蓋とステージとの間に形成さ
れた隙間から洗浄物質を排出する洗浄物質排出手段と、
上記洗浄物質排出手段によって排出される洗浄物質量を
調整して,上記壁内における洗浄物質の圧力を臨界圧以
上の一定圧に保つ排出量調整手段を備えたことを特徴と
している。
【0015】上記構成において、被洗浄ウェハを搭載し
たウェハキャリアが載置されたステージが上蓋によって
蓋されると、上蓋の壁の下端と上記ステージの上面との
間に隙間が形成される。そして、超臨界状態の洗浄物質
が洗浄物質供給手段によって上記上蓋の注入口から供給
される一方、洗浄物質排出手段によって上記隙間から洗
浄物質が排出される。その際に、排出量調整手段によっ
て上記壁内における洗浄物質の圧力が臨界圧以上の一定
圧に保たれるように、洗浄物質量の排出量が調整され
る。こうして、上記上蓋の上部の注入口から下部の上記
隙間に向かって整然と流れて上記隙間から速やかに排出
される超臨界状態の洗浄物質によって、上記被洗浄ウェ
ハが洗浄される。
【0016】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
係る発明の半導体ウェハの洗浄装置において、上記ステ
ージは周囲に延在した外周部を有し、上記上蓋は,周囲
に隣接して形成されて上部に洗浄物質の排出口が設けら
れた室を有すると共に、上記ステージを上蓋で蓋した場
合に,上記上蓋の外壁と上記ステージの外周部との間を
密閉する密閉手段を備えて、上記洗浄物質排出手段は,
上記上蓋における排出口から上記室内の洗浄物質を排出
することによって上記隙間から上記壁内の洗浄物質を排
出するようになっており、上記排出量調整手段は,上記
洗浄物質排出手段によって排出される洗浄物質量を調整
して,上記壁内における洗浄物質の圧力を臨界圧以上の
一定圧に保つ一方,上記壁外の室における洗浄物質の圧
力を臨界圧より低い一定圧に保つようになっていること
を特徴としている。
【0017】上記構成において、被洗浄ウェハを搭載し
たウェハキャリアが載置されたステージが上蓋によって
蓋されると、密閉手段によって上記上蓋の外壁と上記ス
テージの外周部との間が密閉される。一方、上蓋の壁の
下端と上記ステージの上面との間には隙間が形成され
る。こうして、上記上蓋における壁の内側の洗浄室と外
側の分離室とが形成される。そして、超臨界状態の洗浄
物質が洗浄物質供給手段によって上記上蓋の注入口から
洗浄室に注入される一方、上記分離室内の洗浄物質が洗
浄物質排出手段によって上記上蓋における排出口から排
出される。その際に、排出量調整手段によって洗浄物質
量の排出量が調整されて、上記洗浄室内の洗浄物質圧が
臨界圧以上の一定圧に保たれる一方、上記分離室内の洗
浄物質圧が臨界圧より低い一定圧に保たれる。こうし
て、上記洗浄室における上部の注入口から下部の上記隙
間に向かって整然と流れて上記隙間から速やかに排出さ
れる超臨界状態の洗浄物質によって、上記被洗浄ウェハ
が洗浄される。さらに、上記隙間から分離室に排出され
た洗浄物質は気体状態となって汚染物質が速やかに分離
される。
【0018】また、請求項3に係る発明は、請求項1に
係る発明の半導体ウェハの洗浄装置において、上記上蓋
における壁の下端あるいは上記ステージにおける上面の
少なくとも何れか一方は上記隙間を開閉する方向に移動
可能になっており、上記上蓋でステージを蓋した場合に
形成される上記隙間の間隔が調整可能になっていること
を特徴としている。
【0019】上記構成において、上蓋でステージを蓋し
た場合に隙間を形成している上記上蓋における壁の下端
あるいは上記ステージにおける上面の少なくとも何れか
一方が移動されて、上記隙間の間隔が最適に調整され
る。こうして、上記上蓋における壁の内側の洗浄物質圧
および上記壁外の室における洗浄物質圧が、より最適に
なるように調整される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。図1は本実施の形態の半導体
ウェハの洗浄装置における洗浄槽の基本構成を示す図で
ある。本洗浄槽は、複数枚の被洗浄ウェハ24を搭載し
たウェハキャリア25が載置されるステージ21と箱を
伏せた形状を有してステージ21を覆う上蓋22とから
概略構成される。上蓋22は、上部中央に超臨界状態の
洗浄物質(超臨界流体)が注入される注入口23が設けら
れており、隙間26を形成してステージ21を覆う。そ
して、上記超臨界状態に加圧・昇温された超臨界流体が
注入口23から注入される一方、ステージ21と上蓋2
2との隙間26から超臨界流体が排気される。その際
に、隙間26から洗浄槽外に排出される超臨界流体量と
注入口23から注入される超臨界流体量とをバランスさ
せることによって、洗浄槽をシール材で密閉することな
く洗浄槽内を超臨界状態に保つことができる。こうし
て、上記被洗浄ウェハ24周辺の雰囲気を超臨界状態に
保ったまま、ステージ21と上蓋22との隙間26から
超臨界流体が排気される定常状態が形成されるのであ
る。
【0021】その結果、本実施の形態においては洗浄槽
にシール材が不要となり、シール材の劣化やシール材に
よる被洗浄ウェハ24の汚染を無くすことができる。ま
た、被洗浄ウェハ24の表面から超臨界流体中に抽出さ
れた汚染物質は、超臨界流体の流れ27によって速やか
に洗浄槽外に排出される。したがって、被洗浄ウェハ2
4や上蓋22の内壁に超臨界流体中の汚染物質が付着す
ることが抑制される。
【0022】尚、上記隙間26から超臨界流体が排気さ
れる側に隣接して分離槽を設ける場合には、循環ポンプ
等によって強制的に上記分離槽から超臨界流体を吸引す
ることによって、洗浄槽と分離槽との圧力差が大きくな
るようにする。
【0023】以下、上述のような基本構造を有する洗浄
槽を用いた半導体ウェハの洗浄装置の具体例について説
明する。図2は、本実施の形態における半導体ウェハの
洗浄装置の流体回路図である。本半導体ウェハの洗浄装
置は、超臨界流体としてのCO2を供給するボンベ31,
圧力調整弁32,排気バルブ33,洗浄槽と分離槽とを一
体化した二重構造の高圧容器34,フィルタ35,圧送ポ
ンプ36,加熱器37,冷却器38,ボンベ用バルブ39
および補充バルブ40を耐圧性の管で接続して概略構成
されている。
【0024】上記高圧容器34は、図3に示すように、
図1に示す洗浄槽と同様の基本構造を有する洗浄室51
とこの洗浄室51の周囲に一体に設けられた分離室52
とからなる二重構造を有している。また、高圧容器34
は、構成的に見れば、注入管54および排出管55を有
する固定の上蓋53と上下動可能なステージ56とから
構成されている。
【0025】上記上蓋53は浅鍋を伏せたような形状を
有しており、その上部中央には外側に向かって延在した
注入管54が設けられ、この注入管54の周囲には排出
管55が設けられている。また、注入管54と排出管5
5との間には内側に向かって延在した環状の内壁57が
形成されており、この内壁57によって中央の洗浄室5
1と周囲の分離室52とを仕切っている。さらに、上蓋
53の外郭を成す外壁58によって分離室52と外部環
境とを仕切っている。
【0026】上記ステージ56は、昇降台59上に載置
されてウェハキャリア60が載るステージ本体61と、
ステージ本体61から外周に延在して分離室52の底を
形成する外周部62とから成る。そして、昇降台59に
よってステージ56が所定位置まで上昇されて上蓋53
が閉じられると、図1に示す洗浄槽の場合と同様に、上
蓋53の内壁57の下端とステージ本体61の最外周部
との間には隙間63が形成される一方、上蓋53の外壁
58下端とステージ56の外周部62外縁とはシール材
64を介して密着するようになっている。こうして、上
記上蓋53が閉じられると、図1に示す洗浄槽と同じ構
造を呈する洗浄室51を中心とし周囲に分離室52を有
する二重構造の高圧容器34が形成されるのである。
【0027】ここで、超臨界流体が注入される注入管5
4は洗浄室51の上部に設けられる一方、汚染物質が溶
け込んだ超臨界流体を排出する排出管55は分離室52
の上部に設けられて、その直径は注入管54の直径より
も大きく設定されている。そして、分離室52内の圧力
を低くするために、循環ポンプ41(図2参照)で強制的
に吸引している。したがって、注入管54から注入され
た超臨界流体は、内壁57下端の隙間63に向かって矢
印(イ),(ロ)で示すように洗浄室51内を上下方向に流
れ、ウェハキャリア60内のウェハ65の表面に平行に
整然と流れるのである。
【0028】尚、上記ステージ56における外周部62
の上面は、ステージ本体61の上面より低く形成されて
環状の溝を成しており、分離室52内で超臨界流体から
分離された汚染物質が蓄積されるようになっている。そ
して、ステージ56は、溝の洗浄を容易にするために昇
降台59から取り外しが可能になっている。また、安全
のために、ステージ56が上蓋53の外壁58に密着し
た際には金具66によってロックされるようになってい
る。
【0029】上記構成を有する半導体ウェハの洗浄装置
は、以下のような工程によって被洗浄ウェハを洗浄す
る。図2および図3において、先ず、上記金具66を外
してステージ56を下降させ、被洗浄ウェハ65の入っ
たウェハキャリア60をステージ56におけるステージ
本体61上に設置する。そして、ステージ56を上昇さ
せて洗浄室51および分離室52を閉じ、金具66をロ
ックして図3に示す状態にする。
【0030】続いて、上記ボンベ用バルブ39および補
充バルブ40を開けると共に、循環ポンプ41を駆動し
て、フィルタ35,冷却器38,圧送ポンプ36および加
熱器37を介して超臨界状態となったCO2を注入管5
4より洗浄室51内に注入する。その際に、内壁57の
存在によって生ずる洗浄室51と分離室52との差圧を
利用して、洗浄室51内が臨界圧力以上の一定圧力に保
たれる一方、分離室52内が臨界圧力より低い一定圧力
に保たれるように、圧力調整弁32の開度を調整する。
こうして、上記被洗浄ウェハ65の洗浄が開始される。
【0031】そして、有機汚染物質が溶け込んだ超臨界
流体CO2が、洗浄室51の内壁57下端の隙間63か
ら分離室52に到達して超臨界圧より低い圧力になった
時点で、上記有機汚染物質が気体状態となったCO2
ら分離されてステージ56における外周部62に形成さ
れた溝に蓄積される。洗浄を終了する場合には、上記循
環ポンプ41を停止し、ボンベ用バルブ39および補充
バルブ40を閉じる一方、排気バルブ33を開けて、洗
浄室51および分離室52を大気圧にするのである。
【0032】ここで、上記洗浄室51は、注入管54か
ら注入された超臨界流体CO2が被洗浄ウェハ65の面
に平行に(すなわち、上方から下方に)流れるように、高
さ/直径の比が“1"以上となるように設定する。また、
洗浄室51内に超臨界流体CO2の乱流が発生しないよ
うに、注入管54は洗浄室51における断面中心に設け
るようにする。
【0033】このように、本実施の形態における半導体
ウェハの洗浄装置は、上記ウェハキャリア60が載置さ
れるステージ56と、隙間63を設けてステージ56を
覆う上蓋53とで概略構成された高圧容器34を有し、
ステージ56を上蓋53で密閉した場合には、図1に示
す洗浄槽と同様の基本構造を有する洗浄室51とこの洗
浄室51の周囲に一体に設けられた分離室52とが形成
される。また、洗浄室51の上部中央には注入管54が
設けられ、分離室の上部には排出管55が設けられてい
る。
【0034】そして、上記排出管55の直径を注入管5
4の直径よりも大きく設定すると共に、分離室52内を
循環ポンプ41で強制的に吸引するようにしている。そ
の結果、圧力調整弁32の開度を調整することによっ
て、分離室52内の超臨界流体圧が小さくなって、洗浄
室51内が臨界圧力以上の一定圧力に保たれる一方、分
離室52内が臨界圧力より低い一定圧力に保たれる。
【0035】したがって、上記洗浄室51の上部から注
入された超臨界流体CO2は洗浄室51の下部に設けら
れた隙間63に向かって被洗浄ウェハ65の面に沿って
整然と流れて、速やかに隙間63から分離室62に排出
される。すなわち、本実施の形態における半導体ウェハ
の洗浄装置によれば、洗浄室51と分離室52との間を
密閉するシール材が不要となり、シール材の劣化やシー
ル材による被洗浄ウェハ65の汚染を防止できる。ま
た、超臨界流体CO2の乱流が発生しないので被洗浄ウ
ェハ65および上蓋53内壁の再汚染を防止できるので
ある。
【0036】図4は、上記ウェハキャリアが載置される
ステージと洗浄室の内壁との隙間の大きさを制御して、
洗浄室51と分離室52との差圧を微調整できる半導体
ウェハ洗浄装置におけるステージ部の断面図である。ス
テージ72は、昇降台71に載置される円形の基部73
と、この基部73の外周に設けられて分離室の底を成す
外周部74と、基部73上に載置されるステージ本体7
5とから構成される。外周部74の上面は基部73の上
面より低く形成されて環状の溝を成しており、分離室内
で超臨界流体から分離された汚染物質が蓄積されるよう
になっている。また、ステージ本体75は有底の円筒を
伏せた形状を有して、上面にはウェハキャリア76が載
置される一方、円筒部分の内壁には、基部73の段部に
形成された雄ネジ77に螺合する雌ネジ78が形成され
ている。
【0037】したがって、上記基部73に螺合されたス
テージ本体75を回転駆動部(図示せず)によって回転さ
せることによって、ステージ本体75が基部73に対し
て上下動して、洗浄室の内壁79の下端とステージ本体
75との隙間80の大きさを制御できるのである。すな
わち、洗浄室51と分離室52との差圧を微調整するこ
とによって、洗浄室51内の圧力と分離室52内の圧力
とをよりきめ細かく調整できるのである。
【0038】尚、図2および図3に示す半導体ウェハの
洗浄装置では、図1に示す構造を有する洗浄室51を中
心とし、その周囲に分離室52を一体に形成して、二重
構造を有する高圧容器34を形成している。しかしなが
ら、この発明はこれに限定されるものではなく、図1に
示す構造を有する洗浄槽の上蓋22とステージ21との
間の隙間26と、この洗浄槽と別体に構成された分離槽
の下部に設けられた注入口とを連結し、分離槽の上部に
設けられた排出口から超臨界流体を排出するようにして
も差し支えない。また、図4に示すステージと洗浄室の
内壁との隙間の大きさを制御できる半導体ウェハの洗浄
装置では、ステージ72側のステージ本体75を移動す
ることによって隙間80の大きさを制御している。しか
しながら、洗浄室の内壁79側を上下動可能にしても差
し支えない。
【0039】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の半導体ウェハの洗浄装置は、被洗浄ウェハを搭
載したウェハキャリアが載置されたステージを上蓋で蓋
し、洗浄物質供給手段によって超臨界状態の洗浄物質を
上記上蓋上部の注入口から供給する一方、上記上蓋とス
テージとの間に形成された隙間から洗浄物質排出手段に
よって洗浄物質を排出し、排出量調整手段によって上記
洗浄物質の排出量を調整して上記上蓋内における洗浄物
質の圧力を臨界圧以上の一定圧に保つので、上記上蓋と
ステージとの間をシール材によって密閉することなく上
記上蓋内を超臨界状態に保つことができる。したがっ
て、上記上蓋とステージとの間を密閉するシール材が不
要であり、シール材の劣化やシール材による被洗浄ウェ
ハの汚染がなくなる。
【0040】さらに、上記ステージを上蓋で蓋して成る
洗浄室の上部から供給された超臨界状態の洗浄物質は上
記洗浄室の下部に在る上記隙間に向かって整然と流れ、
この隙間から速やかに排出される。したがって、被洗浄
ウェハから上記洗浄物質に抽出された汚染物質は上記隙
間から速やかに排出されて、上記被洗浄ウェハや上記上
蓋の内面を汚染しない。
【0041】すなわち、この発明の半導体ウェハの洗浄
装置は、シール材の交換や高圧容器の洗浄のために稼働
率が低下することがなく、容易に自動化を図ることがで
きるのである。
【0042】また、請求項2に係る発明の半導体ウェハ
の洗浄装置は、上記ステージは周囲に延在した外周部を
有し、上記上蓋は周囲に隣接して室を有して、上記上蓋
でステージを蓋して密閉手段で密閉することによって上
記隙間で連通された洗浄室と分離室とを形成し、上記洗
浄室上部の注入口から超臨界状態の洗浄物質を供給する
一方、上記分離室上部の排出口から洗浄物質を排出し、
この排出量を排出量調整手段で調整することによって、
上記洗浄室内の洗浄物質圧を臨界圧以上の一定圧に保つ
一方、上記分離室内の洗浄物質圧を臨界圧より低い一定
圧に保つので、上記洗浄室と分離室との間をシール材に
よって密閉することなく上記洗浄室内が超臨界状態に保
たれ、且つ、上部の注入口から洗浄室に供給された超臨
界状態の洗浄物質は下部の上記隙間に向かって整然と流
れて速やかに排出される。したがって、シール材の劣化
やシール材による被洗浄ウェハの汚染がなく、洗浄物質
に抽出された汚染物質による上記被洗浄ウェハや上記上
蓋の内面の汚染が防止される。
【0043】さらに、上記洗浄室の隙間から排出された
超臨界状態の洗浄物質は、上記洗浄室に一体に形成され
た分離室に流入して臨界圧より低い一定圧になる。した
がって、洗浄物質中に溶け込んでいる汚染物質が速やか
に分離される。こうして、超臨界状態の洗浄物質による
被洗浄ウェハの洗浄と上記洗浄物質からの汚染物質の分
離とを一つの高圧容器内で連続して行うことができる。
【0044】また、請求項3に係る発明は、上記上蓋に
おける壁の下端あるいは上記ステージにおける上面の少
なくとも何れか一方が移動可能になっているので、上記
上蓋でステージを蓋した場合に形成される上記隙間の間
隔を調整できる。したがって、上記上蓋における壁の内
側の洗浄物質圧あるいは上記壁外の室における洗浄物質
圧を、より最適になるように調整できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の半導体ウェハの洗浄装置における洗
浄槽に係る基本構造を示す図である。
【図2】この発明の半導体ウェハの洗浄装置における流
体回路図である。
【図3】図2における高圧容器の構造を示す図である。
【図4】図3とは異なるステージの構造を示す図であ
る。
【図5】超臨界状態を説明するための相図である。
【図6】従来の超臨界液体を用いた洗浄装置を示す図で
ある。
【符号の説明】
22…上蓋、 23…注入口、3
1…ボンベ、 32…圧力調整弁、
33…排気バルブ、 34…高圧容器、
36…圧送ポンプ、 37…加熱器、3
8…冷却器、 41…循環ポンプ、
51…洗浄室、 52…分離室、5
4…注入管、 55…排出管、2
1,56,72…ステージ、 57,79…内壁、
58…外壁、 59,71…昇降
台、25,60,76…ウェハキャリア、 61,75…
ステージ本体、26,63,80…隙間、 6
4…シール材、24,65…被洗浄ウェハ、 6
6…金具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 B08B 3/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被洗浄ウェハを搭載したウェハキャリア
    が載置されるステージと、 箱を伏せた形状を成すと共に、上部に洗浄物質の注入口
    を有して、壁の下端に隙間を形成して上記ステージを蓋
    する上蓋と、 加圧昇温されて超臨界状態になった洗浄物質を上記上蓋
    の注入口から供給する洗浄物質供給手段と、 上記ステージを上蓋で蓋した場合に上記上蓋とステージ
    との間に形成された隙間から洗浄物質を排出する洗浄物
    質排出手段と、 上記洗浄物質排出手段によって排出される洗浄物質量を
    調整して、上記壁内における洗浄物質の圧力を臨界圧以
    上の一定圧に保つ排出量調整手段を備えたことを特徴と
    する半導体ウェハの洗浄装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄装
    置において、 上記ステージは、周囲に延在した外周部を有し、 上記上蓋は、周囲に隣接して形成されて上部に洗浄物質
    の排出口が設けられた室を有すると共に、 上記ステージを上蓋で蓋した場合に、上記上蓋の外壁と
    上記ステージの外周部との間を密閉する密閉手段を備え
    て、 上記洗浄物質排出手段は、上記上蓋における排出口から
    上記室内の洗浄物質を排出することによって、上記隙間
    から上記壁内の洗浄物質を排出するようになっており、 上記排出量調整手段は、上記洗浄物質排出手段によって
    排出される洗浄物質の量を調整して、上記壁内における
    洗浄物質の圧力を臨界圧以上の一定圧に保つ一方、上記
    壁外の室における洗浄物質の圧力を臨界圧より低い一定
    圧に保つようになっていることを特徴とする半導体ウェ
    ハの洗浄装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の半導体ウェハの洗浄装
    置において、 上記上蓋における壁の下端あるいは上記ステージにおけ
    る上面の少なくとも何れか一方は上記隙間を開閉する方
    向に移動可能になっており、上記上蓋でステージを蓋し
    た場合に形成される上記隙間の間隔が調整可能になって
    いることを特徴とする半導体ウェハの洗浄装置。
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