JP3111449B2 - 早められた結晶化速度を有するナイロン樹脂組成物 - Google Patents

早められた結晶化速度を有するナイロン樹脂組成物

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JP3111449B2 JP09078574A JP7857497A JP3111449B2 JP 3111449 B2 JP3111449 B2 JP 3111449B2 JP 09078574 A JP09078574 A JP 09078574A JP 7857497 A JP7857497 A JP 7857497A JP 3111449 B2 JP3111449 B2 JP 3111449B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、早められた結晶化
速度を有するナイロン樹脂組成物に関する。本発明のナ
イロン樹脂組成物を用いて成形されるナイロン樹脂成形
品は、結晶化が早いので成形性に優れると同時に、ナイ
ロン樹脂の結晶性も高いために、良好な物性を与えるも
のである。したがって、自動車材料、電気・電子部品、
精密機械部品、包装材料などとして幅広く使用すること
ができる。
【0002】
【従来の技術】窒素吸着によるBET比表面積が21m
2 /g以上の繊維状ゾノトライト1〜75重量%とナイ
ロン樹脂25〜99重量%とからなるナイロン樹脂組成
物は既に公知である(特開平6−128412号公報参
照)。このナイロン樹脂組成物は、確かにその構成材料
であるナイロン樹脂の結晶化速度を早めるが、その結晶
性(通常、結晶化度で表わされる)に対する改良効果は
ほとんど見られない場合が多かった。そのため、このナ
イロン樹脂組成物におけるナイロン樹脂の物性改良効果
は予想されるほど大きいものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、早められた結晶化速度を有するとともに、結晶性が
高められたナイロン樹脂成形品を与えるナイロン樹脂組
成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特
定の性状を有する(つまり、特定の比表面積および特定
の形状を持つ)特定量の繊維状ゾノトライトとナイロン
樹脂とから得られ、そして、該ナイロン樹脂の結晶融解
熱(ΔH0 )(cal/g)と、特定の条件において観
察されるナイロン樹脂組成物の融解熱(ΔHm )(ca
l/g)とから前記式(I)によって求められるナイロ
ン樹脂組成物中のナイロン樹脂の結晶化度が特定の範囲
にあるナイロン樹脂/繊維状ゾノトライト組成物を提供
すれば、上記の目的が達成され得ることを見つけ、本発
明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明における第1の発明は、
ナイロン樹脂と繊維状ゾノトライトとからなり、かつ繊
維状ゾノトライトが1重量%以上10重量%未満の範囲
で含まれているナイロン樹脂組成物であって、前記繊維
状ゾノトライトが、21m2/g以上の比表面積(ただ
し、窒素吸着によるBET法での測定値)を有するとと
もに、0.1μm≦D<0.5μm、1μm≦L<5μ
mおよび10≦L/D<20(ただし、DおよびLは、
それぞれ、繊維状ゾノトライトの平均繊維径および平均
繊維長を示す)を同時に満足するものであることを特徴
とするナイロン樹脂組成物を提供することによって達成
できるのである。
【0006】本発明における第2の発明は、ナイロン樹
脂組成物を10℃/分の速度で室温から該樹脂組成物を
構成するナイロン樹脂の平衡融点より30℃高い温度ま
で昇温し、この温度で5分間保持して該樹脂組成物を完
全に溶融させた後、一定の冷却速度で30℃まで冷却し
て5分間保持し、さらに、10℃/分の速度で昇温した
場合に観察される融解熱と、前記ナイロン樹脂の結晶融
解熱とから、下記式(I)
【0007】
【数2】
【0008】によって求められるナイロン樹脂の結晶化
度が0.40以上であることを特徴とする上記第1の発
明に係わるナイロン樹脂組成物を提供することによって
達成できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳しく説明す
る。本発明に述べる繊維状ゾノトライトとは、ゾノトラ
イト(示性式:Ca6 Si 6 17(OH)2 、化学式:
6CaO・6SiO2 ・H2 O)の針状結晶物質をい
う。本発明では、その比表面積の値が非常に重要であ
り、21m2 /g以上、好ましくは30m2 /g以上
(ただし、窒素吸着によるBET法での測定値である)
でなければならない。この値が30m2 /gより小さい
繊維状ゾノトライトの場合、ナイロン樹脂との濡れ性が
悪くなり、特に、21m2 /gより小さい比表面積を有
する繊維状ゾノトライトの場合は、この濡れ性の悪化が
著しいため、前述した本発明の目的を達成することがで
きない。
【0010】さらに、本発明において、繊維状ゾノトラ
イトの繊維の形状としては、特に、平均繊維長(L)が
1μm≦L<5μm、平均繊維径(D)が0.1μm≦
D<0.5μm、そして、アスペクト比(L/D)が1
0≦L/D<20の条件を同時に満足することが必要で
ある。Dが0.1μm未満のものやLが5μm以上のも
のでは、繊維状ゾノトライトとナイロン樹脂との混合・
混練時に、前記繊維状ゾノトライトが折れる恐れがある
し、一方、Dが0.5μm以上のものやLが1μm未満
のものでは、得られるナイロン樹脂組成物の、前記繊維
状ゾノトライトによる機械的強度の向上効果が十分では
ない。また、L/Dが10未満の場合には、得られるナ
イロン樹脂組成物において、十分な機械的強度を得るこ
とができないし、L/Dが20以上の場合には、繊維状
ゾノトライトの嵩比重が小さくなりすぎ、本発明のナイ
ロン樹脂組成物製造時などに混練が困難になる。
【0011】上述したような特定の性状を有する本発明
の繊維状ゾノトライトは、以下に詳述するように、例え
ば、特開平6−128412号公報に記載された製造
法、すなわち、石灰質原料と珪酸質原料とを特定の割合
で配合し、水熱合成反応させることにより製造される。
石灰質原料としては、生石灰、消石灰、カーバイド滓な
どがあり、酸化マグネシウムなどの不純物の少ないもの
が好ましい。また、珪酸質原料としては、珪石、珪砂お
よび石英の粉砕品、珪酸、無水珪酸、シリカゲル、ケイ
ソウ土、白土およびフェロシリコンダストなどが挙げら
れ、これらの珪酸質原料は、不純物が少なくかつ平均粒
径が10μm以下の微粉状のものが望ましい。これら両
者の配合割合(Ca/Si比)は、理論当量よりも若干
小さく、0.8〜0.99とするのが好ましい。また、
混合する水の割合は、前記石灰質原料と前記珪酸質原料
の総重量の5〜40倍、好ましくは8〜30倍であるこ
とが望ましい。
【0012】そして、水熱合成反応は、例えば、上記所
定割合の石灰質原料、珪酸質原料および水をオートクレ
ーブに投入し、攪拌しながら180〜240℃で通常1
〜8時間かけて行えばよい。この場合、所定割合の石灰
質原料、珪酸質原料および水をあらかじめスラリー状に
混合した後、オートクレーブに投入してもよい。水熱合
成反応における反応温度および反応時間は重要な因子で
あり、上記範囲を外れる場合、前述したような本発明に
用いる特定の比表面積を有する繊維状ゾノトライトが得
られない。
【0013】本発明においては、上述の製法によって得
られた繊維状ゾノトライトは、後述するナイロン樹脂と
からなる組成物に対するその補強効果を一層向上させる
ために、さらに、表面が界面活性剤および/またはカッ
プリング剤(以下「表面処理剤」という)によって処理
されることが望ましい。すなわち、表面処理剤は、前記
繊維状ゾノトライトの、マトリックス樹脂、つまり、ナ
イロン樹脂との親和性を向上させ、その補強効果、つま
り、機械的強度をより一層高める目的で使用されるもの
であり、具体的には、次のようなものが使用され得る。
界面活性剤としては、陰イオン系、陽イオン系、両性系
および非イオン系界面活性剤のいずれも使用できる。陰
イオン系界面活性剤としては、アルキルエーテル硫酸
塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ステアリン酸塩な
ど、陽イオン系界面活性剤としては、テトラデシルアミ
ン酢酸塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド
など、両性系界面活性剤としては、ジメチルアルキルラ
ウリルペタインなど、そして、非イオン系界面活性剤と
しては、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテルなどが挙げられる。ま
た、カップリング剤としては、シラン系カップリング
剤、特にγ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−β(アミノプロピル)γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−ジブチルアミノプロピルト
リメトキシシランおよびγ−ウレイドプロピルトリエト
キシシランなどのアミノシランカップリング剤の他に、
チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリ
ング剤、クロム系カップリング剤、ホウ素系カップリン
グ剤などが挙げられる。
【0014】これら表面処理剤の添加量は、前記繊維状
ゾノトライト(乾燥物基準)に対して0.1〜10重量
%、好ましくは0.5〜8重量%であるべきである。添
加量が0.1重量%未満では、前述の強度向上効果が十
分でなく、また、添加量が10重量%を越える場合は、
添加量を増加しても前述の強度向上効果はほとんど高ま
らない。なお、添加量が0.1〜0.5重量%の範囲で
は、前述の強度向上効果が十分でないことがあり、添加
量が8〜10重量%の範囲では、前述の強度向上効果の
上昇が望めなくなる傾向がある。
【0015】本発明においては、前述したように、水熱
合成反応によって得られた繊維状ゾノトライトスラリー
をオートクレーブから抜き出し、繊維状ゾノトライトの
表面処理を行う。表面処理方法は、特に限定しないが、
例えば、繊維状ゾノトライトスラリーにそのまま、ある
いは、適当量の水を加えた後に、前記表面処理剤を添加
し、適当な装置によりスラリー状態で混合・攪拌する。
引き続き、遠心脱水機あるいはフィルタープレス機など
により余剰の水分を濾過分離し、ケーキ状の繊維状ゾノ
トライトを得るのである。また、この表面処理について
は、前記の繊維状ゾノトライトスラリーを乾燥した後
に、少量の水あるいは溶媒に溶解した前記表面処理剤を
用いて行う、いわゆる乾式処理法によってもよいが、操
作が煩雑となり、また、表面処理の効果が小さく特にメ
リットはない。
【0016】次に、上述のようにして表面処理剤を付着
したケーキ状の繊維状ゾノトライトは、乾燥および、前
記表面処理剤としてカップリング剤を使用した場合は、
さらに熱処理され、本発明に使用される繊維状ゾノトラ
イトが得られる。前記乾燥は、熱風循環式乾燥器、赤外
線加熱式乾燥器など公知の乾燥器を用いて100〜15
0℃の温度で20〜30時間かけて、繊維状ゾノトライ
トの水分が1重量%以下になる程度まで行うことが好ま
しい。また、表面処理剤としてカップリング剤を使用し
た場合の熱処理は、前記の100〜150℃および20
〜30時間の加熱下での水分の乾燥に続いて行うことが
好ましい。さらにまた、本発明に使用される繊維状ゾノ
トライトは、後述するナイロン樹脂との混合・混練を容
易に行う目的で顆粒状に造粒されてもよい。顆粒状の繊
維状ゾノトライトは、前記の表面処理剤を付着したケー
キ状の繊維状ゾノトライトを、造粒機によって径が1〜
8mmの顆粒状に成形し、続いて、上記乾燥および、前
記表面処理剤としてカップリング剤を使用した場合は、
さらに熱処理を行うことによって得られる。この場合、
前記造粒機としては、特に制限されるものではなく、回
転縦型造粒機、回転ドラム型造粒機、回転さら型造粒
機、スクリュー押出造粒機、ロール押出造粒機など公知
の造粒機を用いることができる。また、顆粒状の繊維状
ゾノトライトの径が前記の範囲を逸脱する場合、ナイロ
ン樹脂との混合・混練に際して、一軸押出機や二軸押出
機などでの混合・混練が困難となり、ロールやバンバリ
ーミキサーなどで逐次的に充填し、混合・混練を行わな
ければならず、繊維状ゾノトライトが著しく破壊して得
られる樹脂組成物の機械的強度の低下を生じることがあ
る。なお、本発明においては、顆粒状の繊維状ゾノトラ
イトの製造に際し、前記のケーキ状の繊維状ゾノトライ
トをそのまま乾燥および必要に応じて熱処理し、粒径5
mm程度に砕く方法で顆粒状に成形してもよいが、粉が
生じやすく、かつ、嵩がやや大きく取り扱いにやや難が
ある。
【0017】本発明において使用するナイロン樹脂とし
ては、結晶性のナイロン樹脂であれば、公知のものを使
用することができる。例えば、三員環以上の環状脂肪族
ラクタムを開環重合して得られる結晶性ポリアミド類、
ジアミンとジカルボン酸を重縮合して得られる結晶性ポ
リアミド類、ジアミンとジカルボン酸から得られる塩を
重縮合して得られる結晶性ポリアミド類、ω−アミノカ
ルボン酸を重縮合して得られる結晶性ポリアミド類、あ
るいは、これらポリアミド形成モノマー成分の2種以上
を共重合して得られる結晶性共重合ポリアミド類などが
挙げられる。あるいはまた、これらの結晶性ポリアミド
類または結晶性共重合ポリアミド類の2種以上の混合物
を使用することもできる。
【0018】上記ジアミンとしては、例えば、ヒドラジ
ン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメ
チレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレ
ンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジア
ミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジア
ミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミ
ン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、
2−メチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルヘキサ
メチレンジアミン、2−エチルオクタメチレンジアミン
および3−t−ブチルヘキサメチレンジアミンなどの脂
肪族ジアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,
4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメ
チル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)
シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、N
−アミノエチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジ
ン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンおよび
2,2−ビス−(4’−アミノシクロヘキシル)プロパ
ンなどの脂環族ジアミン、および、m−キシリレンジア
ミンおよびp−キシリレンジアミンなどの芳香族ジアミ
ンが挙げられる。
【0019】一方、上記ジカルボン酸としては、例え
ば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2
−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−t−
ブチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、ノナンジオン酸、デカンジオン酸、
ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデカンジ
オン酸、テトラデカンジオン酸、ペンタデカンジオン
酸、ヘキサデカンジオン酸、アイコサンジオン酸、リン
デル酸の2量体のジカルボン酸およびオレイン酸の2量
体のジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサン
ジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸などの脂環族ジカルボン酸、および、テレフタル酸、
イソフタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、1,2−
ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボ
ン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフ
タレンジカルボン酸、1,6−ナフタレンジカルボン
酸、1,7−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタ
レンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレン
ジカルボン酸、1,3−アントラセンジカルボン酸、
1,4−アントラセンジカルボン酸、1,5−アントラ
センジカルボン酸、1,9−アントラセンジカルボン
酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、9,10−ア
ントラセンジカルボン酸、ビフェニル−2,2’−ジカ
ルボン酸、ビフェニル−2,3’−ジカルボン酸および
3−(4−カルボキシフェニル)1,1,3−インダン
カルボン酸などの芳香族ジカルボン酸が挙げられる。そ
して、前記ジアミンとジカルボン酸から得られる塩とし
ては、例えば、エチレンジアンモニウムアジペート、テ
トラメチレンジアンモニウムアジペート、テトラメチレ
ンジアンモニウムピメレート、テトラメチレンジアンモ
ニウムアゼレート、ペンタメチレンジアンモニウムセバ
ケート、ヘキサメチレンジアンモニウムアジペート、ヘ
キサメチレンジアンモニウムセバケート、ヘキサメチレ
ンジアンモニウムスクシネート、オクタメチレンジアン
モニウムアジペート、オクタメチレンジアンモニウムセ
バケート、ノナメチレンジアンモニウムアジペート、ノ
ナメチレンジアンモニウムセバケート、デカメチレンジ
アンモニウムアジペート、ウンデカメチレンジアンモニ
ウムセバケート、ドデカメチレンジアンモニウムアジペ
ート、ドデカメチレンジアンモニウムセバケートおよび
p−キシリレンジアンモニウムセバケートなどの上記ジ
アミンと上記ジカルボン酸から得られる等モル塩を挙げ
ることができる。
【0020】また、前記ω−アミノカルボン酸として
は、例えば、ε−アミノカプロン酸、ω−アミノヘプタ
ン酸、ω−アミノノナン酸、ω−アミノウンデカン酸お
よびω−アミノドデカン酸などを挙げることができ、前
記三員環以上の環状脂肪族ラクタムとしては、例えば、
ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、α−ピロ
リドン、δ−メチルピロリドン、α−ピペリドン、ω−
ウンデカンラクタムおよびω−ドデカラクタムなどを挙
げることができる。
【0021】したがって、具体例としては、ポリスクシ
ンアミド(ナイロン4)、ポリカプラミド(ナイロン
6)、ポリ−ω−アミノノナン酸(ナイロン9)、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキ
サメチレンアジポアミド(ナイロン66)、ポリヘキサ
メチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメ
チレンドデカノアミド(ナイロン612)、ポリウンデ
カンアミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナ
イロン12)などの脂肪族ホモポリアミド、ポリヘキサ
メチレンテレフタラミド(ナイロン6T(Tは、テレフ
タル酸成分単位を表わす。以下において同じ))、ポリ
メタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6(MXD
は、m−キシリレンジアミン成分単位を表わす。以下に
おいて同じ))、ポリメタキシリレンスベラミド(ナイ
ロンMXD8)、ポリメタキシリレンセバカミド(ナイ
ロンMXD10)、ポリパラキシリレンアジパミド(ナ
イロンPXD6(PXDは、p−キシリレンジアミン成
分単位を表わす。以下において同じ))、ポリパラキシ
リレンピメラミド(ナイロンPXD7)、ポリパラキシ
リレンアゼラミド(ナイロンPXD9)、ポリパラキシ
リレンセバカミド(ナイロンPXD10)などの半芳香
族ホモポリアミドなど、および、共重合ポリアミド類と
して、ナイロン6/66、ナイロン6/11、ナイロン
6/12、ナイロン6/610、ナイロン6/612、
ナイロン66/610、ナイロン66/612、ナイロ
ン6/66/610、ナイロン6/66/612、ナイ
ロン6/66/11、ナイロン6/66/12、ナイロ
ン6/6T、ナイロン6/6I(Iは、イソフタル酸成
分単位を表わす。以下において同じ)、ナイロン66/
6T、ナイロン66/6I、ナイロン6T/6I、ナイ
ロン6/11/6T、ナイロン6/12/6T、ナイロ
ン6/11/6I、ナイロン6/12/6I、ナイロン
66/11/6T、ナイロン66/12/6T、ナイロ
ン66/11/6I、ナイロン66/12/6I、ナイ
ロン6/6T/6I、ナイロン66/6T/6I、ナイ
ロン11/6T/6I、ナイロン12/6T/6I、ナ
イロン6/MXD6、ナイロン66/MXD6、ナイロ
ンMXD6/PXD6、ナイロンMXD7/PXD7、
ナイロンMXD9/PXD9およびナイロンMXD10
/PXD10などを挙げることができる。また、これら
のホモポリアミド類や共重合ポリアミド類の混合物など
も具体例として挙げられる。本発明においては、これら
の中でもナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナ
イロン6/66、ナイロン6/66/12、ナイロン6
6/6Tなどを特に好適な例として挙げることができ
る。また、本発明において用いられる前記ナイロン樹脂
は、末端基の種類および濃度、あるいは、分子量および
分子量分布に特別な制限はない。
【0022】さらに、本発明の効果が阻害されない範囲
で、前記ナイロン樹脂と前記繊維状ゾノトライトとから
なるナイロン樹脂組成物の特性改善や製造改善のため
に、通常樹脂に配合される各種副資材、すなわち、熱安
定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、滑剤、ブロッキング防止剤、粘着性付与剤、シール
性改良剤、防曇剤、結晶核剤、離型剤、耐衝撃性改良
剤、可塑剤、架橋剤、発泡剤、難燃剤、難燃助剤、顔
料、染料、香料などの添加剤や改質剤の他、充填剤や補
強材などを添加することもできる。上記充填剤や補強材
としては、例えば、有機質としての木粉、パルプ、およ
び無機質としての鉄、銅、金、銀、アルミニウムなどの
ウィスカー、フレーク、繊維または粉末状の金属、カー
ボンブラック、グラファイト、炭素繊維、活性炭、中空
球などの炭素材料、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミ
ナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛、マグネシア、カル
シア、チタン酸カリウム、各種フェライト類および塩基
性硫酸マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム他の複合
酸化物類を含む酸化物、タルク、クレー、マイカ、アス
ベストおよび珪酸亜鉛などの珪酸塩、各種金属の水酸化
物、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、ホウ珪酸
塩、アルミノ珪酸塩、チタン酸塩、塩基性硫酸塩、塩基
性炭酸塩およびその他の塩基性塩など、ガラス繊維、ガ
ラス中空球、ガラスフレークなどのガラス材料、炭化珪
素、窒化珪素、窒化アルミニウム、ムライト、コージェ
ライトなどのセラミックス、フライアッシュやミクロシ
リカなどの廃棄物などが挙げられる。さらにまた、その
他の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム類など
を必要に応じて、本発明の効果が阻害されない範囲の量
で配合することができ、また、これらを架橋配合させる
こともできる。
【0023】ところで、本発明においては、前記ナイロ
ン樹脂と前記繊維状ゾノトライトとからなるナイロン樹
脂組成物中における前記繊維状ゾノトライトの含有量が
1重量%以上かつ10重量%未満であることが必要であ
る。前記繊維状ゾノトライトの含有量が1重量%より少
ないと、本発明本来の目的であるナイロン樹脂への繊維
状ゾノトライトの補強効果が十分ではない。また、前記
繊維状ゾノトライトの含有量が10重量%以上の場合
は、ナイロン樹脂の結晶性改良効果が発現しないし、結
晶化速度の上昇効果も飽和してしまうので好ましくな
い。
【0024】そして、本発明のナイロン樹脂組成物は、
上記のような成分、つまり、前記ナイロン樹脂と前記繊
維状ゾノトライト、および、これら成分の上述したよう
な配合から構成され、さらに、次に示すような特性を有
するものであることが必要である。すなわち、本発明の
ナイロン樹脂組成物を10℃/分の速度で室温(23
℃)から該ナイロン樹脂組成物を構成する前記ナイロン
樹脂の平衡融点より30℃高い温度まで昇温し、この温
度で5分間保持して該ナイロン樹脂組成物を完全に溶融
させた後、5℃/分〜200℃/分の範囲内で決められ
た一定の冷却速度で30℃まで冷却して5分間保持し、
さらに、10℃/分の速度で昇温した場合に観測される
融解熱(ΔHm )(cal/g)と、前記ナイロン樹脂
の結晶融解熱(ΔH0 )(cal/g)とから、次式
(I)
【0025】
【数3】
【0026】によって求められる前記ナイロン樹脂の結
晶化度が0.40以上であることが必要である。例え
ば、本発明のナイロン樹脂組成物がナイロン6樹脂と前
記繊維状ゾノトライトからなる場合、融解熱(ΔHm
として、ナイロン樹脂組成物を10℃/分の速度で室温
(23℃)から255℃まで昇温し、255℃で5分間
保持してナイロン樹脂組成物を完全に溶融させた後、5
℃/分〜100℃/分の範囲内で決められた一定の冷却
速度で30℃まで冷却して5分間保持し、さらに、10
℃/分の速度で昇温した場合に観測される融解熱(ca
l/g)を採用するとともに、ナイロン6樹脂の結晶融
解熱(ΔH0 )を45cal/g(高分子学会編「高分
子の固体構造II」、共立出版発行(1984)参照)と
して、前記式(I)により求められるナイロン6樹脂の
結晶化度が0.40以上である必要がある。前記式
(I)によって求められる前記ナイロン樹脂の結晶化度
が0.40未満の場合、早められた結晶化速度を有する
とともに結晶性が高められたナイロン樹脂成形品を得る
ことができず、本発明の目的を達成できない。
【0027】次に、本発明のナイロン樹脂組成物は、以
下のようにして製造することができる。すなわち、前記
ナイロン樹脂および前記繊維状ゾノトライトからなるナ
イロン樹脂組成物は、公知の方法で製造される。一般的
には、前述の所定量の前記ナイロン樹脂および前記繊維
状ゾノトライトが、混練機を用いて溶融混練され、本発
明のナイロン樹脂組成物とされるのである。この際、溶
融混練温度は、使用するナイロン樹脂の融点より10℃
高い温度以上、該融点より60℃高い温度以下、好まし
くは該融点より10℃高い温度以上、該融点より40℃
高い温度以下であることが好ましい。なお、前記ナイロ
ン樹脂の混合物を使用する場合は、使用するナイロン樹
脂の内、高い融点を有するナイロン樹脂を基準に選べば
よい。溶融混練温度がナイロン樹脂の融点+10℃より
も低いと、混練機内において、ナイロン樹脂の溶融粘度
が高くなりすぎるとともに、該樹脂の融点以下の温度と
なる部分が生じ、製造中に該樹脂が固化するなどして、
混練不良を起こす可能性がある。また、溶融混練温度が
ナイロン樹脂の融点+60℃より高いと、該樹脂の熱分
解や熱劣化が起こり、得られるナイロン樹脂組成物の着
色や物性低下をもたらすので好ましくない。なお、溶融
混練温度に係るこれらの好ましくない現象の発生を確実
に防止するためには、溶融混練温度は上述の好ましい範
囲内の温度にすべきである。
【0028】前記混練機としては、例えば、一軸押出機
や二軸押出機などの押出機、二軸連続ミキサー、バンバ
リーミキサー、スーパーミキサー、ミキシングロール、
ニーダー、ブラベンダープラストグラフなどを挙げるこ
とができ、本発明のナイロン樹脂組成物は、一般にペレ
ット状として得るのが通常である。前記混練機として
は、上記の中でも押出機が好ましく、二軸押出機が特に
好ましい。
【0029】さらに、前記ナイロン樹脂と前記繊維状ゾ
ノトライトの溶融混練の際のこれら成分の添加、混合順
序については、任意に選択することができる。例えば、
溶融混練に先立ち、ヘンシェルミキサー、リボンブレン
ダー、タンブラーブレンダーなどを用いて、前記ナイロ
ン樹脂と前記繊維状ゾノトライトとを混合した後、この
混合物を押出機のホッパーに供給してもよく、また、押
出機のホッパーには前記ナイロン樹脂のみを供給し、前
記繊維状ゾノトライトを押出機の途中から供給してもよ
い。なお、前記ナイロン樹脂組成物を製造するにあたっ
て、押出機のホッパーあるいは押出機の途中から、必要
に応じて同時に前述の各種副資材を添加することもでき
る。
【0030】そして、このようにして得られた本発明の
ナイロン樹脂組成物は、射出成形、押出成形、圧縮成
形、中空成形などの公知の種々の成形法により所望の形
状に成形され、ナイロン樹脂成形品が得られる。
【0031】
【実施例】以下に、実施例および比較例を挙げて本発明
をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を越え
ない限り、これら実施例および比較例によって何ら限定
を受けるものではない。
【0032】なお、以下の実施例および比較例において
述べるナイロン樹脂成形品の物性評価方法については、
下記の方法に従って行った。すなわち、示差走査熱量計
(パーキンエルマー社製、型式:DSC 7)を用い、
結晶化速度の目安として結晶化温度を、また、結晶性の
指標として結晶化度を、それぞれ、下記の方法により求
めた。測定は、ナイロン6樹脂組成物の試料10mgを
用い、液体窒素を冷却媒体としてヘリウム雰囲気中で行
った。
【0033】(1)結晶化温度 試料を10℃/分の速度で室温から255℃まで昇温
し、この温度で5分間保持して完全に溶融させた。その
後、決められた一定の冷却速度で冷却した場合に観察さ
れる結晶化のピーク温度を求め、結晶化温度とした。
【0034】(2)結晶化度 試料を前記第(1)項と同様にして30℃まで冷却して
5分間保持した後、10℃/分の速度で昇温した場合に
観察される融解熱(ΔHm )(cal/g)を求めた。
そこで、ナイロン6樹脂の結晶融解熱(ΔH0 )を45
cal/gとし、ナイロン6樹脂の結晶化度を次式(I
I)で算出した。
【0035】
【数4】
【0036】参考例1 石灰質原料として生石灰(カルシード(株)製品、Ca
O純度:98%)430g、珪酸質原料として農業用珪
石粉(ジャパンゼネラル(株)製品、ブレーン比表面
積:7,000cm2 /g、SiO2 純度:97%)4
70g、および水道水18リットルを内容積30リット
ルのSUS316製攪拌機付オートクレーブに投入し
た。そして、攪拌機の回転数80rpmで攪拌しなが
ら、保持温度220℃まで2℃/分の割合で昇温し、保
持温度220℃で5時間保持して水熱合成反応を行っ
た。その後、攪拌しながら10時間以上かけて放冷して
繊維状ゾノトライトスラリーを得た。なお、このスラリ
ーのX線回折を測定したところ、ゾノトライトのみが同
定された。
【0037】続いて、この繊維状ゾノトライトスラリー
920g(固形分基準)に水道水約18リットルおよび
非イオン系の界面活性剤(ポリオキシエチレンオクタデ
シルアミン、日本油脂(株)製品、商品名:ナイミーン
204)46g(繊維状ゾノトライト固形分に対して5
重量%)を加え、ホモジナイザーで分散しながら表面処
理した。このスラリーをヌッチェにて脱水してケーキ状
にした後、造粒機によりφ3mmの径に成形し、約10
0℃で乾燥することにより、表面処理した顆粒状の繊維
状ゾノトライトを得た。この顆粒状の繊維状ゾノトライ
トについて、窒素吸着によるBET比表面積の測定なら
びに走査型電子顕微鏡写真による平均繊維長および平均
繊維径の測定を行ったところ、それぞれ、39m2
g、3μmおよび0.2μm(したがって、アスペクト
比:15)であった。
【0038】実施例1 シリンダー径:φ30mmの同方向回転型二軸スクリュ
ー押出機(池貝鉄工(株)製、型式:PCM30)を使
用して、250℃(ただし、ノズル部の温度とし、以下
において同じ)において、ナイロン6(宇部興産(株)
製、商品名:UBEナイロン1013B)97重量部
と、参考例1で得られた繊維状ゾノトライト3重量部と
を溶融混練し、ナイロン6樹脂組成物のペレットを作製
した。ただし、この際、スクリューフィーダーを用いて
前記押出機の第1ベント口より前記繊維状ゾノトライト
を供給し、そして、前記押出機の第2ベント口から脱気
操作を行った。
【0039】そこで、このようにして得られたナイロン
6樹脂組成物のペレットを120℃の加熱オーブンで6
時間、さらに80℃の真空乾燥機で一夜真空乾燥した。
そして、このペレットを用いて冷却速度を100℃/分
とした場合の結晶化温度および結晶化度を求めた。結果
を表1に示す。
【0040】実施例2〜4 実施例2〜4において、97重量部のナイロン6と3重
量部の繊維状ゾノトライトに変えて、ナイロン6と繊維
状ゾノトライトを、それぞれ、表1に示すような配合割
合で使用したこと以外は、実施例1と全く同様の操作を
行った。得られたペレットの結晶化温度および結晶化度
について、得られた結果を、それぞれ、表1に示す。
【0041】実施例5〜7 実施例5〜7において、冷却速度を100℃/分に変え
て、それぞれ、表1に示すような値にしたこと以外は、
実施例1と全く同様の操作を行った。得られたペレット
の結晶化温度および結晶化度について、得られた結果
を、それぞれ、表1に示す。
【0042】実施例8 ナイロン6の使用量を97重量部に変えて93重量部に
したこと、および、繊維状ゾノトライトの使用量を3重
量部に変えて7重量部にしたこと以外は、実施例5と全
く同様の操作を行った。得られたペレットの結晶化温度
および結晶化度について、得られた結果を表1に示す。
【0043】実施例9 ナイロン6の使用量を97重量部に変えて93重量部に
したこと、および、繊維状ゾノトライトの使用量を3重
量部に変えて7重量部にしたこと以外は、実施例6と全
く同様の操作を行った。得られたペレットの結晶化温度
および結晶化度について、得られた結果を表1に示す。
【0044】実施例10 ナイロン6の使用量を97重量部に変えて93重量部に
したこと、および、繊維状ゾノトライトの使用量を3重
量部に変えて7重量部にしたこと以外は、実施例7と全
く同様の操作を行った。得られたペレットの結晶化温度
および結晶化度について、得られた結果を表1に示す。
【0045】比較例1〜4 比較例1〜4において、97重量部のナイロン6と3重
量部の繊維状ゾノトライトに変えて、ナイロン6と繊維
状ゾノトライトを、それぞれ、表1に示すような配合割
合で使用したこと以外は、実施例1と全く同様の操作を
行った。得られたペレットの結晶化温度および結晶化度
について、得られた結果を、それぞれ、表1に示す。比
較例1においては、結晶化温度が155℃で、結晶化度
が0.32であり、いずれも、実施例の場合(結晶化温
度:165〜198℃、結晶化度:0.41〜0.4
9)に比べてかなり低かった。また、比較例2〜4にお
いては、結晶化度が0.30であり、実施例の場合
(0.41〜0.49)に比べて著しく低かった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上述べた実施例および比較例からも明
らかなように、本発明によって提供されるナイロン樹脂
組成物は、結晶化温度が高く(これは、結晶化が早く起
こること、すなわち、結晶化速度が早いことを示してい
る)、かつ結晶化物の結晶性が高い。したがって、自動
車材料、電気・電子部品、精密機械部品、包装材料など
として幅広く使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12 C08K 3/00 - 3/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナイロン樹脂と繊維状ゾノトライトとか
    らなり、かつ繊維状ゾノトライトが1重量%以上10重
    量%未満の範囲で含まれているナイロン樹脂組成物であ
    って、前記繊維状ゾノトライトが、(1)21m2 /g
    以上の比表面積(ただし、窒素吸着によるBET法での
    測定値)を有するとともに、(2)0.1μm≦D<
    0.5μm、(3)1μm≦L<5μmおよび(4)1
    0≦L/D<20(ただし、DおよびLは、それぞれ、
    繊維状ゾノトライトの平均繊維径および平均繊維長を示
    す)を同時に満足するものであることを特徴とする早め
    られた結晶化速度を有するナイロン樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ナイロン樹脂組成物を10℃/分の速度
    で室温から該樹脂組成物を構成するナイロン樹脂の平衡
    融点より30℃高い温度まで昇温し、この温度で5分間
    保持して該樹脂組成物を完全に溶融させた後、一定の冷
    却速度で30℃まで冷却して5分間保持し、さらに、1
    0℃/分の速度で昇温した場合に観察される融解熱と、
    前記ナイロン樹脂の結晶融解熱とから、下記式(I) 【数1】 によって求められるナイロン樹脂の結晶化度が0.40
    以上であることを特徴とする請求項1に記載の早められ
    た結晶化速度を有するナイロン樹脂組成物。
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