JP3110553B2 - 抗菌性処理木材及びその製造方法 - Google Patents

抗菌性処理木材及びその製造方法

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JP3110553B2 JP04116151A JP11615192A JP3110553B2 JP 3110553 B2 JP3110553 B2 JP 3110553B2 JP 04116151 A JP04116151 A JP 04116151A JP 11615192 A JP11615192 A JP 11615192A JP 3110553 B2 JP3110553 B2 JP 3110553B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌剤を木材等の素材
に含浸又は付着させた抗菌性処理木材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、材木及び木材原料が広く内装
材として用いられ、それら内装材には、室内の結露によ
る微生物汚染を防止するため抗菌剤が大量に使用されて
きた。一般にその抗菌剤は、木材の表面の不快微生物の
繁殖を抑制するより、木材そのものの腐朽を抑制する防
腐剤として使用する目的から多く用いられている。
【0003】また、近年木材の良さが見直され、調度品
に木材あるいは木材を原料とする素材が多用されるよう
になってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、それら
木材の素材表面の微生物汚染は、木材素材上に栄養源を
含んだ水分と微生物が接触するところから始まり、さら
にほこり等も付着し、最終的にはぬめりの発生、真菌の
増殖につながる。このように木材の素材表面が微生物の
生息場所となっており、その清潔性の向上が要望されて
いる。そこで、抗菌剤が数多く提案されているが、抗菌
剤の人体及び環境に対する安全性の点で不安があるとい
う課題がある。
【0005】本発明は、従来のこのような課題を考慮
し、微生物汚染を防止することができ、人体及び環境に
対する安全性が高い抗菌性処理木材を提供することを目
的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、木
材又は木材を原料とする素材の少なくとも表面に、チオ
スルファト銀錯塩が含浸又は付着されている抗菌性処理
木材である。
【0007】請求項3の本発明は、チオスルファト銀錯
塩の溶液を、木材または木材を原料とする素材の少なく
とも表面に含浸し、又は付着し、その木材または木材を
原料とする素材を乾燥する抗菌性処理木材の製造方法で
ある。
【0008】
【作用】本発明は、木材表面に付着した無機系抗菌剤
が、微生物の繁殖を防止し、木材に含浸した無機系抗菌
剤が、木材の摩耗により表面に現れて抗菌効果を持続さ
せる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基
づいて説明する。
【0010】(実施例1)図1は、本発明にかかる一実
施例の抗菌性処理木材の構造を説明する断面図である。
すなわち、抗菌性処理木材の素材である木材1には、そ
の木部組織中に形成された師管、導管などの多数の毛細
管2が存在し、それら毛細管2内側及び木材切断面表面
には、無機系抗菌剤として有効なチオスルファト銀錯塩
3が付着している。
【0011】次に、上記チオスルファト銀錯塩3及び抗
菌性処理木材の製法について説明する。
【0012】まず、酢酸銀などの水溶性銀塩100重量
部を塩素を含まない水に加えて溶解させ、亜硫酸ナトリ
ウムおよび亜硫酸水素ナトリウムの混合物450重量
部、およびチオ硫酸ナトリウムの水溶性塩300重量部
を順次、充分撹拌しながら混合し溶解させ、チオスルフ
ァト銀錯塩水溶液を得た。なお、チオ硫酸ナトリウムの
重量は、その水和物Na223・5H2Oの重量として
示される。
【0013】次に、以上のようにして得られたチオスル
ファト銀錯塩水溶液を、100倍の純水で希釈し、その
溶液中に、木材を全体が水没するように浸漬する。この
とき木材のサイズなど、必要に応じて、圧力装置中で行
い、加圧あるいは減圧することも可能である。
【0014】このような構成で製造した上記実施例の抗
菌性処理木材の表面の抗菌性能を評価した結果を表1に
示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1は、上記実施例および無処理の従来品
における種々の条件での、木材表面の細菌数を示してい
る。
【0017】この結果から上記実施例の抗菌性処理木材
は、表面に抗菌性が発揮され、清浄性が保たれる。
【0018】(実施例2)まず、実施例1と同様の方法
でチオスルファト銀錯塩水溶液を調整する。
【0019】本実施例2の銀シリカゲル系抗菌剤粒子に
用いる担体は、「JIS Z 0701包装用シリカゲ
ル乾燥剤」に記載のB型のシリカゲル粉末である。この
B型シリカゲル粉末は、低湿度では吸湿率が低く、高湿
度では吸湿率が高く、かつ高湿度における総吸湿量の高
いシリカゲル粉末であり、その平均粒径は8μm程度で
ある。
【0020】次に、このシリカゲル粉末を180℃で2
時間以上乾燥させた。上記シリカゲル100重量部に対
し、銀成分として2重量部になるように前記チオスルフ
ァト銀錯塩水溶液を混合した。次いで、速やかに溶媒お
よび担体中に吸収された水分を除去した。次いで、これ
を所定の粒径に粉砕して、抗菌性材料が担持したシリカ
ゲルを得た。
【0021】次に、コーティング材料としてテトラエト
キシシラン100重量部をエチルアルコール100重量
部に希釈混合させた溶液に、上記シリカゲル100重量
部を分散させた後、これに純水20重量部を加えてテト
ラエトキシシランを加水分解させ、上記シリカゲルの表
面の少なくとも1部をコーティングした。次いでこれを
乾燥させて銀シリカゲル系抗菌剤粒子を得た。
【0022】次に、上記銀シリカゲル系抗菌剤粒子1重
量部に対し、100重量部の純水で分散した液中に、木
材を全体が水没するように浸漬する。このとき木材のサ
イズなど、必要に応じて、圧力装置中で行い、加圧ある
いは減圧することも可能である。
【0023】このような構成で製造した実施例2の抗菌
性処理木材の表面の抗菌性能を実施例1と同様の方法で
評価した結果、実施例2の抗菌性処理木材は実施例1と
同様に、表面に抗菌性が発揮され、清浄性が保たれた。
【0024】以上のように、本発明の抗菌性処理木材
は、木材表面で微生物と接触することにより抗菌効果を
発揮することは言うまでもなく、用いたチオスルファト
銀錯塩は、通常使用での気散がきわめて少ない。そのた
め表面の抗菌性能は初期性能からの劣化が少なく、すな
わち抗菌性能の持続性を発揮するという効果がある。
又、チオスルファト銀錯塩等の無機系抗菌剤は、人体及
び環境に対して安全性が高いので、安全性の高い抗菌性
処理木材が実現できる。
【0025】一方、木材はその表面が柔らかく、使用時
は常に表面の摩耗研磨を受ける。抗菌性処理された表面
が摩耗研磨された後、抗菌性処理された素材内部が表面
に出ることで常に表面が更新され、新規な抗菌処理され
た木材組織が出ることにより抗菌性能の持続性に効果が
ある。
【0026】なお、上記実施例1及び実施例2では、抗
菌剤にチオスルファト銀錯塩を用いたが、これに限ら
ず、他の銀系抗菌剤を用いてもよい。あるいは無機系抗
菌剤であれば、例えば銅系又は亜鉛系等の他の抗菌剤を
用いてもよい。
【0027】また、上記実施例1及び実施例2では、抗
菌剤を木材内部に含浸させたが、これに限らず、木材の
表面に含浸させてもよい。あるいは又木材の表面に付着
させるだけでもよい。
【0028】また、上記実施例2では、銀シリカゲル系
抗菌剤粒子の加水分解物の被覆の形成にテトラエトキシ
シランを用いたが、これに限らず、テトラメトキシシラ
ン等の他のテトラアルコキシシランであってもよい。
【0029】また、上記実施例2では、担体としてシリ
カゲルを用いたが、これに限らず、担持能を有する物質
であれば、例えばゼオライトなど他の担体を用いてもよ
い。
【0030】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本
発明は、木材又は木材を原料とする素材の少なくとも表
面に、チオスルファト銀錯塩が含浸又は付着されている
ので、微生物汚染を防止することができ、人体及び環境
に対する安全性が高いという長所を有する。
【0031】また、抗菌剤の蒸散がきわめて少なく、又
表面の摩耗に対して抗菌剤が常に表面に現れるので、抗
菌性能の劣化が少なく持続性があるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施例の抗菌性処理木材の構
造を説明する断面図である。
【符号の説明】
1 木材 2 毛細管 3 チオスルファト銀錯塩
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西野 敦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−73304(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B27K 3/16 - 3/52

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材又は木材を原料とする素材の少な
    くとも表面に、チオスルファト銀錯塩が含浸又は付着
    れていることを特徴とする抗菌性処理木材。
  2. 【請求項2】 前記チオスルファト銀錯塩が担持された
    シリカゲルの表面の少なくとも一部がテトラアルコキシ
    シランの加水分解物で被覆されたものであることを特徴
    とする請求項記載の抗菌性処理木材。
  3. 【請求項3】 チオスルファト銀錯塩の溶液を、木材ま
    たは木材を原料とする素材の少なくとも表面に含浸し
    又は付着しその木材または木材を原料とする素材を乾燥
    することを特徴とする抗菌性処理木材の製造方法。
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