JP3132837U - 折畳み式建家 - Google Patents

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Abstract

【課題】比較的簡単に組み立てることができ、展開強度に優れ、プライバシーも守られる折畳み式建家を提供する。
【解決手段】個室空間Rの出入口を開閉可能に閉塞する扉体6が一体的に形成されている前面壁体2と、個室空間Rの背面を閉塞する背面壁体3と、個室空間Rの側面を互いに略平行な状態で夫々閉塞する一対の側面壁体4a,4bとを備える折畳み式建家1。前面壁体2と背面壁体3とを近接させると、その間に側面壁体4a,4bが折り畳まれて収納される。また、前面壁体2と背面壁体3とを離間させて展開させた状態で、前面壁体2、背面壁体3、または側面壁体4a,4bのうち何れか二つの壁体に対して当接する補強棚板5がさらに備えられている。
【選択図】図1

Description

本考案は、建家に関するものであり、特に、折り畳んで運搬することができる折畳み式建家に関するものである。
従来、被災地、海水浴場、建設現場、及び野外の催物会場等では、一定の期間だけ使用するための臨時設備として、仮設の建家が設置されることがある。例えば仮設トイレ、臨時更衣室、簡易シャワールーム、または倉庫等がその一例である。
こうした仮設の建家は、常設の建築物とは異なり、解体や構築を何度も繰り返す必要が多いため、組み立てが簡単でなければならない。また、運搬が容易であること、すなわち軽量で且つコンパクトであることも重要な要素であり、一般の常設型建築物とは違った各種の設計工夫が必要となる。
このような仮設の建家としては、棒状の枠組みに天幕を張り巡らしたもの、所謂テント式の建家や、複数の板状の部材を壁板として個室の形状に組み立てたもの(例えば、特許文献1)などが知られている。このような建家は、外部から遮蔽された個室空間を比較的簡易に構築できると共に、運搬時には、分解してコンパクトにまとめることができる。
特開平11−101008号公報
しかし、テント式の建家を採用した場合には、次のような課題があった。例えば、外部と個室内部とを隔離する壁が布状の部材(天幕)で構成されているので、個室内のプライバシーが希薄になる虞があった。具体的には、個室をトイレやシャワー、更衣室等に利用した場合は、使用者のプライバシーを守るために高い遮音性や密閉度が要求される。しかし、汎用のテント地などを天幕として利用すると、個室内の音を遮断するのは難しいので、使用者が不安感や不快感を感じる場合があった。一方、遮音性の高い特殊な布地を天幕として利用すれば、係る問題は解決されるが、建家の製造に要するコストが上がる傾向があり、好ましくなかった。また、仮に遮音性の高い布地を使用したとしても、外部との隔壁が変形自在な布で構成されていることにより、使用者によっては密閉度に頼りなさを感じ、不安に思う場合も懸念された。
これに対し、特許文献1の構成によれば、複数の板状の部材によって個室の壁を形成しているので、遮音性や密閉度に関する問題は解決することができる。しかし、特許文献1の構成では、建家の組み立てに要する手間が十分に削減できていないという問題があった。例えば、個室の前面側だけでも、2枚の側壁板を床板ユニット上に設置し、さらにこれらの側壁板の間にドアユニットを取り付けなければならない。また、側壁板がドアユニットの開放動作に従動して動かないように、床板ユニットに対して固定させる作業も必要であった。
さらに、特許文献1の構成では、建家の強度に関しても課題が残っていた。例えば、前述したように、個室の前面側は少なくとも2枚の側壁板とドアユニットとを有し、これらがヒンジ部材によって連結されている。つまり、一体の部材として構成されておらず、連結部分を有しているから、床板ユニット等に固定させておかないと連結部分から折れ曲がって展開状態が保持できない虞があった。個室の背面側を閉塞する部材にも同様にして連結部分があるので、ただ展開させただけでは展開状態の保持が難しい場合が考えられた。床板ユニットに壁板を固定させれば係る問題は解決されるものの、建家の組み立てに要する手間が増えるという問題が顕著になるという実情があった。
そこで、本考案は、上記の実情を鑑み、比較的簡単に組み立てることができ、展開強度に優れ、プライバシーも守られる折畳み式建家を提供することを課題とする。
本考案にかかる折畳み式建家は、「一枚の略長方形の板材より構成される壁体で、展開すると平面視にて略四角形状になる一室の個室空間の前面に配置され、前記個室空間の出入口を開閉可能に閉塞する扉体、該扉体の上方に配置された上框部材、及び、前記扉体の左右両側に配置され前記上框部材から連続的に形成されている一対の左右側壁部材、が一体的に形成されている前面壁体と、一枚の略長方形の板材より構成される壁体で、展開すると前記個室空間の背面を閉塞する背面壁体と、両端面側が前記前面壁体と前記背面壁体とに夫々折り畳み可能に接続されている略長方形の壁材で、前記前面壁体と前記背面壁体とを近接させる折り畳み状態では、前記前面壁体と前記背面壁体との間に折り畳まれて収納され、前記前面壁体と前記背面壁体とを略並行な状態で離間させる展開状態では、前記個室空間の側面を互いに略平行な状態で夫々閉塞する一対の側面壁体と、前記展開状態で、前記前面壁体、前記側面壁体、及び前記背面壁体のうち少なくとも何れか二つの壁体に夫々当接し、略水平な面を有して取り付けられる補強棚板とを有する」ものである。
ここで、「一体的に形成されている」とは、「扉体」と「上框部材」と「左右側壁部材」とが、夫々別のパーツとしてではなく、一つのパーツ(「一枚の略長方形の板材」)から形成されていることを示している。
本考案の折畳み式建家では、前面壁体と背面壁体とは、略平行な状態で展開される。さらに、これらに折り畳み可能に接続されていた一対の側面壁体は、展開されると互いに略平行な状態で個室空間の側面を覆う。そして、前面壁体には、扉体が一体的に形成されており、個室空間の出入り口を開閉可能な状態で閉塞している。扉体の上方には、前面壁体の一部である上框部材が配置されており、扉体の左右両側には、上框部材から連続的に形成された一対の左右側壁部材が配置されている。
本考案によれば、前面壁体は一枚の略長方形の板材より構成されているので、複数の部材に分かれている場合に比べて、簡単に組み立てることができる。特に、本考案の折畳み式建家では、扉体が前面壁体に一体的に形成されているので、夫々が別体である場合のような扉体を取り付ける為の手間を必要とせず、組み立てが簡単である。また、前面壁体及び背面壁体には、複数の部材に分かれている場合のような連結部分が無いから、折れ曲がって展開状態が崩れてしまう虞が少なく、展開状態における強度にも優れている。
また、本考案によれば、前面壁体には、扉体の上方に配置された上框部材と、扉体の左右両側に夫々配置され、上框部材から連続的に形成された左右側壁部材とがさらに備えられている。従って、何れか一方の左右側壁部材に扉体を接続して開放動作を加えても、上框部材と他方の左右側壁部材とに支えられるので、接続されている左右側壁部材が従動しにくい。これにより、特段の固定手段を用いずとも扉体の開放動作に従動しない前面壁体を構成できる。また、左右側壁部材と上框部材とでアーチ状に扉体を囲えるから、扉体を開放した状態においても強度が落ち難い前面壁体を提供できる。
さらに、本考案の折畳み式建家によれば、展開した状態で、前面壁体、側面壁体、または背面壁体のいずれか二つの壁体に当接して取り付けられる補強棚板がさらに備えられている。これにより、壁体の展開状態が補強されるので、風が吹く野外等でも安定して使用することのできる折畳み式建家を提供できる。また、補強棚板は略水平な面を有して取り付けられるから、その上面に荷物などを載置して利用することもでき便利である。
また、本考案の折畳み式建家において、「前記一対の側面壁体のうち少なくとも一方には、前記個室空間の内部側と外部側とを貫通する開口部が形成されており、前記側面壁体の前記外部側に着脱可能に取り付けられ、前記開口部を視認困難に隠蔽すると共に、前記内部側から前記開口部より投入された所定の物体を収容する収容箱がさらに備えられている」ものとしても良い。
ここで、「所定の物体」及び「収容箱」としては、個室の利用形態に応じて各種のものが考えられる。例えば、個室を更衣室として利用する場合は、「所定の物体」として「着替え済みの衣服」が想定され、「収容箱」をランドリーケースとして利用する場合などが考えられる。また、個室をトイレとして利用する場合は、「所定の物体」として「使用済みの汚物収容体」が想定でき、「収容箱」を「ゴミ箱」として利用する場合などが考えられる。
本考案の構成によれば、使用者は、個室の外に出ることなく外部側の収容箱へと物体を投入できる。従って、外に出る手間が省けて便利である。特に、本考案の折畳み式建家をトイレとして利用した場合は、汚物の収容された使用済みの収容体を持って個室の外に出る必要が無くなるから、使用済みの収容体を持った姿を人に見られなくて良く、便利である。
また、本考案の折畳み式建家によれば、収容箱は開口部を視認困難に隠蔽するよう取り付けられているから、開口部を通じて、個室の外部側から内部側が覗き見えることが無い。従って、個室内のプライバシーが守られるので、例えば更衣室やトイレとしても快適に利用することができる。さらに、開口部が隠蔽されているから、そこを通過する物体も隠蔽される。従って、他人には見られたくないようなゴミや着替えを気軽に投入することができる。
また、本考案の折畳み式建家において、「前記前面壁体または前記背面壁体の少なくとも一方に取り付けられており、前記折り畳み状態で、所定の係止バンドを係止させて前記前面壁体と前記背面壁体との前記折り畳み状態を固定すると共に、前記展開状態で、所定の固定手段を係止させて前記前面壁体または前記背面壁体の立設状態を補強する係止手段、がさらに備えられている」ものとすることができる。
ここで、「立設状態を補強する」とは、例えばロープやワイヤーのような「所定の固定手段」を用いて、前面壁体や背面壁体の立設状態を補強する状態を示している。具体的には、地面上に略垂直な状態で前面壁体及び背面壁体を設置し、個室空間が形成されるように展開させる。そして、ロープの一端側を本考案の係止手段に係止させ、他端側を適宜な支柱に係止させて固定させる場合等が例示できる。一方「係止バンド」とは、前面壁体と背面壁体とを折り畳んだ状態で固定するものであれば良く、帯状または紐状の物体が例示できる。但し、折り畳んだ状態の前面壁体と背面壁体とを固定するものだから、「所定の固定手段」よりも短くて構わない。すなわち、「係止手段」としては、「係止バンド」及び「所定の固定手段」の双方に対応できるような形態が望ましく、例えばリング状の金具を取り付けたもの、貫通孔を穿設させて鳩目を取り付けたもの、「係止バンド」や「所定の固定手段」を巻きつけるための突起部を形成したもの、などが挙げられる。
従って、本考案の折畳み式建家によれば、係止手段がさらに備えられているから、前面壁体と背面壁体とを近接させた状態で固定できる。これにより、運搬時に前面壁体と背面壁体とが離間し、展開してしまう状態を防止できるので、取り回しが楽になる。また、本考案の係止手段は、立設状態を補強する固定手段を係止させることもできる。従って、野外に安定して設置することができるし、折り畳み状態を固定する固定手段と、立設状態を補強する補強手段とを各々別個に設ける場合よりも、効率的である。
本考案に係る折畳み式建家として、「一枚の略長方形の板材より構成される壁体で、展開すると平面視にて略四角形状になる一室の個室空間の前面に配置され、前記個室空間の出入口を開閉可能に閉塞する扉体、該扉体の上方に配置された上框部材、及び、前記扉体の左右両側に配置され前記上框部材から連続的に形成されている一対の左右側壁部材、が一体的に形成されている前面壁体と、一枚の略長方形の板材より構成される壁体で、展開すると前記個室空間の背面を閉塞する背面壁体と、両端面側が前記前面壁体と前記背面壁体とに夫々折り畳み可能に接続されている略長方形の一対の壁材で、何れか一方の該壁材には前記個室空間の内部側と外部側とを貫通する開口部が形成されており、前記前面壁体と前記背面壁体とを近接させる折り畳み状態では、前記前面壁体と前記背面壁体との間に折り畳まれて収納され、前記前面壁体と前記背面壁体とを略並行な状態で離間させる展開状態では、前記個室空間の側面を互いに略平行な状態で閉塞する側面壁体と、前記展開状態で、前記前面壁体、前記背面壁体、及び前記側面壁体の上部に取り付けられ、前記個室空間の上面を閉塞する屋根部材と、前記展開状態で、前記側面壁体と前記背面壁体とに夫々当接して略水平な面を有して取り付けられ、前記側面壁体と前記背面壁体との前記展開状態を補強する補強棚板と、前記前面壁体の前記内部側に取り付けられ、前記展開状態で、前記扉体を前記内部側から閉塞した状態にロックできるインナーロックと、前記前面壁体の前記外部側に取り付けられ、前記扉体を前記外部側から閉塞した状態にロックできるアウターロックと、前記前面壁体または前記背面壁体の少なくとも一方に取り付けられており、前記折り畳み状態で、所定の係止バンドを係止させて前記前面壁体と前記背面壁体との前記折り畳み状態を固定すると共に、前記展開状態で、所定の固定手段を係止させて前記前面壁体または前記背面壁体の立設状態を補強する係止手段と、前記展開状態で、前記個室空間の前記内部側に設置され、汚物を収容するための収容体を載置可能な便器部材と、前記側面壁体の前記外部側に着脱可能に取り付けられ、前記開口部を視認困難に隠蔽すると共に、前記内部側から前記開口部に投入された使用済みの前記収容体を収容する収容箱とを有する」ものとすることができる。
本考案の折畳み式建家によれば、扉体は、前面壁体に一体的に形成されているので、扉体と前面壁体とが別体として構成される場合に比べて、組み立てに要する手間が少なくて済む。また、個室空間の上面を覆う屋根部材が備えられているから、雨天時や直射日光の強い野外でも個室空間を快適に利用することができる。さらに、補強棚板が備えられているから、荷物等を載置する棚板として利用できると同時に、展開状態が補強される。
また、本考案によれば、一対の左右側壁部材は、上框部材によって連結されている。従って、何れか一方の左右側壁体に扉体が接続され、開放動作が加えられても、上框部材と他方の左右側壁部材とに支えられるので、当該一方の左右側壁部材が従動しない。これにより、特段の固定手段を用いずとも扉体の開放動作に従動しない前面壁体を構成できる。また、一対の左右側壁部材と上框部材とでアーチ状に扉体を囲えるから、扉体を開放した状態においても強度が落ち難い前面壁体を提供できる。
また、本考案の折畳み式建家によれば、便器部材と収容箱とが備えられているから、個室空間をトイレとして利用することができる。特に、側面壁体には開口部が備えられているから、個室の内部側から使用済みの収容体を収容箱に投入でき、使い勝手が良い。また、開口部は収容箱によって視認困難に隠蔽されているから、個室の内部や投入される収容体が外部の人間から隠蔽され、使用者のプライバシーが確保される。さらに、本考案によれば、前面壁体の内側にインナーロックが取り付けられているから、個室の内部側より扉をロックすることができる。これにより、使用中に外部から開放されてしまう懸念を払拭することができ、トイレや更衣室としての使い勝手がより向上する。
さらに、本考案によれば、前面壁体の外部側にアウターロックが備えられているから、個室の外部側からも扉をロックできる。従って、展開状態において、扉が勝手に開放しないよう、外側から閉塞状態にロックすることができるので、個室内に不必要なゴミや雨が入り込まないよう対応することができる。また、折り畳み状態においてアウターロックを使用すれば、運搬時や保管時に扉体がばたついて邪魔になるような事態が防げ、便利である。
また、本考案によれば、さらに係止手段が備えられているから、前面壁体と背面壁体とを近接させた状態で固定することができると共に、展開した状態では、立設状態を補強するよう所定の固定手段を係止させることができる。従って、運搬時及び使用時の便宜性が増す。また、折り畳み状態を固定する固定手段と立設状態を補強する補強手段とを各々別個に設ける場合よりも、パーツ点数を減らすことができて効率的である。
このように、本考案の折畳み式建家によれば、前面壁体と背面壁体とは、夫々が一枚の略長方形の板材であり、互いに略平行な状態で離間させるだけで簡単に個室空間を形成できる。さらに、扉体は、前面壁体に一体的に形成されているから、扉体と前面壁体とが別体として構成される場合に比べて、組み立てに要する手間を削減することができる。また、前面壁体及び背面壁体は、夫々が一枚の略長方形の板材であり、複数の部材をつなぎ合わせた時のように連結部分を有さない。従って、当該連結部分から折れ曲がって展開状態が崩れる虞が無く、展開強度に優れる。
以下、本考案の実施形態である折畳み式建家について、図1乃至図8に基づき説明する。図1は本考案の折畳み式建家の展開状態を示す斜視図、図2は折畳み式建家の折り畳み状態を示す斜視図、図3は折畳み式建家の平面図、図4は前面壁体の正面図、図5は側面壁体の正面図、図6は屋根部材を示す平面図、図7はゴミ箱を構成する部品の正面図、図8は折畳み式建家の組み立て方法を説明する説明図である。
本考案の折畳み式建家1は、前面壁体2と背面壁体3とを近接させ、その間に中折れ式に一対の側面壁体4a,4bを折り畳んで収納した平坦な折り畳み状態(図2参照)から、前面壁体2に対して背面壁体3を略平行な状態で離間させ、平面視にて略四角形状の個室空間R(図3参照)が形成されるようにした展開状態(図1参照)へとすることができるものである。なお、図3においては、説明を簡略にするため屋根部材9、ハンガーフック40、及びペーパーホルダー41の図示を省略している。
なお、個室空間Rの使用用途としては、更衣室やシャワー室など特に限定されるものではないが、本例では、便器部材30を備えた簡易トイレとしての折畳み式建家1を例示している。図3に示すように、展開状態における折畳み式建家1の個室空間Rは、上方から見ると、前面に配置された前面壁体2と、背面に配置された背面壁体3と、両側面に配置された側面壁体4a,4bとで囲まれた略四角形状をしている。上面側は、屋根部材9(図1参照)によって閉塞されており、側面壁体4aの外側(以下、個室空間Rの内部側を「内側」、外部側を「外側」とする)にはゴミ箱10がさらに備えられている。前面壁体2、背面壁体3、側面壁体4a,4b、及びゴミ箱10は、燃焼時に有機塩素化合物を発生させない合成樹脂を原材料とする中空構造板で構成されている。なお、本実施形態で使用されている合成樹脂の中空構造体は、切込に従って折り畳むことができる。ここで、「ゴミ箱10」が、本考案の「収容箱」に相当する。
前面壁体2は、一枚の略長方形の板材20より構成される壁体で、図3に示すように個室空間Rの前面側を閉塞する壁体である。より詳細には図4に示すように、横幅Wが900cm、高さHが1800cmの板材20から構成されており、扉体6と、扉体6の上方に配置された上框部材34と、扉体6の左右両側に夫々配置され上框部材34から連続的に形成されている右側壁部材35及び左側壁部材36と、が一体的に形成されている。
扉体6は、個室空間Rの出入り口を開放可能に閉塞するものであり、以下のようにして形成されている。すなわち、板材20に二辺(開放辺6a,6c)の切り込みを入れ、他の一辺(接続辺6b)はハーフカット(板厚の約半分程度に切り込みを入れた状態)にする。開放辺6aの切り込みを入れると、扉体6の左側面側に配置される左側壁部材36が形成される。開放辺6cの切り込みを入れると、扉体6の上方に配置される上框部材34が形成される。残りの一辺(接続辺6b)はハーフカットにすることで、右側壁部材35に対して回動可能に接続された(接続辺6bを中心として開放辺6a,6c側が開放される)扉体6が形成される。以上のように扉体6を形成すると、右側壁部材35、上框部材34、及び左側壁部材36で扉体6をアーチ状に囲めるから、扉体6を開放した状態においても強度が落ち難い前面壁体2を構成できる。
また、扉体6に接続された右側壁部材35は、その上方に配置された上框部材34に接続されている(連続的に形成された部材である)。さらに、上框部材34は、扉体6の左側に配置された左側壁部材36とも連続している。従って、扉体6の開放動作に伴う力が、接続辺6bを通じて右側壁部材35に加えられても、上框部材34や左側壁部材36によって右側壁部材35が動かないように支えられる。これにより、特段の固定手段を用いずとも扉体6に従動しにくい前面壁体2を構成できる。ここで、「右側壁部材35」及び「左側壁部材36」が、本考案の「左右側壁部材」に相当する。
前面壁体2には、さらに、扉体6を個室空間Rの内側からロックするインナーロック7と、外側からロックするアウターロック8とが備えられている。インナーロック7は、展開状態において、個室空間Rの内側から扉体6を開放できないようにロックすることができる部材である。具体的には、略長方形の板材の一端側を扉体6の内側に回動自在に接続させ、他端側を突起状の係止部12に係止させることでロック状態にする。なお、二つのインナーロック7のうち一方については、その表面の一部が赤く塗られており、ロック状態において、扉体6に形成された貫通穴11を通して外部から視認できるよう構成されている。これにより、貫通穴11を見れば、個室空間Rが使用中か否かが外部から判別できるようになっている。
アウターロック8は、個室空間Rの外側から扉体6を閉鎖状態にロックする部材である。その構成はインナーロック7とほぼ同じであるが、扉体6の外側に取り付けられている点が異なる。本例の折畳み式建家1は、野外に設置する簡易トイレとして特に好適に用いられるものであるが、野外では、個室空間Rを使用していない(インナーロック7を使用していない)状態において、扉体6が勝手に開放されると不便な点がある。例えば、ゴミや野生動物が個室空間Rの内部に入り込む場合がその一例である。このような状況を回避するためには、使用しないときは扉体6を閉鎖状態でロックしておくことが好ましい。本例のアウターロック8を用いれば、個室空間Rを使用しない時は外側から扉体6をロックできるので、ゴミなどが勝手に入り込まないようにしておける。また、折畳み式建家1を折り畳み状態で運搬する時も、本例のアウターロック8が好適に使用される。すなわち、運搬時において、扉体6が開いたり閉じたりとばたつくと、運搬の邪魔になったり扉体6の破損の原因となったりする。そのような場合は、本例のアウターロック8によって扉体6を閉鎖状態にしておくと良い。
前面壁体2には、さらに戸当り部材13が備えられている。戸当り部材13は、前面壁体2の内側であって、且つ、閉鎖状態において、扉体6の開放辺6aに当接する位置に取り付けられている。本例の折畳み式建家1は、前述したように野外に設置されることもあるから、設置面が水平ではない場合も考え得る。そのような場合には、前面壁体2や側面壁体4a,4bが多少傾斜した状態で歪んで設置される。そうすると、板材20側の当接辺21(図1参照)と扉体6の開放辺6aとが設計どおりにきちんと当接せず、わずかに隙間ができてしまう場合が懸念される。しかし、本例では戸当り部材13が備えられているから、譬え隙間ができても戸当り部材13で埋められるので、室内が覗き見えたり、隙間風が入ってくる事態を防止できる。
また、前面壁体2には、後述する係止金具45に係止させる係止バンド46と、固定金具47とがさらに備えられている。係止バンド46は、前面壁体2の左右上下両端面側に計四つ備えられており、背面壁体3に備えられた係止金具45に対して係止させることができる帯状の部材である。固定金具47は、前面壁体2の上側の左右両端面側に計二つ取り付けられており、ロープなどをくくりつけることができるリング状の金具を有している。
背面壁体3は、図3に示すように、展開状態において個室空間Rの背面を閉塞する壁体である。その形状は、前面壁体2の板材20(図4参照。以下同じ)と略等しく長方形状である。大きさは、横幅が板材20の横幅Wと同じく900cmであり、高さは、板材20の高さHよりも多少低く1750cmで形成されている。つまり、本例の折畳み式建家1は、屋根部材9が、前面壁体2に当接する個室空間Rの前側から、背面壁体3に当接する後側に向って低くなるよう傾斜して取り付けられる(詳細は後述する)。また、背面壁体3には、後述するウェイト板49を係合させる被係合部(図示しない)が備えられている。この被係合部は、側面壁体4a,4bの外側面に取り付けられた被係合部50と同様のものであり、被係合部50については後述にて説明する。さらに、背面壁体3には、前面壁体2の係止バンド46に対応する位置に、係止金具45(図2参照)が取り付けられている。係止金具45は、係止バンド46を係止させて前面壁体2と背面壁体3との折り畳み状態を固定できると共に、展開状態において、ロープなどを係止させ、背面壁体3の立設状態を補強することができる。ここで、「係止金具45」が、本考案の「係止手段」に相当する。
側面壁体4a,4bは、図3に示すように、個室空間Rの左右両側面を夫々閉塞する壁体であり、一端面側24が前面壁体2に、他方の端面側25が背面壁体3に対して折り畳み可能に接続されている。前面壁体2と側面壁体4a,4b、及び背面壁体3と側面壁体4a,4bは、例えば前面壁体2における扉体6のように、一枚の板材にハーフカットの切り込みを入れることで、夫々が折り畳み可能に接続された壁体として形成しても構わないが、本例では、夫々独立した板材を連結部材で連結させて構成している。具体的には、個室空間Rの内側からヒンジ部材26を用いて、前面壁体2と側面壁体4a,4b、及び背面壁体3と側面壁体4a,4bとを接続している(図3参照)。なお、「一端面側24」及び「他方の端面側25」が、本考案の「両端面側」に相当する。
図5(a)は側面壁体4aを示す正面図、図5(b)は側面壁体4bを示す正面図である。側面壁体4aは、図5(a)に示すように、横幅が900cmであり、一端面側24が1800mm(前面壁体2の高さHと同じ)、他方の端面側25が1750cm(背面壁体3の高さと同じ)に形成された略長方形の壁材である。幅方向の略中央付近には、ハーフカットの切り込みによって折り畳み可能に形成された折り畳み部27aが備えられている。後述する側面壁体4bにも同様に、展開状態において折り畳み部27aに略対向する位置に折り畳み部27bが形成されている。従って、前面壁体2と背面壁体3とを重ね合わせるように近接させると、折り畳み部27a及び折り畳み部27bを中心として側面壁体4a,4bが中折れ式に折り畳まれ、二つの壁体(前面壁体2と背面壁体3)の間に収納される。
また、側面壁体4aには、個室空間Rの内側よりゴミを投入するダストシュート28が形成されている。より詳細には、側面壁体4aに、3辺の切り込み28aと、1辺のハーフカットの切り込み28bとから構成される開口部を設ける。このように構成することで、ハーフカットの切り込み28bを支点として切り込み28aの3辺が開放され、前記開口部に蓋が付いた形状のダストシュート28が形成される。ハーフカットの切り込み28bを他の切り込み28aと同じくハーフカットではない切り込みとして構成しても構わないが、そうすると、蓋の無い単なる開口部としてのダストシュートが形成される。後述するように、本例のダストシュート28はゴミ箱10と連結されるから、ゴミ箱10内と個室空間Rとはできるだけ隔離されていたほうが衛生的に良い。従って、本例のように、蓋付きのダストシュート28としたほうが、簡易式トイレとして気持ち良く使える。ここで、「ダストシュート28」が、本考案の「開口部」に相当する。
側面壁体4bは、より詳細には図5(b)に示すように、側面壁体4aと略等しい外形をしている。つまり、横幅が900cmであり、一端面側24が1800mm、他方の端面側25が1750cmに形成された略長方形の壁材である。そして、幅方向の略中央付近には、ハーフカットの切り込みによって折り畳み可能に形成された折り畳み部27bが備えられている。さらに、個室空間Rの内側に位置する内側面には、ハンガーフック40とペーパーホルダー41とが備えられている。これらの部材は、合成樹脂の中空構造板を図5(b)に示すような所定の形状に切り出し、その一部を側面壁体4bに接着係合させて形成されている。また、ハーフカットの切り込み40a,41aを中心として折り返すことで、個室空間Rの内部側にその一部を突出させることができる。これらの詳細な使用方法については、後述にて説明する。
また、個室空間Rの内側に位置する側面壁体4a,4bの内側面には、補強棚板5を取り付けるための棚板取り付け部48が夫々備えられている。棚板取り付け部48は、背面壁体3にも取り付けられており(図8(b)参照)、補強棚板5の板厚と略等しいスリットを有して構成されている。このスリットに補強棚板5を差し込むことで、展開状態において、補強棚板5を略水平な状態ではめ込めるようになっている。補強棚板5を差し込むと、側面壁体4a,4bと背面壁体3との展開角度が固定されるので、風が吹いても展開状態が崩れ難い強固な折畳み式建家1を提供できる。
一方、個室空間Rの外側に位置する側面壁体4a,4bの外側面には、ウェイト板49を係合させる被係合部50が備えられている。また、側面壁体4aの外側面には、ゴミ箱10の係合部と係合させる被係合部70がさらに備えられている。ウェイト板49は、略長方形の一枚の板材にハーフカットの切り込みを入れて折り曲げ、図8(a)に示すようなL字形の部材として使用するものである。折り曲げた一方側には、被係合部50に係合させる図略の係合部が備えられており、図8(a)に示すように略垂直な状態で側面壁体4a,4bに係合させる。L字形に折り曲げた他方側は、図8(a)に示すように地面上に載置し、その上面に土嚢を乗せたり、または杭を打ち込んで地面にアンカリングすることで側面壁体4a,4bの立設状態を補強することができる。被係合部50とこれに対応する係合部との構成は、本例では公知の面ファスナーが用いられている。ゴミ箱10の係合部(被係合部70に対応)に関しては、後述する。
屋根部材9は、合成樹脂を主原料とする白色半透明な部材であり、個室空間Rの上面を閉塞している。より詳細には図6に示すように、左右両端面に、係合シロ42,43が備えられている。係合シロ42,43は、夫々ハーフカットの切り込み42a,43aで折り返すことができるようになっており、側面壁体4a,4bに対して着脱可能に係合される。また、下側の端面には、舌片状の係合シロ44が備えられている。舌片状の係合シロ44は、ハーフカットの切り込み44aで折り返し、背面壁体3に係合される。係合する構成としては、係合シロ42a,43a,44aの裏面側とこれらに対応する面(側面壁体4a及び背面壁体3の対応する箇所)に公知の面ファスナー(図示しない)を取り付けて構成しているが、この構成に限定されないことは言うまでも無い。また、左右略中央付近には、ハーフカットの切り込み部45がさらに形成されており、運搬時などにおいて、二つ折りに折り畳んでコンパクトに収納できるようになっている。なお、本例では、前面壁体2の高さHは1800mmであり、背面壁体3の高さは1750mmである。これに応じて、側面壁体4a,4bの一端面側24は1800mmに、他方の端面側25は1750mmで構成されている。従って、屋根部材9は、個室空間Rの前方側から後方側に向って下がるよう傾斜して取り付けられる。これにより、雨などが室内に入り込むのを防ぐと同時に、屋根部材9上に降ってきた雨水を後方に排出する機能を有している。
補強棚板5は、背面壁体3と側面壁体4a(4b)とに備えられた棚板取り付け部48にはめ込んで使用される棚板である。具体的には図8(b)に示すように、略台形の板材であり、背面壁体3と側面壁体4a(または側面壁体4b)とに当接する当接辺5a,5bを有している。二つの当接辺5a,5bは、互いに略90度の角度で配設されている。従って、補強棚板5を棚板取り付け部48にはめ込むと、背面壁体3と側面壁体4a,4bとの略直角な展開角度を補強することができる(図3参照)。また、補強棚板5は、略水平な面を有してはめ込まれるので、その表面に備品などを載置する棚板としても使用できる。
本例の折畳み式建家1によれば、さらに、側面壁体4a,4bの展開状態を補強する補強部材52が備えられている。補強部材52は、図8(a)に示すように、展開状態の側面壁体4a,4bの上端側の折り畳み部27a,27bに夫々はめ込む断面略コの字型の部材である。なお、図8(a)では図示を省略しているが、展開状態の側面壁体4a,4bの下端側にも同様に取り付けられている(例えば、図1参照)。これにより、折り畳み部27a,27bから側面壁体4a,4bが折れ曲がって展開状態が崩れてしまう事態を防止している。
また、本例の折畳み式建家1は、ゴミ箱10をさらに有している。ゴミ箱10は、詳細には図7に示すように、第一側面板61(図7(a))、正面・背面板62(図7(b))、及び第二側面板63(図7(c))から構成されている。第一側面板61は、ゴミ箱10の一側面を構成するものである。幅が450mm、高さが1mの一枚の長方形の板であり、上部には、第二側面板63の係合部53(後述する)を係合させる被係合部54が備えられている。係合部53及び被係合部54の構成としては、公知の面ファスナーを適用している。
正面・背面板62は、ゴミ箱10の正面側と背面側とを構成するものである。幅が480mmであり、左右両端には25mmづつの接着シロ62aが設けられている。高さは1mである。接着シロ62aは、ハーフカットの切り込み部62bを中心として折り返すことができ、ゴミ箱10の外側に向って折り返され、第一側面板61や第二側面板63に対して接着されている(図3参照)。本例では、公知の接着剤を使って強固に接着させているが、係合部53及び被係合部54のように面ファスナー等を用いても良い。また、正面・背面板62には幅方向の略中央付近にハーフカットの切り込み部62cがさらに備えられており、重ね合わせるよう近接させた第一側面板61と第二側面板63との間に折り畳んで収納できる。
第二側面板63は、幅が450mm、高さが1545mmの一枚の板を、ハーフカットの切り込み65a,65bで区切ることによって本体部63a、上面板63b、及び係合板63cの3つの部材として夫々機能するよう構成している。本体部63aの高さは1m(1000mm)であり、上面板63bの長さは445mm、係合板63cの長さは100mmである。係合板63cには前述した係合部53が備えられており、ゴミ箱10を組み立てた状態において、第一側面板61の被係合部54に係合させることができる。また、本体部63aには、側面壁体4aのダストシュート28の開口部に略合致するゴミ捨て穴66が開口されている。また、図示は省略しているが、第二側面板63の外側面には、側面壁体4aの被係合部70に係合させる係合部が備えられている。
なお、第一側面板61、正面・背面板62、及び第二側面板63の内側面には、ゴミ袋(図示しない)を係止させるための金属帯板95が夫々取り付けられている。金属帯板95は、ステンレス等の一般的な金属板を帯状にカットしたものであり、接着剤で第一側面板61、正面・背面板62、及び第二側面板63の内側面に貼り付けられている。本例のゴミ箱10にゴミ袋を取り付ける場合は、公知の板マグネットをゴミ袋の入り口に貼り付けておく。そうすると、板マグネットが金属帯板95に吸着されるので、ゴミ箱10の内部にゴミ袋を取り付けることができる。
ゴミ箱10の組み立て方としては、まず、正面・背面板62の接着シロ62aを、第一側面板61と、第二側面板63の本体部63aとの両端面側に夫々接着させる。すると、第一側面板61、正面・背面板62、及び第二側面板63の本体部63aで囲まれた筒状の部材ができる。この状態で、第一側面板61と第二側面板63とを近接させると、正面・背面板62がハーフカットの切り込み部62cを中心として二つ折りに折り畳まれ、これらの板(第一側面板61と第二側面板63)の間に収納される。従って、平坦に折り畳んだ状態で運搬できる。
次に、本例の折畳み式建家1の組み立て方法について、主に図8に基づき説明する。まず、図2に示すような折り畳み状態の折畳み式建家1を、前面壁体2や背面壁体3が地面に対して略垂直になるように設置する。そして、係止金具45に通された係止バンド46を解き、背面壁体3を略平行な状態で前面壁体2から離間させる。すると、図8(a)に示すような展開状態となる。
次に、L字形のウェイト板49の一方側を、矢印80に示すように側面壁体4aの係合部50に当接させ、他方側を地面上に載置する。そして、矢印81に示すように、断面略コの字型の補強部材52を側面壁体4a,4bの折り畳み部27a,27bに取り付ける。また、係止金具45及び固定金具47にロープ72を係止させ、設置場所付近にある木や電信柱などの支柱(図では省略している)に結びつける。こうして、前面壁体2や背面壁体3、側面壁体4a,4bなどの立設状態が補強される。なお、「ロープ72」が、本考案の「所定の固定手段」に相当する。
続いて、屋根部材9を取り付ける。主に図8(a)に示すように、係合シロ42,43,44(図6参照。以下同じ)を夫々切り込み42a,43a,44aで折り返し、矢印82で示すように個室空間Rの上面へ覆い被せる。そして、係合シロ42,43,44を側面壁体4a及び背面壁体3の対応する箇所に係合させ、屋根部材9で個室空間Rの上面を閉塞する。
次に、ゴミ箱10を取付ける。まず、平坦に折り畳まれた状態のゴミ箱10を、側面壁体4aに取り付ける。より詳細には、第二側面板63のゴミ捨て穴66が、側面壁体4aのダストシュート28の開口部と略一致するように、ゴミ箱10を側面壁体4aに取り付ける(矢印83参照)。第二側面板63には図略の係合部が備えられているので、側面壁体4aの被係合部70に対して着脱可能に係合される。そして、第一側面板61を第二側面板63から略平行な状態で離間させると、これらの間に折り畳まれていた正面・背面板62が展開され、正面・背面板62、及び第二側面板63の本体部63aで囲まれた筒状の部材ができる。次に、第二側面板63の上面板63bでゴミ箱10の上面を覆い、係合板63cを第一側面板61に沿わせる。こうすることで、被係合部54に係合部53が係合し、着脱可能な状態でゴミ箱10の上面が閉塞される。ゴミ箱10内のゴミを取り出したい場合は、係合板63cを引っ張って係合部53と被係合部54との係合状態を解除すれば良い。なお、上記では、正面・背面板62を折り畳んだ状態で側面壁体4aに取り付ける場合を説明したが、図8(a)のように、正面・背面板62を展開した状態で、側面壁体4aに取り付けても良い。ゴミ箱10の第一側面板61、正面・背面板62、及び第二側面板63の内側面には金属帯板95が貼り付けられているから、板マグネットなどの磁性体を取り付けたゴミ袋(図示しない)を吸着させて、取り付けることができる。
なお、本例の折畳み式建家1には、アウターロック8が取り付けられている。従って、個室空間Rを使用していないとき、及び折り畳み状態における運搬時には、矢印88に示すようにアウターロック8を回動させ、扉体6を閉鎖状態にロックしておくことができる。
続いて、個室空間Rの内部側の備品について、図8(b)に基づき説明する。なお、図8(b)では、説明を簡単にするために、屋根部材9や補強部材52、係止金具45等の図示を省略している。側面壁体4a,4b及び背面壁体3には、棚板取り付け部48が備えられている。棚板取り付け部48のスリットは、補強棚板5の板厚と略等しいので、矢印84のように補強棚板5の当接辺5a,5bを差し込むことで、補強棚板5を取り付けることができる。そうすると、当接辺5a,5bが背面壁体3及び側面壁体4a,4bに夫々当接するので、これらの壁体の展開状態が補強される。
また、側面壁体4bには、ハンガーフック40及びペーパーホルダ41が備えられている。ハンガーフック40は、切り込み40a(図5参照)を中心として矢印85のように個室空間Rの内部側に折り返すことができる。そうすると、フック状の突起部が個室空間Rの内部側に突出するので、使用者は荷物やコートなどをかけておくことができる。また、ペーパーホルダ41も同様にして、矢印86のように折り返すことができ、図1に示すようなロールペーパー90を係止させておくことができる。さらに、扉体6の内部側にはインナーロック7が取り付けられているので、矢印87のように回動させることで、扉体6が開放されないようにロックすることができる。なお、一方のインナーロック7の表面は、その一部が赤く塗られている。従って、ロック状態に回動させると、貫通穴11を通して外部から赤く塗られた表面が露出するよう構成されており、個室空間Rが使用中であることを外部に報知することができる。
そして、図1に示すように、折畳み式の便器部材30を個室空間R内に載置する。こうして、簡易式の個室トイレとしての折畳み式建家1が完成する。
以上のように、本例の折畳み式建家1によれば、前面壁体2及び背面壁体3は、夫々が一枚の略長方形の板材(例えば、板材20)であり、複数の部材をつなぎ合わせた時のような連結部分を有さない。従って、当該連結部分から折れ曲がって展開状態が崩れる虞が無く、展開強度に優れる。
また、本例の折畳み式建家1によれば、扉体6、上框部材34、右側壁部材35、及び左側壁部材36は、一枚の板材20によって一体的に形成されている。従って、夫々が別の部品である場合に比べて、組み立てが簡単である。また、上框部材34、右側壁部材35、及び左側壁部材36によって扉体6をアーチ状に囲む構成だから、扉体6を開放した状態でも強度が落ち難い前面壁体2を構成している。さらに、扉体6に接続された右側壁部材35は、上框部材34を通じて左側壁部材36にも接続されているから、扉体6の開放動作に従動し、展開状態が崩れてしまうことが防止される。これにより、展開強度に優れる折畳み式建家1を提供できる。
また、本例の折畳み式建家1には、背面壁体3と側面壁体4a,4bとに夫々当接して取り付けられる補強棚板5が備えられている。当接辺5a,5bは互いに略垂直に配設されているので、背面壁体3と側面壁体4a,4bとの略垂直な展開状態を補強することができる。また、補強棚板5は、図1に示すように略水平な面を有して取り付けられるので、その表面に荷物などを載せておくことができ、便利である。
さらに、本例の折畳み式建家1には、白色半透明の屋根部材9が取り付けられている。従って、雨や紫外線が室内に入ってこないよう防ぐことができると共に、光の導入を妨げないよう配慮されている。また、屋根部材9には水勾配がつけられている(前面壁体2の高さHが1800mm、背面壁体3の高さが1750mmである)ので、屋根部材9上に雨水が滞留しにくく、野外での使用により適している。
また、本例の折畳み式建家1によれば、便器部材30とゴミ箱10とがさらに備えられている。特に、ゴミ箱10には上面板63bが備えられており、内容物が外部から視認困難になっている。また、側面壁体4aのダストシュート28は、切り込み28a,28bによって蓋付きのものとして構成されているので、使用しない状態においては個室空間Rとゴミ箱10の内部とが隔離されており、衛生的である。さらに、ハンガーフック40やペーパーホルダ41も備えられているから、簡易式トイレとして高い利便性を有している。
さらに、本例の折畳み式建家1によれば、個室空間Rの外側より扉体6を閉塞状態にロックできるアウターロック8が備えられている。従って、使用していないときに勝手に扉体6が開放されてしまう事態を防止することができる。なお、本例では、インナーロック7とアウターロック8とを別個の部材として説明したが、例えばこれらを一体的なものとして構成しても良い。例えば、インナーロック7を回動させるとアウターロック8も連れ回るように構成すると、個室を使用中に誰かがアウターロック8を閉鎖してしまっても、個室の内部側からロック状態を解除することができる。
また、本例の折畳み式建家1によれば、係止金具45及び固定金具47が取り付けられている。従って、折り畳み状態で、折畳み式建家1を平坦に折り畳んで固定しておくことができると共に、展開状態では、支柱などに対して固定させることができる。従って、運搬時の便宜性が増すと同時に、展開状態での立設状態が補強され便利である。
以上、本考案を実施するための最良の実施の形態を挙げて説明したが、本考案はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように本考案の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計の変更が可能である。
すなわち、上記の実施の形態では、扉体6の外側につけられたアウターロック8を例示したが、この構成には限定されない。例えば、扉体6の開放辺6a付近の内側と、これに当接する戸当り部材13の表面とに、夫々対応する面ファスナーを取り付けても良い。このように構成すると、扉体6を閉じた時に、開放辺6aと戸当り部材13との面ファスナーが互いに係合して、扉体6が閉鎖状態に係止される。開放するときは、外側に向って扉体6を引っ張って面ファスナーの係合状態を解除すると、扉体6を開放できる。
また、本例の折畳み式建家1によれば、側面壁体4aには、蓋付きのダストシュート28が備えられている場合を例示したが、蓋の付いていない単なる開口部としてダストシュートを形成しても良い。その場合には、例えばゴミ箱10のゴミ捨て穴66に蓋を付けると、ゴミ箱10内と個室空間Rとの隔離状態を本例と同様に維持できる。但し、本例のように、側面壁体4a側に蓋の設けられたダストシュート28を採用すると、ゴミ箱10を使用しない場合にも密閉性が保たれる折畳み式建家1を提供できる。つまり、側面壁体4aに蓋のない開口を設けると、ゴミ箱10を取り付けない状態においては、個室空間Rの内部側が外部から覗き見えるようになってしまう。また、当該開口を介して、ゴミや雨水が室内に浸入する懸念もある。これに対し、本例の折畳み式建家1によれば、ゴミ箱10が無い場合でも、ダストシュート28の蓋によって個室空間Rの密閉性が保たれる。
さらに、本例の折畳み式建家1によれば、前面壁体2や背面壁体3、及び側面壁体4a,4bとは別の部品としての屋根部材9を例示したが、これらの壁体と一体的に形成された屋根部材9としても良い。例えば、合成樹脂から成るシート材などを壁体の上部に貼着させ、壁体の展開状態に伴って展開されて個室空間Rの上面を閉塞するよう構成しても良い。但し、本例のように、別の部品として屋根部材9を構成すると、屋根部材9の色や形を簡単にデザイン変更して取り替えられる。
本考案の折畳み式建家の展開状態を示す斜視図である。 折畳み式建家の折り畳み状態を示す斜視図である。 折畳み式建家の展開状態における平面図である。 前面壁体の正面図である。 (a)は側面壁体4aの正面図であり、(b)は側面壁体4bの正面図である。 屋根部材を示す平面図である。 (a)はゴミ箱の第一側面板を示す正面図であり、(b)は正面・背面板を示す正面図であり、(c)は第二側面板を示す正面図である。 折畳み式建家の組み立て方法を説明する説明図である。
符号の説明
1 折畳み式建家
2 前面壁体
3 背面壁体
4a,4b 側面壁体
5 補強棚板
6 扉体
7 インナーロック
8 アウターロック
9 屋根部材
10 ゴミ箱(収納箱)
24 一端面側(両端面側)
25 他方の端面側(両端面側)
28 ダストシュート(開口部)
30 便器部材
34 上框部材
35 右側壁部材(左右側壁部材)
36 左側壁部材(左右側壁部材)
45 係止金具(係止手段)
46 係止バンド
72 ロープ(所定の固定手段)
R 個室空間

Claims (4)

  1. 一枚の略長方形の板材より構成される壁体で、展開すると平面視にて略四角形状になる一室の個室空間の前面に配置され、前記個室空間の出入口を開閉可能に閉塞する扉体、該扉体の上方に配置された上框部材、及び、前記扉体の左右両側に配置され前記上框部材から連続的に形成されている一対の左右側壁部材、が一体的に形成されている前面壁体と、
    一枚の略長方形の板材より構成される壁体で、展開すると前記個室空間の背面を閉塞する背面壁体と、
    両端面側が前記前面壁体と前記背面壁体とに夫々折り畳み可能に接続されている略長方形の壁材で、前記前面壁体と前記背面壁体とを近接させる折り畳み状態では、前記前面壁体と前記背面壁体との間に折り畳まれて収納され、前記前面壁体と前記背面壁体とを略並行な状態で離間させる展開状態では、前記個室空間の側面を互いに略平行な状態で夫々閉塞する一対の側面壁体と、
    前記展開状態で、前記前面壁体、前記側面壁体、及び前記背面壁体のうち少なくとも何れか二つの壁体に夫々当接し、略水平な面を有して取り付けられる補強棚板と
    を有することを特徴とする折畳み式建家。
  2. 前記一対の側面壁体のうち少なくとも一方には、前記個室空間の内部側と外部側とを貫通する開口部が形成されており、
    前記側面壁体の前記外部側に着脱可能に取り付けられ、前記開口部を視認困難に隠蔽すると共に、前記内部側から前記開口部より投入された所定の物体を収容する収容箱がさらに備えられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の折畳み式建家。
  3. 前記前面壁体または前記背面壁体の少なくとも一方に取り付けられており、前記折り畳み状態で、所定の係止バンドを係止させて前記前面壁体と前記背面壁体との前記折り畳み状態を固定すると共に、前記展開状態で、所定の固定手段を係止させて前記前面壁体または前記背面壁体の立設状態を補強する係止手段、がさらに備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の折畳み式建家。
  4. 一枚の略長方形の板材より構成される壁体で、展開すると平面視にて略四角形状になる一室の個室空間の前面に配置され、前記個室空間の出入口を開閉可能に閉塞する扉体、該扉体の上方に配置された上框部材、及び、前記扉体の左右両側に配置され前記上框部材から連続的に形成されている一対の左右側壁部材、が一体的に形成されている前面壁体と、
    一枚の略長方形の板材より構成される壁体で、展開すると前記個室空間の背面を閉塞する背面壁体と、
    両端面側が前記前面壁体と前記背面壁体とに夫々折り畳み可能に接続されている略長方形の一対の壁材で、何れか一方の該壁材には前記個室空間の内部側と外部側とを貫通する開口部が形成されており、前記前面壁体と前記背面壁体とを近接させる折り畳み状態では、前記前面壁体と前記背面壁体との間に折り畳まれて収納され、前記前面壁体と前記背面壁体とを略並行な状態で離間させる展開状態では、前記個室空間の側面を互いに略平行な状態で閉塞する側面壁体と、
    前記展開状態で、前記前面壁体、前記背面壁体、及び前記側面壁体の上部に取り付けられ、前記個室空間の上面を閉塞する屋根部材と、
    前記展開状態で、前記側面壁体と前記背面壁体とに夫々当接して略水平な面を有して取り付けられ、前記側面壁体と前記背面壁体との前記展開状態を補強する補強棚板と、
    前記前面壁体の前記内部側に取り付けられ、前記展開状態で、前記扉体を前記内部側から閉塞した状態にロックできるインナーロックと、
    前記前面壁体の前記外部側に取り付けられ、前記扉体を前記外部側から閉塞した状態にロックできるアウターロックと、
    前記前面壁体または前記背面壁体の少なくとも一方に取り付けられており、前記折り畳み状態で、所定の係止バンドを係止させて前記前面壁体と前記背面壁体との前記折り畳み状態を固定すると共に、前記展開状態で、所定の固定手段を係止させて前記前面壁体または前記背面壁体の立設状態を補強する係止手段と、
    前記展開状態で、前記個室空間の前記内部側に設置され、汚物を収容するための収容体を載置可能な便器部材と、
    前記側面壁体の前記外部側に着脱可能に取り付けられ、前記開口部を視認困難に隠蔽すると共に、前記内部側から前記開口部に投入された使用済みの前記収容体を収容する収容箱と
    を有することを特徴とする折畳み式建家。
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