JP3128198U - 傾斜地拡幅構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】外観を良好に維持することができる発泡樹脂ブロックによる傾斜地拡幅構造物を提供すること。
【解決手段】一端が傾斜地2の傾斜面に沿い、かつ、傾斜地と反対側の端面が鉛直に揃うように発泡樹脂ブロック7,8を積み上げ、隣接する前記発泡樹脂ブロックを連結具16で互いに結合して発泡樹脂ブロック積層体5を構築するとともに、前記発泡樹脂ブロックの前記傾斜地と反対側の端面に保護板9を配設して保護面を形成してなる傾斜地拡幅構造物1において、前記発泡樹脂ブロック積層体5を構成する最下段の前記発泡樹脂ブロック7b,8bまたは該最下段の前記発泡樹脂ブロックを含む複数段の前記発泡樹脂ブロック7b,8bの圧縮強度を、それらの前記発泡合成樹脂の上部に位置する前記発泡樹脂ブロック7a,8aの圧縮強度よりも高くしたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本考案は、道路,鉄道,土地造成などを傾斜地に構築する場合の傾斜地拡幅構造物に関するものである。
道路,鉄道,土地造成などの土木,建築分野の工事において、発泡樹脂ブロックを積み上げることによって、傾斜地拡幅構造物を構築することが行なわれている(例えば、特許文献1または特許文献2)。
特許第3771436号公報(図1〜図3、図5〜図7または図9参照) 特開2005−207108号公報(図1または図2参照)
特許文献1に開示された軽量盛土構造物(傾斜地拡幅構造物)は、基礎コンクリートを打設し、その基礎コンクリートにH鋼杭を立設し、それによって形成された前面壁と背面傾斜地との空所に、発泡樹脂ブロックを盛土材として積み上げたものである。
これに対して、特許文献2に開示された傾斜地拡幅構造物は、傾斜地に沿って発泡樹脂ブロックを積み重ね、かつ、上下に位置する発泡樹脂ブロックをピン等の連結具によって互いに連結することによって、上下に位置する発泡樹脂ブロックどうしの滑りを防止し、もって、H鋼杭等によって構成された前面壁を不要としたものである。
但し、この傾斜地拡幅構造物では、発泡樹脂ブロックの傾斜地と反対側の端面がむき出しの状態となるため、その端面に保護板を形成する必要がある。この保護板は、軽量モルタル板等の保護板を発泡樹脂ブロックの端面に配設することによって構成される。
ところで、発泡樹脂ブロックによって構成される傾斜地拡幅構造物では、その上部に路面等の舗装部がアスファルト,コンクリート,砂利,土砂,土等によって形成されるため、該舗装部の重量および上段の発泡樹脂ブロックの重量等によって下段の発泡樹脂ブロックは少なからず圧縮される。特に、傾斜地拡幅構造物の高さが相当に高い場合や、傾斜地の傾斜角が大きい場合、または舗装部が厚くなると、その重量によって下段、特に最下段を構成する発泡樹脂ブロックの圧縮量は大きなものとなる。
この場合、H鋼杭等によって構成された前面壁を有する特許文献1等に開示された工法においては、この発泡樹脂ブロックの圧縮はさほど問題とならないが、発泡樹脂ブロックを順次連結しながら積み重ね、発泡樹脂ブロックの端面に配設された保護板によって保護面を形成する特許文献2等に開示された工法のものにあっては、この発泡樹脂ブロックの圧縮よって、上下の保護板どうしの間隙(目地部)が、傾斜地拡幅構造物の上段のものに較べて下段のものが著しく小さくなり、外観が損なわれる虞があった。また、発泡樹脂ブロックの圧縮が著しい場合には、上下の保護板どうしが圧接し、保護板を損傷する虞もあった。
本考案は、上述した背景技術が有する実情に鑑みて成されたものであって、下段、特に最下段の発泡樹脂ブロックへの圧縮量を減らすことができ、また、保護板の損傷を減らすばかりでなく、外観を良好に維持することができる発泡樹脂ブロックによる傾斜地拡幅構造物を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するため、請求項1の傾斜地拡幅構造物は、一端が傾斜地の傾斜面に沿い、かつ、傾斜地と反対側の端面が鉛直に揃うように発泡樹脂ブロックを積み上げ、隣接する前記発泡樹脂ブロックを連結具で互いに結合して発泡樹脂ブロック積層体を構築するとともに、前記発泡樹脂ブロックの前記傾斜地と反対側の端面に保護板を配設して保護面を形成してなる傾斜地拡幅構造物において、前記発泡樹脂ブロック積層体を構成する最下段の前記発泡樹脂ブロックまたは該最下段の前記発泡樹脂ブロックを含む複数段の前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度を、それらの前記発泡樹脂ブロックの上部に位置する前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度よりも高くしたことを特徴とする。
また、請求項2の傾斜地拡幅構造物は、一端が傾斜地の傾斜面に沿い、かつ、傾斜地と反対側の端面が鉛直に揃うように発泡樹脂ブロックを順次積み上げ、隣接する前記発泡樹脂ブロックを連結具で互いに結合して発泡樹脂ブロック積層体を構築するとともに、前記発泡樹脂ブロックの前記傾斜地と反対側の端面に保護板を配設して保護面を形成してなる傾斜地拡幅構造物において、前記発泡樹脂ブロック積層体を構成する最下段の前記発泡樹脂ブロックまたは該最下段の前記発泡樹脂ブロックを含む複数段の前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度と、前記発泡樹脂ブロック積層体を構成する最上段の前記発泡樹脂ブロックまたは該最上段の前記発泡樹脂ブロックを含む複数段の前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度を、それらの間に位置する前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度よりも高くしたことを特徴とする。
また、請求項3の傾斜地拡幅構造物は、上記請求項1または2の考案において、上記保護板を、該保護板を配設する上記発泡樹脂ブロックの端面より一回り小さく形成したことを特徴とする。
また、請求項4の傾斜地拡幅構造物は、上記請求項1〜3のいずれかの考案において、上記保護板を、セメント硬化物層によって形成したことを特徴とする。
また、請求項5の傾斜地拡幅構造物は、上記請求項4の考案において、上記保護板間に形成される目地部に、不燃性部材を充填したことを特徴とする。
また、請求項6の傾斜地拡幅構造物は、上記請求項4または5の考案において、上記保護板が配設された上記発泡樹脂ブロックの目地部の発泡樹脂ブロック部分を、耐熱性発泡体としたことを特徴とする。
また、請求項7の傾斜地拡幅構造物は、上記請求項4または5の考案において、上記保護板に、該保護板が配設された上記発泡樹脂ブロックに進入する突起部を、一体的に、かつ適宜な間隔で複数個設けたことを特徴とする。
また、請求項8の傾斜地拡幅構造物は、上記請求項1〜7のいずれかの考案において、上記連結具を、上下に位置する上記発泡樹脂ブロックに挿通させて連結するピンとし、該ピンを、少なくとも上記保護板が配設された発泡樹脂ブロックに挿通させたことを特徴とする。
また、請求項9の傾斜地拡幅構造物は、上記請求項1〜8のいずれかの考案において、最下部に基礎を形成するとともに、該基礎に鉄筋を植設し、該鉄筋を、前記基礎に載置する上記最下段の発泡樹脂ブロックに挿入させて、該発泡樹脂ブロックを基礎に連結したことを特徴とする。
上記した請求項1の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、圧縮荷重が特に集中する最下段の発泡樹脂ブロックまたは該最下段の発泡樹脂ブロックを含む複数段の発泡樹脂ブロックの圧縮強度を、それらの上部に位置する発泡樹脂ブロックの圧縮強度よりも高くしたため、下段の発泡樹脂ブロックに配設された保護板であっても圧接を緩和することができ、これによって、保護板の損傷を減らすことができ、保護板間の距離が部分的に大きく変化することもないので、外観を良好に維持することができる。
また、上記した請求項2の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、最上段の発泡樹脂ブロックまたは該最上段の発泡樹脂ブロックを含む複数段の発泡樹脂ブロックの圧縮強度をも高くしたため、該傾斜地拡幅構造物の上部に形成する舗装部の厚さを薄くすることができ、より下段の発泡樹脂ブロックの圧縮量を低減でき、さらに外観を良好に維持することができる。
また、上記した請求項3の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、保護板を、該保護板を配設する発泡樹脂ブロックの端面より一回り小さく形成したため、隣接する保護板が突き当たることによる保護板の損傷を、より確実に防止することができる。
また、上記した請求項4の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、保護板を、セメント硬化物層によって形成したため、耐久性に優れた保護板を形成することができる。
また、上記した請求項5の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、保護板間に形成される目地部に、不燃性部材を充填したため、周囲において火災等が発生し、壁面が直火や非常な高温に晒された場合においても、該目地部を介して火が内部の発泡樹脂ブロックに達することはなく、発泡樹脂ブロックへの延焼が効果的に防止される。
また、上記した請求項6の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、発泡樹脂ブロックの溶融が懸念される目地部に、耐熱性発泡体が用いられているため、外熱から発泡樹脂ブロックの溶融を効果的に防ぐことができ、十分な耐熱性を有する構造体を提供できる。また、一般的に耐熱性発泡体は高価であるところ、発泡樹脂ブロックの溶融が最も懸念される目地部に耐熱性発泡体を配置することとしたため、少量の耐熱性発泡体によって効率的に発泡樹脂ブロックの溶融を防ぐことができ、経済的に十分な耐熱性を有する構造体を提供できる。さらに、耐熱性発泡体によって耐熱性を向上させた分、保護板を、砂利等の異物に対する強度を確保する範囲で可及的に薄くすることもでき、構築部材の重量を低減できるため、施工性の良好な更に軽量な構造体を提供できる。
また、上記した請求項7の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、壁面を構築する保護板に、発泡樹脂ブロックに食い込む突起部が、一体的に、かつ複数個が適宜な間隔で設けられているため、該突起部が設けられた部分の保護板の厚さは厚いものとなり、遮熱効果が高いため、該突起部周囲の発泡樹脂ブロックの熱溶融は抑えられ、該構造体の壁面付近で火災等が発生し、壁面が直火や高温に晒された場合においても、発泡樹脂ブロック全体が大きく熱溶融することはなく、表面の保護板の脱落を効果的に防止でき、構造体としての熱に対する耐力がいっきに低下してしまうことを阻止することができる。
また、上記した請求項8の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、連結具を、上下に位置する発泡樹脂ブロックに挿通させて連結するピンとし、発泡樹脂ブロックを積み上げながら、該ピンを、少なくとも上記保護板が配設された発泡樹脂ブロックに挿通させることとしたため、外装(壁面)を構築する発泡樹脂ブロックのずれを効果的に防ぐことができ、外観を良好に保つことができる。
また、上記した請求項9の本考案に係る傾斜地拡幅構造物によれば、最下部に基礎を形成するとともに、該基礎に鉄筋を植設し、該鉄筋を、前記基礎に載置する発泡樹脂ブロックに挿入させて、該発泡樹脂ブロックを基礎に連結したため、傾斜地拡幅構造物を基礎、延いては地面にしっかりと設置することができる。
以下に、本考案に係る傾斜地拡幅構造物の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、図1は、本考案に係る傾斜地拡幅構造物を概念的に示した縦断面図、図2は、図1に示した傾斜地拡幅構造物の構成要素である発泡樹脂ブロックを示した斜視図である。また、図3〜図5は、それぞれ本考案において好適に用いることができる保護板を配設した発泡樹脂ブロックを示した斜視図である。図6は、図1に示した傾斜地拡幅構造物の傾斜地と反対側の面である保護面を示した部分拡大斜視図、図7は、図6のA−A線に沿う部分の拡大断面図である。
図示した傾斜地拡幅構造物1では、傾斜地2の斜面下端に平地3を形成し、その上に基礎4を形成し、その基礎4の上方に発泡樹脂ブロック積層体5を構築し、その上面に舗装部6を形成している。
基礎4は、発泡樹脂ブロック積層体5を載置させるもので、発泡樹脂ブロック積層体5の底面とほぼ同じ面積に、コンクリートを打設したり、砂利を敷設することによって形成される。
発泡樹脂ブロック積層体5は、内部を構成する主構築部用発泡樹脂ブロック7と、傾斜地2と反対側の壁面を形成する外装構築部用発泡樹脂ブロック8とによって構成される。
上記主構築部用発泡樹脂ブロック7および外装構築部用発泡樹脂ブロック8は、一段ずつ積み上げられて発泡樹脂ブロック積層体5となるが、傾斜地の奥行きが小さい場合などには、最下段または最下段を含む複数段は、外装構築部用発泡樹脂ブロック8のみで構成されることもある。そして、本考案の傾斜地拡幅構造物においては、前記発泡樹脂ブロック積層体5を構成する最下段の発泡樹脂ブロックまたは該最下段の発泡樹脂ブロックを含む複数段の発泡樹脂ブロック7b,8bは、該発泡樹脂ブロック7b,8bの上部に位置する発泡樹脂ブロック7a,8aの圧縮強度よりも相対的に高いものとされているか、または前記発泡樹脂ブロック積層体5を構成する最下段の発泡樹脂ブロックまたは該最下段の発泡樹脂ブロックを含む複数段の発泡樹脂ブロック7b,8bおよび前記発泡樹脂ブロック積層体5を構成する最上段の発泡樹脂ブロックまたは該最上段の発泡樹脂ブロックを含む複数段の発泡樹脂ブロック7b,8bは、それらの前記発泡樹脂ブロック7b,8bの間に位置する発泡樹脂ブロック7a,8aの圧縮強度よりも相対的に高いものとされる。本明細書においては、以後、前記発泡樹脂ブロック7a,8aを「低圧縮強度の発泡樹脂ブロック7a,8a」または「低圧縮強度の発泡樹脂ブロック」と称し、前記発泡樹脂ブロック7b,8bを「高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b,8b」または「高圧縮強度の発泡樹脂ブロック」と称することがある。
本考案では、前記主構築部用発泡樹脂ブロック7および外装構築部用発泡樹脂ブロック8は、共に上記した低圧縮強度の発泡樹脂ブロック7a,8aと、高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b,8bとによって構成されている。
主構築部用発泡樹脂ブロック7および外装構築部用発泡樹脂ブロック8を構成する樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル等の樹脂を発泡させたもので形成することができるが、ポリスチレンが安価であり、低密度でも強度が高いので最も好ましい。
高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b,8bや、低圧縮強度の発泡樹脂ブロック7a,8aは、公知の方法により上記樹脂を発泡成形することによって形成される発泡樹脂成形体を使用することができ、特に、耐水性に優れる押出成形法によって形成されるものや、厚みの大きい発泡樹脂ブロックを一体成形することが可能である発泡粒子型内成形法によって形成されるものであることが好ましい。また、特に押出成形法により形成された発泡樹脂成形体は厚みが小さいため、複数枚が接着されるなどして積層一体化されたものを使用することがあるが、その場合は、積層一体化されたものを一つの発泡樹脂ブロックとみなす。
なお、本考案において上記圧縮強度は、JIS K 7220(1999)に従った圧縮試験に基づく変形5%時の圧縮応力を意味する。この際、試験片は一辺50mmの立方体とし、試験速度は10mm/分とし、変形10%まで変形させて荷重−変形曲線を得る。本考案において圧縮強度として変形5%時の圧縮応力を採用する理由は、変形5%時では、発泡樹脂ブロックの種類によっては塑性変形を起こしていることもあるが、弾性変形をわずかに超えた程度であり、圧縮応力の誤差が少なく安定しているためである。
また、上述したように、発泡樹脂成形体の複数枚が積層一体化されてなる発泡樹脂ブロックの場合は、積層されたそれぞれの発泡樹脂成形体から試験片を切り出し、それぞれの圧縮強度の平均値をその発泡樹脂ブロックの圧縮強度とする。但し、積層一体化されてなる発泡樹脂ブロックが高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b,8bの場合は、積層しているそれぞれの発泡樹脂成形体の圧縮強度が、低圧縮強度の発泡樹脂ブロック7a,8aの圧縮強度より高いことが好ましい。また、積層一体化されてなる発泡樹脂ブロックが低圧縮強度の発泡樹脂ブロック7a,8aである場合は、積層しているそれぞれの発泡樹脂成形体の圧縮強度の平均値が、高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b,8bの圧縮強度より低く、さらに、積層しているそれぞれの発泡樹脂成形体の圧縮強度が高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b,8bの圧縮強度より低いことが好ましい。
高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b,8bは、具体的には圧縮強度が10×104 N/m2を越えるものである。圧縮強度は、11×104 N/m2以上であることがより好ましく、12×104 N/m2以上であることが特に好ましい。圧縮強度は高いほど良いが、圧縮強度と密度は通常比例関係にあるため、圧縮強度が高いほど重量も大きくなる傾向にある。そのため、高圧縮強度の発泡樹脂ブロックの圧縮強度の上限は、軽量性および施工性の観点から、概ね60×104N/m2である。
このような高圧縮強度の発泡樹脂ブロックとしては、例えば、株式会社ジェイエスピー社製の商品名ミラフォームDX−24(圧縮強度:12.0×104 N/m2以上、見掛け密度:24±2.0kg/m3)、商品名スチロダイアD−25(圧縮強度:14.0×104 N/m2以上、見掛け密度:25±1.5kg/m3)、商品名ミラフォームDX−29(圧縮強度:28.0×104 N/m2以上、見掛け密度:29±2.0kg/m3)等が挙げられる。
一方、低圧縮強度の発泡樹脂ブロック7a,8aは、具体的には圧縮強度が4×104 N/m2以上、20×104 N/m2以下のものである。
このような低圧縮強度の発泡樹脂ブロックとしては、例えば、株式会社ジェイエスピー社製の商品名スチロダイアD−16(圧縮強度:7.0×104 N/m2以上、見掛け密度:16±1.0kg/m3)、商品名ミラフォームD−20(圧縮強度:10.0×104 N/m2以上、見掛け密度:20±1.5kg/m3)、商品名スチロダイアDX−24(圧縮強度:12.0×104 N/m2以上、見掛け密度:24±2.0kg/m3)等が挙げられる。
但し、本考案において、低圧縮強度の発泡樹脂ブロック7a、8aの圧縮強度は、常に高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b、8bの圧縮強度より小さい値のものを選定して使用する。例えば、高圧縮強度の発泡樹脂ブロックとして、株式会社ジェイエスピー社製の商品名ミラフォームDX−24(圧縮強度:12.0×104 N/m2以上、見掛け密度:24±2.0kg/m3)が使用される場合は、低圧縮強度の発泡樹脂ブロックとして、高圧縮強度の発泡樹脂ブロックよりも圧縮強度の小さい、商品名ミラフォームD−20(圧縮強度:約10.0×104 N/m2以上、見掛け密度:20±1.5kg/m3)が採用される。高圧縮強度の発泡樹脂ブロックが複数段となる場合は、圧縮強度が同じ発泡樹脂ブロックが使用される。
上記発泡樹脂ブロックは、同じ密度のものであっても、押出成形法により形成されたものは、通常、発泡粒子型内成形法によって形成されるものより圧縮強度が高くなるため、同じ密度のものであっても、押出成形法により形成されたものを高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b,8bとして使用し、発泡粒子型内成形法によって形成されたものを低圧縮強度の発泡樹脂ブロック7a,8aとして使用することも可能である。
主構築部用発泡樹脂ブロック7の大きさは、図2において、例えば、L1×L2×L3が100〜200cm×50〜200cm×10〜100cmの直方体を成し、外装構築部用発泡樹脂ブロック8は、例えば、L4×L5×L6が50〜200cm×50〜200cm×10〜100cm、(但し、L2=L5,L3=L6)の直方体を成している。
外装構築部用発泡ブロック8の端面には、保護板9が添設される。この保護板9の大きさは、L7×L8×L9が(L5−10mm)×(L6−10mm)×10〜30mmに形成されている。
保護板9は、コンクリートやモルタル等の様々な水硬性セメントで形成することができる。水硬性セメントとしては、普通ポルトランドセメント,中庸ポルトランドセメント,早強ポルトランドセメント,低硫酸塩ポルトランドセメント,白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメントや、水硬性石灰,ローマンセメント,天然セメント,アルミナセメント,高炉セメント,シリカセメント,膨張セメント,着色セメント等がある。これらの中では、ポルトランドセメント,水硬性石灰,天然セメント,高炉セメント,膨張セメント,着色セメントを用いることが好ましい。
また、保護板9では、上記セメントに種々の骨材,補強材,軽量化材,水ガラス等を加えることができる。
保護板9と外装構築部用発泡樹脂ブロック8との一体化は、予め形成された発泡樹脂ブロック8を型枠に入れ、その上から所望の形状となるように未硬化のセメントモルタルを流し込み、養生・硬化させて保護板9を形成したり、逆に、型枠中に所定量入れられたセメントモルタル上に、発泡樹脂ブロック8を載置し、養生・硬化させて保護板9を形成したり、発泡樹脂ブロック8と保護板9を別々に作製し、それらを接着剤を用いて接合することによって達成される。
その場合に、発泡樹脂ブロック8の表面に少なくとも1個の溝を予め形成しておき、該溝を上向きにして型枠に入れ、その上から未硬化のセメントモルタルを流し込み、養生、硬化させて、保護板9を形成し、該溝に保護板9の一部である凸条を形成することが好ましい。この溝と凸条は、互いにアリ結合されるように形成されているものであれば、発泡樹脂ブロック8と保護板9との接合がより強固なものとなるので好ましい。また、発泡樹脂ブロック8と、裏面に凸条が形成された保護板9を別々に作製し、接着剤などにより接合することもできる。
本考案において好ましく用いられる外装構築部用発泡樹脂ブロック8としては、図3に示したように、発泡樹脂ブロック8の左右両側面部分(縦目地部が形成される部分)であって、かつ上記保護板9側の一部に切欠き凹部10を形成し、該切欠き凹部10に耐熱性発泡体11を配設したものがある。
上記耐熱性発泡体11の高さ(=h)は、上記発泡樹脂ブロック8の高さ(=L6)と同一とし、幅(=w)は、発泡樹脂ブロック8の長さ(=L4)にも左右されるが、3〜50cmが適当であり、最長で発泡樹脂ブロック8の長さ(=L4)となる。また、配置される耐熱性発泡体11の厚さ(=t)は、該耐熱性発泡体11の断熱性能によっても異なるが、10mm以上であることが好ましく、更には20mm〜100mmが好ましい。
また、上記耐熱性発泡体11の耐熱性は、100℃以上であること(100℃以上の耐熱性を有すること)が好ましく、断熱性能は、熱伝導率が0.1W/(m・K)以下であることが好ましく、0.07W/(m・K)以下であることがより好ましく、0.06W/(m・K)以下であることが特に好ましい。その熱伝導率は小さいほど好ましいが、一般的には0.001W/(m・K)を下回るものを製造することは困難であり、小さいものほど高価になるので、通常は0.01W/(m・K)以上のものが、好ましくは0.02W/(m・K)以上のものが使用される。熱伝導率が小さいほど厚みを薄くコンパクトにできるので好ましい。
また、本考案においては、上記耐熱性発泡体11は、建築基準法の防火材料の試験として知られるISO 5660 part1に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験において準不燃規格に合格する素材またはその素材から適宜サイズに切り出されたものであることが好ましい。因みに、同発熱性試験における準不燃規格に合格するものとは、次の[1]〜[3]を満足するものである。
[1]加熱開始後10分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること。
[2]加熱開始後10分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと。
[3]加熱開始後10分間、防火上有害な裏面までに達する亀裂および穴がないこと。
なお、同発熱性試験における試験体は、耐熱性発泡体からなる99mm×99mm、厚み10mmのサイズのものを使用する。
上記のような耐熱性発泡体11として好適な準不燃材料としては、イソシアネート系ポリウレタン樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、メラミン樹脂発泡体、塩化ビニル樹脂5〜30重量%と無機物質95〜70重量%(好ましくは塩化ビニル樹脂10〜25重量%と無機物質90〜75重量%)からなる発泡体が例示される。
上記したような耐熱性発泡体11を配設した外装構築部用発泡樹脂ブロック8を作製するには、発泡成形した直方体形状の発泡樹脂ブロック8に上記切欠き凹部10を形成し、或いは上記切欠き凹部10をも型成形により形成した発泡樹脂ブロック8の前記切欠き凹部10に、接着剤を介して耐熱性発泡体11を貼着し、その後、上記したように溝(好ましくはアリ溝)が形成された側を上に向けて型枠に入れ、上方から所望の形状となるように未硬化のセメントモルタルを流し込み、養生・硬化させて保護板9を形成する等の手段を採用して作製すればよい。
また、本考案において好ましく用いられる外装構築部用発泡樹脂ブロック8としては、図4または図5に示したように、上記保護板9に、発泡樹脂ブロック8に食い込む突起部12が、一体的に、かつ適宜な間隔で複数個形成されたものがある。
上記保護板9に一体的に形成される突起部12としては、該保護板9の裏側板面に上下方向或いは左右方向に連続的、または断続的に形成された先端に膨出部を有するアリ形状の角柱状突起部、円柱状突起部、または膨出部を有しない単なる角柱状突起部、円柱状突起部などがあるが、これらの突起部12の幅、長さ、或いは直径などは、保護板9の大きさ、また形成される突起部12の数によりその好ましい数値は大きく異なり、一概に規定できないが、保護板9の板面面積に対する、形成する全突起部12の保護板9に対する投影面積の割合は、軽量性と断熱性(外熱を受けた際の発泡樹脂ブロックの溶融抑制および保護板の脱落防止)との兼ね合いから、5〜25%が適当であり、更には7〜20%が好ましく、また、保護板9の板面面積に対する、形成する突起部12の1個当たりの投影面の面積は50cm2〜1000cm2が好ましく、75cm2〜800cm2がより好ましい。また、各突起部12の高さとしては、断熱性、軽量性の観点から、20mm以上であることが好ましく、更には40mm〜60mmが好ましい。
また、上記保護板9に形成される突起部12の数としては、外熱による発泡樹脂ブロックの熱溶融を効果的に抑え、保護板9の脱落を阻止する観点から、複数個、即ち2個以上である必要があり、好ましくは3個以上の突起部12を、適宜な間隔、即ち、保護板9に偏りなく、各突起部12が略同一の面積部分を担当するように配置することが好ましい。
また、外熱を受けたときの発泡樹脂ブロックの溶融の程度が縦目地部分の付近が他よりも大きいことから、縦目地部分の発泡樹脂ブロックの溶融を最小限にし、保護板9の脱落をより効果的に防止する観点から、図5に示したように、保護板9の全高にわたる突出高さの高い突起部12,12を、それぞれ保護板9の両端部または両端部に近いところに設けたものとすることも好ましい。
上記したような突起部12を有する外装構築部用発泡樹脂ブロック8を作製するには、発泡形成した直方体形状の発泡樹脂ブロック8に凹部(アリ溝,凹条等)を形成し、或いは凹部をも型成形により形成した発泡樹脂ブロック8を、該凹部が形成された面を上に向けて型枠に入れ、その上方から所望の形状となるように未硬化のセメントモルタルを流し込み、養生・硬化させて、発泡樹脂ブロック8に食い込む突起部12(アリ形状の凸条,断面長方形の凸条,断続的な凸条,円柱形状の突起,角柱形状の突起等)を有する保護板9を形成すればよい。また、逆に、型枠中に所定量入れられたセメントモルタル上に、凹部が形成された面を下に向けて発泡樹脂ブロック8を載置し、養生・硬化させて、発泡樹脂ブロック8に食い込む突起部12を有する保護板9を形成してもよい。
さらに、上記突起部12は、外装構築部用発泡樹脂ブロック8の表面を構成する保護板9と異なる素材で形成することも可能であり、その場合は準不燃材料または不燃材料から選択されたものが使用される。また、上記突起部12は、最終的に保護板9と一体化されればよいので、保護板9とは別体として突起部12を形成しておき、該突起部12を発泡樹脂ブロック8の凹部(アリ溝,凹条等)に接着した後または接着しつつ、上記のようにして保護板9を上記突起部12および発泡樹脂ブロック8に接着一体化させてもよい。
上記したような主構築部用発泡樹脂ブロック7および外装構築部用発泡樹脂ブロック8を用いて、図1に示した傾斜地拡幅構造物1は、以下のようにして構築される。
先ず、平地3の土砂を削ったり、平地3に土盛りした後、砂や砂利を敷き、それを突き固め、その上からコンクリートを打設して基礎4を形成する。その際に、適宜本数の鉄筋13を植設する。
次いで、基礎4上に、外側表面を形成する部位に、高圧縮強度の外装構築部用発泡樹脂ブロック8bを、表面に保護板9が位置するように、一段または複数段(実施の形態では、L3が50cmである発泡樹脂ブロックを2段)積み重ね、高圧縮強度の主構築部用発泡樹脂ブロック7bを、前記外装構築部用発泡樹脂ブロック8bと同じ段数に積み重ねる。そのときの高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b、8bの高さは、30cm〜150cmであることが好ましく、その高さは、一段または複数段で形成され、発泡樹脂ブロックへの集中荷重の大きさに応じて高圧縮強度の発泡樹脂ブロック7b、8bの段数、つまり高さが調整される。
次いで、高圧縮強度の主構築部用発泡樹脂ブロック7bおよび外装構築部用発泡樹脂ブロック8bの上面に、上記したと同様の方法で低圧縮強度の主構築部用発泡樹脂ブロック7aおよび外装構築部用発泡ブロック8aを必要高さ(実施の形態では、7段)に積み重ねる。次いで、低圧縮強度の主構築部用発泡樹脂ブロック7aおよび外装構築部用発泡樹脂ブロック8aの上面に、やはり上記したと同様の方法で高圧縮強度の主構築部用発泡樹脂ブロック7bおよび外装構築部用発泡ブロック8bを最上段または最上段を含む複数段(実施の形態では、L3が50cmの発泡樹脂ブロックを1段)積み重ねる。そのときの発泡樹脂ブロックの高さは、30cm〜100cmであることが好ましく、その高さは、一段または複数段で形成され、上部の路面等の重量などによる発泡樹脂ブロックへの集中荷重の大きさに応じて発泡樹脂ブロックの段数、つまり高さが調整される。
上記した主構築部用発泡樹脂ブロック7および外装構築部用発泡樹脂ブロック8を積み重ねる際には、各ブロック同士の突合せ部が最下段から最上段まで貫通することのないように、上部と下部のブロック同士の突合せ部をずらすようにして積み重ねることが好ましい。
また、発泡樹脂ブロック7,8と傾斜地2の傾斜面との間には、排水材層14が形成されていることが好ましい。排水材層14は、例えば、特開2005-207108の図2や図3に示されるように、ブロック状の埋め込み材を使用して発泡樹脂ブロックと傾斜面との間に埋め込まれる。排水材層14としては、砕石や合成樹脂体などが使用されるが、特に、複数の熱可塑性樹脂発泡体片を結合して得られた、圧縮強度や排水性に優れる発泡体片であることが好ましい。
また、図1に示したように、発泡樹脂ブロック7,8の上面を均一な平面とし、上からの荷重を均一にするために、発泡樹脂ブロック7,8の積層の途中には、コンクリート板15を積層することが好ましい。コンクリート板15は、発泡樹脂ブロック200cm〜300cmに一層設けることが好ましく、厚みは10cm〜30cm程度である。
上記作業の間、積み上げた上下の発泡樹脂ブロックにピン16を挿通させ、上下の発泡樹脂ブロックを互いに結合させる。該ピン16は、少なくとも外装構築部用発泡樹脂ブロック8に挿通されれば、外装構築部用発泡樹脂ブロック8のずれを防止することができるので、保護板9のずれを防ぐことができ、つまりは外観を良好に維持することができるために好ましい。当然ながら、ピン16は、外装構築部用発泡樹脂ブロック8に加えて、主構築部用発泡樹脂ブロック7に挿通されてもよい。
次いで、図6および図7に示したように、外装構築部用発泡樹脂ブロック8a,8bの保護板9の間隙(目地部)17に、不燃性部材18を充填し、更にその表面側にシーリング材19を充填し、発泡樹脂ブロック積層体5を構築する。
上記不燃性部材は、建築基準法の防火材料の試験として知られるISO 5660 part1に準拠したコーンカロリーメーターによる発熱性試験において準不燃規格に合格する素材またはその素材から適宜サイズに切り出されたもの(以下、準不燃性材料という。)であることが好ましく、同発熱性試験において不燃規格に合格する素材またはその素材から適宜サイズに切り出されたもの(以下、不燃性材料という。)であることがより好ましい。因みに、同発熱性試験における準不燃規格に合格するものとは、次の[1]〜[3]を満足するものであり、同発熱性試験における不燃規格に合格するものとは、次の[4]〜[6]を満足するものである。
[1]加熱開始後10分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること。
[2]加熱開始後10分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと。
[3]加熱開始後10分間、防火上有害な裏面までに達する亀裂および穴がないこと。
[4]加熱開始後20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること。
[5]加熱開始後20分間、最大発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないこと。
[6]加熱開始後20分間、防火上有害な裏面までに達する亀裂および穴がないこと。
なお、同発熱性試験における試験体は、99mm×99mm、厚み10mmのサイズのものを使用する。
上記不燃性材料としては、セラミックスファイバー、ロックウール、グラスウール、コンクリート、れんが、瓦、陶磁器質タイル、石綿スレート、繊維強化セメント板、厚さ3mm以上のガラス繊維混入セメント板、厚さ5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板、鉄鋼、アルミニウム、金属、ガラス、モルタル、しっくい、石、石膏等が挙げられる。
また、上記準不燃性材料としては、イソシアネート系ポリウレタン樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、メラミン樹脂発泡体、塩化ビニル樹脂5〜30重量%と無機物質95〜70重量%(好ましくは塩化ビニル樹脂10〜25重量%と無機物質90〜75重量%)からなる発泡体が例示される。
本考案においては、不燃性部材として、上記で例示した発泡体からなるもの(以下、不燃性発泡体という。)を使用した場合は、多少大きめに形成されていたとしても変形させて容易に上記保護板9の間隙(目地部)17に形成される凹部内に充填できる。また、周囲において火災等が発生したときも、不燃性発泡体からなるものでは断熱性に優れるので、その後ろ側に位置する発泡樹脂ブロックの溶融防止にも寄与する。
また、上記不燃性部材18の断熱性能は、熱伝導率が0.1W/(m・K)以下であることが好ましく、0.07W/(m・K)以下であることがより好ましく、0.06W/(m・K)以下であることが特に好ましい。その熱伝導率は小さいほど好ましいが、一般的には0.001W/(m・K)を下回るものを製造することは困難であり、小さいものほど高価になるので、通常は0.01W/(m・K)以上のものが、好ましくは0.02W/(m・K)以上のものが使用される。熱伝導率が小さいほど厚みを薄くコンパクトにできるので好ましい。また、上記断熱性能の数値は、JIS A 9511(1994年)の4.7の記載にしたがって、英弘精機株式会社の熱伝導率測定装置「オートラムダ HC−73型」を使用し、平板熱流計法(熱流計2枚方式、平均温度20℃(高熱板35℃設定、低熱板5℃設定))に基づいて測定した場合の数値である。
上記不燃性部材18の厚さは、充填する保護板9の間隙(目地部)17の深さに左右され、また該不燃性部材18の断熱性能によっても異なるが、3mm以上であることが好ましく、更には7mm〜20mmが好ましい。不燃性部材18の幅は、充填する保護板9の間隙(目地部)17の幅と同一とするが、不燃性発泡体の場合は、その幅は、充填する保護板9の間隙(目地部)17の幅よりもやや大きめとしてもよい。
また、上記シーリング材19としては、シリコーンゴム、アスファルトエラスタイト、アスファルト含浸不織布、弾性モルタル等が挙げられるが、これらの中でも、経済性、耐久性、施工性等の観点から、シリコーンゴム等の樹脂系シーリング材が好ましい。
次いで、高圧縮強度の主構築部用発泡樹脂ブロック7bおよび外装構築部用発泡樹脂ブロック8bの上面に、図1に示したように、アスファルト、コンクリート、タイル等によって舗装部6を形成する。
なお、図7の態様において、外装構築部用発泡樹脂ブロック8としては、図3から図5に示す外装構築部用発泡樹脂ブロック8を使用してもよい。
以上、本考案に係る傾斜地拡幅構造物の実施の形態を説明したが、本考案は、何ら既述の実施の形態に限定されず、実用新案登録請求の範囲に記載した本考案の技術的思想の範囲内において、種々の変形および変更が可能であることは当然である。
本考案に係る傾斜地拡幅構造物を概念的に示した縦断面図である。 図1に示した傾斜地拡幅構造物の構成要素である発泡樹脂ブロックを示した斜視図である。 本考案において好適に用いることができる保護板を配設した発泡樹脂ブロックを示した斜視図である。 本考案において好適に用いることができる保護板を配設した発泡樹脂ブロック他の実施の形態を示した斜視図である。 本考案において好適に用いることができる保護板を配設した発泡樹脂ブロック更に他の実施の形態を示した斜視図である。 図1に示した傾斜地拡幅構造物の傾斜地と反対側の面を示した部分拡大斜視図である。 図6のA−A線に沿う部分の拡大断面図である。
符号の説明
1 傾斜地拡幅構造物
2 傾斜地
3 平地
4 基礎
5 発泡樹脂ブロック積層体
6 舗装部
7 主構築部用発泡樹脂ブロック
7a 低圧縮強度の発泡樹脂ブロック
7b 高圧縮強度の発泡樹脂ブロック
8 外装構築部用発泡樹脂ブロック
8a 低圧縮強度の発泡樹脂ブロック
8b 高圧縮強度の発泡樹脂ブロック
9 保護板
10 切欠き凹部
11 耐熱性発泡体
12 突起部
13 鉄筋
14 排水材層
15 コンクリート板
16 連結具(ピン)
17 間隙(目地部)
18 不燃性部材
19 シーリング材

Claims (9)

  1. 一端が傾斜地の傾斜面に沿い、かつ、傾斜地と反対側の端面が鉛直に揃うように発泡樹脂ブロックを順次積み上げ、隣接する前記発泡樹脂ブロックを連結具で互いに結合して発泡樹脂ブロック積層体を構築するとともに、前記発泡樹脂ブロックの前記傾斜地と反対側の端面に保護板を配設して保護面を形成してなる傾斜地拡幅構造物において、前記発泡樹脂ブロック積層体を構成する最下段の前記発泡樹脂ブロックまたは該最下段の前記発泡樹脂ブロックを含む複数段の前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度を、それらの前記発泡樹脂ブロックの上部に位置する前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度よりも高くしたことを特徴とする、傾斜地拡幅構造物。
  2. 一端が傾斜地の傾斜面に沿い、かつ、傾斜地と反対側の端面が鉛直に揃うように発泡樹脂ブロックを順次積み上げ、隣接する前記発泡樹脂ブロックを連結具で互いに結合して発泡樹脂ブロック積層体を構築するとともに、前記発泡樹脂ブロックの前記傾斜地と反対側の端面に保護板を配設して保護面を形成してなる傾斜地拡幅構造物において、前記発泡樹脂ブロック積層体を構成する最下段の前記発泡樹脂ブロックまたは該最下段の前記発泡樹脂ブロックを含む複数段の前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度と、前記発泡樹脂ブロック積層体を構成する最上段の前記発泡樹脂ブロックまたは該最上段の前記発泡樹脂ブロックを含む複数段の前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度を、それらの間に位置する前記発泡樹脂ブロックの圧縮強度よりも高くしたことを特徴とする、傾斜地拡幅構造物。
  3. 前記保護板を、該保護板を配設する前記発泡樹脂ブロックの端面より一回り小さく形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の傾斜地拡幅構造物。
  4. 前記保護板を、セメント硬化物層によって形成したことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の傾斜地拡幅構造物。
  5. 前記保護板間に形成される目地部に、不燃性部材を充填したことを特徴とする、請求項4に記載の傾斜地拡幅構造物。
  6. 前記保護板が配設された前記発泡樹脂ブロックの目地部の発泡樹脂ブロック部分を、耐熱性発泡体としたことを特徴とする、請求項4または5に記載の傾斜地拡幅構造物。
  7. 前記保護板に、該保護板が配設された前記発泡樹脂ブロックに進入する突起部を、一体的に、かつ適宜な間隔で複数個設けたことを特徴とする、請求項4または5に記載の傾斜地拡幅構造物。
  8. 前記連結具を、上下に位置する前記発泡樹脂ブロックに挿通させて連結するピンとし、該ピンを、少なくとも前記保護板が配設された発泡樹脂ブロックに挿通させたことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の傾斜地拡幅構造物。
  9. 最下部に基礎を形成するとともに、該基礎に鉄筋を植設し、該鉄筋を、前記基礎に載置する前記最下段の発泡樹脂ブロックに挿入させて、該発泡樹脂ブロックを基礎に連結したことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の傾斜地拡幅構造物。
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JP2008213283A (ja) * 2007-03-02 2008-09-18 Jsp Corp 表面材付き発泡樹脂ブロック、表面材付き発泡樹脂ブロックの製造方法および軽量盛土構造物
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