JP3123148B2 - レンズ鏡筒 - Google Patents

レンズ鏡筒

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JP3123148B2
JP3123148B2 JP26281891A JP26281891A JP3123148B2 JP 3123148 B2 JP3123148 B2 JP 3123148B2 JP 26281891 A JP26281891 A JP 26281891A JP 26281891 A JP26281891 A JP 26281891A JP 3123148 B2 JP3123148 B2 JP 3123148B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レンズ鏡筒に関し、特
にオートフォーカスモードとマニュアルフォーカスモー
ドとを有し、両フォーカスモード間の切換えが極めて迅
速かつ容易に行われるようにして操作性を向上させたレ
ンス鏡筒に関する。
【0002】
【従来の技術】一眼レフカメラのようなカメラは、最
近、ほとんどのものがオートフォーカス機能とマニュア
ルフォーカス機能とを有しており、撮影者が必要に応じ
てオートフォーカス(以下、AFという)とマニュアル
フォーカス(以下、MFという)の両モードを、切換え
によって選択して使用できるよう構成されている。この
ようなAFモードとMFモードとが切換え可能なカメラ
のレンズ鏡筒においては、AFモード時にはモータ等に
よりレンズを駆動し、MFモード時には該モータを停止
し、距離リング等の手動操作環を手で回してレンズを繰
出すようにしている。また、AFモードとMFモードと
の切換え機構は、フォーカシングレンズの駆動系にクラ
ッチ機構を設け、AFモードからMAモードに切換える
際には、このクラッチ機構によりAFの駆動系を遮断
し、フォーカシングレンズの連動部材を直接手動で操作
してフォーカシングレンズを駆動させるようにしてい
る。そして、このようなクラッチ機構等を切換えるため
の切換え操作部材として、一般にスライドスイッチやリ
ング状のスイッチ等が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、たとえばA
Fモードによる撮影時に、合焦不能(苦手被写体の場合
等)や測距ゾーン以外の被写体にピントを合わせるため
などにより直ちにMFモードに切換えたい場合や、ある
いはMFモードで撮影している時に元のAFモードへ戻
したい場合がある。このような場合、従来のレンズ鏡筒
においては、AFモードとMFモードとの切換えをスラ
イドスイッチやリング状のスイッチ等を操作して行う必
要があるため、カメラのファインダを覗きながらレンズ
鏡筒を保持した状態で前記スライドスイッチ等の切換え
スイッチを手さぐりで探したり、またこれを操作する必
要があり、このような操作は非常に煩わしくまた迅速に
行うことは不可能であった。このため、シャッターチャ
ンスを逃す等的確な撮影を行うことができない場合が多
かった。
【0004】本発明の目的は、前述の従来例のレンズ鏡
筒における問題点に鑑み、AFモードとMFモードとを
有するレンズ鏡筒において、両フォーカスモード間の切
換えを極めて容易にかつ迅速に行うことができるように
して操作性を改善することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に関わるレンズ鏡筒は、合焦光学系を光軸方
向へ移動させる移動手段と、光軸を中心として回転操作
可能であり該操作により前記移動手段を駆動可能な操作
手段と、該操作手段の回転に摩擦トルクを与えるための
付勢手段と、前記操作手段に固設され前記移動手段を駆
動回転するための駆動手段と、前記駆動手段から前記移
動手段への回転駆動を可能とし前記移動手段から前記駆
動手段の回転駆動を不可とするごとく前記移動手段と前
記駆動手段とを連動させる連動手段と、前記操作手段の
回転を検知するための検知手段とを具備し、前記駆動手
段により前記連動手段、前記移動手段を介して前記合焦
光学系を駆動することによりオートフォーカス動作を可
能とし、オートフォーカス作動中に前記検知手段により
前記操作手段の回転を検知した場合、直ちにオートフォ
ーカス作動を停止して前記操作手段により前記移動手段
を介して合焦光学系を駆動するマニュアルフォーカス作
動を可能としたことを特徴とする。
【0006】前記検知手段により前記操作手段の回転が
停止したことを検出した場合に、元のオートフォーカス
モードに復帰するよう構成することもできる。
【0007】また、前記レンズ鏡筒が装着されたカメラ
のレリーズボタンの操作により、元のオートフォーカス
モードに復帰するよう構成することもできる。
【0008】さらに、前記付勢手段によって前記操作手
段に発生する摩擦トルクをA、前記移動手段の駆動に要
するトルクをBとした時に、A>Bとなる条件が満たさ
れるようにすると好都合である。
【0009】さらに、前記連動手段にウォームギヤを有
し、該ウォームギヤの軸方向を前記操作手段の構成部材
の一部によってガタなく規制するよう構成することもで
きる。
【0010】
【作用】上記構成においては、オートフォーカス動作
は、被写体像等から周知の方法で得られた測距情報に基
づき前記駆動手段を作動させることにより前記連動手段
および前記移動手段を介して合焦光学系を駆動すること
によって行われる。このようなオートフォーカス動作中
に、前記検知手段が前記操作手段の回転を検出すると、
直ちに前記駆動手段の動作を停止する等オートフォーカ
ス動作の停止が行われる。そして前記操作手段の操作に
より前記移動手段を介して合焦光学系が駆動されマニュ
アルフォーカスが行われる。従って、AFモードからM
Fモードへの切換えは、AFモード作動中に単に前記操
作手段を回転させるだけで行われ、撮影作業に悪影響を
与えることなく極めて容易にかつ迅速に行われる。
【0011】また、前記操作手段の回転が停止したこと
を前記検知手段により検出した場合、あるいはカメラの
レリースボタンの半押し操作が行われた場合等にMFモ
ードに復帰させることができるから、MFモードからA
Fモードへの切換えも極めて容易かつ迅速に行うことが
できる。
【0012】なお、前記付勢手段によって前記操作手段
に発生する摩擦トルクをA、前記移動手段の駆動に要す
るトルクをBとした時に、A>Bなる条件が満たされて
おれば、AF作動時に前記駆動手段の動作によって前記
操作手段が回転することがなくなり移動手段が的確に駆
動される。
【0013】さらに、前記連動手段として、たとえばウ
ォームギヤを用い、該ウォームギヤの軸方向を前記操作
手段の構成部材の一部によってガタなく規制することに
より、該操作手段に固設された駆動手段から移動手段を
回転駆動することができるようになり、一方前記移動手
段から前記駆動手段を回転駆動させることは不可能とな
る。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につき
説明する。図1は、本発明の1実施例に係わるレンズ鏡
筒の縦断面図、図2は、図1に示されるレンズ鏡筒のモ
ータ部付近の部分的横断面図、図3は図2に示されるモ
ータ部のモータ軸部の詳細を示す断面図であり、そして
図4は図1のレンズ鏡筒に使用されているモータに電源
を供給するための電源供給部の詳細を示す縦断面図であ
る。
【0015】これらの図に示されるレンズ鏡筒は、カメ
ラ本体に装着するためのバヨネット爪1aを有する固定
鏡筒1を有し、該固定鏡筒1は外筒部1bと内筒部1c
とで構成され、その内筒部1cの内周には撮影光学系L
1、L3が固定保持され、かつ合焦光学系L2を保持す
るレンズ保持筒2がしゅう動可能に配設されている。
【0016】保持筒2にはピン3が設けてあり、ピン3
は内筒部1cに設けられた直進案内溝1dと、内筒部1
cの外周上に回転可能に嵌合しているカム筒4に設けら
れたリード溝4aに嵌合し、カム筒4が回転することに
より、合焦光学系L2は光軸方向に移動されて合焦動作
が行われる。
【0017】カム筒4は該カム筒4に設けられた周溝
(円周方向の溝)4bと、この周溝4bに嵌合し固定鏡
筒1に設けられたピン5により光軸方向の移動が規制さ
れるとともに、光軸回りの回転も一定の回転角度範囲内
に制限される。
【0018】また、カム筒4の前側にはエンコーダのパ
ターン部6が設けられている。このエンコーダのパター
ン部6のパターンを検出する検出部7が内筒部1cに設
けられており、カム筒4の回転量と回転方向等の信号
を、図示しない交換レンズ内部のCPU(後に説明する
図5の110に相当)に伝達するよう構成されている。
このようなカム筒4の回転量と回転方向等の信号はAF
の制御に使用される。
【0019】固定鏡筒1の外筒部1bには、外部より操
作可能な手動操作環13が回転自在に嵌合している。手
動操作環13には、回転検知手段としてパターン部16
が設けられており、固定鏡筒1に固定されている検出部
によって手動操作環13の回転に応じた信号を検出し、
図示しないレンズ鏡筒内部のCPUに伝達する。
【0020】内筒部1cの外周上には回転筒14が回転
可能に嵌合しており、その外周部には係合突起14aが
設けられている。該係合突起14aは手動操作環13と
一体にネジ結合する押え環8と、付勢部材9を介して回
転連動する中間筒10の係合溝10aと係合している。
従って、中間筒10と回転筒14は一体となって回転す
る。
【0021】付勢部材11は、後述するMF優先AFモ
ード時に回転筒14が回転しないように、該回転筒14
に対して所定の摩擦トルクを与えておくための付勢部材
である。
【0022】回転筒14の外周上には距離目盛り環12
が回転可能に嵌合しており、距離目盛り環12には距離
目盛り部12a、カム筒4の後端部の係合突起4cと係
合する溝部12b、およびギヤ部12cが設けられてい
る。カム筒4と距離目盛り環12は、係合突起4cと溝
部12bとの係合により一体となって回転する。
【0023】回転筒14の外周上にはモータ15が固設
されており、モータの軸部15aにはウォームギヤ18
が連動キー部15b、18aにより一体にて回転可能に
嵌合している。ウォームギヤ18は、回転筒14の軸受
け部14b、14cにより軸方向にガタなく保持されて
いる。
【0024】回転筒14の外周上には減速ギヤ19が軸
支されており、ウォームホイール部19aがウォームギ
ヤ18とピニオン部19bが距離目盛り環12のギヤ部
12cとそれぞれ噛合っている。
【0025】回転筒14の右端部にはガラスエポキシ板
23が固設されており、該ガラスエポキシ板23には、
図4に示すように、複数の導体部分23aがリング上に
全周にわたって設けられている。また、各導体部分23
aにはブラシ25が接触してしゅう動するよう構成され
ている。従って、回転筒14がどの角度位置にあって
も、モータ15に対して電気的接続が可能になってい
る。なお、導体部分23aのリング状パターンの一部に
スルーホール23bが設けられており、ガラスエポキシ
板23の裏面に導通部分が通じており、その裏面からモ
ータ15に図示しないリード線等によって電気的接続が
行われている。また、26はブラシ25をブラシ固定板
24に固定するための押え板で、ブラシ固定板24は小
ネジ28により固定鏡筒1に固定されている。
【0026】再び図1に戻ると、固定鏡筒1の外周部1
bとスライド可能にモード切換スイッチ20が設けられ
ていることが分かる。このモード切換えスイッチ20
は、図1における右端AがAFモード、中間のM/Aが
MF優先AFモード、そして左端MがMFモードのポジ
ションとなっており、それぞれのポジションおよびモー
ドに応じて所定の電気信号を発生させる構成になってい
る。図1では、モード切換えスイッチ20のポジション
がAFモードの状態となっている。この状態では、固定
鏡筒1に固定されている板バネ22が、中間筒10に設
けられた溝部10bに係合しているので、回転筒14お
よび中間筒10の回転は阻止される。これに対し、モー
ド切換えスイッチ20をM/AまたはMの位置にスライ
ドさせると、該スイッチ20に小ネジで固定されている
切換え板21も同時に移動し、固定鏡筒1に固定されて
いる板バネ22を溝部10bから押し上げて離脱させ
る。従って、回転筒14および中間筒10の回転が可能
になる。
【0027】なお、AFモードおよびMF優先AFモー
ドに設定した場合は、図示しない制御装置によって前記
モータ15に対する電源の供給と、駆動の制御をし得る
ように構成されている。また、MFモードに設定した場
合は、図示しない制御装置によるモータ15に対する電
源の供給や駆動の制御は行われない。
【0028】27は、固定鏡筒1の外周部1bに設けら
れており、透明な合成樹脂で形成されている窓部材であ
り、距離目盛り環12に設けられた距離目盛り部12a
がレンズ鏡筒外部から黙視できるよう構成されている。
【0029】なお、上記付勢部材11によって固定鏡筒
と回転筒14の間に発生する摩擦トルクをA、レンズ保
持筒2の駆動に要するトルクすなわちカム筒4を回転す
るのに必要なトルクをB、付勢部材9によって中間筒1
0と手動操作環13の間に発生する摩擦トルクをCとす
ると、A>BかつA+B<Cの条件が満たされるよう各
部の設定構成が行われている。
【0030】次に、以上のような構成を有するレンズ鏡
筒の動作に付き説明する。AFモード時には、モード切
換えスイッチ20はAの位置にあり、板バネ22が中間
筒10の溝部10bと係合しているので、中間筒10お
よび回転筒14の回転は阻止されている。そして、前述
のように、付勢部材11によって固定鏡筒1と回転筒1
4の間に発生する摩擦トルクをA、レンズ保持筒2の駆
動に要するトルクすなわちカム筒4を回転するのに必要
なトルクをBとすると、A>Bという条件が満たされて
いる。従って、図示しない制御装置によって測距情報に
基づき生成された駆動電源をモータ15に供給すると、
モータ15の軸部15aが回転し、ウォームギヤ18、
減速ギャ19を介して距離目盛り環12および該距離目
盛り環12と機械的に結合されたカム筒4が一体的に円
周方向に回転する。カム筒4が回転すると、レンズ保持
筒2が光軸に沿って移動し、AF動作が行われる。
【0031】次に、MFモード時には、モード切換えス
イッチ20を図1のMの位置にスライドさせる。これに
より、モータ15への電源供給は遮断される。モード切
換えスイッチ20を図1のM方向にスライドさせると、
該スイッチ20に小ネジで固定されている切換え板21
も同時に移動し、固定鏡筒1に固定されている板バネ2
2を押し上げて、溝部10bから板バネ22を離脱させ
る。これにより、中間筒10および回転筒14が回転可
能になる。
【0032】ところで、回転筒14に嵌合している距離
目盛り環12は、モータ15からの駆動経路中にウォー
ムギヤ18とウォームホイール部19aが介在している
ので、モータ15側からは駆動可能であるが、距離目盛
り環12側からの駆動はできないように構成されてい
る。従って、距離目盛り環12と回転筒14はモータが
停止している場合は、一体となって回転する。また、付
勢部材11によって固定鏡筒1と回転筒14の間に発生
する摩擦トルクをA、レンズ保持筒2の駆動に要するト
ルクすなわちカム筒4を回転するのに必要なトルクを
B、付勢部材9によって中間筒10と手動操作環13の
間に発生する摩擦トルクをCとすると、A+B<Cの条
件が満たされている。従って、手動操作環13を回転す
ると、中間筒10、回転筒14および距離目盛り環12
を介してカム筒4が回転し、レンズ保持筒2が光軸に沿
って移動してMF動作が行われる。
【0033】なお、カム筒4は、前述のように、ピン5
によって所定の角度範囲に回転制限されているが、カム
筒4がこのような回転制限を受ける位置まで回転した場
合に、手動操作環13を回転制限方向にさらに回転しよ
うとすると、付勢部材9の働きによって手動操作環13
が空回りする。このような構成により、カム筒4が回転
制限によって回転できない状態になっている場合に、手
動操作環13をさらに回転制限方向に回転しても、距離
目盛り環12、減速ギヤ19およびウォームギヤ18等
のギヤ部や、モータ15の軸部15a等に過大な負荷が
かかることはない。
【0034】次に、MF優先AFモード時には、モード
切換えスイッチ20は図1のM/Aの位置に設定され
る。モード切換えスイッチ20をたとえば図1のAの位
置からM/Aの位置にスライドさせたものとすると、該
スイッチ20に小ネジで固定されている切換え板21も
同時に移動し、固定鏡筒1に固定されている板バネ22
を押し上げて、溝部10bから板バネ22を離脱させ
る。これにより、中間筒10および回転筒14が回転可
能で、しかも図示しない制御装置によってモータ15に
駆動電源が供給されれば、該モータ15の軸部15aが
回転し得る状態となっている。そして、前述のように、
付勢部材11によって固定鏡筒1と回転筒14との間に
発生する摩擦トルクをA、レンズ保持筒2の駆動に要す
るトルクすなわちカム筒4を回転するのに必要なトルク
をBとすると、A>Bという条件が満たされている。従
って、図示しない制御装置によってモータ15に駆動電
源を供給すると、モータ15の軸部15aが回転し、ウ
ォームギヤ18、減速ギヤ19を介して距離目盛り環1
2およびカム筒4が一体的に円周方向に回転する。カム
筒4が回転すると、レンズ保持筒2が光軸に沿って移動
しAF動作が行われる。
【0035】次に、このようなMF優先AFモードにお
けるAF作動中に手動操作環13を回転すると、回転検
知手段のパターン部16と固定鏡筒1に固定されている
検出部17によって手動操作環13の回転信号が検出さ
れ、図示しない制御装置によりモータ15への電源供給
が遮断されるとともに、前述のMFモードの説明におい
て述べたように、中間筒10、回転筒14および距離目
盛り環12を介してカム筒4が回転し、レンズ保持筒2
が光軸に沿って移動し、MF動作が行われる。この場
合、前述のように、付勢部材11によって固定鏡筒1と
回転筒14の間に発生する摩擦トルクをA、レンズ保持
筒2の駆動に要するトルクすなわちカム筒4を回転する
のに必要なトルクをB、付勢部材9によって中間筒10
と手動操作環13の間に発生する摩擦トルクをCとする
と、A+B<Cの条件が満たされている。従って、手動
操作環13の回転によりカム筒4が的確に回転すること
が可能となり、またカム筒4がピン5による回転制限で
回転を制限された場合に、手動操作環13を回転制限方
向にさらに回転しようとすると、付勢部材9の働きによ
って手動操作環13が空回りする。
【0036】なお、本実施例において、カム筒4と距離
目盛り環12は構成の都合上別部材となっているが、両
者は光軸方向の位置が一定で、かつ一体となって回転す
るから、単一の部材としても何等差支えはない。従っ
て、距離目盛り環12の距離目盛り部12aはカム筒4
に設けてもよい。
【0037】また、中間筒10と回転筒14も構成の都
合上別部材となっているが、両者は光軸方向の位置が一
定の関係にあり、かつ一体的に回転するから、単一の共
通の部材によって構成することもできる。
【0038】また、付勢部材9は、カム筒4が前述のよ
うに、ピン5によって回転制限されている状態で、手動
操作環13を回転制限方向にさらに回転しても、距離目
盛り環12、減速ギヤ19およびウォームギヤ18等の
ギヤ部や、モータ15の軸部15a等に過大に負荷がか
かることがないようにするために設けられている。しか
しながら、負荷がかかっても差支えないような機械的強
度が各部に保証されるならば、付勢部材9は廃止するこ
とも可能である。この場合、中間筒10と手動操作環1
3とを1つの部材とすることができるとともに、押え環
8も廃止できるので製造コストの面からより有利にな
る。
【0039】さらに、距離目盛り環12とモータ15の
連動に減速ギヤ19を介しているが、必要十分な減速比
が確保できるならば、減速ギヤ19を廃止して、ウォー
ムギヤ18と距離目盛り環12のギヤ部12cとを直接
噛合わせてもよい。なお、この場合はギヤ部12cはウ
ォームホイールとする必要がある。
【0040】さらに、回転筒14の右端部にガラスエポ
キシ板23が固設され、固定鏡筒1にブラシ25がブラ
シ固定板24によって固設されているが、両者の設置場
所を入替えた構成としても何等差支えはない。
【0041】図5は、以上のようなレンズ鏡筒をカメラ
と組合わせたカメラシステムの概略の構成を示す。同図
のカメラシステムは、前述のようなレンズ鏡筒100と
カメラボディ101とを組合わせたものである。レンズ
鏡筒100は、撮影光学系L1,L3、合焦光学系L
2、レンズ内CPU110、駆動回路111、モータ1
12(図1の15)、エンコーダ113、手動操作環1
14(図1の13)、回転検出装置115(図1の1
6,17)、リミット回路117、モード切換えスイッ
チ118(図1の20)等を有するものとして概略的に
示されている。
【0042】カメラボディ101は、メインミラーを構
成する半透鏡102、焦点板103、コンデンサーレン
ズ104、ペンタプリズム105、ファインダ接眼レン
ズ106、半透鏡102を通過した一部の光を反射する
サブミラー107、測距用光電変換部108、そしてカ
メラ内CPU109等を備えている。
【0043】このようなカメラシステムにおいて、外部
より操作可能なモード切換えスイッチ118によりAF
モードを選択すると、AFモードを示す旨の信号がレン
ズ内CPU110へ出力されるとともに、レンズ内CP
U110により駆動回路111を介してモータ112の
駆動制御が行われ、合焦光学系L2の駆動によりAF動
作が可能な状態になる。
【0044】そして、図示しない被写体からの光束は撮
影レンズL1,L2,L3を通過してカメラボディ10
1の半透鏡102に達し、光束の一部が反射して焦点板
103に被写体像を結像する。この被写体像はコンデン
サーレンズ104、ペンタプリズム105およびファイ
ンダ接眼レンズ106を介して撮影者の目へと導かれ
る。また、半透鏡102を通過した一部の光は、サブミ
ラー107によって反射され、測距用光電変換部108
に導かれる。この光電変換部108からの信号は、周知
の合焦制御回路を含むカメラ内CPU109に入力さ
れ、このカメラ内CPU109で合焦光学系L2の駆動
方向と駆動量が決定される。このようにして決定された
駆動方向および駆動量に対応する駆動信号はカメラ内C
PU109からレンズ内CPU110へ伝達され、レン
ズ内CPU110はモータ駆動回路111を介してモー
タ112を駆動し、前記駆動量に達するまで駆動制御を
行う。駆動量の検出はエンコーダ113により行う。そ
して、このような駆動が終了した時点であるいは駆動中
に合焦状態が検知され、合焦していない場合は合焦する
まで上記の動作が繰返される。
【0045】なお、前記図1におけるカム筒の回転制限
部にはリミット回路117が設けられ、合焦光学系L2
が無限もしくは至近の位置に到達すると、レンズ内CP
U110に信号を伝達し、合焦光学系L2の駆動を停止
させ、あるいは駆動方向を反転させる等の制御を行う。
【0046】以上のようにして、測距情報に基づき合焦
光学系L2の駆動が行われ、所望の被写体に対する合焦
状態を得ることが可能となる。
【0047】次に、モード切換えスイッチ118により
MFモードを選択すると、MFモードを示す旨の信号が
レンズ内CPU110へ出力され、これによりレンズ内
CPU110はモータ112の駆動を停止させる。同時
に、前述の図1で説明したように、手動操作環114の
回転が合焦光学系L2に伝達可能な状態となる。これに
より、撮影者はファインダ接眼レンズ106を覗きなが
ら手動操作環114を回転させてMF操作を行うことが
可能となる。
【0048】さらに、モード切換えスイッチ118によ
りMF優先AFモードを選択すると、MF優先AFモー
ドを示す旨の信号がレンズ内CPU110へ出力される
とともに、レンズ内CPU110により、駆動回路11
1を介してモータ112の駆動制御が行われ、前記AF
モードの場合と同様に測距情報に基づく合焦光学系L2
の駆動が可能な状態になる。そして、AF作動中に、合
焦不能(苦手被写体の場合等)や測距ゾーン以外の被写
体にピントを合わせるため等によりMFモードに切換え
たい場合には、手動操作環114を回転させると、回転
検出装置115が手動操作環114の回転を検知し、レ
ンズ内CPU110にこれを信号として出力する。レン
ズ内CPU110は該信号が入力されると直ちにモータ
駆動を停止させ、手動操作環114の回転が合焦光学系
L2に伝達可能な状態となる。
【0049】以上のようにして、撮影者はモード切換え
スイッチ118による切換え操作なしに、手動操作環1
14を回転させるのみで直ちにAFモードからMFモー
ドへの切換えが可能になる。
【0050】また、MFモードからAFモードへの復帰
は、手動操作環114の回転が停止し、回転信号が発生
しなくなってから直ちに、あるいは、一定時間経過した
後にMFモードからAFモードに復帰させる信号をレン
ズ内CPU110から出力し、カメラ内CPU109に
伝達してAFモードに復帰させる。あるいは、カメラボ
ディ101の図示しないレリーズボタンの半押しONや
半押しOFF等の信号がカメラ内CPU109へ伝達さ
れることによりAFモードに復帰させるよう構成するこ
ともできる。また、強制的にAFモードに復帰し得るス
イッチを別に設けてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、あらか
じめモード切換えスイッチ等によりMF優先AFモード
に設定しておけば、AF作動中に手動操作環を回転する
ことにより、直ちにAF作動を停止してMF作動を行な
うことが可能になる。また、MF作動中に手動操作環の
回転の中止、あるいはレリーズボタンの半押し操作等を
行うことにより、直ちにAF作動が可能となる。従っ
て、撮影中にAFモードからMFモードへ、あるいはM
FモードからAFモードへの切換えが必要に応じて瞬時
に行われ、従来の装置のようにレンズ鏡筒を保持した状
態でファインダを覗きながら手探りで切換えスイッチを
探したり操作したりする必要がなくなる。このためフォ
ーカスモードの切換えに関連する操作性が大幅に改善さ
れ、操作性の悪さに起因してシャッタチャンスを逃した
りすることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に関わるレンズ鏡筒の構成を
示す縦断面図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒におけるモータ部付近の構成
を示す部分的横断面図である。
【図3】図2のモータ部における軸部分の詳細な構成を
示す断面図である。
【図4】図1のレンズ鏡筒におけるモータに電源を供給
するための電源供給部の詳細を示す横断面図である。
【図5】本発明に関わるレンズ鏡筒とカメラボディとを
組合わせたカメラシステムの1例を示す概略的ブロック
図である。
【符号の説明】
L1,L3 固定レンズ L2 合焦光学系 1 固定鏡筒 2 レンズ保持筒 4 カム筒 5 ピン 6 エンコーダパターン部 7 検出部 9,11 付勢部材 10 中間筒 12 距離目盛り環 13 手動操作環 14 回転筒 15 モータ 16 パターン部 17 検出部 18 ウォームギヤ 19 減速ギヤ 20 モード切換えスイッチ 22 板バネ 23 ガラスエポキシ板 25 ブラシ 109 カメラ内CPU 110 レンズ内CPU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉部 耕史 東京都品川区西大井1−6−3 株式会 社ニコン 大井製作所内 (56)参考文献 特開 平2−253211(JP,A) 特開 昭63−226610(JP,A) 特開 平2−253212(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 7/02 - 7/105

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光軸方向に移動して合焦操作が可能な合
    焦光学系と、 光軸を中心として回転可能であり、該回転により前記合
    焦光学系を光軸方向へ移動させる移動手段と、 光軸を中心として回転操作可能であり、該操作により前
    記移動手段を駆動可能な操作手段と、 前記操作手段の回転に摩擦トルクを与えるための付勢手
    段と、 前記操作手段に固設され、前記移動手段を駆動回転する
    ための駆動手段と、 前記駆動手段から前記移動手段への回転駆動を可能とし
    前記移動手段から前記駆動手段の回転駆動を不可とする
    如く前記移動手段と前記駆動手段とを連動させる連動手
    段と、 前記操作手段の回転を検知するための検知手段と、 を具備し、前記駆動手段により前記連動手段、前記移動
    手段を介して前記合焦光学系を駆動することによりオー
    トフォーカス動作を可能とし、オートフォーカス作動中
    に前記検知手段により前記操作手段の回転を検知した場
    合、直ちにオートフォーカス作動を停止して前記操作手
    段により前記移動手段を介して前記合焦光学系を駆動す
    るマニュアルフォーカス作動を可能としたことを特徴と
    するレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 前記検知手段により前記操作手段の回転
    が停止したことを検知した場合に、元のオートフォーカ
    スモードに復帰することを特徴とする請求項1に記載の
    レンズ鏡筒。
  3. 【請求項3】 前記レンズ鏡筒が装着されたカメラのレ
    リーズボタンの操作により、元のオートフォーカスモー
    ドに復帰することを特徴とする請求項1に記載のレンズ
    鏡筒。
  4. 【請求項4】 前記付勢手段によって前記操作手段に発
    生する摩擦トルクをA、前記移動手段の駆動に要するト
    ルクをBとしたときに、A>Bとなる条件が満たされる
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に
    記載のレンズ鏡筒。
  5. 【請求項5】 前記連動手段にウォームギヤを有し、該
    ウォームギヤの軸方向を前記操作手段の構成部材の一部
    によって、ガタなく規制したことを特徴とする請求項1
    から3までのいずれか1項に記載のレンズ鏡筒。
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