JP3124169B2 - 2自由度調節装置 - Google Patents
2自由度調節装置Info
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Description
従特性との双方を同時に最適化する2自由度調節装置の
改良に関する。
I:積分,D:微分)調節装置は、制御の有史以来あら
ゆる産業分野で多用されており、もはや各産業分野の制
御システムではPIまたはPID調節装置無しには成り
立たなくなってきている。
が採用されているが、時代の推移とともにアナログ調節
演算方式からディジタル調節演算方式に移行しており、
今後もその傾向は変りそうもなく、プラント運転制御シ
ステムの基盤をなしている。
れる。 MV(s)=KP[1+(1+/TI・s)]・E(s) ……(1 ) 但し、MV(s):操作信号、E(s):偏差信号、K
P:比例ゲイン、TI:微分時間、s:ラプラス演算子で
ある。
調節方式と呼ばれ、PIパラメータが1組しか設定でき
ない。しかし、実際の制御系では、外乱抑制特性を最適
化するだけでなく、目標値追従特性も最適化する必要が
あるが、これらの最適化演算に使用するパラメータ,つ
まり外乱抑制最適PIパラメータと目標値追従最適PI
Dパラメータとの値が大きく異なっている。その結果、
外乱抑制特性を最適化するようにPIパラメータを調整
すると目標値追従特性が大きくオーバシュートして振動
的な特性となり、逆に目標値追従特性を最適化しようと
すると、外乱抑制特性が劣化してしまう。つまり、この
両者の特性は同時に最適化することが出来ず、二律背反
の関係にあり、制御システムの高度化の大きな障害とな
っている。
乱抑制特性と目標値追従特性とを同時に最適化できる技
術の出現が望まれていた。ところが、1963年におい
てIssac M.HorowitsがPIDパラメー
タをそれぞれ独立して2組設定可能な2自由度PIDア
ルゴリズム(TwoDegrees of Freedom PID A
lgorithm:以下、2DOF PIDと略称する)の基本
概念を発表するに至った。
方向に歩み出し、最近ではプラント運転制御システムの
高度化に大きく貢献している。図5は、PIの2項を2
自由度化した従来の2DOF PI調節装置の中の基本
ブロック構成を示す図である。この調節装置は、1自由
度PI調節装置における目標値に進み/遅れ要素を挿入
することにより、PIの2項を2自由度化した構成であ
る。すなわち、この調節装置は、目標値SVn を進み/
遅れ要素51に導入して補正目標値SVn ′を取り出し
た後、この補正目標値SVn ′と制御量検出手段52に
よって検出される制御対象531 からの制御量PVn と
を偏差演算手段54に導入し、ここで補正目標値SVn
′から制御量PVn を減算し、偏差信号E=(SVn
′−PVn )を求める。そして、この偏差演算手段5
4で得られる偏差信号EをPI調節手段55に導入し、
ここでPIパラメータの下にPI調節演算を実行し、そ
の出力信号を比例ゲイン手段56に導く。
の出力に比例ゲインKp を乗算し、得られた乗算信号を
操作信号MVn としてプロセス53に印加し、偏差E=
0,つまり補正目標値信号SVn ′=制御量PVn とな
るように制御する構成である。
るようにするためには、SVn ′=SVn ・H(s) の関
係から、最終値の定理を用いて(2)式が成立するよう
に進み/遅れ要素51のH(s) を選定すればよいことに
なる。
ような従来の調節装置では、果たして適切に2自由度化
されているか否かについて実際に応答式を用いて検討し
てみる。そこで、図5に示す構成の応答式を求めてみる
と、次のような(3)式によって表すことができる。 PVn ={[H(s) ・Kp ・C(s) ・G(s) ]/[1+Kp ・C(s) ・G(s) ] }・SVn +{G(s) /[1+Kp ・C(s) ・G(s) ]}・D(s) ……(3) この(3)式の応答式において、前段項は目標値SVの
変化に対する成分であり、後段項は外乱Dの変化に対す
る成分である。この(3)式から明らかなことは、進み
/遅れ要素51を構成する伝達関数H(s) のパラメータ
を調整したとき、目標値SVn の変化に対する追従特性
のみに影響を与え、外乱Dn (s) の変化に対する抑制特
性には全く影響を与えないことが分かる。
I調節手段55のPIパラメータを外乱抑制特性に最適
となるように調整しておき、一方、進み/遅れ要素51
の伝達関数H(s) のパラメータを目標値追従特性に最適
となるように調整すれば、2自由度化を実現できる。
(s) の場合には次のような問題が生ずる。今、進み/遅
れ要素51の伝達関数H(s) を用いた従来の先進的例と
して、例えば(4)式のような進み/遅れ要素を用いた
例について考えてみる。
プラス演算子である。ここで、前記(4)式を用いて、
(3)式のうち調整に関係する分子の伝達関数部分H
(s) ・Kp ・C(s) を変形してみると、次のような
(5)式で表すことができる。
ータα,βを調整すれば、2自由度化をすることができ
る。一般的には、0≦α≦1、1≦β≦2程度で、最適
値はα=0.4、β=1.35である。
に、比例項,積分項の他に進み/遅れ要素H(s) を付加
したことにより、進み/遅れ要素H(s) の(4)式から
調整できるパラメータは、α,βの2個しかなく、αは
比例項のために用いられ、βは積分項のために用いら
れ、α,βのパラメータを微分成分のために用いて調整
することができない。このことは、α,βの2個のパラ
メータでは、比例項,積分項および微分成分の3つを最
適に調節演算できない。
できないことから、制御性の高度化にも限界がある。本
発明は上記実情に鑑みてなされたもので、制御性の向上
を図る2自由度調節装置を提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、比例項,積分項のみならず、微
分項の強さも調整可能とする2自由度調節装置を提供す
ることを目的とする。
に、請求項1に対応する発明は、目標値から得られる補
正目標値と制御対象からの制御量との偏差が零となるよ
うに調節手段によってPI調節演算を実行し、得られた
PI調節演算信号を用いて制御対象を制御する調節装置
において、前記目標値SVn に[1+{H(s) −1}]
を乗算して静特性成分要素SVn と動特性成分要素{H
(s) −1}・SVn とに分離するとともに、これら両成
分要素の合成出力を前記補正目標値とする補正目標値演
算手段と、前記動特性成分要素の出力に微分項の強さを
可変するための調整パラメータを乗算するパラメータ乗
算手段と、前記PI調節手段の出力とパラメータ乗算手
段の出力とを合成し微分機能をもたせる合成手段とを設
けた2自由度調節装置である。但し、上式においてH
(s) は進み/遅れ要素である。
から得られる補正目標値と制御対象からの制御量との偏
差が零となるように調節手段によってPI調節演算を実
行し、得られたPI調節演算信号を用いて制御対象を制
御する調節装置において、前記目標値SVn に{1+
[(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s)]−1}
を乗算して静特性成分要素SVn と動特性成分要素
{[(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s)]−
1}・SVn とに分離するとともに、これら両成分要素
の合成出力を前記補正目標値とする補正目標値演算手段
と、前記動特性成分要素の出力に微分項の強さを可変す
るための調整パラメータを乗算するパラメータ乗算手段
と、前記PI調節手段の出力とパラメータ乗算手段の出
力とを合成し微分機能をもたせる合成手段とを設けた2
自由度調節装置である。但し、上式においてα,βは調
整パラメータ、TI は積分時間、sはラプラス演算子で
ある。
値から得られる補正目標値と制御対象からの制御量との
偏差が零となるように調節手段によってPI調節演算を
実行し、得られたPI調節演算信号を用いて制御対象を
制御する調節装置において、前記目標値SVnに{1+
[(α−1)βTI・s]/(1+βTI・s)}を乗算
して静特性成分要素SVnと動特性成分要素{[(α−
1)βTI・s]/(1+βTI・s)}・SVnとに分
離するとともに、これら両成分要素の合成出力を前記補
正目標値とする補正目標値演算手段と、前記動特性成分
要素の出力に微分項の強さを可変するための調整パラメ
ータを乗算するパラメータ乗算手段と、前記PI調節手
段の出力とパラメータ乗算手段の出力とを合成し微分機
能をもたせる合成手段とを設けた2自由度調節装置であ
る。但し、上式においてα,βは調整パラメータ、TI
は積分時間、sはラプラス演算子である。
値から得られる補正目標値と制御対象からの制御量との
偏差が零となるように調節手段によってPI調節演算を
実行し、得られたPI調節演算信号を用いて制御対象を
制御する調節装置において、前記目標値SVn に{1+
(α−1)[1−(1/(1+βTI ・s))]}乗算
して静特性成分要素SVn と動特性成分要素{(α−
1)[1−(1/(1+βTI ・s))]}・SVn と
に分離するとともに、これら両成分要素の合成出力を前
記補正目標値とする補正目標値演算手段と、前記動特性
成分要素の出力に微分項の強さを可変するための調整パ
ラメータを乗算するパラメータ乗算手段と、前記PI調
節手段の出力とパラメータ乗算手段の出力とを合成し微
分機能をもたせる合成手段とを設けた2自由度調節装置
である。
それぞれ以上のような手段を講じたことにより、目標値
に挿入する進み/遅れ要素を静特性成分要素と動特性成
分要素とに分離する一方、この動特性成分要素の出力に
微分項の強さを可変する調整パラメータを乗算し、PI
調節手段の出力に合成するようにしたので、従来装置の
調整パラメータに1つパラメータを多く付加するだけ
で、微分成分の強さを調整でき、比例項,積分項および
微分成分の3つを最適に調節演算することができる。
て説明する。本発明の基本的な考え方は、動特性成分が
微分成分であることに着目し、進み/遅れ要素から動特
性成分を取り出すために、進み/遅れ要素を静特性成分
と動特性成分とに分離し、この動特性成分,つまり微分
成分に作用する1つパラメータを追加し、最適に微分成
分を調節演算することにある。
示す図である。同図において1は目標値SVn の出力端
に2自由度化のために挿入される補正目標値演算手段で
あって、これは目標値SVn を所定時間進みまたは遅ら
せる進み/遅れ要素11とこの進み/遅れ要素11の出
力から目標値SVn を減算する減算手段12とを有する
動特性成分要素と、目標値SVn をそのまま出力する静
特性成分要素と、これら2つの成分要素の出力を加算す
る加算手段13とで構成されている。
正目標値をSVn ′とすると、 SVn ′={1+[H(s) −1]}・SVn ……(6) となり、a=SVn の静特性成分とb=[H(s) −1]
・SVn の動特性成分とに分離することができる。
段14が接続され、ここで補正目標値SVn ′と制御量
検出手段15によって検出される制御対象161 からの
制御量PVn とを偏差演算手段14に導入し、ここで補
正目標値SVn ′から制御量PVn を減算し、偏差信号
E=(SVn ′−PVn )を求める。そして、この偏差
演算手段14で得られる偏差信号EをPI調節手段17
に導入し、ここでPIパラメータの下にPI調節演算を
実行し、その出力信号を減算手段18に導く。
段19に導入され、ここで動特性成分要素出力に微分成
分の強さを調整するための係数δを乗算し、減算手段1
8に導入する。この減算手段18は、PI調節演算出力
から動特性成分要素出力に係数δを乗じた信号を減算
し、得られた減算出力を比例ゲイン手段20に導入す
る。そして、ここで、減算出力に比例ゲインKp を乗算
し、得られた乗算信号を操作信号MVn としてプロセス
16に印加し、偏差E=0,つまり補正目標値信号SV
n ′=制御量PVn となるように制御する構成である。
目標値演算手段1は静特性成分要素と動特性成分要素と
に分離し、動特性成分要素出力に対して調整パラメータ
となる係数δを乗算した後、前記PI調節手段17の出
力から係数δを乗算した係数乗算手段19の出力を減算合
成することにより、微分機能をもたせるようにしてい
る。その結果、図1に示す制御量PVnの応答式を求め
てみると、次のような結果が得られる。
分子のパラメータδにより、微分成分の強さを調整で
き、さらに制御特性を改善することができる。特に、本
装置においては、調整パラメータδを1個増やすだけの
シンプルな構成を採用し、α,β,δの3個のパラメー
タを調整して、比例項,積分項,微分成分の3つの調節
演算を最適に実行することができる。
ついて図2を参照して説明する。この実施例の装置は、
補正目標値演算手段1を改良したものであって、具体的
には前述した(4)式に示す伝達関数H(s) を有する進
み/遅れ要素21と当該進み/遅れ要素21の出力から
目標値SVn を減算する減算手段22とをもつ動特性成
分要素と、目標値SVn をそのまま出力する静特性成分
要素と、これら2つの成分要素の出力を加算する加算手
段23とを有し、補正目標値SVn ′を得る構成であ
る。
正目標値をSVn ′とすると、 SVn ′={(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s)}・SVn ={1+[(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s)]−1} ・SVn ……(8) となり、a=SVn の静特性成分とb={[(1+αβ
TI ・s)/(1+βTI ・s)]−1}・SVn の動
特性成分とに分離する構成である。
段14が接続され、ここで補正目標値SVn ′と制御量
検出手段15によって検出される制御対象161 からの
制御量PVn とを偏差演算手段14に導入し、ここで補
正目標値SVn ′から制御量PVn を減算し、偏差信号
E=(SVn ′−PVn )を求める。そして、この偏差
演算手段14で得られる偏差信号EをPI調節手段17
に導入し、ここでPIパラメータの下にPI調節演算を
実行し、その出力信号を減算手段18に導入する。
19によって係数δを乗算し、減算手段18に導入す
る。この減算手段18は、PI調節演算出力から動特性
成分要素出力に係数δを乗じた信号を減算し、得られた
減算出力を比例ゲイン手段20に導入する。そして、こ
こで、減算出力に比例ゲインKp を乗算し、得られた乗
算信号を操作信号MVn としてプロセス16に印加し、
偏差E=0,つまり補正目標値信号SVn ′=制御量P
Vn となるように制御する構成である。
目標値演算手段1を静特性成分と動特性成分とに分離
し、動特性成分出力に対して調整パラメータとなる係数
δを乗算した後、この乗算出力を前記PI調節手段17
の出力を減算合成することにより、微分機能をもたせる
ようにしている。そこで、前記(7)式の分子の調節機
能部分を具体的に求めると、(9)式をのようになる。
は、分子のパラメータδの調整により微分成分の強さを
独立的に可変でき、さらに制御特性を改善することがで
きる。特に、本装置においては、調整パラメータδを1
個増やすだけのシンプルな構成を採用し、α,β,δの
3個のパラメータを調整でき、比例項,積分項,微分成
分の3つを最適な調節演算することができる。
施例を示す図である。この実施例の補正目標値演算手段
1は、目標値SVnを微分する{(α−1)βTI・
s}/(1+βTI・s)なる伝達関数をもつ不完全微
分手段31と、目標値SVnをそのまま出力する静特性
成分要素と、これら不完全微分手段31の出力と静特性
成分要素とを加算する加算手段32とで構成されてい
る。その結果、補正目標値演算手段1は、補正目標値を
SVn'とすると、 SVn'={(1+αβTI・s)/(1+βTI・s)}・SVn ={1+[(α−1)βTI・s]/(1+βTI・s)} ・SVn …(10) となり、a=SVnの静特性成分とb={[(α−1)
βTI・s]/(1+βTI・s)}・SVnの動特性成
分とに分離する構成となる。
段14が接続され、ここで補正目標値SVn ′と制御量
検出手段15によって検出される制御対象161 からの
制御量PVn とを偏差演算手段14に導入し、ここで補
正目標値SVn ′から制御量PVn を減算し、偏差信号
E=(SVn ′−PVn )を求める。そして、この偏差
演算手段14で得られる偏差信号EをPI調節手段17
に導入し、ここでPIパラメータの下にPI調節演算を
実行し、その出力信号を減算手段18に導入する。
19によって係数δを乗算し、減算手段18に導入す
る。この減算手段18は、PI調節演算出力から動特性
成分に係数δを乗じた信号を減算し、得られた減算出力
を比例ゲイン手段20に導入する。そして、ここで、減
算出力に比例ゲインKp を乗算し、得られた乗算信号を
操作信号MVn としてプロセス15に印加し、偏差E=
0,つまり補正目標値信号SVn ′=制御量PVn とな
るように制御する構成である。
目標値演算手段1を静特性成分と動特性成分とに分離
し、動特性成分出力に対して調整パラメータとなる係数
δを乗算した後、この乗算出力を前記PI調節手段17
の出力を減算合成することにより、微分機能をもたせる
ようにしている。
以降の構成は、図2の構成と同じになる。また、PVn
の応答式における分子の調節機能部分は、前記(9)式
と同一となり、パラメータδを調整することにより、微
分項の強さを独立して可変できる。
実施例を示す構成図である。この実施例の補正目標値演
算手段1は、目標値SVn に1次遅れをもたせる{1/
(1+βTI ・s)}なる1次遅れ手段41と、目標値
SVn から1次遅れ手段41の出力を減算する減算手段
42と、この減算出力の係数αを乗算する係数乗算手段
43と、この係数乗算手段43の出力から前記減算手段
42の減算出力を減算する減算手段44とを有する動特
性成分要素と、目標値SVn をそのまま出力する静特性
成分要素と、前記減算手段44の出力と静特性成分要素
とを加算する加算手段45とによって構成されている。
目標値をSVn'とすると、 SVn'={(1+αβTI・s)/(1+βTI・s)}・SVn ={(1+βTI・s+αβTI・s−βTI・s) /(1+βTI・s)}・SVn ={[1+[(α−1)βTI・s/(1+βTI・s)]}・SVn ={1+(α−1)[1−(1/(1+βTI・s))]}・SVn =SVn+(α−1)[1−(1/(1+βTI・s))]・SVn となり、a=SVnの静特性成分とb={(α−1)
[1−(1/(1+βTI・s))]}・SVnの動特
性成分とに分離する構成となっている
算手段14が接続され、ここで補正目標値SVn ′と制
御量検出手段15によって検出される制御対象161 か
らの制御量PVn とを偏差演算手段14に導入し、ここ
で補正目標値SVn ′から制御量PVn を減算し、偏差
信号E=(SVn ′−PVn )を求める。そして、この
偏差演算手段14で得られる偏差信号EをPI調節手段
17に導入し、ここでPIパラメータの下にPI調節演
算を実行し、その出力信号を減算手段18に導入する。
19によって係数δを乗算し、減算手段18に導入す
る。この減算手段18は、PI調節演算出力から動特性
成分に係数δを乗じた信号を減算し、得られた減算出力
を比例ゲイン手段20に導入する。そして、ここで、減
算出力に比例ゲインKp を乗算し、得られた乗算信号を
操作信号MVn としてプロセス15に印加し、偏差E=
0,つまり補正目標値信号SVn ′=制御量PVn とな
るように制御する構成である。
目標値演算手段1を静特性成分と動特性成分とに分離
し、動特性成分出力に対して調整パラメータとなる係数
δを乗算した後、この乗算出力を前記PI調節手段17
の出力を減算合成することにより、微分機能をもたせる
ようにしている。
以降の構成は、図2の構成と同じになる。また、PVn
の応答式における分子の調節機能部分は、前記(9)式
と同一となり、パラメータδを調整することにより、微
分項の強さを独立して可変できる。その他、本発明はそ
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
標値に2自由度化のために挿入する補正目標値演算手段
の進み/遅れ要素を静特性成分と動特性成分とに分離
し、この動特性成分に微分成分に寄与するパラメータを
乗じ、PI調節手段の出力に合成することにより、調節
手段に存在しない微分成分を発生させるとともに、その
微分成分の強さを独立して可変するようにしたので、非
常に簡単な構成により、従来の欠陥を解消でき、制御性
を向上できる2自由度PID調節装置を実現できる。そ
の結果、今後のプラント制御システムへの適用が拡大
し、プラント全体の制御性を確信でき、ひいては産業界
に大きく貢献をもたらすことになる。
図。
図。
図。
図。
2,22…減算手段、13,23…加算手段、14…偏
差演算手段、15…制御量検出手段、16…プロセス、
161 …制御対象、17…PI調節手段、19…係数乗
算手段、20…比例ゲイン手段、21…進み/遅れ手
段、31…不完全微分手段、41…1次遅れ手段。
Claims (4)
- 【請求項1】 目標値から得られる補正目標値と制御対
象からの制御量との偏差が零となるように調節手段によ
ってPI(P:比例,I:積分)調節演算を実行し、得
られたPI調節演算信号を用いて制御対象を制御する調
節装置において、 前記目標値SVn に[1+{H(s) −1}]を乗算して
静特性成分要素SVnと動特性成分要素{H(s) −1}
・SVn とに分離するとともに、これら両成分要素の合
成出力を前記補正目標値とする補正目標値演算手段と、
前記動特性成分要素の出力に微分項の強さを可変するた
めの調整パラメータを乗算するパラメータ乗算手段と、
前記PI調節手段の出力とパラメータ乗算手段の出力と
を合成し微分機能をもたせる合成手段とを備えたことを
特徴とする2自由度調節装置。但し、上式においてH
(s) は進み/遅れ要素である。 - 【請求項2】 目標値から得られる補正目標値と制御対
象からの制御量との偏差が零となるように調節手段によ
ってPI調節演算を実行し、得られたPI調節演算信号
を用いて制御対象を制御する調節装置において、 前記目標値SVn に{1+[(1+αβTI ・s)/
(1+βTI ・s)]−1}を乗算して静特性成分要素
SVn と動特性成分要素{[(1+αβTI ・s)/
(1+βTI ・s)]−1}・SVn とに分離するとと
もに、これら両成分要素の合成出力を前記補正目標値と
する補正目標値演算手段と、前記動特性成分要素の出力
に微分項の強さを可変するための調整パラメータを乗算
するパラメータ乗算手段と、前記PI調節手段の出力と
パラメータ乗算手段の出力とを合成し微分機能をもたせ
る合成手段とを備えたことを特徴とする2自由度調節装
置。但し、上式においてα,βは調整パラメータ、TI
は積分時間、sはラプラス演算子である。 - 【請求項3】 目標値から得られる補正目標値と制御対
象からの制御量との偏差が零となるように調節手段によ
ってPI調節演算を実行し、得られたPI調節演算信号
を用いて制御対象を制御する調節装置において、 前記目標値SVnに{1+[(α−1)βTI・s]/
(1+βTI・s)}を乗算して静特性成分要素SVn
と動特性成分要素{[(α−1)βTI・s]/(1+
βTI・s)}・SVnとに分離するとともに、これら
両成分要素の合成出力を前記補正目標値とする補正目標
値演算手段と、前記動特性成分要素の出力に微分項の強
さを可変するための調整パラメータを乗算するパラメー
タ乗算手段と、前記PI調節手段の出力とパラメータ乗
算手段の出力とを合成し微分機能をもたせる合成手段と
を備えたことを特徴とする2自由度調節装置。但し、上
式においてα,βは調整パラメータ、TIは積分時間、
sはラプラス演算子である。 - 【請求項4】 目標値から得られる補正目標値と制御対
象からの制御量との偏差が零となるように調節手段によ
ってPI調節演算を実行し、得られたPI調節演算信号
を用いて制御対象を制御する調節装置において、 前記目標値SVn に{1+(α−1)[1−(1/(1
+βTI ・s))]}乗算して静特性成分要素SVn と
動特性成分要素{(α−1)[1−(1/(1+βTI
・s))]}・SVn とに分離するとともに、これら両
成分要素の合成出力を前記補正目標値とする補正目標値
演算手段と、前記動特性成分要素の出力に微分項の強さ
を可変するための調整パラメータを乗算するパラメータ
乗算手段と、前記PI調節手段の出力とパラメータ乗算
手段の出力とを合成し微分機能をもたせる合成手段とを
備えたことを特徴とする2自由度調節装置。但し、上式
においてα,βは調整パラメータ、TI は積分時間、s
はラプラス演算子である。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06006900A JP3124169B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 2自由度調節装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06006900A JP3124169B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 2自由度調節装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07210204A JPH07210204A (ja) | 1995-08-11 |
JP3124169B2 true JP3124169B2 (ja) | 2001-01-15 |
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JP06006900A Expired - Lifetime JP3124169B2 (ja) | 1994-01-26 | 1994-01-26 | 2自由度調節装置 |
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JP (1) | JP3124169B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5966308B2 (ja) * | 2011-10-13 | 2016-08-10 | 富士電機株式会社 | 誘導性負荷制御装置 |
-
1994
- 1994-01-26 JP JP06006900A patent/JP3124169B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
須田信英著、システム制御情報学会編、「システム制御情報ライブラリー6PID制御」、初版、株式会社朝倉書店、平成4年7月20日、P.88−104、「4.4 2自由度PID制御の応用」 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07210204A (ja) | 1995-08-11 |
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