JP3132499B2 - 色合成光学系及び表示光学系 - Google Patents

色合成光学系及び表示光学系

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JP3132499B2
JP3132499B2 JP11045988A JP4598899A JP3132499B2 JP 3132499 B2 JP3132499 B2 JP 3132499B2 JP 11045988 A JP11045988 A JP 11045988A JP 4598899 A JP4598899 A JP 4598899A JP 3132499 B2 JP3132499 B2 JP 3132499B2
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賢治 金野
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ミノルタ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、色合成光学系に関
するものであり、更に詳しくは、複数の表示パネルから
の異なった色情報を合成して投影するための色合成光学
系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、色合成光学系においては、表
示パネルとして使用される画像表示素子については、い
わゆる多板方式が多く用いられている。これは、特にカ
ラー表示を行う事を目的とするが、そのときに色合成を
行うために、従来より、表面反射を用いたダイクロイッ
クミラーや、クロスダイクロイックプリズムが主に用い
られている。
【0003】ところが、上記表面反射を用いたダイクロ
イックミラーの構成では、表面のダイクロイック膜で直
接に反射が行われるので、各画像表示素子からの光がダ
イクロイックミラーで反射するかこれを透過するかによ
って、基板となる平板ガラスを通過しないかするかの違
いが生じ、投影面へ到るまでの光路長が異なって、発生
する非点隔差の大きさに差が生じて、補正が困難とな
り、結像性能が悪くなる。
【0004】そこで、光路長を同じにするために、最近
ではダイクロイックミラーとして、例えば特開平5−1
07501号公報に記載されている如く、平板ガラスの
貼り合わせによる構成のものが用いられている。これは
図6に模式的に示すように、2枚の平板ガラス41,4
2の貼り合わせによる接合部43を設けた構成から成
る。接合部43は、僅かな空気間隔としても良い。ここ
ではその2枚の平板ガラスの厚さは等しく、互いに向か
い合った面のいずれかにダイクロイックコートが施され
ている。
【0005】例えば同図においては、平板ガラス41の
面41aをダイクロイックコート面としている。また、
平板ガラス42の面42aは、上記貼り合わせの場合は
コーティング不用であるが、その接合部43の代わりに
僅かな空気間隔とした場合は、反射防止コートを施され
る。尚、面42aをダイクロイックコート面とし、面4
1aに反射防止コートを施しても良い。さらに、平板ガ
ラス41,42のそれぞれ外側の面41b,42bは、
反射防止コート面となっている。
【0006】このようなダイクロイックミラーにおいて
は、透過する光線も反射される光線も、共に2枚分のガ
ラス板を通過する事になるので、これらは光学的には全
く等価となる。また、上記僅かな空気間隔とは、具体的
には1mm以下を言い、それ以上広がるとダイクロイッ
クミラーの保持部材が大きくなるので好ましくない。ダ
イクロイックミラーについては、以上に述べた構成のも
のが主に用いられている。
【0007】図7は、一般的なダイクロイック膜の特性
を示すグラフである。即ち、ダイクロイック膜に入射す
る偏光によって特性がどの様に変化するかを示したもの
である。同図においては、横軸に入射する光の波長(単
位nm)、縦軸に透過率を取ってある。同図は、反射を
用いたダイクロイックミラーの、表面の入射角45度の
場合であり、同図に示すように、透過波長領域(透過率
が1付近となる領域)は破線で示すP偏光の方が大き
く、反射波長領域(透過率が0付近となる領域)は実線
で示すS偏光の方が大きい。そして、両者は、透過率が
立ち上がる部分で、斜線で示すように重なっている。ま
た、反射波長領域の反射特性もS偏光の方がよりフラッ
トで良好に反射する。
【0008】従って、ダイクロイックミラーによる色合
成において、少なくとも反射する光の波長領域と透過す
る光の波長領域とが隣接する場合に、その境界が上記斜
線で示す領域内の波長となるように設定し、S偏光を反
射してP偏光を透過させる構成とすれば、効率や画像性
能上有利となる。ちなみに、同図に示す特性を持つダイ
クロイック膜については、例えば480nm付近を境界
として、B(青色)のS偏光を反射してG(緑色)のP
偏光を透過させ、これら2色を色合成する構成とすれば
良い。
【0009】このとき、これらより長い波長を持つR
(赤色)の光に関しては、偏光の種類に拘らず良好に透
過するので、S,Pいずれの偏光で透過させても良く、
これにより計3色の色合成を行う事ができる。尚、これ
より以前に、予めGとRの2色の色合成を行っておく場
合は、GのP偏光を透過させてRのS偏光を反射させる
構成とし、それに適した特性のダイクロイック膜を持つ
ダイクロイックミラーを使用すれば良い。
【0010】また、ダイクロイック膜の特性は、入射角
の大小に応じてそれぞれ単波長側,長波長側にシフトす
る性質があるので、上記斜線で示す波長幅の余裕を利用
する事ができると、後述する色ムラを低減する事ができ
るので、この点においても有利となる。即ち、非テレセ
ントリック光学系における、軸上光線と軸外光線の主光
線の入射角の違いや、テレセントリック光学系であって
もFナンバーの存在による光線の広がりがあるが、これ
らの影響を低減する事ができる。尚、非テレセントリッ
ク光学系における入射角の違いに対しては、本発明で別
途対策が施されており、これについては後述する。
【0011】故に、ダイクロイックミラーによる色合成
においては、S偏光を反射してP偏光を透過させる構成
が、従来より主に採用されている。尚、ここで言うS偏
光とは、ダイクロイックミラーに反射される光につい
て、その反射前後の光が含まれる平面に垂直な振動方向
を持つものであり、P偏光とは、その平面に平行な振動
方向を持つ光である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ダイク
ロイックミラーに施される通常の反射防止コートは、S
偏光に対しては反射防止特性が悪いという問題がある。
図8は、入射角が45度の場合の、その通常の反射防止
膜の特性の一例を示すグラフである。同図においては、
横軸に入射する光の波長(単位nm)、縦軸に反射率を
取ってある。同図に示すように、▲及び破線で示すP偏
光では、可視光の波長領域(例えば400〜700n
m)において反射率が概ね1%以下に抑えられており、
反射防止特性が良好であるが、実線で示すS偏光では、
可視光の波長領域において2%近くの反射が見られ、反
射防止特性が悪い。
【0013】このとき、上述したような、ダイクロイッ
クミラーによる色合成において、S偏光を反射し、P偏
光を透過させる構成とすると、反射防止特性が悪い事に
よる不要光線が発生する。図9は、そのような不要光線
が発生する仕組みを模式的に示す図である。同図におい
て、1,2は表示パネル、3,4はそれぞれのコンデン
サーレンズ、5はダイクロイックミラーである。ダイク
ロイックミラー5の2枚の平板ガラスの間には、ダイク
ロイック膜6が設けられている。
【0014】今、表示パネル1から出た矢印Aで示す光
線が、コンデンサーレンズ3を経てダイクロイックミラ
ー5を透過し、また、表示パネル2から出た矢印Bで示
す光線が、コンデンサーレンズ4を経てダイクロイック
ミラー5で反射され、それぞれが合成されて矢印Cで示
す光線となったとする。このとき、同図(a)に示すよ
うに、矢印Bの光線がダイクロイックミラー5に入射す
る面5bに、反射防止膜が設けられていても、この反射
防止特性が悪い場合、ここで矢印Bの光線の一部が反射
されて、破線の矢印aで示す様な不要光線となる。
【0015】さらに、ダイクロイック膜6で正規に反射
された矢印Bの光線の一部が、この反射防止膜で更に反
射され、再びダイクロイック膜6で反射されて、破線の
矢印bで示す様な不要光線となる。これらの不要光線
が、矢印Cで示すような正規の光線により表示された画
像の付近に、不要な像を作り出し、画像性能を悪化させ
る。
【0016】また、同図(b)に示すように、矢印Aの
光線がダイクロイックミラー5に入射する面5aに反射
防止膜が設けられ、射出する面5b(上記矢印Bの光線
が入射する面)に反射防止膜が設けられていても、これ
らの反射防止特性が悪い場合、矢印Aの光線の一部が、
破線の矢印cで示す様な不要光線となる。つまり、ダイ
クロイック膜6を透過した矢印Aの光線の一部が、面5
b反射防止膜で反射され、再びダイクロイック膜6を透
過して、その一部が面5a反射防止膜で更に反射され、
破線の矢印cで示す様な不要光線となる。
【0017】このような不要光線が、矢印Cで示すよう
な正規の光線により表示された画像の付近に、不要な像
を作り出し、画像性能を悪化させる。但し、同図(b)
の場合は、不要光線は2つの反射防止膜による2次反射
であるため、同図(a)の場合と比較して強度が弱く、
影響は少ない。上述したように、反射防止膜は、通常は
S偏光に対して反射防止特性が悪く、逆にP偏光に対し
ては良好であるので、P偏光を反射し、S偏光を透過さ
せる構成にすると、図9のような不要光線は抑えられる
が、その代わり、上述したダイクロイック膜の特性によ
り、画像性能上不利となり色ムラが発生する。
【0018】また、上記クロスダイクロイックプリズム
を用いる構成では、結像性能や不要光線の面では問題な
いが、一般にその体積が大きいため、大きなガラスブロ
ックを必要とし、また、直角プリズムが4つ貼り合わさ
れ、直角辺を挟む面にダイクロイック膜がコーティング
されている構造であるため、その貼り合わせに非常な高
精度が要求される事により、非常にコスト高となってし
まう。
【0019】本発明は、これらの問題点に鑑み、ミラー
を用いた色合成を行い、低コストでしかも良好な結像性
能を有する色合成光学系を提供する事を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、少なくとも2枚の画像表示素子と、そ
の画像表示素子の画像情報を合成するダイクロイックミ
ラーとを有し、そのダイクロイックミラーは平板の裏面
或いはその裏面近傍にダイクロイック膜を備えたもので
あり、そのダイクロイックミラーの反射及び透過を用い
て前記合成を行う色合成光学系であって、前記反射を用
いて合成される光は前記ダイクロイックミラーに対して
S偏光であり、そのS偏光が入射する前記ダイクロイッ
クミラーの入射面に、反射防止膜が設けられている色合
成光学系において、前記反射防止膜は、前記S偏光の波
長領域に対して反射防止効果が高い構成とする。
【0021】また、前記反射を用いて合成される光の波
長領域と、前記透過を用いて合成される光の波長領域
隣接しており、その透過を用いて合成される光は前記ダ
イクロイックミラーに対してP偏光である構成とする。
【0022】また、3枚の画像表示素子と、その画像表
示素子の画像情報を合成する第1及び第2のダイクロイ
ックミラーとを有し、前記第1のダイクロイックミラー
において、前記反射を用いて合成される光は赤色のS偏
光であり、前記透過を用いて合成される光は緑色のP偏
光であって、前記第2のダイクロイックミラーにおい
て、前記反射を用いて合成される光は青色のS偏光であ
り、前記透過を用いて合成される光は前記赤色のS偏光
及び緑色のP偏光であって、前記赤色のS偏光が入射す
る前記第1のダイクロイックミラーの入射面に設けられ
ている反射防止膜は、前記赤色のS偏光及び緑色のP偏
光に対して反射防止効果が高く、前記青色のS偏光が入
射する前記第2のダイクロイックミラーの入射面に設け
られている反射防止膜は、前記赤色のS偏光及び緑色の
P偏光及び青色のS偏光に対して反射防止効果が高い構
成とする。
【0023】また、前記透過を用いて合成される光が入
射する前記ダイクロイックミラーの入射面に設けられて
いる反射防止膜は、その透過を用いて合成される光の偏
光及び波長領域で反射防止効果が高い構成とする。
【0024】また、前記反射防止膜に入射する光に対す
る反射率は、1%以下である構成とする。
【0025】また、前記色合成光学系は非テレセントリ
ック光学系であり、前記ダイクロイックミラーに入射す
る主光線の入射角に対応して、その入射位置におけるそ
のダイクロイックミラーのダイクロイック膜の厚さを変
化させ、そのダイクロイック膜の、波長に対する透過率
の特性を略一定にする構成とする。
【0026】また、以下の条件式を満足するダイクロイ
ックミラーを有する構成とする。 8<D/t<50 但し、 t:ダイクロイック膜をコーティングする平板ガラスの
厚さ D:ダイクロイックミラーの使用される有効範囲の長辺
或いは長径 である。
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。本発明では、反射防
止膜については、S偏光に対して反射防止特性が良好な
ものを用いている。このような反射防止膜の具体的な構
成は、例えば基板側から順に第1、第2、第3、第4、
第5層の薄膜が積層される5層構造の反射防止膜におい
て、第1、第2、第3、第4、第5層の屈折率及び膜厚
をn1,n2,n3,n4,n5及びd1,d2,d
3,d4,d5とするとともに、設計主波長をλ0とし
た時に、n2またはn3は1.56以下であり、 n4≧n2>n1≧n5 n2>n3 0<n1d1≦0.06λ0 0.03λ0≦n2d2≦0.15λ0 0.02λ0≦n3d3≦0.19λ0 0.09λ0≦n4d4≦1.30λ0 0.24λ0≦n5d5≦0.36λ0 の関係または n4≧n2>n1≧n5 n2>n3 0.20≦n1d1≦1.25λ0 0.03λ0≦n2d2≦0.15λ0 0.02λ0≦n3d3≦0.19λ0 0.09λ0≦n4d4≦1.30λ0 0.24λ0≦n5d5≦0.36λ0 の関係にしたことを特徴としている。
【0029】また、前記構成の反射防止膜において、前
記基板の屈折率をnsとした時に、 1.50≦ns≦1.85 1.35≦n1≦1.80 2.00≦n2≦2.60 1.35≦n3≦1.80 2.00≦n4≦2.60 1.38≦n5≦1.48 の関係にしたことを特徴としている。
【0030】また、上述した反射防止膜において、第1
層はMgF2、チオライト、SiO2、Al23、MgO
の1つまたは複数を主成分とし、第2層はTiO2、Z
nS、ZrTiO4、Ta25、の1つまたは複数を主
成分とし、第3層はMgF2、チオライト、SiO2、A
23、MgOの1つまたは複数を主成分とし、第4層
はTiO2、ZnS、ZrTiO4、Ta25、の1つま
たは複数を主成分とし、第5層はMgF2、チオライ
ト、SiO2の1つまたは複数を主成分とした事を特徴
としている。上記各層の薄膜は真空蒸着法等により形成
する事ができる。
【0031】或いは、別の構成として、基板側から順に
第1、第2、第3、第4層の薄膜が積層される4層構造
の反射防止膜において、第1、第2、第3、第4層の屈
折率及び膜厚をn1,n2,n3,n4及びd1,d
2,d3,d4とするとともに、設計主波長をλ0とし
た時に、 n3>n2>n1≧n4, 0<n1d1≦0.75λ0, 0.20λ0≦n2d2≦0.43λ0, 0.07λ0≦n3d3≦1.10λ0, 0.28λ0≦n4d4≦0.35λ0 の関係にしたことを特徴としている。
【0032】また、前記構成の反射防止膜において、前
記基板の屈折率をnsとした時に、 1.50≦ns≦1.85 1.35≦n1≦1.48 1.47≦n2≦1.80 2.30≦n3≦2.60 1.35≦n4≦1.48 の関係にしたことを特徴としている。
【0033】また、上述した別の構成の反射防止膜にお
いて、第1層はMgF2、チオライト、SiO2の1つま
たは複数を主成分とし、第2層はSiO2、YF3、Al
23、Y23、MgOの1つまたは複数を主成分とし、
第3層はTiO2、ZnSの1つまたは複数を主成分と
し、第4層はMgF2、チオライト、SiO2の1つまた
は複数を主成分とした事を特徴としている。
【0034】或いは、第1層はMgF2を主成分とした
ことを特徴としている。或いは、第1層はSiO2を主
成分とするとともに、第1層の光学膜厚n1d1の範囲
を 0.15λ0≦n1d1≦0.75λ0 の関係にしたことを特徴としている。上記各層の薄膜は
真空蒸着法等により形成する事ができる。
【0035】図1は、本発明の色合成光学系で使用され
るこのような反射防止膜の一例で、入射角が45度の場
合の特性を示すグラフである。同図においては、横軸に
入射する光の波長(単位nm)、縦軸に反射率を取って
ある。
【0036】同図に示すように、実線で示すS偏光で
は、特にB(青色)の波長領域(例えば400〜500
nm)において反射率が例として1%以下に充分抑えら
れており、反射防止特性が良好である。また、R(赤
色)の波長領域(例えば600〜700nm)において
も、不十分ではあるが或程度の反射防止効果が見られ
る。さらに、▲及び破線で示すP偏光では、G(緑色)
の波長領域(例えば500〜600nm)において反射
防止特性が良好となっている。
【0037】図2は、本発明の色合成光学系で使用され
る反射防止膜の他の例で、入射角が45度の場合の特性
を示すグラフである。同図においても、横軸に入射する
光の波長(単位nm)、縦軸に反射率を取ってある。同
図に示すように、実線で示すS偏光では、特にR(赤
色)の波長領域(例えば600〜700nm)において
反射率が例として1%以下に充分抑えられており、反射
防止特性が良好である。また、G(緑色)の波長領域
(例えば500〜600nm)においても、概ね反射率
が1%以下に抑えられている。
【0038】図3は、本発明の2色の色合成光学系の例
を模式的に示す図である。同図において、1,2は表示
パネル、3,4はそれぞれのコンデンサーレンズ、5は
ダイクロイックミラーである。ダイクロイックミラー5
の2枚の平板ガラスの間には、ダイクロイック膜6が設
けられている。同図に示すように、表示パネル1から出
た矢印Aで示す光線は、コンデンサーレンズ3を経てダ
イクロイックミラー5を透過し、また、表示パネル2か
ら出た矢印Bで示す光線は、コンデンサーレンズ4を経
てダイクロイックミラー5で反射され、それぞれが合成
されて矢印Cで示す光線となる。
【0039】ここで、矢印Aの光線は波長領域が例えば
500〜600nmのG(緑色)のP偏光であり、矢印
Bの光線は波長領域が例えば600〜700nmのR
(赤色)のS偏光である。このとき、矢印Aの光線がダ
イクロイックミラー5に入射する面5aに設けられる反
射防止膜は、GのP偏光に対して良好な反射防止特性を
持ち、矢印Bの光線がダイクロイックミラー5に入射す
る面5bに設けられる反射防止膜は、RのS偏光とGの
P偏光に対して良好な反射防止特性を持つ構成とすれば
良い。
【0040】この場合、面5aに設けられる反射防止膜
は、例えば上記図8で示したような特性を持つ、従来よ
り用いられている通常の反射防止膜でも良いが(勿論図
1で示したような特性を持つ反射防止膜でも良い)、面
5bに設けられている反射防止膜は、RのS偏光に対す
る反射防止特性を重視して、例えば図2で示したような
特性を持つ反射防止膜が用いられる。
【0041】尚、このような色合成光学系の構成は、主
に非テレセントリック光学系であるので、この場合は図
3に示すように、矢印A及びBの光線共、軸上光線(A
a及びBa)と軸外光線(Ab,Ac及びBb,Bc)
とでは、各主光線のダイクロイックミラー5に対する入
射角が異なっている。このとき、上記従来の技術でも述
べたように、ダイクロイック膜の特性は、入射角の大小
に応じてそれぞれ単波長側,長波長側にシフトする性質
があるので、このままでは軸上光線と軸外光線とで色ム
ラが生じる。
【0042】これは、膜厚が一定の場合、入射角の大小
に応じて、その光がダイクロイック膜を通過する距離の
長短が生じるので、見かけ上の膜厚が変化して膜の特性
が変わるからである。そこで、入射する位置により、そ
の入射角の大小に応じて膜厚を変化させ、軸上と軸外と
に拘らず、膜の特性が揃うようにしている。
【0043】例えば、本例では、軸上光線Aaと比較し
て、軸外光線Abが入射する部分の膜厚を薄くし、軸外
光線Acが入射する部分の膜厚を厚くしている。また、
軸上光線Baと比較して、軸外光線Bbが入射する部分
の膜厚を薄くし、軸外光線Bcが入射する部分の膜厚を
厚くしている。これは、ダイクロイック膜のみでなく、
反射防止膜においても、同様の処置が施される。また、
以上の処置は、以下に示す3色の色合成光学系の例にお
いても同様に施されている。
【0044】図4は、本発明の3色の色合成光学系の例
を用いた表示光学系を模式的に示す図である。同図にお
いて、1,2は表示パネル、3,4はそれぞれのコンデ
ンサーレンズ、5はダイクロイックミラーである。ダイ
クロイックミラー5の2枚の平板ガラスの間には、ダイ
クロイック膜6が設けられている。同図に示すように、
表示パネル1から出たGの光線は、コンデンサーレンズ
3を経てダイクロイックミラー5を透過し、また、表示
パネル2から出たRの光線は、コンデンサーレンズ4を
経てダイクロイックミラー5で反射され、それぞれが合
成されてR,Gの光線となる。
【0045】ここで、Gの光線は波長領域が例えば50
0〜600nmのP偏光であり、Rの光線は波長領域が
例えば600〜700nmのS偏光である。このとき、
Gの光線がダイクロイックミラー5に入射する面5aに
設けられる反射防止膜は、そのP偏光に対して良好な反
射防止特性を持ち、Rの光線がダイクロイックミラー5
に入射する面5bに設けられる反射防止膜は、RのS偏
光とGのP偏光に対して良好な反射防止特性を持つ構成
とすれば良い。以上の構成は、上記図3で示したものと
同様である。
【0046】さらに、7は表示パネル、8はそのコンデ
ンサーレンズ、9はBの光線の光路をR,Gの光線の光
路と光学的に等価にするための、平板ガラスより成るダ
ミーガラス、10はダイクロイックミラーである。ダイ
クロイックミラー10の2枚の平板ガラスの間には、ダ
イクロイック膜11が設けられている。同図に示すよう
に、表示パネル7から出たBの光線は、コンデンサーレ
ンズ8を経てダミーガラス9を透過してダイクロイック
ミラー10で反射され、上記R,Gの光線は、ダイクロ
イックミラー10を透過して、それぞれが合成されて
R,G,Bの光線となる。
【0047】ここで、Bの光線は波長領域が例えば40
0〜500nmのS偏光である。このとき、Bの光線が
ダミーガラス9に入射する面9a及びここから射出する
面9bに設けられる反射防止膜は、そのS偏光に対して
良好な反射防止特性を持ち、R,Gの光線がダイクロイ
ックミラー10に入射する面10aに設けられる反射防
止膜は、RのS偏光とGのP偏光に対して良好な反射防
止特性を持ち、Bの光線がダイクロイックミラー10に
入射する面10b(R,Gの光線が射出する面)に設け
られる反射防止膜は、RのS偏光とGのP偏光及びBの
S偏光に対して良好な反射防止特性を持つ構成とすれば
良い。これらの条件を満たす反射防止膜として、例えば
図1に示すような特性を持つものを用いる事ができる。
【0048】以上のような3色の色合成光学系により合
成されたR,G,Bの光線は、投影光学系12により、
図示しない投影面へと導かれ、結像する。このとき、そ
のR,G,Bの光線は、それぞれ色合成光学系内の光学
的に等価な光路を通ってきており、それぞれダイクロイ
ックミラー5,10或いはダミーガラス9によって、同
様の非点隔差が発生している。これを補正するために、
投影光学系12内に、図の紙面に平行な方向と垂直な方
向とでパワーが異なる(トーリックな)レンズ面を、レ
ンズバックが延びないようにして設けている。このよう
な面は、シリンダー面,トーリック面,自由曲面が例と
して挙げられる。
【0049】ところで、ダイクロイックミラーにおいて
は、ダイクロイック膜を平板ガラスにコーティングする
構成が取られるが、このとき、そのダイクロイック膜の
応力により、平板ガラスが変形するという問題がある。
図5に、その様子を模式的に示す。同図(a)に示すよ
うに、通常の平板ガラス13の反射面13aにダイクロ
イック膜をコーティングすると、その応力で矢印で示す
如く平板ガラス13が変形し、反った状態となる。ま
た、同図(b)に示すように、比較的薄い平板ガラス1
4の反射面14aにダイクロイック膜をコーティングす
ると、その応力で矢印で示す如く平板ガラス14が大き
く変形し、通常の平板ガラス13よりも更に反った状態
となる。
【0050】このようにして、平板ガラスの変形が大き
くなると、ニュートンリングで測定される反射面の歪が
許容できなくなる。このような変形を防止するために、
例えば同図(c)に示すように、予め逆方向に曲率をつ
けて変形させている平板ガラス15の反射面15aにダ
イクロイック膜をコーティングすると、その応力で矢印
で示す如く平板ガラス15が歪を打ち消し合う方向に変
形し、歪のないダイクロイックミラーとなる。但し、こ
の方法は、生産性の面で劣るので、通常は、平板ガラス
の厚みを規定する事で、歪を許容範囲内に収めるという
手段が用いられる。
【0051】具体的には、以下の条件式を満足するよう
に、各寸法が設定される。 8<D/t<50 但し、 t:ダイクロイック膜をコーティングする平板ガラスの
厚さ D:ダイクロイックミラーの使用される有効範囲の長辺
或いは長径 である。上記条件式の上限値以上になると歪が大きくな
り過ぎる。逆に下限値以下になると平板ガラスの厚さが
厚くなり過ぎ、コスト高となる。
【0052】さらに、以下の条件式を満足するように、
各寸法が設定されると、歪,コストの両方において更に
有利となるので、好ましい。 8<D/t<20 ちなみに、本実施形態では、例えば一枚の平板ガラスの
厚さ3mm、有効範囲が長辺で50mmのもの、即ちD
/t=16.7のものが、ダイクロイックミラーとして
使用されている。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ミラーを用いた色合成を行い、低コストでしかも良好な
結像性能を有する色合成光学系を提供する事ができる。
【0054】特に、請求項1及び請求項2,請求項4及
び請求項5によるならば、不要光線を防止してしかも色
ムラのない、良好な結像性能を得る事ができる。
【0055】また、請求項3によれば、3色の色合成光
学系において、不要光線を防止してしかも色ムラのな
い、良好な結像性能を得る事ができる。
【0056】また、請求項6によるならば、非テレセン
トリック光学系において、入射角度の違う主光線に対し
てダイクロイック膜の特性を揃え、色ムラをなくす事が
できる。
【0057】また、請求項7によるならば、ダイクロイ
ックミラーの歪を軽減し、結像性能への影響を許容範囲
内に収める事ができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色合成光学系で使用される反射防止膜
の特性を示すグラフ。
【図2】本発明の色合成光学系で使用される反射防止膜
の特性を示すグラフ。
【図3】本発明の2色の色合成光学系の例を模式的に示
す図。
【図4】本発明の3色の色合成光学系の例を用いた表示
光学系を示す図。
【図5】ダイクロイック膜により平板ガラスが変形する
様子を示す図。
【図6】ダイクロイックミラーの構成を模式的に示す説
明図。
【図7】一般的なダイクロイック膜の特性を示すグラ
フ。
【図8】通常の反射防止膜の特性の一例を示すグラフ。
【図9】不要光線が発生する仕組みを模式的に示す図。
【符号の説明】
1,2,7 表示パネル 3,4,8 コンデンサーレンズ 5,10 ダイクロイックミラー 6,11 ダイクロイック膜 9 ダミーガラス 12 投影光学系
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−107501(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 27/18 G02F 1/1335 G02B 1/10 G03B 21/00 G03B 33/12

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2枚の画像表示素子と、該画
    像表示素子の画像情報を合成するダイクロイックミラー
    とを有し、該ダイクロイックミラーは平板の裏面或いは
    該裏面近傍にダイクロイック膜を備えたものであり、該
    ダイクロイックミラーの反射及び透過を用いて前記合成
    を行う色合成光学系であって、 前記反射を用いて合成される光は前記ダイクロイックミ
    ラーに対してS偏光であり、該S偏光が入射する前記ダ
    イクロイックミラーの入射面に、反射防止膜が設けられ
    ている色合成光学系において、 前記反射防止膜は、前記S偏光の波長領域に対して反射
    防止効果が高い事を特徴とする色合成光学系。
  2. 【請求項2】 前記反射を用いて合成される光の波長領
    域と、前記透過を用いて合成される光の波長領域は隣接
    しており、該透過を用いて合成される光は前記ダイクロ
    イックミラーに対してP偏光である事を特徴とする請求
    項1に記載の色合成光学系。
  3. 【請求項3】 3枚の画像表示素子と、該画像表示素子
    の画像情報を合成する第1及び第2のダイクロイックミ
    ラーとを有し、 前記第1のダイクロイックミラーにおいて、前記反射を
    用いて合成される光は赤色のS偏光であり、前記透過を
    用いて合成される光は緑色のP偏光であって、前記第2
    のダイクロイックミラーにおいて、前記反射を用いて合
    成される光は青色のS偏光であり、前記透過を用いて合
    成される光は前記赤色のS偏光及び緑色のP偏光であっ
    て、 前記赤色のS偏光が入射する前記第1のダイクロイック
    ミラーの入射面に設けられている反射防止膜は、前記赤
    色のS偏光及び緑色のP偏光に対して反射防止効果が高
    く、前記青色のS偏光が入射する前記第2のダイクロイ
    ックミラーの入射面に設けられている反射防止膜は、前
    記赤色のS偏光及び緑色のP偏光及び青色のS偏光に対
    して反射防止効果が高い事を特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載の色合成光学系。
  4. 【請求項4】 前記透過を用いて合成される光が入射す
    る前記ダイクロイックミラーの入射面に設けられている
    反射防止膜は、該透過を用いて合成される光の偏光及び
    波長領域で反射防止効果が高い事を特徴とする請求項1
    乃至請求項3のいずれかに記載の色合成光学系。
  5. 【請求項5】 前記反射防止膜に入射する光に対する反
    射率は、1%以下である事を特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載の色合成光学系。
  6. 【請求項6】 前記色合成光学系は非テレセントリック
    光学系であり、前記ダイクロイックミラーに入射する主
    光線の入射角に対応して、その入射位置における該ダイ
    クロイックミラーのダイクロイック膜の厚さを変化さ
    せ、該ダイクロイック膜の、波長に対する透過率の特性
    を略一定にする事を特徴とする請求項1乃至請求項5の
    いずれかに記載の色合成光学系。
  7. 【請求項7】 以下の条件式を満足するダイクロイック
    ミラーを有する請求項1乃至請求項6のいずれかに記載
    の色合成光学系; 8<D/t<50 但し、 t:ダイクロイック膜をコーティングする平板ガラスの
    厚さ D:ダイクロイックミラーの使用される有効範囲の長辺
    或いは長径 である。
  8. 【請求項8】 平板の裏面或いは裏面近傍にダイクロイ
    ック膜を備えたものであり、ダイクロイック膜で反射さ
    れる光において、P偏光よりS偏光に対して反射防止効
    果が高い反射防止膜が形成されている事を特徴とするダ
    イクロイックミラー。
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