JP3123369B2 - 車両用エンジンおよび自動変速機の制御装置 - Google Patents

車両用エンジンおよび自動変速機の制御装置

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JP3123369B2
JP3123369B2 JP06292537A JP29253794A JP3123369B2 JP 3123369 B2 JP3123369 B2 JP 3123369B2 JP 06292537 A JP06292537 A JP 06292537A JP 29253794 A JP29253794 A JP 29253794A JP 3123369 B2 JP3123369 B2 JP 3123369B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンおよび自動変
速機を備えた車両の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されているエンジンの燃焼効
率は高負荷運転となるほど良好となることが知られてお
り、たとえば特願平5−315908号公報に記載され
ているように、軽負荷時においては両側に2つの気筒群
を備えたV型エンジンの一方の気筒群のみで燃焼作動を
行い且つ他方を休止させることによって燃費をよくする
気筒群切換制御が提案されている。
【0003】また、一般に、車両に搭載される自動変速
機は、複数のクラッチおよびブレーキからなる摩擦係合
装置の作動の組み合わせによってギヤ段を切り換えるよ
うに構成されており、変速期間中には、そのギヤ段の切
り換えに関与する摩擦係合装置の係合や解放作動に関連
する変速ショックや摩擦係合装置の摩耗を抑制するため
に、エンジンの点火時期を遅角させてエンジンの出力を
一時的に低下させる遅角制御手段が設けられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記エンジ
ンの各気筒群は独立して制御されているが、遅角制御に
関連した気筒群の制御が行われていないので、変速時の
遅角制御に関して種々の不都合があった。たとえば、あ
る気筒群において遅角制御が実行できない状態でその気
筒群を使用したまま走行すると、変速機の耐久性が低下
する可能性がある。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、少なくとも複数
の気筒群のうちの1つを作動させて走行する場合に、現
在使用している気筒群で遅角制御が実行できないときで
も、車両の走行性能を低下させることのないようにする
制御装置を提供することにある。また、所定の気筒群で
遅角制御ができない場合には、その気筒群を使用しない
ようにすることにより変速時の遅角制御を可能とする制
御装置を提供することにある。更に、一部の気筒群で遅
角制御ができないときには全気筒群運転時にもエンジン
の遅角制御を実行しないようにしてトルク変動やそれに
起因する振動が発生しないようにする制御装置を提供す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】上記目的を達成す
るための本発明の要旨とするところは、複数の気筒群を
有し、そ気筒群毎に作動制御されるエンジンと、車両
の走行状態に基づいて複数種類のギヤ段のうちのいずれ
かが選択される自動変速機とを備え、前記複数の気筒群
毎に排ガスを浄化するための触媒が設けられた車両にお
いて、前記気筒群を単独で作動させる部分気筒群運転条
件が成立した状態では前記気筒群を交互に作動させる気
筒群作動切換手段と、その自動変速機の変速期間には前
記エンジンの出力を一時的に低下させるために前記エン
ジンの点火時期を遅角させる遅角制御手段を含む制御装
置であって、(a) 作動中の気筒群の前記遅角制御手段に
よる遅角制御が実行可能な状態であるか否かを判定する
遅角可能判定手段と、(b) 部分気筒群運転中に前記遅角
可能判定手段によって遅角制御を実行できないと判定さ
れた場合には、作動中の気筒群の作動を停止させると同
時に他の気筒群を作動させる気筒群強制切換手段とを、
含むことにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、部分気筒群運転中におい
て、遅角可能判定手段によって遅角制御が実行可能な状
態ではないと判定された場合には、気筒群強制切換手段
によって、作動中の気筒群の作動が停止させられると同
時に他の気筒群が作動させられるので、それまでのもの
とは触媒が異なる他の気筒群での走行において、自動変
速機の変速時などにはエンジンの遅角制御を引き続き行
うことが可能となる。
【0008】
【第1発明の効果】したがって、本発明によれば、複数
の気筒群のうちの一部を作動させる部分気筒群作動運転
を継続できて燃費の向上効果が確保されるとともに、遅
角制御手段による変速時の遅角制御も継続できるので、
変速ショック防止効果も確保され、変速機の耐久性の低
下が避けられる。
【0009】ここで、前記部分気筒群運転条件は、エン
ジンが予め設定された軽負荷領域内であることであり、
たとえば車速が零ではない状態でエンジンの負荷が予め
設定された範囲たとえば5〜50%の範囲内である条件
とされる。前記気筒群作動切換手段は、部分気筒群運転
中では、触媒をその作動温度範囲内に保持するなどのた
めに、たとえばエンジン冷却水温或いは触媒の温度に基
づいて決定される周期或いは燃焼回数に到達すると定期
的に前記気筒群を交互に作動させる。
【0010】また、前記遅角可能判定手段は、たとえ
ば、作動中の気筒群の排気系統に設けられた触媒の温度
が予め設定された作動温度範囲を超えたことを以て、遅
角制御を実行できないと判定する。また、その遅角可能
判定手段は、たとえば上記触媒に設けられた温度センサ
からの信号が断線や短絡などに起因して異常値を示した
ことを以て、遅角制御を実行できないと判定する。或い
は、その遅角可能判定手段は、たとえば遅角制御の頻度
が予め設定された値を超えたことを以て、遅角制御を実
行できないと判定する。
【0011】上記の発明をさらに発展させた態様を以下
に例示すると、その一態様では、前記気筒群強制切換手
段によって切り換えられる相手の気筒群においても遅角
制御の実行が可能か否かを判定し、その切り換えられる
相手の気筒群の遅角制御の実行が可能でない場合は前記
気筒群強制切換手段による気筒群の強制切り換えを実行
させない第2遅角可能判定手段と、この第2遅角可能判
定手段により遅角制御の実行が可能でないと判定された
場合には遅角制御を禁止する遅角制御禁止手段と、その
遅角制御に替えて前記自動変速機の変速期間中において
摩擦係合装置を作動させるライン圧を所定値だけ高くす
るライン圧上昇手段がさらに設けられる。このようにす
れば、変速に関連して作動する摩擦係合装置のすべり量
が少なくされ、それら摩擦係合装置の耐久性が高められ
る。また、遅角制御が実行されないので、その間に触媒
を過熱した状態から正常の作動温度範囲へ低下させるこ
とができる。
【0012】また、好適には、上記の第2遅角可能判定
手段およびライン圧上昇手段に加えて、或いはそのライ
ン圧上昇手段に替えて、第2遅角可能判定手段により遅
角制御できないと判定された場合には、通常走行に用い
られる変速線図に対して変速点車速がより低速側に設定
された変速線図を選択する変速線図選択手段がさらに設
けられる。このようにすれば、自動変速機の変速が通常
走行に比較して低車速側で実行されることになるので、
変速期間における摩擦係合装置のトルクが軽減され、変
速ショックが抑制されると同時に摩擦係合装置の耐久性
が高められる。
【0013】また、好適には、上記の第2遅角可能判定
手段により、前記気筒群強制切換手段によって切り換え
られる相手の気筒群においても遅角制御を実行できない
と判定された場合は、前記エンジンに対する燃料噴射量
を増量して空燃比を燃料過剰側へ変更する燃料増量手段
がさらに設けられる。このようにすれば、作動中の気筒
群の排気系統に設けられた触媒の過熱が積極的に低下さ
せられる利点がある。
【0014】
【課題を解決するための第2の手段】前記目的を達成す
るための本発明の要旨とするところは、複数の気筒群を
有し、その気筒群毎に作動制御されるエンジンと、車両
の走行状態に基づいて複数種類のギヤ段のうちのいずれ
かが選択される自動変速機とを備え、前記複数の気筒群
毎に排ガスを浄化するための触媒が設けられた車両にお
いて、前記気筒群を単独で作動させる部分気筒群運転条
件が成立した状態では前記気筒群を交互に作動させる気
筒群作動切換手段と、その自動変速機の変速期間には前
記エンジンの出力を一時的に低下させるために前記エン
ジンの点火時期を遅角させる遅角制御手段を含む制御装
置であって、(a) 所定の気筒群の前記遅角制御手段によ
る遅角制御が実行可能な状態であるか否かを判定する遅
角可能判定手段と、(b) その遅角可能判定手段によって
所定の気筒群の遅角制御が実行可能でないと判定される
場合には、その所定の気筒群への切り換えを禁止する気
筒群切換禁止手段とを、含むことにある。
【0015】
【作用】このようにすれば、前記遅角可能判定手段によ
って所定の気筒群の遅角制御が実行可能でないと判定さ
れる場合には、気筒群切換禁止手段により、その所定の
気筒群への切り換えが禁止される。切り換えが禁止され
ていない他の気筒群では遅角制御実行可能でないと判定
されたときのものとは触媒が異なるため、その他の気筒
群において、自動変速機の変速時にはエンジンの遅角制
御を引き続き行うことが可能となる。
【0016】
【第2発明の効果】したがって、本発明によれば、前記
の気筒群を単独で作動させる比較的軽負荷の走行におい
て、所定の気筒群の触媒が使用不能な状態でも、その所
定の気筒群への切り換えが禁止されることにより、変速
時の遅角制御が継続的に可能となって変速ショックが好
適に解消されるとともに、部分気筒群作動運転を継続で
きて燃費の向上効果が確保される。
【0017】ここで、前記部分気筒群運転条件は、エン
ジンが予め設定された軽負荷領域内であることであり、
たとえばエンジンの負荷が予め設定された範囲たとえば
5〜50%の範囲内であることとされる。前記気筒群作
動切換手段は、部分気筒群運転中には触媒をその作動温
度範囲内に保持するために、たとえばエンジン冷却水温
或いは触媒の温度に基づいて決定される周期或いは燃焼
回数に到達すると定期的に前記気筒群を交互に作動させ
る。
【0018】また、前記遅角可能判定手段は、たとえば
複数の気筒群の排気系統にそれぞれ設けられた触媒の温
度が予め設定された作動温度範囲を超えたことを以て、
各気筒群の遅角制御が可能であるか否かを判定する。ま
た、その遅角可能判定手段は、たとえば各触媒に設けら
れた温度センサからの信号が断線や短絡などに起因して
異常値を示したことを以て、その触媒に対応した気筒群
の遅角制御が可能であるか否かを判定する。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0033】図1は、車両において、本発明の一実施例
の制御装置およびそれにより制御されるエンジン10
と、トルクコンバータ12を備えた自動変速機14を説
明する図である。図において、エンジン10の出力は、
トルクコンバータ12を介して自動変速機14に入力さ
れ、さらに図示しない差動歯車装置および車軸を介して
駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0034】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプ翼車18と、自
動変速機14の入力軸20に連結されたタービン翼車2
2と、それらポンプ翼車18およびタービン翼車22の
間を直結するロックアップクラッチ24と、一方向クラ
ッチ26によって一方向の回転が阻止されているステー
タ翼車28とを備えている。
【0035】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う副変速部30と、後進ギヤ段およ
び前進4段の切り換えが可能な主変速部32を備えてい
る。副変速部30は、サンギヤSo、リングギヤRo、
およびキャリヤKoに回転可能に支持されてそれらサン
ギヤSoおよびリングギヤRoに噛み合わされている遊
星ギヤPoから成るHL遊星歯車装置34と、サンギヤ
SoとキャリヤKoとの間に設けられたクラッチCoお
よび一方向クラッチFoと、サンギヤSoおよびハウジ
ング41間に設けられたブレーキBoとを備えている。
【0036】主変速部32は、サンギヤS1、リングギ
ヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されてそ
れらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされ
ている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36と、
サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK2に
回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリング
ギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第
2遊星歯車装置38とを備えている。
【0037】上記リングギヤR1はクラッチC1を介し
て前記リングギヤRoに連結され、上記サンギヤS1と
サンギヤS2は、クラッチC2を介して前記リングギヤ
Roに連結され且つブレーキB1により制動されるスリ
ーブ軸40により一体的に連結され、上記キャリヤK1
およびリングギヤR2は出力軸42に一体的に連結さ
れ、そして、上記キャリヤK2はブレーキB3により制
動され且つ一方向クラッチF1により一方向の回転が阻
止されるようになっている。
【0038】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に基づき、上記各摩擦係
合装置の作動の組み合わせに従って後進1段および前進
5段のギヤ段が切り換えられる。図2において○印は係
合状態を示し、×印は解放状態を示している。
【0039】図3に示すように、車両のエンジン10
は、たとえば各4個の気筒から成る気筒群C1 およびC
2 を備えた左右一対のエンジンブロック44および46
と、各エンジンブロック44および46に独立して混合
気を供給する左右一対の吸気配管48および50と、排
気ガスを浄化するための触媒52および54をそれぞれ
備えて各エンジンブロック44および46から排出され
る排気を導く左右一対の排気管56および58とを備え
ている。
【0040】一対の左バンク制御装置60および右バン
ク制御装置62は、混合気の空燃比、エンジンの燃料噴
射量、点火時期、排気ガス再循環量などを制御するため
のエンジン用電子制御装置64を構成するものであり、
左右一対の排気管56および58にそれぞれ設けられた
スロットル弁66および68の開度をスロットルアクチ
ュエータ70および72を介してそれぞれ制御する。ま
た、上記左バンク制御装置60および右バンク制御装置
62は、左右一対の吸気配管48および50にそれぞれ
設けられた燃料噴射弁74および76の燃料噴射量すな
わち燃料噴射期間と、左右の一対のエンジンブロック4
4および46に設けられた点火装置78および80の点
火時期とを制御する。
【0041】上記左バンク制御装置60と右バンク制御
装置62との間は一方が必要な情報を他方から適宜読み
込むことが可能なように通信回線により相互に接続され
ており、それら左バンク制御装置60および右バンク制
御装置62により構成されるエンジン用電子制御装置6
4と変速用電子制御装置82との間も、一方が必要な情
報を他方から適宜読み込むことが可能なように通信回線
により相互に接続されている。
【0042】図1に示すように、エンジン10の回転速
度Ne を検出するエンジン回転速度センサ86、左右一
対の吸気配管48および50の吸入空気量QA1、QA2
検出する一対の吸入空気量センサ88および90、左右
のスロットル弁66および68の開度θ1 およびθ2
検出するスロットルセンサ92および94、左右の触媒
52および54の温度TR1およびTR2を検出する触媒温
度センサ96および98、アクセルペダル100の操作
量ACCを検出するアクセル操作量センサ102、エンジ
ン10の冷却水温TW を検出する冷却水温センサ104
などが設けられており、エンジン回転速度Ne 、吸入空
気量QA1、QA2、左右のスロットル弁66および68の
開度θ1 およびθ2 、左右の触媒52および54の温度
R1およびTR2、アクセルペダル100の操作量ACC
エンジン10の冷却水温TW を表す信号がエンジン用電
子制御装置64および変速用電子制御装置82に供給さ
れるようになっている。また、入力軸20の回転速度N
INを検出する入力軸回転速度センサ106、出力軸42
の回転速度NOUT すなわち車速Vを検出する車速センサ
108、油圧制御回路110の作動油温度TOIL を検出
する油温センサ112、シフトレバー114の操作位置
SHを検出するシフト位置センサ116、パターンセレ
クトスイッチ118の操作位置PP を検出するシフトパ
ターンセンサ120などが設けられており、入力軸20
の回転速度NIN、出力軸42の回転速度NOUT すなわち
車速V、シフトレバー114の操作位置PSH、パターン
セレクトスイッチ118の操作位置PP を表す信号が変
速用電子制御装置82に供給されるようになっている。
【0043】上記油圧制御回路110は、自動変速機1
4の第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ段のいずれかを成立さ
せる摩擦係合装置を作動させるための第1電磁弁S1、
第2電磁弁S2、および第3電磁弁S3と、ロックアッ
プクラッチ24の係合制御のためのリニヤソレノイド弁
SLU と、各摩擦係合装置の作動油圧源となるライン圧を
伝達トルクに応じて高くなるように制御するためのリニ
ヤソレノイド弁SLT と、所定の摩擦係合装置の係合時の
トルクの立ち上がりを緩和するアキュムレータの背圧を
制御するためのリニヤソレノイド弁SLN とを備えてい
る。
【0044】前記エンジン用電子制御装置64は、CP
U、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを備
えた所謂マイクロコンピュータであって、CPUはRA
Mの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶された
プログラムに従って入力信号を処理し、たとえば、燃焼
制御のために燃料噴射弁74、76を制御し、点火時期
制御や変速期間中の出力低下制御のために点火装置7
8、80を制御し、アイドル回転制御のために図示しな
いバイパス弁を制御し、気筒群の切換時においてもエン
ジン10の出力トルクを滑らかに変化させる制御のため
に、たとえば予め記憶された図4の関係から、アクセル
ペダル100の操作量ACCに基づいてスロットル弁66
および68の開度θ1 およびθ2 を制御し、エンジン負
荷すなわちアクセルペダル100の操作量ACCに基づい
てエンジンブロック44、46に設けられた気筒群
1 、C2 単位で作動を切り換える気筒群作動切換制御
を実行する。
【0045】前記変速用電子制御装置82も、上記エン
ジン用電子制御装置64と同様のマイクロコンピュータ
であって、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ
予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号を
処理し、油圧制御回路110の各電磁弁或いはリニヤソ
レノイド弁を駆動する。たとえば、変速用電子制御装置
82は、エンジンの負荷、すなわちアクセル操作量ACC
或いはスロットル弁開度θ1 およびθ2 の平均値θAV
対応した大きさのライン圧或いはスロットル圧を発生さ
せるためにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を
制御するためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアッ
プクラッチ24の係合、解放、スリップ量を制御するた
めにリニヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動する。ま
た、変速用電子制御装置82は、予め記憶された変速線
図から実際のアクセル操作量ACC或いはスロットル弁開
度θ1 およびθ2 の平均値θAVおよび車速Vに基づいて
自動変速機14のギヤ段やロックアップクラッチ24の
係合状態を決定し、この決定されたギヤ段および係合状
態が得られるように電磁弁S1、S2、S3を駆動す
る。
【0046】図5は、前記エンジン用電子制御装置64
の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
図において、部分気筒群運転条件判定手段130により
前記複数の気筒群C1 、C2 のうちの1部を作動させる
部分気筒群運転条件、たとえば予め設定された軽負荷条
件が成立したか否かが判断される。気筒群作動切換手段
132は、その部分気筒群運転条件判定手段130によ
り部分気筒群運転条件が成立したと判定された状態では
その気筒群C1 、C2 を交互に作動させるが、成立した
と判定されない状態では、高負荷運転状態であるので両
気筒群C1 、C 2 を同時に作動させる。出力トルク制御
手段134は、気筒群の作動数の変更に拘わらずそのと
きのエンジン10の出力トルクを一定に保持することに
より、アクセルペダル操作量ACCの増加に伴ってエンジ
ン10の出力トルクを滑らかに変化させるために、たと
えば予め記憶された図4の関係から、アクセルペダル1
00の操作量ACCに基づいてスロットル弁66および6
8の開度θ1 およびθ2 を制御する。即ち、片バンク状
態から両バンク状態に切り換えられるとき、あるいはそ
の反対の時にも電子スロットルにより2つのスロットル
が協調して制御されアクセル開度に対してバンク状態に
かかわらず一定のエンジントルクが出される。遅角制御
手段136は、自動変速機14の変速期間にはエンジン
10の出力を一時的に低下させるためにそのエンジン1
0の点火時期を遅角させる。
【0047】遅角可能判定手段138は、気筒群C1
2 のうち作動中の気筒群の排気系統に設けられた触媒
52または54の使用頻度に関連して上記遅角制御手段
136による遅角制御が実行可能な状態であるか否かを
判定する。気筒群強制切換手段140は、部分気筒群運
転中において上記遅角可能判定手段138により遅角制
御が実行可能でないと判定された場合には、気筒群
1 、C2 のうち作動中の気筒群の作動を停止させると
同時に他の気筒群を作動させる。また、上記気筒群強制
切換手段140によって切り換えられる相手の気筒群に
おいても遅角制御の実行が可能か否かを判定し、その切
り換えられる相手の気筒群の遅角制御の実行が可能でな
い場合は前記気筒群強制切換手段140による気筒群の
強制切り換えを実行させない第2遅角可能判定手段13
9と、この第2遅角可能判定手段139により遅角制御
の実行が可能でないと判定された場合には遅角制御を禁
止する遅角制御禁止手段141と、その遅角制御に替え
て自動変速機14の変速期間中において摩擦係合装置を
作動させるライン圧を所定値だけ高くするライン圧上昇
手段143とが設けられる。
【0048】また、上記遅角可能判定手段138は、複
数の気筒群C1 、C2 の排気管56、58に設けられた
触媒52、54がそれぞれ使用可能な状態であるか否か
すなわち遅角制御が可能であるか否かを、その触媒5
2、54の実際の温度などに基づいて判定する。気筒群
切換禁止手段144は、上記遅角可能判定手段138に
よって気筒群C1 、C2 のうちの所定の気筒群の排気系
統の触媒が使用可能ではなくその所定の気筒群の遅角制
御不能であると判定される場合には、前記部分気筒群運
転条件が成立しているにも拘わらず前記気筒群作動切換
手段132によるその所定の気筒群への切り換えを禁止
する。
【0049】また、上記触媒判定手段142は、複数の
気筒群C1 、C2 の排気管56、58に設けられた触媒
52、54が共に使用可能な温度に到達したか否かを判
定する。全気筒群選択手段148は、その触媒判定手段
142により複数の気筒群C 1 、C2 の排気管56、5
8に設けられた触媒52、54が共に使用可能な温度に
到達したと判定されるまでは、前記部分気筒群運転条件
が成立しているにも拘わらず上記複数の気筒群C1 、C
2 を共に作動させる。
【0050】また、前記遅角可能判定手段138は、複
数の気筒群C1 、C2 のうちの少なくとも1つの気筒群
の排気系統の触媒52或いは54が使用可能か否かに基
づいて遅角制御が可能か否かを判定する。遅角禁止手段
152は、全気筒群が作動させられる状態において、そ
の遅角可能判定手段138によって少なくとも1つの気
筒群の触媒が使用不能であることに基づいて遅角制御が
できないと判定された場合には、遅角制御手段136に
よる遅角を禁止する。
【0051】以下、図6、図7、図8、図9に示すフロ
ーチャートを用いて、エンジン用電子制御装置64の制
御作動を詳細に説明する。なお、図6、図7、図8、図
9のルーチンにそれぞれ示す制御作動は、複合的に実行
され得るが、いずれかが単独でも実行され得る。図6の
ルーチンは、一方の気筒群を作動させている部分気筒群
運転中において変速期間中に実行する遅角制御の頻度が
大きくなった場合に、その一方の気筒群の触媒を過熱か
ら保護するために他方の気筒群へ作動を強制的に切り換
える制御を主として示している。図7のルーチンは、一
方の気筒群を作動させている部分気筒群運転中において
他方の気筒群の触媒が過熱などにより使用不能状態であ
るときはその他方の気筒群への切り換えを禁止する制御
を主として示している。図8のルーチンは、部分気筒群
運転条件が成立していても、全気筒群の触媒が暖気され
て使用可能となるまでは、それら全気筒群が作動させら
れる制御を主として示している。図9のルーチンは、全
気筒群の作動中において1つの気筒群の触媒が作動不能
となった場合には、変速期間における点火時期遅角制御
を禁止する制御を主として示している。
【0052】図6において、ステップ(以下、ステップ
を省略する)SA1では、各センサからの入力信号など
を読み込む入力処理が行われ、続くSA2では、エンジ
ン10の冷却水温TW が予め設定された判断基準値TWO
以上となったか否かが判断される。この判断基準値TWO
は、エンジン10の暖気状態を判断するための値であ
り、たとえば70℃程度の値に設定される。このSA2
の判断が否定された場合は、SA3において自動変速機
14の変速期間内ではライン圧を所定値だけ上昇させる
ための指令信号が変速用電子制御装置82へ出力され、
続くSA4において自動変速機14の変速期間内の遅角
制御が禁止される。
【0053】上記SA2の判断が肯定された場合には、
SA5において各触媒52、54の温度TR1、TR2が予
め設定された判断基準値TRL以上となったか否かが判断
される。この判断基準値TRLは、各触媒52、54の浄
化作用が充分に得られる正常作動温度範囲の下限値に対
応する値であり、たとえば400℃程度の値に設定され
る。
【0054】上記SA5の判断が否定された場合には前
記SA3およびSA4が実行されるが、肯定された場合
には前記部分気筒群運転条件判定手段130に対応する
SA6において、エンジン10の気筒群C1 、C2 のう
ちの1群を作動させる部分気筒群作動条件が成立したか
否かが判断される。この部分気筒群作動条件は、エンジ
ン10が比較的軽負荷であることすなわち比較的軽負荷
走行であることを判定するための条件であり、たとえば
車速Vが零ではなく且つアクセル操作量ACCが5乃至5
0%の範囲内である条件が用いられる。このSA6の判
断が否定された場合は、SA7において燃料噴射弁74
および76から燃料が噴射されることによりエンジン1
0の全気筒群すなわち気筒群C1 およびC2 が作動させ
られる。
【0055】上記SA6の判断が肯定された場合は、続
くSA8において、エンジン10の気筒群C1 およびC
2 のそれぞれにおいて変速期間内に行われた遅角制御の
実行頻度(すなわち単位期間内における実行回数)が同
一気筒において予め設定された値よりも大きいか否かが
判断される。このSA8の判断が否定された場合は、各
触媒52、54の温度TR1、TR2が過熱しておらず、引
き続き使用可能な状態と考えられるので、前記気筒群作
動切換手段132に対応するSA9においてエンジン1
0の気筒群C1 およびC2 を交互に作動させる気筒群作
動切換制御が実行される。この気筒群作動切換制御で
は、触媒52、54をその正常作動温度範囲内に保持す
るなどのために、たとえばエンジン冷却水温TW 或いは
触媒52、54の温度TR1、TR2に基づいて決定される
周期或いは燃焼回数に到達すると定期的にスロットル弁
66および68の一方と燃料噴射弁74および76の一
方とを閉じ且つ他方を作動させることにより気筒群C1
およびC2 を交互に作動させる。
【0056】以上のように気筒群C1 およびC2 が交互
に作動させられる軽負荷走行において、自動変速機14
の変速期間においてエンジン10の出力トルクを一時的
に低下させる遅角制御の実行頻度が高くなると、上記S
A8の判断が肯定されるので、SA10において、その
SA8により実行頻度が大きいと判定された気筒群(た
とえば気筒群C1 )の他の気筒群(たとえば気筒群
2 )で遅角制御可能か否かが判断される。たとえば、
その他の気筒群がC2 であるときはそれに対応する触媒
54の温度TR2がその作動温度範囲内であることに基づ
いて判断される。
【0057】上記SA10の判断が肯定された場合は、
SA11において、エンジン10においてSA8にて頻
度大であると判定された気筒群(たとえば気筒群C1
の作動が停止されると同時にその他の気筒群(たとえば
気筒群C2 )の作動が開始される。すなわち、上記頻度
大であると判定された気筒群からその他の気筒群へ強制
的に切り換えられる。
【0058】しかし、上記SA10の判断が否定された
場合には、SA12において自動変速機14の変速期間
内ではライン圧を所定値だけ上昇させるための指令信号
が変速用電子制御装置82へ出力され、続くSA13に
おいて自動変速機14の変速期間内の遅角制御が禁止さ
れる。
【0059】上述のように、本実施例によれば、エンジ
ン10の部分気筒群運転走行中において、遅角可能判定
手段138に対応するSA8によって作動中の気筒群の
遅角制御が実行可能でないと判定された場合には、気筒
群強制切換手段140に対応するSA11によって、作
動中の気筒群の作動が停止させられると同時にその他の
気筒群が作動させられる。このため、その他の気筒群の
排気系統の触媒を使用することにより、自動変速機14
の変速時にはエンジン10の遅角制御を引き続き行うこ
とが可能となることから、部分気筒群作動運転を継続で
きて燃費の向上効果が確保されるとともに、遅角制御手
段136による変速時の遅角制御も継続できるので、変
速ショック防止効果も確保され、車両の走行性能が維持
される。さらに、上記遅角可能判定手段138によって
遅角制御を実行できないと判定された作動中の気筒群の
触媒をそれ以上使用しなくてもよいので、変速時の遅角
制御によりその触媒が過熱することが防止される。
【0060】また、本実施例によれば、上記気筒群強制
切換手段140によって切り換えられる相手の気筒群に
おいても遅角制御の実行が可能か否かを判定し、その切
り換えられる相手の気筒群の遅角制御の実行が可能でな
い場合は前記気筒群強制切換手段140による気筒群の
強制切り換えを実行させない第2遅角可能判定手段13
9(SA10)と、この第2遅角可能判定手段139に
より遅角制御の実行が可能でないと判定された場合には
遅角制御を禁止する遅角制御禁止手段141(SA1
3)と、その遅角制御に替えて自動変速機14の変速期
間中において摩擦係合装置を作動させるライン圧を所定
値だけ高くするライン圧上昇手段143(SA12)が
設けられる。この結果、変速に関連して作動する摩擦係
合装置のすべり量が少なくされ、それら摩擦係合装置の
耐久性が高められる。また、遅角制御が実行されないの
で、その間に触媒を過熱した状態から正常の作動温度範
囲へ速やかに低下させることができる。
【0061】次に、図7に示すルーチンにおいて、SB
1乃至SB6では、図6のSA1乃至SA6と同様に、
入力信号処理が行われるとともに、エンジン10および
触媒52、54の暖気が完了するまでは変速期間中にお
ける油圧制御回路110のライン圧アップが行われると
同時に変速期間中の点火時期遅角制御が禁止される一
方、エンジン10および触媒52、54の暖気が完了す
ると部分気筒群作動条件が成立したか否かが判断され
る。
【0062】上記SB6において部分気筒群作動条件が
成立しないと判断された場合は本ルーチンが終了させら
れるが、成立したと判断された場合は、SB7において
全気筒群C1 およびC2 について変速期間中の点火時期
遅角制御が共に実行可能であるか否かが判断される。こ
の実行可能の判断は、触媒52および54の温度範囲が
予め設定された正常作動温度範囲内であるか否かや、触
媒温度センサ96、98の故障であるか否かなどに基づ
いて判断される。
【0063】各触媒52および54の温度範囲が予め設
定された正常作動温度範囲内であるときは上記SB7の
判断が肯定されるので、SB8において、図6のSA9
と同様に、所定の切換周期或いは気筒の燃焼回数に到達
すると定期的に気筒群を交互に切り換える気筒***互切
換制御が実行される。しかし、たとえば遅角制御の頻度
が高いために触媒52および54のうちの一方が過熱し
た場合、触媒52および54の温度TR1、TR2のうちの
一方がその正常作動温度範囲に到達しない場合、触媒温
度センサ96、98のうちの一方が故障した場合などに
より上記SB7の判断が否定された場合には、SB9に
おいて、触媒52および54のうちの使用可能でないと
判定された気筒群への切り換えが禁止され、使用可能な
側の触媒に対応する気筒群だけの部分気筒群作動が継続
される。
【0064】上述のように、本実施例によれば、遅角可
能判定手段138に対応するSB7によって気筒群C1
およびC2 の排気系統の触媒52および54のうちの一
方が使用可能でなく遅角制御が可能でないと判定された
場合には、部分気筒群運転条件が成立しているにも拘わ
らず、気筒群切換禁止手段144に対応するSB9によ
りその使用可能でない気筒群への切り換えが禁止される
とともに、使用可能な気筒群だけの部分気筒群作動が継
続される。このため、複数の気筒群のうちの1部を作動
させる比較的軽負荷の走行において所定の気筒群の触媒
が使用不能な状態でも、自動変速機14の変速時におい
てエンジン10の遅角制御を継続して行うことが可能と
なるので、変速ショック防止効果も確保されると同時
に、部分気筒群作動運転を継続できて燃費の向上効果が
確保されて車両の走行性能が維持される。
【0065】次に、図8に示すルーチンにおいて、SC
1乃至SC4では、図6のSA1乃至SA4同様に、入
力信号処理が行われるとともに、エンジン10の暖気が
完了するまでは変速期間中における油圧制御回路110
のライン圧アップが行われると同時に変速期間中の点火
時期遅角制御が禁止される一方、そのSC4の遅角制御
禁止に続くSC5において、全気筒群C1 およびC2
優先的に作動させられる。
【0066】また、上記SC2においてエンジン10の
暖気が完了したと判断された場合には、SC6において
触媒52の温度TR1が予め設定された判断基準値TRL
上となったか否かが判断され、そのSC6の判断が肯定
された場合には触媒54の温度TR2が予め設定された判
断基準値TRL以上となったか否かが判断される。そし
て、上記SC6およびSC7の判断のいずれかが否定さ
れた場合には、上記SC3乃至SC5が実行されて、変
速期間中における油圧制御回路110のライン圧アップ
が行われると同時に変速期間中の点火時期遅角制御が禁
止される一方、全気筒群C1 およびC2 が優先的に作動
させられる。
【0067】以上のステップが繰り返し実行されるう
ち、触媒52および54が暖気されてそれらの温度TR1
およびTR2が共に判断基準値TRL以上となると、上記S
C7に続くSC8において、図6のSA6と同様に、エ
ンジン10の気筒群C1 、C2のうちの1群を作動させ
る部分気筒群作動条件が成立したか否かが判断される。
このSC8の判断が肯定された場合には、SC9におい
て図6のSA9と同様の気筒***互切換制御が実行さ
れ、気筒群C1 およびC2 の一方および他方が交互に切
り換え作動させられる。しかし、上記SC8の判断が否
定された場合には、SC10において全気筒群が作動さ
せられる。
【0068】上述のように、本実施例によれば、触媒判
定手段142に対応するSC6およびSC7により複数
の気筒群C1 およびC2 の排気系統の触媒52および5
4が共に使用可能な温度に到達したと判定されるまで
は、全気筒群選択手段148に対応するSC5によっ
て、部分気筒群運転条件が成立しているにも拘わらず複
数の気筒群C1 およびC2 が共に作動させられる。した
がって、通常は複数の気筒群C1 およびC2 のうちの1
群を作動させる比較的軽負荷の走行であっても、複数の
気筒群C1 およびC2 の触媒52および54が共に暖気
されるまでそれら複数の気筒群C1 およびC2 が共に作
動させられるので、エンジン10の始動後にすみやかに
気筒群切換制御が可能となる。
【0069】次に、図9のルーチンにおいて、SD1乃
至SD6では、図6のSA1乃至SA6と同様に、入力
信号処理が行われるとともに、エンジン10および触媒
52、54の暖気が完了するまでは変速期間中における
油圧制御回路110のライン圧アップが行われると同時
に変速期間中の点火時期遅角制御が禁止される一方、エ
ンジン10および触媒52、54の暖気が完了すると部
分気筒群作動条件が成立したか否かが判断される。
【0070】SD6において部分気筒群作動条件が成立
したと判断された場合は、SD7において図6のSA9
と同様の気筒***互切換制御が実行される。しかし、S
D6において部分気筒群作動条件が成立しないと判断さ
れた場合は、SD8において複数の気筒群C1 およびC
2 の排気系統の触媒52および54のうちの少なくとも
1つが使用不能な状態であるか否かが判断される。この
SD8の判断が否定された場合は、前記SD7以下が実
行される。しかし、SD8の判断が肯定された場合は、
SD9において使用可能な正常な触媒に対応する気筒群
を含むすべての気筒群の遅角制御が禁止され、続くSD
10では自動変速機14の変速期間中にライン圧を一時
的に上昇させる制御が遅角制御に替えて実行され、続く
SD11では全気筒群C1 およびC2 が作動させられ
る。すなわち、全気筒群C1 およびC2 を作動させる比
較的負荷が大きな走行において遅角制御が禁止されるの
である。
【0071】上述のように、本実施例によれば、全気筒
群が作動させられる比較的負荷が大きな走行において、
遅角可能判定手段138に対応するSD8により少なく
とも1つの気筒群の触媒が使用不能であるため遅角制御
が不能な状態であると判定された場合には、遅角禁止手
段152に対応するSD9により上記遅角制御が禁止さ
れる。したがって、全気筒群作動時において遅角制御が
行われたときに一部の触媒の使用不可などによってその
触媒に対応する気筒群のみ遅角が禁止されている状態で
は、気筒群毎に遅角されたりされなかったりすることに
起因して爆発毎にトルクレベルがばらつくが、本実施例
によればそのようなトルク変動やそれに起因する振動が
防止される。
【0072】また、本実施例によれば、前記遅角禁止手
段152(SD9)により前記遅角制御手段136によ
る遅角が禁止された場合には、自動変速機14の変速期
間中においてその摩擦係合装置を作動させるライン圧を
所定値だけ高くするライン圧上昇手段143(SD1
0)が設けられるので、変速に関連して作動する摩擦係
合装置のすべり量が少なくされ、それら摩擦係合装置の
耐久性が高められる。
【0073】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0074】たとえば、前述の図6の実施例において、
前記ライン圧上昇手段143(SA12)に加えて或い
はそのライン圧上昇手段143(SA12)に替えて、
第2遅角可能判定手段139(SA10)により遅角制
御が可能でないと判定された場合には、通常走行に用い
られる変速線図に対して変速点車速がより低速側に設定
された変速線図を選択する変速線図選択手段が設けられ
てもよい。このようにすれば、自動変速機14の変速が
通常走行に比較して低車速側で実行されることになるの
で、変速期間における摩擦係合装置のトルクが軽減さ
れ、変速ショックが抑制されると同時に摩擦係合装置の
耐久性が高められる。
【0075】また、前記遅角可能判定手段138(SA
8)は、複数の気筒群C1 、C2 のうちの所定の気筒群
における遅角制御の使用頻度が所定の判断基準値を超え
たことを以てその所定の気筒群に対応する触媒がその作
動温度を超えた高温域となることを予測してそれが遅角
可能でないと判定していたが、たとえば、作動中の気筒
群の排気系統に設けられた触媒52または54の温度が
予め設定された作動温度範囲を超えたことを以て、それ
に対応する側の気筒群での遅角制御を実行できないと判
定してもよいし、上記触媒52または54に設けられた
温度センサからの信号が断線や短絡などに起因して異常
値を示したことを以て、それに対応する側の気筒群での
遅角制御を実行できないと判定してもよい。このよう
に、上記遅角可能判定手段138は、触媒52または5
4の温度やそれに設けられた温度センサの故障などに関
連して遅角制御可能であるか否かを判定するものである
が、触媒52または54の使用可能か否かを判定する触
媒使用可能判定手段としても実質的に機能している。
【0076】また、図6の実施例において、上記第2遅
角可能判定手段139(SA10)により、前記気筒群
強制切換手段140(SA11)によって切り換えられ
る相手の気筒群においても遅角制御の実行が可能でない
と判定された場合は、作動中のエンジン10に対する燃
料噴射量を増量して空燃比を燃料過剰側へ変更する燃料
増量手段がさらに設けられてもよい。このようにすれ
ば、気筒群の切り換えが行われても、遅角制御できない
と判定された気筒群の排気系統に設けられた触媒の過熱
が積極的に低下させられる利点がある。
【0077】また、図9において、前記遅角禁止手段1
52(SD9)により前記遅角制御手段136による遅
角が禁止された場合には、通常走行に用いられる変速線
図に対して変速点車速がより低速側に設定された変速線
図を選択する変速線図選択手段が設けられてもよい。こ
のようにすれば、自動変速機の変速が通常走行に比較し
て低車速側で実行されることになるので、変速期間にお
ける摩擦係合装置のトルクが軽減され、変速ショックが
抑制されると同時に摩擦係合装置の耐久性が高められ
る。
【0078】また、図9において、触媒判定手段142
(SD8)により、複数の気筒群のうちの少なくとも1
つの気筒群の排気系統の触媒が使用不能な状態であると
判定された場合は、前記エンジン10に対する燃料噴射
量を増量して空燃比を燃料過剰側へ変更する燃料増量手
段がさらに設けられてもよい。このようにすれば、作動
中の気筒群の排気系統に設けられた触媒の過熱が積極的
に低下させられる利点がある。
【0079】また、前述の図6のフローチャートは、同
様の制御機能を達成する範囲でステップが追加された
り、或いはステップ内容の変更が行われてもよい。
【0080】また、前述の実施例では、車両の電子制御
装置はエンジン用電子制御装置64および変速用電子制
御装置82から構成されていたが、1つの綜合制御用電
子制御装置から構成されていてもよいし、前述の図6乃
至図9に示す作動は変速用電子制御装置82において実
行されても差支えない。
【0081】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置によって制御され
る車両用エンジンおよび自動変速機の構成を説明する図
である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の実施例のエンジンの吸気配管および排気
系統を説明する図である。
【図4】図1の実施例のエンジン用電子制御装置の作動
であって、気筒群切り換えに拘わらずエンジンの出力ト
ルクを滑らかに変化させる制御のための関係を説明する
特性図である。
【図5】図1の実施例のエンジン用電子制御装置の制御
機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図6】図1の実施例のエンジン用電子制御装置の制御
作動の要部を説明するフローチャートである。
【図7】図1の実施例のエンジン用電子制御装置の制御
作動の他の要部を説明するフローチャートである。
【図8】図1の実施例のエンジン用電子制御装置の制御
作動の他の要部を説明するフローチャートである。
【図9】図1の実施例のエンジン用電子制御装置の制御
作動の他の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:エンジン 14:自動変速機 130:部分気筒群運転条件判定手段 132:気筒群作動切換手段 134:出力トルク制御手段 136:遅角制御手段 138:遅角可能判定手段 139:第2遅角可能判定手段 140:気筒群強制切換手段 141:遅角制御禁止手段 142:触媒判定手段 144:気筒群切換禁止手段 148:全気筒群選択手段 152:遅角禁止手段
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−66636(JP,A) 特開 昭56−2430(JP,A) 特開 昭60−156940(JP,A) 特開 平3−179167(JP,A) 特開 平4−171231(JP,A) 実開 昭59−41638(JP,U) 実開 平3−32145(JP,U) 実開 平1−111157(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 41/06 F02D 17/02 F02D 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の気筒群を有し、該気筒群毎に作動
    制御されるエンジンと、車両の走行状態に基づいて複数
    種類のギヤ段のうちのいずれかが選択される自動変速機
    とを備え、前記複数の気筒群毎に排ガスを浄化するため
    の触媒が設けられた車両において、前記気筒群を単独で
    作動させる部分気筒群運転条件が成立した状態では前記
    気筒群を交互に作動させる気筒群作動切換手段と、該自
    動変速機の変速期間には前記エンジンの出力を一時的に
    低下させるために前記エンジンの点火時期を遅角させる
    遅角制御手段を含む制御装置であって、 作動中の気筒群の前記遅角制御手段による遅角制御が実
    行可能な状態であるか否かを判定する遅角可能判定手段
    と、 部分気筒群運転中に前記遅角可能判定手段によって遅角
    制御を実行できないと判定された場合には、作動中の気
    筒群の作動を停止させると同時に他の気筒群を作動させ
    る気筒群強制切換手段とを、含むことを特徴とする車両
    用エンジンおよび自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 複数の気筒群を有し、該気筒群毎に作動
    制御されるエンジンと、車両の走行状態に基づいて複数
    種類のギヤ段のうちのいずれかが選択される自動変速機
    とを備え、前記複数の気筒群毎に排ガスを浄化するため
    の触媒が設けられた車両において、前記気筒群を単独で
    作動させる部分気筒群運転条件が成立した状態では前記
    気筒群を交互に作動させる気筒群作動切換手段と、該自
    動変速機の変速期間には前記エンジンの出力を一時的に
    低下させるために前記エンジンの点火時期を遅角させる
    遅角制御手段を含む制御装置であって、 所定の気筒群の前記遅角制御手段による遅角制御が実行
    可能な状態であるか否かを判定する遅角可能判定手段
    と、 該遅角可能判定手段によって所定の気筒群の遅角制御が
    実行可能でないと判定される場合には、該所定の気筒群
    への切り換えを禁止する気筒群切換禁止手段とを、含む
    ことを特徴とする車両用エンジンおよび自動変速機の制
    御装置。
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