JP3134742B2 - 塗布装置および塗布方法並びにカラーフィルタの製造装置および製造方法 - Google Patents

塗布装置および塗布方法並びにカラーフィルタの製造装置および製造方法

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JP3134742B2
JP3134742B2 JP29143695A JP29143695A JP3134742B2 JP 3134742 B2 JP3134742 B2 JP 3134742B2 JP 29143695 A JP29143695 A JP 29143695A JP 29143695 A JP29143695 A JP 29143695A JP 3134742 B2 JP3134742 B2 JP 3134742B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、塗布液の塗布装
置および塗布方法に係わり、特に平坦な枚葉部材の上面
に塗布液を吐出して均一な厚みの塗膜を形成するカラー
液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造に適した塗
布装置および塗布方法、並びに、これら装置および方法
を用いたカラーフィルタの製造装置および製造方法に関
する。
【0002】
【関連する背景技術】カラー液晶ディスプレイ用のカラ
ーフィルタは、ガラス基板上に3原色の細かな格子模様
を有しており、このような格子模様はガラス基板上に黒
色の塗膜を形成した後、赤、青、緑の3原色に塗り分け
て得られる。それゆえ、カラーフィルタの製造には、ガ
ラス基板上に黒、赤、青、緑の塗布液を塗布して塗膜を
形成するための塗布工程が不可欠となる。この種の塗布
工程には従来、塗布装置としてスピナー、バーコータあ
るいはロールコータが使用されていたが、塗布液の消費
量を削減し、また、塗膜の物性を向上する上で、近年に
至ってはダイコータの使用が検討されている。
【0003】ダイコータは塗布液を吐出する塗布器いわ
ゆるスリットダイを備えており、このスリットダイはた
とえば特開平2-164480号公報、特開平6-154687号公報に
それぞれ開示されている。これら公知のスリットダイは
いずれもフィルムやテープなどの可撓性を有したウエブ
に塗布液を塗布するためのものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】公知のスリットダイは
ウエブの撓みを利用して、その一方の面に塗布液を吐出
するものとなっているため、ガラス基板のような硬い枚
葉部材には適用することができない。また、カラーフィ
ルタの製造には、ガラス基板上に形成される塗膜を均一
な膜厚に制御する必要があるが、公知のスリットダイを
単に利用しただけでは塗膜の膜厚や均一性を所望の範囲
内に維持することができない。
【0005】この発明は上述した事情に基づいてなされ
たもので、その目的とするところは、被塗布部材がガラ
ス基板のような硬い部材であっても、その被塗布部材の
上面に塗布液が容易に吐出でき、均一な膜厚の塗膜を簡
単にして形成することができる塗布装置および塗布方
法、並びに、これら装置および方法を用いたカラーフィ
ルタの製造装置および製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、この発明
によって達成され、請求項1のガラス基板に塗布する
布装置は、塗布液を供給する供給手段と、この供給手段
から供給された塗布液を吐出するための一方向に延びる
吐出口を有する塗布器と、この塗布器または被塗布部材
のいずれか一方を相対的に移動させる移動手段とを備え
ており、そして、請求項1の装置の塗布器は被塗布部材
の相対的な進行方向でみた場合、その進行方向側に位置
するフロントリップと、進行方向とは反対側に位置する
リアリップと、これら両リップ間に形成されるリップ間
隙を有しており、さらに、両リップのそれぞれは、少な
くともリップ間隙を形成する接液面と、この接液面に連
なり被塗布部材と対向するリップ下面を有しているとと
もに、フロントリップ及びリアリップの下端面は同一の
面内にあり、かつ、フロントリップの下端面は進行方向
に沿った長さがリアリップの下端面の進行方向に沿った
長さよりも短く設定され、そして、フロントリップにお
ける下端面の前記進行方向に沿った長さが0.5mm以下
であり、かつ、リアリップにおける下端面の前記長さが
1mm以上となっている。
【0007】請求項1の塗布装置によれば、その塗布器
に対して被塗布部材を相対的に進行させながら、塗布器
の吐出口から塗布液を吐出すると、塗布器におけるフロ
ントおよびリアリップの下端面と被塗布部材との間に形
成される塗布液の液溜まりは被塗布部材が相対的に進行
しても変動することはなく、そして、この状態で、被塗
布部材の上面に塗布液の塗膜が形成される。つまり、フ
ロントリップの下端面に接する液溜まりの境界線が一定
に維持された状態で、被塗布部材上に塗膜が形成され
る。
【0008】請求項2の塗布装置は、フロントリップの
下端面の前記長さが0.mm以下に設定されており、こ
の場合、液溜まりの境界線はフロントリップの下端面に
安定して維持される
【0009】なお、リアリップの下端面の長さは4mm以
下に設定されているのが好ましい。この程度の長さがリ
アリップの下端面に確保されていると、リアリップの下
端面と被塗布部材との間の液溜まりに生じるメニスカス
を安定して維持可能となる。請求項の塗布装置にあっ
ては、フロントリップの前面に傾斜面が形成されてお
り、この傾斜面は吐出口に向けて傾斜しかつそのフロン
トリップの下端面に連なっている。そして、フロントリ
ップの傾斜面はその下端面に対して30°以上、60°
以下の角度を有している。この場合、フロントリップの
下端面と被塗布部材との間の液溜まりがフロントリップ
の傾斜面まで回り込むようなことはなく、液溜まりの境
界線はフロントリップの下端面に安定して維持される。
しかも、この場合、フロントリップの下端部は過度に先
細形状とはならず、その下端部の強度も十分に確保され
る。
【0010】請求項の塗布装置は、フロントリップと
リアリップとの間の吐出口を形成する間隔が0.05mm
上に設定されている。この場合、スリットの流路抵抗
が所望の範囲内に維持され、塗布器の吐出口からはその
長手方向に沿い塗布液が一様に吐出される
【0011】請求項の塗布装置は、カラーフィルタの
製造に適用され、この場合、高品質なカラーフィルタが
得られる。請求項のカラーフィルタの製造装置は、請
求項1〜に記載のいずれかの塗布器を用いてカラーフ
ィルタが製造され、この場合、高品質なカラーフィルタ
が得られる。請求項の塗布方法は、請求項1に記載の
塗布器を使用し、塗布器の吐出口から塗布液を吐出しな
がら塗布器または被塗布部材のいずれか一方を相対的に
移動させることにより、被塗布部材に塗膜が形成され、
この場合の作用は、請求項1の塗布装置の場合と同様で
ある。そして、請求項8のカラーフィルタの製造方法
は、請求項7の塗布方法を使用してカラーフィルタを製
造する。
【0012】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、カラーフィル
タの製造に適用された塗布装置いわゆるダイコータが示
されており、ダイコータは基台2を備えている。基台2
上には一対のガイド溝レール4が設けられており、これ
らガイド溝レール4には、ステージ6が配置され、この
ステージ6の上面はサクション面として構成されてい
る。ステージ6はガイド溝レール4上を水平方向に往復
動自在となっている。詳しくはステージ6の下面からは
一対のスライド脚8が突出されており、これらスライド
脚8が対応するガイド溝レール4に摺動自在に嵌合され
ている。各ガイド溝レール4を構成する外側のプレート
部材4aは、その上端縁がほぼ直角にして内側に折り曲
げられ、ステージ4のスライド脚8に形成したサイド溝
10にはめ込まれている。
【0013】一対のガイド溝レール4間には送り機構を
内蔵したケーシング12が配置されており、ケーシング
12はガイド溝レール4に沿って延びている。送り機構
は、図2に示されているようにボールねじからなるフィ
ードスクリュー14を有しており、フィードスクリュー
14はステージ6の下面に固定されたナット状のコネク
タ16にねじ込まれ、このコネクタ16を貫通して延び
ている。フィードスクリュー14の両端部は図示しない
軸受に回転自在に支持されており、その一端にはACサ
ーボモータ18が連結されている。なお、ケーシング1
2の上面にはコネクタ16の移動を許容する開口が形成
されているが、図1にはその開口が省略されている。
【0014】基台2の上面にはその一端側に位置してセ
ンサ支柱20が配置されている。センサ支柱20は逆L
字形をなし、その先端は一方のガイド溝レール4の上方
まで延びている。センサ支柱20の先端には電動型の昇
降アクチュエータ21が取り付けられており、この昇降
アクチュエータ21に厚みセンサ22が下向きして取り
付けられている。厚みセンサ22としてはレーザ変位
計、電子マイクロ変位計、超音波厚さ計などを使用する
ことができる。
【0015】さらに、基台2の上面にはセンサ支柱20
よりも基台2の中央側に位置してダイ支柱24が配置さ
れており、このダイ支柱24もまた逆L字形をなしてい
る。ダイ支柱24の先端には昇降機構26が取り付けら
れており、昇降機構26は図1には詳細に示されていな
いけれども、昇降ブラケットを備えており、この昇降ブ
ラケットは一対のガイドロッドに昇降自在に取り付けら
れている。これらガイドロッド間にはボールねじからな
るフィードスクリューが配置されており、このフィード
スクリューは昇降ブラケットを貫通するようにして、こ
の昇降ブラケットにねじ込まれている。フィードスクリ
ューの上端部はガイドロッドおよびフィードスクリュー
を収容するケーシング28に軸受を介して回転自在に支
持されており、その上端にはACサーボモータ30が連
結されている。
【0016】昇降ブラケットには、コ字形をなしたダイ
ホルダ32が垂直面内で回転自在に取り付けられてお
り、このダイホルダ32は一対のガイド溝レール4の上
方をこれらレール4間に亘って水平に延びている。さら
に、昇降ブラケットには、ダイホルダ32の上方に位置
して水平バー36が固定されており、この水平バー36
はダイホルダ32に沿って延びている。水平バー36の
両端部には、空圧型の調整アクチュエータ38がそれぞ
れ取り付けられている。これら調整アクチュエータ38
は水平バー36の下面から突出する伸縮可能なロッドを
有しており、これらロッドがダイホルダ32の両端に当
接されている。
【0017】ダイホルダ32内には塗布器としてのスリ
ットダイ40が取り付けられている。図2に示されてい
るようにスリットダイ40からは塗布液の供給ホース4
2が延びており、この供給ホース42の先端はシリンジ
ポンプ44の電磁切換え弁46の供給ポートに接続され
ている。電磁切換え弁46の吸引ポートからは吸引ホー
ス48が延びており、この吸引ホース48の先端部は、
塗布液を蓄えたタンク50内に挿入されている。
【0018】シリンジポンプ44のポンプ本体52は、
電磁切換え弁46の切換え作動により供給ホース42お
よび吸引ホース48の一方に選択的に接続可能となって
いる。そして、これら電磁切換え弁46およびポンプ本
体52はコンピュータ54に電気的に接続され、このコ
ンピュータ54からの制御信号を受けて、それらの作動
が制御されるようになっている。また、コンピュータ5
4は前述した昇降アクチュエータ21および厚みセンサ
22もまた電気的に接続されている。
【0019】さらに、シリンジポンプ44の作動を制御
するため、コンピュータ54にはシーケンサ56もまた
電気的に接続されている。このシーケンサ56は、ステ
ージ6側のフィードスクリュー14のACサーボモータ
18や、昇降機構26つまりそのACサーボモータ30
の作動をシーケンス制御するものであり、そのシーケン
ス制御のために、シーケンサ56にはACサーボモータ
18,30の作動状態を示す信号、ステージ6の移動位
置を検出する位置センサ58からの信号、スリットダイ
40の作動状態を検出するセンサ(図示しない)からの
信号などが入力され、一方、シーケンサ56からはシー
ケンス動作を示す信号がコンピュータ54に出力される
ようになっている。なお、位置センサ58を使用する代
わりに、ACサーボモータ18にエンコーダを組み込
み、このエンコーダから出力されるパルス信号に基づ
き、シーケンサ56にてステージ6の位置を検出するこ
とも可能である。
【0020】図示されていないが、ダイコータには、ス
テージ6上に枚葉部材としてカラーフィルタのためにガ
ラス基板Aを供給するためのローダや、ステージ6から
ガラス基板Aを取り外すためのアンローダが備えられて
おり、これらローダ、アンローダにはその主要構成部分
にたとえば円筒座標系産業用ロボットを使用することが
できる。
【0021】図1から明らかなように前述したスリット
ダイ40は、一対のガイド溝レール4間に亘り、ステー
ジ6の往復動方向と直交する方向に水平に延びている。
ここで、スリットダイ40の水平調整は、水平バー36
の両端に設けた調整アクチュエータ38の伸縮ロッドを
進退させ、ダイホルダ32をその回転軸線の回りに回転
させることにより行うことができる。
【0022】スリットダイ40の詳細は図3に示されて
おり、図3にはダイホルダ32、つまり、スリットダイ
40の回転軸線が1点鎖線で示されている。スリットダ
イ40は長尺なブロック形状のフロントリップ58およ
びリアリップ60を備えており、これらリップ58,6
0はステージ6の往復動方向でみて前後に張り合わせら
れ、互いに一体的に結合されている。スリットダイ40
内の中央部分にはマニホールド62が形成されており、
このマニホールド62はステージ6の往復動方向と直交
する方向に延びている。マニホールド62は前述した塗
布液の供給ホース42に内部通路を介して常時接続され
ている。
【0023】マニホールド62からは下方に向けてスリ
ット64が垂直に延び、スリットダイ40の下面に開口
している。スリット64の下端開口、つまり、吐出口6
6はマニホールド62と同様にステージ6の往復動方向
と直交する方向に延びている。具体的にはフロントリッ
プ58とリアリップ60との間にはシム(図示しない)
が介在されており、このシムの厚みにより、スリット6
4および吐出口66の隙間LP、つまり、ステージ6の
往復動方向に沿う長さがたとえば0.05mm以上、0.
3mm以下に設定されている。
【0024】図1に示す状態からステージ6がスリット
ダイ40に向けて往動するとき、その往動方向(図3中
の矢印B方向)でみて前側に位置するフロントリップ5
8に関し、その前面の下部は吐出口66に向けて傾斜し
た傾斜面68に形成されており、この傾斜面68の下端
縁と吐出口66との間にて、フロントリップ58の下端
面70が規定されている。一方、リアリップ60に関し
ては、その後面の下端部が吐出口66に向けて傾斜した
傾斜面72に形成されており、この傾斜面72の下端縁
と吐出口66との間にて、リアリップ60の下端面74
が規定されている。
【0025】ステージ6の往復動方向でみて、図3から
明らかなようにフロントリップ58における下端面70
の長さLFは、リアリップ60における下端面74の長
さLRよりも短く、そして、これら下端面70,74は
同一の水平面内に位置付けられている。たとえば、下端
面70の長さLFは0.5mm以下に設定されており、下
端面74の長さLRは1mm以上、4mm以下に設定されて
いる。
【0026】さらに、フロントリップ58において、そ
の傾斜面68と水平面とのなす角度θFは30°以上、
60°以下に設定されている。一方、リアリップ60に
関し、その傾斜面72と水平面とのなす角度θRは特別
に制約されるものではないが、θFと同様な範囲に設定
されているのが望ましい。次に、カラーフィルタの製造
に係わる一工程、つまり、上述したスリットダイ40を
有するダイコータを使用して行う塗布方法に関して説明
する。
【0027】まず、ダイコータにおける各作動部の原点
復帰が行われると、ステージ6は厚みセンサ22の下方
に位置付けられ、また、タンク50から吸引ホース48
および供給ホース42を経て、スリットダイ40内のマ
ニホールド62およびスリット64内に至る経路内は塗
布液で満たされている。この状態で、図示しないローダ
からステージ6上にガラス基板Aが供給され、このガラ
ス基板Aはステージ6上にサクション圧を受けて保持さ
れる。ガラス基板Aのローディングが完了すると、厚み
センサ22が所定の位置まで下降され、ガラス基板Aの
厚みが厚みセンサ22により測定される。測定後、厚み
センサ22は元の位置まで上昇される。
【0028】上述したガラス基板Aのローディングの開
始と同時に、シリンジポンプ44の電磁切換え弁46が
ポンプ本体52と吸引ホース48とを接続すべく切換え
作動され、そして、ポンプ本体52にタンク50内の塗
布液を吸引ホース48を通じて吸引する吸引動作を行わ
せる。シリンジポンプ44内に所定量の塗布液が吸引さ
れると、シリンジポンプ44の電磁切換弁46はポンプ
本体52と供給ホース42とを接続すべく切換え作動さ
れ、そして、ステージ6はスリットダイ40に向けて往
動され、スリットダイ40の直前で停止される。この
後、スリットダイ40が下降され、スリットダイ40の
下端面70,74とガラス基板Aの上面との間に所定の
クリアランス、すなわち、形成すべき塗膜の厚さに対し
て数倍、たとえば0.05〜0.2mmのクリアランスが
確保される。クリアランスは、厚みセンサ22により測
定したガラス基板Aの厚さを考慮し、ステージ6とスリ
ットダイ40との間の距離を測定する距離センサ(図示
しない)からの出力信号に基づき、スリットダイ40の
下降を制御することで正確に決定される。
【0029】次に、ステージ6をさらに往動させ、ガラ
ス基板Aの上面において、塗膜の開始すべきスタートラ
インをスリットダイ40の吐出口66の直下に位置付
け、ステージ6を一旦停止させる。このステージ6の一
旦停止と実質的に同時に、シリンジポンプ44に塗布液
の吐出動作を開始させ、塗布液をスリットダイ40に向
けて供給する。したがって、スリットダイ40の吐出口
66からガラス基板A上に塗布液が吐出される。ここ
で、吐出口66はその間隙LPがスリットダイ40の長
手方向、つまり、ステージ6の往復動方向と直交する方
向に沿って一定であるから、吐出口66からはガラス基
板Aのスタートラインに沿って一様に塗布液が吐出さ
れ、この結果、スリットダイ40とガラス基板Aとの間
にはメニスカスを有する液溜まりC(図3参照)がスタ
ートラインに沿って形成される。
【0030】このような液溜まりCの形成と同時に、吐
出口66からの塗布液の吐出を継続しながら、ステージ
6を一定の速度で往動方向に進行させると、図3に示さ
れているようにガイド基板Aの上面に塗布液の塗膜Dが
連続して形成される。なお、塗膜Dの形成にあたって
は、ステージ6の往動を一旦停止することなく、ガラス
基板Aのスタートラインがスリットダイ40の吐出口6
6を通過するタイミングにて、吐出口66から塗布液を
吐出するようにしてもよい。
【0031】ステージ6の進行に伴い、ガラス基板A上
にて塗膜Dの形成を終了すべきフィニッシュラインがス
リットダイ40と吐出口66の直前位置に到達すると、
この時点で、シリンジポンプ44の吐出動作が停止され
る。このようにしてスリットダイ40、すなわち、その
吐出口66からの塗布液の吐出が停止されても、ガラス
基板Aの上面には液溜まりCの塗布液が消費(スキー
ズ)されながら、塗膜Dの形成がフィニッシュラインま
で継続される。なお、ガラス基板A上のフィニッシュラ
インがスリットダイ40の吐出口66を通過した時点
で、シリンジポンプ44の吐出動作を停止するようにし
てもよい。
【0032】ガラス基板A上のフィニッシュラインが吐
出口66を通過する時点または通過した時点で、シリン
ジポンプ44の吸引動作がわずかに行われ、これによ
り、スリットダイ40のスリット64内の塗布液はマニ
ホールド62側に吸引される。この後、スリットダイ4
0は元の位置まで上昇され、スリットダイ40からの塗
布液の吐出工程が終了する。なお、スリットダイ40の
上昇位置にて、その下端面に付着している塗布液がクリ
ーナ(図示しない)により拭き取られる。
【0033】一方、ステージ6の往動は、塗布液の吐出
工程が終了しても継続されており、ステージ6がガイド
溝レール4の終端に到達した時点で、その往動が停止さ
れる。この状態で、塗膜Dが形成されたガラス基板Aは
アンローダによりステージ6上から取り外される。この
後、ステージ6は復動され、図1に示す初期位置に戻さ
れて一連の塗布工程が終了する。初期位置にて、ステー
ジ6は新たなガラス基板がローディングされるまで待機
する。
【0034】ガラス基板A上に塗膜Dを形成するダイコ
ータは上述したスリットダイ40を備えているので、そ
の塗膜Dを均一にして形成することができ、カラーフィ
ルタの製造に好適したものとなる。つまり、スリットダ
イ40に関し、フロントリップ58の下端面70はその
長さLFがリアリップ60の下端面の長さLRよりも短く
なっているので、液溜まりCの境界線E(図3参照)を
下端面70上に確実に維持することができる。したがっ
て、塗膜Dの形成中、液溜まりCの形状が変動すること
はなく、塗膜Dの厚さが均一になる。この場合、下端面
70の長さLFが0.5mm以下に設定されていると、液
溜まりCの境界線Eが表面張力により下端面70を越
え、フロントリップ58の前面側に回り込むのを確実に
防止できる。この点に関し、下端面70に連なる傾斜面
68の角度θFが30°以上であれば、液溜まりCの境
界線Eが傾斜面68まではみ出てくるようなことはな
く、また、傾斜面68の角度θFが60°を越えてしま
うと、フロントリップ58における下端部の剛性が不足
してしまう虞がある。
【0035】なお、液溜まりCの境界線Eがフロントリ
ップ58の前面側に回り込んでしまうと、塗膜Dの膜厚
を薄く維持することができない。フロントリップ58の
下端面はその長さLFが0、すなわち、エッジ状であっ
てもよいが、この場合、そのエッジの剛性を確保するこ
とは困難である。フロントリップ58およびリアリップ
60の下端面70,74が同一の水平面内にあると、液
溜まりCの上縁を規定する両境界線が安定して維持さ
れ、液溜まりCの形状が不安定になることはない。
【0036】リアリップ60の下端面74はその長さL
Rが1mm以上、4mm以下に設定されているので、その下
端面74とガラス基板Aとの間にメニスカスを確実に形
成することができる。さらに、スリット64の間隙Lp
が0.05mm以上確保されていると、スリット64を規
定するフロントリップ58およびリアリップ60の内面
に関して、加工精度上、その平面性を十分に確保でき
る。一方、間隙Lpが0.3mmを越えてしまうと、スリ
ット64およびマニホールド62内の塗布液の吐出圧が
低下してしまい、スリットダイ40の吐出口66から一
様に塗布液を吐出することができない。
【0037】上述した下端面70,74の長さLF,LR
を種々に変更して、ガラス基板Aに塗膜Dを形成した実
験結果を以下の表1に示す。この実験では、スリット6
4の間隙LPが0.1mm,ガラス基板Aの大きさが縦横
400×300mm,形成すべき塗膜Dの膜厚1.6μ
m、ステージ6の移動速度が3m/minに設定されている。
【0038】
【表1】
【0039】前記の表1から明らかなように下端面70
の長さLFが0.6mm以上である場合、また、下端面7
4の長さLRが1mmよりも短くなると、塗膜Dを良好に
形成できないことがわかる。上述の実施例の説明では、
ガラス基板のような枚葉部材上への塗膜の形成に関して
説明したが、この発明の装置および方法は、長尺な被塗
布部材に対しての塗布液の連続塗布や、エンドレスの被
塗布部材に対する塗布もまた可能である。また、上述の
実施例の場合、塗布器は下向きに配置されているが、塗
布器が横向きあるいは上向きに配置されていても、被塗
布部材に均一な膜厚の塗膜を同様にして形成することが
できる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の請求項
,5,7の塗布装置および塗布方法、並びに、請求項
6,8のカラーフィルタの製造装置および製造方法によ
れば、その塗布器つまりフロントリップにおける下端面
の長さをリアリップの下端面よりも短くしたので、塗膜
の形成中、液溜まりの形状を安定させることができ、塗
布液の塗布が容易になるとともに塗膜の膜厚を均一にす
ることができる。この結果、被塗布部材が枚葉部材、つ
まり、カラーフィルタ用のガラス基板である場合には、
高品質なカラーフィルタを得ることができる。
【0041】請求項2の塗布装置によれば、液溜まりの
形状を安定させる上でさらに利点を有する。請求項3,
の塗布装置によれば、液溜まりの形状を安定させる上
で利点を有することは勿論のこと、塗布器の剛性および
加工精度上にも大きな利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例のダイコータを示した概略斜視図であ
る。
【図2】図1のダイコータを塗布液の供給系をも含めて
示した概略構成図である。
【図3】図1のダイコータに使用されているスリットダ
イの断面図である。
【符号の説明】
6 ステージ 14 フィードスクリュー 40 スリットダイ(塗布器) 44 シリンジポンプ(供給手段) 50 タンク 58 フロントリップ 60 リアリップ 62 マニホールド 64 スリット 66 吐出口 68,72 傾斜面 70,74 下端面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−229481(JP,A) 特開 平4−61958(JP,A) 特開 平6−151296(JP,A) 特開 平8−52404(JP,A) 国際公開94/27737(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 5/00 - 5/04 B05D 1/26 G02F 1/1335 G02B 5/20 - 5/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布液を供給する供給手段と、 前記供給手段から供給された塗布液を吐出するための一
    方向に延びる吐出口を有する塗布器と、 前記塗布器または被塗布部材のいずれか一方を相対的に
    移動させる移動手段とを備えたガラス基板に塗布する
    布装置において、 前記塗布器は、前記被塗布部材の相対的な進行方向でみ
    た場合、その進行方向側に位置するフロントリップと、
    前記進行方向とは反対側に位置するリアリップと、前記
    両リップ間に形成されるリップ間隙とを有しており、 前記両リップはそれぞれ、少なくとも前記リップ間隙を
    形成する接液面と、該接液面に連なり前記被塗布部材と
    対向するリップ下端面とを有しているとともに、前記フ
    ロントリップ及びリアリップの下端面は同一の面内にあ
    り、かつ、前記フロントリップの下端面は前記進行方向
    に沿った長さが前記リアリップの下端面の前記進行方向
    に沿った長さよりも短く、 前記フロントリップにおける下端面の前記進行方向に沿
    った長さは0.5mm以下であり、かつ、前記リアリップ
    における下端面の前記長さは1mm以上である ことを特徴
    とする塗布装置。
  2. 【請求項2】 前記フロントリップにおける下端面の前
    進行方向に沿った長さは0.mm以下であることを特
    徴とする、請求項1に記載の塗布装置。
  3. 【請求項3】 前記フロントリップの前面には前記吐出
    口に向けて傾斜し、その下端面に連なる傾斜面が形成さ
    れており、前記下端面に対する前記傾斜面の角度は30
    °以上、60°以下であることを特徴とする、請求項1
    または2に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 前記吐出口を形成する前記フロントリッ
    プと前記リアリップとの間隙は0.05mm以上であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の塗布
    装置。
  5. 【請求項5】 カラーフィルタの製造に用いられること
    を特徴とする、請求項1〜のいずれかに記載の塗布装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜のいずれかの塗布装置を用
    いてカラーフィルタを製造することを特徴とするカラー
    フィルタの製造装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の塗布器を使用し、この
    塗布器の吐出口から塗布液を吐出しながら前記塗布器ま
    たは前記被塗布部材のいずれか一方を相対的に移動させ
    ることにより、前記被塗布部材に塗布液の塗膜を形成す
    ることを特徴とする塗布方法。
  8. 【請求項8】 請求項に記載の塗布方法を用いて、カ
    ラーフィルタを製造することを特徴とするカラーフィル
    タの製造方法。
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