JP2883778B2 - 難燃ポリエステル繊維の製造方法 - Google Patents

難燃ポリエステル繊維の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リン系難燃剤を含有す
る新規な難燃ポリエステル繊維の製造方法に関する。
【0002】ポリエチレンテレフタレートに代表される
芳香族ポリエステルは、優れた力学的性質を有し、繊
維,フィルム,その他のプラスチック成形物として広範
囲に利用される極めて有用な素材である。併しながら、
燃焼し易いという欠点を有しており、近年火災に対する
認識の高まりに伴い、難燃化が強く要望されている。
又、燃焼時に有毒ガス(シアン,ハロゲン)の発生は難
燃性以上の問題であり、これら有毒ガスの発生しない難
燃化製品の開発が待望されている。
【0003】
【従来の技術】ポリエステルを難燃化する試みは従来よ
り種々検討されている。例えば、繊維,フィルムなどの
成形物に難燃化剤を後処理する方法、成形時に難燃化剤
を練り込む方法が知られている。しかし、後処理法では
処理が煩雑であったり不均一であったり、成形物の風合
いを粗硬にしたり、洗濯などで難燃性が低下したりする
等の種々の欠点を有する。
【0004】又練り込み方法では成形時に難燃化剤が昇
華したり、着色したり或は成形物の機械的特性を著しく
低下させる。更には繊維製品等の成形物をドライクリー
ニングした際に難燃化剤の脱落やブリードアウトが起
り、その結果性能低下や汚染による衛生上の問題を生ず
る等の多くの欠点を有する。
【0005】かかる欠点を改善する方法として、ポリエ
ステルの分子主鎖中に難燃性を付与する原子の一つであ
るリン原子を導入する所謂共重合方法が有効であり、近
年種々の検討がなされて多くの提案がある。例えば特公
昭36−21050号公報,特公昭38−9447号公
報に、ホスホン酸又はホスホン酸エステル類を添加する
方法が開示されている。しかし、このホスホン酸エステ
ル類は一般に沸点が低いため重合時に系外に留出される
或はポリエステル製造時に三次元的副反応を起こし成形
加工を困難又は不能となる等の欠点を有する。特公昭3
6−20771号公報には、比較的沸点の高いホスホン
酸ビスグリコールエステルを添加共重合する方法が開示
されている。然し乍ら、沸点が高いにも拘らず、重合中
に自己縮合による環状の低沸点物が生起し系外へ揮発す
るものが少なくないという欠点を有する。
【0006】特公昭53−13479号公報及び特開昭
50−53354号公報に、カルボキシホスフィン酸を
共重合することが開示されている。かかるホスフィン化
合物は揮発性がなく優れた耐燃性を有している。然しな
がら、エステル形成性官能基がカルボキシル基とリン酸
結合のP−OH基のため、僅かに反応速度が異なりやや
均一性に欠ける。更に耐熱性の点ではP−O−C結合は
P−C結合に比べ劣るという若干の欠点を有する。又特
公昭55−41610号公報に、オキサホスファンオキ
シドとイタコン酸から誘導した含リンジカルボン酸化合
物を共重合する方法が開示されている。この方法も優れ
た耐燃性を有している。しかし、複雑な多環構造化合物
であるため立体障害による結晶性,融点,物性等の低
下,或は僅かな光や熱で分子切断が生じ易いという欠点
を有する。
【0007】ドイツ特許公告第1232348号公報に
はビス−(p−カルボキシフェニル)−ホスフィン酸を
共重合したポリエステルが開示されているが、染色改善
等のポリエステル変性を目的としたもので、リン含有量
も少なく難燃性は殆ど賦与されない。一方、米国特許第
4127566号明細書に、ビス−(カルボキシエチ
ル)メチルホスフィンオキシドを共重合したポリエステ
ルが開示されている。このものは良好な難燃性を示す
が、共重合ポリマーの融点低下が大きく、且つ耐熱性が
やや低いという欠点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る従来技術の諸欠点を改善し、少量で有効且つ無公害な
難燃化共重合成分を見い出すことである。
【0009】本発明の目的は、ポリエステル本来の力学
的特性,熱的特性を低下せしめることなく、繊維成形性
に優れ且つ、白度,耐光性並びに耐洗濯性に優れた難燃
性ポリエステル繊維、及びその工業的安価な製造方法を
提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、難燃化共
重合成分につき種々検討し鋭意研究を行なった結果、難
燃性能の観点から前述の一般式で示すリン含有化合物が
ポリマーの耐熱性、力学的物性を低下させる事なく良好
な難燃性を付与する事を見いだし、先に難燃繊維を提案
した。本発明者らは該繊維の製造方法を更に鋭意に検討
した結果、本発明に到達したものである。
【0011】即ち本発明の難燃性ポリエステル繊維の製
造方法は、一般式
【化1】(式中、Rは炭素原子数6〜9のアリル基,ア
ラルキル基,R′はH又は炭素原子数1〜4のアルキル
基,ヒドロキシアルキル基,R″はH又はメチル基を示
す。)で表わされる含リンジカルボン酸化合物又はその
誘導体の少なくとも一種から誘導され、且つリン含有率
が少なくとも3重量%である化合物Aを繊維形成性ポリ
エステルの重合時点に繊維中のリン原子含有率が少なく
とも2000ppmになるよう配合せしめ重合し、次い
で紡糸する事を特徴とする。
【0012】本発明に使用する上記一般式で示す含リン
ジカルボン酸は上記式に示すように、分子構造がP−C
結合のホスフィンオキシド骨格を有する左右対称形であ
り、左右に有する二つの官能基は共にフロンティア電子
密度が等価のカルボキシル基で有り、各種の化学反応、
例えばエステル化反応、アミド化反応、等の反応速度は
同じである。又対称の構造を有する為に、該化合物を共
重合した化合物Aの耐熱性、力学物性は非対称の物の共
重合物に比べて優れており、ポリエステル繊維の製造に
於いて受ける200〜300℃程度の高温がかかる工程
にて使用するのに好都合である。
【0013】上記一般式中の残基Rのアリル基は、例え
ばC6 5 ,C6 4 −Me,C63 −(Me)2
6 4 −Etが例示され,又アラルキル基は、例えば
65 −CH2 ,C6 4 (Me)−CH2 ,C6
5 −CH2 CH2 ,C6 3−(Me)2 −CH2 など
が挙げられる。中でも有用なものは、フェニル基,トル
イル基であり、特にフェニル基が耐熱性に優れ最も好ま
しい。残基R″はH,CH3 である。C2 5 以上は立
体障害を生ずるので好ましくない。
【0014】従って本発明の一般式(I)で示される含
リンジカルボン酸化合物は、好ましくはビス−(2−カ
ルボキシエチル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−
(2−カルボキシ−iプロピル)フェニルホスフィンオ
キシド、ビス−(2−カルボキシエチル)m−トルイル
ホスフィンオキシド、ビス−(2−カルボキシ−i−プ
ロピル)m−トルイルホスフィンオキシド、ビス−(2
−カルボキシエチル)p−トルイルホスフィンオキシ
ド、ビス−(2−カルボキシエチル)キシリルホスフィ
ンオキシド、ビス−(2−カルボキシエチル)ベンジル
ホスフィンオキシド、ビス−(2−カルボキシi−プロ
ピル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス−(2−カル
ボキシエチル)m−エチルベンジルホスフィンオキシ
ド、及びこれらの環状酸無水物、或はこれらのメチルエ
ステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエ
ステル、エチレングリコールエステル、プロピレングリ
コールエステル、ブタンジオールとのエステル等が上げ
られる。
【0015】これらの含リンジカルボン酸化合物の製造
方法にはP−置換ホスフィンに不飽和化合物を付加反応
して製造する方法、或はP−置換ジクロロホスフィン又
はジクロロホスフィンオキシドとグリニャール試薬、或
は有機金属化合物を反応して製造する方法がある。しか
し、反応収率、操作性、品質等の観点から前者のP−置
換ホスフィンに不飽和化合物、例えばアクリロニトリ
ル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メチルメタクリ
レート等を付加反応して製造する方法が好ましい。
【0016】例えばビス−(2−カルボキシエチル)フ
ェニルホスフィンオキシドはM.M.Rauhut,
I.Hechenbleikner,Helen A.
Currier,F.C.Schaefer and
V.P.Wystrach 著J.Am.Chem.S
oc.,81,1103〜1107(1959)に記載
の如く、フェニルホスフィンにアクリロニトリルを付加
反応したのち、酸化し次いでアルカリ加水分解して得ら
れる。
【0017】上記一般式(I)で示す化合物を含有する
化合物Aとしては、いずれの形、構造を有する化合物で
も構わない。例えば、他の化合物とエステル結合したも
の、アミド結合で反応したもの、ウレタン結合で反応し
たもの、エーテル結合で反応したもの、等が採用でき
る。
【0018】エステル結合させる物としては、2ケのO
H基を有する化合物との反応で達成できる。好ましく
は、ポリエステル繊維と同様の骨格構造を有するアジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、等の脂肪族ジカルボ
ン酸類、及びその誘導体やエステル誘導体、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニル
ジカルボン酸、等の芳香族ジカルボン酸及びそれらの誘
導体、それらのアルキルエステル、アリルエステル、エ
チレングリコールエステル誘導体である。
【0019】又アミド結合により反応させる物として
は、2ケのアミノ基を有する化合物との反応で達成でき
る。
【0020】化合物A中でのリン原子の含有率は少なく
とも3重量%、好ましくは3.5重量%、さらに好まし
くは4〜10重量%になる様に組成を設定する。リン原
子の含有率が3重量%より少なくなれば、難燃性を発現
させる為にポリエステル繊維中に配合させる化合物Aの
量が多くなり、繊維の熱的劣化や力学物性の低下、着色
の増加につながる。
【0021】化合物Aの重合度は、余りに低いと耐熱性
が劣りポリエステルとの混合に於いて、劣化が著しく、
又余りにも重合度が高くなり過ぎると混合時に大きな動
力、装置が必要となったり、或いは混合が十分に達成で
きなかったり、繊維の均一性が低下すると言う欠点があ
る。好ましくは、重合度が5以上、更に好ましくは10
〜100である。重合度の大小は本化合物Aの配合の方
法により適宜選定する。例えばポリエステルの重合時、
それもエステル交換終了時等初期の段階で添加する際は
重合度は50以下が好ましく、ポリエステル重合の中期
以降に配合する際は重合度は20〜70位が好ましい。
【0022】本発明の繊維形成性ポリエステルとして
は、通常使用されるポリエステルが使用できる。つまり
以下に述べるジカルボン酸及びその誘導体とグリコール
との共重合により得られるポリエステルが使用できる。
例えばジカルボン酸成分として、テレフタル酸,イソフ
タル酸,2.6−ナフタレンジカルボン酸,1.5−ナ
フタレンジカルボン酸,4.4−ジフェニルジカルボン
酸,ビス−(4−カルボキシフェニル)エーテル,ビス
−(4−カルボキシフェニル)スルホン,1.2−ビス
(4−カルボキシフェノキシ)エタン,5−ナトリウム
スルホイソフタル酸,5−スルホプロポキシイソフタル
酸,ジフェニルp.p′−ジカルボン酸,p−フェニレ
ンジ酢酸,ジフェニルオキシド−p.p′−ジカルボン
酸,trans−ヘチサヒドロテレフタル酸、及びそれ
らのアルキルエステル,アリールエステル,エチレング
リコールエステルなどのエステル形成性誘導体が挙げら
れる。中でも特に有用なものとしては、テレフタル酸,
2.6−ナフタレンジカルボン酸を主成分とし、これら
の芳香族ジカルボン酸及びアジピン酸,セバシン酸,ア
ゼライン酸,デカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸及びその他のエステル形成性誘導体の1種以上
を10モル%を限度として少量混合して使用することが
できる。
【0023】一方グリコール成分として、エチレングリ
コール,1.2−プロピレングリコール,1.4−ブタ
ンジオール,トリメチレングリコール,1.6−ヘキサ
ンジオール,1.4−シクロヘキサンジオール,ネオペ
ンチルグリコール,1.4−シクロヘキサンジメタノー
ル,ビスフェノールA,ビスフェノールS,ジエチレン
グリコール,ポリエチレングリコール,ポリプロピレン
グリコールなどが挙げられる。中でも有用なエチレング
リコール,1.4−ブタンジオールを主成分とし、その
他のグリコール成分及びエステル成形性誘導体の1種以
上をジオール成分の10モル%を限度とする少量を混合
して使用することができる。
【0024】また1分子中にカルボン酸基とアルコール
基を有するオキシカルボン酸成分、例えば4−オキシ安
息香酸,4−ヒドロキシエトキシ安息香酸,オキシピバ
リン酸等も必要に応じ使用する事ができる。
【0025】必要に応じて少量の一官能性化合物、例え
ば安息香酸,ベンゾイル安息香酸,酢酸,メトキシポリ
エチレングリコールなど、或は三官能性以上の化合物、
例えばグリセリン,ペンタエリスリトール,リン酸化合
物及びこれらのエステル形成性誘導体を添加することも
できる。
【0026】ポリエステルの重合度としては、通常の繊
維に使用される程度の物であれば良いが、好ましくは極
限粘度〔η〕が0.5以上、更に好ましくは0.6〜
1.5、特に好ましくは0.65〜1.0である。
【0027】化合物Aのポリエステルへの配合は繊維形
成性ポリエステルの重合開始時点に行う。好ましくは、
テレフタル酸等のジカルボン酸の末端がエチレングリコ
ールに置換されたエステル交換終了後に行う。更に好ま
しくは、ポリエステルの重合が完了しない時点、例えば
極限粘度〔η〕が0.4以前に添加する事が好ましい。
【0028】化合物Aの配合率としては、難燃繊維の力
学物性、熱的物性、難燃性等を低下させない範囲であれ
ば、特に限定しないが、好ましくはポリエステルに対し
て25重量%以下、更に好ましくは15%重量%以下で
ある。
【0029】紡糸においては、通常の繊維の紡糸と同じ
く、顔料,艶消し剤,蛍光増白剤,熱安定剤,紫外線吸
収剤,酸化防止剤,制電剤及び有機アミン,有機カルボ
ン酸アミドなどのエーテル結合抑制剤等,必要に応じて
種々使用してもよい。
【0030】一般式(I)で表わされる含リンジカルボ
ン酸成分は、得られるポリエステル繊維中にリン原子含
有量として、少なくとも2,000ppm,好ましくは
3,000〜20,000ppm,更に好ましくは5,
000〜15,000ppmとなるように添加する。
2,000ppm未満では難燃性に乏しく、20,00
0ppmより多い場合は、難燃効果が飽和される上にポ
リエステル本来の諸特性を著しく低下せしめるので好ま
しくない。
【0031】紡糸は通常の紡糸方式により紡糸可能であ
るが、スピンドロー、高速紡糸、複合紡糸いずれも採用
可能である。繊維の太さは通常1デニール以上である
が、用途に応じて更に細い繊維も紡糸可能である。繊維
断面についても、丸断面だけでなく、三角断面、偏平断
面、四角断面、多角断面、中空断面、等の異形断面繊維
も可能である。
【0032】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリエステル繊維は、化
合物A、例えばポリエステルの主鎖中に難燃性を付与す
るリン原子が導入された共重合物をポリエステルの重合
中に添加したものであり、完全共重合と同等の混合状態
となりリン原子が非常に安定化されて繊維中に含まれ
る。又共重合物の添加率の変化により、難燃性を簡単に
調整でき生産ロットの大小や品種の多様さにも容易に対
応できる。
【0033】品質的には、繊維製造中や加工中、製品の
使用中や洗濯等の処理で溶出や脱落がなく難燃性能が低
下することのない恒久性を有した有用なものである。更
にポリエステル本来の機械的,熱的特性や繊維製品の風
合いを損なうことなく且つ耐光性,白度に優れ、良好な
染色性を有している。また難燃性を付与する原子がリン
原子のみで、成形物が炎と接しても人体に有害なガスの
発生がなく極めて安全性が高い有用なものである。
【0034】本発明で得られた難燃性ポリエステル繊維
は、通常の方法により繊維及び糸に紡糸、延伸し、そし
て後処理できる上、製織,製編も特別な配慮をすること
なく通常の織機,編機を使用することが出来る。また通
常のポリエステルやカチオン可染ポリエステルなどと混
合紡糸、或は複合紡糸をしたり、前記通常の繊維或は
綿,アクリル等の他の繊維と複合製織したり多層構造の
織物などの高級技術、高品質の難燃性ポリエステル製品
を得ることが出来る。かかる繊維製品としては、例えば
厚地織物,衣料,カーペット,カーテン,ズック等が挙
げられる。
【0035】以上述べたように、本発明方法により非常
に容易に多様な難燃繊維や高性能の難燃繊維を工業的容
易且つ安価に製造する事が出来、非常に有用である。
【0036】
【実施例】以下実施例により本発明方法、及びその作用
効果をより具体的に説明する。実施例中「部」とあるの
は全て「重量部」を意味する。固有粘度「η」は、フェ
ノール/テトラクロロエタン=6/4の混合溶剤中20
℃で常法により求めた。融点はDSCの吸熱ピークで求
めた。また難燃性の評価は、45°コイル法による接炎
回数(JIS L−1091 D)或は限界酸素指数
(JIS K−7201)法に準じて測定し示した。
【0037】実施例1
【0038】ビスヒドロシキエチルテレフタレート(BH
ET)70部及び上記のビス−(2,2'- カルボキシエチ
ル)フェニルホスフィンオキシド30部、テトラブトキ
シチタネート0.03部を重合容器に投し溶融後、徐々
に昇温しつつ内圧を減じ、最終的に255℃,0.3m
mHgで3時間重縮合を行なった。次いでこのポリマー
を索状に押出し切断して2.5mmφX3mmの大きさ
のペレットとし、リン含有率3.8重量%の化合物Aを
得た。次いで、ビスヒドロシキエチルテレフタレートを
出発原料とし、三酸化アンチモンを重合触媒とし、17
0℃にて加熱溶融後、徐々に昇温しつつ内圧を減じ、最
終的に250℃,0.3mmHgで3時間重縮合を行な
い溶融粘度〔η〕の上がりを攪拌機の回転トルクにてモ
ニターしながら重合を継続した。途中極限粘度〔η〕が
0.2に達した時点で、上記化合物Aを最終ポリマー中
に表1に示す量添加し重合を継続させ、内容物が所定の
粘度(極限粘度〔η〕=0.62)に達したあと内容物
を索状に押出し切断して2.5mmφ×3mmの大きさ
のペレットとした。
【0039】このペレットを水分率0.005%まで乾
燥した後、エクストルーダにて、紡糸温度288℃巻取
り速度800m/分で溶融紡糸し、続いて倍率3.9
倍、延伸速度1000m/分で75℃のローラヒータで
延伸し、150℃のプレートヒータでセットして、75
d/24fの延伸糸を得た。糸質は強度4.7〜5.8
g/d,伸度30〜45%で良好であった。
【0040】この延伸糸を2本合糸し、筒編機で筒編み
し精練して難燃性の試験を行なった。難燃性試験は、筒
編物を重さ1g,長さ100mmになるように切り取
り、45°コイル法のよる接炎回数を求めた。その結果
は表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】実施例2 表2に示す各種の含リン化合物を4重量%含有する共重
合物を得て、実施例1の方法と同様にポリエステルの重
合中に最終ポリマーでのリン含有率が6500ppmに
なるよう配合し、重合を終了し、実施例1と同様にポリ
マー回収、紡糸を行い75d/24fの難燃性ポリエス
テル繊維を得た。各種化合物の性能を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【化2】
【0045】
【化3】
【0046】
【化4】
【0047】
【化5】
【0048】
【化6】
【0049】
【化7】
【0050】
【化8】
フロントページの続き 審査官 澤村 茂実 (56)参考文献 特開 平5−51440(JP,A) 特開 昭50−82149(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/84 306 C08G 63/692

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Rは炭素原子数6〜9のアリル基,アラルキル
    基,R′はH又は炭素原子数1〜4のアルキル基,ヒド
    ロキシアルキル基,R″はH又はメチル基を示す。)で
    表わされる含リンジカルボン酸化合物又はその誘導体の
    少なくとも一種から誘導され、且つリン含有率が少なく
    とも3重量%である化合物Aを繊維形成性ポリエステル
    の重合時点に繊維中のリン原子含有率が少なくとも20
    00ppmになるよう配合せしめ重合し、次いで紡糸す
    る事を特徴とする難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 化合物Aがエステル結合を有する共重合
    物である請求項1記載の難燃性ポリエステル繊維の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 化合物Aを繊維形成性ポリエステルのエ
    ステル交換が終了した後に配合せしめる請求項1記載の
    難燃性ポリエステル繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 化合物Aを繊維形成性ポリエステルの重
    合中の極限粘度〔η〕が0.4を越えない時点で配合せ
    しめる請求項1記載の難燃性ポリエステル繊維の製造方
    法。
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