JP3126237B2 - アルミニウムの連続鋳造法 - Google Patents

アルミニウムの連続鋳造法

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JP3126237B2
JP3126237B2 JP04265882A JP26588292A JP3126237B2 JP 3126237 B2 JP3126237 B2 JP 3126237B2 JP 04265882 A JP04265882 A JP 04265882A JP 26588292 A JP26588292 A JP 26588292A JP 3126237 B2 JP3126237 B2 JP 3126237B2
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市三 佃
進 張
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昭和アルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビレット、スラブ等の
アルミニウム鋳造材の連続鋳造法に関するものである。
【0002】なお、本明細書において、アルミニウムの
語はアルミニウムおよびその合金を含む意味で使用され
る。
【0003】
【従来の技術】図3に示されているように、従来のアル
ミニウムの連続鋳造において、モールド(31)はアル
ミニウム、銅等の熱伝導性の良い材料で形成されるとと
もに内部に冷却水(1)を満たして溶湯(2)の冷却が
促進されるように構成されている。モールド(31)の
上部から供給される溶湯(2)は、モールド(31)を
通過する間にモールド(31)壁から冷却を受けて、表
面が凝固するとともに収縮して鋳塊(3)とモールド
(31)壁との間に隙間(4)を生じる。この隙間
(4)の生成により伝熱抵抗が大きくなって鋳塊(3)
の冷却の進行は一時的に遅くなるが、モールド(31)
の下部、すなわち鋳塊(3)の出側に設けられた吹出し
口(32)からスプレーされる冷却水による再度の冷却
を受けて鋳塊(3)内部まで凝固が進行し、ビレットや
スラブが鋳造される。なお、図3において符号(5)は
溶湯(2)から鋳塊(3)への凝固界面である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述さ
れたようなモールドを用いて2段冷却を行う連続鋳造法
においては、冷却水のスプレー点において浮騰膜が生
じ、鋳塊の冷却が阻害されることがある。鋳塊の冷却が
阻害されると、鋳塊表層部に不純物が多く含まれる逆偏
析層が生成するという問題点がある。また、モールドは
熱伝導性の良い材料で作られているために、鋳造の初期
段階で溶湯は厚い凝固シェルを形成し鋳塊内部における
冷却を妨げるため、発汗等が生じて鋳肌の品質を低下さ
せるという問題点も生じる。
【0005】本発明は、前記問題点を解決することを目
的として、浮騰膜の生成に起因する逆偏析層の生成を抑
制し、また鋳造の初期段階における冷却を抑制して鋳造
材の品質向上を図ることができるアルミニウムの連続鋳
造法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のアルミニウムの
連続鋳造法は、前記目的を達成するために、基本的に
は、アルミニウムの溶湯(2)をモールド(11)に連
続的に導入しつつ冷却して凝固させるとともに、このモ
ールド(11)を通過後、凝固させた鋳塊(3)の表面
に冷却水(1)を供給してこの鋳塊(3)の冷却を進行
させて鋳造材を製造するアルミニウムの連続鋳造法にお
いて、前記鋳塊(3)の表面の冷却水(1)の供給位置
およびそれ以降に、2kg/cm2 以上の加圧空気(6)を
供給することを特徴とするものである。
【0007】前記加圧空気(6)を鋳塊(3)の表面に
供給することにより、鋳塊(3)の表面に冷却水(1)
を供給することによって生じた浮騰膜を破壊する効果が
ある。この加圧空気(6)の空気圧が2kg/cm2 未満で
は浮騰膜破壊効果に乏しいため2kg/cm2 以上とする必
要があり、3〜4kg/cm2 の範囲であればより好まし
い。また、前記加圧空気(6)の供給位置は冷却水
(1)の供給位置に近いほど浮騰膜破壊後の冷却効果が
高くなり、これらを同時に供給するのが最も好ましい。
しかし、冷却水(1)と加圧空気(6)との供給位置の
間に若干の距離があっても、上から伝い落ちる冷却水に
よって浮騰膜が破壊された鋳塊(3)表面を十分に冷却
する効果があり、実用上差支えない。このような場合、
特に、既存の冷却水のみを供給するモールドに加圧空気
供給装置を後付けできる利点がある。
【0008】なお、前記冷却水の流量は冷却効果の点で
少なくとも20l/minは必要であり、30〜40l/min
であれば好適である。
【0009】ただし、前記モールド(11)壁における
冷却の進行が速すぎると、冷却水(1)が供給される以
前に鋳塊(3)の表面部に厚い凝固シェルが形成されて
しまい、鋳塊(3)内部における冷却を妨げて、鋳肌の
品質を低下させるという不都合が生じる。このため、モ
ールド(11)の材質は、冷却の進行が速すぎない高断
熱性材が好ましく、モールド(11)全体を高断熱性材
で形成しても、またモールド(11)の表面を高断熱性
材で被覆しても良い。このような高断熱性材として、黒
鉛、ルミボード等が推奨される。
【0010】
【作用】アルミニウムの溶湯(2)がモールド(11)
を通過する間に、モールド(11)壁に接触している部
分から溶湯(2)が冷却されて凝固が始まリ、モールド
(11)を通過した鋳塊(3)の表面には、冷却水
(1)の供給によって浮騰膜が形成される。しかし、鋳
塊(3)表面に2kg/cm2 以上の加圧空気(6)を噴射
供給することによって浮騰膜は破壊され、冷却水(1)
による冷却効果が向上し鋳塊(3)内部にまで速やかに
冷却されて鋳造材が連続鋳造される。このように、鋳塊
(3)の冷却効果を向上させることにより、鋳塊(3)
表面に形成される逆偏析層の厚さを抑制することができ
る。特に、鋳塊(3)の表面に冷却水(1)と加圧空気
(6)とを同時に供給することにより、浮騰膜が破壊さ
れた鋳塊(3)の冷却効果が顕著となり、逆偏析層の厚
さも薄くできる。
【0011】また、モールド(11)を高断熱材で形成
することにより、モールド(11)壁からの冷却を抑制
して、鋳造の初期段階における厚い凝固シェルの形成に
よる冷却阻害という不都合を解消することができ、発汗
等の少ない優れた鋳肌品質の鋳造材を製造できる。
【0012】
【実施例】次に、本発明のアルミニウムの連続鋳造法の
具体的実施例について、図面を参照しつつ説明する。
【0013】先ず、本実施例で使用する連続鋳造用のモ
ールドについて説明する。
【0014】図1に示されている第1のタイプのモール
ド(11)は、内部に満たされた冷却水(1)を通じる
冷却水導通管(12)および、その冷却水導通管(1
2)に通じ所定圧の空気を圧送する空気導通管(13)
が設けられて、これらの導通管(12)(13)に通じ
モールド(11)の下部に設けられた吹出し口(14)
から冷却水(1)と加圧空気(6)の混合体が鋳塊
(3)表面にスプレーされる構成である。
【0015】一方、図2に示されている第2のタイプの
モールド(21)は、内部に満たされた冷却水(1)が
冷却水導通管(22)を介してモールド(21)の下部
に設けられた吹出し口(23)から鋳塊(3)表面にス
プレーされ、加圧空気(6)はモールド(21)の下方
に別途設けられた空気供給管(24)より鋳塊(3)の
表面に供給される構成である。なお、加圧空気(6)の
供給位置は、冷却水(1)のスプレー位置から50mmお
よび100mmの2段階とした。
【0016】上記のような形状のモールド(11)(2
1)を、後掲の表1実施例1〜9および比較例1〜3に
示される材質で形成し、同じく表1に示される流量の冷
却水および加圧空気で鋳塊を冷却して、常法により直径
、長さ2000mmのJISA6063合金ビレット
を連続鋳造した。ただし、比較例1、3は冷却水のみを
スプレーして加圧空気は供給しなかった。なお、表1の
モールド材質の欄において”Al+黒鉛”または”Cu
+黒鉛”とあるのはAlまたはCuのモールドに黒鉛部
材を焼きはめし、溶湯との接触部分を断熱性の高い黒鉛
で形成したものである。そして、鋳造したビレットの鋳
肌を目視で観察して相対的に評価するとともに、ビレッ
ト表面に形成された逆偏析層の厚さを測定した。これら
の試験結果を表1に合わせ示す。
【0017】
【表1】 表1から明らかなように、本実施例1〜9で鋳造したビ
レットは、いずれも鋳塊の冷却が速やかに行われて逆偏
析層が150μm以下の薄いものであり、鋳肌も良好で
あった。特に、モールドの溶湯接触部分を黒鉛で形成し
た実施例5〜9は鋳肌の品質が優れていた。一方、比較
例1〜3は逆偏析層が厚く、鋳肌の状態も悪いものであ
った。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、モールドを通過した鋳
塊の表面に冷却水ととも2kg/cm2 以上の加圧空気を供
給するために、鋳塊表面に形成される浮騰膜を破壊する
ことができる。その結果、鋳塊内部まで冷却を速やかに
進行させ、不純物が多量に含まれる逆偏析層の形成を抑
制して鋳造材の品質を向上させることができる。
【0019】さらに、モールドの材質を高断熱性材とす
ることにより、モールド壁からの冷却を緩やかにして鋳
造の初期における凝固シェルの形成を抑制し、優れた鋳
肌品質の鋳造材を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における第1のタイプのモールドおよ
び鋳造過程を示す断面図である。
【図2】本実施例における第2のタイプのモールドおよ
び鋳造過程を示す要部断面図である。
【図3】従来の連続鋳造法によるモールドと鋳造過程を
示す断面図である。
【符号の説明】
1…冷却水 2…溶湯 3…鋳塊 6…加圧空気 11…モールド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−91948(JP,A) 特開 昭54−122633(JP,A) 特開 昭53−16323(JP,A) 特開 昭57−187150(JP,A) 特開 平5−318031(JP,A) 特開 平3−243247(JP,A) 特開 平5−177308(JP,A) 特開 平5−57400(JP,A) 特開 平4−313455(JP,A) 特開 平7−68345(JP,A) 特開 平2−89542(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/124 B22D 11/00 B22D 11/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムの溶湯(2)をモールド
    (11)に連続的に導入しつつ冷却して凝固させるとと
    もに、このモールド(11)を通過後、凝固させた鋳塊
    (3)の表面に冷却水(1)を供給してこの鋳塊(3)
    の冷却を進行させて鋳造材を製造するアルミニウムの連
    続鋳造法において、 前記鋳塊(3)の表面の冷却水(1)の供給位置および
    それ以降に、2kg/cm2 以上の加圧空気(6)を供給す
    ることを特徴とするアルミニウムの連続鋳造法。
  2. 【請求項2】 前記モールド(11)は少なくとも表面
    が高断熱性材で形成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のアルミニウムの連続鋳造法。
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