JP3119579B2 - 弾性表面波共振子 - Google Patents

弾性表面波共振子

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JP3119579B2 JP08078709A JP7870996A JP3119579B2 JP 3119579 B2 JP3119579 B2 JP 3119579B2 JP 08078709 A JP08078709 A JP 08078709A JP 7870996 A JP7870996 A JP 7870996A JP 3119579 B2 JP3119579 B2 JP 3119579B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電性基板の表面
に弾性表面波励振用のインターデジタル電極と2つの反
射器とが形成されてなる弾性表面波共振子に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波共振子は、一般に、図24に
例示するように、水晶や圧電セラミック等の圧電性材料
からなる基板1の表面にインターデジタル電極2を形成
するとともに、その両側にグレーティング反射器31,
32を形成した構造を持つ。インターデジタル電極2
は、それぞれが複数の電極指を持つ一対の櫛形の電極2
a,2bが、その各電極指を相互に交差させた状態で対
向配置された構造を持ち、電気信号を弾性表面波に変換
するための変換器である。また、グレーティング反射器
31,32は、弾性表面波波長の1/2のピッチで多数
のストリップを周期的に配置した構造を持ち、インター
デジタル電極2により励振されてその両側に伝搬する弾
性表面波を繰り返し反射させることによって定在波を形
成するためのものである。
【0003】ところで、以上のような弾性表面波共振子
においては、図24の例のように、インターデジタル電
極2の交差幅、つまり一対の櫛形電極2a,2bの各電
極指相互の交差長が、弾性表面波の伝搬方向(2つの反
射器31,32を結ぶ方向)に一定である場合(正規型
と称される)においては、低インピーダンス化を図るべ
く電極指の交差長を長くすると、基本周波数よりも高い
周波数領域においてスプリアスが発生するという問題が
あった。
【0004】このようなスプリアスが発生する原因は、
特公平7−28195号公報に詳しいように、インター
デジタル電極2による弾性表面波のエネルギ分布が矩形
状となり、そのフーリエ級数展開の0次横モード(基本
波)以外の高次横モードが影響するためであり、このよ
うな影響を除去してスプリアスを低減させるための構成
が上記公報に開示されている。
【0005】すなわち、特公平7−28195号公報に
おいては、インターデジタル電極の交差幅を、その中心
から両側の反射器に近づくにつれて対称的に減少させる
構成を採用することにより、基本周波数を中心として広
い帯域にスプリアスの生じない弾性表面波共振子を得て
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した提
案においては、インターデジタル電極の交差幅を反射器
に近づくにつれて対称的に減少させるための、具体的な
交差幅の外形を、余弦カーブの一部(先端部の一部また
は基端部の一部)、あるいは余弦カーブの全部とするこ
とによって、スプリアスの少ない良好なシミュレーショ
ン結果を得ているが、そのような交差幅の外形がスプリ
アスを低減させるメカニズムについては、0次横モード
(基本波)のエネルギの伝搬が支配的となるため、との
推察がなされているものの必ずしも分明ではなく、ま
た、スプリアスの低減効果も未だ十分ではない。また、
この提案においては基本波モードを用いる場合には有効
であるが、それ以外の高次モードを用いる場合には適用
できない。
【0007】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、上記した提案に比して更にスプリアスの低減効
果を向上させることができ、また、基本波モードのみな
らず任意の高次モードの弾性表面波を用いて、使用次数
以外の次数のモードの振動を抑制して、スプリアスを低
減させることのできる弾性表面波共振子の提供を目的と
している。
【0008】
【発明の開示】本発明の弾性表面波共振子は、インター
デジタル電極の交差幅が、着目次数(使用する次数)に
関しての、下記の式で表される一般変成比Trが最大と
なる重み関数F(x)に従ってアポダイズされているこ
とによって特徴づけられる。
【0009】
【数2】
【0010】
【0011】本発明は、波動方程式を解いて導波路中で
の各次数における振動分布を明らかにしたうえで、その
うちの任意の着目次数の振動への変換効率(変成比T
r)を最大とすることが、相対的に他のモードの振動エ
ネルギを小さくすることを見いだした結果としてなされ
たものである。
【0012】すなわち、圧電性基板上のインターデジタ
ル電極による励振エネルギは、そのインターデジタル電
極の交差幅の重みの付け方(重み関数F(x) で表す)に
よって一意的に決まるが、この重み関数F(x) を、着目
次数のモードの振動への変換効率が最大となるような関
数とすることによって、他の次数のモードの振動エネル
ギが相対的に低下し、スプリアスの低減効果をより大き
なものとすることが可能となる。
【0013】前記した(1)式で表される一般変成比T
rは、対称モードにおいて、F(x)で表される励振エネ
ルギ分布と、それによってもたらされる導波路中での弾
性表面波の特定モードの振動分布ψ(x) とを用いて、励
振エネルギがその特定モードの振動に変換される効率を
表すものである。従って(1)式におけるψ(x) を着目
次数のモードの振動分布としてこの(1)式を計算し、
Trが最大となるようなF(x) を求め、そのF(x) で表
される重みをインターデジタル電極の交差幅に付与する
ことによって、導波路中での着目次数のモードの振動エ
ネルギの伝搬を支配的にし、他次のモードの振動を相対
的に抑えた状況とすることができる。
【0014】ここで、(1)式における着目次数モード
のψ(x) は、例えば、下記の(2)式で表される波動方
程式を、インターデジタル電極と反射器によって形成さ
れる導波路とその外側領域の境界部分で変位と応力が連
続し、かつ、導波路内が伝搬状態、その外側領域が減衰
状態であるという境界条件を設定して解くことによって
得ることができる。
【0015】
【数3】
【0016】ここで、ψS およびvS は、音速が遅い領
域(導波路内)でのポテンシャルおよび音速で、ψf
よびvf は音速が速い領域でのポテンシャルおよび音速
である。また、zは導波路の導波方向(2つの反射器を
結ぶ方向)を表し、ωは共振周波数での角速度である。
【0017】前記した境界条件は、
【0018】
【数4】
【0019】であり、伝搬する波は
【0020】
【数5】
【0021】で与えられ、ここにおいて
【0022】
【数6】
【0023】であり、vは特定次数のモードの弾性表面
波の導波路中での速度である。以上の条件に基づいて波
動方程式を解けば、次式で表される速度分散曲線が求め
られる。
【0024】
【数7】
【0025】この(9)式においてaは導波路の幅であ
り、このaを定め、かつ、用いる圧電性基板等に基づい
て定まるvf とvs を決定すれば、幅aを持つ導波路中
での各次数のモードの弾性表面波の速度vを求めること
ができる。
【0026】さて、前記(5)式から、導波路中におけ
る弾性表面波の振動分布は、一般式で
【0027】
【数8】
【0028】で表されるから、この(10)式に、着目
次数のモードの弾性表面波の速度vを代入することによ
り、その次数のモードの振動分布、つまり(1)式にお
けるψ(x) を求めることができる。
【0029】(1)式において、着目次数のモードの振
動に関する変成比Trが最大となるψ(x) を求めると、
【0030】
【数9】
【0031】となる。従って、前記した各境界条件等を
用いて波動方程式を解き、また、圧電性基板の材質等に
基づいてvf とvs を決定し各次数のモードの速度分散
曲線を求めるとともに、導波路の幅aを決定して、着目
次数のモードの速度vを算出してψ(x) を求め、そのψ
(x) の曲線のx=−a/2〜+a/2の範囲をもって重
み関数F(x) とする。そして、そのような重み関数F
(x) によりインターデジタル電極の交差幅にアポタイズ
を施せば、着目次数のモードの振動の伝搬を支配的にし
て他の次数の振動の伝搬を抑制した弾性表面波共振子が
得られる。
【0032】なお、インターデジタル電極の交差幅をF
(x) を用いてアポタイズする具体的な例としては、導波
路の導波方向(z方向)への中心をz=0として、その
正負両側に、インターデジタル電極の交差幅にF(x) を
用いたアポタイズを施す方法を挙げることができる。そ
の場合、ψ(x) の−a/2≦x≧+a/2の範囲に対応
する重み関数F(x) は、基本波モードを例にとって述べ
ると、関数ψ(x) におけるkxS・xが、x=±a/2に
おいてそれぞれ±π/2には至らず、つまり、 −π/2<−kxs・a/2 kxS・a/2<π/2 となるため、インターデジタル電極の弾性表面波伝搬方
向(z方向)の中心の両側に、電極指の交差長が最大と
なる領域が所定の広がりをもって形成される。その領域
の上記z方向中心から片側への長さをそれぞれPcで表
わすと、インターデジタル電極のz方向中心から片側へ
の全長を1としたとき、
【0033】
【数10】
【0034】で与えられるなお、関数F(x) によりイン
ターデジタル電極の交差幅をアポタイズする具体的方法
は、上記のような両側へのアポタイズに限られず、要は
インターデジタル電極により励振される着目次数の振動
分布がF(x) となるようなアポタイズの仕方であれば足
りる。
【0035】また、上記したψ(x) は、前記(3)式で
表される境界条件を用いて算出した一例であって、導波
路中に音速の遅い領域と速い領域とが適当に分布してい
るような場合には、それに応じた境界条件を用いて算出
される。どのような境界条件を用いてψ(x) を算出して
も、そのψ(x) を(1)式に当てはめてTrが最大とな
るようなF(x) を求めたとき、F(x) をψ(x) と一致さ
せることで、所期の目的を達成することができる。
【0036】ところで、このようにして求められる、着
目次数モードに関しての変成比Trを最大とする重み関
数F(x) は、励振エネルギをその着目次数のモードの振
動への変換効率を最大とするものであり、これによって
他次のモードの振動の伝搬を抑制するものであるが、
発明では、その重み関数F(x) に基づく励振エネルギ分
布のフーリエ変換後の着目周波数以外の周波数の影響を
少なくして、余分な周波数成分である他次モードの振動
分布自体を抑えている。
【0037】すなわち、重み関数F(x) で表される励振
エネルギ分布をフーリエ変換して得られる振動スペクト
ル中には、着目次数のモードの周波数成分が支配的では
あるものの、それ以外の次数の周波数成分も若干存在す
る。従って、着目次数モードを強調してそれ以外の次数
の周波数成分を相対的に少なくすべく、そのフーリエ変
換結果に所定の窓関数を掛けて必要周波数成分を強調し
た後、逆フーリエ変換すれば、余分な周波数成分それ自
体の振動分布が全体的に抑制され、着目次数のモードの
振動に対しての他次モードの振動の減衰量が増し、結果
としてスプリアスを低減させることができる。なお、こ
の処理によって着目次数モードの振動の変換効率は低下
する可能性があるが、その低下の程度と他次モードの振
動の減衰の程度との比較において、他次モードの振動の
減衰効果の方が大きい場合には、スプリアスの低減効果
は増大する。
【0038】ここで、本発明において用いる窓関数は、
着目次数以外の周波数成分を抑制することができれば特
に限定されることはないが、具体的な例としては、ハミ
ング関数、ハニング関数、バートレット関数、方形波窓
の関数等の公知の窓関数を挙げることができ、あるいは
これら以外にも、上記の目的を達成することのできる任
意の関数によって窓掛けすることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した弾性表面
波共振子について、具体的に述べる。図1は本発明の実
施の形態の平面図である。
【0040】この例においては、圧電性基板として水晶
を用い、その表面にそれぞれAl薄膜からなるインター
デジタル電極2とグレーティング反射器31,32を形
成している。
【0041】そして、この例では着目次数のモードを基
本波モードとしており、その基本波モードの変成比Tr
が最大となる重み関数F(x) によって、インターデジタ
ル電極2の交差幅を、両側の反射器31,32の双方に
向けて対称にアポダイズしている。すなわち、インター
デジタル電極2の交差幅の外形が、両側の反射器31,
32側の双方において、それぞれ関数F(x) で表される
形状となっている。また、この例においては、電極指の
交差部分以外のところに、弾性表面波の位相の乱れを防
止すべく励振に寄与しないダミー電極4を設けている。
【0042】この例において用いられる重み関数F(x)
は、以下の条件に基づいて算出した。インターデジタル
電極2の各櫛形電極2a,2bの電極指の幅およびピッ
チをそれぞれ2.78μmおよび11.14μmとし
て、設計共振周波数を280MHzに設定した。また、
グレーティング反射器31,32の各ストリップの幅お
よびピッチについてもそれぞれ2.78μmおよび1
1.14μmである。更に、インターデジタル電極2の
膜厚は3000Åとし、導波路の幅a=334.2μm
とした。これは、導波路中での弾性表面波の波長λの3
0倍に相当する。
【0043】以上により、共振周波数での角速度ω=
1.759×109 rad/s,vf=3148.8m
/s,vS =3118.5m/sとして、速度分散曲線
を求め、基本波モード伝搬速度v=3118.9m/s
を得た。
【0044】これらの具体的数値によりψ(x) を算出
し、
【0045】
【数11】
【0046】を得た。その関数F(x) をグラフで示せば
図2の通りであり、図1に示した共振子のインターデジ
タル電極2の交差幅は、その両側の反射器31,32側
に向けて、この図2のグラフで表される形状にアポタイ
ズされているわけである。
【0047】以上の実施の形態における周波数特性は、
図3に示す通りとなる。また、図4には、他の条件は上
記した実施の形態と同じとして、インターデジタル電極
の交差幅にアポタイズを行わない正規型のものの周波数
特性を示し、図5には同じく他の条件を同じとして、上
記の重み関数F(x) に代えて、導波路の幅方向両端にお
いて交差長が0となる単純な余弦カーブに従ってアポタ
イズを施したもの、つまり
【0048】
【数12】
【0049】で表される重み関数F(x) によってインタ
ーデジタル電極の交差幅を両側にアポタイズしたものの
周波数特性を示す。なお、これらの図3〜図5では、横
軸を規格化周波数(F/F00)としている。規格化に際
しては、金属が存在していない所での水晶中の音速をV
0 とし、インターデジタル電極の周期をλとしたとき、
00=V0 /λで実際の周波数Fを除した値を用いた。
【0050】この図3〜図5から明らかなように、この
形態によるスプリアスの低減効果が極めて大きいことが
確かめられた。また、〔表1〕には、本発明の実施の形
態と上記2つの比較例について、着目次数モードである
基本波モード(S1)に対する2次〜5次のモード(S
1〜S5)の減衰率、つまり非着目次数の減衰率を示
す。なお、6次以上の高次モードは、前記した導波路の
幅aと波長λの関係a/λ=30では出現しない。
【0051】
【表1】
【0052】この〔表1〕から明らかなように、この形
では、基本波モードに対する全ての高次モードの減衰
率が、各比較例に対して大幅に向上していることが確か
められた。
【0053】更に、以上の形態において、導波路の幅a
を種々に変化させ、着目次数である基本波モードS1並
びに高次モードS2〜S6のそれぞれの変成比Trを算
出してプロットしたグラフを図6に示すとともに、上記
した正規型および単純な余弦カーブに従った重みを付け
た各比較例についての同様の計算を行った結果をそれぞ
れ図7および図8に示す。なお、各グラフにおいて横軸
は波長λで導波路の幅aを除した値としている。
【0054】これらの図6〜図8から明らかなように、
この形態では、導波路aを広くして低インピーダンス化
を図っても、各比較例との比較において、常に着目次数
の変成比に対する全ての非着目次数の変成比の率が小さ
く、高次モードの減衰率が高いことが確認された。
【0055】また更に、導波路の幅aを10λ,20
λ,40λおよび50λとし、そのインターデジタル電
極の交差幅を本発明のF(x) =ψ(x) でアポタイズした
ときの周波数特性をそれぞれ図9〜図12に示す。ま
た、比較例として、aが10λ,20λ,40λおよび
50λの正規型のものの周波数特性を図13〜図16
に、同じくaが10λ,20λ,40λおよび50λ
で、そのインターデジタル電極の交差幅を前記(12)
式で表される単純な余弦カーブでアポタイズしたものの
周波数特性を図17〜図20に示す。
【0056】これらの各図から明らかなように、導波路
の幅aをどのように変化させても、本形態に基づくアポ
タイズが施された共振子は、各比較例の共振子に比して
スプリアスが改善されることが確かめられた。
【0057】次に、本発明に係る実施の形態について述
べる。先の形態においては、インターデジタル電極の交
差幅の重み付けを、着目次数に関する一般変成比Trが
最大となるF(x) =ψ(x) なる重み関数を用いてインタ
ーデジタル電極の交差幅をアポタイズしたが、本発明
おいては、その重み関数F(x) をフーリエ変換して周波
数スペクトルを求め、そのスペクトル中で着目次数のモ
ードの周波数成分を強調すべく、そのスペクトルに対し
て所定の窓関数を掛けた後、逆フーリエ変換して得た関
数によって、インターデジタル電極の交差幅のアポタイ
ズを施す。
【0058】以下、具体的な計算例について述べる。こ
の例においては、導波路の幅aを波長λの28倍とした
以外は、先の例と全く同じ条件として、ψ(x) (=F
(x) )を求めた後、FFTによってフーリエ変換し、図
21に示すような周波数スペクトルを得た。この図21
は、横軸が周波数に関連するデータ番号で、縦軸はパワ
ー密度であって、曲線の中央における凸部が着目次数で
ある基本波モードの周波数成分の位置を示している。
【0059】次に、図21の曲線に対して、
【0060】
【数13】
【0061】で表される窓関数を掛けることにより、図
22に示すように、着目次数以外の次数に関する周波数
成分を殆ど除去したスペクトル曲線を得る。そして、こ
れによって得られた曲線を逆フーリエ変換する。これに
よって得られる曲線W(x) は、F(x) =ψ(x) 中に含有
している余分な周波数成分を殆ど含まないものとなる。
その曲線W(x) を図23にグラフで示す。この図23に
は、F(x) =ψ(x) のグラフも破線で示しており、特に
導波路の両端部分においてその形状が相違していること
が明らかである。
【0062】このようなψ(x) のフーリエ変換〜窓掛け
〜逆フーリエ変換して得られた曲線W(x) を重み関数と
して、インターデジタル電極の交差幅を、その両側の反
射器側に向けてアポタイズした弾性表面波共振子につい
ての、基本波モードに対する2次〜4次の減衰率を、F
(x) =ψ(x) の重み関数によってアポタイズした弾性表
面波共振子のそれとを、〔表2〕に示す。なお、導波路
の幅aを28λとした場合には、S5以上の高次モード
は出現しない。
【0063】
【表2】
【0064】この〔表2〕から明らかなように、W(x)
でアポタイズした共振子は、ψ(x)でアポタイズした共
振子に比して、S2〜S4の全ての高次のモードの減衰
率が改善されることが確認された。
【0065】なお、窓関数は上記した(13)式に限ら
れず、着目次数の周波数成分を強調し得るものであれ
ば、前記したハミング関数やハニング関数等の公知の窓
関数をはじめとして任意のものを使用することができ
る。
【0066】
【0067】
【発明の効果】 本発明によれば、 着目次数の振動モード
への変換効率が最大となるような重み関数のフーリエ変
換結果に対し、所要周波数成分を強調してそれ以外の周
波数成分を除去するような窓関数を掛けた後、逆フーリ
エ変換して得られる重み関数によってインターデジタル
電極の交差幅をアポタイズすることにより、スプリアス
の少ない弾性表面波共振子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の模式的平面図
【図2】図1の実施の形態のアポタイズ曲線を表すグラ
【図3】実施の形態の周波数特性を示すグラフ
【図4】従来の正規型のIDTを持つ弾性表面波共振子
の周波数特性の例を示すグラフ
【図5】アポタイズのための重み関数を単純な余弦関数
としたIDTを持つ弾性表面波共振子の周波数特性の例
を示すグラフ
【図6】実施の形態における導波路の幅と、基本波モー
ドS1および高次モードS2〜S6のそれぞれの変成比
を示すグラフ
【図7】正規型のIDTを持つ弾性表面波共振子におけ
る導波路の幅と、基本波モードS1および高次モード
〜S6のそれぞれの変成比を示すグラフ
【図8】アポタイズ曲線を単純な余弦曲線としたIDT
を持つ弾性表面波共振子における導波路の幅と、基本波
モードS1および高次モードS2〜S6のそれぞれの変
成比を示すグラフ
【図9】導波路の幅を10λとして本発明のアポタイズ
を施した共振子の周波数特性を示すグラフ
【図10】導波路の幅を20λとしてアポタイズを施し
た共振子の周波数特性を示すグラフ
【図11】導波路の幅を40λとしてアポタイズを施し
た共振子の周波数特性を示すグラフ
【図12】導波路の幅を50λとしてアポタイズを施し
た共振子の周波数特性を示すグラフ
【図13】導波路の幅を10λとした正規型の共振子の
周波数特性を示すグラフ
【図14】導波路の幅を20λとした正規型の共振子の
周波数特性を示すグラフ
【図15】導波路の幅を40λとした正規型の共振子の
周波数特性を示すグラフ
【図16】導波路の幅を50λとした正規型の共振子の
周波数特性を示すグラフ
【図17】導波路の幅を10λとして単純な余弦曲線に
従ってアポタイズした共振子の周波数特性を示すグラフ
【図18】導波路の幅を20λとして単純な余弦曲線に
従ってアポタイズした共振子の周波数特性を示すグラフ
【図19】導波路の幅を40λとして単純な余弦曲線に
従ってアポタイズした共振子の周波数特性を示すグラフ
【図20】導波路の幅を50λとして単純な余弦曲線に
従ってアポタイズした共振子の周波数特性を示すグラフ
【図21】本発明に係る実施の形態のアポタイズのため
の重み関数を得るための一手順として、ψ(x) をフーリ
エ変換した結果を表すグラフ
【図22】同じく本発明に係る実施の形態の重み関数を
得るための一手順として、図9の曲線に窓関数を掛けて
得られる曲線を示すグラフ
【図23】図10の曲線を逆フーリエ変換して得られる
本発明に係る実施の形態のアポタイズのための重み曲線
W(x) を表すグラフ
【図24】従来の正規型のIDTを持つ弾性表面波共振
子の平面図
【符号の説明】
1 圧電性基板 2 インターデジタル電極 2a,2b 櫛形電極 31,32 グレーティング反射器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 平7−28195(JP,B2) 電子通信学会技術研究報告Vol. 76,No.263,p.15〜22(US76− 67)、1977年3月28日 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/25 H03H 9/145

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性基板の表面に、電気信号を弾性表
    面波に変換するインターデジタル電極と、そのインター
    デジタル電極の両側にあって当該インターデジタル電極
    により励起された表面弾性波を反射する反射器とが形成
    されてなる弾性表面波共振子において、上記インターデ
    ジタル電極の交差幅が、着目次数についての下記の式で
    表される一般変成比Trが最大となる重み関数F(x)
    に従ってアポダイズされていることを特徴とする弾性表
    面波共振子。 【数1】
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