JP3114983B2 - 履帯用ピンおよびその製造方法 - Google Patents

履帯用ピンおよびその製造方法

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JP3114983B2
JP3114983B2 JP02158675A JP15867590A JP3114983B2 JP 3114983 B2 JP3114983 B2 JP 3114983B2 JP 02158675 A JP02158675 A JP 02158675A JP 15867590 A JP15867590 A JP 15867590A JP 3114983 B2 JP3114983 B2 JP 3114983B2
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martensite
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俊彦 佐藤
裕之 竹野
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Topy Industries Ltd
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Topy Industries Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、装軌車両等に用いる履帯用ピンおよびその
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は、つぎに述べる(イ)、(ロ)、(ハ)の方法
等で履帯用ピンを製造しており、それぞれ、以下の問題
を有していた。 (イ) 中炭素低合金鋼(たとえばS50C、S53C、S48C
B、SAE15B35など)を素材として、これを炉中加熱焼入
れ焼もどしして、中心部付近に柔かい延性部を作り、残
りを硬化する。その後、熱処理で生じた脱炭層除去のた
め表面を研摩する。 −問題点− 履帯用ピンの端面が硬化し、焼割れ発生の危険が生
じ、製造を困難にしている。 有効硬化層深さは、適正な鋼種選定により設定して
いるが、同一鋼種内の焼入性のバラツキにより変動す
る。焼入性が高いほうに変動する場合、中心部まで硬化
し、表面に引張り残留応力が付与される危険が生じる。 熱処理により付与された表面の圧縮残留応力が、そ
の後の研摩加工により、減少あるいは消失する危険が生
じる。 (ロ) 中炭素低合金鋼を素材とし、t/Rが0.30未満の
範囲を高周波焼入れし、その後、焼もどしする方法。た
だし、t/Rは、半径Rに対する80%マルテンサイト硬さ
以上の有効硬化層深さをtの比である。 −問題点− (イ)に比べ、静的曲げ強度、疲労強度が劣化す
る。 (ハ) 肌焼鋼(たとえばSCM415、SCM420など)を素材
とし、これを浸炭焼入れしたあと、焼もどしを行なう方
法。 −問題点− (イ)、(ロ)に比べて耐摩耗性は優れているが、
静的曲げ強度、疲労強度が劣化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点であ
り、本発明の目的は、焼割れが発生せず、かつ静的曲げ
強度、疲労強度を劣化させない履帯用ピンと、その製造
方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明はつぎの通りであ
る。 (1) 素材が中炭素低合金鋼であり、半径をR、80%
マルテンサイト硬さ以上の有効硬化層深さをtで表した
場合、表面から比(t/R)が0.35〜0.50までの範囲のみ
が80%マルテンサイト硬さ以上であり、中心部が未変態
組織であり、表面あらさが10μm以下の黒皮肌を有する
ことを特徴とする履帯用ピン。 (2) 中炭素低合金鋼を素材する履帯用ピンを10μm
以下の表面あらさに加工し、 しかる後、半径をR、80%マルテンサイト硬さ以上の有
効硬化層深さをtで表した場合、表面から比(t/R)が
0.35〜0.50までの範囲のみが80%マルテンサイト硬さ以
上になるように高周波誘導加熱および冷却を施して高周
波焼入れし、 その後焼もどしを行なう、 ことを特徴とする履帯用ピンの製造方法。
【0005】 一般的に、焼きの入った深さとして50%マルテンサイ
ト組織が、基準とされているが、実用的にはかたさが低
すぎる場合が多く、焼きの入った深さをさらに高いマル
テンサイト量によって表す場合があり、本発明では80%
マルテンサイトとした。また、鋼の焼き入れ硬さはC量
により決まり、また、マルテンサイト量によっても異な
るので、80%マルテンサイトの硬さはC量に応じて決め
られる。なお、C量は中炭素(低合金)鋼の場合、0.3
〜0.5重量%である。
【0006】 上記履帯用ピンおよびその製造方法には、つぎの作
用、効果がある。 t/Rは、焼入性が十分である場合、冷却強さにより
調整せず、高周波誘導加熱により調整するため、極めて
バラツキが小さく安定している。 したがって、静的曲げ強度、疲労強度のバラツキが小
さい。 熱処理による脱炭層の発生がなく、熱処理後の研摩
加工が不要となるため、熱処理で生じた高い圧縮残留応
力が保持される。 この圧縮残留応力によって、さらに疲労強度が向上す
る。 t/Rが0.35〜0.50であり、かつ表面あらさが10μm
以下の黒皮肌を有するため、炉中加熱焼入れ焼もどし品
と同等以上の静的曲げ強度、疲労強度を有する。 履帯用ピンの表面からt/Rが0.35〜0.50までの範囲
のみをAC3点以上の適正な温度範囲内に加熱し、他はAC3
点以下であるため、高周波加熱原単位を低く押さえるこ
とができる。 中心部は未変態組織であるため、履帯用ピンの端面
に焼割れは発生しない。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、実施例により、さらに詳細に説明す
る。 中炭素低合金の履帯用ピン素材として、中炭素ボロン
鋼(S48CB)から成る、直径38mm、長さ218mmのピン素材
を選定した。その化学成分は、0.45〜0.51C、0.47〜0.2
7Si、0.73Mn、0.025P、0.010S、0.05Ni、0.09Cu、0.16C
r、0.0023B、残りFeである。 まず、履帯用ピン素材の外周表面を、切削、研摩によ
り、10μm以下の表面あらさに加工した。10μm以下と
したのは、それを越えると、履帯用ピンに荷重が繰り返
しかかるときの疲労耐久性が低下するからである。ま
た、熱処理前研摩としたのは、熱処理によってできる表
面残留圧縮応力の硬化層が削りとられるのを紡糸するた
めである。
【0008】 つぎに、表面あらさが10μm以下に加工された履帯用
ピンを、履帯用ピンの表面からt/Rが0.35〜0.50までの
範囲のみにAC3点以上の温度範囲に高周波誘導加熱、お
よび、冷却を施して、履帯用ピンの表面からt/Rが0.35
〜0.50までの範囲を、80%マルテンサイト硬さ以上に焼
入れする。中心部は未変態組織である。
【0009】 高周波誘導加熱は、3KHz以下の適正な周波数、たとえ
ば1KHzの周波数を選定し、高周波誘導コイル通過後、冷
却までの時間を適正に選定することにより、表面の加熱
を防止しながら熱を浸透させて行なう。 t/Rの下限値、上限値の根拠は次の通りである。疲労
強度劣化を防止するためには、t/Rを大きくし、かつ表
面に圧縮残留応力を付与することが有効であるが、t/R
が0.35以上で、かつ表面あらさが10μm以下の黒皮肌を
有することにより、従来の炉中加熱焼入れ焼もどし品と
同等以上の静的曲げ強度、疲労強度が保持されることが
試験により判明したので、下限を0.35とした。また、t/
Rの上限値は、t/Rが小さい方が、高周波誘導加熱の加熱
原単位が小さくなり、経済メリットがあるため、高周波
焼入れの工程能力を勘案して、0.50とした。t/Rは、冷
却強さにより調整せず、高周波誘導加熱により調整する
ため、極めてバラツキが小さく安定している。したがっ
て、静的曲げ強度、疲労強度のバラツキも小さい。ま
た、中心部は未変態組織であるため、履帯用ピンの端面
に焼割れは発生しない。
【0010】 上記の高周波焼入れにより、履帯用ピンの外周部は硬
く耐摩耗性に優れ、かつ静的曲げ強度に優れた履帯用ピ
ンが得られる。また、表面には圧縮残留応力が残るの
で、優れた疲労強度が得られる。表1は本発明品と従来
品の残留応力を示しており、表2は曲げ特性を示してお
り、また、図1はピン断面の硬さ分布を示しており、図
2は疲労強度特性を示している。ただし、これらの値
は、次に述べる焼もどしを施した後の値である。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】 焼入れ後、低温焼もどしを行なう。焼もどしは炉中に
て180℃で2時間保持した。低温焼もどしとしたのは、
焼もどしによる表面硬度の低下を最小限にするためであ
る。
【0014】
【発明の効果】
高周波誘導のため、端面の焼割れが発生しない。 t/Rを0.35〜0.50としたため、表2、図1、図2から
わかるように、従来品と同程度かそれ以上の静的曲げ強
度、硬さ特性、疲労強度が得られ、バラツキが小さく安
定した品質が得られる。 熱処理前に表面あらさを10μm以下に加工し熱処理後
の切削、研摩を除去したので、表面硬化部と表面の残留
圧縮部(表1参照)を削りとらないでそのまま黒皮肌と
して残すことができ、耐摩耗性、疲労強度を従来と同程
度かそれ以上にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の履帯用ピンの断面硬さ分布図である。
【図2】 本発明の履帯用ピンの疲労特性図である。
【符号の説明】
R……半径 t……有効硬化深さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭62−37691(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 C21D 1/10 C21D 9/00 - 9/44 C21D 9/50

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】素材が中炭素低合金鋼であり、半径をR、
    80%マルテンサイト硬さ以上の有効硬化層深さをtで表
    した場合、表面から比(t/R)が0.35〜0.50までの範囲
    のみが80%マルテンサイト硬さ以上であり、中心部が未
    変態組織であり、表面あらさが10μm以下の黒皮肌を有
    することを特徴とする履帯用ピン。
  2. 【請求項2】中炭素低合金鋼を素材とする履帯用ピンを
    10μm以下の表面あらさに加工し、 しかる後、半径をR、80%マルテンサイト硬さ以上の有
    効硬化層深さをtで表した場合、表面から比(t/R)が
    0.35〜0.50までの範囲のみが80%マルテンサイト硬さ以
    上になるように高周波誘導加熱および冷却を施して高周
    波焼入れし、 その後焼もどしを行なう、 ことを特徴とする履帯用ピンの製造方法。
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