JP3130624B2 - 制電性ポリエステル組成物 - Google Patents

制電性ポリエステル組成物

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JP3130624B2 JP2257692A JP2257692A JP3130624B2 JP 3130624 B2 JP3130624 B2 JP 3130624B2 JP 2257692 A JP2257692 A JP 2257692A JP 2257692 A JP2257692 A JP 2257692A JP 3130624 B2 JP3130624 B2 JP 3130624B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制電性ポリエステル組成
物に関する。さらに詳しくは、耐久性に優れた制電性を
有する繊維、フィルム、シート等の成形物を得るに適
し、且つ成形時の工程安定性に優れたポリエステル組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルは多くの優れた特性を有し
ているために、繊維、フィルム、シート等の成形用材料
として広く使用されている。しかしながら、ポリエステ
ルは疎水性であるため、制電性が要求される分野での使
用は制限されている。
【0003】従来より、ポリエステルに親水性を付与し
て制電性を発現させようとする試みが行われており、こ
れまでに数多くの提案がなされている。例えばポリエス
テルにポリオキシアルキレン系ポリエーテル化合物を配
合せしめる方法(特公昭39―5214号公報)、並び
にポリエステルに実質的に非相溶性のポリオキシアルキ
レン系ポリエーテル化合物と有機・無機のイオン性化合
物とを配合せしめる方法(特公昭44―31828号公
報、特公昭60―11944号公報、特開昭53―80
497号公報、特開昭60―39413号公報、特開平
3―139556号公報等)が知られている。
【0004】これらの方法においては、用いられるポリ
オキシアルキレン系ポリエーテルが一般的に熱的に不安
定であるため、通常ポリエステルの重合工程の後半以降
に添加配合されている。かかる方法により得られるポリ
エステル組成物は、良好な制電性を有する各種成形物を
与えるものの、該ポリエステル組成物からなるチップを
ルーダーにて再溶融して繊維・フィルムあるいは各種成
型物に成形する際、チップがルーダー上ですべってかみ
込み難く、安定に溶融成形し難いといった問題があっ
た。このため、優れた制電性を有し、且つルーダーへの
かみ込み性が良好で安定に溶融成形可能なポリエステル
組成物が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したことから明らかなように、すぐたれ制電性能を有す
る成形物を得るに適し、且つ成形時ルーダーへのかみ込
み性が良好で安定に溶融成形することのできる制電性ポ
リエステル組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討した結果、ポリエステル組成
物中に配合されている制電剤の分散状態を特定範囲内に
することにより、驚くべきことにチップのかみこみ性が
向上して溶融成形の工程安定性が飛躍的に向上すること
を見い出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明によれば、芳香族ポリエ
ステル100重量部に対して、制電剤として(a)ポリ
オキシアルキレン系ポリエーテル0.2〜30重量部及
び(b)該ポリエステルと実質的に非反応性の有機イオ
ン性化合物0.05〜10重量部を含有してなる制電性
ポリエステル組成物において、該制電剤の下記に定義す
る分散性Xが0.1以上1以下であり、且つ前記芳香族
ポリエステルの固有粘度が0.65以上であることを特
徴とする制電性ポリエステル組成物、が提供される。
【0008】但し、分散性Xは、ポリエステル組成物2
0mgを2枚のプレパラートにはさみ、10g荷重下2
85℃で溶融して直径1cmの薄膜状となした時観測さ
れる直径2.5μm以上の粒子の数がN(個/c
2 )、ポリエステル組成物中の制電剤の量がW(芳香
族ポリエステル100重量部に対する重量部)である
時、N×Wで表わされる。
【0009】本発明でいう芳香族ポリエステルは、芳香
環を重合体の連鎖単位に有する芳香族ポリエステルであ
って、二官能性芳香族カルボン酸またはそのエステル形
成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体
との反応により得られる重合体を対象とする。
【0010】ここでいう二官能性芳香族カルボン酸とし
てはテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
1,5―ナフタレンジカルボン酸、2,5―ナフタレン
ジカルボン酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,
4′―ビフェニルジカルボン酸、3,3′―ビフェニル
ジカルボン酸、4,4′―ビフェニルエーテルジカルボ
ン酸、4,4′―ビフェニルメタンジカルボン酸、4,
4′―ビフェニルスルホンジカルボン酸、4,4′―ビ
フェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2―ビス
(フェノキシ)エタン―4,4′―ジカルボン酸、2,
5―アントラセンジカルボン酸、2,6―アントラセン
ジカルボン酸、4,4′―p―フェニレンジカルボン
酸、2,5―ピリジンジカルボン酸、β―ヒドロキシエ
トキシ安息香酸、p―オキシ安息香酸等をあげることが
でき、特にテレフタル酸が好ましい。
【0011】これらの二官能性芳香族カルボン酸は2種
以上併用してもよい。なお、少量であればこれらの二官
能性芳香族カルボン酸とともにアジピン酸、アゼライン
酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸の如き二官能性脂肪
族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸の如き二官
能性脂環族カルボン酸、5―ナトリウムスルホイソフタ
ル酸等を1種または2種以上併用することができる。
【0012】また、ジオール化合物としてはエチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、
2―メチル―1,3―プロパンジオール、ジエチレング
リコール、トリメチレングリコールの如き脂肪族ジオー
ル、1,4―シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族
ジオール等およびそれらの混合物等を好ましくあげるこ
とができる。また、少量であればこれらのジオール化合
物と共に両末端または片末端が未封鎖のポリオキシアル
キレングリコールを共重合することができる。
【0013】更に、ポリエステルが実質的に線状である
範囲でトリメリット酸、ピロメリット酸の如きポリカル
ボン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタ
エリスリトールの如きポリオールを使用することができ
る。
【0014】具体的な好ましい芳香族ポリエステルとし
てはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリヘキシレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチ
レン―1,2―ビス(フェノキシ)エタン―4,4′―
ジカルボキシレート等のほか、ポリエチレンイソフタレ
ート・テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート・
イソフタレート、ポリブチレンテレフタレート・デカン
ジカルボキシレート等のような共重合ポリエステルをあ
げることができる。なかでも機械的性質、成形性等のバ
ランスのとれたポリエチレンテレフタレートおよびポリ
ブチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0015】かかる芳香族ポリエステルは任意の方法に
よって合成される。例えばポリエチレンテレフタレート
ついて説明すれば、テレフタル酸とエチレングリコール
とを直接エステル化反応させるか、テレフタル酸ジメチ
ルの如きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させるかまたはテレ
フタル酸とエチレンオキサイドとを反応させるかして、
テレフタル酸のグリコールエステルおよび/またはその
低重合体を生成させる第1段反応、次いでその生成物を
減圧下加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させ
る第2段の反応とによって容易に製造される。
【0016】本発明の組成物に配合するポリオキシアル
キレン系ポリエーテル(a)は、ポリエステルに実質的
に不溶性のものであれば、単一のオキシアルキレン単位
からなるポリオキシアルキレングリコールであっても、
二種以上のオキシアルキレン単位からなる共重合ポリオ
キシアルキレングリコールであってもよく、また、下記
一般式(I)、
【0017】
【化1】
【0018】[式中、Zは1〜6個の活性水素原子を有
する有機化合物残基、R1 は炭素原子数6以上のアルキ
レン基又は置換アルキレン基、R2 は水素原子、炭素原
子数1〜40の一価の炭化水素基、炭素原子数2〜40
の一価のヒドロキシ炭化水素又は炭素原子数2〜40の
一価のアシル基、kは1〜6の整数、nはn≧70/k
を満足する整数、mは1以上の整数]で表わされるポオ
キシエチレン系ポリエーテルであってもよい。
【0019】かかるポリオキシアルキレン系ポリエーテ
ルの具体例としては、分子量が4000以上のポリオキ
シエチレングリコール、分子量が1000以上のポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレン
グリコール、分子量が2000以上のエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド共重合体、分子量4000以
上のトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加
物、分子量3000以上のノニルフェノールエチレンオ
キサイド付加物、並びにこれらの末端OH基に炭素数が
6以上の置換エチレンオキサイドが付加した化合物があ
げられ、なかでも分子量が10000〜100000の
ポリオキシエチレングコール、及び分子量が5000〜
16000の、ポリオキシエチレングリコールの両末端
に炭素数が8〜40のアルキル基置換エチレンオキサイ
ドが付加した化合物が好ましい。
【0020】かかるポリオキシアルキレン系ポリエーテ
ル化合物の配合量は、前記芳香族ポリエステル100重
量部に対して0.2〜30重量部の範囲である。0.2
重量部より少ないときは親水性が不足して充分な制電性
を呈することができない。一方30重量部より多くして
も最早制電性の向上効果は認められず、かえって得られ
る組成物の機械的性質を損うようになる上、該ポリエー
テルがブリードアウトし易くなるため溶融成形時チップ
のルーダーへのかみこみ性が低下して、成形安定性も悪
化するようになる。
【0021】本発明のポリエステル組成物には、特に制
電性を向上させるために有機イオン性化合物を配合す
る。有機イオン性化合物としては、例えば下記一般式
(II),(III )で示されるスルホン酸金属塩及びスル
ホン酸第4級ホスホニウム塩を好ましいものとしてあげ
ることができる。
【0022】 RSO3 M ……(II)
【0023】式中、Rは炭素原子数3〜30のアルキル
基又は炭素原子数7〜40のアリール基、Mはアルカリ
金属又はアルカリ土類金属を示す。上記式(II)におい
てRがアルキル基のときはアルキル基は直鎖状であって
も又は分岐した側鎖を有していてもよい。MはNa,
K,Li等のアルカリ金属又はMg,Ca等のアルカリ
土類金属であり、なかでもLi,Na,Kが好ましい。
かかるスルホン酸金属塩は1種のみを単独で用いても2
種以上を混合して使用してもよい。好ましい具体例とし
てはステアリルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホ
ン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、炭素
原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸ナトリウ
ム混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム混合
物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ハード
型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム
(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸
マグネシウム(ハード型、ソフト型)等をあげることが
できる。
【0024】 RSO3 PR1 2 3 4 ……(III )
【0025】式中、Rは上記式(II)におけるRの定義
と同じであり、R1 ,R2 ,R3 及びR4 はアルキル基
又はアリール基でなかでも低級アルキル基、フェニル基
又はベンジル基が好ましい。かかるスルホン酸第4級ホ
スホニウム塩は1種のみを単独で用いても2種以上を混
合して使用してもよい。好ましい具体例としては炭素原
子数の平均が14であるアルキルスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム、炭素原子数の平均が14であるアルキ
ルスルホン酸テトラフェニルホスホニウム、炭素原子数
の平均が14であるアルキルスルホン酸ブチルトリフェ
ニルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム(ハード型、ソフト型)、ドデシル
ベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム(ハー
ド型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸ベンジ
ルトリフェニルホスホニウム(ハード型、ソフト型)等
をあげることができる。
【0026】かかる有機のイオン性化合物は1種でも、
2種以上併用してもよく、その配合量は、芳香族ポリエ
ステル100重量部に対して0.05〜10重量部の範
囲が好ましい。0.05重量部未満では制電性向上の効
果が小さく、10重量部を越えると組成物の機械的性質
を損なうようになる上、該イオン性化合物もブリードア
ウトし易くなるため、溶融成形時のチップのルーダーか
みこみ性が低下して、成形安定性も悪化するようにな
る。
【0027】本発明においては、上述のポリオキシアル
キレン系ポリエーテル化合物及び有機イオン性化合物か
らなる制電剤は、下記方法で測定した分散性Xが0.1
以上1.0以下、好ましくは0.2以上0.5以下であ
ることが肝要である。
【0028】分散性X ポリエステル組成物20mgを2枚のプレパラートには
さみ、10g荷重下285℃で溶融して直径約1cmの
薄膜状となし、次いで光学顕微鏡(200倍)に観察し
て、1cm2 あたりの直径2.5μm以上の粒子数N
(個/cm2 )を測定する。該ポリエステル組成物中に
配合されている制電剤の合計量(芳香族ポリエステル
00重量部に対する重量部で示す)をWとすると、分散
性XはN×Wで表わされる。
【0029】上記で定義される分散性Xが0.1未満の
場合には、制電剤が微分散しすぎているため、かかる組
成物から得られる成形物の制電性能は不充分となり好ま
しくない。しかも、かかる制電性が微分散された組成物
を得るには、極めて長時間溶融撹拌混合する必要があ
り、制電剤自身だけでなく芳香族ポリエステルの熱分解
をも引き起して、組成物が着色したり、目的とする制電
性能が得られなくなったりするため好ましくない。一方
分散性が1.0を越える場合には、制電剤の分散の程度
が不充分で、チップ表面に制電剤がブリードアウトし易
く、溶融成形時チップのエクストルーダーへのかみこみ
性が低下して溶融成形の安定性が悪化するようになる。
【0030】また、本発明においては、前述の芳香族ポ
リエステルの固有粘度(オルソクロロフェノール中35
℃下測定)は0.65以上であることが必要である。
0.65未満の場合には、得られるポリエステル組成物
の溶融粘度が低いため、チップの溶融過程において組成
物中に存在する制電剤がチップ表面にブリードアウトし
やすくなり、溶融成形時のチップのエクストルーダーへ
のかみこみ性が低下して溶融成形の安定性が悪化する。
【0031】以上に説明した本発明のポリエステル組成
は、以下の方法により得ることができる。すなわち、
配合されるポリオキシアルキレン系ポリエーテル及び有
機イオン性化合物の特性に応じて、芳香族ポリエステル
の重縮合反応途中特定時期に添加することにより得られ
る。一般に、芳香族ポリエステルと親和性が低い化合物
あるいは溶融粘度差が大きい化合物は、混和性が低いの
で充分な分散性を得るには長時間の撹拌を要するが、本
願発明の組成物においては、上記制電剤(ポリオキシア
ルキレン系ポリエーテル及び有機イオン化合物)添加後
の重縮合時間(T)と全重縮合時間(P)との比T/P
が0.5以上0.9以下の範囲内となる時期が採用され
る。添加時期がこれ以前の場合には、制電剤の分散が進
みすぎて、溶融成形時の工程調子は良好なものの制電性
能は低下する傾向がある。一方これ以降になると、撹拌
効率によっては制電剤の分散性が不充分となってチップ
表面に制電剤がブリードアウトし易くなり、その結果該
チップのエクストルーダーへのかみこみ性が低下して溶
融成形の工程調子が低下することとなる。
【0032】
【発明の作用・効果】以上に説明した本発明の制電性ポ
リエステル組成物は、ポリオキシアルキレン系ポリエー
テル及び有機イオン性化合物からなる制電剤の分散性が
特定範囲内にあるので、該組成物からなるチップ表面へ
の制電剤のブリードアウトは小さく、溶融成形時にチッ
プがエクストルーダーにかみこみ難くなるといった問題
は発生せず、且つ制電剤の微分散化による制電性能低下
も認められない。
【0033】したがって、本発明の組成物によれば、繊
維、フィルム、樹脂成型品等に溶融成形する際の工程安
定性に優れるとともに、優れた制電性能を有する各種製
品が得られ、その工業的価値は極めて大である。
【0034】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。
【0035】
【実施例1】テレフタル酸ジメチル100部、エチレン
グリコール60部、酢酸カルシウム1水塩0.06部
(テレフタル酸ジメチルに対して0.066モル%)お
よび整色剤として酢酸コバルト4水塩0.013部(テ
レフタル酸ジメチルに対して0.01モル%)をエステ
ル交換反応缶に仕込み、この反応物を窒素ガス雰囲気下
で4時間かけて140℃から220℃まで昇温し、反応
缶中に生成するメタノールを系外に留去しながらエステ
ル交換反応させた。エステル交換反応終了後、反応混合
物に安定剤としてリン酸トリメチル0.058部(テレ
フタル酸ジメチルに対して0.080モル%)、および
消泡剤としてジメチルポリシロキサンを0.024部加
えた。次に、10分後に、反応混合物に三酸化アンチモ
ン0.041部(テレフタル酸ジメチルに対して0.0
27モル%)を添加し、同時に過剰のエチレングリコー
ルを留去しながら240℃まで昇温し、その後、反応混
合物を重合反応缶に移した。次いで1時間40分かけて
760mmHgから1mmHgまで減圧するとともに2
40℃から280℃まで昇温して重縮合反応せしめた
後、下記化学式
【0036】
【化2】
【0037】(ただし、jは18〜28の整数で平均2
1、Pは平均値として100、mは平均値として5であ
る)で表される水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエー
テルを4部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
を2部、真空下で添加し、さらに240分間重縮合反応
せしめ、次いで酸化防止剤としてチバカイギー社製イル
ガノックス1010を0.4部真空下で添加し、その後
さらに30分間重縮合反応を行なった。得られたポリマ
ーは常法にてチップとなした。
【0038】このポリマーの固有粘度は0.697、分
散性Xは0.2であった。
【0039】得られたチップを常法により乾燥し、径2
5mmの横型一軸スクリュー押出し機を用い285℃下
で溶融し、吐出量37.5g/分、引取り速度1500
m/分で紡糸し、得られた未延伸糸を、80℃の加熱ロ
ーラーと160℃のプレートヒーターとを有する延伸熱
処理機に供して、その伸度が30%になるような延伸倍
率で、延伸熱処理し、75デニール/24フィラメント
の延伸糸を得た。
【0040】得られた延伸糸を用いてメリヤス編地を製
造し、制電性を測定した。溶融紡糸時の工程安定性(ル
ーダーへのチップのかみこみ性)及び制電性能の結果を
表1に示す。
【0041】
【実施例2】実施例1において、ポリオキシアルキレン
系ポリエーテルとして平均分子量20,000のポリエ
チレングリコールを4部使用し、制電剤添加から酸化防
止剤添加までの時間を150分とする以外は実施例1と
同様に行った。結果は表1に示す。
【0042】
【実施例3、比較例1〜4】実施例1において、制電剤
の添加時期及び全重縮合反応時間を表1記載の如く変更
する以外は実施例1と同様に行った。結果は表1に示
す。
【0043】
【表1】
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/00 - 67/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ポリエステル100重量部に対し
    て、制電剤として(a)ポリオキシアルキレン系ポリエ
    ーテル0.2〜30重量部及び(b)該ポリエステルと
    実質的に非反応性の有機イオン性化合物0.05〜10
    重量部を含有してなる制電性ポリエステル組成物におい
    て、該制電剤の下記に定義する分散性Xが0.1以上1
    以下であり、且つ前記芳香族ポリエステルの固有粘度が
    0.65以上であることを特徴とする制電性ポリエステ
    ル組成物。但し、分散性Xは、ポリエステル組成物20
    mgを2枚のプレパラートにはさみ、10g荷重下28
    5℃で溶融して直径1cmの薄膜状となした時観測され
    る直径2.5μm以上の粒子の数がN(個/cm2 )、
    ポリエステル組成物中の制電剤の量がW(芳香族ポリエ
    ステル100重量部に対する重量部)である時、N×W
    で表わされる。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101769540B1 (ko) * 2017-03-28 2017-08-23 주식회사 인산 조립식 펜스

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