JP5577598B2 - 塗布装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基材にレジストなどの塗付液を常圧下で塗布する塗布装置に関するものであり、特に、カラー液晶ディスプレイ用のカラーフィルタの製造に適する塗布装置に関するものである。
従来、枚葉の被塗布基材に塗布する塗布装置として、スピンコータ、バーコータ、ロールコータ及びディップコータ等が知られている。スピンコータは、遠心力で塗膜を形成するものである。バーコータは、ワイヤ等で塗布液を引き伸ばして塗膜を形成するものである。ロールコータは、ロールに付着した塗布液を転写して塗膜を形成するものである。ディップコータは、塗布液の槽に付けて塗膜を形成するものである。
前記スピンコータにおいては、塗布液を遠心力で飛ばすため、塗布液の使用量が多くなり材料コストが高い問題があり、また、塗布・乾燥等処理時間が長くなり、生産能力上の問題もある。また、前記バーコータ及び前記ロールコータにおいては、塗布等の処理時間は短いが、塗布膜とならない余分な塗布液がでるため、より多くの塗布液の使用量を必要とし、より多くの材料コストの問題がある。また、前記ディップコータにおいては、両面塗布を基本とする方法で片面塗布には不向きであり、そのため塗布に不必要な片面を覆う等の工程を要するという製造工程上の問題がある。
そのため、今日では、塗布装置として、図3に示すように、スロットダイ101を具備するものが提案されている。このスロットダイ101は、上下方向にスリット102を規定するスリット内周面103を有し下先端部に基材104の進行方向Aの側の第1の先端リップ105と基材104の進行方向反対側の第2の先端リップ106とを有している。そして、この基材104の表面にスロットダイ101の第1及び第2の先端リップ105、106を近接させて、スロットダイ101の第1及び第2の先端リップ105、106の間のスリット102を介して塗布液107を基材104の表面に塗布するものである。
しかしながら、図3の塗布装置においては、コスト削減のために塗布速度の高速化、材料コスト低減のために塗布液の高粘度化が必要となっているため、塗布することが難しくなってきている。
また、各種の塗布装置では、フィルムなどの支持体をロールに巻きつけ、下部よりポンプで塗布液の圧力を減圧する方法が用いられている。しかし、ガラス基材を用いる塗布装置では、そのような構成は構造上困難であるため、ポンプによる減圧以外の方法で塗布可能条件を広げる必要がある。
そこで、第2の先端リップ(上流側リップ)先端部側に対する塗布液の濡れ広がりやすさを高めることでビードを上流側にシフトさせこれにより塗布速度の高速化を図る技術が提案されている(特許文献1)。
この場合、引用文献1の図2〜図5に示すように、基材の進行方向における上流側リップ先端部の長さを下流側リップ先端部の長さよりも大きく設定することが開示されている。
ところで、塗布対象物が、例えばガラス基材のように1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材である場合、言い換えると、枚葉で平板状の基材である場合、基材に対する塗布は必然的に間欠塗布となり、塗り始めのビード形成を何度も行なうことになる。
これに対して、塗布対象物が連続的に送られてくるフィルム状の基材である場合、基材に対する塗布は必然的に連続塗布となり、塗り始めのビード形成は1度で済む。
そのため、塗布対象物が1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材である場合は、ビード形成のために消費される塗布液が連続塗布に比べて多く必要になり、結果として塗布液の消費量が多くなることが避けられない。
特許文献1においては、その図2〜図5に示すように、基材の進行方向における上流側リップ先端部の長さが大きくなるほど、塗り始めのビード形成に必要な液量が多くなることから、塗布対象物が1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材である場合、間欠塗布を行う上で塗布液が無駄に消費される不都合がある。
したがって、塗布工程で消費される塗布液を減らす事が出来ればコスト削減になるため、なるべく少ない塗布液量でビードを形成でき、少しでも消費塗布液が減る装置になる事がコスト面から望まれている。
特開2002−248399号公報
本発明の目的は、常圧条件下で塗布速度の高速化及び塗布液の高粘度化に対応して良質な塗布膜の形成を可能にすると共に、可能な限り塗布液を無駄にしない塗布装置を提供することにある。
請求項1の発明に係る塗布装置は、スロットダイ本体と、前記スロットダイ本体の下端に設けられた平坦な下端面と、上下方向に延在し前記下端面に開口するスリットを規定するスリット内周面と、前記下端面の箇所で前記スリット内周面の下先端部よりも1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材の進行方向側に位置する第1の先端リップと、前記下端面の箇所で前記スリット内周面の下先端部よりも1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材の進行方向反対側に位置する第2の先端リップと、を有するスロットダイを具備し、前記基材の表面に前記第1及び第2の先端リップを近接させて前記スリットを介して塗布液を前記基材の表面に塗布する塗布装置において、前記基材の進行方向における前記第1の先端リップの長さは、前記基材の進行方向における前記第2の先端リップの長さの1/2〜1/4であり、前記第1の先端リップの長さは、50〜200μmであり、前記塗布液の粘度は1.5〜6cpであり、前記基材を進行させる速度は少なくとも280mm/s以上であり、前記基材の表面へ塗布される前記塗布液の膜厚は10μm以上であり、前記塗布液を前記基材の表面へ塗布する始めに、前記基材を静止させたまま前記塗布液を流して、前記第1の先端リップおよび前記第2の先端リップと前記基材の表面との間にビードを形成していき、前記ビードの前記進行方向における側端が前記第1の先端リップの前記進行方向における側端に到達したところで前記基材を進行させ塗布を開始し、前記ビードの前記進行方向における側端が前記スロットダイ本体の前記平坦な下端面を超えたところまで塗れ上がらないようにしたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、スロットダイの第1の先端リップの平坦部の基材走行方向長さは、第2の先端リップの平坦部の基材走行方向長さの1/2〜1/4であるため、常圧条件下で塗布速度の高速化及び塗布液の高粘度化に対応して塗布膜の形成を可能にする。また、少ない塗布液量でビードを形成できるので、塗布液の消費量を抑制できコストを低減する上で有利となる。
また、第1の先端リップの平坦部の基材走行方向長さが50〜200μmであるため、常圧条件下で塗布速度の高速化及び塗布液の高粘度化に対応して塗布膜の形成をさらに可能にする。
本発明の一実施の形態に係る塗布装置を示す斜視図である。 図1に示す本発明の一実施の形態に係る塗布装置のスロットダイの縦断面図である。 従来の塗布装置のスロットダイの縦断面図である。 実施例と比較例の数値解析結果比較を示す図である。
次に、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る塗布装置を示す斜視図である。図2は、図1に示す本発明の一実施の形態に係る塗布装置のスロットダイの縦断面図である。
本発明の一実施の形態に係る塗布装置は、スロットダイ1を具備している。
スロットダイ1は、スロットダイ本体1Aと、下端面1Bと、スリット内周面3と、第1の先端リップ5と、第2の先端リップ6とを有している。
下端面1Bは、スロットダイ本体1Aの下端に設けられ平坦面として形成されている。
スリット内周面3は、上下方向に延在し下端面1Bに開口するスリット2を規定する。
第1の先端リップ5は、下端面1Bの箇所でスリット内周面3の下先端部よりも1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材4の進行方向側に位置する。
第2の先端リップ6は、下端面1Bの箇所でスリット内周面3の下先端部よりも1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材4の進行方向反対側に位置する。
スロットダイ1のスリット2には、塗布液供給装置(図示せず)により上から塗布液が液供給管7を介して供給される。
塗布装置は、搬送手段により搬送され矢印方向(進行方向)Aへ進行する基材4の表面にスロットダイ1の第1及び第2の先端リップ5、6を近接させて、スロットダイ1の第1及び第2の先端リップ5、6の間のスリット2を介して塗布液8を基材1の表面に塗布するものである。
スロットダイ1は、スリット内周面3の中間部に液溜めであるマニュホールド9を規定するマニュホールド内周面10を有している。液供給管7から塗布液8はスリット2を介してマニュホールド9に供給される。マニュホールド9は、スロットダイ1の幅方向に均一に塗布液8を供給する。マニュホールド9からスリット2を通って塗布液8は基材4の上に排出される。排出された塗布液8は、第1の先端リップ5と第2の先端リップ6と基材4の表面との間にビード部と呼ばれる液空間を作る。このビード部が有ることで、供給量の微小な変動、スロットダイの微小な変動が有っても、一定の膜厚で基材4の上に安定して塗布液8を塗布することができる。
スロットダイ1における第1の先端リップ5の平坦部の基材走行方向長さL1(基材4の進行方向における第1の先端リップの長さL1)は、第2の先端リップ6の平坦部の基材走行方向長さL2(基材4の進行方向における第2の先端リップの長さL2)の1/2〜1/4である。スロットダイ1の第1の先端リップ5の平坦部の基材走行方向長さL1が第2の先端リップ6の平坦部の基材走行方向長さL2の1/2〜1/4であることにより、塗布速度の高速化及び塗布液の高粘度化に対応して塗布膜の形成を可能にする。スロットダイ1の第1の先端リップ5の平坦部の基材走行方向長さL1が第2の先端リップ6の平坦部の基材走行方向長さL2の1/2〜1/4の範囲以外である場合には、塗布速度の高速化及び塗布液の高粘度化に対応して塗布膜を形成することが困難になる。
また、スロットダイ1における第1の先端リップ5の平坦部の基材走行方向長さL1は、50〜200μmであることが望ましい。第1の先端リップ5の基材走行方向長さL1が200μmを超える場合には、塗布可能範囲を広げる効果が小さくなりすぎるため有意な効果が得られない。また、第1の先端リップ5の基材走行方向長さL1が50μm未満である場合には、特にプライシングと呼ばれる塗布前にビード部を形成する工程で、第1の先端リップ5平坦部より進行方向側に塗布液8が流れ、スロットダイ1の斜め部になっているところまで塗れ上がってしまいやすくなる。その結果、ビード部が不安定になって、不良品を生じてしまう。なお、スロットダイ1における第1の先端リップ5の平坦部の基材走行方向長さL1は、70〜150μmであることがより望ましい。
塗布液8を基材4に実際に塗布する工程の始めに、基材4は静止させたまま塗布液8だけを流す工程を通常行う。この工程をビード形成工程と呼ぶ。ビードは第1、2の先端リップ5、6の平坦部と基材4の間に生成される塗布液8の領域をさす。ビード形成工程を省略して、塗布を開始すると基材4上に均一に塗布されず不良品になってしまう。最も塗布が安定な状態になるのは、ビードが第1の先端リップ5の進行方向側端に到達している状況である。
ビードが第1の先端リップ5の進行方向側端に到達しない。つまり、進行方向側のビードの境界が第1の先端リップ5の進行方向側端とスリット2の間に有ると、塗布時にビードが塗布進行側に広がる。ポンプを含む塗布液供給装置では目的膜厚で塗布するために必要な流量が送り出されている。とくに塗布初期に、ビードが第1の先端リップ5の進行方向側端に到達しない状況では、供給された塗布液8の一部がビード形成に使われ膜厚が目標膜厚より薄くなってしまうことがよく有る。膜厚が薄くなっても不良品である。
一方、第1の先端リップ5平坦部より進行方向側に塗布液8が流れると、スロットダイ1の斜め部になっているところまで塗れ上がってしまいやすくなる。その結果、塗布の不良を生じてしまう。1例として、幅方向の1部分だけが厚く塗れるなどの不安定要素を引き起こす。
ガラス基材のような非可撓性かつ硬い基材で、スロットダイで塗布する場合、一般的には常圧条件であり、重力は図の鉛直方向にかかる。この場合、力は鉛直方向のみにかかるので、スリット2を通って流れ出る塗布液8は進行方向側にも反対側にも同じ量が流れる。第1の先端リップ5の平坦部の進行方向端まで塗布液8を満たすには、先端リップ5、6と基材4間の距離、つまり塗布ギャップをH、スロットダイ幅をDとすると、2L1HDの塗布液8が必要になる。
標準スロットダイ101は図3のように第1の先端リップ105の平坦部の基材走行方向長さL1は、第2の先端リップ106の平坦部の基材走行方向長さL2と同じ長さである。いっぽう、今回提案している図2のスロットダイ1は第1の先端リップ5の平坦部の基材走行方向長さL1は、第2の先端リップ6の平坦部の基材走行方向長さL2の1/2〜1/4である。今回提案する改良スロットダイ1では標準スロットダイ101と比べて、安定した塗布を可能とするビードを形成するのに必要な液量は1/2〜1/4である。
塗布液供給装置から送り出される液量は膜厚、塗布速度、ダイ幅によって決まる。そのため、同じ塗布条件であれば標準スロット101と改良スロットダイ1で必要となる塗布液供給装置から送り出される液量は変わらない。塗布液供給装置から送り出される液量とスリット2内の塗布液8の速度はほぼ比例関係である。そのため、標準スロット101と改良スロットダイ1でスリット2内の塗布液8の速度はほぼ同じである。
つまり、塗布するまでに生成しなければならないビードの液量を1/2〜1/4にする事が出来るというのは、ビードを生成するまでの時間も1/2〜1/4にする事が出来るということである。そのため、生産速度を短縮する事が出来る。
ビード部は基材4の塗布したい領域を塗布し終わった後はそのまま捨てられる部分である。この部分の液量を減らす事が出来れば消費する塗布液8を減らす事が出来る。その結果、コストを下げる事が出来る。
ガラス基材の塗工で通常用いられる間欠塗工はフィルム基材への塗工で通常用いられる連続塗工される方法と比べるとビード部を生成してから塗り終わるまでの距離は短い。一例としてフィルムでは100mをビードを1回だけ生成して塗るものがあるが、ガラス基材では数m間隔で1回ビード生成して、塗り、塗り終わりという長さスケールである。
そのため、間欠塗工では同じ長さを塗るのに多くの回数、ビード部を作る必要性がある。そのため、連続塗工の条件よりも、ビード部液量を減らす事による塗布液8の削減効果が得られる。また、生成時間短縮による生産性向上の効果がより出る。
本発明の実施の形態において基材4としては、カラーフィルタに用いるガラス基材のような非可撓性かつ硬い材料を主対象としているが、原理的にはフィルムなど他のものを使用することもできる。例えば、基材4の材料としては、アセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系フルイム及びポリメチルメタクリレート等のアクリル系フィルム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
塗布液8は、カラーフィルタ用のレジストを指しているが、他の材料を使用することもできる。例えば、塗布液8の溶剤としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、hh、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール・ブチルカルビトール等のグリコールエーテル類、ヘキサン、ヘプタン・オクタン等の脂肪族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド等が挙げられ、1種、または、2種類以上の混合物として用いてよいが、これらに限定されるものではない。なお、塗布液8の粘度は、1.5〜6cpの範囲であることが望ましい。
基材4は、浮上搬送によって搬送されることが望ましい。これは、基材4の接触による破損を防ぐことができるからである。
(実施例1)
図2のスロットダイ1における第1の先端リップ5の平坦部の基材走行方向長さL1を100μmとし、第2の先端リップ6の平坦部の基材走行方向長さL2を300μmとし、基材4と第1の先端リップ5及び第2の先端リップ6との間隔は100μmとし、塗布速度は280mm/sとし、かつ、塗布液は粘度3cpのレジスト液で幅が2400mmであるガラス基材4に塗布するものとして数値解析を行った。この場合に、塗布液8の 膜厚が10μm以上あれば均一な膜厚での塗布が可能という結果になった。
(比較例1)
図3に示すスロットダイ101を具備する塗布装置を用いて塗布テストを行った。条件は、第1の先端リップ105及び第2の先端リップ106の平坦部の基材走行方向長さはどちらも300μmとし、基材104と第1の先端リップ105及び第2の先端リップ106との間隔は100μmとし、塗布速度は280mm/sとし、かつ、塗布液は粘度3cpのレジスト液で幅が2400mmであるガラスの基材104に塗布した。
比較例1の塗布テストでは塗布時の塗布膜の膜厚が12μmでは不良の無いサンプルができ上がったが、塗布膜の膜厚が12μm未満の膜厚では生成物にスジのようなものが確認でき、塗布不良である。
(比較例2)
比較例1と同じ条件で数値解析を行った。このときの結果も膜厚12μm以上であれば均一な膜厚での塗布が可能という結果であった。
実施例1の装置と比較例2の装置で材料物性、塗布速度、塗液流入量のパラメータ値を変えて数値解析を実施した。その比較結果をまとめたグラフが図4になる。図4で横軸のキャピラリ数は粘度×塗布速度÷表面張力で表される無次元数の指標である。この値が高いほど塗布する事は困難になる指標である。縦軸で表されている相対膜厚は塗布直後の膜厚を基材4と第1の先端リップ5及び第2の先端リップ6との間隔で割った無次元数である。この値が高いほど、塗布直後の膜厚が厚いことを表す。
グラフ上に表された線が塗布限界の境界線である。線より上領域でしか良品は塗布出来ない。線より下の領域では不良が起こり塗布出来ない。1例として幅方向に厚み分布が生じるリビングムラと呼ばれるムラなどが起きる。線より右側のキャピラリ数のときも同様に塗布できない。キャピラリ数は粘度、塗布速度に比例する指標である為、塗布可能限界の条件より高速、高粘度であると塗布できない。
結果を比較すると、実施例1の塗布限界を表す線が比較例2の線より下側にあることがわかる。この事は材料物性、塗布速度が同じ場合、より塗布直後の膜厚が薄くても塗布可能になる事を示している。また、材料物性、膜厚が同じ場合、より塗布速度が速くても塗布可能ということである。また、膜厚、塗布速度が同じ場合はより高粘度の材料でも塗布可能ということである。
値を比較すると高キャピラリ数であるほど実施例と比較例の塗布限界を表す線の差が大きくなるが、膜厚で言えば1割〜2割程度薄くなっても塗布可能になる結果である。
比較例1、2の比較から数値解析と塗布テストでは良い一致が見られる。そのため、以上の実施例1及び比較例1、2の結果から、本発明の実施例1によれば、塗布可能になる膜厚の範囲が広がるものと推定できる。よって本発明により塗布高速化及び塗布液高粘度化に対応できるようになる。また、少ない塗布液量でビードを形成できるので、塗布液の消費量を抑制できコストを低減する上で有利となる。
1 スロットダイ
1A スロットダイ本体
1B 下端面
2 スリット
3 スリット内周面
4 基材
5 第1の先端リップ
6 第2の先端リップ
7 液供給管
8 塗布液
9 マニュホールド
10 マニュホールド内周面

Claims (1)

  1. スロットダイ本体と、
    前記スロットダイ本体の下端に設けられた平坦な下端面と、
    上下方向に延在し前記下端面に開口するスリットを規定するスリット内周面と、
    前記下端面の箇所で前記スリット内周面の下先端部よりも1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材の進行方向側に位置する第1の先端リップと、
    前記下端面の箇所で前記スリット内周面の下先端部よりも1枚ごとに送られてくる平板状をなす基材の進行方向反対側に位置する第2の先端リップと、
    を有するスロットダイを具備し、
    前記基材の表面に前記第1及び第2の先端リップを近接させて前記スリットを介して塗布液を前記基材の表面に塗布する塗布装置において、
    前記基材の進行方向における前記第1の先端リップの長さは、前記基材の進行方向における前記第2の先端リップの長さの1/2〜1/4であり、
    前記第1の先端リップの長さは、50〜200μmであり、
    前記塗布液の粘度は1.5〜6cpであり、
    前記基材を進行させる速度は少なくとも280mm/s以上であり、
    前記基材の表面へ塗布される前記塗布液の膜厚は10μm以上であり、
    前記塗布液を前記基材の表面へ塗布する始めに、前記基材を静止させたまま前記塗布液を流して、前記第1の先端リップおよび前記第2の先端リップと前記基材の表面との間にビードを形成していき、前記ビードの前記進行方向における側端が前記第1の先端リップの前記進行方向における側端に到達したところで前記基材を進行させ塗布を開始し、前記ビードの前記進行方向における側端が前記スロットダイ本体の前記平坦な下端面を超えたところまで塗れ上がらないようにした、
    ことを特徴とする塗布装置。
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