JP3124169B2 - 2自由度調節装置 - Google Patents

2自由度調節装置

Info

Publication number
JP3124169B2
JP3124169B2 JP06006900A JP690094A JP3124169B2 JP 3124169 B2 JP3124169 B2 JP 3124169B2 JP 06006900 A JP06006900 A JP 06006900A JP 690094 A JP690094 A JP 690094A JP 3124169 B2 JP3124169 B2 JP 3124169B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target value
svn
adjustment
output
correction target
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP06006900A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07210204A (ja
Inventor
和男 広井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP06006900A priority Critical patent/JP3124169B2/ja
Publication of JPH07210204A publication Critical patent/JPH07210204A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3124169B2 publication Critical patent/JP3124169B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外乱抑制特性と目標値追
従特性との双方を同時に最適化する2自由度調節装置の
改良に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のPIまたはPID(P:比例,
I:積分,D:微分)調節装置は、制御の有史以来あら
ゆる産業分野で多用されており、もはや各産業分野の制
御システムではPIまたはPID調節装置無しには成り
立たなくなってきている。
【0003】従来の調節装置には、種々の調節演算方式
が採用されているが、時代の推移とともにアナログ調節
演算方式からディジタル調節演算方式に移行しており、
今後もその傾向は変りそうもなく、プラント運転制御シ
ステムの基盤をなしている。
【0004】このPI調節演算の基本式は下記式で表さ
れる。 MV(s)=KP[1+(1+/TI・s)]・E(s) ……(1 ) 但し、MV(s):操作信号、E(s):偏差信号、K
P:比例ゲイン、TI:微分時間、s:ラプラス演算子で
ある。
【0005】このPI調節演算の基本式は1自由度PI
調節方式と呼ばれ、PIパラメータが1組しか設定でき
ない。しかし、実際の制御系では、外乱抑制特性を最適
化するだけでなく、目標値追従特性も最適化する必要が
あるが、これらの最適化演算に使用するパラメータ,つ
まり外乱抑制最適PIパラメータと目標値追従最適PI
Dパラメータとの値が大きく異なっている。その結果、
外乱抑制特性を最適化するようにPIパラメータを調整
すると目標値追従特性が大きくオーバシュートして振動
的な特性となり、逆に目標値追従特性を最適化しようと
すると、外乱抑制特性が劣化してしまう。つまり、この
両者の特性は同時に最適化することが出来ず、二律背反
の関係にあり、制御システムの高度化の大きな障害とな
っている。
【0006】そこで、この種のPID調節装置では、外
乱抑制特性と目標値追従特性とを同時に最適化できる技
術の出現が望まれていた。ところが、1963年におい
てIssac M.HorowitsがPIDパラメー
タをそれぞれ独立して2組設定可能な2自由度PIDア
ルゴリズム(TwoDegrees of Freedom PID A
lgorithm:以下、2DOF PIDと略称する)の基本
概念を発表するに至った。
【0007】その後、この2DOF PIDは実用化の
方向に歩み出し、最近ではプラント運転制御システムの
高度化に大きく貢献している。図5は、PIの2項を2
自由度化した従来の2DOF PI調節装置の中の基本
ブロック構成を示す図である。この調節装置は、1自由
度PI調節装置における目標値に進み/遅れ要素を挿入
することにより、PIの2項を2自由度化した構成であ
る。すなわち、この調節装置は、目標値SVn を進み/
遅れ要素51に導入して補正目標値SVn ′を取り出し
た後、この補正目標値SVn ′と制御量検出手段52に
よって検出される制御対象531 からの制御量PVn と
を偏差演算手段54に導入し、ここで補正目標値SVn
′から制御量PVn を減算し、偏差信号E=(SVn
′−PVn )を求める。そして、この偏差演算手段5
4で得られる偏差信号EをPI調節手段55に導入し、
ここでPIパラメータの下にPI調節演算を実行し、そ
の出力信号を比例ゲイン手段56に導く。
【0008】この比例ゲイン手段56は、PI調節演算
の出力に比例ゲインKp を乗算し、得られた乗算信号を
操作信号MVn としてプロセス53に印加し、偏差E=
0,つまり補正目標値信号SVn ′=制御量PVn とな
るように制御する構成である。
【0009】従って、目標値SVn =制御量PVn とな
るようにするためには、SVn ′=SVn ・H(s) の関
係から、最終値の定理を用いて(2)式が成立するよう
に進み/遅れ要素51のH(s) を選定すればよいことに
なる。
【0010】
【数1】
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、以上述べた
ような従来の調節装置では、果たして適切に2自由度化
されているか否かについて実際に応答式を用いて検討し
てみる。そこで、図5に示す構成の応答式を求めてみる
と、次のような(3)式によって表すことができる。 PVn ={[H(s) ・Kp ・C(s) ・G(s) ]/[1+Kp ・C(s) ・G(s) ] }・SVn +{G(s) /[1+Kp ・C(s) ・G(s) ]}・D(s) ……(3) この(3)式の応答式において、前段項は目標値SVの
変化に対する成分であり、後段項は外乱Dの変化に対す
る成分である。この(3)式から明らかなことは、進み
/遅れ要素51を構成する伝達関数H(s) のパラメータ
を調整したとき、目標値SVn の変化に対する追従特性
のみに影響を与え、外乱Dn (s) の変化に対する抑制特
性には全く影響を与えないことが分かる。
【0012】従って、以上の式およびその説明から、P
I調節手段55のPIパラメータを外乱抑制特性に最適
となるように調整しておき、一方、進み/遅れ要素51
の伝達関数H(s) のパラメータを目標値追従特性に最適
となるように調整すれば、2自由度化を実現できる。
【0013】しかし、進み/遅れ要素51の伝達関数H
(s) の場合には次のような問題が生ずる。今、進み/遅
れ要素51の伝達関数H(s) を用いた従来の先進的例と
して、例えば(4)式のような進み/遅れ要素を用いた
例について考えてみる。
【0014】 H(s) =(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s) ……(4) 上式においてβはパラメータ、TI は積分時間、sはラ
プラス演算子である。ここで、前記(4)式を用いて、
(3)式のうち調整に関係する分子の伝達関数部分H
(s) ・Kp ・C(s) を変形してみると、次のような
(5)式で表すことができる。
【0015】
【数2】
【0016】従って、この(5)式においては、パラメ
ータα,βを調整すれば、2自由度化をすることができ
る。一般的には、0≦α≦1、1≦β≦2程度で、最適
値はα=0.4、β=1.35である。
【0017】しかし、この(5)式から明らかなよう
に、比例項,積分項の他に進み/遅れ要素H(s) を付加
したことにより、進み/遅れ要素H(s) の(4)式から
調整できるパラメータは、α,βの2個しかなく、αは
比例項のために用いられ、βは積分項のために用いら
れ、α,βのパラメータを微分成分のために用いて調整
することができない。このことは、α,βの2個のパラ
メータでは、比例項,積分項および微分成分の3つを最
適に調節演算できない。
【0018】ゆえに、微分成分を最適な状態で調節演算
できないことから、制御性の高度化にも限界がある。本
発明は上記実情に鑑みてなされたもので、制御性の向上
を図る2自由度調節装置を提供することを目的とする。
また、本発明の目的は、比例項,積分項のみならず、微
分項の強さも調整可能とする2自由度調節装置を提供す
ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に対応する発明は、目標値から得られる補
正目標値と制御対象からの制御量との偏差が零となるよ
うに調節手段によってPI調節演算を実行し、得られた
PI調節演算信号を用いて制御対象を制御する調節装置
において、前記目標値SVn に[1+{H(s) −1}]
を乗算して静特性成分要素SVn と動特性成分要素{H
(s) −1}・SVn とに分離するとともに、これら両成
分要素の合成出力を前記補正目標値とする補正目標値演
算手段と、前記動特性成分要素の出力に微分項の強さを
可変するための調整パラメータを乗算するパラメータ乗
算手段と、前記PI調節手段の出力とパラメータ乗算手
段の出力とを合成し微分機能をもたせる合成手段とを設
けた2自由度調節装置である。但し、上式においてH
(s) は進み/遅れ要素である。
【0020】次に、請求項2に対応する発明は、目標値
から得られる補正目標値と制御対象からの制御量との偏
差が零となるように調節手段によってPI調節演算を実
行し、得られたPI調節演算信号を用いて制御対象を制
御する調節装置において、前記目標値SVn に{1+
[(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s)]−1}
を乗算して静特性成分要素SVn と動特性成分要素
{[(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s)]−
1}・SVn とに分離するとともに、これら両成分要素
の合成出力を前記補正目標値とする補正目標値演算手段
と、前記動特性成分要素の出力に微分項の強さを可変す
るための調整パラメータを乗算するパラメータ乗算手段
と、前記PI調節手段の出力とパラメータ乗算手段の出
力とを合成し微分機能をもたせる合成手段とを設けた2
自由度調節装置である。但し、上式においてα,βは調
整パラメータ、TI は積分時間、sはラプラス演算子で
ある。
【0021】さらに、請求項3に対応する発明は、目標
値から得られる補正目標値と制御対象からの制御量との
偏差が零となるように調節手段によってPI調節演算を
実行し、得られたPI調節演算信号を用いて制御対象を
制御する調節装置において、前記目標値SVnに{1+
[(α−1)βI・s]/(1+βTI・s)}を乗算
して静特性成分要素SVnと動特性成分要素{[(α−
)βI・s]/(1+βTI・s)}・SVnとに分
離するとともに、これら両成分要素の合成出力を前記補
正目標値とする補正目標値演算手段と、前記動特性成分
要素の出力に微分項の強さを可変するための調整パラメ
ータを乗算するパラメータ乗算手段と、前記PI調節手
段の出力とパラメータ乗算手段の出力とを合成し微分機
能をもたせる合成手段とを設けた2自由度調節装置であ
る。但し、上式においてα,βは調整パラメータ、TI
は積分時間、sはラプラス演算子である。
【0022】さらに、請求項4に対応する発明は、目標
値から得られる補正目標値と制御対象からの制御量との
偏差が零となるように調節手段によってPI調節演算を
実行し、得られたPI調節演算信号を用いて制御対象を
制御する調節装置において、前記目標値SVn に{1+
(α−1)[1−(1/(1+βTI ・s))]}乗算
して静特性成分要素SVn と動特性成分要素{(α−
1)[1−(1/(1+βTI ・s))]}・SVn と
に分離するとともに、これら両成分要素の合成出力を前
記補正目標値とする補正目標値演算手段と、前記動特性
成分要素の出力に微分項の強さを可変するための調整パ
ラメータを乗算するパラメータ乗算手段と、前記PI調
節手段の出力とパラメータ乗算手段の出力とを合成し微
分機能をもたせる合成手段とを設けた2自由度調節装置
である。
【0023】
【作用】従って、請求項1ないし4に対応する発明は、
それぞれ以上のような手段を講じたことにより、目標値
に挿入する進み/遅れ要素を静特性成分要素と動特性成
分要素とに分離する一方、この動特性成分要素の出力に
微分項の強さを可変する調整パラメータを乗算し、PI
調節手段の出力に合成するようにしたので、従来装置の
調整パラメータに1つパラメータを多く付加するだけ
で、微分成分の強さを調整でき、比例項,積分項および
微分成分の3つを最適に調節演算することができる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。本発明の基本的な考え方は、動特性成分が
微分成分であることに着目し、進み/遅れ要素から動特
性成分を取り出すために、進み/遅れ要素を静特性成分
と動特性成分とに分離し、この動特性成分,つまり微分
成分に作用する1つパラメータを追加し、最適に微分成
分を調節演算することにある。
【0025】図1は請求項1に係わる発明の基本構成を
示す図である。同図において1は目標値SVn の出力端
に2自由度化のために挿入される補正目標値演算手段で
あって、これは目標値SVn を所定時間進みまたは遅ら
せる進み/遅れ要素11とこの進み/遅れ要素11の出
力から目標値SVn を減算する減算手段12とを有する
動特性成分要素と、目標値SVn をそのまま出力する静
特性成分要素と、これら2つの成分要素の出力を加算す
る加算手段13とで構成されている。
【0026】従って、この補正目標値演算手段1は、補
正目標値をSVn ′とすると、 SVn ′={1+[H(s) −1]}・SVn ……(6) となり、a=SVn の静特性成分とb=[H(s) −1]
・SVn の動特性成分とに分離することができる。
【0027】この加算手段13の出力側には偏差演算手
段14が接続され、ここで補正目標値SVn ′と制御量
検出手段15によって検出される制御対象161 からの
制御量PVn とを偏差演算手段14に導入し、ここで補
正目標値SVn ′から制御量PVn を減算し、偏差信号
E=(SVn ′−PVn )を求める。そして、この偏差
演算手段14で得られる偏差信号EをPI調節手段17
に導入し、ここでPIパラメータの下にPI調節演算を
実行し、その出力信号を減算手段18に導く。
【0028】一方、動特性成分要素の出力は係数乗算手
段19に導入され、ここで動特性成分要素出力に微分成
分の強さを調整するための係数δを乗算し、減算手段1
8に導入する。この減算手段18は、PI調節演算出力
から動特性成分要素出力に係数δを乗じた信号を減算
し、得られた減算出力を比例ゲイン手段20に導入す
る。そして、ここで、減算出力に比例ゲインKp を乗算
し、得られた乗算信号を操作信号MVn としてプロセス
16に印加し、偏差E=0,つまり補正目標値信号SV
n ′=制御量PVn となるように制御する構成である。
【0029】従って、以上のような構成によれば、補正
目標値演算手段1は静特性成分要素と動特性成分要素と
に分離し、動特性成分要素出力に対して調整パラメータ
となる係数δを乗算した後、前記PI調節手段17の出
力から係数δを乗算した係数乗算手段19の出力を減算合
成することにより、微分機能をもたせるようにしてい
る。その結果、図1に示す制御量PVnの応答式を求め
てみると、次のような結果が得られる。
【0030】
【数3】
【0031】従って、この応答式から明らかなことは、
分子のパラメータδにより、微分成分の強さを調整で
き、さらに制御特性を改善することができる。特に、本
装置においては、調整パラメータδを1個増やすだけの
シンプルな構成を採用し、α,β,δの3個のパラメー
タを調整して、比例項,積分項,微分成分の3つの調節
演算を最適に実行することができる。
【0032】次に、請求項2に係わる発明の一実施例に
ついて図2を参照して説明する。この実施例の装置は、
補正目標値演算手段1を改良したものであって、具体的
には前述した(4)式に示す伝達関数H(s) を有する進
み/遅れ要素21と当該進み/遅れ要素21の出力から
目標値SVn を減算する減算手段22とをもつ動特性成
分要素と、目標値SVn をそのまま出力する静特性成分
要素と、これら2つの成分要素の出力を加算する加算手
段23とを有し、補正目標値SVn ′を得る構成であ
る。
【0033】従って、この補正目標値演算手段1は、補
正目標値をSVn ′とすると、 SVn ′={(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s)}・SVn ={1+[(1+αβTI ・s)/(1+βTI ・s)]−1} ・SVn ……(8) となり、a=SVn の静特性成分とb={[(1+αβ
I ・s)/(1+βTI ・s)]−1}・SVn の動
特性成分とに分離する構成である。
【0034】この加算手段23の出力側には偏差演算手
段14が接続され、ここで補正目標値SVn ′と制御量
検出手段15によって検出される制御対象161 からの
制御量PVn とを偏差演算手段14に導入し、ここで補
正目標値SVn ′から制御量PVn を減算し、偏差信号
E=(SVn ′−PVn )を求める。そして、この偏差
演算手段14で得られる偏差信号EをPI調節手段17
に導入し、ここでPIパラメータの下にPI調節演算を
実行し、その出力信号を減算手段18に導入する。
【0035】一方、動特性成分の出力は、係数乗算手段
19によって係数δを乗算し、減算手段18に導入す
る。この減算手段18は、PI調節演算出力から動特性
成分要素出力に係数δを乗じた信号を減算し、得られた
減算出力を比例ゲイン手段20に導入する。そして、こ
こで、減算出力に比例ゲインKp を乗算し、得られた乗
算信号を操作信号MVn としてプロセス16に印加し、
偏差E=0,つまり補正目標値信号SVn ′=制御量P
Vn となるように制御する構成である。
【0036】従って、以上のような構成によれば、補正
目標値演算手段1を静特性成分と動特性成分とに分離
し、動特性成分出力に対して調整パラメータとなる係数
δを乗算した後、この乗算出力を前記PI調節手段17
の出力を減算合成することにより、微分機能をもたせる
ようにしている。そこで、前記(7)式の分子の調節機
能部分を具体的に求めると、(9)式をのようになる。
【0037】
【数4】
【0038】従って、この(9)式から明らかなこと
は、分子のパラメータδの調整により微分成分の強さを
独立的に可変でき、さらに制御特性を改善することがで
きる。特に、本装置においては、調整パラメータδを1
個増やすだけのシンプルな構成を採用し、α,β,δの
3個のパラメータを調整でき、比例項,積分項,微分成
分の3つを最適な調節演算することができる。
【0039】次に、図3は請求項3に係わる発明の一実
施例を示す図である。この実施例の補正目標値演算手段
1は、目標値SVnを微分する{(α−1)βTI
s}/(1+βTI・s)なる伝達関数をもつ不完全微
分手段31と、目標値SVnをそのまま出力する静特性
成分要素と、これら不完全微分手段31の出力と静特性
成分要素とを加算する加算手段32とで構成されてい
る。その結果、補正目標値演算手段1は、補正目標値を
SVn'とすると、 SVn'={(1+αβTI・s)/(1+βTI・s)}・SVn ={1+[(α−1)βI・s]/(1+βTI・s)} ・SVn …(10) となり、a=SVnの静特性成分とb={[(α−1
βI・s]/(1+βTI・s)}・SVnの動特性成
分とに分離する構成となる。
【0040】この加算手段23の出力側には偏差演算手
段14が接続され、ここで補正目標値SVn ′と制御量
検出手段15によって検出される制御対象161 からの
制御量PVn とを偏差演算手段14に導入し、ここで補
正目標値SVn ′から制御量PVn を減算し、偏差信号
E=(SVn ′−PVn )を求める。そして、この偏差
演算手段14で得られる偏差信号EをPI調節手段17
に導入し、ここでPIパラメータの下にPI調節演算を
実行し、その出力信号を減算手段18に導入する。
【0041】また、動特性成分の出力は、係数乗算手段
19によって係数δを乗算し、減算手段18に導入す
る。この減算手段18は、PI調節演算出力から動特性
成分に係数δを乗じた信号を減算し、得られた減算出力
を比例ゲイン手段20に導入する。そして、ここで、減
算出力に比例ゲインKp を乗算し、得られた乗算信号を
操作信号MVn としてプロセス15に印加し、偏差E=
0,つまり補正目標値信号SVn ′=制御量PVn とな
るように制御する構成である。
【0042】従って、以上のような構成によれば、補正
目標値演算手段1を静特性成分と動特性成分とに分離
し、動特性成分出力に対して調整パラメータとなる係数
δを乗算した後、この乗算出力を前記PI調節手段17
の出力を減算合成することにより、微分機能をもたせる
ようにしている。
【0043】その結果、前記(10)式の動特性成分b
以降の構成は、図2の構成と同じになる。また、PVn
の応答式における分子の調節機能部分は、前記(9)式
と同一となり、パラメータδを調整することにより、微
分項の強さを独立して可変できる。
【0044】さらに、図4は請求項4に係わる発明の一
実施例を示す構成図である。この実施例の補正目標値演
算手段1は、目標値SVn に1次遅れをもたせる{1/
(1+βTI ・s)}なる1次遅れ手段41と、目標値
SVn から1次遅れ手段41の出力を減算する減算手段
42と、この減算出力の係数αを乗算する係数乗算手段
43と、この係数乗算手段43の出力から前記減算手段
42の減算出力を減算する減算手段44とを有する動特
性成分要素と、目標値SVn をそのまま出力する静特性
成分要素と、前記減算手段44の出力と静特性成分要素
とを加算する加算手段45とによって構成されている。
【0045】その結果、補正目標値演算手段1は、補正
目標値をSVn'とすると、 SVn'={(1+αβTI・s)/(1+βTI・s)}・SVn ={(1+βTI・s+αβTI・s−βTI・s) /(1+βTI・s)}・SVn ={[1+[(α−1)βTI・s/(1+βTI・s)]}・SVn{1+(α−1)[1−(1/(1+βTI・s))]}・SVnSVn+(α−1)[1−(1/(1+βTI・s))]・SVn となり、a=SVnの静特性成分とb={(α−1)
[1−(1/(1+βTI・s))]}・SVnの動特
性成分とに分離する構成となっている
【0046】さらに、加算手段45の出力側には偏差演
算手段14が接続され、ここで補正目標値SVn ′と制
御量検出手段15によって検出される制御対象161
らの制御量PVn とを偏差演算手段14に導入し、ここ
で補正目標値SVn ′から制御量PVn を減算し、偏差
信号E=(SVn ′−PVn )を求める。そして、この
偏差演算手段14で得られる偏差信号EをPI調節手段
17に導入し、ここでPIパラメータの下にPI調節演
算を実行し、その出力信号を減算手段18に導入する。
【0047】また、動特性成分の出力は、係数乗算手段
19によって係数δを乗算し、減算手段18に導入す
る。この減算手段18は、PI調節演算出力から動特性
成分に係数δを乗じた信号を減算し、得られた減算出力
を比例ゲイン手段20に導入する。そして、ここで、減
算出力に比例ゲインKp を乗算し、得られた乗算信号を
操作信号MVn としてプロセス15に印加し、偏差E=
0,つまり補正目標値信号SVn ′=制御量PVn とな
るように制御する構成である。
【0048】従って、以上のような構成によれば、補正
目標値演算手段1を静特性成分と動特性成分とに分離
し、動特性成分出力に対して調整パラメータとなる係数
δを乗算した後、この乗算出力を前記PI調節手段17
の出力を減算合成することにより、微分機能をもたせる
ようにしている。
【0049】その結果、前記(11)式の動特性成分b
以降の構成は、図2の構成と同じになる。また、PVn
の応答式における分子の調節機能部分は、前記(9)式
と同一となり、パラメータδを調整することにより、微
分項の強さを独立して可変できる。その他、本発明はそ
の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、目
標値に2自由度化のために挿入する補正目標値演算手段
の進み/遅れ要素を静特性成分と動特性成分とに分離
し、この動特性成分に微分成分に寄与するパラメータを
乗じ、PI調節手段の出力に合成することにより、調節
手段に存在しない微分成分を発生させるとともに、その
微分成分の強さを独立して可変するようにしたので、非
常に簡単な構成により、従来の欠陥を解消でき、制御性
を向上できる2自由度PID調節装置を実現できる。そ
の結果、今後のプラント制御システムへの適用が拡大
し、プラント全体の制御性を確信でき、ひいては産業界
に大きく貢献をもたらすことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図2】請求項2に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図3】請求項3に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図4】請求項4に係わる発明の一実施例を示す構成
図。
【図5】従来の2自由度化PI調節装置の構成図。
【符号の説明】
1…補正目標値演算手段、11…進み/遅れ要素、1
2,22…減算手段、13,23…加算手段、14…偏
差演算手段、15…制御量検出手段、16…プロセス、
161 …制御対象、17…PI調節手段、19…係数乗
算手段、20…比例ゲイン手段、21…進み/遅れ手
段、31…不完全微分手段、41…1次遅れ手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−312101(JP,A) 特開 平4−117501(JP,A) 特開 平4−601(JP,A) 須田信英著、システム制御情報学会 編、「システム制御情報ライブラリー6 PID制御」、初版、株式会社朝倉書 店、平成4年7月20日、P.88−104、 「4.4 2自由度PID制御の応用」 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 11/36 - 13/04 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 目標値から得られる補正目標値と制御対
    象からの制御量との偏差が零となるように調節手段によ
    ってPI(P:比例,I:積分)調節演算を実行し、得
    られたPI調節演算信号を用いて制御対象を制御する調
    節装置において、 前記目標値SVn に[1+{H(s) −1}]を乗算して
    静特性成分要素SVnと動特性成分要素{H(s) −1}
    ・SVn とに分離するとともに、これら両成分要素の合
    成出力を前記補正目標値とする補正目標値演算手段と、
    前記動特性成分要素の出力に微分項の強さを可変するた
    めの調整パラメータを乗算するパラメータ乗算手段と、
    前記PI調節手段の出力とパラメータ乗算手段の出力と
    を合成し微分機能をもたせる合成手段とを備えたことを
    特徴とする2自由度調節装置。但し、上式においてH
    (s) は進み/遅れ要素である。
  2. 【請求項2】 目標値から得られる補正目標値と制御対
    象からの制御量との偏差が零となるように調節手段によ
    ってPI調節演算を実行し、得られたPI調節演算信号
    を用いて制御対象を制御する調節装置において、 前記目標値SVn に{1+[(1+αβTI ・s)/
    (1+βTI ・s)]−1}を乗算して静特性成分要素
    SVn と動特性成分要素{[(1+αβTI ・s)/
    (1+βTI ・s)]−1}・SVn とに分離するとと
    もに、これら両成分要素の合成出力を前記補正目標値と
    する補正目標値演算手段と、前記動特性成分要素の出力
    に微分項の強さを可変するための調整パラメータを乗算
    するパラメータ乗算手段と、前記PI調節手段の出力と
    パラメータ乗算手段の出力とを合成し微分機能をもたせ
    る合成手段とを備えたことを特徴とする2自由度調節装
    置。但し、上式においてα,βは調整パラメータ、TI
    は積分時間、sはラプラス演算子である。
  3. 【請求項3】 目標値から得られる補正目標値と制御対
    象からの制御量との偏差が零となるように調節手段によ
    ってPI調節演算を実行し、得られたPI調節演算信号
    を用いて制御対象を制御する調節装置において、 前記目標値SVnに{1+[(α−1)βI・s]/
    (1+βTI・s)}を乗算して静特性成分要素SVn
    と動特性成分要素{[(α−1)βI・s]/(1+
    βTI・s)}・SVnとに分離するとともに、これら
    両成分要素の合成出力を前記補正目標値とする補正目標
    値演算手段と、前記動特性成分要素の出力に微分項の強
    さを可変するための調整パラメータを乗算するパラメー
    タ乗算手段と、前記PI調節手段の出力とパラメータ乗
    算手段の出力とを合成し微分機能をもたせる合成手段と
    を備えたことを特徴とする2自由度調節装置。但し、上
    式においてα,βは調整パラメータ、TIは積分時間、
    sはラプラス演算子である。
  4. 【請求項4】 目標値から得られる補正目標値と制御対
    象からの制御量との偏差が零となるように調節手段によ
    ってPI調節演算を実行し、得られたPI調節演算信号
    を用いて制御対象を制御する調節装置において、 前記目標値SVn に{1+(α−1)[1−(1/(1
    +βTI ・s))]}乗算して静特性成分要素SVn と
    動特性成分要素{(α−1)[1−(1/(1+βTI
    ・s))]}・SVn とに分離するとともに、これら両
    成分要素の合成出力を前記補正目標値とする補正目標値
    演算手段と、前記動特性成分要素の出力に微分項の強さ
    を可変するための調整パラメータを乗算するパラメータ
    乗算手段と、前記PI調節手段の出力とパラメータ乗算
    手段の出力とを合成し微分機能をもたせる合成手段とを
    備えたことを特徴とする2自由度調節装置。但し、上式
    においてα,βは調整パラメータ、TI は積分時間、s
    はラプラス演算子である。
JP06006900A 1994-01-26 1994-01-26 2自由度調節装置 Expired - Lifetime JP3124169B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06006900A JP3124169B2 (ja) 1994-01-26 1994-01-26 2自由度調節装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06006900A JP3124169B2 (ja) 1994-01-26 1994-01-26 2自由度調節装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07210204A JPH07210204A (ja) 1995-08-11
JP3124169B2 true JP3124169B2 (ja) 2001-01-15

Family

ID=11651113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06006900A Expired - Lifetime JP3124169B2 (ja) 1994-01-26 1994-01-26 2自由度調節装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3124169B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5966308B2 (ja) * 2011-10-13 2016-08-10 富士電機株式会社 誘導性負荷制御装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
須田信英著、システム制御情報学会編、「システム制御情報ライブラリー6PID制御」、初版、株式会社朝倉書店、平成4年7月20日、P.88−104、「4.4 2自由度PID制御の応用」

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07210204A (ja) 1995-08-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5892679A (en) Method and system for controlling a multiple input/output process with minimum latency using a pseudo inverse constant
US5371451A (en) Predictive repetition control method for a servo motor and an apparatus therefor
JPH096404A (ja) ディジタルpid制御装置
JP3164667B2 (ja) 調節装置
JP2772106B2 (ja) 2自由度調節装置
JP4483314B2 (ja) サーボ制御装置
JP3124169B2 (ja) 2自由度調節装置
JP4648448B2 (ja) Pid調節器を含む閉ループ系のプロセス制御装置
JP6979330B2 (ja) フィードバック制御方法、及びモータ制御装置
JP2839626B2 (ja) 2自由度調節装置
JPH0651805A (ja) プラントの適応制御方法およびそれを実現する装置
JP3034404B2 (ja) 2自由度pid調節装置
JPS629405A (ja) プロセス制御装置
JP2845534B2 (ja) 2自由度調節装置
JP3448210B2 (ja) Pid調整器を含む閉ループ系のプロセス制御装置
JPH06222809A (ja) 適応制御装置
JP2818325B2 (ja) 2自由度調節装置
JPH03296802A (ja) 2自由度調節装置
JP2635786B2 (ja) 2自由度調節装置
JP2752230B2 (ja) 2自由度制御装置
JPH0570841B2 (ja)
JP2809849B2 (ja) 2自由度調節装置
JPH096402A (ja) プロセス制御装置
JP3004152B2 (ja) 2自由度pid調節装置
JPH07253803A (ja) 2自由度調節装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081027

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081027

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091027

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101027

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111027

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121027

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131027

Year of fee payment: 13

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term