JP3121089B2 - 偏向ヨーク - Google Patents
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- H01J2229/00—Details of cathode ray tubes or electron beam tubes
- H01J2229/0007—Elimination of unwanted or stray electromagnetic effects
- H01J2229/0015—Preventing or cancelling fields leaving the enclosure
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、表示装置に用いる陰極
線管に取り付ける偏向ヨークにおいて、表示装置の周辺
で、偏向ヨークから発生する不要輻射磁界を打ち消すキ
ャンセルコイルを設けた偏向ヨークに関する。
線管に取り付ける偏向ヨークにおいて、表示装置の周辺
で、偏向ヨークから発生する不要輻射磁界を打ち消すキ
ャンセルコイルを設けた偏向ヨークに関する。
【０００２】
【従来の技術】最近、表示装置の周辺に発生する不要輻
射磁界もある規定値以下に抑圧することが要求されてい
る。その中で、周波数範囲が５Ｈｚから２ｋＨｚのＥＬ
Ｆ帯、２ｋＨｚから４００ｋＨｚのＶＬＦ帯では、主た
る発生源の一つは、陰極線管に取り付けられた偏向ヨー
クから発生する漏洩磁界である。特にＶＬＦ帯の漏洩磁
界については発生量を減らすために特別な対策が必要で
ある。偏向ヨークでこの対策を講じる有効な手段として
はキャンセルコイルを取り付ける方法がある。
射磁界もある規定値以下に抑圧することが要求されてい
る。その中で、周波数範囲が５Ｈｚから２ｋＨｚのＥＬ
Ｆ帯、２ｋＨｚから４００ｋＨｚのＶＬＦ帯では、主た
る発生源の一つは、陰極線管に取り付けられた偏向ヨー
クから発生する漏洩磁界である。特にＶＬＦ帯の漏洩磁
界については発生量を減らすために特別な対策が必要で
ある。偏向ヨークでこの対策を講じる有効な手段として
はキャンセルコイルを取り付ける方法がある。
【０００３】図７にキャンセルコイル方式の不要輻射磁
界補正の概略図を示す。偏向ヨーク９からは実線で示す
漏洩磁界７が表示装置の外部（周辺）１２に発生する。
キャンセルコイル４は偏向ヨーク９の前端側上下の位置
に一対のループ状コイルとして前方に傾斜して取り付け
られ、これに水平偏向電流を流して、破線で示すように
偏向ヨーク９の外部に漏洩する磁界と逆向きの磁界６を
発生させている。この方式のキャンセルコイルの従来例
として特開平２ー４６０８５号公報がある。
界補正の概略図を示す。偏向ヨーク９からは実線で示す
漏洩磁界７が表示装置の外部（周辺）１２に発生する。
キャンセルコイル４は偏向ヨーク９の前端側上下の位置
に一対のループ状コイルとして前方に傾斜して取り付け
られ、これに水平偏向電流を流して、破線で示すように
偏向ヨーク９の外部に漏洩する磁界と逆向きの磁界６を
発生させている。この方式のキャンセルコイルの従来例
として特開平２ー４６０８５号公報がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】キャンセルコイルによ
り表示装置の周辺で偏向ヨークの漏洩磁界を打ち消す
と、偏向ヨーク近傍でも偏向磁界の一部が打ち消される
ことは避けられず、偏向磁界を通過する電子ビームの軌
道が変わり偏向ヨークの諸性能に影響を与えることにな
る。影響を受ける一つにミスランディング（ピュリティ
ずれ）がある。これはキャンセル磁界の影響で電子ビー
ムの偏向中心がずれることが原因である。図８に偏向ヨ
ークによる表示装置周辺での不要輻射磁界の分布を示
す。図８（ａ）は漏洩磁界の測定位置を示している。管
軸を含む水平面（Ｙ＝０平面）上における、表示装置中
心を基準とした円周上での２５度毎の位置における不要
輻射磁界量を表わしている。円の半径は表示装置全長の
（１／２）＋５０ｃｍである。図８（ｂ）は各測定点で
の漏洩磁界量を極座標グラフで示している。ラッパ状に
開いた偏向ヨーク９の構造上、前方の漏洩磁界（不要輻
射磁界）が後方よりも大きくなっている。そのため、前
方でのキャンセル磁界量を後方のキャンセル磁界量より
も多くする必要があり、従来例のようにキャンセルコイ
ルを前方に傾斜させることで、前後の補正比率を調整し
ている。
り表示装置の周辺で偏向ヨークの漏洩磁界を打ち消す
と、偏向ヨーク近傍でも偏向磁界の一部が打ち消される
ことは避けられず、偏向磁界を通過する電子ビームの軌
道が変わり偏向ヨークの諸性能に影響を与えることにな
る。影響を受ける一つにミスランディング（ピュリティ
ずれ）がある。これはキャンセル磁界の影響で電子ビー
ムの偏向中心がずれることが原因である。図８に偏向ヨ
ークによる表示装置周辺での不要輻射磁界の分布を示
す。図８（ａ）は漏洩磁界の測定位置を示している。管
軸を含む水平面（Ｙ＝０平面）上における、表示装置中
心を基準とした円周上での２５度毎の位置における不要
輻射磁界量を表わしている。円の半径は表示装置全長の
（１／２）＋５０ｃｍである。図８（ｂ）は各測定点で
の漏洩磁界量を極座標グラフで示している。ラッパ状に
開いた偏向ヨーク９の構造上、前方の漏洩磁界（不要輻
射磁界）が後方よりも大きくなっている。そのため、前
方でのキャンセル磁界量を後方のキャンセル磁界量より
も多くする必要があり、従来例のようにキャンセルコイ
ルを前方に傾斜させることで、前後の補正比率を調整し
ている。
【０００５】図９及び図１０に電子ビーム偏向領域での
偏向磁界及びキャンセル磁界のベクトル図をそれぞれ示
す。いずれの図も管軸を含む縦断面の上側半分を示して
いる。図９では偏向ヨークの内部及びその前後の領域
で、上向きの偏向磁界が発生する様子が示されている。
図１０では偏向ヨークの上下に取り付けたキャンセルコ
イル４が偏向ヨークの前後で偏向磁界とは逆の下向きの
キャンセル磁界を発生しているのが良くわかる。
偏向磁界及びキャンセル磁界のベクトル図をそれぞれ示
す。いずれの図も管軸を含む縦断面の上側半分を示して
いる。図９では偏向ヨークの内部及びその前後の領域
で、上向きの偏向磁界が発生する様子が示されている。
図１０では偏向ヨークの上下に取り付けたキャンセルコ
イル４が偏向ヨークの前後で偏向磁界とは逆の下向きの
キャンセル磁界を発生しているのが良くわかる。
【０００６】図１１は図９と図１０に示した偏向磁界
７’とキャンセル磁界６’の偏向ヨーク中心軸（管軸；
Ｚ軸）上の分布を示している。Ｙ軸は偏向磁界の向きを
正方向として符号を決めている。偏向磁界７はそのピ−
ク値で正規化し右側縦軸のスケ−ルで描いている。キャ
ンセル磁界６は左縦軸のスケ−ルで絶対量を示してい
る。図中３つの直線１、２、４でフェライトコア、水平
偏向コイル、そしてキャンセルコイルの相対位置を示し
ている。キャンセルコイル４は図中中央部の正符号の曲
線に示すように水平偏向コイル２の辺りでは同符号の磁
界を発生するが、水平偏向コイル２の前後では負符号の
曲線で示すように偏向磁界７を打ち消す磁界６を発生す
る。図で明らかなように前側の打ち消し磁界が後ろ側よ
りも大きいので、キャンセル磁界６作用後の偏向磁界は
その偏向中心が後ろ側にずれることになる。この偏向中
心のずれは、陰極線管蛍光面上での電子ビームのミスラ
ンディングを引き起こすことになる。
７’とキャンセル磁界６’の偏向ヨーク中心軸（管軸；
Ｚ軸）上の分布を示している。Ｙ軸は偏向磁界の向きを
正方向として符号を決めている。偏向磁界７はそのピ−
ク値で正規化し右側縦軸のスケ−ルで描いている。キャ
ンセル磁界６は左縦軸のスケ−ルで絶対量を示してい
る。図中３つの直線１、２、４でフェライトコア、水平
偏向コイル、そしてキャンセルコイルの相対位置を示し
ている。キャンセルコイル４は図中中央部の正符号の曲
線に示すように水平偏向コイル２の辺りでは同符号の磁
界を発生するが、水平偏向コイル２の前後では負符号の
曲線で示すように偏向磁界７を打ち消す磁界６を発生す
る。図で明らかなように前側の打ち消し磁界が後ろ側よ
りも大きいので、キャンセル磁界６作用後の偏向磁界は
その偏向中心が後ろ側にずれることになる。この偏向中
心のずれは、陰極線管蛍光面上での電子ビームのミスラ
ンディングを引き起こすことになる。
【０００７】図１２にミスランディング発生原理の概略
図を示す。電子ビーム軌道がキャンセル磁界の影響で軌
道１４から、軌道１３に変わり、ΔＺだけ偏向中心２０
が後ろにずれた場合には電子ビームのシャドウマスク１
８への進入角度が小さくなり、電子ビームはΔＸ内側
（中央側）へシフトして陰極線管内面１７上の蛍光体を
打つことになる。これがミスランディングと呼ばれるも
ので、１４インチの陰極線管で、空心キャンセルコイル
を作用させると約１０μｍのずれを生じ、磁性体にコイ
ルを巻いたキャンセルコイルの場合は約２０μｍのずれ
を生じる。
図を示す。電子ビーム軌道がキャンセル磁界の影響で軌
道１４から、軌道１３に変わり、ΔＺだけ偏向中心２０
が後ろにずれた場合には電子ビームのシャドウマスク１
８への進入角度が小さくなり、電子ビームはΔＸ内側
（中央側）へシフトして陰極線管内面１７上の蛍光体を
打つことになる。これがミスランディングと呼ばれるも
ので、１４インチの陰極線管で、空心キャンセルコイル
を作用させると約１０μｍのずれを生じ、磁性体にコイ
ルを巻いたキャンセルコイルの場合は約２０μｍのずれ
を生じる。
【０００８】このミスランディングのためシャドウマス
ク１８を再設計する必要が生じていた。
ク１８を再設計する必要が生じていた。
【０００９】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表示装置の
偏向ヨークは、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとフェ
ライトコアからなり、電子ビームを水平及び垂直方向に
走査させる偏向磁界を発生する偏向ヨーク本体と、前記
偏向ヨーク本体が表示装置周辺に発生する不要輻射磁界
を打ち消すため、上下一対のループ状キャンセルコイル
を偏向ヨーク本体の前端側にとりつけ、前記キャンセル
コイルには水平偏向電流を通電するが、前記陰極線管が
納められた表示装置の管軸上の前記水平偏向コイルの電
子ビーム偏向中心を基準として前方部（画面側）と後方
部（電子銃側）で、前記一対のキャンセルコイルが発生
するキャンセル磁界量が概略等しい構成にする。なお、
「概略等しい」とは、前記偏向ヨーク本体の前方部と後
方部に発生する偏向磁界とは逆極性の２つのピーク値の
前方部に対する後方部の比率を０．５から１．０の範囲
とすることを意味する。
偏向ヨークは、水平偏向コイルと垂直偏向コイルとフェ
ライトコアからなり、電子ビームを水平及び垂直方向に
走査させる偏向磁界を発生する偏向ヨーク本体と、前記
偏向ヨーク本体が表示装置周辺に発生する不要輻射磁界
を打ち消すため、上下一対のループ状キャンセルコイル
を偏向ヨーク本体の前端側にとりつけ、前記キャンセル
コイルには水平偏向電流を通電するが、前記陰極線管が
納められた表示装置の管軸上の前記水平偏向コイルの電
子ビーム偏向中心を基準として前方部（画面側）と後方
部（電子銃側）で、前記一対のキャンセルコイルが発生
するキャンセル磁界量が概略等しい構成にする。なお、
「概略等しい」とは、前記偏向ヨーク本体の前方部と後
方部に発生する偏向磁界とは逆極性の２つのピーク値の
前方部に対する後方部の比率を０．５から１．０の範囲
とすることを意味する。
【００１０】また、前記一対のキャンセルコイルは、そ
の管軸（Ｚ軸）方向長さが上記水平偏向コイルの前端か
ら上記フェライトコアの中央までの範囲内で、任意の水
平（Ｘ軸）方向幅とＺ軸方向長さでループ状に巻かれ、
上下それぞれのキャンセルコイルは、偏向ヨークの中心
軸（Ｚ軸）に平行に等間隔で取り付ける。
の管軸（Ｚ軸）方向長さが上記水平偏向コイルの前端か
ら上記フェライトコアの中央までの範囲内で、任意の水
平（Ｘ軸）方向幅とＺ軸方向長さでループ状に巻かれ、
上下それぞれのキャンセルコイルは、偏向ヨークの中心
軸（Ｚ軸）に平行に等間隔で取り付ける。
【００１１】
【作用】本発明によれば、キャンセルコイルの発生する
キャンセル磁界は偏向磁界の偏向中心の前後において発
生量がほぼ等しくなるため、表示装置周辺の漏洩磁界
（偏向磁界の一部）を打ち消す際、電子ビ−ム偏向領域
において偏向ヨーク本体の偏向磁界に作用しても、磁界
の偏向中心の前後でほぼ同量だけ打ち消されるため、偏
向中心のずれが極めて小さく、ミスランディング量を問
題のないレベルに低減できる。
キャンセル磁界は偏向磁界の偏向中心の前後において発
生量がほぼ等しくなるため、表示装置周辺の漏洩磁界
（偏向磁界の一部）を打ち消す際、電子ビ−ム偏向領域
において偏向ヨーク本体の偏向磁界に作用しても、磁界
の偏向中心の前後でほぼ同量だけ打ち消されるため、偏
向中心のずれが極めて小さく、ミスランディング量を問
題のないレベルに低減できる。
【００１２】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明する。図
１は本発明の偏向ヨークの管軸を含む縦断面図である。
また図２は実施例を上側からみた平面図である。偏向ヨ
ーク本体はサドル形に巻線された水平偏向コイル２と垂
直偏向コイル（図示せず）とセパレ−タ５とフェライト
コア１からなり、管軸（Ｚ軸）を中心軸として内側から
水平偏向コイル２、垂直偏向コイルそしてフェライトコ
ア１の順に配置されている。水平偏向コイル２はその内
側に水平偏向磁界７を発生するが、その分布は偏向ヨー
ク長の範囲だけでなく外部にも漏洩する。キャンセルコ
イル４は図示の如く、偏向ヨークの前端からフェライト
コア１の中央よりやや前方までのＺ軸方向長さと偏向ヨ
−クの水平方向最大径より小さい大きさでボビン３にル
ープ状に巻線している。取付角度は管軸に対して平行に
している。キャンセルコイル４には水平偏向電流を通電
するが、偏向ヨークの前後で水平偏向磁界７と反対方向
にキャンセル磁界６を発生するように巻線している。キ
ャンセルコイル４の前後取付位置はその偏向中心が偏向
磁界の偏向中心と合うように取り付けられている。キャ
ンセルコイル４と偏向中心の関係について説明する。
１は本発明の偏向ヨークの管軸を含む縦断面図である。
また図２は実施例を上側からみた平面図である。偏向ヨ
ーク本体はサドル形に巻線された水平偏向コイル２と垂
直偏向コイル（図示せず）とセパレ−タ５とフェライト
コア１からなり、管軸（Ｚ軸）を中心軸として内側から
水平偏向コイル２、垂直偏向コイルそしてフェライトコ
ア１の順に配置されている。水平偏向コイル２はその内
側に水平偏向磁界７を発生するが、その分布は偏向ヨー
ク長の範囲だけでなく外部にも漏洩する。キャンセルコ
イル４は図示の如く、偏向ヨークの前端からフェライト
コア１の中央よりやや前方までのＺ軸方向長さと偏向ヨ
−クの水平方向最大径より小さい大きさでボビン３にル
ープ状に巻線している。取付角度は管軸に対して平行に
している。キャンセルコイル４には水平偏向電流を通電
するが、偏向ヨークの前後で水平偏向磁界７と反対方向
にキャンセル磁界６を発生するように巻線している。キ
ャンセルコイル４の前後取付位置はその偏向中心が偏向
磁界の偏向中心と合うように取り付けられている。キャ
ンセルコイル４と偏向中心の関係について説明する。
【００１３】キャンセルコイル４の取付角度と前後の取
付位置はキャンセル磁界が作用した際の水平偏向磁界の
偏向中心のずれ量に影響し、結果としてミスランディン
グ量が変わる。図４と図５にそれぞれ取付角度と前後取
付位置を変えた際のキャンセル磁界分布を示している。
図１１と同様に図４、図５とも電子ビーム水平偏向領域
の管軸上のキャンセル磁界分布を示し、偏向ヨークを中
心とした前後のキャンセル磁界の大きさが偏向中心の位
置に関連している。図４では取付角度θを大きくしてキ
ャンセルコイル４を前傾させると偏向ヨークの前方部で
キャンセル量が多くなり、後方部では小さくなる。この
ため偏向領域の水平偏向磁界は前部が後部よりも強く打
ち消され、電子ビームの偏向中心が電子銃側に後退する
ことを表わしている。図５では取付角度θは０度のまま
でキャンセルコイル取付位置を前後させるとやはり前後
の打ち消し量の比率が変わることを示している。また中
央部の正符号の磁界（水平偏向磁界と同方向の磁界）は
前方に取り付けた方が絶対量が大きく、しかも前方へシ
フトする。これは後方への水平偏向磁界の偏向中心のず
れを少なくできることになる。しかし必要以上前方へ移
動させるとフェライトコア１から離れすぎてキャンセル
磁界の発生効率が低下するため移動量にも制限がある。
この例ではキャンセルコイルの前辺位置がＺ＝−２ｍｍ
のものを基準として実用上＋１０ｍｍがその上限であ
る。この位置は偏向ヨークの前端にキャンセルコイルの
前端を合わせた位置になる。
付位置はキャンセル磁界が作用した際の水平偏向磁界の
偏向中心のずれ量に影響し、結果としてミスランディン
グ量が変わる。図４と図５にそれぞれ取付角度と前後取
付位置を変えた際のキャンセル磁界分布を示している。
図１１と同様に図４、図５とも電子ビーム水平偏向領域
の管軸上のキャンセル磁界分布を示し、偏向ヨークを中
心とした前後のキャンセル磁界の大きさが偏向中心の位
置に関連している。図４では取付角度θを大きくしてキ
ャンセルコイル４を前傾させると偏向ヨークの前方部で
キャンセル量が多くなり、後方部では小さくなる。この
ため偏向領域の水平偏向磁界は前部が後部よりも強く打
ち消され、電子ビームの偏向中心が電子銃側に後退する
ことを表わしている。図５では取付角度θは０度のまま
でキャンセルコイル取付位置を前後させるとやはり前後
の打ち消し量の比率が変わることを示している。また中
央部の正符号の磁界（水平偏向磁界と同方向の磁界）は
前方に取り付けた方が絶対量が大きく、しかも前方へシ
フトする。これは後方への水平偏向磁界の偏向中心のず
れを少なくできることになる。しかし必要以上前方へ移
動させるとフェライトコア１から離れすぎてキャンセル
磁界の発生効率が低下するため移動量にも制限がある。
この例ではキャンセルコイルの前辺位置がＺ＝−２ｍｍ
のものを基準として実用上＋１０ｍｍがその上限であ
る。この位置は偏向ヨークの前端にキャンセルコイルの
前端を合わせた位置になる。
【００１４】以上のことから、漏洩磁界の補正とミスラ
ンディング変化量の低減を両立させるにはキャンセルコ
イルの取付位置と角度に最適値があることが解る。本実
施例においては、上記の如くキャンセルコイルの形状は
偏向ヨークの前端から最長フェライトコアの中央までの
範囲内のＺ軸方向長さと任意のＸ軸方向幅の大きさでル
ープ状に巻線すれば良い。より具体的には、１４”カラ
−ディスプレイ用偏向ヨ−クの場合のキャンセルコイル
ボビンの内形状は８０×２６ｍｍの長方形である。前後
取付位置はキャンセルコイルの前辺を偏向ヨークの前端
に合わせ、取付角度は管軸に対して平行にすれば良い。
ンディング変化量の低減を両立させるにはキャンセルコ
イルの取付位置と角度に最適値があることが解る。本実
施例においては、上記の如くキャンセルコイルの形状は
偏向ヨークの前端から最長フェライトコアの中央までの
範囲内のＺ軸方向長さと任意のＸ軸方向幅の大きさでル
ープ状に巻線すれば良い。より具体的には、１４”カラ
−ディスプレイ用偏向ヨ−クの場合のキャンセルコイル
ボビンの内形状は８０×２６ｍｍの長方形である。前後
取付位置はキャンセルコイルの前辺を偏向ヨークの前端
に合わせ、取付角度は管軸に対して平行にすれば良い。
【００１５】このときの表示装置の周囲における漏洩磁
界の補正量は前方部と後方部で概略等しくなっている。
そのため前方部における値が大きい偏向ヨークの漏洩磁
界を低減するには、前方部では補正不足、後方部では過
補正の状態になるようにキャンセル量を決めた場合が良
い。図６にこの漏洩磁界量Ｂ１とキャンセル磁界量Ｂ２
の関係を示す。
界の補正量は前方部と後方部で概略等しくなっている。
そのため前方部における値が大きい偏向ヨークの漏洩磁
界を低減するには、前方部では補正不足、後方部では過
補正の状態になるようにキャンセル量を決めた場合が良
い。図６にこの漏洩磁界量Ｂ１とキャンセル磁界量Ｂ２
の関係を示す。
【００１６】図６（ａ）から図６（ｃ）まで縦軸にそれ
ぞれの磁界量の実行値をとり、横軸に測定位置の角度を
とっている。測定位置は図８に示した位置に対応し、そ
の内、前方から後方まで２２．５度毎の９点を示してい
る。図６（ａ）は偏向ヨーク本体からの漏洩磁界量Ｂ１
を表わしており、前方部の値が大きい。図６（ｂ）に示
すように本実施例のキャンセルコイルは前後の磁界補正
量Ｂ２を等しくして漏洩磁界を打ち消す。その絶対量
は、補正後に残る漏洩磁界Ｂ１−Ｂ２を最も小さくする
ために、図６（ｃ）に示すように前方部では補正不足、
後方部では過補正の状態になるように設定している。
ぞれの磁界量の実行値をとり、横軸に測定位置の角度を
とっている。測定位置は図８に示した位置に対応し、そ
の内、前方から後方まで２２．５度毎の９点を示してい
る。図６（ａ）は偏向ヨーク本体からの漏洩磁界量Ｂ１
を表わしており、前方部の値が大きい。図６（ｂ）に示
すように本実施例のキャンセルコイルは前後の磁界補正
量Ｂ２を等しくして漏洩磁界を打ち消す。その絶対量
は、補正後に残る漏洩磁界Ｂ１−Ｂ２を最も小さくする
ために、図６（ｃ）に示すように前方部では補正不足、
後方部では過補正の状態になるように設定している。
【００１７】
【発明の効果】以上述べたように本発明のキャンセルコ
イルを設けることにより、ミスランディング変化量を実
用上問題のない１０μｍ未満に抑え、漏洩磁界を所望の
規制値以下に低減できるという効果を有する。
イルを設けることにより、ミスランディング変化量を実
用上問題のない１０μｍ未満に抑え、漏洩磁界を所望の
規制値以下に低減できるという効果を有する。
【００１８】効果の一例として１４”カラ−ディスプレ
イに本発明の偏向ヨ−クを適用した場合の、キャンセル
コイルの取付角度とミスランディング量の関係を図１３
に示す。キャンセルコイルのサイズは８０×２６ｍｍで
前後位置は前辺部が偏向ヨ−クの前端と合わせた位置に
した。図示の如く、取付角度を０度、２５度そして５０
度と変化させるとミスランディング量が大きくなる傾向
を示す。
イに本発明の偏向ヨ−クを適用した場合の、キャンセル
コイルの取付角度とミスランディング量の関係を図１３
に示す。キャンセルコイルのサイズは８０×２６ｍｍで
前後位置は前辺部が偏向ヨ−クの前端と合わせた位置に
した。図示の如く、取付角度を０度、２５度そして５０
度と変化させるとミスランディング量が大きくなる傾向
を示す。
【００１９】また、キャンセルコイルを前方に傾斜して
取付けないため、偏向ヨ−ク全体の垂直方向サイズを小
さくでき、さらにフェライトコアに近いためキャンセル
磁界を発生する効率を高くできる効果を有する。
取付けないため、偏向ヨ−ク全体の垂直方向サイズを小
さくでき、さらにフェライトコアに近いためキャンセル
磁界を発生する効率を高くできる効果を有する。
【００２０】なお、実施例ではキャンセルコイルの形状
を長方形としているが、台形もしくは楕円形であっても
よく、取付角度と前後位置を調整してキャンセル磁界の
分布を実施例と同じにすれば同様の効果を有する。
を長方形としているが、台形もしくは楕円形であっても
よく、取付角度と前後位置を調整してキャンセル磁界の
分布を実施例と同じにすれば同様の効果を有する。
【図１】本発明の実施例の偏向ヨークの主要部断面図で
ある。
ある。
【図２】本発明の実施例の平面図である。
【図３】本発明の実施例の中心軸上の偏向磁界とキャン
セル磁界の分布曲線図である。
セル磁界の分布曲線図である。
【図４】取付角度とキャンセル磁界軸上分布関係図であ
る。
る。
【図５】前後取付位置とキャンセル磁界軸上分布関係図
である。
である。
【図６】本発明の実施例の漏洩磁界量とキャンセル磁界
量の説明図である。
量の説明図である。
【図７】従来の表示装置の不要輻射磁界概略図である。
【図８】従来の表示装置周辺の不要輻射磁界分布図であ
る。
る。
【図９】偏向ヨーク本体の偏向磁界ベクトル図である。
【図１０】従来例のキャンセル磁界ベクトル図である。
【図１１】従来例の偏向ヨークの軸上磁界分布図であ
る。
る。
【図１２】偏向中心のずれによるミスランディングの説
明図である。
明図である。
【図１３】実施例のキャンセルコイル取付角度とミスラ
ンディング量の関係図である。
ンディング量の関係図である。
１…フェライトコア、２…水平偏向コイル、３、３’…
キャンセルコイルボビン、４、４’…キャンセルコイ
ル、５…セパレータ、６…キャンセル磁界、７…偏向磁
界、８…表示装置、９…偏向ヨーク、１０…陰極線管、
１１…偏向領域、１２…偏向領域外（表示装置外部）、
１３…不要輻射補正後の軌道、１４…不要輻射補正前の
軌道、１５…偏向中心ずれ、１６…ミスランディング変
化量、１７…陰極線管内面、１８…シャドウマスク、１
９…電子銃、２０,２０’…偏向中心
キャンセルコイルボビン、４、４’…キャンセルコイ
ル、５…セパレータ、６…キャンセル磁界、７…偏向磁
界、８…表示装置、９…偏向ヨーク、１０…陰極線管、
１１…偏向領域、１２…偏向領域外（表示装置外部）、
１３…不要輻射補正後の軌道、１４…不要輻射補正前の
軌道、１５…偏向中心ずれ、１６…ミスランディング変
化量、１７…陰極線管内面、１８…シャドウマスク、１
９…電子銃、２０,２０’…偏向中心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古谷 実 岩手県水沢市真城字北野１番地株式会社 日立水沢エレクトロニクス内 (72)発明者 奥山 宣隆 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社 日立製作所 映像メディア研究 所内 (72)発明者 桜井 宗一 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社 日立製作所 映像メディア研究 所内 (72)発明者 大沢 通孝 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株 式会社 日立製作所 映像メディア研究 所内 (56)参考文献 特開 平５−47315（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−225046（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−165546（ＪＰ，Ａ) 実開 平４−6152（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H01J 29/76 H04N 5/64 H04N 9/29
Claims (2)
- 【請求項１】水平偏向コイルと垂直偏向コイルとフェラ
イトコアからなる偏向ヨーク本体と、該水平偏向コイル
に接続された、該偏向ヨーク本体が発生する不要輻射磁
界を打ち消す上下一対のキャンセルコイルとからなり、
陰極線管に取り付けられた偏向ヨークにおいて、前記一対のキャンセルコイルは、前記陰極線管の管軸
（Ｚ軸）方向の長さが前記水平偏向コイルの前端から前
記フェライトコアの中央までの範囲に収まり、任意の水
平（Ｘ軸）方向の幅とＺ軸方向の長さでループ状に巻か
れ、上下それぞれのキャンセルコイルを偏向ヨークの中
心軸（Ｚ軸）に平行に等間隔で取り付け、 前記一対のキャンセルコイルは、一対のボビンにループ
状に巻線して形成され、前記キャンセルコイルは、前記
陰極線管の管軸上のキャンセル磁界分布について、前記
偏向ヨーク本体の前方部と後方部に発生する偏向磁界と
は逆極性の２つのピーク値の前方部に対する後方部の比
率を０．５から１．０の範囲とするとともに、前記陰極
線管の外部での不要輻射磁界補正量が前方では補正不
足、後方では過補正の状態になる磁界を発生することを
特徴とする偏向ヨーク。 - 【請求項２】水平偏向コイルと垂直偏向コイルとフェラ
イトコアからなる偏向ヨーク本体と、該水平偏向コイル
に接続された、該偏向ヨーク本体が発生する不要輻射磁
界を打ち消す上下一対のキャンセルコイルと、陰極線管
とからなる陰極線管表示装置において、 前記一対のキャンセルコイルは、前記陰極線管の管軸
（Ｚ軸）方向の長さが前記水平偏向コイルの前端から前
記フェライトコアの中央までの範囲内で、任意の水平
（Ｘ軸）方向の幅とＺ軸方向の長さでループ状に巻か
れ、上下それぞれのキャンセルコイルを偏向ヨークの中
心軸（Ｚ軸）に平行に等間隔で取り付け、 前記一対のキャンセルコイルは、一対のボビンにループ
状に巻線して形成され、前記キャンセルコイルの該陰極
線管の管軸上のキャンセル磁界分布において、前記偏向
ヨーク本体の前方部と後方部に発生する偏向磁界とは逆
極性の２つのピーク値の前方部に対する後方部の比率を
０．５から１．０の範囲とするとともに、前記陰極線管
の外部での不要輻射磁界補正量を前方では補正不足、後
方では過補正の状態に設定したことを特徴とする陰極線
管表示装置。
Priority Applications (5)
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| JP04006195A JP3121089B2 (ja) | 1992-01-17 | 1992-01-17 | 偏向ヨーク |
| FR9300235A FR2688094B1 (fr) | 1992-01-17 | 1993-01-13 | Collier de deviation pour tube cathodique . |
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| DE19707069A1 (de) * | 1997-02-22 | 1998-08-27 | Thomson Brandt Gmbh | Vorrichtung zur Elektronenstrahlablenkung in einer Kathodenstrahlröhre |
| TW387196B (en) * | 1997-11-17 | 2000-04-11 | Matsushita Electronics Corp | Display device |
| JP2000115566A (ja) * | 1998-10-07 | 2000-04-21 | Furuno Electric Co Ltd | Ｃｒｔ表示装置 |
| KR100351850B1 (ko) * | 1999-11-19 | 2002-09-11 | 엘지전자주식회사 | 음극선관용 편향요크의 페라이트 코어 |
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| US4853588A (en) * | 1986-09-05 | 1989-08-01 | Denki Onkyo Co., Ltd. | Deflection yoke apparatus with means for reducing unwanted radiation |
| JP2676018B2 (ja) * | 1988-12-19 | 1997-11-12 | 株式会社日立製作所 | 偏向ヨーク，偏向ヨーク用補助コイル及び画像表示装置 |
-
1992
- 1992-01-17 JP JP04006195A patent/JP3121089B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
1993
- 1993-01-13 FR FR9300235A patent/FR2688094B1/fr not_active Expired - Fee Related
- 1993-01-14 KR KR1019930000411A patent/KR960007241B1/ko not_active IP Right Cessation
- 1993-01-15 US US08/005,147 patent/US5317239A/en not_active Expired - Lifetime
- 1993-01-16 CN CN93100762A patent/CN1034705C/zh not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
| JPH05190115A (ja) | 1993-07-30 |
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| US5317239A (en) | 1994-05-31 |
| KR960007241B1 (ko) | 1996-05-29 |
| FR2688094A1 (fr) | 1993-09-03 |
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