JP3131079B2 - Qスイッチco2レーザ装置 - Google Patents

Qスイッチco2レーザ装置

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JP3131079B2 JP05194077A JP19407793A JP3131079B2 JP 3131079 B2 JP3131079 B2 JP 3131079B2 JP 05194077 A JP05194077 A JP 05194077A JP 19407793 A JP19407793 A JP 19407793A JP 3131079 B2 JP3131079 B2 JP 3131079B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属の穴加工や切断加
工、更にはレーザ同位体分離等のレーザ光化学での応用
で要求される高尖頭出力、高パルス繰り返し率のQスイ
ッチパルスCO2レーザに関し、特に、加工に於て個々
のパルスに対応する加工形状や入熱パターンを制御する
ためのQスイッチCO2レーザ、または赤外多光子励起
を用いる光化学に於て中間励起種の高効率な励起を図る
ため、個々のQスイッチパルスエネルギを任意に制御す
るためのQスイッチCO2レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の連続波CO2レーザの飛躍的な大
出力化並びにレーザビーム空間モードの高品質化に伴
い、その応用分野は各種の材料加工を中心として大きな
展開を見せている。さらに昨今、CO2レーザの発振形
態をパルス化することにより、新たな分野への展開も各
種報告されている。その代表的な例として、銅やアルミ
ニウム等の従来CO2レーザでは加工が困難であった材
料の切断・溶接加工や鋼材の超高速・精密加工、赤外多
光子励起を用いたレーザ同位体分離、遠赤外レーザの光
励起などがある。このような分野へのCO2レーザの適
用には一般的には10kWを越える高尖頭出力、10k
Hz以上の高パルス繰り返し率による高平均出力性が要
求される。
【0003】このような用途に対応するCO2レーザと
して、従来から横方向励起大気圧動作のパルスTEAレ
ーザがある。TEAレーザでは高電圧・高電流パルス放
電を大気圧のレーザガスに印加し、急速な反転分布形成
を実現可能であることから、ゲインスイッチング現象に
より10MW以上の高い尖頭出力を100nsec程度
のパルス幅で容易に取り出すことができるが、パルス繰
り返し周波数は実用的には10Hz〜100Hz程度で
あり、平均出力として大きなものを取り出すことはでき
ない。更に、短時間に大電力パルス放電を行うためレー
ザ発振器の寿命は短く、またそのオペレーションに要す
るコストも増大すると云う問題があった。
【0004】TEAレーザに対してCO2レーザ媒質か
らパルスレーザ光を取り出す方法として、低圧動作連続
波(以下CWと呼ぶ)レーザの放電励起にパルス変調を
かける方法があるが、その尖頭出力はCW定格出力レベ
ル程度に抑えられ、最大でも数kW程度のものであっ
た。
【0005】このような問題点に対応するため、従来か
ら固体レーザによく用いられているQスイッチング技術
をCO2レーザに適用する方法が各種提案されている。I
EEEJ.Quantum Electronics誌 Vol.QE-4,p762,1968に
は、CW励起CO2レーザの共振器内に損失を制御する
素子を挿入した各種Qスイッチング方法がまとめられて
いる。上記文献によれば、Qスイッチング方法として、
共振器内に可飽和吸収体を挿入する受動的Qスイッチン
グ方法、電気光学素子を用いる方法、回転ミラーを共振
器内に組み込む方法、テレスコープと回転チョッパとの
組合せからなるQスイッチ装置を共振器内に挿入する方
法、更には特開昭62−160783号公報に開示され
ているファブリペロエタロンを共振器内に挿入する方法
などが提案されている。中でも回転チョッパとテレスコ
ープとを用いる方法は、Qスイッチング速度を向上する
必要があると云う課題があるが、その他の制御性・安定
性から主流となっている。
【0006】Gas Flow & Chemical Lasers(GCL) Confer
ence Proceedings,Viena 1988,Vol.1031,SPIE,p48に
は、CWCO2レーザに回転チョッパ方式によるQスイ
ッチを組み込み、パルスエネルギ27mJ、パルス尖頭
出力150kW、パルス繰り返し周波数10kHzの性
能を実現した例が報告されており、更に本願発明者らも
各種の検討を進め、パルス尖頭出力の改善を図るために
回転チョッパと同期したラジオ波周波数(RF)パルス
放電を用いる方法について出願してきた(特開平4−2
59278号公報参照)。上記CO2レーザのQスイッ
チング方法は、全て一定間隔の周期で等エネルギのQス
イッチパルス列を取り出す方式である。
【0007】ところで、パルスQスイッチCO2レーザ
を金属材料の加工、特に穴加工や切断加工に適用する場
合、また赤外多光子励起過程に適用する場合、個々のパ
ルスエネルギや尖頭出力を任意に制御できれば、レーザ
照射効果を著しく改善できることが判明してきた。例え
ば、材料加工に於ては第一パルスで表面性状を変化させ
てレーザ光に対する表面吸収率を変化させ、第二パルス
での加工効率を大きく改善することが可能であるし、ま
た赤外多光子励起に於ては第一パルスでエネルギ的に中
間レベルまで励起された分子種を第二パルスで効率良く
解離にまで至らせることで、総合的な分子の解離効率を
高めることが可能である。
【0008】ここで、Qスイッチパルスのエネルギを制
御する方法として、固体レーザを対象としたものではあ
るが、特開平4−22182号公報において直流的な励
起強度を制御する方式が開示されている。連続波励起Q
スイッチレーザ装置に於て直流励起強度を制御すれば、
共振器Q値が高くなる時点での反転分布蓄積量を変化さ
せることができるので、Qスイッチパルスのエネルギや
尖頭出力を制御することが可能であるが、個々のパルス
に対応するために10kHz程度の高速で連続波の励起
強度を制御することは困難であった。また、同じく固体
レーザを対象としたもので実開昭63−9170号公報
には励起方式として連続波励起とパルス励起とを重畳さ
せ、2種類のエネルギ特性を有するパルスを取り出し得
る装置が開示されている。しかしながら、この方式も前
記従来例と同様に直流的な励起レベルを変調することに
よることから、10kHz程度の高速変調は困難であっ
た。
【0009】このような問題点に対応するため本願発明
者らは、特願平5−93429号に於てパルス放電励起
によるQスイッチCO2レーザで1回のパルス放電に対
して2回以上Qスイッチを開放することによりパルスエ
ネルギおよび尖頭出力が漸次時間的に減少するパルス群
を得るQスイッチ方法を出願した。この方法ではレーザ
ガス組成を変更することにより上述の減少の程度を制御
することが可能であるが、Qスイッチパルス列の個々の
エネルギや尖頭出力を任意に制御することは困難であっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のような従来技術の問題点に対応し、金属材料加工やレ
ーザ光化学などで用いられるQスイッチCO2レーザ装
置のレーザパルスの照射効果を改善できるQスイッチレ
ーザ出力として、Qスイッチパルス列のうちの個々のパ
ルスエネルギや尖頭出力を簡便な構成で任意に制御可能
とすることにある。
【0011】上記した目的は、パルス放電電源と、パル
ス放電励起するべくCO2レーザ媒質が封入された筐体
と、前記筐体を挟んで共振器を構成する全反射鏡及び部
分透過鏡と、パルス放電励起と同期して動作する前記共
振器内に配置されたQスイッチ装置とを有するQスイッ
チCO2レーザ装置に於て、パルス放電励起の放電時間
を制御する機構を有し、前記パルス放電励起の放電時間
を制御する機構が、前記Qスイッチと時間的に同期した
パルス信号を発生させる同期信号発生器と、前記同期信
号に対して一定の遅延時間を有するパルスを発生させる
遅延パルス発生器と、前記遅延パルスと時間的に同期
し、かつ予め設定したパターンに従ってパルス変調され
た幅信号を送出するパルス幅変調器とを有し、前記遅延
パルスの立ち上がりタイミングと同期して放電励起パル
スを開始させ、前記パルス幅変調された信号の立ち下が
りタイミングに同期して放電励起パルスを終了させるよ
うになっていることを特徴とするQスイッチCO2レー
ザ装置を提供することにより達成される。
【0012】
【作用】図5はレーザQスイッチングの原理を説明する
ためレーザ発振に係わる各種のパラメータの時間的な挙
動を模式的に示したものである。図5に於てレーザ出力
であるQスイッチレーザパルスは、共振器のQ値が急激
に立ち上がることによってそれまでに蓄積されていた反
転分布エネルギが一度に放出される結果、短い時間幅で
高い尖頭出力を持ったパルスとして取り出される。ここ
で、Qスイッチ速度が充分速い場合には、出力パルスエ
ネルギは反転分布蓄積量と強い正の相関を持つ。従っ
て、レーザパルスエネルギを制御するときは即ち反転分
布蓄積量を制御することとなるが、これは外部からレー
ザ励起のために注入されるエネルギ量とレーザ上準位の
寿命との兼ね合いで決定されるパラメータである。
【0013】次に図6はCO2レーザの代表的な発振遷
移に関わるCO2分子の振動エネルギ準位、並びに一般
にCO2レーザのレーザ媒質として添加されるN2分子の
振動エネルギ準位を模式的に表したエネルギ図である。
CO2分子は対称伸縮モードn1、屈曲モードn2並びに
非対称伸縮モードn3を有し、その振動準位は(n1、n
2 l、n3)で表される。ここで、n2の添字lはサブ準位
を表し、l=0、1、・・・n2−1、n2である。CO
2レーザの代表的な発振波長である10.6μm帯での
発振は、(0 00 1)準位をレーザ上準位とし、(1
0 0)準位を下準位とする遷移で得られるものであ
る。一方、N2分子も同様に振動準位を持ち、その第一
振動励起準位(v=1)はCO2分子の(0 00 1)準
位とほぼ同じエネルギレベルにあり、その差は約18c
-1と放電時のガスの熱エネルギ(300K゜で約20
0cm-1)よりもはるかに小さい。その結果、レーザ上
準位にあるCO2分子と(v=1)準位にあるN2分子と
の間では、衝突により極めて効率良くエネルギの移剰が
起こる。従って、CO2レーザ媒質にN2ガスを添加する
ことによりCO2レーザ上準位への効率的な励起が行わ
れる。ここで、励起されたN2分子(v=1)の寿命は
一般のCO2レーザの動作圧力範囲(100torr以
下)では100μsec以上と比較的長い。更に、N2
分子からCO2分子へのエネルギ移剰時定数は、分子間
の衝突確率、即ちレーザ媒質の圧力によって決定される
が、その時定数を決める係数は文献Rev.Mod.Phys.,41,2
6,1969によると、kl=1.9×104/torr/se
c であり、時定数に換算すると50μsec〜100
μsecとなり、N2分子の寿命と同程度である。従っ
て、N2分子の存在は、CO2分子の上準位の寿命によっ
て自発遷移で減少する反転分布蓄積量を補給する機能を
有する。
【0014】以上の議論から、CO2レーザの等価的な
上準位寿命を一義的に決定することは困難であるが、少
なくともN2分子の寿命並びにエネルギ移剰時定数であ
る約100μsecに相当する10kHz程度のパルス
繰り返し周波数以上に於ては、レーザ上準位寿命に起因
する反転分布蓄積量の減少の効果は小さく、外部からの
注入エネルギ量によって反転分布の大きさがほぼ決定さ
れると考えて良い。ここで、注入エネルギ量を変化させ
ることを考えると、一定の時間幅で放電電力の振幅を変
化させる場合と、放電電力を一定に保ち放電時間幅を変
化させる場合との2通りの場合が考えられるが、上記の
時間スケールに於ては何れの場合を採用しても構わな
い。以上が本発明の骨子となる原理の説明である。
【0015】一般にパルス励起のQスイッチ固体レーザ
の場合、レーザパルスエネルギを制御するときには、上
記の2通りのケースのうちの前者、即ち励起パルス幅を
一定としパルス振幅を変化させ励起エネルギを制御する
方法を採用している。これはフラッシュランプ電源のア
ーク放電時定数を一定に保ち、パルス幅を固定してパル
ス電力を変化させる方が制御上簡便な構成で実現できる
からであるが、反面そのパルス繰り返し周波数は数10
0Hzが限度である。
【0016】一方、CO2レーザのグロー放電励起に於
て高いパルス繰り返し周波数での変調が可能なRFパル
ス変調放電方式では、負荷と電源とのインピーダンス整
合条件のため、前者のパルス振幅を変化させることを高
速で行うことが困難であるが、逆に後者のパルス振幅を
一定に保ちパルス幅を変化させることは容易に実現でき
る。従って、CO2レーザのQスイッチングに於て出力
パルスのエネルギ変調を行うための本発明の要点は、パ
ルス幅変調によって注入エネルギ量を制御し、反転分布
量ひいてはQスイッチレーザパルスエネルギを制御する
ことにある。
【0017】図7は以上の原理説明の妥当性を確認する
ために行った実験結果を示したものであり、図中横軸は
放電パルス幅を表している。放電パルスの尖頭電力は1
5kWに固定してパルス幅を変化させることでレーザ媒
質への注入エネルギ量を制御した。Qスイッチ装置はテ
レスコープと回転チョッパとの組合せを使用し、Qスイ
ッチ開放タイミングは放電パルスが終了した直後になる
ように同期をとった。パルス繰り返し周波数は10kH
zとしたので、放電パルスの最大幅は100μsecで
ある。図を参照すると放電パルス幅とQスイッチパルス
エネルギの間には、少なくとも60μsec程度のパル
ス幅まではほぼ直線的な関係が得られており、放電パル
ス幅変調によってQスイッチパルスエネルギを制御でき
ることが確認された。尚、パルス幅が60μsec以上
になるとレーザ出力に飽和傾向が見られるが、これは前
述のレーザ上準位寿命がわずかながら影響を及ぼし、反
転分布蓄積量が飽和してくるためである。
【0018】次に、Qスイッチレーザパルスを一定間隔
で出力させることを前提として考えた場合、放電パルス
幅が変化するためQスイッチの開放タイミングを常時放
電パルスの終了時点にそろえた同期をとることは困難と
なる。そこで、放電尖頭出力を約55kWに固定し、ま
た放電パルス幅を20μsecに固定して放電パルス終
了時点からQスイッチ開放までの遅延時間を逐次変化さ
せた場合のQスイッチパルスエネルギ出力への影響を評
価した。その結果を図8に示す。パルス繰り返し周波数
は10kHzとしているので最大の遅延時間は80μs
ecであるが、励起放電パルス幅の4倍もの遅延があっ
ても出力パルスエネルギへの影響は15%程度に抑えら
れることがわかった。これは上述の原理説明のごとく、
等価的な上準位寿命が比較的長いことに起因している。
以上の結果から、Qスイッチ開放タイミングは想定され
る最長の放電パルスの終了タイミングに揃えても、ほぼ
放電パルス幅と線形な関係でレーザ出力パルスエネルギ
を制御できることがわかった。
【0019】次に、実際の出力パルスエネルギ変調Qス
イッチCO2レーザの構成と動作について図1及び図2
を用いて説明する。図1は本発明によるQスイッチCO
2レーザ装置の構成を示したものである。レーザ共振器
は全反射鏡3と部分透過出力鏡4によって構成され、共
振器内にテレスコープレンズ5、5’と回転チョッパ6
とによって構成されるQスイッチ装置が設置されてい
る。レーザ媒質はパルス放電電源12の出力であるパル
ス変調されたRFグロー放電によって励起される。回転
チョッパ6によるQスイッチタイミングはレーザ光軸か
ら離れた位置で光電的に検出され同期信号発生器の出力
信号aを生成する。この信号は、遅延パルス発生器9に
よって一定の遅延が与えられた遅延パルス発生器出力信
号bとなり、パルス幅変調器10の外部トリガとして入
力される。パルス幅変調器10はこの外部トリガ信号b
と同期し、かつ予めコンピュータ11によって生成され
た変調信号によってパルス幅変調されたトリガ信号cを
パルス放電電源12に送出し、パルス放電電源12はこ
の信号cにタイミング及びパルス幅が対応した放電パル
スdをレーザ媒質に印加する。
【0020】図2はこれらの各種信号の時間関係を示し
たタイミングチャートであり、時間関係を明確にするた
めに3パルス分のみを模式的に示した。
【0021】以上の説明に於てはQスイッチ装置として
平均出力のスケーリング性に優れるテレスコープと回転
チョッパとの組合せ方式を例に挙げて説明したが、平均
出力の低い領域でしばしば用いられるCdTe等の電気
光学素子と偏光子との組合せによるQスイッチ装置を用
いても良い。また、放電励起方式としてはパルス幅変調
が最も容易なRF放電方式を用いて説明したが、DC放
電やマイクロ波放電のパルス変調を用いても良い。
【0022】
【実施例】図1は本発明によるQスイッチCO2レーザ
の実施例を示す構成図である。レーザ共振器はGaAs
製で99.5%の反射率を有し30m凹面形状の曲率を
有する全反射鏡3及びZnSe製で50%の反射率を有
する平板の部分透過出力鏡4によって構成され、共振器
長は約6mである。Qスイッチ装置は無反射コーティン
グが施された焦点距離127mmのZnSeレンズ5、
5’が共焦点条件に設置されたテレスコープとその共焦
点位置に設置された回転チョッパ6との組合せによって
構成される。回転チョッパは円周上に等間隔で10ケの
スリットを有する回転円盤であり、1000rpsの回
転速度で回転することによりパルス繰り返し周波数10
kHzのQスイッチングが実現される。レーザ媒質はC
2/N2/He=1.2/1.7/8の比で混合された
ガスであり、全圧力は約75torrで放電ガラスチュ
ーブで構成される放電部筐体2内を高速に循環する。Q
スイッチの開放タイミングに相当する信号aはチョッパ
上部に取り付けられたレーザダイオード7とフォトダイ
オード8との組合せによって構成される同期信号発生器
の出力として光電的に検出される。この同期信号発生器
出力信号aは遅延パルス発生器9によって一定の遅延が
与えられる。本実施例の構成に於ては、光電的な検出位
置はレーザ光軸とちょうど半周ずれた位置であり、この
信号とQスイッチ開放タイミングeとは位相的には同期
がとれている。そこで、遅延パルス発生器9での遅延量
としては80μsec幅のパルスで励起した場合にその
励起終了時点でQスイッチが開放するように15μse
cとしている。尚、残りの5μsecは他の信号処理機
器及びパルス放電電源12の応答遅延の合計である。一
定のパルス幅で出力された遅延パルス発生器9の出力信
号bはシンセサイザによって構成されるパルス幅変調器
10に供給され、予めコンピュータ11によって設定さ
れた変調信号に従ってパルス幅変調された信号cがパル
ス放電電源12に供給される。パルス放電電源12はキ
ャリア周波数13.56MHzのラジオ波周波数(R
F)電源であり、繰り返し周波数100kHzまでのパ
ルス変調が可能な装置で、外部トリガ動作時には外部か
ら供給された信号のタイミング並びにパルス幅に従った
放電パルスdをレーザ励起部に供給する。以上の構成
で、階段的な変調信号をコンピュータ11で生成したと
きの動作例を図3に示す。放電パルス幅を20μsec
から80μsecまで20μsecピッチで変調した結
果、レーザパルスエネルギ22、47、69、83m
J、ハ゜ルス尖頭出力80、170、250、300kWの
パルスエネルギおよび尖頭出力の変調が実現された。次
に図4に全くランダムなパターンで放電パルス幅を変調
した場合の結果を示す。その結果、時系列的にランダム
パターンで12〜80mJまでのQスイッチCO2レー
ザパルス列が得られた。
【0023】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明によるQス
イッチCO2レーザ装置の構成を用いれば、従来は困難
であったパルスエネルギ並びに尖頭出力の任意な変調制
御が可能となることから、材料加工や光化学への応用に
於てその照射効果を大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のQスイッチCO2レーザ装置の実施例
の構成図である。
【図2】各種の制御信号の時間挙動を示すタイミングチ
ャートである。
【図3】本発明の実施例の構成で得られたエネルギ変調
されたQスイッチレーザパルス及びこれに係わる各種信
号の時間挙動を測定した例を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例の構成で得られたエネルギ変調
されたQスイッチレーザパルス及びこれに係わる各種信
号の時間挙動を測定した別の例を示すグラフである。
【図5】Qスイッチレーザ発振過程の動作原理を説明す
るための各種発振パラメータの時間挙動を示した模式図
である。
【図6】CO2レーザ発振に係わるCO2分子並びにN2
分子の励起振動準位を示すエネルギレベルダイアグラム
である。
【図7】QスイッチCO2レーザに於て放電パルスの尖
頭電力を固定しその幅を変化させ、注入エネルギ量を変
化させた場合のQスイッチパルスエネルギの特性を測定
した実験結果を示すグラフである。
【図8】QスイッチCO2レーザに於て放電パルスの尖
頭電力並びにその幅を固定し、放電パルスとQスイッチ
の開放タイミングとを変化させた場合のQスイッチパル
スエネルギの特性を測定した実験結果を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1 レーザビーム 2 放電部筐体 3 全反射鏡 4 部分透過出力鏡 5 テレスコープレンズ 5’ テレスコープレンズ 6 回転チョッパ 7 レーザダイオード 8 フォトダイオード 9 遅延パルス発生器 10 パルス幅変調器 11 コンピュータ 12 パルス放電電源 a 同期信号発生器出力信号 b 遅延パルス発生器出力信号 c パルス幅変調器出力信号 d 放電パルス e Qスイッチ開放タイミング f Qスイッチレーザパルス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−259278(JP,A) 特開 平2−202081(JP,A) 特開 平4−255283(JP,A) 実公 昭57−52945(JP,Y2) 特表 昭62−500135(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 3/10 - 3/139

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス放電電源と、パルス放電励起す
    るべくCO2レーザ媒質が封入された筐体と、前記筐体
    を挟んで共振器を構成する全反射鏡及び部分透過鏡と、
    パルス放電励起と同期して動作する前記共振器内に配置
    されたQスイッチ装置とを有するQスイッチCO2レー
    ザ装置に於て、 パルス放電励起の放電時間を制御する機構を有し、 前記パルス放電励起の放電時間を制御する機構が、前記
    Qスイッチと時間的に同期したパルス信号を発生させる
    同期信号発生器と、前記同期信号に対して一定の遅延時
    間を有するパルスを発生させる遅延パルス発生器と、前
    記遅延パルスと時間的に同期し、かつ予め設定したパタ
    ーンに従ってパルス変調された幅信号を送出するパルス
    幅変調器とを有し、前記遅延パルスの立ち上がりタイミ
    ングと同期して放電励起パルスを開始させ、前記パルス
    幅変調された信号の立ち下がりタイミングに同期して放
    電励起パルスを終了させるようになっていることを特徴
    とするQスイッチCO2レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記Qスイッチ装置が、一対の集光光学
    系によって構成されるテレスコーブと回転チョッパとの
    組合せからなることを特徴とする請求項1に記載のQス
    イッチCO2レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記Qスイッチ装置が、電気光学素子と
    偏光子との組合せからなることを特徴とする請求項1に
    記載のQスイッチCO2レーザ装置。
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