JP3129923B2 - ホブ盤の歯車仕上げ加工方法 - Google Patents

ホブ盤の歯車仕上げ加工方法

Info

Publication number
JP3129923B2
JP3129923B2 JP06285983A JP28598394A JP3129923B2 JP 3129923 B2 JP3129923 B2 JP 3129923B2 JP 06285983 A JP06285983 A JP 06285983A JP 28598394 A JP28598394 A JP 28598394A JP 3129923 B2 JP3129923 B2 JP 3129923B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
hob
rotation angle
processed
angle value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06285983A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08118144A (ja
Inventor
脩 水野
操 河本
薫 小林
Original Assignee
株式会社カシフジ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社カシフジ filed Critical 株式会社カシフジ
Priority to JP06285983A priority Critical patent/JP3129923B2/ja
Publication of JPH08118144A publication Critical patent/JPH08118144A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3129923B2 publication Critical patent/JP3129923B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gear Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】荒切り加工後、焼入硬化され
た被加工歯車を仕上げ加工するには、主として研削加工
が行われる。歯車研削盤は高価で加工時間が長く、歯車
研削加工はコストの高い加工法である。特に、小ピッチ
(モジュール1以下)の研削加工は砥石の成形が困難で
加工対象外となる。これらの加工法として超硬ホブ、サ
ーメットホブ等の高硬度歯車用ホブを用いて仕上げホブ
切り加工が行われる。この発明は、高精度歯車を低コス
トで得る歯車仕上げ加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】荒切り加工された被加工歯車を再びホブ
盤で仕上げホブ切り加工する場合、ホブの切り刃と被加
工歯車の歯みぞを位置合わせする必要がある。この方法
として、以下に示す方式が一般的に知られている。 1) マスターギヤ方式 被加工歯車とマスターギヤを常時かみ合わせた状態で被
加工歯車の加工を行い、ホブとマスターギヤの位相を保
つことで新しい被加工歯車とホブのかみ合わせを可能と
する。被加工歯車とマスターギヤを常時かみ合わさせな
い場合、数値制御装置等によりマスターギヤのかみ合い
位置を記憶させておき、マスターギヤと被加工歯車のか
み合わせ時に位置を再現させる方式が採られる。 2) 定位置設定式 被加工歯車を加工用治具に取り付ける際、歯みぞを固定
された定位置を基準に取り付け、この状態でホブとかみ
合うようセットする。ホブは任意の距離をシフトでき
ず、正確に1ピッチ分のシフトをしないとかみ合いの位
相がずれる。 3) 非接触式 工具と被加工歯車のかみ合い状態をCCDカメラ等によ
る画像入力装置からの画像をコンピュータで処理する画
像処理システムを用いたかみ合わせ方法等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】1)、2)方式の場合、最
初のホブと被加工歯車のかみ合わせ位置の決定は作業者
が手作業により正確な位置合わせを行う必要があり、こ
の作業がかみ合わせ精度に大きな影響を与える。1)方式
は被加工歯車に応じてマスターギヤが必要となり、正確
に加工されたマスターギヤと荒加工の被加工歯車のかみ
合わせで正確なかみ合わせを行うのは困難でかみ合い精
度は低くなる。1)、2)方式は共に自動化が困難である。
3)方式は高価で精密な機器を必要とし、小ピッチや種々
のハスバ歯車の加工やクーラント液を多量に注入する等
悪環境のホブ切り加工現場への導入には問題が多い。本
発明の目的は、極めて小ピッチから大ピッチに到る被加
工歯車の仕上げホブ切り加工におけるホブと被加工歯車
のかみ合わせを高精度で自動的に行え、自動化された生
産ラインで使用可能なホブ盤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明によれば、荒歯
切り加工済の被加工歯車を数値制御ホブ盤でホブ切り仕
上げ加工する方法において、ホブの切り刃と被加工歯車
の歯みぞをかみ合わせる前、センサを前記ホブと前記被
加工歯車間の創成の中心に配置し、前記ホブを回転さ
せ、前記ホブの切り刃のすくい面が前記創成の中心に達
したとき、前記センサによってそれを検出し、前記ホブ
をその位置で停止させ、次いで、前記ホブを適当量軸方
向シフトさせ、前記センサによって前記ホブの切り刃の
軸方向位置を検出し、その検出信号にもとづき、数値制
御装置によって前記創成の中心に対する前記切り刃の
方向位置のずれを演算し、その演算値を前記被加工歯車
の回転角度値に換算し、その換算値を第1回転角度値と
して使用し、さらに、前記被加工歯車を適当角度回転さ
せ、前記センサによって前記被加工歯車の歯みぞの回転
方向位置を検出し、その検出信号にもとづき、前記数値
制御装置によって前記創成の中心に対する前記歯みぞの
回転方向位置のずれを演算し、その演算値を前記被加工
歯車の回転角度値に換算し、その換算値を第2回転角度
値として使用し、前記第2回転角度値を前記第1回転角
度値に加え、その合計値だけ前記被加工歯車の角度位置
をずらせ、これによって前記ホブの切り刃と前記被加工
歯車の歯みぞを位置あわせすることを特徴とするホブ盤
の歯車仕上げ加工方法が提供される。
【0005】さらに、この発明の別の構成によれば、
歯切り加工済の被加工歯車を数値制御ホブ盤でホブ切り
仕上げ加工する方法において、ホブの切り刃と被加工歯
車の歯みぞをかみ合わせる前、センサを前記ホブと前記
被加工歯車間の創成の中心に配置し、前記ホブをその回
転基準位置から回転させ、前記ホブの切り歯のすくい面
が前記創成の中心に達したとき、前記センサによってそ
れを検出し、前記ホブをその位置で停止させるととも
に、数値制御装置によって前記ホブの回転角度値を求
め、次いで、前記ホブを適当量軸方向シフトさせ、前記
センサによって前記ホブの切り刃の軸方向位置を検出
し、その検出信号にもとづき、前記数値制御装置によっ
て前記創成の中心に対する前記切り刃の軸方向位置のず
れを演算し、その演算値および前記ホブの回転角度値を
前記被加工歯車の回転角度値に換算し、その換算値を第
1回転角度値として使用し、さらに、前記被加工歯車を
適当角度回転させ、前記センサによって前記被加工歯車
の歯みぞの回転方向位置を検出し、その検出信号にもと
づき、前記数値制御装置によって前記創成の中心に対す
る前記歯みぞの回転方向位置のずれを演算し、その演算
値を前記被加工歯車の回転角度値に換算し、その換算値
を第2回転角度値として使用し、前記第2回転角度値を
前記第1回転角度値に加え、その合計値だけ前記被加工
歯車の角度位置をずらせ、これによって前記ホブの切り
刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合わせし、前記被加
工歯車の仕上げ加工後、他の被加工歯車の仕上げ加工毎
に、その都度、前記センサによって前記被加工歯車の歯
みぞの回転方向位置を検出し、前記数値制御装置によっ
て前記創成の中心に対する前記歯みぞの回転方向位置の
ずれを演算し、その演算値を前記被加工歯車の回転角度
値に換算し、その換算値を前記第2回転角度値として使
用するとともに、前記ホブをあらかじめ軸方向シフトさ
せたとき、その軸方向シフト量を前記被加工歯車の回転
角度に換算し、その換算値をシフト量回転角度値とし
て使用し、前記第2回転角度値および前記シフト量回転
角度値を前記第1回転角度値に加え、その合計値だけ前
記被加工歯車の角度位置をずらせ、これによって前記ホ
ブの切り刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合わせする
ことを特徴とするホブ盤の歯車仕上げ加工方法が提供さ
れる
【0006】さらにまた、この発明の別の構成によれ
、前記ホブの軸方向熱膨張量を実加工データを基に設
定し、その軸方向熱膨張量を前記被加工歯車の回転角度
値に換算し、その換算値を熱膨張回転角度値とし、前記
第2回転角度値、前記シフト量回転角度値および前記熱
膨張回転角度値を前記第1回転角度値に加え、その合計
値だけ前記被加工歯車の角度位置をずらせ、これによっ
て前記ホブの切り刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合
わせする。
【0007】近年、超高速、高精度ホブ盤が開発され、
超硬ホブ等の性能を充分発揮できる高い加工条件が設定
できる。これで高硬度歯車の仕上げホブ切り加工を短時
間で行える大量生産方式に適した加工法が可能となっ
た。仕上げ加工用ホブの高寿命と高い加工条件で安定し
た加工を行うためには可能な限り少ない仕上げ加工代が
被加工歯車に望まれる。このためワーク支持軸に取り付
けられた被加工歯車の歯みぞ位置とホブ軸に取り付けら
れたホブの切り刃位置を自動的に早く正確に検出し、常
に最適な位置合わせを行うことが高精度で自動的に安定
した加工を行う条件となる。本発明においては、ホブの
切り刃および被加工歯車の歯みぞそれぞれの左右歯面位
置を非接触型変位検出ヘッド、たとえば渦電流損検出器
を用いて一定の検出ライン上での位置を検出し、該検出
ライン上での基準寸法に対するずれ量を数値制御装置で
ワーク軸の回転角度に演算し、該回転角度をワーク軸の
原点からの補正角度とし、ホブ軸に対するワーク軸の回
転開始位置角度をずらせることにより歯合わせを行う。
また、加工中においてホブの切り刃位置は指示されて移
動し、次々と新しい切り刃に変わる。さらに、機械の運
転発熱による機械構造物の熱変位がホブ軸の軸方向に及
ぼす変位量をも含んだ正しい切り刃位置を検出する。本
発明では、ホブ切り刃と被加工歯車歯みぞそれぞれの位
置を検出することで常に正確な歯合わせを行うことがで
きる。
【0008】
【発明の作用】ホブ盤で加工する被加工歯車は平歯車と
ハスバ歯車が最も多い。ホブはホブ軸と被加工歯車軸
(以下ワーク軸と呼ぶ)の共通接線のところで最も深く
切り込み、その左右に歯形創成領域が存在し、ホブ軸と
ワーク軸の共通垂線が創成の中心となる。ホブの切り刃
と被加工歯車の歯みぞを歯合わせするには、平歯車の場
合、ホブの創成の中心の切り刃に対し被加工歯車の歯筋
方向では任意の位置での歯みぞの位置検出で歯合わせは
成立する。しかし、ハスバ歯車の場合、ホブの創成の中
心の切り刃を検出した同位置での被加工歯車の歯筋位置
で歯みぞを検出しなければ歯合わせは成立しない。前記
により非接触型変位検出ヘッドは位置検出時ホブの旋回
中心位置に配置され、検出終了後は切削加工を妨げない
位置に移動する。ホブの旋回中心位置におけるホブの切
り刃および被加工歯車の歯みぞのそれぞれ左歯面、右歯
面の位置が対称距離にある時、最適な歯合わせ位置状態
にある。本発明では、前記左歯面、右歯面の位置を検出
し、最適な歯合わせ位置に対する検出値のずれ量を数値
制御装置でワーク軸の回転角度に演算し、ワーク軸回転
開始時に該回転角度をずらせた後、ホブ軸とワーク軸の
同期回転を始めホブ切り加工が開始する。本発明は、ワ
ーク軸に被加工歯車をその歯みぞ位置が取り付け位置に
何等制約なくランダムに取り付けられ、さらに、ホブは
軸方向に任意量シフトされた状態においてまず歯合わせ
用位置検出を行い、次いで、歯合わせを行う。歯合わせ
の工程が終了後、ホブ軸とワーク軸の同期回転が開始
し、被加工歯車を仕上げるために設定された加工条件
(切削速度、切込深さ、ホブ送り速さ等の通常のホブ切
り加工時に設定される条件)に従いホブ切り加工工程を
行う。前記歯合わせ工程とホブ切り加工工程の一連のホ
ブ切り加工サイクルを数値制御装置のプログラム指令と
して構成し、自動化したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】図1に本発明を実施するホブ盤の
概略図を示す。1はホブを支承するホブ軸、3は回転テ
ーブルでワークを支承し、ワーク軸2を中心に回転す
る。ホブ軸1とワーク軸2を数値制御装置により同期回
転制御することで歯車創成運動を行い、さらに、ホブ軸
をワーク軸の軸方向Zに送ることで歯車の切削加工を行
う。図2、図3、図4に本発明歯合わせ装置の実施例を
示す。旋回軸Sを中心に旋回可能に支承されたホブヘッ
ド4内にホブ軸を構成するホブシフト台5がY方向にシ
フト可能に支持されている。歯合わせ装置6はホブヘッ
ド4に設置され、非接触形変位検出センサーヘッド9を
先端部のヘッド支持部6aに取り付けられている。セン
サーヘッド9の中心は、ホブ切り刃および被加工歯車歯
みぞ検出作用時にはホブヘッド4の旋回中心位置に設定
される。回転アクチュエータ7は歯合わせ装置を、歯合
わせ検出作業時以外は旋回させて歯切り加工に支障なき
位置に逃がせる。回転アクチュエータ8はホブHの切り
刃と、被加工歯車Wの歯みぞを交互に検出できるようヘ
ッド支持部6aを180度旋回できる。さらに、歯合わ
せ装置支台6bはサーボ駆動等で位置決め機能を有する
駆動源でホブ軸とワーク軸間を移動できる。図3は図2
の上視図である。図4に示すように、歯合わせ装置6’
をサポート11に設置してもよい。次に、本装置の作用
を説明する。
【0010】ホブ軸に高硬度歯車加工用超硬ホブ等のホ
ブHを取り付け、回転テーブル3上に歯切り加工治具1
0および荒歯切り加工後熱処理硬化等の工程を経て仕上
げホブ切り加工を行う被加工歯車Wを取り付ける。次
に、歯合わせ装置6の回転アクチュエータ7の作動によ
り逃げ位置にあったセンサーヘッド9が歯合わせ検出位
置のホブヘッド旋回中心位置に移動する。次いで、検出
ヘッドとホブ切り刃間にあらかじめ設定された測定検出
に必要な位置まで接近する。ホブ切り刃の位置検出動作
はホブHの軸方向の切り始め位置を設定するため、あら
かじめ設定された位置までホブシフト台5がY方向に移
動する。次に、ホブ軸駆動モーターMB (以下、図9に
記載)が低速で回転し、ホブをゆっくり回転させ(約1
RPM位の速さ)、ホブがその回転基準位置(1回転信
号検出位置)に達したとき、ホブ回転信号検出スイッチ
によってそれを検出し、ホブをその位置で停止させ、
ジションコーダのカウント値を0リセットした後、ホブ
前記回転数で再度回転させ、ポジションコーダのパル
ス数をカウント開始する。そして、ホブの切り刃のすく
い面が創成の中心に達したとき、検出ヘッド(センサ)
によってそれを検出し、ホブをその位置で停止させ、
ルスカウント数をプログラムシーケンサー(PMC)よ
り数値制御装置(NC)に指令し、回転基準位置(1回
転信号検出位置)からのホブの回転角度Δθを求める
(図7)。回転角度Δθを求める理由はホブ切り仕上げ
加工するとき、通常ホブが一旦回転基準位置(1回転信
号検出位置)に戻されるため、演算にあたって、その戻
り角度を考慮する必要があるからである。ホブの切り刃
はねじ状で切り刃面が円周方向に等分に刻まれてあり、
1回転で歯車の1歯を創成する運動を行うから検出ヘッ
ドが検出した切り刃が最も創成の中心に近い切り刃とな
り被加工歯車の刃溝に位置合わせする切り刃となる(図
5)。次に、この位置からY軸モータMY を駆動し、
ブを適当量軸方向シフトさせ、検出ヘッドによって図8
の検出ラインと切り刃の両エッジとの交点を検出し、各
交点までの距離Y1,Y2を測定する。これによってホ
ブの切り刃の軸方 向位置を検出するものである。さら
に、距離Y1,Y2の大きさを変位計コントローラ部で
電圧値に変換し、コンパレータに出力する。コンパレー
タの設定電圧値での信号出力を数値制御装置のスキップ
信号とし、数値制御装置の高速スキップ機能で信号出力
時の軸座標値を読み取り、創成の中心と切り刃の中心と
のズレ量ΔYを演算する。これでホブHの軸方向切り始
め位置における切り刃位置設定のためのデータを得る。
ΔYの距離をY方向にシフトさせれば切り刃の位置は得
られるが、ホブのシフト距離を最大限有効に設定するた
めには、これを考慮し、最初に設定した軸方向切り始め
位置を移動させない方がよりよい。このため、前記得ら
れたホブ軸のY方向変位量に相当する補正回転をワーク
軸(C軸)に与える。C軸の回転角度値Yθは、 Yθ={360×(ΔY/Pa)+Δθ}/Z ΔY=軸方向切り始め位置における創成の中心に対する
切り刃中央のズレ Pa:ホブのアキシャルピッチ Δθ:検出した回転方向の角度 Z:被加工歯車の歯数
【0011】次に被加工歯車の歯みぞ位置の検出動作は
図3のセンサーヘッド9が回転アクチュエータ8の作動
により180度旋回し、センサーヘッド9と被加工歯車
Wの歯の間にあらかじめ設定された測定検出に必要な位
置まで接近する。次いで、回転テーブル3が低速にて左
回転および右回転し、それぞれ特定円ライン上に片側歯
面の交差する点を検出し、前記ホブ切り刃位置検出時と
同じ検出回路により数値制御装置で前記特定円ライン上
の座標値(角度)θ1、θ2を読み取る(図6)。これ
によって被加工歯車の歯みぞの回転方向位置を検出する
ものである。読み取った角度値はC軸の回転角度値であ
るため、図6においてθ1>θ2の場合、(θ1−θ
2)/2=CθでCθが被加工歯車Wの円周上のズレ量
に相当する補正回転角度となる。前記Yθ値とCθ値の
和をワーク軸(C軸)の初期位置よりずらせることで新
しいホブによる初期歯合わせ設定が完了する。次いで、
ホブ軸とワーク軸の同期回転指令によりホブ切り加工工
程に入る。同一ホブで順次加工継続されるが、新しい被
加工歯車が取り付けられる度に、センサーヘッド9によ
り前記歯みぞ位置検出を行い、前記補正回転角度Cθを
ワーク軸(C軸)に設定する。ホブは切削による切り刃
摩耗が過大にならぬよう1個加工毎に軸方向にシフトす
るか、同一位置で複数個切削、切削後軸方向にシフト
し、新しい切り刃を使用することを選択して使用され
る。ホブシフトはY軸サーボモータによりホブの軸方向
移動量を正確に確認できるため、数値制御装置内部でY
θの値を演算し、シフト毎に補正回転角度Yθを設定す
る。
【0012】さらに、ホブ切り作業においては、ホブと
被加工歯車間の切削熱および伝動系の発熱等はさけ得な
い。連続作業におけるこれら熱源の発熱が機械構造物に
与える熱変位量は作業時間の経過に比例し大きな値とな
り、ホブ軸の軸方向の変位量としても表れる。被加工歯
車の仕上げ加工代が充分に大きければ、ホブ軸の熱変位
量を吸収できることも可能であるが、仕上げ工具の寿命
および仕上がり精度の均一性を求める等にはなるべく少
ない仕上げ代で加工できることが望ましい。このため、
あらかじめ種々の加工条件により発生する熱変位でホブ
軸軸方向に生じる変位量のデータを収集し、パターン化
したデータ値を前記ホブシフト時にシフト量に補正する
プログラムを作製し、このプログラム指令によりYθの
値を設定する。 Yθ=〔{360×(ΔY/Pa)}/Z〕±δ(Δθ
=初期以外は0となる) ±δ:補正データ値 歯合わせ精度を高めるには1度しか測定しないYθを加
工中複数回行うこともできる(一定のインターバルで行
う)。加工サイクルタイムが増す欠点がある。ホブ切り
刃とワーク歯みぞをそれぞれ検出する引例としている
が、ホブ切り刃溝およびワーク歯山を検出するとしても
よい。
【0013】
【発明の効果】焼入れ硬化された歯車の仕上げ加工には
歯車研削加工が行われるが、高硬度歯車用ホブを用いた
ホブ切りによる歯車仕上げ加工が実用化の途にあり、特
に小ピッチ歯車の仕上げ加工法として低コスト、短加工
時間で歯車研削に近い加工精度を得られる利点を有して
いる。本加工法を生産ラインで活用するには、短時間で
正確なホブ切り刃と被加工歯車の歯みぞの歯合わせを含
む自動ホブ切り加工サイクルを確立する必要がある。本
発明では、歯合わせ用の位置検出器に非接触型の変位計
を用い、ホブの切り刃位置と被加工歯車の歯みぞ位置を
それぞれ検出するため歯合わせ精度が高く、さらに、ホ
ブ軸の熱変位による歯合わせ精度低下を無くしているた
め、被加工歯車の少ない仕上げ加工代においても常に位
置ずれを生じることなく、正しく左、右両歯面の仕上げ
加工が行え、歯合わせのための位置検出から歯合わせま
で全てプログラム指令により数値制御装置で処理するた
め、極めて短時間での歯合わせ工程となり、タクトタイ
ムの短い生産ラインに採用できる自動仕上げホブ切り可
能サイクルが行えるホブ盤が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するホブ盤の概略的正面図であ
る。
【図2】本発明に適用される歯合わせ装置の実施例を示
す概略的正面図である。
【図3】図2に示す実施例装置の概略的平面図である。
【図4】本発明に適用される歯合わせ装置をサポート1
1に設置した場合を示す概略的平面図である。
【図5】本発明に適用される歯合わせ装置において、ホ
ブ切り刃の位置検出並びに被加工歯車の歯みぞの位置検
出を説明するための説明図である。
【図6】特定円ライン上の座標値θ1、θ2から補正回
転角度Cθを検出する態様を説明するための説明図であ
る。
【図7】ホブ回転方向の切り刃検出の態様を説明するた
めの説明図である。
【図8】ホブシフト開始位置におけるホブ切り刃検出の
態様を説明するための説明図である。
【図9】本発明に適用される歯合わせ装置についての制
御システムを示すブロック線図である。
【符号の説明】
1 ホブ軸 2 ワーク軸 3 回転テーブル 4 ホブヘッド 5 ホブシフト台 6、6’ 歯合わせ装置 9 センサーヘッド H ホブ W 被加工歯車 S 旋回軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−249525(JP,A) 特開 平7−148617(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23F 1/00 - 23/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 荒歯切り加工済の被加工歯車を数値制御
    ホブ盤でホブ切り仕上げ加工する方法において、ホブ
    切り刃と被加工歯車の歯みぞをかみ合わせる前、センサ
    を前記ホブと前記被加工歯車間の創成の中心に配置し
    記ホブを回転させ、前記ホブの切り刃のすくい面が前
    記創成の中心に達したとき、前記センサによってそれを
    検出し、前記ホブをその位置で停止させ、次いで、前記
    ホブを適当量軸方向シフトさせ、前記センサによって前
    記ホブの切り刃の軸方向位置を検出し、その検出信号に
    もとづき、数値制御装置によって前記創成の中心に対す
    前記切り刃の軸方向位置のずれを演算し、その演算値
    を前記被加工歯車の回転角度値に換算し、その換算値を
    第1回転角度値として使用し、さらに、前記被加工歯車
    を適当角度回転させ、前記センサによって前記被加工歯
    車の歯みぞの回転方向位置を検出し、その検出信号にも
    とづき、前記数値制御装置によって前記創成の中心に対
    する前記歯みぞの回転方向位置のずれを演算し、その演
    算値を前記被加工歯車の回転角度値に換算し、その換算
    値を第2回転角度値として使用し、前記第2回転角度値
    を前記第1回転角度値に加え、その合計値だけ前記被加
    工歯車の角度位置をずらせ、これによって前記ホブの切
    り刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合わせすることを
    特徴とするホブ盤の歯車仕上げ加工方法。
  2. 【請求項2】 荒歯切り加工済の被加工歯車を数値制御
    ホブ盤でホブ切り仕上げ加工する方法において、ホブの
    切り刃と被加工歯車の歯みぞをかみ合わせる前、センサ
    を前記ホブと前記被加工歯車間の創成の中心に配置し、
    前記ホブをその回転基準位置から回転させ、前記ホブの
    切り歯のすくい面が前記創成の中心に達したとき、前記
    センサによってそれを検出し、前記ホブをその位置で停
    止させるとともに、数値制御装置によって前記ホブの回
    転角度値を求め、次いで、前記ホブを適当量軸方向シフ
    トさせ、前記センサによって前記ホブの切り刃の軸方向
    位置を検出し、その検出信号にもとづき、前記数値制御
    装置によって前記創成の中心に対する前記切り刃の軸方
    向位置のずれを演算し、その演算値および前記ホブの回
    転角度値を前記被加工歯車の回転角度値に換算し、その
    換算値を第1回転角度 値として使用し、さらに、前記被
    加工歯車を適当角度回転させ、前記センサによって前記
    被加工歯車の歯みぞの回転方向位置を検出し、その検出
    信号にもとづき、前記数値制御装置によって前記創成の
    中心に対する前記歯みぞの回転方向位置のずれを演算
    し、その演算値を前記被加工歯車の回転角度値に換算
    し、その換算値を第2回転角度値として使用し、前記第
    2回転角度値を前記第1回転角度値に加え、その合計値
    だけ前記被加工歯車の角度位置をずらせ、これによって
    前記ホブの切り刃と前記被加工歯車の歯みぞを位置合わ
    せし、前記被加工歯車の仕上げ加工後、他の被加工歯車
    の仕上げ加工毎に、その都度、前記センサによって前記
    被加工歯車の歯みぞの回転方向位置を検出し、前記数値
    制御装置によって前記創成の中心に対する前記歯みぞの
    回転方向位置のずれを演算し、その演算値を前記被加工
    歯車の回転角度値に換算し、その換算値を前記第2回転
    角度値として使用するとともに、前記ホブをあらかじめ
    軸方向シフトさせたとき、その軸方向シフト量を前記被
    加工歯車の回転角度に換算し、その換算値をシフト量
    回転角度値として使用し、前記第2回転角度値および前
    記シフト量回転角度値を前記第1回転角度値に加え、そ
    の合計値だけ前記被加工歯車の角度位置をずらせ、これ
    によって前記ホブの切り刃と前記被加工歯車の歯みぞを
    位置合わせすることを特徴とするホブ盤の歯車仕上げ加
    工方法。
  3. 【請求項3】 前記ホブの軸方向熱膨張量を実加工デー
    タを基に設定し、その軸方向熱膨張量を前記被加工歯車
    の回転角度値に換算し、その換算値を熱膨張回転角度値
    とし、前記第2回転角度値、前記シフト量回転角度値お
    よび前記熱膨張回転角度値を前記第1回転角度値に加
    え、その合計値だけ前記被加工歯車の角度位置をずら
    せ、これによって前記ホブの切り刃と前記被加工歯車の
    歯みぞを位置合わせすることを特徴とする請求項2に記
    載の歯車仕上げ加工方法。
JP06285983A 1994-10-25 1994-10-25 ホブ盤の歯車仕上げ加工方法 Expired - Fee Related JP3129923B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06285983A JP3129923B2 (ja) 1994-10-25 1994-10-25 ホブ盤の歯車仕上げ加工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06285983A JP3129923B2 (ja) 1994-10-25 1994-10-25 ホブ盤の歯車仕上げ加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08118144A JPH08118144A (ja) 1996-05-14
JP3129923B2 true JP3129923B2 (ja) 2001-01-31

Family

ID=17698504

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06285983A Expired - Fee Related JP3129923B2 (ja) 1994-10-25 1994-10-25 ホブ盤の歯車仕上げ加工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3129923B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001298901A (ja) * 2000-04-10 2001-10-26 Mitsubishi Electric Corp ギャードモータ
CN100429012C (zh) * 2006-11-23 2008-10-29 重庆工学院 挤齿加工自动对齿***
JP4865579B2 (ja) 2007-02-06 2012-02-01 三菱重工業株式会社 歯合わせ装置及び歯車加工機械
JP4713554B2 (ja) * 2007-08-21 2011-06-29 株式会社カシフジ ホブ盤及びその位相判別方法
JP6979756B2 (ja) * 2016-03-07 2021-12-15 セイコーインスツル株式会社 歯車加工装置、及び歯車加工方法
JP7167631B2 (ja) * 2018-10-30 2022-11-09 株式会社ジェイテクト 工作機械及び工作機械を用いた歯車加工方法
CN115194262B (zh) * 2022-07-19 2023-12-01 盐城川洋机械制造有限公司 一种螺旋伞齿轮高效制造机

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08118144A (ja) 1996-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4475319A (en) Process for machining a worm-type workpiece with a worm-type tool
JP4475817B2 (ja) 機械加工前のギヤ等の歯付き被加工物を機械加工する方法および装置
AU708931B2 (en) Method of and apparatus for truing cutter heads
US20190076945A1 (en) Method for producing a removal of material on a tooth end edge and device designed therefor
JP2001030112A (ja) 歯車の研削時に加工および製品素材特性を自動的に測定する方法および装置
JP3129923B2 (ja) ホブ盤の歯車仕上げ加工方法
JP3919226B2 (ja) 機械加工のための加工物を評価する方法
US20030204287A1 (en) Machining error correction method adapted for numerically controlled machine tool and grinding machine using the same
US5343626A (en) Method for measuring gears and system for machining and measuring gears
JPH0132011B2 (ja)
JP7469466B2 (ja) 工作機械の制御装置、制御システム
JPH02139117A (ja) Nc歯車研削方法とnc歯車研削盤用ギャップエリミネータ
US4902175A (en) Method and apparatus for determining the angular position of a workpiece and positioning the same
JPH04189418A (ja) 歯車の仕上加工装置
JPS5877450A (ja) アンギユラ研削盤における砥石修正装置
US4657447A (en) Method for determining the angular position of a workpiece and positioning the same
JPH09174330A (ja) 歯車研削装置における自動歯合せ装置
JP6979756B2 (ja) 歯車加工装置、及び歯車加工方法
JPH02198712A (ja) 歯車測定機能付き歯車加工機
JP4517091B2 (ja) 同期駆動による歯車仕上げ加工方法
JP4635143B2 (ja) 同期駆動による歯車仕上げ加工方法
JPS6125501B2 (ja)
JP3257295B2 (ja) カム形状の加工装置
JPH04336915A (ja) Nc装置の歯合わせ方法
JPH0957624A (ja) 内歯車形ハードギヤホーニングのドレス方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees