JP3121671U - 塗装ブース用ロール巻フィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】塗装ブース用ロール巻フィルターにおいて、フィルターよりの横吹き出しをなくし、これにより脱落短繊維のブース内への飛散を阻止してブース内の塗装環境を良化せしめるフィルターを提供する。
【解決手段】短繊維層2が単層あるいは複数層積層された所要の幅を有する不織布の少なくとも一面に熱融着性繊維シート3が被覆され、熱融着性繊維シート3の少なくとも一部が融着し表面に平滑多孔面が形成されたフィルター基布1をロール状に巻成してなるロール巻構造体Rにおいて、ロール状に巻かれたフィルター基布1の引出し端部稍、内方において幅方向に、又はその側縁稍、内方寄りに長さ方向に沿って、あるいは引出し端稍、内方と側縁稍、内方寄りの双方に凹状の薄層部4,5を形成せしめる。
【選択図】図1

Description

本考案は塗装ブースに供給される空気を清浄化するための塗装ブース用フィルターに係り、詳しくは塗装ブースの天井側に敷設されるフィルターにおいて、供給される空気がフィルター側部より吹き出され、一部脱落した短繊維が同時に吹き出されてブース内に飛散するのを阻止する塗装ブース用ロール巻フィルターに関するものである。
塗装ブースは、被塗装物をその取り付け,取り外し位置と、塗装作業位置との間で搬送装置を用いて出し入れしながら塗装作業位置の被塗装物を塗装ロボットで自動的に塗装する作業場をほぼ密閉状に囲んで、周囲作業場の環境に悪影響を与えないために用いられており、従来、被塗装物の表面に形成された塗膜に温風を吹き付けて該塗膜中から水分や溶剤を蒸発させるフラッシュオフゾーンを設けた設備を利用して、プレナムチャンバからフィルターを通じて塗装ブース内に導入される清浄空気の一部を前記フィルターの下方で吸引して加熱装置に送る吸引ダクトと、その加熱装置で加熱した清浄空気をフラッシュオフゾーンに導入する吐出ダクトを配設したもの(例えば特許文献1参照)などが知られている。
しかし、上記従来の塗装設備や工程などでは、主に装置や工程の効率化に重点が置かれていて、塗装時に供給する空気のクリーン化やクリーン化するためのフィルターについては殆ど取り上げられていない。
ところが、実際には一般に塗装ブースに供給される空気は塵や埃が皆無であることが必要であり、もし塵や埃が少しでもあれば、それが塗装表面に付着して塗装品質の低下を招く。そのため、供給空気のクリーン化は極めて重要であり、供給空気の清浄化をはかるフィルターは頗る重要な課題である。
そこで本出願人はさきに、特に塗装ブース用の供給空気の清浄化に好適なフィルターとして、短繊維層の単層又は複数の積層からなる不織布の片面又は両面に熱融着性繊維シートを被覆し、少なくとも一部の熱融着性繊維を融着し接着させて、表面が滑らかで、取り扱いに優れた塗装ブース用フィルターを提案した。(例えば特許文献2参照)
しかし、上記提案に係るフィルターは、短繊維層からなる不織布の片面又は両面に熱融着性繊維シートを被覆し、その一部を融着して表面が滑らかに形成されているにしても、フィルター周縁部はそのまま繊維層が現われていて供給される空気が側部より吹き出され、これに一部脱落した短繊維が同時に吹き出されてブース内に飛散し、吹き出し空気の浄化を阻害する一因となっていることが分かった。
そこで本出願人は更にこれに対処するためフィルター周縁部を封止することを考え、フィルターよりの横吹き出しをなくし、これに伴う短繊維の飛散を阻止して、供給される空気を確実に清浄化し、ブース内の塗装環境をより良化せしめるために短繊維層が単層あるいは複数層積層された任意形状の不織布の一面に熱融着性繊維シートを被覆し、該熱融着性繊維シートの少なくとも一部を融着し、表面に平滑多孔面を形成させると共に、該不織布の外周縁部を圧着により封止する構成を提案した。
特開平3−275162号公報 特開2005−111346号公報
しかし、上記提案に係るフィルターは、塗装ブースの空気供給部に設置するためのフィルターで、所定形状の空気供給部に設置し、該空気供給部における短繊維の飛散をなくし、吹き出し空気の浄化を達成するには極めて効果的であったが、塗装ブースにおいては天井裏にフィルターを配置することも行なわれており、このような広く平面的な天井裏に使用して配置するには適していない。
従来、塗装ブースの天井裏にフィルターを配設する最も簡単な手法として、ロール巻にした不織布よりなるフィルター基布を順次引き出し、そのまま天井裏の床面に敷設することが通常行なわれていた。
しかし、この場合にはロール状に巻かれたフィルター基布をそのまま引き出し、基布幅一杯を利用して敷設するのが一般的であり、さきの空気供給部のフィルターと同様、フィルター側縁部には短繊維が現われているためフィルター側縁より横吹き出しと共に脱落した短繊維の飛散が起こり塗装ブース内の汚染は避けられなかった。
本考案は上述の如き実状に対処し、特にロール巻よりの引き出しによる天井裏等のフィルター基布の敷設において、フィルター引出し端又は/及び側縁部の折り曲げによる封止を見出し、フィルター側縁又は/及び端縁よりの吹き出しをなくし、これに伴う短繊維の飛散を阻止して供給される空気を清浄化しブース内の塗装環境を良化せしめることを目的とするものである。
即ち、上記目的に適合するための本考案フィルターの特徴は、短繊維層が単層あるいは複数層積層された所要の幅を有する不織布の少なくとも一面に熱融着性繊維シートが被覆され、該熱融着性繊維シートの少なくとも一部が融着し、表面に平滑多孔面が形成されたフィルター基布をロール状に巻成してなるロール巻構造体であって、該ロール状に巻かれたフィルター基布がその引出し端部稍、内方において幅方向に、又は少なくともその一側縁稍、内方寄りに長さ方向に沿って、あるいは引出し端部稍、内方寄り幅方向と、少なくとも一側縁の稍、内方寄りの長さ方向に沿う双方に凹状の薄層部が形成されている構成よりなる。
なお、請求項4〜7は上記本考案フィルターの具体的な態様であり、請求項4は上記フィルターにおける好ましい短繊維層が、高融点繊維と熱融着性複合繊維の混繊からなり、その目付質量が200g/m2〜500g/m2の範囲で、高融点繊維が40質量%〜85質量%の範囲を構成し、かつ高融点繊維の融点が熱融着性繊維の低融点成分の融点より50℃以上高いものである。
請求項5は上記本考案フィルターの上記短繊維層に用いられる好ましい熱融着性繊維が熱融着性複合繊維であり、サイドバイサイド型あるいは芯鞘型からなり、該熱融着性複合繊維を構成する高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃以上高く、かつ低融点成分の融点が100℃〜180℃の範囲にあること、また、請求項6は、本考案フィルターにおいて、短繊維層に被覆される熱融着性繊維シートはその融点が100℃〜180℃の範囲にあり、目付質量が10g/m2〜100g/m2の範囲にあるシートであり、好ましくは熱融着性繊維よりなるくもの巣状シートであること、請求項7は上記フィルターにおけるロールよりの引出し端の稍、内方又は一側縁内方寄りの凹状の薄層部の位置であり、引出し端又は一側縁より5〜10cm程度内方寄りで1〜4cmの幅であることを夫々特徴としている。
本考案フィルターは前述の如く短繊維層を主材とする不織布をロール状に巻成し、ロール巻構造体としたものであり、天井裏に敷設する場合にロール巻より巻戻し、引き出して天井裏の床面に敷設するが、このとき引出し端においては凹状の薄層部で折り曲げて床面の端部に添接し、あるいはフィルター側縁部においては、側縁より稍、内方の凹部の薄層部を隅部において該薄層部より折り曲げ、側縁折り曲げ部を床面より立ち上がった床側面に当接して敷設することができ、頗る作業が能率的であると共に、折り曲げ部によりフィルターの引出し端部及び/又は側縁は実質的に封止されて、横への吹き出しも全くなくなり、横吹き出しによる塗装ブース内の汚染も確実に阻止されて塗装ブース用に適した特性をもつフィルターを提供することができる。また、熱融着性繊維の併用により、その一部融着による接着効果によってフィルターの繊維の脱落を防止する利点もある。
以下、更に添付図面に基づいて本考案の実施の形態を説明する。
先ず、本考案フィルターとして必要な要件は、1つは濾過性能が充分、満足できること、即ち、低初期圧損で高効率であること、空気流出面から繊維脱落がないことである。
本考案はこの要件を達成するフィルターとして短繊維が単層あるいは複数層が積層された不織布を基材とし、その片面又は両面に熱融着性繊維シートを被覆し、少なくとも熱融着性繊維の一部を融着し、接着することによって構成されている。そして、本考案のもう1つの要件は、天井裏の如き広く平面的な場所に敷設して用いるのに容易であり、かつ同時に敷設されたフィルター側面からの横吹き出しによる塗装ブース内の汚染を確実に阻止することである。
本考案はこの要件を達成するため、フィルター基布をロール巻に形成して巻き戻し、引き出すことにより、天井裏への敷設を容易ならしめており、ロール巻にされたフィルター基布の引出し端部において幅方向に、または少なくともその一側縁側に側縁より稍、内方寄りに側縁に沿って長さ方向にあるいは上記幅方向、長さ方向の双方に夫々凹状の薄層部を形成し、該薄層部より折り曲げが容易となる如く構成している。
図1は上記本考案フィルターの1例として引出し端及び一側縁の双方に夫々に薄層部を形成している例を示しており、フィルター基布1がロール状に巻成されたロール巻構造体Rが示され、フィルター基布1は図2に示す如く短繊維層2の一面に熱融着性繊維シート3が被着され、該シート3は熱融着性繊維の一部が融着し、接着することによって表面に滑らかな多孔面を形成している。
この熱融着性繊維シート3は、好ましくはくもの巣構造又はこれに近似した構造のシートであり、図においては一面に被覆されているが、両面であってもよい。この場合、被覆された熱融着性繊維は一部繊維の融着による接着によって不織布を構成する短繊維の脱落を阻止すると共に、融着面を平滑ならしめているが、繊維シートであるため繊維間間隙があることにより微細な多孔面が形成されて空気の通過は可能である。なお、両面に熱融着性繊維シートによる表面平滑化が形成されるときは適宜、多孔構造を変化させることも可能で、必らずしも同じ空気通過度のシートとする必要はない。
図における4,5は上記本考案フィルターにおいて特徴をなす凹状の薄層部であり、薄層部4はロール巻より巻き戻されてくるフィルター基布1の引出し端部の稍、内方に基布の幅方向に形成された薄層部であり、一方、薄層部5はロール巻より巻き戻されてくるフィルター基布1の側縁稍、内方に設けられた薄層部で、何れも引出し端あるいは側縁稍、内方寄りに5〜10cm程度寄った位置で幅方向に、あるいは長さ方向に沿って幅1〜4cmで形成されている。なお、凹状の薄層部4,5は図ではロール巻よりの引出し端と一側縁に形成されているが、何れか一方のみでもよく、また側縁の薄層部は一側縁に限らず、左右両側縁に形成することもできる。
勿論、上記引出し端あるいは側縁の内方寄り5〜10cmの位置は固定的なものではなく、図3に示すように敷設しようとする天井裏の床側部の長さとロール状に巻かれるフィルター基布の幅によって選定され、これにより天井裏床面6の側部7への折り曲げ部1aを形成する。この場合、ロール状に巻かれた短繊維層2よりなるフィルター基布1の幅は天井裏の床全面に敷設される既知のフィルター基布幅より折り曲げ分だけ広幅とすることが好ましい。また側縁内方寄りの凹状の薄層部5は1条のみでなく、場合によっては2条設けることも可能であり、この場合、内外何れの凹状薄層部を使用してもよく、また内側の薄層部を折り曲げた側部で更に内方に折り曲げることも可能である。
このようにして天井裏の床隅部を完全にフィルター基布を折り曲げて封止し、天井裏においてフィルター端部あるいは側部よりの横吹き出しを完全に阻止する。なお、上記フィルター基布側縁内方寄りの凹状の薄層部5は前記短繊維層2よりなるフィルター基布1をロール状に巻き取る工程において外部を圧着又は熱圧着することにより容易に形成することができ、また引出し端部の凹状の薄層部4は巻終わり前に該部を圧着又は熱圧着することにより容易に形成することができるので、特に別工程とする必要はない。従ってロール状巻取りと凹部薄層部の形成は同時に行なわれ、極めて効率的である。そして、ロール状に形成されたロール構造体により天井面に敷設するにあたっては単に巻戻し引き出すのみであるから、敷設も容易であり、頗る楽である。
以上の如き本考案フィルターにおいて、フィルター基布をなす短繊維層2は単一の繊維層であってもよいが、好ましくは高融点繊維と熱融着性繊維、特に熱融着性複合繊維との混繊が用いられる。高融点繊維としてはナイロン,ポリエステル,ポリプロピレン等の合成繊維が含まれ、熱融着性繊維、特に熱融着性複合繊維としては、芯鞘型,サイドバイサイド型構造で、例えばポリエステル系樹脂,ポリエチレン系樹脂,ポリプロピレン系樹脂の何れかの熱可塑性樹脂の高融点成分と低融点成分からなる複合繊維が用いられる。
具体例としては、ポリエステル繊維(融点250℃〜270℃程度)と、低融点ポリエステル繊維(融点100℃〜150℃程度)の複合繊維,エステル/ナイロン複合繊維、ポリエステル/ポリエチレン複合繊維,ポリプロピレン/ポリエチレン複合繊維などが挙げられ、特に高融点ポリエステルと、低融点ポリエステルとの複合繊維は最も実用的である。この場合、複合繊維を構成する高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃以上高いこと、また、低融点成分の融点が100℃〜180℃の範囲にあることが好ましい。高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃未満であると、短繊維間の接着時に高融点繊維側も軟化して所望のフィルターを得ることができない。また、低融点成分の融点が100℃未満であると、繊維間の接着を実施する処理条件が難しく、耐熱性の点から好ましくない。
低融点成分の融点が180℃を超えると、高融点繊維の熱特性に影響し、接着を実施することでフィルター特性が変動するので好ましくない。また、熱融着性複合繊維の繊度は1〜10デシテックスの範囲が好ましい。繊度が1デシテックス未満であると濾過性能を有する充分な嵩高性のあるフィルターを得ることができない。一方、繊度が10デシテックスを超えると繊維本数が減少し、繊維間接着点も減少して嵩高性が得られるが、所望の濾過性能を有するフィルターを得ることができない。
そして、上記高融点繊維と、熱融着性繊維の混繊からなる短繊維層を用いてフィルターを構成するにあたっては、該繊維層の目付質量が200g/m2〜500g/m2の範囲であり、かつ高融点繊維の構成が40〜85質量%であって高融点繊維の融点が熱融着性繊維の低融点成分の融点より50℃以上高いことが効果的である。目付質量が200g/m2未満では満足する濾過性能を得ることができず、満足したものができても濾過寿命が短くなるので好ましくない。
一方、500g/m2を超えると低初期圧損を得るのが難しい。また高融点繊維の構成が40質量%未満であると、即ち、熱融着性複合繊維が60質量%を超えると、嵩高性(厚いものが得にくく)が乏しく低初期圧損のフィルターが得にくい。逆に85%を超えると、熱融着性複合繊維が少ないため、嵩高いフィルターを得ても直ぐに型崩れし、へたってしまう。また、短繊維の抜けが生じ易くなり好ましくない。そして、厚さを保持して嵩高のフィルターを得るには、厚さが15mm〜30mmがよく、この範囲で嵩高性を確保するには、単層の場合、高融点繊維と熱融着性繊維の混繊で厚さと濾過性能を確保するために高融点繊維の繊度構成が太繊度と細繊度の組み合わせで達成し易く、繊度範囲は太繊維の繊度が10〜30デシテックスで、細繊維の繊度が3〜10デシテックスの範囲がよく、太,細の繊度組み合わせによって低初期圧損で高濾過性能のフィルターを得るために条件を調整することにより得ることができる。
太繊維は嵩を出すために骨格の役目をするもので、繊度が10デシテックス未満では骨格としての役目が果たせない。また、30デシテックスを超えると構成本数が少なく、濾過性能が低下するので好ましくない。なお、太,細繊維の積層比率は厚さと濾過性能により適宜決められる。
次に短繊維層に被覆される熱融着性繊維シートは、嵩高な短繊維層の表面に融着性繊維シートを接着し、表面をフラットで滑らかにし、繊維層にある短繊維の抜けを防止するものであり、その融点は100℃〜180℃の範囲がよく、融点が100℃未満であると短繊維層との接着を実施する処理条件が難しく、また耐熱性の点からも好ましくない。融点が180℃を超えると短繊維層の表面の特性が変わり、接着を実施することでフィルター特性の変動が大きくなる。
この熱融着性繊維シートの目付質量は、10g/m2〜100g/m2の範囲が好適であり、10g/m2未満では濾過性能を損なうことはないが、短繊維層の表面を十分に滑らかにできず、毛抜け防止も充分に防止することができないので好ましくない。100g/m2を超えると短繊維層の表面を十分に滑らかにでき、毛抜け防止も充分であるが、流出側の表面の抵抗が増加するために低初期圧損を得ることが難しくなる。
なお、短繊維層表面を滑らかにし、繊維の脱落を防止するため、ポリエチレン割繊維を短繊維層表面に接着し、あるいは樹脂バインダーを塗布する方法があるが、前者は表面滑らかで毛抜け防止が可能であるとしても、低初期圧損のフィルターが得難く、また後者は十分に表面を滑らかにすることが難しく、しかも取り扱い性にも問題があり、さらに工程が増加するためコストの増加となるので好ましくない。
これに対し、本考案の熱融着性繊維シートは、それらの問題を解消し、表面の滑らかさと毛抜け防止ならびに低初期圧損を得て効率の高いフィルター適性を達成する。
以下、更に本考案フィルター作成の実施例を示す。
繊度14.4デシテックス、繊維長64mmのポリエステル短繊維40質量%と、繊度6.6デシテックスで繊維長64mmのポリエステル短繊維40質量%と、繊度6.6デシテックスで繊維長64mmのポリエステル短繊維20質量%、繊度4.4デシテックスで、繊維長51mmのポリエステル/低融点ポリエステル複合繊維(低融点ポリエステルの融点:110℃)40質量%を均一混合して(目付質量約360g/m2)、カーディング加工を施し、針深さ0(ウエブの厚さだけ針入をいう)で、打ち込み本数31本/cm2のニードルパンチ加工を施し、連続して熱処理機(ホットエアースルー方式)で温度170℃、滞留時間90秒間の熱処理をした。得られた短繊維層の表面(ニードルパンチ加工時、針の進入した面)にくもの巣状の如き薄層の低融点ポリエステル繊維シート(目付質量80g/m2、融点143℃)を加熱ローラー(温度160℃で速度5.0m/min)で熱融着して表面を被覆し、巻取機によりロール状に巻取る途中において側縁部内方寄り5cmの位置に加圧部を配置して巻取りと同時に押圧して幅3cmの凹状の薄層部を形成し、一方、巻終わり端近くに幅方向に幅3cmの凹状の薄層部を形成して巻き上げ、側縁部内方寄り及び引出し端近くに夫々凹状の薄層部を備えた本考案塗装ブース用ロール巻フィルターを得た。
このフィルターは天井裏においてロールより巻戻し敷設したことにより天井裏の隅部コーナー部におけるフィルター基布の折り曲げにより端部及び側縁は封止され、同時に側部からの空気吹き出しは全くなく、従って同部からの短繊維の吹き出し,飛散は全く見られなかった。
また、上記ロール巻フィルターで引出し端内方と一側縁内方寄りに夫々単独で凹状の薄層部を備えたフィルターを作成し、使用箇所に応じて夫々敷設したところ、同様に引出し端ならびに側縁から短繊維の飛散は見られなかった。
本考案ロール巻フィルターの1例を示す引出し時の外観斜視図である。 上記フィルターの部分拡大図である。 天井裏側部のフィルター折り曲げ状態を示す部分図である。
符号の説明
R:ロール巻構造体
1:フィルター基布
1a:折り曲げ部
2:短繊維層
3:熱融着性繊維シート(平滑多孔面)
4,5:凹状の薄層部
6:天井裏床面
7:天井側部

Claims (7)

  1. 短繊維層が単層あるいは複数層積層された所要の幅を有する不織布の少なくとも一面に熱融着性繊維シートが被覆され、該熱融着性繊維シートの少なくとも一部が融着し表面に平滑多孔面が形成されたフィルター基布をロール状に巻成してなるロール巻構造体であって、該ロール状に巻かれたフィルター基布はその引出し端部稍、内方に幅方向に凹状の薄層部が形成されていることを特徴とする塗装ブース用ロール巻フィルター。
  2. 短繊維層が単層あるいは複数層積層された所要の幅を有する不織布の少なくとも一面に熱融着性繊維シートが被覆され、該熱融着性繊維シートの少なくとも一部が融着し表面に平滑多孔面が形成されたフィルター基布をロール状に巻成してなるロール巻構造体であって、該ロール状に巻かれたフィルター基布は少なくともその一側縁稍、内方寄りに凹状の薄層部が長さ方向に沿って形成されていることを特徴とする塗装ブース用ロール巻フィルター。
  3. 短繊維層が単層あるいは複数層積層された所要の幅を有する不織布の少なくとも一面に熱融着性繊維シートが被覆され、該熱融着性繊維シートの少なくとも一部が融着し表面に平滑多孔面が形成されたフィルター基布をロール状に巻成してなるロール巻構造体であって、該ロール状に巻かれたフィルター基布はその引出し端部において幅方向に凹状の薄層部が形成されていると共に、少なくともその一側縁稍、内方寄りに凹状の薄層部が長さ方向に沿って形成されていることを取付部特徴とする塗装ブース用ロール巻フィルター。
  4. 短繊維層が高融点繊維と熱融着性複合繊維の混繊からなり、その目付質量は200g/m2〜500g/m2の範囲で、高融点繊維が40質量%〜85質量%の範囲を構成し、かつ高融点繊維の融点が熱融着性複合繊維の低融点成分の融点より50℃以上高い請求項1,2または3記載の塗装ブース用ロール巻フィルター。
  5. 熱融着性複合繊維がサイドバイサイド型あるいは芯鞘型からなり、該熱融着性複合繊維を構成する高融点成分の融点が低融点成分の融点より50℃以上高く、かつ低融点成分の融点が100℃〜180℃の範囲にある請求項1,2,3または4記載の塗装ブース用ロール巻フィルター。
  6. 熱融着性繊維シートの融点が100℃〜180℃の範囲であり、目付質量が10g/m2〜100g/m2の範囲にある請求項1,2,3,4または5記載の塗装ブース用ロール巻フィルター。
  7. 凹状の薄層部がフィルター基布の引出し端又は一側縁より5〜10cm内方寄りに1〜4cmの幅で形成されている請求項1〜6の何れか1項に記載の塗装ブース用ロール巻フィルター。
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