JP3128912B2 - 圧電素子の製造方法 - Google Patents

圧電素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層型圧電アクチュエ
ータなどに用いられる圧電素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電磁力を利用したアクチュエータ
に代わって、例えば特開昭62−291187号公報、
実開昭64−30865号公報などに開示されているよ
うに、圧電効果を利用した圧電アクチュエータが開発さ
れている。この圧電アクチュエータは発熱が少なく、ま
た小型で高速駆動が可能なため、各種の機械的駆動素子
として極めて有望である。ただ圧電効果による機械的変
位は本質的に極めて小さいので、大きな変位量を得るた
めに板状の圧電素子と電極板とを交互に多重に積層し絶
縁保護層で被覆された構造の圧電積層体として提供され
ている。
【0003】上記圧電素子の材質としては、チタン酸ジ
ルコン酸鉛(PZT)が代表的である。そしてPZT系
圧電素子を製造するには、少なくとも酸化チタン粉末、
酸化ジルコニウム粉末及び酸化鉛粉末を所定の比率で混
合して仮焼し、仮焼物を粉砕・造粒後、公知の方法で板
状の成形体を形成し、その後焼結する方法が一般的であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、積層型圧電
アクチュエータを例えば自動車のエンジン制御部品など
に応用する場合、高荷重での高速作動に耐える必要があ
り、アクチュエータを構成するそれぞれの圧電素子には
圧電特性に加えて高い機械的強度が要求される。また積
層型圧電アクチュエータを構成する複数枚の圧電素子の
うち、1枚でも破損するとアクチュエータとしての機能
が得られなくなる場合がある。したがって圧電素子の機
械的強度のばらつきは小さいほど好ましく、品質管理項
目としては平均強度よりもむしろ最低強度の値の方が重
要である。
【0005】ところが上記した方法で製造された圧電素
子には、内部に50μm以上の粗大なポアが存在する場
合があった。この粗大ポアは、電気的特性面では問題と
ならないが機械的強度の低下の原因となる。またこの粗
大ポアは、上記方法で製造された圧電素子100枚中に
20〜50枚程度の頻度で存在することがわかってい
る。そのため上記方法で製造される圧電素子は、機械的
強度のばらつきが大きく最低強度が平均強度よりかなり
低いものもある。なお、この粗大ポアは、焼結途中の粒
成長に伴い、内部の空孔が集合して形成されるものと考
えられている。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、圧電素子の製造時に粗大ポアの発生を防止
して機械的強度のばらつきを小さくし、最低強度を向上
させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の圧電素子の製造方法は、圧電原料を均一に混合して
原料粉末とする混合工程と、原料粉末から成形体を形成
する成形工程と、成形体を焼結する焼結工程と、からな
る圧電素子の製造方法において、成形体は平均粒径が
0.1μm以下の粒状シリカが0.02〜0.1重量%
の含有量で均一に分散して含有された状態で焼結される
ことを特徴とする。
【0008】粒状シリカの粒径は小さい程好ましく、平
均粒径が0.1μmを超えると粗大ポアの発生率が著し
く高くなる。0.1μm以下とすることにより、粗大ポ
アの発生率を極めて低く抑制することができる。また粒
状シリカの含有量が0.02重量%未満となると粗大ポ
アの発生を抑制する作用が得られず、0.1μmを超え
て含有すると粗大ポアの発生は抑制されるが圧電特性な
どの電気的特性が極端に低下する。
【0009】なお、粒状シリカは原料粉末にシリカ粉末
を添加してもよいし、シリコンアルコキシドから加水分
解により沈澱させて含有させることもできる。後者の方
法によれば、極めて粒径の小さい粒状シリカを容易に含
有させることができる。
【0010】
【作用】本発明の圧電素子の製造方法では、成形体中に
粒径が0.1μm以下の粒状シリカが0.02〜0.1
重量%の含有量で均一に分散して含有されている。この
状態で成形体が焼結されることにより、粗大ポアの発生
が抑制される。このようになる理由は不明であるが、焼
結時に原料粉末粒子間にシリカの薄い膜が形成され、原
料粉末の移動が一層容易となるため、空孔の粗大ポアへ
の発展が防止されるものと推察される。
【0011】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1) <混合工程>2価元素に対して鉛:86mol%、スト
ロンチウム:14mol%、4価元素に対してジルコニ
ウム:56mol%、チタン:43mol%及びニオ
ブ:1mol%の組成となるように各原料を秤量し、ボ
ールミルで混合した後800℃で2時間仮焼した。
【0012】仮焼物に対して、平均粒径0.02μmの
超微粒シリカ粉末を0.4重量%添加し、水とともにボ
ールミルで再び粉砕・混合して原料粉末とした。 <成形工程>上記原料粉末90重量部に対して、それぞ
れ10重量部のポリビニルアルコール水溶液(濃度2重
量%)を加えて混合した。これを乾燥させ、篩いに通し
た後造粒を行った。得られた造粒粉をそれぞれ直径20
mm、厚さ10mmのキャビティをもつ金型に投入し、
1ton/cm2 の圧力でプレスして円板状成形体を得
た。 <焼結工程>得られた成形体を、1200℃で4時間加
熱して焼結した。そして焼結体を厚さ0.5mmに研磨
して圧電素子を得た。 <試験例1>得られた圧電素子100個について、透過
X線により内部の直径50μm以上の粗大ポアの有無を
調査した。そして粗大ポアの存在率を算出し、結果を図
1に示す。なお、仮焼物への超微粒シリカ粉末の添加量
を0〜0.2重量%の範囲で変化させたこと以外は同様
にしてそれぞれの圧電素子を製造し、同様に粗大ポアの
存在率を算出した結果を合わせて図1に示す。
【0013】図1より、シリカ粉末の添加量が0.02
重量%以上であれば粗大ポア存在率が約5%以下とな
り、シリカ粉末の添加が粗大ポアの発生を抑制している
ことが明らかである。 <試験例2>上記で得られたそれぞれの圧電素子を、厚
さ1mmまで研磨し両面に銀ペーストを印刷後焼き付け
て銀電極を形成した。そして80℃のシリコーンオイル
中で2kv/mmの直流電界を印加して分極し、電気機
械結合係数Kpを測定した。結果を図2に示す。
【0014】図2より、シリカ粉末の添加量が増大する
につれてKp値が低下し、特に添加量が0.1重量%を
超えると急激に低下していることが明らかである。した
がって図1及び図2より、シリカ粉末の添加量は0.0
2〜0.1重量%の範囲が最も有効であることが明らか
である。 <試験例3>0.02〜4.8μmの範囲の平均粒径を
もつシリカ粉末を、仮焼物に対して0.05重量%添加
したこと以外は上記と同様にしてそれぞれの圧電素子を
製造し、試験例1と同様に粗大ポアの存在率を算出し
た。また試験例2と同様にKp値を測定した。結果を図
3に示す。
【0015】図3より、シリカ粉末の粒径が大きくなる
と、Kp値には影響がないが粗大ポアの存在率が大きく
なっていることがわかる。特に、粒径が0.1μmを超
えると粗大ポアの存在率が2%以上と急激に大きくなっ
ていることから、シリカ粉末の粒径は0.1μm以下と
小さくすることが必要である。 <試験例4>試験例1において、シリカ粉末の添加量が
0.05重量%のものと0重量%のものを選び、それぞ
れ100個ずつJIS規格に準じて3点曲げ強度を測定
した。結果を図4に示す。図4より、本発明の製造方法
により得られた圧電素子は、シリカを含有しない従来の
圧電素子に比べて強度が平均で約10%向上し、最低強
度も約20MPa向上していた。 (比較例1)シリカ粉末として平均粒径が2.5μmの
市販の無水ケイ酸を用いたこと以外は実施例1と同様に
圧電素子を製造し、試験例1と同様に添加量を0〜0.
2重量%の範囲で変化させて同様に試験を行った。結果
を図1に示す。
【0016】図1より、シリカ粉末の粒径が2.5μm
と大きい場合には、0.1重量%以上の添加によりよう
やく粗大ポアの抑制効果が現れ、実施例1と同等とする
には0.2重量%以上の添加が必要である。しかし図2
より、0.2重量%以上の添加ではKp値が大きく低下
し、圧電素子としての使用は困難である。 (実施例2)混合工程において、仮焼物に対してシリカ
粉末の代わりにシリコンアルコキシドを添加したこと以
外は実施例1と同様である。なお、シリコンアルコキシ
ドはエチルアルコールで30重量%の濃度に希釈したも
のを用い、シリコンアルコキシド量が実施例1の試験例
1と同量となるようにメスピペットを用いて添加した。
【0017】シリコンアルコキシドはボールミル中で水
により加水分解を受け、微細なシリカとなって析出す
る。このとき同時に粉砕・混合を受け、原料粉末中に均
一に分散される。得られた圧電素子について実施例1と
同様に試験したところ、平均粒径0.02μmのシリカ
粉末を用いた場合と全く同一の結果が得られた。すなわ
ちシリコンアルコキシドを用いることは、平均粒径0.
02μmのシリカ粉末を用いたことに相当し、微細で取
扱い作業が困難なシリカ粉末を用いるのに比べて作業性
が著しく向上するという利点がある。
【0018】
【発明の効果】すなわち本発明の圧電素子の製造方法に
よれば、粗大ポアの発生を確実に抑制することができ、
圧電素子の機械的強度が向上し最低強度値が上昇すると
ともに強度のばらつきが小さくなる。また電気的特性の
低下もない。したがって本発明で製造された圧電素子か
ら形成された積層型圧電アクチュエータは、高い強度を
有し長寿命となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリカ粉末添加量と粗大ポアの発生率との関係
を示すグラフである。
【図2】シリカ粉末添加量と電気機械結合係数との関係
を示すグラフである。
【図3】シリカ粉末の平均粒径と粗大ポアの発生率及び
電気機械結合係数との関係を示すグラフである。
【図4】本発明で得られた圧電素子と従来の圧電素子の
曲げ強度を比較するグラフである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電原料を均一に混合して原料粉末とす
    る混合工程と、該原料粉末から成形体を形成する成形工
    程と、該成形体を焼結する焼結工程と、からなる圧電素
    子の製造方法において、 該成形体は平均粒径が0.1μm以下の粒状シリカが
    0.02〜0.1重量%の含有量で均一に分散して含有
    された状態で焼結されることを特徴とする圧電素子の製
    造方法。
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