JP3116639B2 - フライホイール - Google Patents

フライホイール

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JP3116639B2
JP3116639B2 JP05058931A JP5893193A JP3116639B2 JP 3116639 B2 JP3116639 B2 JP 3116639B2 JP 05058931 A JP05058931 A JP 05058931A JP 5893193 A JP5893193 A JP 5893193A JP 3116639 B2 JP3116639 B2 JP 3116639B2
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    • F16F15/30Flywheels
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フライホイールの改
良に関し、特に、フライホイールが設けられる回転駆動
系の回転変動が低減されるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】車両のエンジン等の内燃機関の駆動力
は、燃焼力をクランク機構により回転力に変換すること
により得られるため、クランク軸等には必然的にトルク
変動が発生し、このトルク変動による駆動系の回転変動
が振動,騒音等の原因となる。例えば、4サイクル4気
筒エンジンの場合は、2次のトルク変動による回転変動
が問題となり、6気筒エンジンの場合は、3次のトルク
変動による回転変動が問題となる。
【0003】このようなトルク変動が原因で発生する駆
動系の回転変動の低減を図った従来の技術として、実開
昭59−24550号公報(第1従来例)に記載される
フライホイールがあり、この従来の技術では、フライホ
イール内に転動自在なダンパマスを収容し、内燃機関で
生じたトルク変動を、フライホイール本体に対するダン
パマスの重心位置の変動によって低減しようとするもの
である。
【0004】そして、かかる従来の技術では、フライホ
イールの回転中心からダンパマスの振り子運動の支点ま
での距離Rと、そのダンパマスの振り子運動の支点から
ダンパマスの重心までの距離Lとの比率R/Lを、内燃
機関のトルク変動次数nの自乗に設定することにより、
ダンパマスの振り子運動で内燃機関のトルク変動による
回転系の回転変動の低減を図っていた。
【0005】しかし、ダンパマスが転動しつつ振り子運
動をする場合には、ダンパマス自身の慣性能率と、ダン
パマスの回転に伴うダンパマス側面及び転動室内面間の
摩擦による減衰とが存在するため、上記第1従来例のよ
うに、上記比率R/Lを単にトルク変動次数nの自乗に
設定しても、ダンパマスの振り子運動の位相と回転変動
の位相とがうまく同期しないこともあり、必ずしも効率
的に回転変動を抑制できない場合がある。また、場合に
よっては、逆に回転変動を助長する方向に作用してしま
うこともある。
【0006】これに対して、「機械学会講演論文集(昭
和15年),第6巻,24号,I−57〜58頁」(第
2従来例)には、ダンパマスの慣性能率等をも考慮して
各部の寸法等を決定する技術が開示されている。さら
に、同じ文献のI−47〜53頁には基本的な理論が詳
細に展開されており、回転軸の軸心に対して偏心した位
置に振り子運動可能に重りを設けた形式についてである
が、摩擦等による減衰をも考慮した理論も開示されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上記第2従来
例のように、ダンパマスの慣性能率をも考慮すれば、或
いはさらに減衰をも考慮する理論をダンパマスが転動し
つつ振り子運動をする形式のフライホイールに応用すれ
ば、上記第1従来例と同様の構造について、回転変動を
確実に低減することができる正確な諸元を得ることは可
能である。
【0008】しかし、現実には製造誤差を皆無にするこ
とは不可能であるから、実際に得られたフライホイール
の諸元と理論値との間にはずれが生じてしまうし、使用
すれば磨耗等により各部の寸法変化等が生じるため、理
論値に対するずれは増大する可能性が大きく、場合によ
っては回転変動の低減効果がダンパマスを有しない通常
のフライホイールよりも悪化してしまうこともある。さ
らに、ダンパマス側面及び転動室内面間の摩擦による減
衰の値は、理論的に求めることは不可能であるし、磨耗
の程度等によって変化するものでもある。
【0009】つまり、上記第2従来例に基づいて回転変
動を確実に低減することが可能な正確な諸元を求めたと
しても、実際の製品をそれに完全に一致させ、且つ、そ
れを長い間維持することは実質的に不可能である。本発
明は、このような従来の技術が有する未解決の課題に着
目してなされたものであって、製造時の誤差や使用によ
る磨耗等の程度に関わらず、回転変動の低減効果が得ら
れるフライホイールを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、フライホイール本体に形成
された転動室内に、転動しつつ前記フライホイール本体
の径方向外側に膨らむ振り子運動可能にダンパマスを収
容したフライホイールにおいて、前記ダンパマスの質量
をmd 、前記ダンパマスの慣性能率をId 、前記ダンパ
マスの半径をr d 、前記フライホイール本体が取り付け
られる回転駆動系のトルク変動次数をnとした場合、前
記フライホイール本体の回転中心から前記ダンパマスの
振り子運動の支点までの距離Rと、前記ダンパマスの振
り子運動の支点からそのダンパマスの重心までの距離L
との比率R/Lを、 R0 /L0 =n2 {1+Id /(md ・rd 2 )} ……(1) という理論値に対し、 −2%≦(R/L−R0 /L0 )/(R0 /L0 )≦+50% ……(2) という範囲内に収まるように設定した。
【0011】また、請求項2記載の発明は、上記目的を
達成するために、フライホイール本体に形成された転動
室内に、転動しつつ前記フライホイール本体の径方向外
側に膨らむ振り子運動可能にダンパマスを収容したフラ
イホイールにおいて、前記ダンパマスの質量をmd 、前
記ダンパマスの慣性能率をId 、前記ダンパマスの半径
をrd 、前記フライホイール本体が取り付けられる回転
駆動系のトルク変動次数をnとした場合、前記フライホ
イール本体の回転中心から前記ダンパマスの振り子運動
の支点までの距離Rと、前記ダンパマスの振り子運動の
支点からそのダンパマスの重心までの距離Lとの比率R
/Lを、上記(1)式で表される理論値に対し、 −2%≦(R/L−R0 /L0 )/(R0 /L0 )≦+10% ……(3) という範囲内に収まるように設定した。
【0012】
【作用】本発明者等が行った計算機シミュレーションの
結果から、上記(1)式で表される理論値R0 /L0
実際の比率R/Lとの間のずれが回転変動の低減効果に
与える影響は、比率R/Lが理論値R0 /L0 よりも大
きい方(正方向)にずれた場合と、比率R/Lが理論値
0 /L0 よりも小さい方(負方向)にずれた場合とで
その現れ方が異なることが判った。
【0013】即ち、ダンパマスを有しない通常のフライ
ホイールによる回転変動の低減効果を基準に考えると、
正方向にずれた場合には、比較的大きくずれても回転変
動の低減代が正であるが、負方向にずれた場合には、数
%ずれただけで低減代が負となってしまう。また、低減
代が正から負に転換するずれの大きさは、生じている減
衰の値の影響を受けて変動することも判った。
【0014】さらに、減衰の値を実際に取り得る範囲内
で適宜変化させてシミュレーションを行ってみたら、そ
のような減衰の値に対しては、正方向には、50%を超
えるずれが生じた時点で低減代が正から負に転換するこ
とが判り、負方向には、2〜3%を超えるずれが生じた
時点で低減代が正から負に転換することが判った。そこ
で、請求項1記載の発明のように、上記比率R/Lを、
上記(1)式で表される理論値R0 /L0 に対して、上
記(2)式で表される範囲内に収まるように設定する
と、ダンパマスを有しない単なるフライホイールに比べ
て確実に回転変動を低減することができる。
【0015】そして、少なくとも上記(2)式で表され
る範囲内に収まっていればよいから、例えば、製造時に
おける比率R/Lの目標値を+10〜20%程度の値に
設定するようにすれば、多少の製造誤差や使用による磨
耗等が生じても、低減代が正に維持される。また、請求
項2記載の発明のように、上記比率R/Lを、上記
(1)式で表される理論値R0 /L0 に対して、上記
(3)式で表される範囲内に収まるように設定すると、
ダンパマスを有しない単なるフライホイールに比べて確
実に回転変動を低減することができ、しかも、ある程度
の低減代が確保される。
【0016】そして、少なくとも上記(3)式で表され
る範囲内に収まっていればよいから、例えば、製造時に
おける比率R/Lの目標値を+4〜5%程度の値に設定
するようにすれば、多少の製造誤差や使用による磨耗等
が生じても、比較的大きな低減代が得られる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は、本発明の一実施例におけるフライホイ
ールの平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図で
ある。即ち、円板状のフライホイール本体1は、その中
央部に回転駆動系への取り付けの際に利用される取付け
部1aを有するとともに、その周面内部には、周方向に
等間隔に離隔した同形状の四つの転動室2が形成されて
いる。
【0018】これら転動室2は、フライホイール本体1
に対して水平な円形凹部の中央に円筒部3を設けるとと
もに、開口側をカバー4で封止することにより、フライ
ホイール本体1の回転軸に平行な中心軸を有するリング
状の空洞を形成している。また、転動室2の内周面2
a,2bは、図2に示されるように、転動室2の中心軸
を含む断面の形状として径方向外側又は内側に凹んだ曲
面をなしている。
【0019】そして、各転動室2内には、周面が丸みを
帯びた円板状のダンパマス5が転動自在に収容されてい
て、このダンパマス5の直径(2rd )は、転動室2の
幅寸法、即ち、内周面2a及び2b間の距離よりも僅か
だけ小さくなっている。従って、ダンパマス5は、フラ
イホイール本体1の回転時には、その時の遠心力及びト
ルク変動によって、転動室2の内周面2a上を転動しつ
つ、フライホイール本体1の径方向外側に膨らむ振り子
運動をする。
【0020】図3は、このフライホイール本体1を、4
気筒エンジンのクランク軸10に取り付けた状態の概念
図である。今、フライホイール本体1の回転角速度を
ω、フライホイール本体1,クランク軸10及びクラン
クプーリ11を含めた回転系の慣性能率をIP 、回転駆
動系のねじり方向のバネ定数をk0 、ダンパマス5の質
量をmd 、ダンパマス5の慣性能率をId 、ダンパマス
5の半径をrd 、ダンパマス5の振り子運動の振幅角を
φ、フライホイール本体1の回転中心からダンパマス5
の振り子運動の支点(本実施例では、円筒部3の中心)
までの距離をR、ダンパマス5の振り子運動の支点から
そのダンパマス5の重心までの距離をLとし、クランク
軸10のn次のトルク変動T0 exp(jnωt)が作
用することによって、フライホイール本体1に角変位θ
が生じた場合を考えると、この回転系の運動方程式は下
記の(4)式及び(5)式で表される。なお、本実施例
では、ダンパマス5を複数設けているため、質量md
び慣性能率Id は、いずれもそれら複数のダンパマス5
のトータルの値である。 {IP +R(R+L)md +((L+rd )/rd )Id }・d2 θ/dt2 +{RLmd −(L(L+rd )/rd 2 )Id }・d2 φ/dt2 −md RLω2 φ+k0 θ=T0 exp(jnωt) ……(4) {(L(R+L)md −(L/rd )Id }・d2 θ/dt2 +{L2 d +(L2 /rd 2 )Id }・d2 φ/dt2 +md RLω2 φ=0 ……(5) さらに、ダンパマス5の側面5cと転動室2の側面2c
とが擦れ合うことにより発生する減衰の減衰係数をcと
すると、この回転系の運動方程式は、下記の(6)式及
び(7)式で表される。 {IP +R(R+L)md +((L+rd )/rd )Id }・d2 θ/dt2 +{RLmd −(L(L+rd )/rd 2 )Id }・d2 φ/dt2 −md RLω2 φ+k0 θ−c・dφ/dt=T0 exp(jnωt) ……(6) {(L(R+L)md −(L/rd )Id }・d2 θ/dt2 +{L2 d +(L2 /rd 2 )Id }・d2 φ/dt2 +md RLω2 φ+c・dφ/dt=0 ……(7) ここで、フライホイール本体1の角変位θについて整理
すると、下記の(8)式及び(9)式が得られる。
【0021】 Re(θ)={(D(AD−BC)+E2 (A+C))/((AD−BC)2 −E2 (A+C)2 )}・T0 exp(jnωt) ……(8) Im(θ)={(−EC(B+D))/((AD−BC)2 −E2 (A+C) 2 )}・T0 exp(jnωt) ……(9) ただし、Re(θ)はθの実部を、Im(θ)はθの虚
部を表す。また、上記(8)式及び(9)式中のA〜E
は、 A=−n2 ω2 {IP +R(R+L)md +((L+rd )/rd )Id } B=−n2 ω2 {RLmd −(L(L+rd )/rd 2 )Id } −md RLω2 C=−n2 ω2 {(L(R+L)md −(L/rd )Id } D=−n2 ω2 {L2 d +(L2 /rd 2 )Id }+md RLω2 E=nωc である。
【0022】そして、回転系の回転変動が零になるとい
うことは、フライホイール本体1の角変位θが零になる
ということであるから、その条件下で上記(8)式及び
(9)式を解けばよいのであるが、減衰としては変位に
比例的なもの、ヒステリシス減衰、速度に比例的なもの
等種々のものが考えられ、減衰係数cは理論的に求める
ことは不可能であるため、減衰を考慮しない不減衰状態
を基準として、θが零になる条件を求めることとする。
【0023】そこで、フライホイール本体1の角変位及
びダンパマス5の振り子運動を調和振動と仮定し、 θ=θ0 exp(jnωt) φ=φ0 exp(jnωt) とおくと、 d2 θ/dt2 =−n2 ω2 θ d2 φ/dt2 =−n2 ω2 φ となるから、上記(4)式及び(5)式は、下記の(1
0)式及び(11)式のようになる。 〔−n2 ω2 {IP +R(R+L)md +((L+rd )/rd )Id }+k0 〕θ0 +〔−n2 ω2 {RLmd −(L(L+rd )/rd 2 )Id } −md RLω2 〕φ0 =T0 ……(10) 〔−n2 ω2 {(L(R+L)md −(L/rd )Id }〕θ0 +〔−n2 ω2 {L2 d +(L2 /rd 2 )Id }+md RLω2 〕φ0 =0 ……(11) これら(10)及び(11)式は、下記の(12)及び(13)
式のように表すことができる。
【0024】 Aθ0 +Bφ0 =T0 ……(12) Cθ0 +Dφ0 =0 ……(13) ただし、上記(12)及び(13)式中のA〜Dは、 A=−n2 ω2 {IP +R(R+L)md +((L+rd )/rd )Id } +k0 B=−n2 ω2 {RLmd −(L(L+rd )/rd 2 )Id } C=−n2 ω2 {(L(R+L)md −(L/rd )Id } D=−n2 ω2 {L2 d +(L2 /rd 2 )Id }+md RLω2 である。
【0025】これら(12)及び(13)式を解くと、 θ0 =D/(AD−BC) となり、D=0がフライホイール本体1の回転変動を零
とする条件となる。つまり、 −n2 ω2 {L2 d +(L2 /rd 2 )Id }+md RLω2 =0 であるから、 md RL=n2 {L2 d +(L2 /rd 2 )Id } となる。そして、両辺をmd 2 で割れば、 R/L=n2 {1+Id /(md ・rd 2 )} となり、上記(1)式と同じ式が得られる。
【0026】つまり、上記(1)式を満足する関係が成
立するようにR及びLを設定すれば、不減衰状態下にお
いては、フライホイール本体1の角変位θを抑えること
が可能となる。しかし、実際には、減衰が零ということ
は考えられないから、減衰を考慮してR及びLを設定す
ることが必要となるが、減衰の値は理論的に求めること
は不可能である。
【0027】そこで、質量マトリックス[M]及び弾性
マトリックス[K]を用いて、減衰マトリックス[C]
を下記の(14)式のように定義する。 [C]=α[M]+β[K] ……(14) つまり、粘性減衰(速度に比例する減衰)を仮定し、比
例減衰的な考え方をとったものであり、β=0とした場
合のαをここでは減衰係数と称することとしている。な
お、このような定義して求めた減衰係数αは、実験値と
略一致することは確認されている。
【0028】そして、減衰係数αは、本発明者等が行っ
た実験によれば、ほとんどの場合に0<α≦0.04の範
囲の値を採ることが確認されている。図4は、上記
(1)式で表される理論値R0 /L0 に対する実際の比
率R/Lのずれ(R/L−R0 /L0 )/(R0
0 )と、回転変動の低減代との関係を表すグラフであ
り、本発明者等が行ったシミュレーションの結果に基づ
いて作成している。なお、ダンパマス5を有していない
従来のフライホイールによる回転変動の低減効果を0d
Bとしている。
【0029】すなわち、α=0.00の場合(つまり、不
減衰状態の場合)には、理論値通りに製造された場合に
最も大きな低減代が得られることが判るが、減衰係数α
がなんらかの値を採ると、低減代の最大値が低下すると
ともに、比率R/Lが理論値R0 /L0 よりも数%大き
いときに低減代が最大値を採ることが判る。つまり、不
減衰状態というのは実際には考えられないから、理論値
0 /L0 通りに製造するよりは、数%大きい値を目標
とする方が低減代が大きくなるのである。
【0030】また、図4のグラフの形状からは、理論値
0 /L0 と実際の比率R/Lとの間のずれが回転変動
低減代に与える影響が、比率R/Lが理論値R0 /L0
よりも大きい方(正方向)にずれた場合と、比率R/L
が理論値R0 /L0 よりも小さい方(負方向)にずれた
場合とでその現れ方が異なることも判る。即ち、正方向
にずれた場合には、不減衰状態を除き、比較的緩やかに
低減代が縮小してゆき、比較的大きなずれが生じても、
低減代は正の状態を維持する。ちなみに、不減衰状態を
除き、50%を超えた時点で低減代が正から負に転換す
るとのシミュレーション結果が得られている。
【0031】逆に、負方向にずれた場合には、比較的急
激に低減代が縮小してゆき、数%ずれた時点で低減代が
正から負に転換している。ちなみに、4気筒エンジンの
場合には、α=0.01のときには−2.3%の時点で、α
=0.03のときには−2.7%の時点で低減代が正から負
に転換し、6気筒エンジンの場合には、α=0.02のと
きには−3.0%の時点で、α=0.04のときには−2.5
%の時点で低減代が正から負に転換するとのシミュレー
ション結果が得られている。
【0032】そこで、比率R/Lを上記(2)式で表さ
れる範囲内に設定すれば、クランク軸10にn次(4気
筒エンジンであれば2次、6気筒エンジンであれば3
次)の回転変動が生じても、クランク軸10と共に回転
するフライホイール本体1のダンパマス5の振り子運動
は、減衰係数αの大きさに関係なく且つ減衰による位相
遅れを伴うこともなくクランク軸10の回転変動に同期
するようになるから、そのクランク軸10の回転変動
は、フライホイール本体1に対するダンパマス5の重心
位置の変動によって確実に低減されるようになり、図示
しないトランスミッション側に伝達される回転駆動力の
変動が大幅に低減し、車室内の騒音低減等が図られる。
【0033】そして、上記(2)式の範囲内に比率R/
Lが収まっていれば、ダンパマス5を有していない従来
のフライホイールよりも回転変動の低減効果が大きいの
であり、比率R/Lが正方向にずれた場合には比較的大
きくずれても低減代が正であることから、例えば、製造
時における比率R/Lの設定値を、+10%程度、或い
は+10〜20%程度の値としておけば、余裕が±10
%以上もあることから、多少の製造誤差が生じても全く
問題ないし、使用時に磨耗等によって各部の寸法や減衰
係数αに変動が生じても低減代が負になってしまうよう
な危険性はほとんどない。
【0034】さらに、比率R/Lを上記(3)式で表さ
れる範囲内に設定すれば、上記(2)式の範囲内に設定
した場合と同様に回転変動が確実に低減されるようにな
り、しかも、回転変動の低減代として少なくとも約3d
B程度の値が得られるという利点がある。そして、例え
ば、製造時における比率R/Lの設定値を、+4〜5%
程度の値としておけば、余裕が±5%程度あることか
ら、多少の製造誤差が生じても十分な回転変動の低減代
が得られるし、磨耗等によって各部の寸法や減衰係数α
に多少の変動が生じても十分な回転変動の低減代を確保
することができる。
【0035】またさらに、製造誤差や使用時の磨耗等に
よる比率R/Lの変化が理論値に対して±3%程度の範
囲に収まることが可能であれば、製造時における比率R
/Lの設定値を、+3%程度に設定することも一つの得
策である。なお、上記実施例では、フライホイール本体
1に四つの転動室2を形成した場合について説明した
が、転動室2の数はこれに限定されるものではなく、こ
れ以上であってもよい。
【0036】また、各転動室2に収容されるダンパマス
5の形状は、上記実施例のような円板状に限定されるも
のではなく、転動可能な形状、例えば、コロや球体等で
あってもよい。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は請求
項2記載の発明によれば、転動しつつ振り子運動をする
ダンパマスを備えたフライホイールにおいて、フライホ
イール本体の回転中心からダンパマスの振り子運動の支
点までの距離Rと、ダンパマスの振り子運動の支点から
そのダンパマスの重心までの距離Lとの比率R/Lを、
上記(1)式で表される理論値R0 /L0 に対して上記
(2)式又は(3)式で示される範囲内に収まるように
設定することとしたため、多少の製造誤差や磨耗等によ
る各部の寸法の変化等が生じても、確実に回転変動を低
減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】フライホイールの取付け状態を示す概念図であ
る。
【図4】比率R/L及び理論値R0 /L0 間のずれの大
きさと回転変動低減代との関係を表すグラフである。
【符号の説明】
1 フライホイール本体 2 転動室 3 円筒部 5 ダンパマス 10 クランク軸(回転駆動系)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−13930(JP,A) 実開 昭60−26349(JP,U) 実開 昭57−58152(JP,U) 実開 平1−115041(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/30 - 15/31 F16F 15/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フライホイール本体に形成された転動室
    内に、転動しつつ前記フライホイール本体の径方向外側
    に膨らむ振り子運動可能にダンパマスを収容したフライ
    ホイールにおいて、 前記ダンパマスの質量をmd 、前記ダンパマスの慣性能
    率をId 、前記ダンパマスの半径をrd 、前記フライホ
    イール本体が取り付けられる回転駆動系のトルク変動次
    数をnとした場合、前記フライホイール本体の回転中心
    から前記ダンパマスの振り子運動の支点までの距離R
    と、前記ダンパマスの振り子運動の支点からそのダンパ
    マスの重心までの距離Lとの比率R/Lを、 R0 /L0 =n2 {1+Id /(md ・rd 2 )} という理論値に対し、 −2%≦(R/L−R0 /L0 )/(R0 /L0 )≦+50% という範囲内に収まるように設定したことを特徴とする
    フライホイール。
  2. 【請求項2】 フライホイール本体に形成された転動室
    内に、転動しつつ前記フライホイール本体の径方向外側
    に膨らむ振り子運動可能にダンパマスを収容したフライ
    ホイールにおいて、 前記ダンパマスの質量をmd 、前記ダンパマスの慣性能
    率をId 、前記ダンパマスの半径をrd 、前記フライホ
    イール本体が取り付けられる回転駆動系のトルク変動次
    数をnとした場合、前記フライホイール本体の回転中心
    から前記ダンパマスの振り子運動の支点までの距離R
    と、前記ダンパマスの振り子運動の支点からそのダンパ
    マスの重心までの距離Lとの比率R/Lを、 R0 /L0 =n2 {1+Id /(md ・rd 2 )} という理論値に対し、 −2%≦(R/L−R0 /L0 )/(R0 /L0 )≦+10% という範囲内に収まるように設定したことを特徴とする
    フライホイール。
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