JP3130388B2 - 放射線増感紙 - Google Patents

放射線増感紙

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優二郎 鈴木
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正明 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射線増感紙(以下、
「増感紙」という)に関する。より詳細には、入射X線
の線質によるコントラスト特性への影響が少なく、写真
性能が改善されている増感紙に関する。
【0002】
【従来の技術】医療用X線診断に用いられる増感紙にお
いて増感紙を構成している蛍光体層中の蛍光体のX線吸
収特性が感度、コントラスト、鮮鋭度、粒状性等の画質
に影響することは周知であり、増感紙には一般にX線吸
収率の高い、原子番号の大きい元素からなる蛍光体が使
用される。一方、X線吸収は蛍光体の実効原子番号が大
きくなるにつれて増加するが、吸収端エネルギーの位置
でX線に対する吸収が不連続となり、X線吸収に関して
は吸収端、特にK吸収端が重要なファクターとなる。す
なわち、エネルギー分布を持つX線が蛍光体層に入射す
ると各蛍光体のK吸収端に相当するエネルギーの前後で
X線吸収率が急激に変化する。
【0003】ところで図2は従来の増感紙に用いられて
いる主な蛍光体(La2O2S:Tb 、Y2O2S:Tb、Gd2O2S:Tb 及
びGdTaO4:Tb )の母体を構成する元素のX線エネルギー
に対する吸収係数をプロットしたグラフであり、線La
は元素Laについてのグラフであり、線Yは元素Yにつ
いてのグラフであり、線Gdは元素Gdについてのグラ
フであり、線Taは元素Taについてのグラフである。
従来の増感紙においては、増感紙を構成している蛍光体
層の蛍光体が1種類または2種類程度であり、また図2
からもわかるように、エネルギー分布を持つX線が蛍光
体層に入射すると各蛍光体のK吸収端に相当するエネル
ギーの前後でX線吸収が不連続になる。即ちX線エネル
ギーの増加と共に入射X線のX線吸収は減少している
が、K吸収端エネルギーの位置では入射X線のX線吸収
が急激に大きくなるため画像のコントラストが低減す
る。従って入射X線のエネルギー分布とK吸収端の位置
との関係によりコントラストが大きく変化する。加え
て、K吸収端よりも低いエネルギー領域でK吸収端に近
い部分の領域ではK吸収端エネルギーの位置よりも入射
X線の吸収は少なく、X線が有効に利用されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、入射X線の
線質による影響の少ない写真特性、特にコントラスト特
性の改善された増感紙を提供することを目的とする。
【0005】本発明者等は、増感紙の蛍光体層を構成す
る蛍光体のK吸収端特性と得られる増感紙による画像の
コントラストの関係について鋭意研究の結果、K吸収端
の異なる3種以上の蛍光体を適切に組み合わせることに
より、入射X線の線質による影響の少なく、写真特性、
特にコントラスト特性の改善された増感紙が得られるこ
とを見出した。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明の増感紙は、支持
体上に蛍光体層を形成してなる放射線増感紙において、
該蛍光体層中の蛍光体がK吸収端エネルギーの異なる少
なくとも三種の蛍光体からなり、それらの蛍光体の内の
いずれか3種の蛍光体について、それらのK吸収端エネ
ルギ−の大小順に並べた時、隣合う蛍光体間のK吸収端
エネルギーの差がそれぞれ10〜30keVの範囲内に
あることを特徴とする。
【0007】尚、本明細書において蛍光体のK吸収端と
は、蛍光体の母体を構成する元素の中で最もK吸収端エ
ネルギーの大きい元素のK吸収端を言うものとする。
【0008】本発明の増感紙においては、蛍光体層中の
蛍光体がK吸収端エネルギーの異なる少なくとも三種の
蛍光体からなり、それらの蛍光体の内のいずれか3種の
蛍光体について、それらのK吸収端エネルギ−の大小順
に並べた時、隣合う蛍光体間のK吸収端エネルギーの差
がそれぞれ10〜30keVの範囲内にあることが必須
であり、従って、三種の蛍光体からなる場合には、それ
らの三種の蛍光体について、それらのK吸収端エネルギ
−の大小順に並べた時、隣合う蛍光体間のK吸収端エネ
ルギーの差がそれぞれ10〜30keVの範囲内にある
ことが必須である。しかし、例えば、K吸収端エネルギ
−の大小の順がA、B、C及びDの順である四種の蛍光
体からなる場合については、AB間、BC間及びCD間
の全てのK吸収端エネルギーの差が上記の条件を満たす
場合だけでなく、AB間のK吸収端エネルギーの差が1
0keV未満であってもAC間及びCD間、又はBC間
及びCD間のK吸収端エネルギーの差が上記の条件を満
たす場合、BC間のK吸収端エネルギーの差が10ke
V未満であってもAC間及びCD間、又はAB間及びB
D間のK吸収端エネルギーの差が上記の条件を満たす場
合、並びにCD間のK吸収端エネルギーの差が10ke
V未満であってもAB間及びBD間、又はAB間及びB
C間のK吸収端エネルギーの差が上記の条件を満たす場
合等も本発明に含まれることは明らかである。
【0009】本発明の増感紙において、蛍光体層はK吸
収端エネルギーの大小に関する上記の条件を満足する少
なくとも三種の蛍光体を含む単一層であってもよく、又
は蛍光体層が複数の蛍光体層からなり、各蛍光体層がそ
れぞれ一種又は二種以上の蛍光体を含む積層蛍光体層で
あってもよい。
【0010】本発明の増感紙においては、蛍光体層が、
積層した少なくとも三層の蛍光体層からなり、各蛍光体
層がそれぞれK吸収端エネルギーの異なる蛍光体からな
ることが好ましく、該少なくとも三層の蛍光体層が、よ
り表面(発光を取り出す面)側の蛍光体層中の蛍光体ほ
どK吸収端エネルギーが高い蛍光体からなるように配列
されていることが更に好ましい。
【0011】本発明の増感紙に用いうる蛍光体としては
Gd2O2S:Tb 、La2O2S:Tb 、GdTaO4:Tb 、YTaO4:Tb、BaFC
l:Eu、Gd2O3・Ta2O5・B2O3:Tb 、(Gd,Y)2O2S:Tb 、(Gd,Y)
2O2S:Tb:Tm、La2O2S:Tb 、CaWO4 、CdWO4 、(Zn,Cd)S:A
g 、BaSO4:Pb、HfO2:Ti 、HfP2O7:Cu 、YTaO4 、YTaO4:
Tm、YTaO4:Nb等があり、これらの蛍光体の中からK吸収
端が異なる三種以上の蛍光体を適切に選択して使用でき
る。
【0012】本発明の増感紙において、蛍光体層の蛍光
体塗布重量又は複数の蛍光体層の合計蛍光体塗布重量
(塗布後、乾燥させたときの蛍光体の単位面積あたりの
重量)は、実用的な写真感度と鮮鋭度を維持するため、
一般に30ないし200mg/cm2 とするのが望ましい。
塗布重量が30mg/cm2 を下回ると写真感度が低下し、
また200mg/cm2 を上回ると、感度は飽和して上昇し
ないのにたいし、逆に鮮鋭度が低下する傾向にある。
【0013】本発明の増感紙は、K吸収端が異なる三種
以上の蛍光体を適切に選択し、これらの蛍光体の混合物
を用いて支持体上に蛍光体層を形成するか、これら各蛍
光体単独の蛍光体層を好ましくは所定の順序で順次支持
体上に形成する以外は従来の増感紙と同様にして製造さ
れる。
【0014】即ち、K吸収端の異なる三種以上の蛍光体
を結合剤とともに適当量混合し、さらにこれに有機溶剤
を加えて適当な粘度の蛍光体塗布液を調製し、この塗布
液をナイフコーターやロールコーター等によって支持体
上に塗布し、乾燥して蛍光体層を形成する。蛍光体層を
積層する場合はK吸収端の異なる蛍光体の塗布液をそれ
ぞれ、最初に形成する蛍光体層用の塗布液を支持体上に
塗布し、その上に順次別の蛍光体塗布液を塗布し、乾燥
することにより複数の蛍光体層を形成する。
【0015】なお、増感紙の中には蛍光体層と支持体と
の間に光反射層、光吸収層あるいは金属箔層を有する構
造のものがあり、その場合には予め支持体上に光反射
層、光吸収層あるいは金属箔層を設けておき、この上に
前記蛍光体塗布液を塗布し、乾燥することにより蛍光体
層を形成する。
【0016】前記結合剤としては、硝化綿、酢酸セルロ
ース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、線状
ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン−塩化
ビニルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマ
ー、ポリアルキル−( メタ) アクリレート、ポリカーボ
ネート、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリビニルアルコール、ゼラチン、デキストリン等
のポリサッカライド、アラビアゴムなど従来より増感紙
の結合剤として知られているものであれば特に制限はな
い。
【0017】また、蛍光体塗布液の調製に使われる有機
溶剤としては、たとえばエタノール、メチルエチルエー
テル、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルエーテル、キシ
レンなどがあり、蛍光体塗布液には更に必要に応じてフ
タル酸、ステアリン酸などの分散剤や燐酸トリフェニ
ル、フタル酸ジエチルなどの可塑剤が添加される。
【0018】前述したように形成した蛍光体層の上に
は、さらに必要に応じて保護膜が形成される。保護膜の
形成には、酢酸セルロース、ニトロセルロース、セルロ
ースアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル
コポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラー
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマー
ル、ポリウレタンなどの樹脂を溶剤に溶解させて適当な
粘度の保護膜塗布液を調製し、これを先に形成した蛍光
体層上に塗布、乾燥するか、あるいは予め成形された保
護膜、たとえばポリエチレンテレフタレート、ポリエチ
レン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどの透明フィ
ルムを蛍光体層上にラミネートすることにより保護膜を
形成する。
【0019】本発明の増感紙に使用される支持体として
は、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪
酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート等のポリエ
ステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポ
リアミド、ポリイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリ
マー、ポリカーボネートなどの樹脂をフィルム状に成形
したもの、バライタ紙、レジンコート紙、通常の紙、ア
ルミニウム合金箔などが用いられる。なお、本発明の増
感紙の支持体として上述のようなプラスチックフィルム
または紙を使用する場合は、これらにカーボンブラック
などの光吸収物質または二酸化チタン、炭酸カルシウム
などの光反射性物質を練り込むなどしてこれらを予め混
入させておいてもよい。
【0020】本発明の増感紙は上述した製造方法以外の
方法によっても製造可能である。即ち、予め平滑な基板
上に保護膜を形成しておき、その上に蛍光体層を形成し
たのち、これを保護膜とともに該基板から剥離し、こう
しておいてから改めて蛍光体層上に支持体を接着する方
法である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0022】実施例1 La2O2S:Tb 蛍光体、Gd2O2S:Tb 蛍光体及びGdTaO4:Tb 蛍
光体の等量を混合した蛍光体混合物10重量部と、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体(結合剤)1重量部と酢酸エ
チル(有機溶剤)とを混合し、蛍光体塗布液を調製し、
この蛍光体塗布液をカーボンブラック粉末を練り込んだ
厚さ250 μm のポリエチレンテレフタレートフィルムか
らなる支持体上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が60mg/cm2
となるようにしてナイフコーターで均一に塗布し、蛍光
体層を形成した。次に、この蛍光体層上に厚さが12μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる透明保
護膜をラミネートして実施例1の増感紙を作製した。
【0023】実施例2 La2O2S:Tb 蛍光体、Gd2O2S:Tb 蛍光体及GdTaO4:Tb 蛍光
体の等量を混合した蛍光体混合物に代えて、BaFCl:Eu蛍
光体、Gd2O2S:Tb 蛍光体及びYTaO4:Tm蛍光体の等量を混
合した蛍光体混合物を用いる以外は実施例1の増感紙と
同様にして実施例2の増感紙を作製した。
【0024】比較例1〜6 蛍光体としてLa2O2S:Tb 蛍光体、Gd2O2S:Tb 蛍光体及び
GdTaO4:Tb 蛍光体の等量を混合した蛍光体混合物に代え
て、それぞれLa2O2S:Tb 蛍光体、Gd2O2S:Tb 蛍光体、Gd
TaO4:Tb 蛍光体、BaFCl:Eu蛍光体及びYTaO4:Tm蛍光体を
単独で用いて単一の蛍光体からなる蛍光体層を設ける以
外は実施例1の増感紙と同様にして比較例1、2、3、
4及び5の増感紙を作製した。また、蛍光体としてLa2O
2S:Tb 蛍光体、Gd2O2S:Tb 蛍光体及びGdTaO4:Tb 蛍光体
の等量を混合した蛍光体混合物に代えて、La2O2S:Tb 蛍
光体とGd2O2S:Tb 蛍光体の等量混合物を用いる以外は実
施例1の増感紙と同様にして比較例6の増感紙を作製し
た。
【0025】表1に、上述のようにして得られた各増感
紙の蛍光体層を構成する蛍光体、そのK吸収端エネルギ
ー、乾燥後の蛍光体塗布重量及び得られる増感紙のコン
トラスト維持率を示す。ここでコントラスト(C)は、
各X線照射条件下で、水10cmのファントームを透過
後、アルミ厚0mm部分及びアルミ厚2mm部分の両部分か
らなる部材を透過したX線により感光した増感紙フィ
ルム系のフィルム写真濃度より、アルミ厚0mm部分通過
の場合の濃度aとアルミ厚2mm部分通過の場合の濃度b
を測定し、C=(a−b)/(a+b)の式より求め、
又、コントラストの維持率(Kn )は、各増感紙の80
kVでのコントラストをCo とし、120kVでのコン
トラストをCn としたときKn =Cn /Co で表わされ
る値(以下同様)である。すなわちコントラスト維持率
の数値が1に近いほど、入射X線のエネルギーが変化し
てもコントラストの変化が少ないことを示している。
【0026】表1において実施例1の増感紙と比較例
1、2、3及び6の増感紙との比較、及び実施例2の増
感紙と比較例2、4及び5の増感紙との比較からわかる
ように用いられる蛍光体として、K吸収端の異なる三種
類の蛍光体を用いた方が単一の蛍光体、又は2種類の蛍
光体を用いた場合より、いづれもコントラスト維持率が
高く、入射X線の線質が変化してもコントラストの変化
が少なかった。
【0027】なお、例示していないが、増感紙の蛍光体
層を構成する蛍光体として、例えばGd2O2S:Tb (K吸収
端50. 2KeV)とY2O2S:Tb(K吸収端17. 0Ke
V)の混合物を用いた場合は用いられる蛍光体のK吸収
端エネルギー差が33. 2KeVであり、K吸収端が離
れ過ぎているため、また例えばLa2O2S:Tb (K吸収端3
8. 9KeV)とBaFCl:Eu(K吸収端37. 4KeV)
の混合物を用いた場合は、用いられる両蛍光体のK吸収
端エネルギー差が少なすぎるため、共にこれらの増感紙
ではコントラスト維持率が小さく、これらの蛍光体を単
独で用いた増感紙と同様にX線の線質によるコントラス
トの変化が大きかった。
【0028】従って、得られる増感紙のコントラストに
対する入射X線の線質依存性を少なくするためには増感
紙の蛍光体層に用いる蛍光体として、蛍光体の内のいず
れか3種の蛍光体について、それらのK吸収端エネルギ
−の大小順に並べた時、隣合う蛍光体間のK吸収端エネ
ルギーの差がそれぞれ10〜30keVの範囲内にある
ような蛍光体を選択する必要がある。
【0029】図1は、実施例1の増感紙の蛍光体層に用
いられる混合蛍光体のX線吸収係数を入射X線のエネル
ギーに対してプロットしたグラフであるが、図1からわ
かるように三種類の蛍光体を混合することによってX線
エネルギー差による蛍光体層の蛍光体の吸収差が少なく
なり、その結果上述のように得られる増感紙のコントラ
スト特性の線質依存性が小さくなる。
【0030】実施例3〜6 La2O2S:Tb 蛍光体10重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体(結合剤)1重量部及び酢酸エチル( 溶剤) を混
合し、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液をカ
ーボンブラックを練り込んだ厚さ250 μm のポリエチレ
ンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、ナイフ
コーターで乾燥後の蛍光体塗布重量が20mg/cm2となるよ
うにして均一に塗布し、支持体側蛍光体層を形成した。
次いでこの上にLa2O2S:Tb と同様に調合したGd2O2S:Tb
蛍光体塗布液を、乾燥後の蛍光体塗布重量が20mg/cm2
なるようにして塗布して中間部蛍光体層を形成した。更
にこの上に、La2O2S:Tb と同様に調合したGdTaO4:Tb 蛍
光体塗布液を乾燥後の蛍光体塗布重量が同じく20mg/cm2
となるようにして塗布し、表面側蛍光体層を形成した。
次に、この表面側蛍光体層上に厚さが12μm のポリエチ
レンテレフタレートフィルムからなる透明保護膜をラミ
ネートして複数の蛍光体層からなる実施例3の増感紙を
作製した。
【0031】さらに、支持体側蛍光体層、中間部蛍光体
層および表面側蛍光体層をそれぞれ表2に示した蛍光体
並びに蛍光体塗布重量とする以外は実施例3の増感紙と
同様にして実施例4、5及び6の増感紙を作製した。表
2は同じく実施例3〜6の増感紙について複数の蛍光体
層を構成する各蛍光体、それらのK吸収端、蛍光体塗布
重量、及び得られた各増感紙のコントラスト維持率及び
粒状性を示したものである。
【0032】表2に於いて実施例3〜6の増感紙と表1
に記載の比較例1〜5の増感紙との比較から分かるよう
に、増感紙の蛍光体層を複数の蛍光体層に積層した場合
も、夫々の蛍光体のK吸収端エネルギーが10〜30k
eV異なる三種類の蛍光体を用いたほうが得られる増感
紙のコントラスト維持率が高くなり、コントラスト特性
の線質依存性が小さかった。又、実施例3〜6の増感紙
と実施例1の増感紙との比較から分かるように、蛍光体
層の蛍光体が三種の蛍光体からなる場合も、これらを混
合して単一蛍光体層とするよりも夫々の蛍光体を別々の
蛍光体層として積層した方が得られる増感紙の粒状性が
より良好であった。
【0033】さらに、実施例3及び6の増感紙と実施例
4及び5の増感紙との比較からわかるように本発明のK
吸収端の異なる3層構造の増感紙において、蛍光体層の
構造を蛍光体層のベース側から増感紙がフィルムと接触
する表面側になるにつれX線K吸収端エネルギーが高い
元素を含有する蛍光体からなる蛍光体層を積層した多層
構造の増感紙は他の構造の増感紙に比べより粒状性が良
い事がわかる。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】 粒状性は±を基準とし、それよりも良好なものを+、悪
いものを−として、+の数が多いほど粒状性が良いこと
を表わす。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の増感紙はK
吸収端エネルギーが特定巾だけ異なる三種以上の複数の
蛍光体で構成したので写真画質、特にコントラストの線
質依存性を小さくすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の増感紙の蛍光体層の蛍光体を構成する
混合蛍光体のX線吸収特性を示すグラフである。
【図2】蛍光体の母体を構成する元素のX線吸収特性を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 正明 神奈川県小田原市成田1060番地 化成オ プトニクス株式会社 小田原工場内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 4/00 G03C 5/17

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に蛍光体層を形成してなる放射
    線増感紙において、該蛍光体層中の蛍光体がK吸収端エ
    ネルギーの異なる少なくとも三種の蛍光体からなり、そ
    れらの蛍光体の内のいずれか3種の蛍光体について、そ
    れらのK吸収端エネルギ−の大小順に並べた時、隣合う
    蛍光体間のK吸収端エネルギーの差がそれぞれ10〜3
    0keVの範囲内にあることを特徴とする放射線増感
    紙。
  2. 【請求項2】 前記蛍光体層が、積層した少なくとも三
    層の蛍光体層からなり、各蛍光体層がそれぞれK吸収端
    エネルギーの異なる蛍光体からなることを特徴とする請
    求項1に記載の放射線増感紙。
  3. 【請求項3】 前記少なくとも三層の蛍光体層が、より
    表面(発光を取り出す面)側の蛍光体層中の蛍光体ほど
    K吸収端エネルギーが高い蛍光体からなるように配列さ
    れていることを特徴とする請求項2に記載の放射線増感
    紙。
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