JP3112322B2 - 車両のスリップ制御装置 - Google Patents

車両のスリップ制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、駆動輪の路面に対する
スリップが過大になるのを防止する車両のスリップ制御
装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】車両の加速時等に駆動輪の路面に対するス
リップが過大になるのを防止して、加速性や車両安定性
を満足させるようにしたスリップ制御装置(トラクショ
ン制御装置)が種々提案されている。
【0003】上記スリップ制御は、駆動輪への付与トル
クを低減することにより行なわれ、このため駆動輪へブ
レ−キ力を与えるブレ−キ制御や、エンジンの発生トル
ク(出力)を低下させるエンジン制御が行なわれる。こ
のスリップ制御を、ブレ−キ制御とエンジン制御との両
方で行なうものの他、ブレ−キ制御のみ、あるいはエン
ジン制御のみで行なうことも提案されている。そして、
ブレ−キ制御およびエンジン制御の場合共に、駆動輪の
路面に対する実際のスリップ値が所定の目標値となるよ
うにフィ−ドバック制御されるのが一般的である。
【0004】駆動輪の過大なスリップは、車両の発進時
において特に生じ易く、特開昭2−169357号公報
には、発進時においてスリップ制御を行なうものが開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】車両の発進時にスリッ
プ制御を行なっても、駆動輪への付与トルクが適切でな
いと、うまく発進できない場合が生じることがある。例
えば、登坂路でかつ路面がアイスバ−ンのように非常に
滑り易い状況では、スリップ制御を行なっても、発進ど
ころか車両が後退してしまうような事態すら生じること
にもなる。また、特に後輪駆動車においては、後退まで
はいたらないまでも、車体後部が尻ふりをする横方向動
作の挙動を示すこともある。
【0006】勿論、路面状況に応じて適切なスリップ制
御がなされればよいのであるが、路面状況、特に路面の
摩擦係数を正確に推定することがなかなか困難な状況で
ある。そして、車両後退が生じてしまうような状況を想
定してスリップ制御を常に行なっていたのでは、平担路
や摩擦係数の大きい路面状況下では駆動輪への付与トル
クが低下され過ぎたものとなって、発進時の加速性が極
端に悪化してしまうことになる。このようなことは、前
進方向への発進時に限らず、後退方向の発進時にも同じ
である。
【0007】したがって、本発明の目的は、発進時の加
速性を悪化させることなく、より確実に発進をなし得る
ようにした車両のスリップ制御装置を提供することにあ
る。
【0008】
【発明の構成】上記目的を達成するため、本発明はその
第1の構成として次のようにしてある。すなわち、特許
請求の範囲における請求項1に記載のように、駆動輪へ
の付与トルクを低減することにより、駆動輪の路面に対
するスリップ値が過大になるのを防止するようにした車
両のスリップ制御装置において、駆動輪の回転方向とは
反対方向の車両の動きを検出する反対動作検出手段と、
スリップ制御中に、前記反対動作検出手段によって駆動
輪の回転方向とは反対方向の車両の動きが検出されてい
ないときは、駆動輪の実際のスリップ値が所定の目標値
となるように駆動輪への付与トルクを変更する一方、ス
リップ制御中に、前記反対動作検出手段によって駆動輪
の回転方向とは反対方向の車両の動きが検出されたとき
は、駆動輪の実際のスリップ値が前記所定の目標値より
も小さな値となるように駆動輪への付与トルクを変更す
る制御内容変更手段と、を備えた構成としてある。
【0009】また、前記目的を達成するため、本発明は
その第2の構成として次のようにしてある。すなわち、
特許請求の範囲における請求項2に記載のように、駆動
輪への付与トルクを低減することにより、駆動輪の路面
に対するスリップ値が過大になるのを防止するようにし
た車両のスリップ制御装置において、ハンドル舵角がほ
ぼ0であることを検出する舵角検出手段と、車両の横方
向への動きを検出する横動作検出手段と、スリップ制御
中に、前記各検出手段によってハンドル舵角がほぼ0で
あることおよび車両に横方向の動きがあることの少なく
とも一方が検出されていないときは、駆動輪の実際のス
リップ値が所定の目標値となるように駆動輪への付与ト
ルクを変更する一方、スリップ制御中に、前記各検出手
段によってハンドル舵角がほぼ0でありかつ車両の横方
向の動きが検出されたときは、駆動輪の実際のスリップ
値が前記所定の目標値よりも小さな値となるように駆動
輪への付与トルクを変更する制御内容変更手段と、を備
えた構成としてある。
【0010】スリップ制御を、駆動輪の実際のスリップ
値が所定の目標値となるように駆動輪への付与トルクを
フィ−ドバック制御するものにあっては、制御内容変更
手段がこの目標値を低下させるものとして構成し得る。
【0011】
【発明の効果】本発明によれば、車両の発進がうまく行
なわれないような事態となったとき、すなわち駆動輪が
路面に対して未だ過大にスリップしているために車両が
駆動輪の回転方向とは反対方向の動きをしたり、ハンド
ルがほぼまっすぐなのに車体が横方向の動きを示すよう
なときは、駆動輪への付与トルクがより低減されて、確
実な発進を行なうことができる。また、通常は、駆動輪
への付与トルクが低減され過ぎることがないので、発進
時の加速性確保という点でも何等問題の生じないものと
なる。本発明の好ましい態様およびその利点は、以下の
実施例の説明から明らかとなる。
【0012】
【実施例】図1において、1FLは左前輪、1FRは右
前輪、1RLは左後輪、1RRは右後輪である。車体前
部にはエンジン2が横置きに塔載され、該エンジン2で
の発生トルクは、クラッチ3、変速機4、差動ギア5に
伝達された後、左ドライブシャフト6Lを介して左前輪
1FLに、また右ドライブシャフト6Rを介して右前輪
1FRに伝達される。このように、車両は、前輪1F
L、1FRが駆動輪とされ、後輪1RL、1RRが従動
輪とされた前輪駆動車とされている。
【0013】各車輪に装備されたブレ−キ7FR〜7R
Rは、油圧式とされたディスクブレ−キとされている。
また、ブレ−キ液圧発生源としてのマスタシリンダ8
は、2つの吐出口8a、8bを有するタンデム型とされ
ている。このマスタシリンダ8の一方の吐出口8aから
伸びるブレ−キ配管13は、途中で2本に分岐されて、
分岐配管13Fが左前輪用ブレ−キ7FL(のキャリパ
内に装備されたホイ−ルシリンダ)に接続され、分岐配
管13Rが右後輪用ブレ−キ7RRに接続されている。
マスタシリンダ8の他方の吐出口8bから伸びる分岐配
管14も2本に分岐されて、分岐配管14Fが右前輪用
ブレ−キ7FRに接続され、分岐配管14Rが左後輪用
ブレ−キ7RLに接続されている。
【0014】前輪用すなわち駆動輪用の分岐配管13
F、14Fには、電磁式の液圧調整弁15Lあるいは1
5Rが接続され、後輪用の分岐配管13R、14Rに
は、電磁式の開閉弁16Lあるいは16Rが接続されて
いる。液圧調整弁15L、15Rは、ブレ−キ7FL、
7FRへのマスタシリンダ8からのブレ−キ液圧供給
と、該ブレ−キ7FL、7FRのブレ−キ液圧を配管2
1L、21Rを介してリザ−バタンク22L、22Rへ
解放する態様とを切換える。リザ−バタンク21Lのブ
レ−キ液は、ポンプ23Lによって、逆止弁24Lが接
続された配管25Lを介して配管13に戻され、同様
に、リザ−バタンク22Rのブレ−キ液は、ポンプ23
Rによって、逆止弁24Rが接続された配管25Rを介
して配管14に戻される。
【0015】ブレ−キペダル12に対する踏込み力は、
倍力装置すなわちブレ−キブ−スタ11を介してマスタ
シリンダ8に伝達される。このブ−スタ11は、基本的
には既知の真空倍力装置と同じであるが、スリップ制御
の際には後述するように、ブレ−キペダルの踏込み操作
が行なわれていなくても倍力作用を行なうように構成さ
れている。
【0016】ブ−スタ11は、車体およびマスタシリン
ダ8に固定されたケ−ス31を有し、該ケ−ス31内
が、ダイヤフラム32とこれに固定されたバルブボディ
33とによって、第1室34と第2室35とに画成され
ている。第1室34には常に負圧(例えばエンジン2の
吸気負圧)が供給されており、ブレ−キペダルが踏込み
操作されていないときは第2室35が第1室34と連通
されて、ブ−スタ11の作動が停止された状態とされ
る。そして、ブレ−キペダル12を踏込み操作すると、
両室34と35との連通が遮断されると共に第2室35
に大気圧が供給され、これによりダイヤフラム32がバ
ルブボディ33と共に前方へ変位して倍力機能が行なわ
れる。
【0017】第2室35に対する負圧供給と大気圧供給
との切換えは、基本的には、バルブボディ33内に装備
された弁装置によってなされる。このバルブボディ33
部分を図2に基づいて説明する。
【0018】先ず、バルブボディ33は、ダイヤフラム
32に固定されるパワ−ピストン41を有し、このパワ
−ピストン41に形成された凹部41a内には、リアク
ションディスク42と出力軸43の基端部とが嵌合され
ている。この出力軸43は、マスタシリンダ8の入力軸
となるものである。また、ブレ−キペダル12に連結さ
れた入力軸44の先端部には、バルブボディ33内にお
いて、バルブプランジャ45が取付けられている。この
バルブプランジャ45の後方には、真空弁46が配設さ
れている。
【0019】パワ−ピストン41には圧力導入通路50
が形成されており、該圧力導入通路50は常時、前記バ
ルブプランジャ45の周囲に形成される空間Xに連通さ
れている。この空間Xは、常に第2室35と連通されて
いる。そして、圧力導入通路50の空間X側への開口端
部に、前記真空弁46が離着座される弁座47が形成さ
れている。また、真空弁46は、バルブプランジャ45
の後端に形成された弁座45aに対しても離着座され
る。
【0020】以上のような構成において、いま、圧力導
入通路50に負圧が導入されている場合を想定する。こ
の状態で、ブレ−キペダル12が踏込み操作されていな
いときは、図2の状態で、スプリング48、49の付勢
力によって真空弁46が弁座45aに着座するも、弁座
47とは離間されている。したがって、圧力導入通路5
0からの負圧は、空間Xを介して第2室35に導入さ
れ、倍力作用は行なわれない。
【0021】ブレ−キペダル12を踏込み操作すると、
入力軸44したがってバルブプランジャ45が前方動
(図中左方動)される。この前方動の際、真空弁46
は、先ず弁座47に着座して空間Xと圧力導入通路50
との連通を遮断し、その後真空弁46に対して弁座45
aが離間される。この真空弁46と弁座45aとが離間
することにより、バルブボディ33の後方からの大気圧
が空間Xに導入されて、第2室35が大気圧となる。こ
れにより、ダイヤフラム32がバルブボディ33と共に
前方へ変位し、この結果出力軸43が前方動して倍力作
用が行なわれる。マスタシリンダ8からのブレ−キ反力
は、リアクションディスク42を介して、バルブプラン
ジャ45したがってブレ−キペダル12に伝達される。
ブレ−キペダル12の踏込み操作力が解放されると、リ
タ−ンスプリング36(図1参照)により図2の状態へ
復帰して、次の倍力作用に備えることになる。
【0022】以上説明した部分は、既知の真空倍力装置
と同じであるが、本実施例では、スリップ制御のため
に、圧力導入通路50に対して、第1室34の負圧を導
入させる状態と大気圧を導入させる状態とに切換えるよ
うにしている。すなわち、第1室34と圧力導入通路5
0とが配管37を介して接続され、該配管37に3方電
磁切換弁38(図1参照)が接続されている。この切換
弁38は、消磁時に圧力導入通路50を第1室34に連
通させ、励磁時に圧力導入通路50に大気圧を導入させ
る。この切換弁38が励磁されて圧力導入通路50に大
気圧が導入されると、前記空間Xしたがって第2室35
は、ブレ−キペダル12の踏込み操作が行なわれていな
くても大気圧となり、この結果倍力作用を行なってマス
タシリンダ8にブレ−キ液圧を発生させることになる。
【0023】図3は、制御系を簡略的に示すものであ
り、同図中Uは、マイクロコンピュ−タを利用して構成
された制御ユニットである、この制御ユニットUには、
センサあるいはスイッチS1〜S7からの信号が入力さ
れる。センサS1〜S4は、各車輪1FL〜1RRの回
転速度を検出するものである。スイッチS5はアクセル
ペダル10が全閉となったときにオンとされるアクセル
スイッチである。スイッチS6、S7はそれぞれブレ−
キペダル12が踏込み操作されたときに作動されるもの
で、例えば一方のスイッチは常開型とされ、他方は常閉
型とされる。センサS8は、傾斜計等を利用して構成さ
れて、登坂路であることを検出するセンサである。
【0024】また、制御ユニットUからは、図3に示す
各機器類に出力されるが、符号9は、エンジン2の発生
トルクを調整するトルク調整手段である。なお、トルク
調整手段9は、例えば吸入空気量調整することにより、
あるいは燃料カット気筒数と点火時期調整との組み合わ
せにより、発生トルク調整を行なうものである。
【0025】次に、スリップ制御の概要について説明す
るが、駆動輪のスリップ値としては、実施例では、「ス
リップ値=駆動輪速−車速」として設定され、車速は左
右従動輪速の平均値を用いるようにしてある。
【0026】エンジン制御 先ず、エンジン制御の開始は、左右前輪1FL、1FR
の各スリップ値のうち大きい方のスリップ値が、所定の
開始しきい値以上となったときとして設定されている。
エンジン制御は、実際のスリップ値がエンジン用目標値
(第1目標値)STEとなるように、トルク調整手段9
をフィ−ドバック制御することにより行なわれる。エン
ジン制御は、アクセルが全閉になったときに中止され
る。
【0027】ブレ−キ制御 ブレ−キ制御の開始は、次の条件の全てを満足したとき
とされる。第1の開始条件は、エンジン制御中であるこ
とである。第2の開始条件は、車速が所定の第1車速V
1以下であることである。
【0028】このブレ−キ制御のため、エンジン制御の
開始と同時に切換弁38が励磁されて、ブ−スタ11が
倍力作用状態とされると共に、液圧調整弁15L、15
Rはリリ−フ位置に、また開閉弁16L、16Rは閉と
される。そして、切換弁38を励磁してから所定時間経
過後にブレ−キ制御が開始される。
【0029】ブレ−キ制御は、左右駆動輪1FL、1F
Rについて個々独立して、それぞれ実際のスリップ値が
ブレ−キ用目標値(第2目標値)STB(>STE)と
なるように、液圧調整弁15L、15Rをフィ−ドバッ
ク制御することにより行なわれる(デュ−ティ制御)。
【0030】ブレ−キ制御の中止は、次のいずれか1つ
の条件を満足したときに行なわれる。第1の中止条件
は、エンジン制御が中止されたときである。第2の中止
条件は、車速が所定の第2車速V2(V2>V1)以上
の高車速となったときである。第3の中止条件は、ブレ
−キペダル12が踏込み操作されたことが、スイッチS
6、S7のいずれか一方で検出されたときである(スイ
ッチS6、S7によりブレ−キペダル12が踏込み操作
されていることが検出されたときは、ブレ−キ制御の開
始が禁止される)。
【0031】ブレ−キ制御中止の際は、エンジン制御が
行なわれている限り切換弁38は作動されており、液圧
調整弁15L、15Rはリリ−フ位置にあり、開閉弁1
6L、16Rは閉状態とされる(ブレ−キ制御開始まで
の待機状態と同じ状態)。そして、エンジン制御が中止
された時点あるいはブレ−キペダル12が踏込み操作さ
れた時点で、切換弁38が消磁される。
【0032】次に、図4のフロ−チャ−トを参照しつつ
本発明の制御例について説明するが、以下の説明でPは
ステップを示す。先ずP1において、各センサ等からの
信号が入力された後、P2において、センサS8の出力
状態をみることによって現在登坂路(実施例では前上が
りの坂)であるか否かが判別される。このP2の判別で
YESのときは、P3において、発進時(実施例では前
進方向への発進)であるか否か判別される。この発進時
であることの判別は、例えば、車速が所定車速以下の低
車速で、かつアクセルが開かれているときであるかをみ
ることによって判別し得る。
【0033】P4では、エンジン制御とブレ−キ制御と
の両方でスリップ制御が行なわれているか否か判別され
る。このP4の判別でYESのときは、P5において、
車両が後退しているか否か判別される。この車両の後退
は、例えば従動輪の回転方向をみることによって判別し
得る。P5の判別でYESのときは、P7において、ブ
レ−キ用目標値STBが低下される。これにより、駆動
輪への付与トルクがSTBの低下分だけより低減される
ことになる。
【0034】P7の後、P8において、車両の後退がさ
らに持続しているか否かが判別される。このP8の判別
でYESのときは、駆動輪への付与トルクがなおも大き
いときであるとして、P9においてエンジン用目標値S
TEが低下されて、このSTEの低下分だけ駆動輪への
付与トルクがさらに低減される。前記P2〜P5あるい
はP8の判別でNOのときは、そのままリタ−ンされ
る。
【0035】図5は、本発明の他の制御例を示すもので
ある。この図5では、P11〜P14が図4のP1〜P
4と同じであり、またP17が図4のP7と同じであ
り、P19が図4のP9と同じであるので、この部分の
説明は省略する。図5では、図4のP5の代りに、P1
5、P16の判別を行なうようになっている。すなわ
ち、ハンドル舵角がほぼ0であり(P15の判別がYE
S)、かつヨ−レ−トが発生しているとき(P16の判
別がYESのときで、車体の横方向動きの検出)に、P
17においてブレ−キ用目標値STBが低下される。ま
た、ブレ−キ用目標値STBを低下させたにもかかわら
ず、なをもヨ−レ−トが発生しているときは(P18の
判別がYES)、P9においてエンジン用目標値STE
が低下される。なお、制御ユニットUには、それぞれ図
示は略すが、ハンドル舵角がほぼ0であることを検出す
るセンサあるいはスイッチからの信号が入力され、また
ヨ−レ−トセンサからの信号も入力される。
【0036】以上実施例について説明したが、本発明は
これに限らず、例えば次のような場合をも含むものであ
る。駆動輪のスリップ値としては、駆動輪速と車速との
差ではなく、比として示すように、例えば「駆動輪速/
車速」、あるいは「(駆動輪速−車速)/車速)]とし
て示すこともできる。また、ブレ−キ制御は、ブ−スタ
11を利用することなく、通常一般に行なわれているよ
うに、別途ブレ−キ液圧発生用のポンプを利用してもよ
い。
【0037】スリップ制御は、エンジン制御のみあるい
はブレ−キ制御のみであってもよい。勿論、制御内容変
更手段は、ブレ−キ制御のみのときはブレ−キ用目標値
STBを低下させればよく、エンジン制御のみの場合は
エンジン用目標値STEを低下させればよい。エンジン
制御とブレ−キ制御とを共に行なう場合に、エンジン用
目標値STEとブレ−キ用目標値STBとを共に同時に
低下させることもできる。ただし、エンジンの発生トル
ク低下(STE低下)に先立って、ブレ−キ用目標値S
TBを低下させることにより、駆動輪への付与トルクを
低減しつつエンジンの発生トルクは十分確保して、発進
に好ましいものとなる。制御内容変更手段による駆動輪
への付与トルクのさらなる低減としては、目標値STB
あるいはSTEの低下の他、この目標値によって設定さ
れる制御量に対して所定割合分を加算した制御量を設定
する等、適宜の手法を採択し得るものである。
【0038】車両の後退方向への発進時にも同様に適用
し得る。駆動輪の回転方向と車両の動きとが同じである
か反対方向であるかは、例えば、変速機の変速位置と従
動輪の回転方向とをみることによって知り得る。P2
(図4)あるいはP12(図5)での登坂路であるか否
かの判別をなくすこともできるが、この判別を付加する
ことによって、ノイズ等によっていたずらに駆動輪への
付与トルクが低減され過ぎて発進時の加速性を悪化させ
てしまうような事態をより確実に防止する上で好ましい
ものとなる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例を示す全体系統図。
【図2】図2はブレ−キブ−スタの要部拡大断面図。
【図3】図3は本発明の制御系統を示す図。
【図4】図4は本発明の制御例を示すフロ−チャ−ト。
【図5】図5は本発明の他の制御例を示すフロ−チャ−
ト。
【符号の説明】
1FR,1FL:駆動輪 1RR,1RL:従動輪 2:エンジン 9:発生トルク調整手段 7FR〜7FL:ブレ−キ 11:ブレ−キブ−スタ 15R、15L:ブレ−キ液圧調整手段 U:制御ユニット S1〜S4:車輪速センサ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−224418(JP,A) 特開 昭64−85862(JP,A) 特開 昭64−32954(JP,A) 特開 昭63−222964(JP,A) 特開 平2−169357(JP,A) 特開 昭58−16948(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/58 F02D 29/02 311

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動輪への付与トルクを低減することによ
    り、駆動輪の路面に対するスリップ値が過大になるのを
    防止するようにした車両のスリップ制御装置において、 駆動輪の回転方向とは反対方向の車両の動きを検出する
    反対動作検出手段と、 スリップ制御中に、前記反対動作検出手段によって駆動
    輪の回転方向とは反対方向の車両の動きが検出されてい
    ないときは、駆動輪の実際のスリップ値が所定の目標値
    となるように駆動輪への付与トルクを変更する一方、ス
    リップ制御中に、前記反対動作検出手段によって駆動輪
    の回転方向とは反対方向の車両の動きが検出されたとき
    は、駆動輪の実際のスリップ値が前記所定の目標値より
    も小さな値となるように駆動輪への付与トルクを変更す
    る制御内容変更手段と、 を備えていることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  2. 【請求項2】駆動輪への付与トルクを低減することによ
    り、駆動輪の路面に対するスリップ値が過大になるのを
    防止するようにした車両のスリップ制御装置において、 ハンドル舵角がほぼ0であることを検出する舵角検出手
    段と 両の横方向への動きを検出する横動作検出手段と、 スリップ制御中に、前記各検出手段によってハンドル舵
    角がほぼ0であることおよび車両に横方向の動きがある
    ことの少なくとも一方が検出されていないときは、駆動
    輪の実際のスリップ値が所定の目標値となるように駆動
    輪への付与トルクを変更する一方、スリップ制御中に、
    前記各検出手段によってハンドル舵角がほぼ0でありか
    つ車両の横方向の動きが検出されたときは、駆動輪の実
    際のスリップ値が前記所定の目標値よりも小さな値とな
    るように駆動輪への付与トルクを変更する制御内容変更
    手段と、 を備えていることを特徴とする車両のスリップ制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1または2において、 前記スリップ制御が、駆動輪の実際のスリップ値が所定
    の目標値となるように駆動輪への付与トルクをフィ−ド
    バック制御するように設定され、 前記制御内容変更手段が、前記目標値を低下させる ことを特徴とする車両のスリップ制御装置
  4. 【請求項4】請求項3において、 前記スリップ制御が、駆動輪の実際のスリップ値がブレ
    −キ用目標値となるように駆動輪へのブレ−キ力を制御
    するブレ−キ制御と、駆動輪の実際のスリップ値がエン
    ジン用目標値となるようにエンジンの発生トルクを制御
    するエンジン制御とにより行なわれ、 前記制御内容変更手段が、前記ブレ−キ用目標値を低下
    させる ことを特徴とする車両のスリップ制御装置
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記制御内容変更手段によって前記ブレ−キ用目標値が
    低下された後に、前記後退検出手段により車両の後退が
    さらに検出されたとき、該制御内容変更手段が前記エン
    ジン用目標値をも低下させる、ことを特徴とする車両の
    スリップ制御装置
  6. 【請求項6】請求項3において、 前記スリップ制御が、駆動輪の実際のスリップ値がエン
    ジン用目標値となるようにエンジンの発生トルクを制御
    するエンジン制御のみにより行なわれ、 前記制御内容変更手段が、前記エンジン用目標値を低下
    させる ことを特徴とする車両のスリップ制御装置
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